JPH0944666A - 皮膚紋様並びに指紋紋様の分類装置 - Google Patents

皮膚紋様並びに指紋紋様の分類装置

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JPH0944666A
JPH0944666A JP7197711A JP19771195A JPH0944666A JP H0944666 A JPH0944666 A JP H0944666A JP 7197711 A JP7197711 A JP 7197711A JP 19771195 A JP19771195 A JP 19771195A JP H0944666 A JPH0944666 A JP H0944666A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤りが少なく精度良く安定して皮膚紋様の追
跡分類を行い得る皮膚紋様分類装置を提供すること。 【解決手段】 この皮膚紋様分類装置では、画像入力手
段91で入力された皮膚画像から尾根線抽出手段92で
皮膚紋様の隆線に対応する尾根線を抽出し、谷線抽出手
段92で皮膚紋様の隆線の間の谷部分である谷線を抽出
する。抽出された尾根線や谷線に関するマニューシャは
それぞれ尾根マニューシャ抽出手段94及び谷マニュー
シャ抽出手段95で抽出され、それらをマニューシャ対
応抽出手段96で対応付ける。特徴線追跡手段97では
尾根及び谷のマニューシャで対応付けされない特異なマ
ニューシャを基準にして皮膚紋様の特徴線を追跡し、紋
様判定手段98では特徴線の追跡結果を用いて皮膚紋様
の種別判定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掌紋や指紋等の皮
膚紋様線の追跡分類を行う皮膚紋様並びに指紋紋様の分
類装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、指紋画像の細線から得られる特徴
を用いて分類を行う指紋分類の関連技術としては、電子
情報通信学会論文誌D−II,Vol.J73−D−II,
No.10,pp.1733−1741,1990年1
0月刊行「中心点に着目した指紋画像の一分類法」(伊
藤伸一郎等著)に開示された文献が挙げられる。ここで
の指紋分類は、細線化された指紋画像から指紋の中心点
を検出し、その中心点を基準に隆線を追跡し、この隆線
を追跡した結果として得られる特徴線の特徴量に基づい
て指紋画像を渦状紋や弓状紋,或いはてい状紋等のカテ
ゴリーに分類するものである。
【0003】この指紋分類の場合、先ず始めに中心点を
検出するが、これは「中心点を通る走査線は隆線との交
点数が最も大きくなるという」仮定に基づいている。即
ち、最初のステップ1では、細線化した画像に対して適
当な小領域を設定し、その画像系に設定した複数の水平
方向並びに垂直方向の走査線や、それらの走査線を45
度回転した複数の走査線と、指紋隆線を細線化して得ら
れる線の交点数とをそれぞれ走査線毎に計数する。
【0004】次のステップ2では、予め定めた交点数以
上の交点数を与える走査線を求め、それらの走査線の座
標パラメータの平均から仮の中心点を決める。更にステ
ップ3では、仮の中心点を中心とした一層小さい小領域
を設定し、最初のステップ1から次のステップ2までの
処理を繰り返す。最後のステップ4では、ステップ1か
らステップ2までの走査を適当な回数だけ繰り返した後
に得られる中心点を最終的な中心点として出力する。
【0005】このようにして、中心点が得られた後にそ
の中心点に基づいて設定した幾つかの点を始点とし、予
め指定した長さだけ指紋隆線の細線を追跡する。こうし
て得られる指紋の隆線追跡の始点並びに終点の相対的な
位置関係や、追跡した隆線の向き等の特徴量を抽出して
指紋分類を行う。例えば図23は渦状紋とそれ以外の紋
様(弓状紋やてい状紋)とを判別するための隆線の追跡
結果の様子を示したものであるが、ここで示されるよう
に指紋の中心点を通る水平線を考え、この中心点を挟む
二個の始点から隆線に沿って両方向に特定の距離だけ隆
線を追跡し、これらの始点や終点の相対的な位置関係に
基づいて紋様分類を行う。
【0006】一方、上述した文献には皮膚紋様線の追跡
技術については明示されていないが、皮膚紋様線の追跡
手段としては、通常隆線上を追跡してその隆線の終点ま
で辿り着いたときには、垂直座標が等しい近傍領域の別
の細線を探し、その点を始点として細線の追跡を行う。
このような方法は、例えば文献(T.CH.Malle
swara Rao,“Feature Extrac
tion For Fingerprint Clas
sification”,Pattern Recog
nition,Vol.8,pp.181−192,1
976)に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した指紋分類の技
術の場合、「中心点を通る走査線は隆線との交点数が最
も大きくなる」という仮定に基づいているが、この仮定
の前提となっている指紋画像特性は不安定であるため、
最も大きい交点数を与える走査線が必ずしも中心点を通
るわけではなく、そのために中心点の検出精度が悪くな
り、結果として指紋分類に誤りが多くなってしまうとい
う問題がある。
【0008】又、細線を用いた指紋分類では、画像の劣
化等による誤分類を避けるために備えられる棄却手段が
一般に複雑である上、パラメータの調整等が難しく、容
易に棄却の度合いを変更することが困難になっている。
しかも、分類結果の信頼性が低い指紋に第2候補を付与
したい場合、従来では第2候補の設定を行うにしてもそ
の指紋分類装置を熟知した人間で無ければ設定自体が難
題となっている。
【0009】更に、上述した皮膚紋様線の追跡技術は、
細線の端点や分岐点に達した場合の追跡が不安定であ
り、例えば皮膚紋様として指紋を対象にすると指紋の曲
率や指紋の向き等による影響を受け易く、その解析性能
に問題がある。
【0010】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、誤りが少なく精度
良く安定して皮膚紋様の追跡分類を行い得ると共に、棄
却の度合や次候補等の設定変更を容易に行い得る皮膚紋
様分類装置,及び指紋を対象にした場合にも同等に機能
して適確に指紋紋様の追跡分類を行い得る指紋紋様分類
装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、画像化
処理された皮膚画像を入力する画像入力手段と、皮膚画
像から皮膚紋様の隆線に対応する尾根線を抽出する尾根
線抽出手段と、皮膚紋様の隆線の間の谷部分である谷線
を抽出する谷線抽出手段と、尾根線から尾根マニューシ
ャを抽出する尾根マニューシャ抽出手段と、谷線から谷
マニューシャを抽出する谷マニューシャ抽出手段と、尾
根線,谷線,尾根マニューシャ,及び谷マニューシャを
用いて該尾根マニューシャ及び該谷マニューシャにおけ
る対応関係を求めるマニューシャ対応抽出手段と、マニ
ューシャ対応関係に関する記述情報と尾根線及び谷線と
に基づいて皮膚紋様の特徴線を追跡する特徴線追跡手段
とを備えた皮膚紋様線追跡装置が得られる。
【0012】又、本発明によれば、上記皮膚紋様線追跡
装置と、特徴線の特徴及び記述情報を用いて皮膚紋様の
種別判定を行う紋様判定手段とから成る皮膚紋様分類装
置が得られる。
【0013】更に、本発明によれば、上記皮膚紋様分類
装置において、紋様判定手段は、特徴線の特徴及び記述
情報を用いて予め定められた詳細カテゴリーを抽出する
ための複数の出力カテゴリーへ分類される事後確率を与
える確率テーブルを備えると共に、該特徴線の特徴及び
該記述情報を用いて該詳細カテゴリーへの分類を行った
分類結果に従って該確率テーブルを参照することによっ
て皮膚紋様の種別判定を行う皮膚紋様分類装置が得られ
る。
【0014】一方、本発明によれば、画像化処理された
指紋画像を入力する画像入力手段と、指紋画像から指紋
紋様の隆線に対応する尾根線を抽出する尾根線抽出手段
と、指紋紋様の隆線の間の谷部分である谷線を抽出する
谷線抽出手段と、尾根線から尾根マニューシャを抽出す
る尾根マニューシャ抽出手段と、谷線から谷マニューシ
ャを抽出する谷マニューシャ抽出手段と、尾根線,谷
線,尾根マニューシャ,及び谷マニューシャを用いて該
尾根マニューシャ及び該谷マニューシャにおける対応関
