JP2013210902A - 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム - Google Patents

生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2013210902A
JP2013210902A JP2012081518A JP2012081518A JP2013210902A JP 2013210902 A JP2013210902 A JP 2013210902A JP 2012081518 A JP2012081518 A JP 2012081518A JP 2012081518 A JP2012081518 A JP 2012081518A JP 2013210902 A JP2013210902 A JP 2013210902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
complexity
biometric
unit
biometric information
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012081518A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5915336B2 (ja
Inventor
Junji Takagi
淳二 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2012081518A priority Critical patent/JP5915336B2/ja
Publication of JP2013210902A publication Critical patent/JP2013210902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5915336B2 publication Critical patent/JP5915336B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Collating Specific Patterns (AREA)

Abstract

【課題】生体情報の一部が欠落または不鮮明となっている生体画像を照合処理に用いても、認証精度の低下を抑制可能な生体認証装置を提供する。
【解決手段】生体認証装置は、利用者の生体情報が写った生体画像を生成する生体情報取得部4と、登録利用者の生体情報である登録生体情報を表すデータを記憶する記憶部5と、生体画像を、その生体画像に写っている生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより生体画像上に複数の領域を設定する領域設定部(13、21)と、複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、領域ごとに、その領域に写っている生体情報の一部分と登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることでその生体情報と登録生体情報とを照合する照合部15とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、画像に表された生体情報を用いて生体認証を行う生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラムに関する。
近年、指紋または手のひらの静脈などの生体情報を利用して、個人を認証するか否か判定する生体認証技術が開発されている。生体認証技術は、入退室管理システム、ボーダーコントロール用システムまたは国民識別番号を用いたシステムといった登録された利用者の数が多い大規模なシステムから、コンピュータまたは携帯端末といった特定の個人が利用する装置まで、広く利用されている。
例えば、生体情報として何れかの指の指紋が利用される場合、生体認証装置は、指紋を表す生体画像を入力生体画像として取得する。そして生体認証装置は、入力生体画像に表された利用者の指紋である入力生体情報を、予め登録された登録利用者の登録生体画像に表された指紋である登録生体情報と照合する。生体認証装置は、照合処理の結果に基づいて、入力生体情報と登録生体情報が一致すると判定した場合、その利用者を正当な権限を有する登録利用者として認証する。そして生体認証装置は、認証された利用者が生体認証装置が組み込まれた装置または生体認証装置と接続された他の装置を使用することを許可する。
照合精度を向上するためには、登録生体画像及び入力生体画像に、生体情報の大部分が鮮明に写っていることが好ましい。そこで、生体画像上で生体情報が写っている領域の面積が所定の閾値以上である場合にその生体画像を照合処理に利用し、その面積が閾値未満の場合には、利用者に対して生体情報を再度入力することを促す技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、指紋画像を複数の小領域に分割し、隆線の方向を求めることが不可能な小領域の数が指紋領域を占める小領域の数に対して所定の比率以上を占める場合に、ユーザに指紋画像の再入力を促す技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平8−161491号公報 特開2003−337949号公報
生体画像の再入力が必要となると、それだけ生体認証処理を実行するために要する時間が長くなる。そして生体認証処理を実行するために要する時間が長くなると、生体認証装置は、利用者の利便性を損ねてしまう。特に、入力生体情報が、生体認証装置に予め記憶されている複数の登録生体画像のそれぞれに表された登録生体情報と照合される、いわゆる1対N照合方式が採用される場合、生体認証装置は複数回の生体認証処理を実行しなければならない。そのため、上記の技術を採用した生体認証装置は、利用者の生体情報を再度読み取り、その再度読み取って生成した入力生体画像が適正か否か判断した後に、複数回の生体認証処理を実行することになる。そのため、この生体認証装置は、生体認証処理を実行するために要する時間が長くなってしまう。そして、生体認証装置に登録されている登録生体画像の数が多いほど、生体認証処理の実行回数も多くなる。そのため、生体認証装置に多数の登録生体画像が登録されていると、全ての生体認証処理が終了するまでの利用者の待ち時間が顕著に増大し、その結果として利用者の利便性が著しく損なわれてしまうおそれがあった。
そこで、利用者の利便性を考慮すると、生体画像上に生体情報の一部しか写っていなかったり、あるいは、生体画像に写っている生体情報の一部が不鮮明な場合でも、その生体画像を照合処理に利用することが好ましい。しかしこの場合には、生体認証装置は、その生体画像から抽出される、照合処理に利用できる生体情報の特徴点の数が不十分なために、他人受入率が許容できないレベルに達してしまうおそれがあった。そのため、生体情報の一部が欠落しているか、または不鮮明となっている生体画像を照合処理に用いても、認証精度の低下を抑制可能な生体認証装置が望まれている。
そこで、本明細書は、生体情報の一部が欠落または不鮮明となっている生体画像を照合処理に用いても、認証精度の低下を抑制可能な生体認証装置を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、生体認証装置が提供される。この生体認証装置は、利用者の生体情報が写った生体画像を生成する生体情報取得部と、登録利用者の生体情報である登録生体情報を表すデータを記憶する記憶部と、生体画像を、その生体画像に写っている生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することによりその生体画像上に複数の領域を設定する領域設定部と、複数の領域のうち生体情報の写っている一部分の形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、領域ごとに、その領域に写っている生体情報の一部分と登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで生体情報と登録生体情報とを照合する照合部とを有する。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された生体認証装置は、生体情報の一部が欠落または不鮮明となっている生体画像を照合処理に用いても、認証精度の低下を抑制できる。
(a)は、指の先端側に位置する指紋の一部が写った生体画像の一例を示す図であり、(b)は、指の側面に位置する指紋の一部が写った生体画像の一例を示す図である。 第1の実施形態である生体認証装置の概略構成図である。 第1の実施形態による処理部の機能ブロック図である。 図1(b)に示された生体画像に対して設定される、複雑度に応じたグループの一例を示す図である。 グループ複雑度と重み係数との関係を示す重みテーブルの一例を示す図である。 第1の実施形態による生体認証処理の動作フローチャートを示す図である。 登録生体情報に関するデータを表すデータテーブルの一例を示す図である。 第3の実施形態による生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。 不鮮明なブロックを含む、入力生体画像の一部に設定されたブロック及びグループの一例を示す図である。 第4の実施形態による生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。 第4の実施形態による生体認証処理に含まれる、重み調整処理の動作フローチャートである。 第5の実施形態による生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、代表的な指紋のタイプを表す指紋の模式図である。 指紋のタイプと、設定される領域及び重み係数の関係を規定する領域テーブルの一例を示す図である。 第5の実施形態による生体認証処理の動作フローチャートである。 各実施形態またはその変形例による生体認証装置が実装された、コンピュータシステムの一例の概略構成図である。
