JP2013210902A - 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生体認証装置は、利用者の生体情報が写った生体画像を生成する生体情報取得部4と、登録利用者の生体情報である登録生体情報を表すデータを記憶する記憶部5と、生体画像を、その生体画像に写っている生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより生体画像上に複数の領域を設定する領域設定部(13、21)と、複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、領域ごとに、その領域に写っている生体情報の一部分と登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることでその生体情報と登録生体情報とを照合する照合部15とを有する。
【選択図】図3
Description
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
まず、生体認証に用いる生体情報として、何れかの指の指紋が用いられる場合において、照合時に取得される生体画像の例を説明する。図1(a)は、指の先端側に位置する指紋の一部が写った生体画像の一例を示す図であり、図1(b)は、指の側面に位置する指紋の一部が写った生体画像の一例を示す図である。
理想的には、生体画像には、指紋全体が鮮明に写っていることが好ましい。しかしながら、図1(a)に示された生体画像100のように、指紋センサに対する利用者の指の置き方によっては、指の先端部分の指紋だけが写っていることがある。指の先端部分では、個人ごとの隆線の形状の差が小さい。そのため、生体画像100が照合処理に利用されると、登録利用者と異なる利用者が誤ってその登録利用者として認証されてしまうおそれがある。一方、図1(b)に示される生体画像110には、指紋の中心のように個人差が大きい部分が写っているものの、指紋が写っている領域の面積が狭い。そのため、生体画像110が照合処理に利用されると、登録利用者と異なる利用者が誤ってその登録利用者として認証される危険性は低いものの、利用者がその登録利用者本人であっても、照合に失敗してしまうおそれがある。
また、本明細書において、「照合処理」という用語は、利用者の生体情報と登録利用者の生体情報の相違度合いまたは類似度合いを表す指標を算出する処理を示すために使用される。また、「生体認証処理」という用語は、照合処理だけでなく、照合処理により求められた指標を用いて、利用者を認証するか否かを決定する処理を含む、認証処理全体を示すために使用される。
なお、生体情報取得部4は、スライド式の指紋センサを有してもよい。この場合、生体情報取得部4は、指紋センサに対して指をスライドさせている間に、所定の時間間隔で順次部分画像を生成する。部分画像には、その指の表面の指紋の一部が写されており、複数の部分画像を生成された時間順に連結することで、その指の指紋全体が写った生体画像が合成される。
本実施形態では、生体認証に利用される生体情報は指紋である。指紋では、一般に、指紋の渦中心に近いほど、隆線の曲率半径は小さくなるので、指紋の渦中心に近いブロックほど、隣接するブロックの隆線方向に対する隆線方向の変化度合いが大きくなる。一方、指紋の渦中心、あるいは三角州のような特異点から離れたブロックでは、隣接するブロックの隆線方向に対する隆線方向の変化度合いは小さい。このような隆線方向の特性は、指紋の形状の複雑さを表している。
そこで、複雑度推定部12は、ブロックごとに隆線の方向を求め、隣接するブロック間での隆線方向の変化に基づいて、ブロックごとに形状の複雑度を推定する。
そして複雑度推定部12は、着目するブロック内で隆線を表す画素が連続する線の接線方向の平均値をその着目するブロック内の隆線方向とする。複雑度推定部12は、着目するブロックの隆線方向に沿って着目するブロックの両側に隣接する二つのブロックの隆線方向と、着目するブロックの隆線方向の差から、着目するブロックにおける隆線の曲率を求める。
複雑度推定部12は、各ブロックの代表画素(例えば、左上端の画素または中心の画素)の座標とともに、そのブロックの複雑度をグループ化部13へ渡す。
グループ化部13は、ブロックごとに、そのブロックの代表画素の座標とともに、そのブロックが属するグループの識別番号を記憶部5に記憶させる。またグループ化部13は、各グループのグループ複雑度を、そのグループの識別番号とともに記憶部5に記憶させる。
本実施形態では、特徴点抽出部14は、特徴点として、例えば、指紋の隆線の分岐点及び端点(マニューシャとも呼ばれる)を抽出する。この場合、複雑度を特徴点の数で表す場合と同様の手順により、特徴点抽出部14は、特徴点を抽出できる。
特徴点抽出部14は、特徴点の総数及び各特徴点の入力生体画像上の位置及び種類を照合部15へ渡す。