係を求めるマニューシャ対応抽出手段と、マニューシャ
対応関係に関する記述情報と尾根線及び谷線とに基づい
て指紋紋様の特徴線を追跡する特徴線追跡手段とを備え
た指紋紋様線追跡装置が得られる。
【0015】又、本発明によれば、上記指紋紋様線追跡
装置と、特徴線の特徴及び記述情報を用いて指紋紋様の
種別判定を行う紋様判定手段とから成る指紋紋様分類装
置が得られる。
【0016】更に、本発明によれば、上記指紋紋様分類
装置において、紋様判定手段は、特徴線の特徴及び記述
情報を用いて予め定められた詳細カテゴリーを抽出する
ための複数の出力カテゴリーへ分類される事後確率を与
える確率テーブルを備えると共に、該特徴線の特徴及び
該記述情報を用いて該詳細カテゴリーへの分類を行った
分類結果に従って該確率テーブルを参照することによっ
て指紋紋様の種別判定を行う指紋紋様分類装置が得られ
る。
【0017】
【作用】一般に、指紋紋様等の皮膚隆線系は、表皮の隆
起した隆線である尾根部分と、隆線の間の谷の部分から
成り立つ。この尾根の部分と谷の部分から成る紋様はお
およそ平行線による流れの紋様を成しているが、この流
れは大別すると3つに分類することができる。例えば、
図1(a)の拡大図並びに図1(b)の谷分岐及び尾根
端を含む画像化処理図に示すようなおおよそ平行隆線か
らできている流れと、図2(a)の谷端を含む一画像化
処理図並びに図2(b)の尾根端を含む他の画像化処理
図に示すような半円状の流れと、図3(a)の谷分岐を
含む一画像化処理図並びに図3(b)の尾根分岐を含む
他の画像化処理図に示すような三角洲状の流れとに分け
られる。
【0018】このうち、半円状の流れをなす部分は鑑識
上「指紋中心」と呼ばれる部分にしばしば現われる特異
な紋様であり、又三角洲上の紋様は鑑識上「三角洲」と
呼ばれる部分に現われる特異な紋様であって指紋分類上
重要な特徴である。本発明では、このような特異な紋様
部分に現われる特異点を抽出し、その抽出した特異点に
基づいて指紋分類を行う。
【0019】そこで、先ず指紋画像における特徴の抽出
について説明する。例えば図1(a)に示すように隆線
紋様の流れが緩やかな部分に現われ隆線の流れの中に現
われる端点や分岐点等の特徴点であるマニューシャは、
図1(a)の線の接続関係が表わされた図1(b)に示
されるように、尾根の端点に対応して谷の分岐点が現わ
れる。逆に谷線で端点として現われるマニューシャは、
対応する尾根線上では分岐点として現われる。このよう
に「尾根の端点の近傍に谷の分岐点、谷の端点の近傍に
尾根の分岐点が現われる」というマニューシャの対応関
係が成り立つ。因みに、このようなマニューシャの対応
関係については、例えば特開昭63−29888号公報
の「指紋の特徴抽出装置」や特願平3−271618号
公報の「画像特徴抽出方法およびその装置」等に開示さ
れている。
【0020】ところが、隆線の流れが急激に変化する図
2(a),(b)に示されるような半円状の部分や図3
(a),(b)に示されるような三角洲状の部分では、
マニューシャの対応関係は成立しない。そこで、以下で
はこのようなマニューシャの対応関係が成立しないマニ
ューシャを特異点と呼ぶことにし、特に半円状の部分に
現われる特異点をコア型特異点,三角洲状の部分に現わ
れる特異点をデルタ型特異点と呼ぶことにする。
【0021】本発明では、このようなマニューシャの対
応関係を利用して、対応関係が成り立たないマニューシ
ャである特異点を最初に検出する。このような特異点
は、前述したように指紋紋様の「中心点」や「三角洲」
に現われることが多く、この特異点数を数えるだけで
も、弓状紋・てい状紋・渦状紋の3つのカテゴリーに分
類する場合にはある程度の精度で指紋分類を行うことが
可能である。例えば、弓状紋のうちの普通弓状紋では、
尾根線や谷線を正確に抽出し、マニューシャの対応関係
を正確に対応着けすることができればコア型特異点が現
われることは殆ど起こり得ない。但し、突起弓状紋では
コア型特異点が出現する場合が多い。又、てい状紋では
コア型特異点が一つだけ現われ、殆どの渦状紋ではコア
型特異点が2つ現われる。このように特異点数の計数を
行うだけでも、或る程度の指紋分類を行うことができ
る。因みに、特異点の検出方法については、例えば情報
処理学会刊行のCV技報Vol.18−2、1982の
「指紋パターンの自動分類」(河越他著)等の文献に異
なるものの特異点数による簡易な分類方法が開示されて
いる。ところが、このような特異点数のみによる分類で
は、その文献にも示されている通り高い分類性能が得ら
れない。
【0022】本発明では特徴線がある場合には特異点の
周りの特徴的な線(特徴線)を追跡し、指紋紋様の特徴
を抽出して指紋紋様の種別判別を行う。例えば、指紋の
種類が図4にそれぞれ示されるような普通弓状紋α,突
起弓状紋β,右流てい状紋γ,左流てい状紋δ,及び渦
状紋εの5つに分類される場合であれば、前述したよう
にコア型特異点は通常普通弓状紋αでは0個、突起弓状
紋β,右流てい状紋γ,及び左流てい状紋δでは1個、
渦状紋εでは2個現われる。デルタ型特異点も又コア型
特異点と同様な数だけ現われるが、実際に押捺される指
紋では十分広範囲に印象が押捺されないこと等により、
自動検出が難しい場合があるので、ここではコア型特異
点を用いた指紋分類の場合について説明する。
【0023】てい状紋γ,δ及び突起弓状紋βでは、こ
れらの二つのカテゴリーへの分類が困難な類似している
紋様が多く存在する。この二つの紋様を区別する際に注
意する点は、てい状線を含むか否かという点である。即
ち、てい状紋γ,δはてい状線を含むのに対して、突起
弓状紋βでは弓状線から成り立っており、てい状線を含
まないという点を特色としている。
【0024】ここで、てい状線とは図5のαl −αr
l −dr の線で示されるような馬てい形をなす隆線の
うち、馬てい形の先端部分から追跡した2つの線を追跡
した終端が一方の方向に流れるものであり、右流てい状
線なら二つともおおよそ右側にあり、左流てい状線なら
おおよそ左側にある。これに対して弓状線は、図5のc
l −cr やdl −dr の線で示されるような弓状の突起
を起点として追跡した線が右側と左側に分かれるものを
言う。一般に隆線は必ずしも連続に継っておらずに断絶
がある。そのような場合、適宜その不連続性を補完して
隆線を追跡し、その隆線を追跡した終端が上述した条件
に当てはまれば弓状線やてい状線を種別判定することが
できる。
【0025】てい状紋の場合、コア型特異点は図5に示
すようにてい状紋の馬てい形の位置に取り囲まれるよう
な部分に存在する。逆に言えば、コア型特異点の周辺に
てい状紋が存在する。突起弓状紋の場合、コア型特異点
は図6に示すように弓状線に取り囲まれる。従って、コ
ア型特異点の周囲を取り囲む線を抽出し、その線が弓状
線を成しているか、てい状線を成しているか判定するこ
とによって、てい状紋及び突起弓状紋の種別判定を行う
ことができる。
【0026】又、殆どの渦状紋ではコア型特異点及びそ
の周りの隆線の流れは図7(a),(b)に示すような
二つの類型に大別できる。即ち、図7(a)に示すよう
にコア型特異点が尾根線や谷線を介して接続し、その周
りの隆線がおおよそ環状を形成する紋様と、図7(b)
に示すようなコア型特異点に接続する線がおおよそ渦状
を形成する紋様とがある。従って、コア型特異点に接続
する特徴的な線(特徴線)の形態が二つの形態に分類し
得ないような場合、検出された特異点が渦状紋による特
異点ではないと判定できるので、渦状紋に対する検証処
理を行うことができる。例えば、図8に示すようなてい
状線が二つ現われるてい状紋は、極一部存在する。この
ような場合には特異点に接続する特徴線等をチェックす
ることにより渦状紋への誤分類を防ぐことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の皮
膚紋様分類装置及び指紋紋様分類装置について、図面を
参照して詳細に説明する。
【0028】図9は、本発明の一実施例に係る皮膚紋様
分類装置の基本構成を動作処理形式のブロック図により
示したものである。
【0029】この皮膚紋様分類装置は、画像化処理され
た皮膚画像を入力する画像入力手段91と、皮膚画像か
ら皮膚紋様の隆線に対応する尾根線を抽出する尾根線抽
出手段92と、皮膚紋様の隆線の間の谷部分である谷線
を抽出する谷線抽出手段93と、尾根線から尾根マニュ
ーシャを抽出する尾根マニューシャ抽出手段94と、谷