以下、図を参照しつつ、様々な実施形態による、生体認証装置について説明する。
まず、生体認証に用いる生体情報として、何れかの指の指紋が用いられる場合において、照合時に取得される生体画像の例を説明する。図1(a)は、指の先端側に位置する指紋の一部が写った生体画像の一例を示す図であり、図1(b)は、指の側面に位置する指紋の一部が写った生体画像の一例を示す図である。
理想的には、生体画像には、指紋全体が鮮明に写っていることが好ましい。しかしながら、図1(a)に示された生体画像100のように、指紋センサに対する利用者の指の置き方によっては、指の先端部分の指紋だけが写っていることがある。指の先端部分では、個人ごとの隆線の形状の差が小さい。そのため、生体画像100が照合処理に利用されると、登録利用者と異なる利用者が誤ってその登録利用者として認証されてしまうおそれがある。一方、図1(b)に示される生体画像110には、指紋の中心のように個人差が大きい部分が写っているものの、指紋が写っている領域の面積が狭い。そのため、生体画像110が照合処理に利用されると、登録利用者と異なる利用者が誤ってその登録利用者として認証される危険性は低いものの、利用者がその登録利用者本人であっても、照合に失敗してしまうおそれがある。
そこでこの生体認証装置は、利用者の生体情報と登録利用者の生体情報間の照合が行われるとき(以下照合時と呼ぶ)において取得された、利用者の生体情報が写った生体画像を複数のブロックに分割する。なお、照合時において取得されたこの生体画像を、以下では、便宜上、入力生体画像と呼ぶ。そしてこの生体認証装置は、ブロックごとに、そのブロックに写っている生体情報の形状の複雑さを表す複雑度を求め、その複雑さが同程度のブロック同士を一つのグループにまとめる。複雑度が高いブロックほど、そのブロックに写っている生体情報の一部には、本人と他人とを区別するために有用な特徴点が含まれていると推定される。そこでこの生体認証装置は、複雑さが高いグループほど大きい重み係数を設定して、入力生体画像と登録利用者の生体情報が写った生体画像である登録生体画像との間で照合処理を実行する。これにより、この生体認証装置は、入力生体画像上で生体情報の一部が欠落していても他人受入率の増加を抑制する。
本実施形態では、生体認証装置は、生体認証の対象となる生体情報として何れかの指の指紋を利用する。しかし、生体認証の対象となる生体情報は、掌紋、あるいは手または指の静脈パターンであってもよい。
また、本明細書において、「照合処理」という用語は、利用者の生体情報と登録利用者の生体情報の相違度合いまたは類似度合いを表す指標を算出する処理を示すために使用される。また、「生体認証処理」という用語は、照合処理だけでなく、照合処理により求められた指標を用いて、利用者を認証するか否かを決定する処理を含む、認証処理全体を示すために使用される。
図2は、第1の実施形態である生体認証装置の概略構成図を示す。図2に示されるように、生体認証装置1は、表示部2と、入力部3と、生体情報取得部4と、記憶部5と、記憶媒体アクセス装置6と、処理部7とを有する。表示部2、入力部3及び生体情報取得部4は、記憶部5、記憶媒体アクセス装置6及び処理部7が収容された筺体とは別個に設けられてもよい。あるいは、表示部2、入力部3、生体情報取得部4、記憶部5、記憶媒体アクセス装置6及び処理部7は、いわゆるノート型パーソナルコンピュータまたはタブレット型端末のように、一つの筺体に収容されてもよい。
生体認証装置1は、生体情報取得部4により生成された利用者の指の指紋を表す生体画像を用いて、その指紋を登録利用者の指紋と照合することにより、生体認証処理を実行する。そして生体認証装置1は、生体認証処理の結果、利用者を登録利用者の何れかとして認証した場合、生体認証装置1が実装された装置をその利用者が使用することを許可する。あるいは、生体認証装置1は、図示しない他の装置へ、利用者が認証された旨を表す信号を送信して、その利用者が他の装置を使用することを許可する。
表示部2は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示装置を有する。そして表示部2は、処理部7により実行された生体認証処理の結果を表すメッセージ、あるいはアプリケーションに関連する各種情報などを表示する。
入力部3は、例えば、キーボード、マウス、またはタッチパッドなどのユーザインターフェースを有する。そして入力部3を介して利用者により入力された利用者のユーザ名といった利用者の識別情報あるいはコマンド若しくはデータは、処理部7へ渡される。ただし、利用者が生体情報以外の情報を生体認証装置1に対して入力する必要がない場合、入力部3は省略されてもよい。
生体情報取得部4は、例えば、エリアセンサを用いた指紋センサを有する。この指紋センサは、例えば、光学式、静電容量式、電界式または感熱式の何れかの方式を採用したセンサとすることができる。そして生体情報取得部4は、利用者が指紋センサのセンサ面に指を載置している間に、その指の表面を撮影することにより、指紋が表された生体画像を生成する。
なお、生体情報取得部4は、スライド式の指紋センサを有してもよい。この場合、生体情報取得部4は、指紋センサに対して指をスライドさせている間に、所定の時間間隔で順次部分画像を生成する。部分画像には、その指の表面の指紋の一部が写されており、複数の部分画像を生成された時間順に連結することで、その指の指紋全体が写った生体画像が合成される。
生体情報取得部4は、生体画像を生成する度に、その生体画像を処理部7へ渡す。
記憶部5は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、または光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。そして記憶部5は、生体認証装置1で使用されるアプリケーションプログラム、少なくとも一人の登録利用者のユーザ名、ユーザ識別番号及び個人設定情報、各種のデータ等を記憶する。また記憶部5は、生体認証処理を実行するためのプログラムを記憶する。さらに記憶部5は、登録利用者それぞれについて、登録利用者の登録生体情報である特定の指の指紋に関するデータを、その登録利用者のユーザ名、パスワードといった登録利用者の識別情報とともに記憶する。この登録生体情報に関するデータは、例えば、登録生体画像から抽出された隆線の端点または分岐点などの特徴点の位置及び種類を含む。あるいは、登録生体情報に関するデータは、登録生体画像そのものまたは登録生体画像の一部であってもよい。
処理部7は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。そして処理部7は、生体情報取得部4から取得した利用者の特定の指の指紋が表された生体画像を用いて生体認証処理を実行する。
図3は、処理部7の機能ブロック図である。図3に示されるように、処理部7は、分割部11と、複雑度推定部12と、グループ化部13と、特徴点抽出部14と、照合部15と、認証判定部16とを有する。処理部7が有するこれらの各部は、処理部7が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部7が有するこれらの各部は、ファームウェアとして生体認証装置1に実装されてもよい。
分割部11は、生体情報取得部4から受け取った生体画像を複数のブロックに分割する。本実施形態では、各ブロックは矩形形状を有し、かつ、各ブロックの縦方向及び横方向のサイズが平均的な隆線の幅の2倍〜10倍となるように、分割部11は、生体画像を格子状に、水平方向にM個、垂直方向にN個に分割する(ただし、M,Nは、2以上の整数)。そして分割部11は、各ブロックの位置を表す情報、例えば、ブロック間の境界線の座標または各ブロックの左上端及び右下端の座標を複雑度推定部12に通知する。
複雑度推定部12は、ブロックごとに、そのブロックに写っている生体情報の一部分の形状の複雑さを表す複雑度を推定する。
本実施形態では、生体認証に利用される生体情報は指紋である。指紋では、一般に、指紋の渦中心に近いほど、隆線の曲率半径は小さくなるので、指紋の渦中心に近いブロックほど、隣接するブロックの隆線方向に対する隆線方向の変化度合いが大きくなる。一方、指紋の渦中心、あるいは三角州のような特異点から離れたブロックでは、隣接するブロックの隆線方向に対する隆線方向の変化度合いは小さい。このような隆線方向の特性は、指紋の形状の複雑さを表している。
そこで、複雑度推定部12は、ブロックごとに隆線の方向を求め、隣接するブロック間での隆線方向の変化に基づいて、ブロックごとに形状の複雑度を推定する。
複雑度推定部12は、ブロックごとに隆線方向を求める。そのために、複雑度推定部12は、例えば、ブロック内の各画素について、sobelフィルタまたはprewittフィルタといったエッジ検出フィルタを用いて水平方向のエッジ強度∂x(u,v)及び垂直方向のエッジ強度∂y(u,v)を求める。なお、u、vは、それぞれ、ブロック内の画素の水平方向の座標及び垂直方向の座標を表す。
そして複雑度推定部12は、各ブロックの隆線方向を次式に従って算出する。
Figure 2013210902
ただし、i(i=1,2,...,M)、j(j=1,2,...,N)は、それぞれ、生体画像の左端からのブロック数及び生体画像の上端からのブロック数を表す。またbは、各ブロックの水平方向サイズ及び垂直方向サイズ(画素単位)を表す。そしてθ(i,j)は、左端から水平方向にi番目であり、上端から垂直方向j番目のブロック(以下、便宜上、ブロック(i,j)と表記する)の隆線方向を表す。
また複雑度推定部12は、隆線方向を求める他の様々な方法の何れかを用いてブロックごとの隆線方向を求めてもよい。例えば、複雑度推定部12は、ブロックごとに、周波数変換して様々な方向の周波数成分を調べ、隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向を求める。隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向は、隆線に直交する方向であると推定されるので、複雑度推定部12は、隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向に直交する方向を、隆線の方向としてもよい。