なお、重みテーブルは、特徴点の個数にかかわりなく、グループ複雑度の範囲ごとに対応する重み係数を規定するものであってもよい。この場合にも、グループ複雑度が高いほど、重み係数は大きく設定される。
これにより、グループ複雑度が高いグループに含まれ、かつ、登録特徴点と一致する入力特徴点の数が多いほど、類似度が高くなる。
そして照合部15は、類似度の最大値及びその最大値に対応する登録利用者の識別情報を認証判定部16へ渡す。
処理部7が生体情報取得部4から利用者の生体情報が表された入力生体画像を受け取ると、処理部7の分割部11は、その入力生体画像を複数のブロックに分割する(ステップS101)。そして処理部7の複雑度推定部12は、ブロックごとに生体情報の形状の複雑度を算出する(ステップS102)。
類似度が認証判定用閾値以上である場合(ステップS107−Yes)、認証判定部16は、利用者を登録利用者として認証する(ステップS108)。
一方、類似度が認証判定用閾値未満である場合(ステップS107−No)、認証判定部16は利用者を認証しない(ステップS109)。
ステップS108またはS109の後、処理部7は、生体認証処理を終了する。なお、処理部7は、ステップS102〜S104とステップS105の実行順序を入れ替えてもよい。
そこで以下では、第3の実施形態による生体認証装置が有する処理部の各構成要素のうち、第1の実施形態による生体認証装置の処理部の構成要素と相違する点について説明する。第3の実施形態による生体認証装置のその他の構成要素の詳細については、第1の実施形態による生体認証装置の対応する構成要素についての説明を参照されたい。
なお、図8において、各構成要素には、図3に示された第1の実施形態による処理部の対応する構成要素の参照番号と同一の参照番号を付した。第3の実施形態による生体認証装置の処理部71は、補間部17を有する点で、第1の実施形態による生体認証装置の処理部7と異なる。そこで以下では、補間部17及びその関連部分について説明する。
そこで以下では、第4の実施形態による生体認証装置が有する処理部の各構成要素のうち、第1の実施形態による生体認証装置の処理部の構成要素と相違する点について説明する。第4の実施形態による生体認証装置のその他の構成要素の詳細については、第1の実施形態による生体認証装置の対応する構成要素についての説明を参照されたい。
なお、図10において、各構成要素には、図3に示された第1の実施形態による処理部の対応する構成要素の参照番号と同一の参照番号を付した。第4の実施形態による生体認証装置の処理部72は、重み調整部18を有する点で、第1の実施形態による生体認証装置の処理部7と異なる。そこで以下では、重み調整部18及びその関連部分について説明する。
重み調整部18は、その度数の合計が基準値未満か否か判定する(ステップS203)。その度数の合計が基準値未満であれば(ステップS203−Yes)、その閾値以上のグループ複雑度を持つグループに対する重み係数を重くする(ステップS204)。
ステップS204の後、またはステップS203にてその度数の合計が基準値以上である場合、重み調整部18は、過去に取得された複数の入力生体画像のそれぞれから算出されるその度数の合計の統計的代表値に基づいて基準値を更新する(ステップS205)。そして重み調整部18は、更新された基準値を記憶部5に記憶する。
そこで以下では、第5の実施形態による生体認証装置が有する処理部の各構成要素のうち、第1の実施形態による生体認証装置の処理部の構成要素と相違する点について説明する。第5の実施形態による生体認証装置のその他の構成要素の詳細については、第1の実施形態による生体認証装置の対応する構成要素についての説明を参照されたい。
なお、図12において、各構成要素には、図3に示された第1の実施形態による処理部の対応する構成要素の参照番号と同一の参照番号を付した。第5の実施形態による生体認証装置の処理部73は、複雑度推定部12及びグループ化部13の代わりに、特異点検出部19、タイプ判定部20及び領域設定部21を有する点で、第1の実施形態による生体認証装置の処理部7と異なる。そこで以下では、特異点検出部19、タイプ判定部20及び領域設定部21及びその関連部分について説明する。
図13(a)〜(c)は、それぞれ、代表的な指紋のタイプを表す指紋の模式図である。各図において、隆線が上側に凸となる渦中心1301は、上側に凸な円弧として表される。また渦中心を形成する隆線の方向は、矢印1302により表される。そして三角州1303は、三角形で表される。
図13(a)に示される指紋1300は、いわゆる右ループ型の指紋である。この指紋1300は、渦中心1301と、一つの三角州1303を含む。また右ループ型の指紋1300では、三角州1303は、渦中心1301よりも右側に存在し、また、渦中心1301を形成する隆線の方向1302が、渦中心1301から渦中心1301よりも左下方へ向いている。
一方、図13(b)に示される指紋1310は、いわゆる左ループ型の指紋である。この指紋1310は、右ループ型の指紋1300と鏡面対称な構造を有している。
また、図13(c)に示される指紋1320は、いわゆるように、弓状紋型の指紋である。指紋1320は、渦中心1301を有するが、それ以外の特異点を有さない。
そして特異点検出部19は、検出された特異点の種類及び位置をタイプ判定部20へ通知する。
そこで領域設定部21は、入力生体情報に写った指紋のタイプに応じて、入力生体画像を、指紋の形状の複雑度が異なる部分ごとに分割して入力生体画像に複数の領域を設定し、各領域ごとに重み係数を設定する。
処理部73の特異点検出部19は、利用者の指紋が表された入力生体画像から特異点を検出する(ステップS301)。そして特異点検出部19は、検出された特異点の種類及び位置を処理部73のタイプ判定部20へ通知する。
タイプ判定部20は、特異点の種類及び位置に基づいて指紋のタイプを判定する(ステップS302)。そしてタイプ判定部20は、指紋のタイプを処理部73の領域設定部21へ通知する。領域設定部21は、例えば、指紋のタイプと設定される領域及び重み係数との関係を示す領域テーブルを参照することにより、指紋のタイプに応じて、互いに指紋の形状の複雑度が異なる部分が写っていると推定される複数の領域を設定する(ステップS303)。領域設定部21は、設定された各領域の範囲及びその領域に対応する重み係数を処理部73の照合部15へ通知する。
また、処理部73の特徴点抽出部14は、入力生体画像から特徴点を抽出する(ステップS305)。そして特徴点抽出部14は、抽出した各特徴点の位置及び種類を照合部15へ渡す。
照合部15は、写っている部分の複雑度が高いと推定される領域ほど大きい重み係数を用いて、領域ごとにその領域に写っている利用者の指紋の一部分と登録利用者の指紋の一部分との一致度合いに重み付ける。これにより、照合部15は、利用者の指紋と登録利用者の指紋との類似度を算出する(ステップS306)。
類似度が認証判定用閾値以上である場合(ステップS307−Yes)、認証判定部16は、利用者を登録利用者として認証する(ステップS308)。
一方、類似度が認証判定用閾値未満である場合(ステップS307−No)、認証判定部16は利用者を認証しない(ステップS309)。
ステップS308またはS309の後、処理部73は、生体認証処理を終了する。なお、処理部73は、ステップS301〜S303とステップS304、ステップS305の実行順序を入れ替えてもよい。また、指紋のタイプごとに設定されるそれぞれの領域の範囲は画素単位で指定されてもよい。この場合には、ステップS304の処理、及び分割部11は省略されてもよい。
例えば、コンピュータシステム100は、少なくとも1台の端末110とサーバ120とを有する。そして端末110とサーバ120は、有線または無線の通信ネットワーク130を介して接続される。なお、図16において、コンピュータシステム100が有する構成要素のうち、図1に示した生体認証装置1が有する構成要素の何れかと対応する構成要素には、生体認証装置1が有する構成要素の参照番号と同じ参照番号を付した。
記憶部21は、例えば、半導体メモリ回路を有し、生体情報取得部4により生成された生体画像を一時的に記憶する。また画像取得制御部22は、一つまたは複数のプロセッサとその周辺回路とを有し、端末110の各部を制御し、かつ、端末110で動作する各種のプログラムを実行する。そして画像取得制御部22は、生体情報取得部4により生成された生体画像を、端末110を通信ネットワーク130と接続するためのインターフェース回路を有するインターフェース部23を介してサーバ120へ送信する。さらに画像取得制御部22は、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報もサーバ120へ送信してもよい。
2 表示部
3 入力部
4 生体情報取得部
5 記憶部
6 記憶媒体アクセス装置
7、71〜73 処理部
8 記憶媒体
11 分割部
12 複雑度推定部
13 グループ化部
14 特徴点抽出部
15 照合部
16 認証判定部
17 補間部
18 重み調整部
19 特異点検出部
20 タイプ判定部
21 領域設定部
100 コンピュータシステム
110 端末
120 サーバ
130 通信ネットワーク
21 記憶部
22 画像取得制御部
23、24 インターフェース部
Claims (8)
- 利用者の生体情報が写った生体画像を生成する生体情報取得部と、
登録利用者の生体情報である登録生体情報を表すデータを記憶する記憶部と、
前記生体画像を、当該生体画像に写っている前記生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより前記生体画像上に複数の領域を設定する領域設定部と、
前記複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、前記領域ごとに当該領域に写っている前記生体情報の一部分と前記登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで前記生体情報と前記登録生体情報とを照合する照合部と、
を有する生体認証装置。 - 前記生体画像を複数のブロックに分割する分割部と、
前記複数のブロックのそれぞれについて、当該ブロックに写っている前記生体情報の一部の形状の複雑度を推定する複雑度推定部とをさらに有し、
前記領域設定部は、前記複数のブロックのうち、互いに隣接するブロックの組であって、該組のそれぞれのブロック間の前記推定された複雑度の差が前記生体情報の形状の複雑度が同じとみなせる範囲内となるブロックの組を同一の領域に含めることにより、前記複数の領域を設定する、請求項1に記載の生体認証装置。 - 前記生体情報は指紋であり、
前記生体画像から、当該生体画像に写っている前記指紋の特異点の位置及び種類を検出する特異点検出部と、
前記検出された特異点の位置及び種類に基づいて、前記指紋のタイプを判定するタイプ判定部とをさらに有し、
前記領域設定部は、前記指紋のタイプに応じて形状の複雑度ごとに設定された複数の領域のそれぞれの範囲を表すテーブルを参照することにより、前記複数の領域を設定する、請求項1に記載の生体認証装置。 - 前記記憶部は、前記登録生体情報が写った登録生体画像に設定された複数の領域のそれぞれについて、当該領域の範囲及び当該領域に写っている前記登録生体情報の一部の形状の複雑度とをさらに記憶し、
前記照合部は、前記生体画像上の前記複数の領域のうちの第1の領域と、前記登録生体画像に設定された前記複数の領域のうち、前記第1の領域の複雑度との差が予め設定された所定範囲内となる複雑度を持つ第2の領域とを位置合わせして前記類似度を算出する、請求項1〜3の何れか一項に記載の生体認証装置。 - 前記生体画像を複数のブロックに分割する分割部と、
生体情報の形状の個人差がある部分を含むと推定される第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数を計数し、該ブロックの数が少ないほど、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つ領域についての前記重み係数を大きくする重み調整部とをさらに有する、請求項1に記載の生体認証装置。 - 前記重み調整部は、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数が所定の基準値よりも少ない場合に、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つ領域についての前記重み係数を、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数が前記基準値以上となる場合における当該重み係数よりも大きくし、
過去に取得された複数の前記生体画像のそれぞれについて算出された前記第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数の統計的代表値を前記基準値とする、請求項5に記載の生体認証装置。 - 利用者の生体情報が写った生体画像を生成し、
前記生体画像を、当該生体画像に写っている前記生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより前記生体画像上に複数の領域を設定し、
前記複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、前記領域ごとに当該領域に写っている前記生体情報の一部分と登録利用者の生体情報である登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで前記生体情報と前記登録生体情報とを照合する、
ことを含む生体認証方法。 - 利用者の生体情報が写った生体画像を、当該生体画像に写っている前記生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより前記生体画像上に複数の領域を設定し、
前記複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、前記領域ごとに当該領域に写っている前記生体情報の一部分と登録利用者の生体情報である登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで前記生体情報と前記登録生体情報とを照合する、
ことをコンピュータに実行させるための生体認証用コンピュータプログラム。
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