線から谷マニューシャを抽出する谷マニューシャ抽出手
段95と、尾根線,谷線,尾根マニューシャ,及び谷マ
ニューシャを用いて尾根マニューシャ及び谷マニューシ
ャにおける対応関係を求めるマニューシャ対応抽出手段
96と、マニューシャ対応関係に関する記述情報と尾根
線及び谷線とに基づいて皮膚紋様の特徴線を追跡する特
徴線追跡手段97と、特徴線の特徴及び記述情報を用い
て皮膚紋様の種別判定を行う紋様判定手段98とから成
る。
【0030】但し、ここで紋様判定手段98を除く各部
構成は皮膚紋様線追跡装置を成すものとなっている。
【0031】図10は、この皮膚紋様分類装置における
動作処理形式のブロック図をより詳細に示したものであ
る。即ち、画像入力手段91は入力画像として皮膚画像
を入力し、尾根線抽出手段92は皮膚画像に対する二値
画像作成のための画像処理手段と尾根線の抽出を行うた
めの細線化手段とを備え、谷線抽出手段93は抽出され
た二値化された尾根線を反転させた画像を得るための画
像反転手段と谷線の抽出を行うための細線化手段とを備
えている。
【0032】又、尾根マニューシャ抽出手段94は尾根
の端点抽出及びリスト作成の機能と尾根の分岐点抽出及
びリスト作成の機能とを備え、谷マニューシャ抽出手段
95は谷の端点抽出及びリスト作成の機能と谷の分岐点
抽出及びリスト作成の機能とを備え、マニューシャ対応
抽出手段96は尾根線及び谷線を参照して尾根端点と谷
分岐点の対応関係を抽出する機能と尾根線及び谷線を参
照して谷端点と尾根分岐点の対応関係を抽出する機能と
を備えている。即ち、ここでマニューシャ対応抽出手段
96は、尾根マニューシャ及び谷マニューシャの間で尾
根の端点なら谷の分岐点,尾根の分岐点なら谷の端点と
いうように、対応する関係にあるマニューシャやそのよ
うな対応するマニューシャが無いというようなマニュー
シャの対応関係を抽出する。
【0033】更に、特徴線追跡手段97は尾根端点及び
谷分岐点の対応関係並びに谷端点及び尾根分岐点の対応
関係の記述情報(マニューシャ対応記述情報)に基づい
てコア型特異点を計数する機能と、尾根線及び谷線を参
照して特異点数に応じて特異点周辺の特徴線を追跡する
機能と、抽出された特徴線を検証する機能(検証結果に
よっては前の特徴線追跡機能に対する帰還処理を含む)
とを備えている。
【0034】加えて、紋様判定手段98はマニューシャ
対応記述情報及びコア型特異点計数結果を参照して特徴
線追跡手段97における検証結果に応じて様々な特徴量
を用いて詳細カテゴリーに分類する機能と、詳細カテゴ
リーへの分類を行った分類結果に従って該確率テーブル
を参照することによって紋様判定を行う機能とを備えて
いる。即ち、この紋様判定手段98は、特徴線の特徴及
び記述情報を用いて予め定められた詳細カテゴリーを抽
出するための複数の出力カテゴリーへ分類される事後確
率を与える確率テーブルを備え、特徴線の特徴及び記述
情報を用いて詳細カテゴリーへの分類を行った分類結果
に従って確率テーブルを参照することによって皮膚紋様
の種別判定を行う。
【0035】ところで、図9及び図10は解析対象を皮
膚紋様とする皮膚紋様分類装置として説明したが、解析
対象を指紋紋様とすれば全く同じ構成で指紋紋様分類装
置とすることができる。この場合、画像入力手段91で
入力する画像化処理された皮膚画像を指紋画像に代えて
尾根線抽出手段92,谷線抽出手段93でそれぞれ指紋
画像から指紋紋様に関する尾根線,谷線を抽出し、特徴
線追跡手段97では指紋紋様の特徴線を追跡し、紋様判
定手段98では特徴線の特徴及び記述情報を用いて指紋
紋様の種別判定を行うことになる。
【0036】何れの装置の場合も、画像入力手段91に
はスキャナや2次元CCDカメラ等を用いれば良いが、
最近ではネットワークを介して遠隔地へ画像を伝送する
技術も発達しているため、例えば必要であれば遠隔地か
らの皮膚画像(指紋画像)を電子的なネットワークを利
用して入力するように構成しても良い。尚、ここでは5
00DPIの解像度で撮像された皮膚画像を取り扱うも
のとする。
【0037】尾根線抽出手段92に関して、二値画像作
成のための画像処理手段は、例えば電子情報通信学会論
文誌D−II,Vol.J72−D−II,No.5,p
p.724−732,1989年5月刊行「マニューシ
ャネットワーク特徴による自動指紋照合−特徴抽出過
程」(浅井他著)等の文献に示されている画像処理を用
いて入力画像の二値化を行えば良い。画像処理手段によ
り得られた二値画像に対する細線化手段は、例えば協同
システム開発発行の「SPIDER USER′SMA
NUAL」(工業技術院監修)等の文献に示されている
田村の細線化アルゴリズム等を用いて行えば良い。因み
に、田村の細線化アルゴリズムでは細線画像の連結性と
して4連結と8連結とを使い分けることができるが、こ
こでは8連結を用いて細線化するものとする。この細線
化手段により8連結の尾根線を抽出することができる。
【0038】谷線抽出手段93に関して、細線化手段に
より得られた細線画像を反転し、得られる反転された二
値画像を同じく田村の細線化アルゴリズムを用いた細線
化手段により細線化することで谷線を得ることができ
る。但し、尾根線,谷線共に8連結線によって抽出する
場合は、数回4連結の細線化を繰り返した後に8連結の
細線化処理を行った方が良い。これは8連結線を反転し
た時点で、谷側の線の連結性が乱れるためである。例え
ば、図11(a)に示されるような尾根の8連結細線を
反転した場合、図11(a)に示されるようにa0 を含
む8連結に関してa1 ,a2 ,a3 の各領域が分離して
いるが、反転した図11(b)の二値画像ではb0 を含
む8連結に対してb1 −b2 ,b2 −b3 ,b3 −b1
の各領域が連結してしまう。
【0039】しかしながら、b1 ,b2 ,b3 の各領域
は4連結の意味では分離しているので、先ず4連結細線
化を行ってから8連結の細線化処理を行うことでより適
した谷線を得ることができる。このようにして、適確に
尾根線や谷線を抽出することが可能となり、これらの尾
根線や谷線が細線画像として出力される。
【0040】図10に示す装置の構成では、尾根線を最
初に抽出した後に谷線を抽出する場合を説明をしたが、
谷線を先に抽出した後に尾根線を抽出しても構わない
し、並列処理システム等を用いて高速化を図る場合には
二値画像作成のための画像処理手段を尾根線抽出のみな
らず、谷線抽出にも適用して並列的に処理を行っても構
わない。又、上述した尾根線や谷線の抽出手段では、細
線化手段を用いた場合について説明したが、必ずしも細
線化を用いる必要はなく、例えば電子情報通信学会論文
誌D−II,Vol.J74−D−II,No.11,p
p.1499−1506,1991年11月刊行の「ボ
ロノイ線図による隣接関係を用いた等高線の抽出」(水
谷他著)等の文献に示されているボロノイ線図を細線画
像の代わりに用いても構わない。
【0041】尾根マニューシャ抽出手段94及び谷マニ
ューシャ抽出手段93に関しては、上述したように細線
化手段を用いて尾根線や谷線を抽出する場合であれば、
それにより得られる尾根線や谷線は細線画像である。こ
のような細線画像からマニューシャを抽出する場合に
は、図12(a),(b)に示されるような3×3の大
きさのマニューシャ抽出のための二値検出マスクを細線
画像に走査し、その3×3のパターンの比較を行う。一
致出力が得られる場合、そのマスクの中心の点をマニュ
ーシャとして抽出する。因みに、図12(a)のような
検出マスクで抽出されるマニューシャは端点であり、図
12(b)のような検出マスクで抽出される分岐点であ
る。細線画像からマニューシャを抽出する手段について
は、上述した浅井著の文献や特願平3−271618号
公報に開示された技術を適用することができる。尾根マ
ニューシャ抽出手段94や谷マニューシャ抽出手段93
では、このマニューシャ抽出を尾根の細線画像と谷線の
細線画像に対してそれぞれ適用し、尾根と谷の端点及び
分岐点を求める。尾根画像から得られた端点,分岐点を
それぞれ尾根端点,尾根分岐点とし、谷画像から得られ
た端点,分岐点をそれぞれ谷端点,谷分岐点として、抽
出されたマニューシャのリストを作成して出力する。こ
の時点でマニューシャのリストに登録する情報は、マニ
ューシャの座標,マニューシャの種類等の各種情報であ
る。
【0042】マニューシャ対応抽出手段96に関して、
先ず尾根端点及び谷分岐点の対応関係の抽出処理につい