各ブロックの隆線方向が求められると、複雑度推定部12は、ブロックごとに、隣接するブロックの隆線方向に対するそのブロックの隆線方向の差の絶対値に基づいてそのブロックの複雑度を求める。例えば、複雑度推定部12は、注目するブロックの複雑度を、その注目ブロックの隆線方向θ(i,j)と、注目ブロックの上下左右に隣接する4個のブロックの隆線方向θ(i+k,j+l) (k,l=-1,0,1)とのそれぞれの差の絶対値のうちの最大値または平均値とする。この場合、注目するブロックの隆線方向とその周囲のブロックの隆線方向の差が大きいほど、複雑度も高くなる。
なお、複雑度推定部12は、ブロックに含まれる隆線の曲率をそのブロックの複雑度としてもよい。この場合、曲率が高いほど、例えば、渦の中心のような、個人ごとの差異が大きい複雑な形状を持つ部分がそのブロックに含まれるので、複雑度も高くなる。
複雑度推定部12は、隆線の曲率を複雑度とする場合、例えば、着目するブロック内の画素値を2値化して、隆線を表す画素と谷線を表す画素とを区別する。2値化のための閾値は、例えば、着目するブロック内の画素値の平均値とすることができる。次に複雑度推定部12は、2値化された着目ブロックについて、隆線に相当する画素値を持つ画素に対して細線化処理を行うことにより、隆線を表す画素が連結した線を、例えば1画素幅を持つ線に細線化する。
そして複雑度推定部12は、着目するブロック内で隆線を表す画素が連続する線の接線方向の平均値をその着目するブロック内の隆線方向とする。複雑度推定部12は、着目するブロックの隆線方向に沿って着目するブロックの両側に隣接する二つのブロックの隆線方向と、着目するブロックの隆線方向の差から、着目するブロックにおける隆線の曲率を求める。
あるいは、複雑度推定部12は、着目するブロック内の細線化された各隆線を円弧とみなし、その細線化された隆線ごとに、その隆線上の3点の座標から円弧の曲率を求める。そして複雑度推定部12は、着目するブロック内の各隆線の曲率の平均値を、その着目するブロックの隆線の曲率とする。なお、複雑度推定部12は、各隆線の長さに応じて、曲率を加重平均してもよい。あるいは複雑度推定部12は、着目するブロック内で最も長い隆線について求めた曲率を、その着目するブロックの隆線の曲率としてもよい。
また、複雑度推定部12は、ブロックごとに、ブロック内に含まれる特徴点の数をカウントし、その特徴点の数を複雑度としてもよい。この場合、特徴点としては、例えば、隆線の端点及び分岐点が抽出される。特徴点の数が多いブロックほど、そのブロックの複雑度も高くなる。
そのために、複雑度推定部12は、例えば、隆線の曲率を求めるときと同様に、隆線が細線化された2値化画像を生成する。そして複雑度推定部12は、隆線の分岐点または端点に対応する2値パターンを持つ複数のテンプレートを用いて細線化された生体画像を走査することにより、何れかのテンプレートと一致するときの、生体画像上の位置を検出する。そして複雑度推定部12は、検出された位置の中心画素を特徴点とし、その特徴点の種類を、その一致したテンプレートに対応する特徴点の種類(この例では、分岐点または端点)とする。
なお、複雑度推定部12は、隆線の端点または分岐点を検出する公知の他の方法を用いて、生体画像から特徴点を抽出してもよい。
複雑度推定部12は、各ブロックの代表画素(例えば、左上端の画素または中心の画素)の座標とともに、そのブロックの複雑度をグループ化部13へ渡す。
グループ化部13は、領域設定部の一例であり、同程度の複雑度を持ち、かつ互いに隣接するブロック同士を一つのグループにまとめることで、各ブロックをグループ化する。これにより、グループ化部13は、入力生体画像を、入力生体画像に写っている生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割した複数の領域を設定する。例えば、グループ化部13は、隣接する二つのブロック間の推定された複雑度の差の絶対値が所定の閾値Th未満となる場合、その二つのブロックに写っている生体情報の形状の複雑度が同じとみなせると判断し、その二つのブロックを同一のグループにまとめる。閾値Thは、例えば、以下の手順で予め設定され、記憶部5に記憶される。まず、生体画像の複数のサンプルのそれぞれについて、形状の複雑度が同程度とみなせる指紋の一部が写っているブロック同士が、例えば、視認により一つのグループにまとめられる。そして、同じグループに属する複数のブロックの複雑度の標準偏差が算出される。閾値Thは、その標準偏差に所定のオフセットを加えた値として設定される。例えば、複雑度が隣接するブロック間の隆線方向の角度差の絶対値の平均値である場合、閾値Thは、例えば、15°に設定される。
なお、グループ化部13は、注目ブロックの複雑度と、隣接するブロックが含まれるグループ内の複雑度の平均値との差の絶対値が閾値Th以上なら、注目ブロックとその隣接ブロック間の複雑度の差によらず、注目ブロックをそのグループに含めなくてもよい。これにより、グループ化部13は、局所的な複雑度の変化が緩やかな指紋であっても、同じグループ内に複雑度が大きく異なる複数のブロックが含まれることを防止できる。
図4は、図1(b)に示された生体画像に対して設定される、複雑度に応じたグループの一例を示す図である。この例では、生体画像400は、垂直方向に沿って3個のグループ401〜403に分割される。このうち、指の先端側のグループ401及び指の根元側のグループ403では、隆線の方向の変化が緩やかであるため、グループに含まれる個々のブロックの複雑度は相対的に低い。一方、中央部分のグループ402には、指紋中心が含まれ、その結果として隆線の方向が急激に変化しているので、グループ402に含まれる個々のブロックの複雑度は相対的に高い。
またグループ化部13は、グループごとに、そのグループに含まれる各ブロックの複雑度の平均値、中央値または最頻値を、そのグループに写っている生体情報の一部分の形状の複雑さを表すグループ複雑度として算出する。
グループ化部13は、ブロックごとに、そのブロックの代表画素の座標とともに、そのブロックが属するグループの識別番号を記憶部5に記憶させる。またグループ化部13は、各グループのグループ複雑度を、そのグループの識別番号とともに記憶部5に記憶させる。
特徴点抽出部14は、入力生体画像から生体情報の特徴を表す特徴点を抽出する。
本実施形態では、特徴点抽出部14は、特徴点として、例えば、指紋の隆線の分岐点及び端点(マニューシャとも呼ばれる)を抽出する。この場合、複雑度を特徴点の数で表す場合と同様の手順により、特徴点抽出部14は、特徴点を抽出できる。
特徴点抽出部14は、特徴点の総数及び各特徴点の入力生体画像上の位置及び種類を照合部15へ渡す。
照合部15は、入力生体画像に表された生体情報と、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報により特定される登録利用者の登録生体画像に表された登録生体情報との類似度を算出する。その際、照合部15は、グループ複雑度が高いグループほど大きい重み係数を用いて、グループごとに、そのグループに写っている入力生体情報の一部分と登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで類似度を算出する。
照合部15は、例えば、マニューシャマッチングにより類似値を算出する。この場合、照合部15は、例えば、入力生体画像から抽出された特徴点(以下、便宜上入力特徴点と呼ぶ)の何れかを、登録生体画像から抽出された特徴点(以下、便宜上登録特徴点と呼ぶ)の何れかに位置合わせする。そして照合部15は、他の入力特徴点のうち、登録特徴点の何れかと一致する入力特徴点を求める。なお、照合部15は、二つの特徴点間の距離が、例えば、隆線間隔以下であれば、その二つの特徴点は一致すると判定する。また照合部15は、二つの特徴点の種類が一致する場合に限り、その二つの特徴点が一致すると判定してもよい。
そして照合部15は、類似度を算出する際、登録特徴点の何れかと一致する入力特徴点について、その入力特徴点が含まれるグループのグループ複雑度に応じて重み付けを行う。この場合、照合部15は、例えば、次式に従って照合スコアSを算出する。
Figure 2013210902
Nmは、入力特徴点の総数を表す。またCompareMinutiae(k)は、入力特徴点のうちのk(=1,2,...,Nm)番目の入力特徴点についての登録特徴点との一致度を表す。k番目の入力特徴点が何れかの登録特徴点と一致する場合、CompareMinutiae(k)=1であり、一方、k番目の入力特徴点が何れの登録特徴点とも一致しない場合、CompareMinutiae(k)=0である。また、k番目の入力特徴点が何れかの登録特徴点と一致するものの、それら二つの特徴点の種類が異なればCompareMinutiae(k)=0.5としてもよい。wkは、k番目の入力特徴点について設定される重み係数である。この重み係数は、入力特徴点が含まれるグループの複雑度に応じて設定される。
図5は、グループ複雑度と重み係数との関係を示す重みテーブルの一例を示す図である。重みテーブル500の左側の列の各欄には、グループ複雑度の範囲が示されている。また重みテーブル500の中央の列の各欄には、グループに含まれる特徴点の個数が示されている。そして重みテーブル500の右端の列の各欄には、その欄と同じ行に示されたグループ複雑度の範囲と特徴点の個数の範囲に対応する重み係数が示されている。例えば、グループ複雑度が30°〜45°の範囲内であり、特徴点数が10個以上であれば、重み係数は1.5であることが示されている。
なお、重みテーブルは、特徴点の個数にかかわりなく、グループ複雑度の範囲ごとに対応する重み係数を規定するものであってもよい。この場合にも、グループ複雑度が高いほど、重み係数は大きく設定される。
照合部15は、位置合わせをする入力特徴点と登録特徴点の組を変えつつ、(2)式に従って照合スコアSを算出し、算出された照合スコアSの最大値を類似度とする。
これにより、グループ複雑度が高いグループに含まれ、かつ、登録特徴点と一致する入力特徴点の数が多いほど、類似度が高くなる。