て、図13に示す流れ図(フローチャート)に従って説
明する。最初の処理として、尾根端点リスト,谷分岐点
リスト,尾根線及び谷線を用いて、リストに登録されて
いる各尾根端点に対して尾根端点の近傍の谷分岐点を以
下に述べるような条件下で探し、尾根端点の近傍にある
谷の分岐点を対応点候補として登録(ステップS1)す
る。対応点候補とするための谷分岐点リスト中の分岐点
に対する条件は、第1に端点と分岐点との距離が小さ
く、端点の近傍の分岐点であること、第2に端点と分岐
点との線分上に交差線が存在しないことの2つである。
端点と分岐点の近傍判定は、尾根端点と谷分岐点の間の
ユークリッド距離(Euclidean distan
ce)や演算が簡単な市街地距離(city bloc
k distance)、或いはチェス盤距離(che
ss−board distance)等、東京大学出
版会発行「画像解析ハンドブック」(高木他監修)のp
p.652−655に開示された技術を用いて、近傍に
あるか否かを判定する。又、端点と分岐点とを結ぶ線分
上に尾根線や谷線の交差線が存在しないことを尾根の細
線画像や谷の細線画像を用いて確認する。
【0043】例えば、チェス盤距離d以内として、図1
4に示すような特定の距離2d区画(正方形)内の中心
に尾根端点E1 が存在する場合について説明する。但
し、区画外の谷線端点e1 は無視する。ここでは、この
尾根端点E1 からチェス盤距離d以内の領域が正方形内
の領域となっており、この領域内には谷の分岐点として
分岐点B1 と分岐点B2 とがある。そこで、谷の分岐点
リストを探し、この二つの分岐点に対して交差点の有無
を調べる。線分E1 1 の間には交差線が無いので、こ
れを対応分岐点候補として登録する。しかし、線分E1
2 の間には交差する尾根線や谷線があるので、これは
分岐点候補とはしない。このようにして、リストに登録
されている全ての端点リストに対して対応分岐点候補を
調べ、候補がある場合にはそれを登録する。
【0044】又、対応マニューシャの登録の際、端点に
対して対応分岐点候補を登録すると同時に登録された谷
の分岐点に対して、対応する端点を対応端点候補として
登録する。図15は対応点候補の参照関係をグラフ表現
を用いて模式的に示したものである。この図15には、
端点リストE1 〜Em に対応する分岐点リストB1 〜B
n が示されているが、ここでE1 ,E8 ,B1 ,B4
は対応点候補が存在しないマニューシャであり、E2
2 のマニューシャの組合せが1対1の対応関係がある
組合せ、それ以外は1対多,或いは多対多の組合せであ
り、対応関係にあるマニューシャの組合せを一意には決
められないものである。この図のように端点側から分岐
点候補、分岐点側から端点候補というように互いに参照
できるようにマニューシャの対応情報を登録すると以後
の処理が簡便になる。
【0045】次に、得られた対応候補の記述情報に基づ
き、対応点候補がないマニューシャを特異点として登録
(ステップS2)する。これは例えば図15のE1 ,E
8 ,B1 ,B4 のようなマニューシャである。又、E2
とB2 のような対応点候補の関係が1対1のマニューシ
ャの組合せとなっているマニューシャの対応関係も登録
(ステップS3)する。この際、対応するマニューシャ
及び線の関係を登録しておくと、以後で説明する特徴線
を追跡する際に便利である。
【0046】ここで、マニューシャ及び線の関係とは、
端点が分岐点に接続する線によって区切られるどの領域
にあり、どの分岐点に接続する線が端点の反対側に存在
するかという関係を示す。即ち、尾根端点E0 と谷分岐
点B0 とが対応しているとして、図16に示す例を使っ
て説明すれば、ここでは局所的に見れば、端点E0 は中
途点E1 を含む尾根線R1 の局部であって、分岐点B0
に接続する谷線V2 ,V3 の成す境界により区分される
領域Xの内部に属し、領域Y,Zを区分する谷線V1
は反対側の領域に位置する。この位置関係を求めるため
には、例えば分岐点B0 から谷線に沿って微小距離(お
よそ5〜10画素)だけ追跡した点B1,B2 ,B3
それぞれと谷分岐点B0 の成す直線によって区切られる
領域を近似的に分岐点に接続する直線によって区切られ
る領域とみなし、その直線近似した領域のどの領域に属
するかを判定すれば良い。直線近似した領域のどの領域
に端点E0 が属するかという判定は、例えばベクトルB
0 0 が各ベクトルB0 1 ,B0 2 ,B0 3 のう
ちのどのベクトルにより挟まれているかを調べることに
よって行うことが出来る。
【0047】又、別の方法としては、分岐点B0 を始点
として点B1 ,B2 ,B3 を徐々に細線に沿って移動さ
せ、各線分B1 2 ,B2 3 ,B3 1 のうちのどの
線分上に端点E0 が存在するかをチェックすることによ
っても、端点E0 の位置関係を知ることができる。マニ
ューシャの対応関係の登録においては、このようなマニ
ューシャと線の関係の情報も記録する。
【0048】以下は、更に対応点候補が複数ある場合の
組合せの決定・登録(ステップS4)の具体的内容につ
いてに述べる。
【0049】ここでは第1に対応するマニューシャ間の
候補関係の連結により、マニューシャをグループ化(ス
テップS41 )する。このマニューシャのグループ化は
端点リスト・分岐点リストの中で対応点候補が複数ある
マニューシャを抜き出すこと、抜き出したマニューシャ
に対して異なったグループ番号を付与すること、対応候
補によって結ばれているグループには同一のグループ番
号を付与しグループの統合を行うこと、全てのグループ
に対して、上記の処理操作を繰り返すこと、全てのグル
ープに対して処理が終了したらグループ化の完了とする
ことから成る各処理が含まれている。
【0050】第2に最も特異点が少なくなるような対応
するマニューシャの組合せ候補を生成(ステップS
2 )する。ここで、最も特異点が少くなるように組合
せるのはノイズによる疑似特異点の発生を抑制するため
である。
【0051】第3に組合せ候補が複数ある場合、生成し
た各組合せ候補に対して評価値を計算(ステップS
3 )する。ここでの評価関数には、例えば、端点,分
岐点,分岐点に接続する線上の点等が作る角や、対応す
る端点と分岐点との間の距離を用いて構成すればよい。
ここでは、分岐点に接続する線上の点等が作る角を用い
た評価値を第1の評価基準とすると共に、対応する端点
と分岐点との間の距離を用いた評価値を第1の評価基準
によって決定できない場合の第2の評価基準として用い
る場合について説明する。
【0052】角度の評価基準は、図16に示される角度
B′2 0 B′3 のように分岐点及び分岐点近傍の点に
よって作られる角のうち、対応候補の端点側に開いてい
る角の角度θを利用する。組合せ候補内の端点及び分岐
点の各ペアi毎に決められる上述したような角をθi
して、この角の余弦cosθi を各ペアi毎に以下の数
1式に従って総和を取り、その総和を第1の評価値E1
とする。
【0053】
【数1】 即ち、ここでは余弦の値が大きい程分岐点の区分する領
域が狭まっている方に端点があることが示され、この値
が大きい程対応として適合しているものとなる。又、分
岐点から追跡した点としては点B1 ,B2 ,B3 よりも
点B′1 ,B′2 ,B′3 のようにある程度遠くまで
(10〜20画素程度)追跡した方が、分岐点に接続す
る線による端点の包囲関係が判然と数値的に現れて好ま
しい。
【0054】因みに、ディジタルの細線画像を扱った場
合には評価値が全く同じ値となることが希にある。この
ような場合には、第2の評価値E2 を用いて評価を行
う。第2の評価値は、端点と分岐点の各ペアi毎に端点
及び分岐点間の距離di を計算し、その総和を対応点の
組合せ内の端点・分岐点ペア全てについて以下の数2式
に従って総和を取り、この総和を第2の評価値E2 とす
る。
【0055】
【数2】 但し、ここでは第2の評価値(その距離の総和)E2
小さいものが組合せ候補として適合している。
【0056】第4に評価値に応じて最も適当と推定され
るマニューシャの組合せを決定(ステップS44 )す
る。このように計算された第1の評価値E1 が最も適合
しているマニューシャの組合せ候補を最も適当なマニュ
ーシャの組合せとして決定する。又、第1の評価値E1
が全く同じ組合せ候補が複数あった場合には第2の候補
値を用いて最も適当なマニューシャの組合せを決定す
る。