また、照合部15は、入力生体画像と登録生体画像間のパターンマッチングにより、類似度を求めてもよい。この場合には、照合部15は、入力生体画像上の各グループごとに正規化相互相関値を算出する。そして照合部15は、グループごとに、そのグループについて算出された正規化相互相関値にそのグループについて設定された重み係数及びグループに属するブロック数を乗じた値を、入力生体画像の総ブロック数で割ることにより照合スコアSを算出する。この場合も、重み係数は、グループ複雑度が高いほど重くなるように設定される。そして照合部15は、入力生体画像の位置を登録生体画像に対して相対的に変えつつ、照合スコアSを算出し、算出された照合スコアSの最大値を類似度とする。なおこの場合には、特徴点抽出部14は省略されてもよい。
照合部15は、類似度を、登録利用者の識別情報とともに、認証判定部16へ渡す。
なお、利用者の識別情報が入力されていない場合、照合部15は、各登録利用者について、それぞれ指紋の類似度を求める。そして照合部15は、指紋の類似度が最大となる登録利用者を選択する。
そして照合部15は、類似度の最大値及びその最大値に対応する登録利用者の識別情報を認証判定部16へ渡す。
認証判定部16は、類似度を認証判定閾値と比較することで、利用者を登録利用者として認証するか否かを判定する。例えば、認証判定部16は、類似度が認証判定値以上となる場合、生体画像に写った利用者の指紋と登録利用者の指紋は一致すると判定する。そして認証判定部16は、利用者を、その登録利用者として認証する。認証判定部16は、利用者を認証すると、その認証結果を処理部7へ通知する。そして処理部7は、認証された利用者が生体認証装置1が実装された装置あるいは生体認証装置1が接続された装置を利用することを許可する。
一方、類似度が認証判定閾値未満となる場合、認証判定部16は、利用者を認証せず、利用者を認証しないことを処理部7へ通知する。この場合、処理部7は、認証されなかった利用者が生体認証装置1が実装された装置あるいは生体認証装置1が接続された装置を使用することを拒否する。また処理部7は、表示部2に、認証に失敗したことを示すメッセージを表示させてもよい。
認証判定閾値は、登録利用者本人が利用者である場合にのみ、認証判定部16が認証に成功するような値に設定されることが好ましい。そして認証判定閾値は、登録利用者とは異なる他人が利用者である場合には、認証判定部16が認証に失敗するような値に設定されることが好ましい。例えば、認証判定閾値は、類似度の取りうる最大値と最小値の差に0.7を乗じた値を、類似度の最小値に加えた値とすることができる。
図6は、処理部7により実行される生体認証処理の動作フローチャートである。
処理部7が生体情報取得部4から利用者の生体情報が表された入力生体画像を受け取ると、処理部7の分割部11は、その入力生体画像を複数のブロックに分割する(ステップS101)。そして処理部7の複雑度推定部12は、ブロックごとに生体情報の形状の複雑度を算出する(ステップS102)。
その後、処理部7のグループ化部13は、互いに隣接し、同程度の複雑度を持つブロックを一つのグループにまとめるように、各ブロックをグループ化する(ステップS103)。そしてグループ化部13は、グループごとに、グループ複雑度を算出する(ステップS104)。
また処理部7の特徴点抽出部14は、入力生体画像上の指紋の特徴を表す特徴点を抽出する(ステップS105)。そして処理部7は、各特徴点の座標を処理部7の照合部15へ通知する。さらに処理部7は、入力部3を介して利用者の識別情報を取得している場合、その識別情報と一致する識別情報と関連付けられた登録利用者の登録生体情報に関するデータを記憶部5から読み出して、そのデータを照合部15に渡す。一方、利用者の識別情報が入力されていない場合、処理部7は、全ての登録利用者の登録生体情報に関するデータを記憶部5から読み出して、各データ及び対応する登録利用者の識別情報を照合部15へ渡す。
照合部15は、グループ複雑度が高いグループほど大きい重み係数を用いてグループごとにそのグループに写っている利用者の生体情報の一部と登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付ける。これにより、照合部15は、利用者の生体情報と登録生体情報との類似度を算出する(ステップS106)。そして照合部15は、類似度とともに、登録利用者の識別情報を処理部7の認証判定部16へ渡す。なお、利用者の識別番号が得られていない場合には、照合部15は、各登録利用者について求めた類似度のうちの最大値を求める。そして照合部15は、その最大値とともに、その最大値に対応する登録利用者の識別情報を認証判定部16へ渡す。
認証判定部16は、類似度が認証判定用閾値以上となるか否か判定する(ステップS107)。
類似度が認証判定用閾値以上である場合(ステップS107−Yes)、認証判定部16は、利用者を登録利用者として認証する(ステップS108)。
一方、類似度が認証判定用閾値未満である場合(ステップS107−No)、認証判定部16は利用者を認証しない(ステップS109)。
ステップS108またはS109の後、処理部7は、生体認証処理を終了する。なお、処理部7は、ステップS102〜S104とステップS105の実行順序を入れ替えてもよい。
以上に説明してきたように、この実施形態による生体認証装置は、照合の際に、生体情報の形状が複雑な部分ほど重みを大きくして類似度を算出する。そのため、生体情報のうち、個人差が小さい、形状が簡単な部分のみが生体画像に写っている場合には、類似度も低い値となる。そのため、この生体認証装置は、登録利用者と異なる利用者がその登録利用者として誤認証される危険性を低減できる。またこの生体認証装置では、生体画像上に生体情報の一部しか写っていなくても、その一部に個人差の大きい、形状が複雑な部分が含まれていれば、利用者が登録利用者本人である場合の類似度は高くなる。そのため、この生体認証装置は、生体画像上に生体情報の一部しか写っていなくても、登録利用者本人が利用者である場合に認証に失敗する危険性を低下させることができる。
次に、生体認証装置の第2の実施形態による、生体認証装置について説明する。第2の実施形態による生体認証装置では、登録生体情報に関するデータも、登録生体画像上に設定されたブロックの座標及びブロックごとの複雑度を含む。そして照合部は、入力生体画像に設定されたブロックを、そのブロックが属するグループのグループ複雑度に近い複雑度を持つ登録生体画像上のブロックと優先的に位置合わせすることで、照合時の演算量の削減を図る。
第2の実施形態による生体認証装置は、第1の実施形態による生体認証装置と比較して、記憶部5に記憶される登録生体情報に関するデータと照合部の処理の内容のみが異なる。そこで以下では、登録生体情報に関するデータ及び照合部について説明する。第2の実施形態による生体認証装置のその他の構成要素の詳細については、第1の実施形態による生体認証装置の対応する構成要素についての説明を参照されたい。
図7は、記憶部5に記憶される登録生体情報に関するデータを表すデータテーブルの一例を示す図である。データテーブル700の左端の列には、登録利用者の識別番号が示されている。またデータテーブル700の左から2番目及び3番目の列の各欄には、それぞれ、各ブロックの左上端位置の座標及びそのブロック内に含まれる特徴点の種類及び座標が示されている。さらに、データテーブル700の右端の列の各欄には、その欄と同じ行に示されたブロックについての複雑度が示されている。
照合部15は、マニューシャマッチングにより類似度を算出する場合、グループ化部13から各グループの位置及びグループ複雑度を受け取ると、特徴点を含み、かつ、最もグループ複雑度が高いグループを選択する。そして照合部15は、照合対象となる登録利用者の登録生体情報に関するデータを参照して、その登録生体情報を表す登録生体画像に設定された複数のブロックの中から、選択したグループのグループ複雑度に最も近い複雑度を持つブロックを選択する。そして照合部15は、選択したブロックに含まれる登録特徴点と、選択したグループに含まれる入力特徴点とを位置合わせして、照合スコアSを算出する。同様に、照合部15は、選択したグループのグループ複雑度に対して次に近い複雑度を持つブロックを選択し、選択したグループと選択したブロック間で特徴点間の位置合わせを行って類似度の算出を繰り返す。そして照合部15は、選択したグループの複雑度との複雑度の差の絶対値が所定値未満となる未選択のブロックがなくなった時点で、それまでに算出された照合スコアSのうちの最大値を類似度とする。これにより、照合部15は、入力特徴点と登録特徴点の組み合わせの全てを調べることなく、類似度を算出できるので、照合処理の演算量を削減できる。なお、所定値は、例えば、ブロックをグループ化する際に用いられる閾値Thと同じとすることができる。
また変形例によれば、照合部は、入力特徴点が属するグループのグループ複雑度と登録特徴点が属するブロックの複雑度との差の絶対値が所定値未満である場合に限り、入力特徴点と登録特徴点とが一致すると判定してもよい。これにより、照合部は、本来異なっている二つの特徴点が誤って一致していると判断されることを抑制できる。
また、照合部15は、パターンマッチングにより類似度を算出する場合、最もグループ複雑度が高いグループを選択する。そして照合部15は、照合対象となる登録利用者の登録生体情報に関するデータを参照して、その登録生体情報を表す登録生体画像に設定された複数のブロックの中から、選択したグループのグループ複雑度に最も近い複雑度を持つブロックを選択する。そして照合部15は、選択したブロックと、選択したグループの少なくとも一部とが重なる範囲に限定して登録生体画像と入力生体画像の位置を相対的に変えつつ照合スコアSを算出する。同様に、照合部15は、選択したグループのグループ複雑度に対して次に近い複雑度を持つブロックを選択し、選択したグループと選択したブロック間で位置合わせを行って類似度の算出を繰り返す。そして、照合部15は、選択したグループの複雑度との複雑度の差の絶対値が所定値未満となるブロックがなくなった時点で、それまでに算出された照合スコアSのうちの最大値を類似度とする。この場合も、照合部15は、照合スコアSの算出回数を削減できるので、類似度の算出に要する演算量を削減できる。