【0057】このときの組合せについて、図15を参照
して具体的に説明する。例えば{E3 ,E4 ,B3 }、
{E5 ,E6 ,B5 ,B6 }、{E7 ,E9 ,B7 ,B
8 ,B9 }のマニューシャの組合せについて全ての組合
せをそれぞれ列挙すると、以下のようになる。
【0058】{E3 ,E4 ,B3 }の場合には、
(E3 ,B3 )を組合わせて、E4 を特異点とすると共
に、(E4 ,B3 )を組合わせて、E3 を特異点とす
る。又、{E5 ,E6 ,B5 ,B6 }の場合には、(E
5 ,B6 )並びに(E6 ,B5 )を組み合わせる。更
に、{E7 ,E8 ,B7 ,B8 ,B9 }の場合には、
(E7 ,B7 )並びに(E9 ,B8 )を組合わせてB9
を特異点とし、(E7 ,B7 )並びに(E9 ,B9 )を
組合わせてB8 を特異点とし、(E7 ,B8 )並びに
(E9,B9 )を組合わせてB7 を特異点とする。
【0059】ここで、{E5 ,E6 ,B5 ,B6 }の場
合のように、最も特異点が少くなるような組合せ候補が
一つしかない場合には評価値の計算を省略し、この組合
せをマニューシャの対応関係と決定する。
【0060】しかしながら、{E3 ,E4 ,B3 }の場
合や{E7 ,E8 ,B7 ,B8 ,B9 }の場合のように
複数ある場合には、角の余弦を用いた第1の評価値E1
や距離を用いた第2の評価値E2 を計算し、最も適当な
評価値を与える組合せを選択する。以上によりマニュー
シャの対応関係を抽出できる。
【0061】マニューシャの対応関係の記述情報として
は、例えばマニューシャの座標値,マニューシャの種類
(端点・分岐点、尾根点・谷点の区別等),マニューシ
ャに接続する線,マニューシャに接続する線とそのマニ
ューシャと対応するマニューシャの位置関係等が挙げら
れ、マニューシャ対応抽出手段96はこれらのデータを
出力する。同様な処理を谷端点,尾根分岐点に対しても
行うことにより、谷端点及び尾根分岐点の対応関係を抽
出し、マニューシャ対応記述情報として出力(ステップ
S5)する。
【0062】特徴線追跡手段97に関して、マニューシ
ャ対応記述情報と尾根線及び谷線とが得られたら、マニ
ューシャの対応関係が成り立たない特異点に基づいて特
徴線を追跡してその特徴を抽出するが、ここではコア型
特異点を用いて特徴線を追跡する例について述べる。図
5,図6,並びに図7に示すように、突起弓状紋やてい
状紋,或いは渦状紋ではコア型特異点が指紋の中心付近
に現われる場合が多い。このコア型特異点数は、上述し
たように一般的には弓状紋では0個、突起弓状紋・てい
状紋では1個、渦状紋では2個現われる。しかしなが
ら、実際にはノイズ等の影響によりしばしばこの数より
も多かったり少なかったりすることがあり、必ずしも高
い精度では検出できない。従って、特異点のみを使って
分類するのではなく、その周辺の特徴線をも用いて分類
を行う。このような指紋中心付近のコア型特異点の周辺
における指紋の隆線の流れは紋様分類では重要であり、
以下の手順に従って処理を行う。
【0063】即ち、この処理手順には、第1にマニュー
シャ対応記述情報中の尾根端点や谷端点の中で、対応す
る分岐点が存在しない端点の数,即ち、コア型特異点の
数を計数すること、第2に特異点の数に応じて後述する
手続きにより特異点周辺の特徴線を追跡すること、第3
に追跡した特徴線が予想される紋様に適合しているか否
か検証することが含まれる。ここで、対応する分岐点が
存在しない端点は、指紋中心等にしばしば現われる特異
な点,即ち、コア型特異点である。このような点の数を
マニューシャ対応記述情報から計数する。これはマニュ
ーシャに対する対応点があるか無いかは、既にマニュー
シャ対応抽出手段96により判定されているので、マニ
ューシャ対応記述情報からコア型特異点となっているマ
ニューシャの数を数えれば良い。
【0064】細線から抽出される特異点は、指紋画像上
に重畳した細かなノイズの影響を受けることがあり、指
紋の中心や三角洲ではない部分でも特異点が検出される
場合がある。例えば、本来隆線が図17(a)に示すよ
うな流れにあって通常の尾根線が分岐点B1 で対応する
谷の端点E1 となっている部分でも、ノイズの影響によ
り図17(b)のように変形することがある。この場
合、尾根の端点E2 が例えばB2 に対応付けられたとし
ても、谷の端点E1 ,谷の分岐点B1 はそれぞれコア型
特異点,デルタ型特異点として検出されてしまう。この
ようなノイズの影響を抑制するために、検出されたコア
型特異点に対する検証処理を行うことで、精度を向上さ
せることができる。例えば、前述の浅井著の文献で抽出
される各局所領域毎の隆線方向のパターンD(x,y)
を用いて算出される数3式のパターンA(x,y)を用
いて指紋の中心や三角洲が現われやすい領域か否かの判
定を行うことができる。
【0065】
【数3】 ここでは、A(x,y)が所定の閾値tαよりも小さい
領域に関してはその点が指紋中心や三角洲が現われ難い
領域であると判定し、その領域で検出された特異点を無
視してコア型特異点の計数や、後述する特徴線の追跡の
ための始点として用いないようにする。このようにする
ことで、特異点検出の信頼性を向上させることができ
る。
【0066】次に、このコア型特異点の数に応じて特異
点周辺の特徴線を追跡する。計数されたコア型特異点が
3個以上の場合は、入力データがインクの滲みや押捺ム
ラ等によって指紋印象が劣化した異常データであるとし
て棄却判定することにし、特徴線の追跡は行わない。コ
ア型特異点が2個の場合は、紋様が図7に示したような
渦状紋であることを仮定して特徴線を追跡する。又、コ
ア型特異点が1個の場合は紋様が突起弓状紋やてい状紋
であることを仮定して特徴線を追跡する。
【0067】しかしながら、尾根線や谷線に拘らず指紋
の線は途中で断絶したり、或いは分岐する場合があるの
で、このような場合には何らかの規則によって指紋の線
を追跡しなければならない。ここでは、尾根線及び谷線
の特徴を利用し、図18(a)〜(c)にそれぞれ示す
ような端点の場合,分岐点の場合,合流点の場合に場合
分けされる追跡規則に従って線の追跡を行う。
【0068】即ち、このような追跡規則は、図18
(a)に示されるように、端点まで追跡した場合におい
て端点と反対側に位置する分岐点に接続する線を追跡す
ること、図18(b)に示されるように、線が分岐する
分岐点まで追跡した場合において対応する端点を起点と
する線を追跡すること、図18(c)に示されるよう
に、線が合流する分岐点(合流点)まで追跡した場合に
おいて合流する方向へ追跡すること、特異点に到達し
た,適当な長さを追跡した,或いは指紋印象端に達した
等の終了条件を満たした場合において、線の追跡を終了
することが含まれる。
【0069】ここで、分岐点が合流する方向や端点と反
対側に接続する線は、前述したマニューシャ対応抽出手
段96において抽出したマニューシャ及び線の関係を参
照することで容易に判定できる。又、指紋の印象端に達
したか否かの判定は、指紋印象が押捺されている領域の
情報があれば容易に判定できる。この領域情報の抽出
は、画像の濃淡値情報を用いて抽出することができ、例
えば上述した浅井著の文献に記述されている領域情報に
おける空白領域を指紋が押捺されていない領域とし、そ
れ以外を指紋が押捺されている領域として取り扱えば良
い。
【0070】更に、特徴線の追跡は指紋画像に重畳した
ノイズ等の影響により、必ずしも全てが正しく追跡でき
るわけではないため、特徴線の追跡結果に対して検証を
行うことで、より高い精度の追跡処理を行うことができ
る。
【0071】そこで、コア型特異点が2個の場合の特徴
線の追跡処理及び検証処理について説明する。コア型特
異点が2個検出された場合の特徴線の追跡は、コア型特
異点に接続する線を追跡する。以下では、コア型特異点
に接続する線をコア接続線と呼ぶことにする。コア型特
異点は尾根線及び谷線の何れかの端点として出現し、特
徴線の追跡の起点は尾根線及び谷線の何れかに拘らず特
異点が接続する端点を起点とする。追跡によって得られ
る2つのコア接続線により、渦状紋は以下に説明するよ
うに大別できる。
【0072】環状紋は、図7(a)に示したように互い
にコア型特異点を始点としてコア型特異点を終点とする
ものであり、図7(b)に示したようにコア型特異点を
始点として渦を巻くものとして、二重てい状紋及び渦巻
紋が挙げられる。二重てい状紋は二つのコア型特異点が