なお、変形例によれば、照合部15は、最も複雑度が高いグループを選択する代わりに、含まれる特徴点の数が最も多いグループ、あるいは、指紋が写っている領域の中心を含むグループを選択してもよい。
次に、第3の実施形態による生体認証装置について説明する。第3の実施形態による生体認証装置は、入力生体画像に写った指紋の一部に不鮮明な部分が含まれるために、複雑度を算出できないブロックが存在しても、周囲のブロックの複雑度で複雑度が算出できなかったブロックの複雑度を補間する。
第3の実施形態による生体認証装置は、第1の実施形態による生体認証装置と比較して、処理部により実現される機能のみが異なる。
そこで以下では、第3の実施形態による生体認証装置が有する処理部の各構成要素のうち、第1の実施形態による生体認証装置の処理部の構成要素と相違する点について説明する。第3の実施形態による生体認証装置のその他の構成要素の詳細については、第1の実施形態による生体認証装置の対応する構成要素についての説明を参照されたい。
図8は、第3の実施形態による生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。図8に示されるように、処理部71は、分割部11と、複雑度推定部12と、グループ化部13と、特徴点抽出部14と、照合部15と、認証判定部16と、補間部17とを有する。処理部71が有するこれらの各部は、処理部71が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部71が有するこれらの各部は、ファームウェアとして生体認証装置1に実装されてもよい。
なお、図8において、各構成要素には、図3に示された第1の実施形態による処理部の対応する構成要素の参照番号と同一の参照番号を付した。第3の実施形態による生体認証装置の処理部71は、補間部17を有する点で、第1の実施形態による生体認証装置の処理部7と異なる。そこで以下では、補間部17及びその関連部分について説明する。
複雑度推定部12は、ブロックごとに、複雑度を正確に計算できないほど不鮮明か否か判定する。そして複雑度推定部12は、不鮮明と判定したブロックについては、複雑度を算出せず、不鮮明であることを表すフラグを付す。
本実施形態では、生体情報は指紋である。そのため、例えば、指を過度にセンサに押圧したり、指の皮膚の表面がかすれていたり、あるいは、指の表面に汗などが付着していると、指の表面の凹凸が減少するので、指紋が写っている領域が不鮮明となり得る。あるいは、指の表面に傷があると、その傷によって隆線が途切れてしまい、指紋の一部が不鮮明となる。すなわち、このような不鮮明な領域では、隆線に相当する画素の画素値と谷線に相当する画素の画素値との差が小さくなる。
そこで、複雑度推定部12は、ブロックごとに、ブロック内の画素値の統計量に基づいて、そのブロックが不鮮明か否か判定する。統計量として、ブロック内の平均画素値、分散、最大画素値と最小画素値の差などが算出される。例えば、複雑度推定部12は、着目するブロック内の画素値の分散が、画素値が狭い範囲に分布していることを示す低分散閾値未満である場合、着目するブロックは不鮮明領域であると判定してもよい。
また複雑度推定部12は、着目するブロック内の平均画素値が明るい方に偏っていることを示す明閾値よりも高く、かつ、分散が低分散閾値未満である場合に、着目するブロックは不鮮明であると判定してもよい。さらに、複雑度推定部12は、着目するブロック内の平均画素値が暗い方に偏っていることを示す暗閾値未満であり、かつ、分散が低分散閾値未満である場合に、着目するブロックは不鮮明であると判定してもよい。
複雑度推定部12は、不鮮明でないブロックについて、第1の実施形態と同様に複雑度を算出する。そして複雑度推定部12は、複雑度が算出された各ブロックについて、そのブロックの代表画素の座標とともに、そのブロックの複雑度をグループ化部13へ渡す。また複雑度推定部12は、不鮮明と判断されたブロックの代表画素の座標及び不鮮明であることを表すフラグを補間部17へ渡す。
補間部17は、不鮮明と判断されたブロックを、その周囲のブロックが属するブロックに基づいて何れかのグループに含める。例えば、補間部17は、不鮮明と判断されたブロックに隣接する複数のブロックのうち、最も多数のブロックが属するグループを特定する。そして補間部17は、その特定されたグループに不鮮明と判断されたブロックを含める。
図9は、不鮮明なブロックを含む、入力生体画像の一部に設定されたブロック及びグループの一例を示す図である。図9において、ブロック901が不鮮明であり、複雑度が算出されていないとする。一方、ブロック901に隣接する8個のブロックのうち、上側に隣接する3個のブロックは、グループ910に属している。一方、その他の5個のブロックは、グループ920に属している。そのため、ブロック901に隣接する複数のブロックのうち、グループ920に属しているブロックの数が最も多い。そこで補間部17は、ブロック901をグループ920に含める。
補間部17は、不鮮明と判断されたブロックについて、そのブロックの代表画素の座標とともに、そのブロックが属するグループの識別番号を記憶部5に記憶させる。
照合部15は、照合スコアを算出する際、不鮮明と判断されたブロックに含まれる特徴点についても、そのブロックが属するグループについての重み係数を利用する。そのため、この実施形態によれば、生体認証装置は、照合スコアを算出する際に、複雑度を算出できないほど不鮮明なブロックについても適切な重み係数を用いることができる。
次に、第4の実施形態による生体認証装置について説明する。第4の実施形態による生体認証装置は、生体情報の形状の複雑度ごとのブロックの分布を調べ、複雑度が高いブロックの数が少ないほど、複雑度が高いブロックを含むグループについて設定される重み係数を大きくする。
第4の実施形態による生体認証装置は、第1の実施形態による生体認証装置と比較して、処理部により実現される機能のみが異なる。
そこで以下では、第4の実施形態による生体認証装置が有する処理部の各構成要素のうち、第1の実施形態による生体認証装置の処理部の構成要素と相違する点について説明する。第4の実施形態による生体認証装置のその他の構成要素の詳細については、第1の実施形態による生体認証装置の対応する構成要素についての説明を参照されたい。
図10は、第4の実施形態による生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。図10に示されるように、処理部72は、分割部11と、複雑度推定部12と、グループ化部13と、特徴点抽出部14と、照合部15と、認証判定部16と、重み調整部18とを有する。処理部72が有するこれらの各部は、処理部72が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部72が有するこれらの各部は、ファームウェアとして生体認証装置1に実装されてもよい。
なお、図10において、各構成要素には、図3に示された第1の実施形態による処理部の対応する構成要素の参照番号と同一の参照番号を付した。第4の実施形態による生体認証装置の処理部72は、重み調整部18を有する点で、第1の実施形態による生体認証装置の処理部7と異なる。そこで以下では、重み調整部18及びその関連部分について説明する。
重み調整部18は、複雑度ごとに、その複雑度を持つブロックの度数を求める。そして重み調整部18は、所定の閾値よりも高い複雑度に対するブロックの度数の合計を求める。重み調整部18は、その度数の合計が基準値よりも少ない場合、その所定の閾値よりも高いグループ複雑度を持つグループに対する重み係数に補正係数αを乗じることで得られた補正重み係数を照合スコアの算出に利用する。なお、補正係数αは、1よりも大きい値、例えば、1.2〜2に設定される。
また所定の閾値は、例えば、生体情報の形状の個人差がある部分を含むと推定されるブロックの複雑度に相当する値に設定される。あるいは、その閾値は、指紋の渦中心あるいは三角州といった特異点が含まれるブロックの複雑度に相当する値に設定される。また基準値は、例えば、入力生体画像に設定されるブロックの総数に0.3を乗じた値に設定される。
さらに、基準値は、利用者ごとに、あるいは利用者にかかわらず、入力生体画像が取得される度に更新されてもよい。例えば、入力生体画像が取得される度に、重み調整部18は、所定の閾値よりも高い複雑度に対するブロックの度数の合計を記憶部5に記憶する。そして重み調整部18は、その合計の統計的代表値、例えば、平均値を求める。さらに重み調整部18は、その合計の標準偏差を求める。重み調整部18は、例えば、その合計の平均値を基準値に設定する。あるいは、重み調整部18は、その合計の平均値に標準偏差を加えた値を基準値に設定してもよい。
さらに、重み調整部18は、所定の閾値よりも高い複雑度に対するブロックの度数の合計が少ないほど、補正係数αを大きくしてもよい。例えば、重み調整部18は、入力生体画像に設定されるブロックの総数に対するその度数の合計の割合が0.05ずつ小さくなる度に、補正係数αに0.2を加算してもよい。
図11は、第4の実施形態による生体認証処理に含まれる、重み調整処理の動作フローチャートである。図11に示される各ステップは、図6に示された第1の実施形態による生体認証処理の動作フローチャートにおける、ステップS102の後からステップS106の前の何れかの段階で実行されればよい。
重み調整部18は、各グループごとに算出された複雑度に基づいて、複雑度ごとに、その複雑度を持つグループの度数を求める(ステップS201)。そして重み調整部18は、所定の閾値以上の複雑度を持つグループの度数の合計を求める(ステップS202)。
重み調整部18は、その度数の合計が基準値未満か否か判定する(ステップS203)。その度数の合計が基準値未満であれば(ステップS203−Yes)、その閾値以上のグループ複雑度を持つグループに対する重み係数を重くする(ステップS204)。
一方、その度数の合計が基準値以上であれば(ステップS203−No)、重み調整部18は、重み係数を調整しない。
ステップS204の後、またはステップS203にてその度数の合計が基準値以上である場合、重み調整部18は、過去に取得された複数の入力生体画像のそれぞれから算出されるその度数の合計の統計的代表値に基づいて基準値を更新する(ステップS205)。そして重み調整部18は、更新された基準値を記憶部5に記憶する。
この第4の実施形態によれば、生体認証装置は、個人ごとの差異が大きい、複雑度が高いブロックの割合が少ない場合には、複雑度が高いブロックが属するグループの重み係数を大きくすることで、そのグループが照合スコアに寄与する程度を高めることができる。そのため、この生体認証装置は、利用者の生体情報のうちの入力生体画像に写っている部分に含まれる個人差の大きい部分が少なくても、認証精度の低下を抑制できる。
次に、第5の実施形態による生体認証装置について説明する。第5の実施形態による生体認証装置は、生体情報に含まれる特異点に基づいて、形状が複雑となる領域を推定し、その形状が複雑と推定された領域について設定される重み係数を大きくする。
第5の実施形態による生体認証装置は、第1の実施形態による生体認証装置と比較して、処理部により実現される機能のみが異なる。
そこで以下では、第5の実施形態による生体認証装置が有する処理部の各構成要素のうち、第1の実施形態による生体認証装置の処理部の構成要素と相違する点について説明する。第5の実施形態による生体認証装置のその他の構成要素の詳細については、第1の実施形態による生体認証装置の対応する構成要素についての説明を参照されたい。
図12は、第5の実施形態による生体認証装置が有する処理部の機能ブロック図である。図12に示されるように、処理部73は、分割部11と、特徴点抽出部14と、照合部15と、認証判定部16と、特異点検出部19と、タイプ判定部20と、領域設定部21とを有する。処理部73が有するこれらの各部は、処理部73が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部73が有するこれらの各部は、ファームウェアとして生体認証装置1に実装されてもよい。
なお、図12において、各構成要素には、図3に示された第1の実施形態による処理部の対応する構成要素の参照番号と同一の参照番号を付した。第5の実施形態による生体認証装置の処理部73は、複雑度推定部12及びグループ化部13の代わりに、特異点検出部19、タイプ判定部20及び領域設定部21を有する点で、第1の実施形態による生体認証装置の処理部7と異なる。そこで以下では、特異点検出部19、タイプ判定部20及び領域設定部21及びその関連部分について説明する。
本実施形態では、生体認証に利用される生体情報は指紋である。指紋は、渦中心あるいは三角州といった特異点によって複数のタイプの何れかに分類される。
図13(a)〜(c)は、それぞれ、代表的な指紋のタイプを表す指紋の模式図である。各図において、隆線が上側に凸となる渦中心1301は、上側に凸な円弧として表される。また渦中心を形成する隆線の方向は、矢印1302により表される。そして三角州1303は、三角形で表される。
図13(a)に示される指紋1300は、いわゆる右ループ型の指紋である。この指紋1300は、渦中心1301と、一つの三角州1303を含む。また右ループ型の指紋1300では、三角州1303は、渦中心1301よりも右側に存在し、また、渦中心1301を形成する隆線の方向1302が、渦中心1301から渦中心1301よりも左下方へ向いている。
一方、図13(b)に示される指紋1310は、いわゆる左ループ型の指紋である。この指紋1310は、右ループ型の指紋1300と鏡面対称な構造を有している。
また、図13(c)に示される指紋1320は、いわゆるように、弓状紋型の指紋である。指紋1320は、渦中心1301を有するが、それ以外の特異点を有さない。
特異点検出部19は、入力生体画像に表された利用者の生体情報を複数のタイプのうちの何れに分類するかを決定するために利用される特異点を検出する。特異点検出部19は、例えば、隆線の分岐点または端点を検知するのと同様に、特異点に対応するテンプレートと入力生体画像とのテンプレートマッチングを行うことにより特異点を検出できる。なお、テンプレートは、特異点の種類ごとに準備される。あるいは特異点検出部19は、上記の実施形態における複雑度推定部12のように、ブロックごとに隆線の曲率半径を求め、その曲率半径が最小となる小領域の重心に渦中心が位置すると判定してもよい。
そして特異点検出部19は、検出された特異点の種類及び位置をタイプ判定部20へ通知する。
タイプ判定部20は、検出された特異点の種類及び位置に基づいて、入力生体画像に写った利用者の指紋のタイプを判定する。例えば、タイプ判定部20は、検出された特異点が渦中心だけである場合、利用者の指紋は弓状紋型であると判定する。またタイプ判定部20は、三角州が一つと渦中心が検出され、三角州が渦中心よりも右側に位置する場合、利用者の指紋は右ループ型であると判定する。そしてタイプ判定部20は、三角州が一つと渦中心が検出され、三角州が渦中心よりも左側に位置する場合、利用者の指紋は左ループ型であると判定する。
タイプ判定部20は、判定したタイプを領域設定部21へ通知する。
指紋のタイプに応じて、指紋の形状が複雑で、かつ個人差が大きい領域は異なる。一方、指紋のタイプが同じであれば、指紋の形状が複雑で、かつ個人差が大きい領域は、個人によらず、ほぼ同じ位置となる。
そこで領域設定部21は、入力生体情報に写った指紋のタイプに応じて、入力生体画像を、指紋の形状の複雑度が異なる部分ごとに分割して入力生体画像に複数の領域を設定し、各領域ごとに重み係数を設定する。
図14は、指紋のタイプと、設定される領域及び重み係数の関係を規定する領域テーブルの一例を示す図である。領域テーブル1400の左端の列の各欄には、指紋のタイプが示されている。また領域テーブル1400の左から2番目の列の各欄には、領域の概要が示されており、その右隣の列の各欄には、その領域の範囲をブロック単位で示す位置情報が示されている。そして領域テーブル1400の右端の列の各欄には、その欄と同じ列に示された指紋タイプ及び領域に対して設定される重み係数が示されている。なお、領域の範囲の基準となっている指紋中心は、渦中心に設定されてもよく、あるいは、入力生体画像上で指紋が写っている領域の中心であってもよい。
照合部15は、位置合わせする入力特徴点と登録特徴点の組を変えつつ、領域設定部21により設定された領域ごとの重み係数を用いて(2)式に従って照合スコアを算出し、その照合スコアの最大値を利用者の指紋と登録利用者の指紋の類似度とする。あるいは、照合部15は、領域設定部21により設定された領域ごとに算出した正規化相互相関値にその領域に設定された重み係数及びその領域に属するブロック数を乗じた値を、入力生体画像の総ブロック数で割ることにより照合スコアを算出する。そして照合部15は、入力生体画像の位置を登録生体画像に対して相対的に変えつつ、照合スコアを算出し、算出された照合スコアの最大値を類似度とする。
図15は、第5の実施形態による生体認証処理の動作フローチャートである。
処理部73の特異点検出部19は、利用者の指紋が表された入力生体画像から特異点を検出する(ステップS301)。そして特異点検出部19は、検出された特異点の種類及び位置を処理部73のタイプ判定部20へ通知する。
タイプ判定部20は、特異点の種類及び位置に基づいて指紋のタイプを判定する(ステップS302)。そしてタイプ判定部20は、指紋のタイプを処理部73の領域設定部21へ通知する。領域設定部21は、例えば、指紋のタイプと設定される領域及び重み係数との関係を示す領域テーブルを参照することにより、指紋のタイプに応じて、互いに指紋の形状の複雑度が異なる部分が写っていると推定される複数の領域を設定する(ステップS303)。領域設定部21は、設定された各領域の範囲及びその領域に対応する重み係数を処理部73の照合部15へ通知する。
一方、処理部73の分割部11は、入力生体画像を複数のブロックに分割する(ステップS304)。そして分割部11は、各ブロックの範囲を照合部15へ通知する。
また、処理部73の特徴点抽出部14は、入力生体画像から特徴点を抽出する(ステップS305)。そして特徴点抽出部14は、抽出した各特徴点の位置及び種類を照合部15へ渡す。
照合部15は、写っている部分の複雑度が高いと推定される領域ほど大きい重み係数を用いて、領域ごとにその領域に写っている利用者の指紋の一部分と登録利用者の指紋の一部分との一致度合いに重み付ける。これにより、照合部15は、利用者の指紋と登録利用者の指紋との類似度を算出する(ステップS306)。
認証判定部16は、類似度が認証判定用閾値以上となるか否か判定する(ステップS307)。
類似度が認証判定用閾値以上である場合(ステップS307−Yes)、認証判定部16は、利用者を登録利用者として認証する(ステップS308)。
一方、類似度が認証判定用閾値未満である場合(ステップS307−No)、認証判定部16は利用者を認証しない(ステップS309)。
ステップS308またはS309の後、処理部73は、生体認証処理を終了する。なお、処理部73は、ステップS301〜S303とステップS304、ステップS305の実行順序を入れ替えてもよい。また、指紋のタイプごとに設定されるそれぞれの領域の範囲は画素単位で指定されてもよい。この場合には、ステップS304の処理、及び分割部11は省略されてもよい。
第5の実施形態によれば、生体認証装置は、ブロックごとの複雑度を計算しなくても、複雑度が高い領域を推定することができ、そして複雑度が高いと推定された領域について、照合スコアに対する寄与を大きくできる。そのため、この生体認証装置は、演算量を削減しつつ、認証精度を向上できる。
なお、上記の各実施形態の変形例によれば、分割部は、入力生体画像上で生体情報を含む部位が写っている生体領域のみを対象として複数のブロックを設定してもよい。この場合、分割部は、例えば、入力生体画像を、所定の閾値より高い輝度値を持つ、利用者の指が写った画素を検出する。そして分割部は、検出した画素に対してラベリング処理を実行することにより、生体画像上で指の一部または全部が写っている領域である生体領域を抽出する。なお、所定の閾値は、例えば、生体画像の各画素の輝度値のうちの最小値に、何も写っていない背景画素の輝度値の揺らぎ幅に相当するオフセット値を加えた値とすることができる。