二つとも尾根のものであるか、或いは二つとも谷のもの
であるものであるが、右咬合紋は時間周りの渦を巻くも
のであり、左咬合紋は反時計周りの渦を巻くものであ
る。渦巻紋はコア型特異点の一方が尾根で、他方の特異
点が谷であるものであるが、右渦巻き紋は時間周りの渦
を巻くものであり、左渦巻紋は反時計周りの渦を巻くも
のである。
【0073】このような紋様の分類は、ほぼ日本の警察
鑑識上の紋様分類と一致するものとなっており、上述し
た分類に当てはまる特徴線が追跡できるか否か検証する
ことで特徴線の追跡の検証を行うことができる。2つの
コア型特異点が尾根に現われるか谷に現われるかの区別
は、指紋の細分類に使用し得る情報ではあるが、大分類
である渦状紋の検証処理には用いることはできない。そ
こで、ここでは2つのコア型特異点から追跡した終端の
状態,2つのコア型特異点の渦を巻く方向,及び2つの
コア型特異点の始点における接ベクトルの方向による3
つの情報を用いて検証処理を行う。
【0074】第1の検証では、2つのコア型特異点の終
端の状態を調べることで、環状紋と推定し得るか否かを
判定する。図7(a)に示すように互いにコア型特異点
を始点としてコア型特異点を終点となっているか調べ
る。即ち、一方のコア型特異点から追跡した線の終点が
残りのコア型特異点であり、もう一方のコア型特異点か
ら追跡した線の終点が他方のコア型特異点となっている
場合には、環状紋の可能性が高く、渦状紋と推定する。
一方のコア接続線の終端がもう一方のコアに接続してい
るにも拘らず、もう一方のコア接続線の終端がデルタ型
特異点等に接続した場合には、これは渦状紋の特徴線と
して尤もらしくないと判定する。
【0075】第2の検証では、2つのコア接続線の渦を
巻く方向を調べることで、第1の検証処理によって環状
紋と推定された紋様,及び渦状紋として尤もらしくない
と判定された紋様以外の紋様は、第2の検証により二重
てい状紋,或いは渦巻紋として尤もらしいか否かを検証
する。図19に示されるようにコア型特異点Ei (i=
1,2)を始点として、微小距離(例えば2〜3画素)
ずつ追跡した点をそれぞれT0 ,T1 ,T2 ,…,Tn
とする。初めにベクトルEi 0 とベクトルEi 1
を求め、以下の数4式に表わされるベクトルの外積値を
計算する。
【0076】
【数4】 ここでの値s0 の大きさは、三角形Ei 0 1 の面積
に対応する値となり、s0 の符号はEi 0 及びEi
0 の位置関係を表す。同様にEi 1 ,Ei 2 に対し
てもベクトルの外積値を計算するというようにT1 ,T
2 ,T3 ,…,Tn に対しても同様に外積値si,1 ,s
i,2 ,si,3 ,…,si,n を計算し、その和Si を以下
の数5式に従って計算する。
【0077】
【数5】 この和Si は、渦の特徴を表わし、Si の絶対値は渦の
大きさを表し、Si の符号は渦の巻く方向を表わす。二
重てい状紋や渦巻紋では、コア接続線が形成する二つの
渦は同じ向きに巻くため、二つの渦の特徴S1 ,S2
1 ・S2 >0なる関係を満たさない場合、渦状紋とし
て尤もらしくない紋様と判定する。
【0078】第3の検証では、二つのコア接続線の始点
における接ベクトルの方向を算出し、その方向を検証す
る。渦状紋から抽出された二つのコア接続線は、一般に
図20に示されるように始点となる特異点とその点から
微小距離だけ追跡した点とが成すベクトルE1 1 ,ベ
クトルE2 2 の向きは、おおよそ反対向きになる。従
って、このようにコア接続線の始点におけるベクトルE
1 1 ,ベクトルE22 がおおよそ反対向きになって
いない場合、渦状紋と認められない可能性が高いことに
なる。例えば、図8に示す特徴線の場合、上述したベク
トルがおおよそ同じ向きになるので、二つのベクトルが
成す角度を調べることによって渦状紋の特徴線として最
もらしいか否かを判定することができる。例えば、以下
の数6式の関係を満たさない場合には、渦状紋として尤
もらしくないと判定する。
【0079】
【数6】 但し、ここでξは−0.5から0までの範囲の値に設定
すれば良い。渦状紋として最もらしくない特徴線の中で
その近傍にデルタ型特異点が出現する場合があるが、例
えばてい状紋に対して図17(b)に示したような特異
点が発生する場合にはコア型特異点が2個検出される。
検証処理によって環状紋でないと判定されても、ノイズ
によって発生したコア型特異点であれば近い領域にデル
タ型特異点が発生する場合が多い。従って、二つのコア
型特異点のうちのデルタ型特異点に近いコア型特異点を
無視し、コア型特異点1個とみなして残ったコア型特異
点を用いてコア型特異点が1個の場合の特徴線抽出処理
に移行しても良い。渦状紋としての検証処理で棄却され
るような場合、信頼できないと判定して棄却判定しても
構わない。
【0080】ここでは、コア型特異点が1個の特徴線の
追跡処理について述べる。コア型特異点が1個の場合に
は、指紋紋様が図21(a)に示されるような左流てい
状紋,図21(b)に示されるような突起弓状紋,図2
1(c)に示される右流てい状紋の何れかであることを
仮定して特徴線追跡を行う。又、紋様判定に重要なコア
型特異点を包み込むように流れる尾根線側の隆線を追跡
することにし、コア型特異点を包み込むように流れる隆
線を包囲線と呼び、内側から順に第1包囲線,第2包囲
線,…とする。こうした場合、包囲線からコア型特異点
が1個の場合の紋様を包囲線がてい状線を成している場
合をてい状紋,包囲線が弓状線を成している場合を図2
1(b)に示される突起弓状紋として大別的に分類する
ことができる。因みに、てい状紋に関しては、更に図2
1(a)のように包囲線が左に流れる場合の左流てい状
紋と図21(c)のように包囲線が右に流れる場合の右
流てい状紋とに分けられる。
【0081】ここでは、コア型特異点E,このコア型特
異点Eに接続する線(尾根線,谷線は問わない)を適当
な距離(20〜30画素)だけ追跡した点T,及び線分
ETを点E側に外挿した線Lと最も近い尾根線との交点
Cを想定し、先ず点Cを求めてから次に交点Cに接続す
る線分を追跡して特徴線を抽出する。このときの終点を
点El ,Er とすると、左流てい状紋では二つの終点E
l ,Er は共に交点Cの左側に存在し、右流てい状紋で
は右側に存在する。又、突起弓状紋では終点Er ,El
は交点Cの左右に存在する。更に、コア型特異点Eに接
続する線も特徴線として追跡する。通常、突起弓状線や
てい状線等の包囲線はその突起部が上向きに現われる。
【0082】しかしながら、弓状紋にノイズ等が重畳し
て特異点が発生した場合、包囲線は必ずしも突起部分が
上向きになるとは限らない。このようなノイズによる特
異点や包囲線発生を検査するために、コア型特異点Eに
接続する線の向きを検査する。これは例えばベクトルE
Tの向きを調べ、これが上向きになっている場合には、
入力データが異常データであると判定して棄却する。こ
の段階で、交点Cと終点Er ,El との位置関係から特
徴線である包囲線を左流てい状線か右流てい状線,或い
は突起弓状線であるかを分類し、それぞれに対応する紋
様に分類することができる。
【0083】それでも、人間が分類する場合でさえ、一
意に紋様を特定することが困難な指紋も多く存在する。
例えば、図22(a)におけるコア型特異点の周りの包
囲線において、点Pと点Q1 ,Q2 との部分の画像が不
鮮明で判定が困難であると仮定する。ここで点P及び点
1 が接続されているとすれば、包囲線はてい状線とな
り、この紋様はてい状紋であるが、点P及び点Q2 が接
続されていると突起弓状紋となる。このように、一部の
指紋紋様では紋様を1つに特定することが困難な場合が
ある。このような場合には第2候補等を付与することが
望まれる。指紋紋様には第1候補のみならず、第2候補
も付与し易いようにするため、コア型特異点を包囲する
特徴線を何本か追跡し、同じ種類の特徴線が安定的に抽
出される場合には、その特徴線の種類に対応する紋様で
あると判定し、そうでない場合には棄却や第2候補の付
与を行っても良い。そこで、例えば図22(b)に示す
ように問題の領域を囲む第1包囲線及び第2包囲線を追
跡し、その両者が左流てい状線なら左流てい状紋と判定
するが、第1包囲線が左てい状線で第2包囲線が弓状線
であれば棄却とする。
【0084】紋様判定手段98では、コア型特異点の数
や特徴線の追跡して得られる検証結果から既に渦状紋や
左流てい状紋,右流てい状紋,突起弓状紋,弓状紋,或
いは棄却の判定はできているので、上述した結果をその
まま分類結果として出力することは可能である。しか
し、ここでは更に指紋分類の精度を高め、棄却や第2候
補の設定を簡易にするために事後確率を用いた実施につ
いて,即ち、特徴線を追跡して得られる情報とマニュー
シャ対応記述情報とを用いた紋様判定手段98による紋
様判定を説明する。ここでは、特徴線から得られる情報
とマニューシャ対応記述情報から得られる特異点数とを
用いて定義される詳細カテゴリーに分類し、その詳細カ
テゴリーに与えられた事後確率を用いて紋様判定を行
う。
【0085】先ず詳細カテゴリーは、ここでは特徴線追
跡手段97によって判定された紋様分類結果を仮判定と
し、この仮判定したカテゴリーとその他の特徴とを用い
て詳細カテゴリーに分ける。即ち、特異点数,特徴線の
検出の有無,検出された特徴線の種類により以下のよう
に紋様a,t,l,r,w,xの6つのカテゴリーに仮
判定する。6つのカテゴリーは、紋様aに関しての特異
点が0個の場合,紋様tに関しての特異点が1個で最も
内側のコア包囲線が突起弓状線と判定される場合,紋様
lに関しての特異点が1個で最も内側のコア包囲線が左
流てい状紋と判定される場合,紋様rに関しての特異点
が1個で最も内側のコア包囲線が右流てい状紋と判定さ
れる場合,紋様wに関しての特異点が2個で特徴線が検
出された場合,紋様xに関しての特徴線の検証処理によ
って棄却判定された場合に分けられる。
【0086】又、コア型特異点の数及びデルタ型特異点
の数を特異点数が0個の場合,特異点数が1個の場合,
特異点数が2個の場合,及び特異点数が3個以上の場合
に分類する。従って、仮判定した紋様のカテゴリー(6
カテゴリー)及びコア型特異点の数によるカテゴリー
(4カテゴリー),デルタ型特異点の数によるカテゴリ
ー(4カテゴリー)によって、6×4×4=96のカテ
ゴリーに入力されたデータを分類する。以下では、この
詳細カテゴリーをci (i=1,…,96)と表記す
る。
【0087】このようにカテゴリー分けをした各詳細カ
テゴリーci が、最終的に渦状紋やてい状紋等のどのカ
テゴリーCj (j=A,T,L,R,W)(CA
T ,CL ,CR ,CW はそれぞれ弓状紋,突起弓状
紋,右流てい状紋,左流てい状紋,渦状紋を意味する)
に属するかという事後確率Px を与える確率テーブルを
用意する。このカテゴリーテーブルは、予め用意したあ
る程度大量の学習用の指紋画像データと、そのデータ各
々が属するカテゴリーとが与えられれば容易に計算でき
る。即ち、確率テーブル参照までの処理を学習用のデー
タに対して施し、詳細カテゴリーci を学習データにつ
いて求める。この際、各詳細カテゴリーci 毎に学習デ
ータが元来属するカテゴリーCj が何れであったかを計
数する。これにより、学習データから以下の数7式の関
係で事後確率Px を計算することができる。
【0088】
【数7】 但し、ここでN(ci )は学習データ中で詳細カテゴリ
ーci に分類されたデータの数,N(Cj )は詳細カテ
ゴリーci に分類されたデータの中で学習データの元来
の紋様がカテゴリーCj であるデータの数である。例え
ば、詳細カテゴリーci に分類された紋様の数が100
個であり、その中で元来人手で分類した正解とする紋様
の数が弓状紋(CA ),突起弓状紋(CT ),左流てい
状紋(CL ),右流てい状紋(CR ),渦状紋(CW
がそれぞれ3,5,89,1,2であったとする。この
とき、事後確率Px はそれぞれ以下の数8式〜数12式
で表わされる。
【0089】
【数8】
【0090】
【数9】
【0091】
【数10】
【0092】
【数11】
【0093】
【数12】 この事後確率Px は詳細カテゴリーci に分類されたと
き、弓状紋(CA ),突起弓状紋(CT ),左流てい状
紋(CL ),右流てい状紋(CR ),渦状紋(CW )の
それぞれの紋様に関し、それぞれ3%,5%,89%,
1%,2%の確率で分類されると推定し得ることを意味
する。他の詳細カテゴリーci についても同様に事後確
率を計算し、計算された事後確率Px を確率テーブルと
してメモリ上に記憶する。学習データの数を大きくする
程、事後確率Px の推定精度は良くなることは言うまで
もない。上の例では例えば10000指程度の指紋画像
データから上述した事後確率Px を計算すれば、比較的
良好な精度で事後確率Pxを得ることができる。
【0094】ところで、このような確率テーブルを作成
した後、事後確率Px を参照するときの振る舞いについ
て、具体的に説明する。通常、指紋分類装置を応用する
場合として、棄却を設定する場合,棄却を設定しない場
合,第1候補のみ出力する場合,第2候補をも出力する
場合等の幾つかケースがあるが、これらのうちの幾つか
のケースについて記述する。即ち、棄却を行わないで、
第1候補のみを出力する場合には、以下の数13式で表
わされる関係によって与えられるカテゴリーを出力す
る。
【0095】
【数13】 ここではカテゴリーCj の中で最大の事後確率Px を与
えるものを出力カテゴリーとする。例えば、数8式〜数
12式に示される事後確率Px が与えられた場合では、
事後確率Px が最も大きいカテゴリーCL である左流て
い状紋を出力する。
【0096】又、第1候補のみ出力し、分類結果が信頼
できずに棄却をしたい場合、例えばカテゴリーCj の内
で最も大きい事後確率Px が所定の閾値以上の場合に、
そのカテゴリーCj を出力し、それ以外の場合は棄却を
行う。数8式〜数12式の事後確率Px の例では閾値を
0.85とすれば、第1候補としてCL の左流てい状紋
を出力する。一層紋様分類の精度を確保したい場合に
は、閾値を例えば0.95とすれば、このデータは棄却
判定される。
【0097】更に、第1候補のみでは十分な分類精度が
得られそうもない紋様に関しては第2候補を与え、それ
でも十分な分類精度が得られそうもない紋様は棄却する
場合には次のように処理を行う。即ち、例えば各カテゴ
リーCj に対する事後確率Px を大きい順に並べ換え、
大きい順に第1候補,第2候補,第3候補,…とする。
第1候補に対する事後確率が第1候補のみの出力を判定
する閾値t1 以上ならば第1候補のカテゴリーのみを出
力するが、仮にそうでなければ第1候補に対する事後確
率と第2候補に対する事後確率とを加算し、その和が所
定の閾値t2 以上であるならば第1候補のカテゴリーと
第2候補のカテゴリーとをそれぞれ第1候補,第2候補
として出力する。
【0098】加えて、仮にこの条件も満たさないなら
ば、この紋様を棄却する。数8式〜数12式の事後確率
x の例では例えばt1 =0.85,t2 =0.85と
設定した場合には、第1候補の左流てい状紋CL のみを
出力する。一層誤りを少くする場合には、例えばt1
0.90,t2 =0.90と設定すれば良く、この場合
は第1候補として左流てい状紋CL を出力し、第2候補
として弓状紋CA を出力する。更に、自動分類による誤
りを少くしたい場合には、例えばt1 =0.95、t2
=0.95とすれば、このデータは棄却される。
【0099】尚、実施例では皮膚紋様のうちの特色が顕
著な部分として、主に指紋紋様の追跡並びに分類につい
て説明したが、掌紋等の他の部分の皮膚紋様を対象にし
ても本願発明は適用可能である。
【0100】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の皮膚紋
様(指紋紋様)の分類装置によれば、端点や分岐点に達
した場合でも曲率や回転等の影響を受けずに紋様線の追
跡が一意に定まるため、指紋や掌紋等の皮膚紋様におけ
る特徴線の追跡を精度良く行うことができるようにな
る。又、本発明の皮膚紋様(指紋紋様)の分類装置で
は、確率テーブルを参照することで各紋様に対する事後
確率を知ることができるため、棄却の度合や次候補(第
2候補)等の設定を容易に行い得るようになる。特に、
指紋紋様分類装置の場合、指紋紋様の分類に重要な特異
点を適確に検出することができる上、その特異点を規準
にした特徴線を追跡することで従来に無く精度良く指紋
分類を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で解析対象とする皮膚隆線系(皮膚紋様
における尾根線及び谷線の関係)の一例として平行隆線
からできている流れを説明するために示したもので、
(a)はその拡大図に関するもの,(b)は谷分岐及び