また他の変形例によれば、処理部は、入力生体画像に対して平滑化などのノイズ除去処理あるいはエッジ強調などの処理を行って補正してもよい。そして処理部は、補正された入力生体画像に対して、上記の各部の処理を実行してもよい。
また、上記の各実施形態を様々に組み合わせることも可能である。例えば、第5の実施形態による生体認証装置と第2の実施形態による生体認証装置を組み合わせてもよい。この場合には、処理部の領域設定部は、指紋のタイプに応じて設定された複数の領域のそれぞれに、推定される複雑度を関連付ける。そして処理部の照合部は、複雑度が最も高いと推定される領域と、登録生体画像の各ブロックのうち、その最も高い複雑度との差が所定の範囲内の複雑度を持つブロックとを位置合わせして、利用者の生体情報と登録生体情報との類似度を算出すればよい。
さらに、本明細書に開示された生体認証装置及び生体認証方法は、利用者が何らかの操作を行うために、利用者の生体情報と、予め登録された生体情報間で生体認証処理を実行する、各種の装置またはシステムに適用可能である。
図16は、上記の各実施形態またはその変形例による生体認証装置が実装された、コンピュータシステムの一例の概略構成図である。
例えば、コンピュータシステム100は、少なくとも1台の端末110とサーバ120とを有する。そして端末110とサーバ120は、有線または無線の通信ネットワーク130を介して接続される。なお、図16において、コンピュータシステム100が有する構成要素のうち、図1に示した生体認証装置1が有する構成要素の何れかと対応する構成要素には、生体認証装置1が有する構成要素の参照番号と同じ参照番号を付した。
このシステムでは、端末110は、例えば、携帯電話機またはタブレット型端末といった携帯端末、あるいは、固定的に設置される端末であり、表示部2、入力部3及び生体情報取得部4を有する。さらに、端末110は、記憶部21と、画像取得制御部22と、インターフェース部23とを有する。
記憶部21は、例えば、半導体メモリ回路を有し、生体情報取得部4により生成された生体画像を一時的に記憶する。また画像取得制御部22は、一つまたは複数のプロセッサとその周辺回路とを有し、端末110の各部を制御し、かつ、端末110で動作する各種のプログラムを実行する。そして画像取得制御部22は、生体情報取得部4により生成された生体画像を、端末110を通信ネットワーク130と接続するためのインターフェース回路を有するインターフェース部23を介してサーバ120へ送信する。さらに画像取得制御部22は、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報もサーバ120へ送信してもよい。
サーバ120は、記憶部5と、処理部7と、サーバ120を通信ネットワーク130と接続するためのインターフェース回路を有するインターフェース部24とを有する。サーバ120の処理部7は、インターフェース部24を介して受信した生体画像を用いて、上記の各実施形態の何れかまたはその変形例による処理部が有する各機能を実現することにより、生体認証処理を実行する。そしてサーバ120は、認証に成功したか否かの判定結果をインターフェース部24を介して端末110へ返信する。
あるいは、端末110の画像取得制御部22が、上記の各実施形態による処理部の機能のうち、分割部、複雑度推定部、グループ化部、特徴点抽出部、補間部、重み調整部、特異点検出部、タイプ判定部及び領域設定部の処理を実行してもよい。この場合、端末110からサーバ120へ、利用者の生体画像から抽出された特徴点、各グループまたは領域の範囲及び重み係数と利用者の識別情報がサーバ120へ送信されてもよい。一方、サーバ120の処理部7は、上記の各実施形態による処理部の機能のうち、照合部及び認証判定部の処理のみを実行する。これにより、サーバ120の負荷が軽減されるので、同時に多数の生体認証処理が実行されても、コンピュータシステム100は、利用者に対する待ち時間を抑制できる。
また、上記の各実施形態による処理部の機能をコンピュータに実現させる命令を有するコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体あるいは不揮発性の半導体メモリといった、記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 生体認証装置
2 表示部
3 入力部
4 生体情報取得部
5 記憶部
6 記憶媒体アクセス装置
7、71〜73 処理部
8 記憶媒体
11 分割部
12 複雑度推定部
13 グループ化部
14 特徴点抽出部
15 照合部
16 認証判定部
17 補間部
18 重み調整部
19 特異点検出部
20 タイプ判定部
21 領域設定部
100 コンピュータシステム
110 端末
120 サーバ
130 通信ネットワーク
21 記憶部
22 画像取得制御部
23、24 インターフェース部

Claims (8)

  1. 利用者の生体情報が写った生体画像を生成する生体情報取得部と、
    登録利用者の生体情報である登録生体情報を表すデータを記憶する記憶部と、
    前記生体画像を、当該生体画像に写っている前記生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより前記生体画像上に複数の領域を設定する領域設定部と、
    前記複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、前記領域ごとに当該領域に写っている前記生体情報の一部分と前記登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで前記生体情報と前記登録生体情報とを照合する照合部と、
    を有する生体認証装置。
  2. 前記生体画像を複数のブロックに分割する分割部と、
    前記複数のブロックのそれぞれについて、当該ブロックに写っている前記生体情報の一部の形状の複雑度を推定する複雑度推定部とをさらに有し、
    前記領域設定部は、前記複数のブロックのうち、互いに隣接するブロックの組であって、該組のそれぞれのブロック間の前記推定された複雑度の差が前記生体情報の形状の複雑度が同じとみなせる範囲内となるブロックの組を同一の領域に含めることにより、前記複数の領域を設定する、請求項1に記載の生体認証装置。
  3. 前記生体情報は指紋であり、
    前記生体画像から、当該生体画像に写っている前記指紋の特異点の位置及び種類を検出する特異点検出部と、
    前記検出された特異点の位置及び種類に基づいて、前記指紋のタイプを判定するタイプ判定部とをさらに有し、
    前記領域設定部は、前記指紋のタイプに応じて形状の複雑度ごとに設定された複数の領域のそれぞれの範囲を表すテーブルを参照することにより、前記複数の領域を設定する、請求項1に記載の生体認証装置。
  4. 前記記憶部は、前記登録生体情報が写った登録生体画像に設定された複数の領域のそれぞれについて、当該領域の範囲及び当該領域に写っている前記登録生体情報の一部の形状の複雑度とをさらに記憶し、
    前記照合部は、前記生体画像上の前記複数の領域のうちの第1の領域と、前記登録生体画像に設定された前記複数の領域のうち、前記第1の領域の複雑度との差が予め設定された所定範囲内となる複雑度を持つ第2の領域とを位置合わせして前記類似度を算出する、請求項1〜3の何れか一項に記載の生体認証装置。
  5. 前記生体画像を複数のブロックに分割する分割部と、
    生体情報の形状の個人差がある部分を含むと推定される第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数を計数し、該ブロックの数が少ないほど、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つ領域についての前記重み係数を大きくする重み調整部とをさらに有する、請求項1に記載の生体認証装置。
  6. 前記重み調整部は、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数が所定の基準値よりも少ない場合に、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つ領域についての前記重み係数を、前記第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数が前記基準値以上となる場合における当該重み係数よりも大きくし、
    過去に取得された複数の前記生体画像のそれぞれについて算出された前記第1の複雑度以上の複雑度を持つブロックの数の統計的代表値を前記基準値とする、請求項5に記載の生体認証装置。
  7. 利用者の生体情報が写った生体画像を生成し、
    前記生体画像を、当該生体画像に写っている前記生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより前記生体画像上に複数の領域を設定し、
    前記複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、前記領域ごとに当該領域に写っている前記生体情報の一部分と登録利用者の生体情報である登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで前記生体情報と前記登録生体情報とを照合する、
    ことを含む生体認証方法。
  8. 利用者の生体情報が写った生体画像を、当該生体画像に写っている前記生体情報のうちの形状の複雑度が異なる部分ごとに分割することにより前記生体画像上に複数の領域を設定し、
    前記複数の領域のうち形状の複雑度が高い領域ほど大きい重み係数を用いて、前記領域ごとに当該領域に写っている前記生体情報の一部分と登録利用者の生体情報である登録生体情報の対応する部分との一致度合いに重み付けることで前記生体情報と前記登録生体情報とを照合する、
    ことをコンピュータに実行させるための生体認証用コンピュータプログラム。