尾根端を含む画像化処理図に関するものである。
【図2】本発明で解析対象とする皮膚隆線系の他例とし
て半円状の流れを説明するために示したもので、(a)
は谷端を含む一画像化処理図に関するもの,(b)は尾
根端を含む他の画像化処理図に関するものである。
【図3】本発明で解析対象とする皮膚隆線系の別例とし
て三角洲状の流れを説明するために示したもので、
(a)は谷分岐を含む一画像化処理図に関するもの,
(b)は尾根分岐を含む他の画像化処理図に関するもの
である。
【図4】本発明で解析対象とする指紋紋様の種類(普通
弓状紋α,突起弓状紋β,右流てい状紋γ,左流てい状
紋δ,渦状紋ε)を示したものである。
【図5】図4で説明したてい状紋のてい状線を説明する
ために示したものである。
【図6】図4で説明した突起弓状紋におけるコア型特異
点を説明するために示したものである。
【図7】図4で説明した渦状紋におけるコア型特異点及
びその周りの隆線の流れを説明するために示したもの
で、(a)はその一例に関するもの,(b)はその他例
に関するものである。
【図8】図4で説明したてい状紋のてい状線が二つ現わ
れている例(特異点の現われ方)を示したものである。
【図9】本発明の一実施例に係る皮膚紋様分類装置の基
本構成を動作処理形式のブロック図により示したもので
ある。
【図10】図9に示す皮膚紋様分類装置における動作処
理形式のブロック図をより詳細に示したものである。
【図11】図10に示す皮膚模様分類装置の谷線抽出手
段において得られる細線画像を示したもので、(a)は
尾根の8連結細線画像に関するもの,(b)はその反転
された8連結細線画像に関するものである。
【図12】図10に示す皮膚模様分類装置の尾根マニュ
ーシャ抽出手段及び谷マニューシャ抽出手段においてマ
ニューシャ抽出のために用いる二値検出マスクを示した
もので、(a)は端点マニューシャ抽出用マスクに関す
るもの,(b)は分岐マニューシャ抽出用マスクに関す
るものである。
【図13】図10に示す皮膚模様分類装置のマニューシ
ャ対応抽出手段における尾根端点及び谷分岐点の対応関
係の抽出処理の動作を示したフローチャートである。
【図14】図13に示す抽出処理に含まれる対応分岐点
候補の登録を説明するために示した尾根端点を含む特定
の距離区画内の様態図である。
【図15】図13に示す抽出処理に含まれる対応分岐点
候補の登録に関して対応点候補の参照関係をグラフ表現
を用いて模式的に示したものである。
【図16】図13に示す抽出処理に含まれる対応分岐点
候補の登録に関して尾根端点と谷分岐点とが対応してい
る場合のマニューシャ及び線の関係を説明するために示
した様態図である。
【図17】図10に示す皮膚模様分類装置の特徴線追跡
手段において細線から抽出される特異点を説明するため
に示した様態図で、(a)は通常の尾根線が分岐点で対
応する谷の端点となっている部分に関するもの,(b)
はそれの変形されたものに関するものである。
【図18】図10に示す皮膚模様分類装置の特徴線追跡
手段における追跡規則を説明するために示した様態図
で、(a)は端点の場合に関するもの,(b)は分岐点
の場合に関するもの,(c)は合流点の場合に関するも
のである。
【図19】図10に示す皮膚模様分類装置の特徴線追跡
手段による渦状紋における一検証処理を説明するために
示したものである。
【図20】図10に示す皮膚模様分類装置の特徴線追跡
手段による渦状紋における他の検証処理を説明するため
に示したものである。
【図21】図10に示す皮膚模様分類装置の特徴線追跡
手段による特徴線追跡の対象となる他の紋様を示したも
ので、(a)は左流てい状紋に関するもの,(b)は突
起弓状紋に関するもの,(c)は右流てい状紋に関する
ものである。
【図22】図10に示す皮膚模様分類装置の特徴線追跡
手段による特徴線追跡に際しての紋様分類の不確定性を
説明するために示した様態図で、(a)はコア型特異点
近傍に不鮮明領域がある場合の一例に関するもの,
(b)は更にその領域を囲む第1包囲線及び第2包囲線
を追跡した場合の他例に関するものである。
【図23】従来の指紋分類の技術として、渦状紋とそれ
以外の紋様とを判別するための隆線の追跡結果の様子を
示したものである。
【符号の説明】
91 画像入力手段 92 尾根線抽出手段 93 谷線抽出手段 94 尾根マニューシャ抽出手段 95 谷マニューシャ抽出手段 96 マニューシャ対応抽出手段 97 特徴線追跡手段 98 紋様判定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像化処理された皮膚画像を入力する画
    像入力手段と、前記皮膚画像から皮膚紋様の隆線に対応
    する尾根線を抽出する尾根線抽出手段と、前記皮膚紋様
    の隆線の間の谷部分である谷線を抽出する谷線抽出手段
    と、前記尾根線から尾根マニューシャを抽出する尾根マ
    ニューシャ抽出手段と、前記谷線から谷マニューシャを
    抽出する谷マニューシャ抽出手段と、前記尾根線,前記
    谷線,前記尾根マニューシャ,及び前記谷マニューシャ
    を用いて該尾根マニューシャ及び該谷マニューシャにお
    ける対応関係を求めるマニューシャ対応抽出手段と、前
    記マニューシャ対応関係に関する記述情報と前記尾根線
    及び前記谷線とに基づいて前記皮膚紋様の特徴線を追跡
    する特徴線追跡手段とを備えたことを特徴とする皮膚紋
    様線追跡装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の皮膚紋様線追跡装置と、
    前記特徴線の特徴及び前記記述情報を用いて前記皮膚紋
    様の種別判定を行う紋様判定手段とから成ることを特徴
    とする皮膚紋様分類装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の皮膚紋様分類装置におい
    て、前記紋様判定手段は、前記特徴線の特徴及び前記記
    述情報を用いて予め定められた詳細カテゴリーを抽出す
    るための複数の出力カテゴリーへ分類される事後確率を
    与える確率テーブルを備えると共に、該特徴線の特徴及
    び該記述情報を用いて該詳細カテゴリーへの分類を行っ
    た分類結果に従って該確率テーブルを参照することによ
    って前記皮膚紋様の種別判定を行うものであることを特
    徴とする皮膚紋様分類装置。
  4. 【請求項4】 画像化処理された指紋画像を入力する画
    像入力手段と、前記指紋画像から指紋紋様の隆線に対応
    する尾根線を抽出する尾根線抽出手段と、前記指紋紋様
    の隆線の間の谷部分である谷線を抽出する谷線抽出手段
    と、前記尾根線から尾根マニューシャを抽出する尾根マ
    ニューシャ抽出手段と、前記谷線から谷マニューシャを
    抽出する谷マニューシャ抽出手段と、前記尾根線,前記
    谷線,前記尾根マニューシャ,及び前記谷マニューシャ
    を用いて該尾根マニューシャ及び該谷マニューシャにお
    ける対応関係を求めるマニューシャ対応抽出手段と、前
    記マニューシャ対応関係に関する記述情報と前記尾根線
    及び前記谷線とに基づいて前記指紋紋様の特徴線を追跡
    する特徴線追跡手段とを備えたことを特徴とする指紋紋
    様線追跡装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の指紋紋様線追跡装置と、
    前記特徴線の特徴及び前記記述情報を用いて前記指紋紋
    様の種別判定を行う紋様判定手段とから成ることを特徴
    とする指紋紋様分類装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の指紋紋様分類装置におい
    て、前記紋様判定手段は、前記特徴線の特徴及び前記記
    述情報を用いて予め定められた詳細カテゴリーを抽出す
    るための複数の出力カテゴリーへ分類される事後確率を
    与える確率テーブルを備えると共に、該特徴線の特徴及
    び該記述情報を用いて該詳細カテゴリーへの分類を行っ
    た分類結果に従って該確率テーブルを参照することによ
    って前記指紋紋様の種別判定を行うものであることを特
    徴とする指紋紋様分類装置。
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