JP2012081518A 2012-03-30 2012-03-30 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム Expired - Fee Related JP5915336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012081518A JP5915336B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012081518A JP5915336B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013210902A true JP2013210902A (ja) 2013-10-10
JP5915336B2 JP5915336B2 (ja) 2016-05-11

Family

ID=49528653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012081518A Expired - Fee Related JP5915336B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5915336B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106575355A (zh) * 2014-07-25 2017-04-19 高通股份有限公司 移动装置上的注册及验证
KR101821115B1 (ko) * 2016-06-28 2018-01-23 주식회사 슈프리마 지문 인증 방법 및 장치
CN107924432A (zh) * 2015-08-21 2018-04-17 三星电子株式会社 电子装置及其变换内容的方法
JP2018156563A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 Kddi株式会社 照合装置、照合システム、及び照合方法
CN109388926A (zh) * 2017-08-14 2019-02-26 三星电子株式会社 处理生物特征图像的方法和包括该方法的电子设备
CN113095399A (zh) * 2021-04-08 2021-07-09 山东省海洋资源与环境研究院(山东省海洋环境监测中心、山东省水产品质量检验中心) 一种自适应周年观测礁区生物活动规律的系统及方法
US12046029B2 (en) 2021-01-22 2024-07-23 Nec Corporation Information processing device, information processing method, and storage medium

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6749283B2 (ja) 2017-05-22 2020-09-02 株式会社東芝 発電素子、発電モジュール、発電装置及び発電システム

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06274602A (ja) * 1993-03-18 1994-09-30 Fujitsu Ltd 指紋登録・照合装置
JPH0944666A (ja) * 1995-08-02 1997-02-14 Nec Corp 皮膚紋様並びに指紋紋様の分類装置
JP2004030191A (ja) * 2002-06-25 2004-01-29 Nec Corp 特徴点データの区画分類による照合方法、その照合プログラムおよびその照合システム
JP2005322139A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Nippon Conlux Co Ltd 紙葉類識別装置および方法
WO2012014308A1 (ja) * 2010-07-29 2012-02-02 富士通株式会社 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラムならびに生体情報登録装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06274602A (ja) * 1993-03-18 1994-09-30 Fujitsu Ltd 指紋登録・照合装置
JPH0944666A (ja) * 1995-08-02 1997-02-14 Nec Corp 皮膚紋様並びに指紋紋様の分類装置
JP2004030191A (ja) * 2002-06-25 2004-01-29 Nec Corp 特徴点データの区画分類による照合方法、その照合プログラムおよびその照合システム
JP2005322139A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Nippon Conlux Co Ltd 紙葉類識別装置および方法
WO2012014308A1 (ja) * 2010-07-29 2012-02-02 富士通株式会社 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラムならびに生体情報登録装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106575355A (zh) * 2014-07-25 2017-04-19 高通股份有限公司 移动装置上的注册及验证
CN107924432A (zh) * 2015-08-21 2018-04-17 三星电子株式会社 电子装置及其变换内容的方法
US11423168B2 (en) 2015-08-21 2022-08-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Electronic apparatus and method of transforming content thereof
KR101821115B1 (ko) * 2016-06-28 2018-01-23 주식회사 슈프리마 지문 인증 방법 및 장치
US10586030B2 (en) 2016-06-28 2020-03-10 Suprema Inc. Method and device for fingerprint authentication
JP2018156563A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 Kddi株式会社 照合装置、照合システム、及び照合方法
CN109388926A (zh) * 2017-08-14 2019-02-26 三星电子株式会社 处理生物特征图像的方法和包括该方法的电子设备
CN109388926B (zh) * 2017-08-14 2024-02-09 三星电子株式会社 处理生物特征图像的方法和包括该方法的电子设备
US12046029B2 (en) 2021-01-22 2024-07-23 Nec Corporation Information processing device, information processing method, and storage medium
CN113095399A (zh) * 2021-04-08 2021-07-09 山东省海洋资源与环境研究院(山东省海洋环境监测中心、山东省水产品质量检验中心) 一种自适应周年观测礁区生物活动规律的系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5915336B2 (ja) 2016-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5699845B2 (ja) 生体情報処理装置、生体情報処理方法及び生体情報処理用コンピュータプログラム
JP5915336B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
JP5799586B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
JP5812109B2 (ja) 生体情報処理装置、生体情報処理方法及び生体情報処理用コンピュータプログラム
JP5505504B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラムならびに生体情報登録装置
JP5228872B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラムならびにコンピュータシステム
JP5196010B2 (ja) 生体情報登録装置、生体情報登録方法及び生体情報登録用コンピュータプログラムならびに生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
JP5445584B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
JP5477385B2 (ja) 生体情報処理装置、生体情報処理方法及び生体情報処理用コンピュータプログラム
JP5930023B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
JP6467852B2 (ja) 生体情報補正装置、生体情報補正方法及び生体情報補正用コンピュータプログラム
JPWO2012111095A1 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
WO2012081126A1 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
JP6187262B2 (ja) 生体情報処理装置、生体情報処理方法及び生体情報処理用コンピュータプログラム
JP6056398B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム
JP6056577B2 (ja) 生体認証装置、生体認証方法及び生体認証用コンピュータプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5915336

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees