JPH0944056A - プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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JPH0944056A
JPH0944056A JP7194524A JP19452495A JPH0944056A JP H0944056 A JPH0944056 A JP H0944056A JP 7194524 A JP7194524 A JP 7194524A JP 19452495 A JP19452495 A JP 19452495A JP H0944056 A JPH0944056 A JP H0944056A
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JP
Japan
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process cartridge
cartridge
image forming
shape
forming apparatus
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Application number
JP7194524A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Honda
充 本田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カートリッジ枠体を複数の枠体を結合して構
成するに際し、余分なガタ空間を生ずることなく基準位
置の設定を可能とし、また組立装置に過剰な精度を要求
することなく組み立てることが可能なプロセスカートリ
ッジ等を提供する。 【解決手段】 画像形成装置本体に着脱可能なプロセス
カートリッジにおいて、電子写真感光体と、前記電子写
真感光体に作用する少なくとも1つのプロセス手段と、
前記電子写真感光体及びプロセス手段を収容する複数の
枠体を結合して構成したカートリッジ枠体とを有し、前
記枠体は被嵌合部に形状記憶部材からなる嵌合部材を嵌
合して結合するものであり、且つ前記嵌合部材の形状復
元前の径は前記被嵌合部の径よりも小さく、形状復元後
の径は前記被嵌合部の径と同一以上となることを特徴と
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロセスカートリッ
ジ及び前記プロセスカートリッジを装着可能な画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真画像形成プロセスを用い
た画像形成装置においては、電子写真感光体及び前記電
子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカート
リッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に
着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されて
いる。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置の
メンテナンスをサービスマンによらずに使用者自身で行
うことが出来るので、格段に操作性を向上させることが
出来る。そのためにこのプロセスカートリッジ方式は、
画像形成装置において広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記プロセス
カートリッジを更に発展させたものであり、その目的と
するところは、前記電子写真感光体やプロセス手段を収
容するカートリッジ枠体を複数の枠体を結合して構成す
るに際し、余分なガタ空間を生ずることなく基準位置の
設定を可能とし、また枠体相互を変形させることなく強
固に結合可能とし、更には組立装置に過剰な精度を要求
することなく組み立てることが可能なプロセスカートリ
ッジ等を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、画像形成装置本体に着
脱可能なプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光
体と、前記電子写真感光体に作用する少なくとも1つの
プロセス手段と、前記電子写真感光体及びプロセス手段
を収容する複数の枠体を結合して構成したカートリッジ
枠体とを有し、前記枠体は被嵌合部に形状記憶部材から
なる嵌合部材を嵌合して結合するものであり、且つ前記
嵌合部材の形状復元前の径は前記被嵌合部の径よりも小
さく、形状復元後の径は前記被嵌合部の径と同一以上と
なることを特徴としてなる。
【0005】上記構成にあっては、嵌合部は形状復元前
にあっては被嵌合部に対して寸法的余裕があるために、
枠体を自動組立する場合の枠体の位置決めを厳格に管理
しなくても足りる。そして、前記嵌合部を被嵌合部に嵌
合した後で、前記嵌合部を加熱等して形状復元させる
と、嵌合部が被嵌合部に対して余分なガタを生ずること
なく嵌合し、枠体相互を確実に結合することが出来る。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る一実施形態とし
て,プロセスカートリッジ及び該プロセスカートリッジ
を着脱着可能な画像形成装置について,図面を参照して
具体的に説明する。
【0007】〔第1実施形態〕まず第1実施形態に係る
プロセスカートリッジ及びこれを装着可能な画像形成装
置について、図1乃至図4を参照して具体的に説明す
る。尚、図1はプロセスカートリッジの構成模式説明図
であり、図2は前記プロセスカートリッジを取り外し可
能に装着した画像形成装置の構成模式説明図、図3はプ
ロセスカートリッジの装着構成の説明図である。
【0008】ここでは説明の順序として、まずプロセス
カートリッジ及びこれを装着用いる画像形成装置の全体
構成を説明し、次にカートリッジ枠体の結合構成につい
て説明する。
【0009】{プロセスカートリッジ及び画像形成装置
の全体構成}この電子写真画像形成装置(レーザービー
ムプリンタ)Aは、図2に示すように、光学系1から画
像情報に基づいた情報光をドラム形状の電子写真感光体
へ照射して該感光体に潜像を形成し、この潜像を現像し
てトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同
期して、記録媒体2をカセット3aからピックアップロ
ーラ3b、反転ローラ3c及びこれに圧接して従動回転
するピンチローラ3c1,3c2,3c3等からなる搬送手段
3で搬送し、且つプロセスカートリッジBとしてカート
リッジ化された前記電子写真感光体に形成したトナー像
を転写手段としての転写ローラ4に電圧印加することに
よって記録媒体2に転写する。そして像転写後の記録媒
体2をヒータ5aを内蔵する定着回転体5b、及び前記
回転体5bに記録媒体2を押圧して搬送する駆動ローラ
5cからなる定着手段5に搬送し、転写トナー像を記録
媒体2に定着する。そしてこの記録媒体2を排出ローラ
対3d1,3d2及び排出ローラ対3e1,3e2で搬送し、反
転搬送経路6を通して排出部7へと排出する如く構成し
ている。
【0010】一方、前記プロセスカートリッジBは、電
子写真感光体と、少なくとも1つのプロセス手段を備え
たものである。ここでプロセス手段としては、例えば電
子写真感光体を帯電させる帯電手段、電子写真感光体に
形成された潜像を現像する現像手段、電子写真感光体表
面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニ
ング手段等がある。本実施形態のプロセスカートリッジ
Bは、図1に示すように、電子写真感光体である感光層
を有する感光体ドラム8を回転し、その表面を帯電手段
である帯電ローラ9への電圧印加によって一様に帯電
し、前記光学系1からの情報光を露光部を介して感光体
ドラム8に露光して潜像を形成し、現像手段10によって
現像するように構成している。
【0011】現像手段10は、トナー溜め10a内のトナー
をトナー送り部材10bで送り出し、固定磁石10cを内蔵
した現像ローラ10dを回転させると共に、現像ブレード
10eによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ロ
ーラ10dの表面に形成し、そのトナーを前記潜像に応じ
て感光体ドラム8へ転移させることによってトナー像を
形成して前記潜像を可視像化する。そして転写ローラ4
に前記トナー像と逆極性の電圧を印加してトナー像を記
録媒体2に転写した後は、クリーニングブレード11aに
よって感光体ドラム8に残留したトナーを掻き落とすと
共に、スクイシート11bによって掬い取り、廃トナー溜
め11cへ集めるクリーニング手段11によって感光体ドラ
ム8上の残留トナーを除去するように構成している。
【0012】尚,前記感光体ドラム8等の各部品は,H
IPS(ハイインパクトポリスチレン)で成型した上枠
体12と下枠体13とを結合したカートリッジ枠体内に収納
してカートリッジ化され,装置本体14に設けられたカー
トリッジ装着手段に対して着脱可能に装着される。
【0013】前記カートリッジ装着手段は、開閉部材14
aを開くと、図3に示すように、カートリッジ装着スペ
ースが設けてあり、装置本体14の左右内側面にカートリ
ッジ装着ガイド部15が対向して設けてある。この左右ガ
イド部15にはプロセスカートリッジBを挿入するための
第1ガイドレール15a及び第2ガイドレール15bが設け
てある。一方、プロセスカートリッジBの両外側面には
感光体ドラム8の回転中心位置から外方へ突出し、第1
ガイドレール15aの端部に設けた溝部15a1と略同じ半径
をもつ円柱状突起15cが設けてあり、且つこの円柱状突
起15cに連続してガイド凸条15dが設けてある。更にプ
ロセスカートリッジBの挿入方向前方下部には係合部15
eが設けてある。
【0014】そしてプロセスカートリッジBを装着する
場合には、プロセスカートリッジBの円柱状突起15c及
びガイド凸条15dを第1ガイドレール15aでガイドする
と共に、係合部15eを第2ガイドレール15bでガイドし
た状態で挿入し、開閉部材14aを閉じることによってプ
ロセスカートリッジBを画像形成装置Aに装着するもの
である。
【0015】{枠体の組立結合構成}前記プロセスカー
トリッジBは上下枠体12,13を結合してカートリッジ枠
体を構成しているが,次にその結合構成について説明す
る。
【0016】図4(a) に示すように、下枠体12の所定位
置2箇所(又は3箇所以上)には嵌合部としての位置決
めピン16が突出形成してあり、上枠体13には前記下枠体
12と結合したときの前記位置決めピン16と対応する位置
に2箇所(又は3箇所以上)の被嵌合部としての位置決
め孔17が形成してある。前記位置決めピン16は形状記憶
部材からなり、この位置決めピン16を上枠体13の位置決
め孔17に嵌合すると共に、形状復元させることによって
上下枠体12,13を結合するものである。
【0017】前記位置決めピン16は形状復元前の外径が
前記位置決め孔17の内径よりも小さく、位置決め孔17に
対して余裕をもって位置決めすることが可能である。即
ち、上下枠体12,13を組立装置によって結合する場合に
は、例えば下枠体12を所定位置にセットし、この下枠体
12の位置決めピン16に対して位置決め孔17が一致するよ
うに上枠体13を把持部材等によって運ぶと共に、図4
(b) のように、位置決めピン16と位置決め孔17とを嵌合
させるようにする。このときピン16の径に対して孔17の
径に余裕がないと、上枠体13を運んで停止させる組立装
置の停止精度を厳格にしなければならず、高精度の組立
装置を用いなければならない。しかし、本実施形態では
前述のように位置決めピン16は未だ形状復元前であるた
めに位置決め孔17よりも細く、ピン16と孔17との間には
余裕dがある。このため、上枠体13を運んで停止させる
組立装置の停止精度は厳格なものでなくても足りること
になる。
【0018】そして、前記位置決めピン16を位置決め孔
17に嵌合した後、前記ピン16を加熱する。このピン16は
加熱によって記憶していた形状に復元し、形状復元後の
径が前記位置決め孔17の径と同一以上となる形状記憶部
材であり、このピン16の形状が復元すると、図4(c) に
示すように、位置決め孔17に合った形状まで広がるため
に両者はガタなく嵌合し、上下枠体12,13が強固に結合
される。
【0019】このように、位置決めピン16に形状記憶部
材を用いることにより、高精度の組立装置を用いなくて
も、位置決めピン16と位置決め孔17は余裕dをもって嵌
合し、且つ結合後は前記余裕dが吸収されて上下枠体1
2,13がガタつくことなく強固に結合されるものであ
る。
【0020】ここで前記位置決めピン16の材料となる形
状記憶材料について説明する。形状記憶合金について、
これには変態を伴う形状記憶がある。これは高温で形状
記憶処理された合金が、Ms 点(マルテンサイト変態開
始温度)以上、As 点(オーステナイト変態開始温度)
以下の温度で変形し、Mf点(マルテンサイト変態終了
温度)以下に冷却すると、一旦その変形された形状に固
定されるが、これをAf点(オーステナイト変態終了温
度)以上に加熱すると、熱弾性マルテンサイト変態によ
り、もとの形状に戻るというものである。
【0021】また、擬弾性を利用した形状記憶の効果が
ある。これは熱弾性の合金にAf点以上の温度のオース
テナイト状態で、応力をかけると、応力誘起変態により
優先方位をもったマルテンサイトが生じて変形し、応力
を除去すると元の形状に復帰するものである。
【0022】その利用方法としては、Ms 点以上で応力
をかけて超弾性歪みを生じさせ、続いて冷却し、一旦そ
の歪みを拘束する。これを加熱して、その拘束要因を解
放すれば形状が復帰する。
【0023】また、微細結晶粒超塑性による形状復元の
効果も知られている。これは、例えば200 ℃で引っ張る
ことで生じた伸び歪みを室温に素早く戻して冷却すると
元に戻るという性質のものである。例としては、Zn −
22Al 合金、22Al −78Zn 合金等が挙げられ
る。
【0024】次に形状記憶合金の知られた例としては、
Ti Ni 合金(ニチノール)やCu基合金系がある。Ti
Ni 合金を材料とした形状記憶合金は記録用ペン駆動
ユニットのワイヤー、凝血フィルター、医療用クリッ
プ、また人工心臓の人工筋肉等として用いられている。
またCu 基合金を材料とした形状記憶合金はクランプ、
ディスクシール、配管の継ぎ手、自動開閉窓用起動器の
バネ等として用いられている。
【0025】前記Ti Ni 合金は、約40℃に変態点があ
り、40℃以下でマルテンサイト相であるから、この状態
で力を加えると容易に変形する。この変形された状態を
そのままMs 点以下に冷却すると、一旦安定する。これ
をAf点以上の母相になるまで加熱すると、マルテンサ
イト相からオーステナイト相に変態して元の形状に戻る
ものである。
【0026】Ti Ni 合金のような熱弾性型マルテンサ
イト変態を示す形状記憶合金の例を示すと以下のように
なる。尚、Ms 点は−190 ℃〜100 ℃のどこかに設定可
能である。
【0027】Ag−Cd(44〜49at%Cd)、Au −C
d(46.5〜50at%Cd)、Cu −Al −Ni (14〜14.5
wt%Al 、3〜4.5 wt%Ni )、Cu −Au −Zn (23
〜28at%Au 、45〜47at%Zn )、Cu −Sn (〜15at
%Sn )、Cu −Zn (38.5〜41.5at%Zn )、Cu −
Zn −Si 、Cu −Zn −Sn 、Cu −Zn −Al 、C
u −Zn −Ga、IN−TI(18〜23at%TI)、NI
−Al (30〜38at%Al )。
【0028】超弾性を利用した例として、Ti Ni 合金
のワイヤーを眼鏡フレームに用いたものがある。これは
当初から約2%の歪みを与えてあり、その歪み量から多
少変動しても、超弾性でゴムのように戻るというもので
ある。
【0029】熱弾性マルテンサイト変態による形状記憶
効果の復元力が最も大きいものであると報告されている
が、用途に合わせて必要な性質の記憶材料から利用すれ
ばよい。
【0030】位置決めピン16を前記のような形状記憶合
金を用いて構成することにより、上下枠体12,13の結合
をガタなく容易に結合することが出来るものである。
【0031】また、前記形状記憶部材として、形状記憶
合金を例示したが、これは合金のみならず、形状記憶樹
脂を用いて構成することも可能である。
【0032】ここで、形状記憶樹脂について説明する
と、変形量の多少はあるが、形状記憶効果といってよい
性質はプラスチック材にもあることは知られている。例
えば、ナイロン66は記憶合金と同じような性質を示
す。Tg(ガラス転移点)以上の温度で曲げ、そのまま
冷却すると、力を除去してもそのままの形状であるが、
Tg以上に加熱すると変形が元に戻るものである。
【0033】形状記憶樹脂には復元形状を保持する構造
があり、且つ変形したときに、その形を一旦保持しよう
とする構造がある。樹脂における形状記憶には、復元形
状を保持する仕組みとして、分子鎖の絡みあい構造、
架橋構造、結晶の形成、相構造、等がある。
【0034】また変形時或いは2次成型された形状を保
持する仕組みとして、ガラス転移点、結晶の融解再
形成、相構造の融解再形成、等がある。
【0035】特に形状記憶の特性を出すべく設計された
材料としては、以下のものが知られている。
【0036】日本ゼオン製のポリノルボルネンは、形状
記憶温度が150 ℃以上、形状回復温度が35℃に設計され
たものである。
【0037】クラレ製のトランス−1、4−ポリイソプ
レンは、元の形状(回復したときの形状)を固定すると
きに加硫架橋するものである。これは再度の形状変更は
出来ない。
【0038】旭化成工業製のスチレンブタジエン共重合
体は、ポリスチレンとブタジエンのガラス転移点の違い
をうまく利用したもので、形状記憶温度は120 ℃以上、
形状回復温度は60〜90℃とされている。
【0039】三菱重工業製のポリウレタン系記憶樹脂
は、形状固定の手段にポリウレタンの一部結晶構造を利
用したものである。形状記憶温度は200 ℃前後、回復温
度は−30〜60℃と広い。
【0040】利用方法としては、1次成型により復元形
状を化学的又は物理的に固定する。更にそれを1次成型
温度より低い温度で2次成型する。このときは単に物理
的な構造変化で形状が固定されているだけであるので、
低温固化した状態からゴム状態に転移するのに適当な温
度条件を与えることによって復元形状に戻る。
【0041】形状記憶樹脂の使用例としては、形状記憶
合金で開発されたものを樹脂に代えて適用したものとし
て、歯科矯正用のワイヤー、ブラジャーの形状維持用ワ
イヤー、眼鏡の弦等がある。更に樹脂としての特徴を活
かした例として、隙間防止材や医療用固定具等が知られ
ている。
【0042】尚、形状記憶樹脂は形状記憶合金に比べて
変形量が大きく、安価で加工も容易等の利点があるが、
形状回復時の復元力は合金よりも弱く、回復速度も遅い
等の欠点もある。そのために、その特徴に応じて用いれ
ばよい。
【0043】前記形状記憶樹脂を用いて結合部材を構成
する例としては、上下枠体12,13が前述したようにHI
PSによって成型されているために、位置決めピン16を
合金でなくポリウレタン系の形状記憶樹脂を用いて構成
するとよい。
【0044】ここで用いる位置決めピン16は、復元した
ときの断面形状が図4(c) に示すように構成し、位置決
めピン16の上端に突部16aを有するように、 120℃以上
の温度で成型し、これを図4(a) に示すように、ピン16
を低温で引き延ばし、上端を含めた径が位置決め孔17の
径より小さくなるように構成する。
【0045】そして上下枠体12,13を結合するときに前
記位置決めピン16を位置決め孔17に挿入し、且つ図示し
ない加熱治具によって約50℃に加熱して復元形状に戻
す。すると、図4(c) に示すように、位置決めピン16が
位置決め孔17とガタなく嵌合すると共に、ピン16の上端
に突部16aが形成され、上下枠体12,13が結合される。
【0046】尚、前記枠体結合後の位置決めピン16を外
観上目立たなくするために、該ピン16を上下枠体12,13
の色と同色にしてもよく、またその部分を凹部とするよ
うにしてもよい。
【0047】ここで、図4に示した位置決めピン16と位
置決め孔17の中心線交差の関係を見ると、仮に位置決め
ピン16が太さを変えるような形状復元しないものである
とすると、図4(b) に示すように、位置決め孔17との関
係でガタの生ずる関係であることが判る。即ち、本実施
形態のように位置決めピン16が形状復元して太さを変え
るものである場合は、図4(c) に示すようにピン16と孔
17との関係でガタはなく、嵌合公差として考慮すべきは
孔17の位置精度のみと考えられるのに対し、形状復元し
ない場合には前記ガタの大きさも加算される。従って、
より高い組立精度を求めようとする場合には、部品を保
持し、移動させる組立装置の停止精度等をより向上させ
なければならず、組立装置として高価なものが必要とな
る。更に、組立装置の停止精度等が低い場合には、2個
の位置決めピン16を2個の位置決め孔17に位置決めする
場合、位置決め精度の誤差を考慮して位置決め孔17を長
孔構造にする必要があり、その分のガタが生ずるおそれ
がある。
【0048】これに対して本実施形態の構成にあって
は、上下枠体12,13の結合が、ピン16が孔17に目一杯の
空間で行われるため、両者間に緩みが生ずることがな
く、長期間にわたってガタのない安定した結合状態が維
持されるものである。
【0049】〔第2実施形態〕前述した第1実施形態で
は下枠体12に取り付けた位置決めピン16を上枠体13に設
けた位置決め孔17に嵌合して両枠体12,13を結合する例
を示したが、形状記憶部材からなる単体の嵌合部材によ
って両枠体12,13を結合するようにしてもよい。
【0050】例えば、図5は下枠体50に設けたスナップ
フィット爪50aを上枠体51に設けた係止孔51aにスナッ
プフィット結合して両枠体50,51を結合するものである
が、このスナップフィット部を形状記憶部材からなる単
体の嵌合部材を用いるようにしてもよい。
【0051】即ち、図6(a) に示すように、上下枠体1
2,13の所定位置に被嵌合部となる位置決め孔18,19を
2箇所以上設け、この位置決め孔18,19に嵌合部材とな
る位置決めピン20をそれぞれ嵌合して両枠体12,13を結
合する。前記位置決めピン20は第1実施形態で述べたよ
うな材質からなる形状記憶部材であり、形状復元前の径
は前記位置決め孔18,19の径よりも小さく、形状復元後
の径は前記位置決め孔18,19の径と同一以上となるもの
である。そして、位置決めピン20の一方端20aにはスナ
ップフィットの場合と同様に位置決め孔18,19に押し込
み易い形状であると共に、抜け止め用の突部ば形成して
あり、他方端20bには抜け止め用の突部が形成してあ
る。
【0052】前記上下枠体12,13を結合する場合には組
立装置のピックアップ治具(図示せず)で前記位置決め
ピン20を把持し、これを上下枠体12,13の位置決め孔1
8,19に挿入する。そして前記ピン20を加熱手段(例え
ばパルス加熱で加熱する方法、局部熱風を吹きつける方
法等)によって所定温度に加熱してピン20の形状を復元
させると、図6(b) に示すように、位置決め孔18,19が
ピン20によって空間が占められ、上下枠体12,13が結合
される。従って、上下枠体12,13を結合する場合、孔1
8,19の大きさと位置に関する公差のみの問題となり、
ピン20の外径と孔18,19の径との公差関係が除外出来
る。
【0053】ここで、前記ピン20を孔18,19に固定する
工程としては、最初に複数の固定箇所のうち、一方に偏
した位置にある少なくとも2箇所に、位置決めピン20を
自動組立装置によって挿入する。この挿入時は位置決め
ピン20が形状復元していないので、位置決め孔18,19に
対して余裕をもって挿入出来る。その後、加熱手段によ
る加熱工程を経て、ピン20が形状復元して図6(b) に示
すように両枠体12,13が結合する。この場合、寸法上の
公差は位置決め孔18,19と位置決めピン20は同径となる
ので、位置決め孔18,19の中心を基準にして、他方の固
定を行えばよい。
【0054】従って、前記のようにして枠体12,13を結
合するようにすれば、かなり複雑な形状のものまで、一
体形状とみなし得る位置設定が可能になる。即ち、従来
ならば複数の部品を結合するときは、公差を積み上げ
て、最終的な仕上がり公差を予測することになるため、
自動組立に際しては大きな公差を見込んだ設計が求めら
れていた。これに対して、本実施形態の結合構成にあっ
ては基本的に位置決め孔の中心間公差を基に設計するこ
とが可能となり、また位置決めピン等の部品を把持して
決め位置に移動させる組立装置の停止精度も、一旦決め
位置が固定された点を始点として次の決め位置の精度を
決定出来るため、決め位置のピンの形状からくる公差を
考慮する必要がなく、その分余裕のある設計が可能とな
る。
【0055】尚、この第2実施形態に係る位置決めピン
20によって結合する場合には、3部品以上の部品を結合
することも同様になし得る。
【0056】〔実験結果〕次に前述した実施形態に係る
形状記憶部材によって枠体12,13を結合したプロセスカ
ートリッジと、従来の結合構成によって枠体を結合した
プロセスカートリッジを用いて比較実験した結果を示
す。
【0057】尚、比較例は熱カシメにより上下枠体を結
合したもの(比較例1)、スナップフィット結合により
上下枠体を結合したもの(比較例2)、ビス止めによっ
て上下枠体を結合したもの(比較例3)である。
【0058】まず、前記第1実施形態、第2実施形態で
説明した上下枠体の結合構成によるプロセスカートリッ
ジ及び比較例1〜3のプロセスカートリッジについて落
下試験を行った。
【0059】条件はそれぞれのプロセスカートリッジを
段ボールに入れて4箱1組とし、高さ60cmから1角3陵
6面で落下試験をした。結果は第1及び第2実施形態に
係る形状記憶樹脂によって結合したプロセスカートリッ
ジには問題となる点は生じなかった。これに対し、スナ
ップフィット結合のプロセスカートリッジにあってはス
ナップフィット爪の外れが生じたもの、爪の折れたもの
があった。また他の比較例に係るプロセスカートリッジ
には問題は生じなかった。尚、この実験はプロセスカー
トリッジを梱包袋に入れず、サイドパックで側面を押さ
えたのみで箱に入れて評価したたものであり、スナップ
フィット結合のカートリッジにあっては正規の出荷条件
よりも厳しいものである。
【0060】次に簡単な構成の第1実施形態、第2実施
形態で説明した上下枠体の結合構成によるプロセスカー
トリッジ及び比較例1〜3のプロセスカートリッジに係
る結合部分のサンプルケースの部品を作成し、部品搬送
装置を利用して精度関係の模擬実験を行った。
【0061】結果は前述したように位置決めピンが位置
決め孔の径に同体化する第1実施形態及び第2実施形態
のプロセスカートリッジは、そうでない比較例1〜3の
プロセスカートリッジの場合よりも位置出し精度が出し
易く、複数箇所の結合に際しては1つの固定後の位置出
しでは更に差が出た。
【0062】〔他の実施例〕次に前述した実施例に係る
プロセスカートリッジB及び画像形成装置の各部の他例
について説明する。
【0063】前述したプロセスカートリッジBは単色画
像を形成するためのものであったが、プロセスカートリ
ッジは単色の画像を形成する場合のみならず、現像手段
を複数設け、複数色の画像(例えば2色画像、3色画像
或いはフルカラー等)を形成するカートリッジにも好適
に適用することが出来る。
【0064】また現像方法としても、公知の2成分磁気
ブラシ現像法、カスケード現像法、タッチダウン現像
法、クラウド現像法等の種々の現像法を用いることが可
能である。
【0065】また電子写真感光体としては、前記感光体
ドラムに限定されることなく、例えば次のものが含まれ
る。まず感光体としては光導電体が用いられ、光導電体
としては例えばアモルファスシリコン、アモルファスセ
レン、酸化亜鉛、酸化チタン及び有機光導電体(OP
C)等が含まれる。また前記感光体を搭載する形状とし
ては、例えばドラム状、ベルト状等の回転体及びシート
状等が含まれる。尚、一般的にはドラム状又はベルト状
のものが用いられており、例えばドラムタイプの感光体
にあっては、アルミ合金等のシリンダー上に光導電体を
蒸着又は塗工等を行ったものである。
【0066】また帯電手段の構成も、前述した第1実施
例では所謂接触帯電方法を用いたが、他の構成として従
来から用いられているタングステンワイヤーの三方周囲
にアルミ等の金属シールドを施し、前記タングステンワ
イヤーに高電圧を印加することによって生じた正又は負
のイオンを感光体ドラムの表面に移動させ、該ドラムの
表面を一様に帯電する構成を用いても良いことは当然で
ある。
【0067】尚、前記帯電手段としては前記ローラ型以
外にも、ブレード型(帯電ブレード)、パッド型、ブロ
ック型、ロッド型、ワイヤ型等のものでも良い。
【0068】また感光体ドラムに残存するトナーのクリ
ーニング方法としても、ブレード、ファーブラシ、磁気
ブラシ等を用いてクリーニング手段を構成しても良い。
【0069】また前述したプロセスカートリッジとは、
例えば電子写真感光体と、少なくともプロセス手段の1
つを備えたものである。従って、そのプロセスカートリ
ッジの態様としては、前述した実施例のもの以外にも、
例えば電子写真感光体と帯電手段とを一体的にカートリ
ッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの。電子写真感
光体と現像手段とを一体化的にカートリッジ化し、装置
本体に着脱可能にするもの。電子写真感光体とクリーニ
ング手段とを一体的にカートリッジ化し、装置本体に着
脱可能にするもの。更には電子写真感光体と、前記プロ
セス手段の2つ以上のものを組み合わせて一体的にカー
トリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの等があ
る。
【0070】即ち、前述したプロセスカートリッジと
は、帯電手段、現像手段又はクリーニング手段と電子写
真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリ
ッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とするもので
ある。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少
なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッ
ジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものであ
る。更に少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体
的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするもの
をいう。
【0071】更に前述した実施例では画像形成装置とし
てレーザービームプリンタを例示したが、本発明はこれ
に限定する必要はなく、例えばLEDプリンタ、電子写
真複写機、ファクシミリ装置、或いはワードプロセッサ
等の他の画像形成装置に使用することも当然可能であ
る。
【0072】
【発明の効果】本発明は前述したように、 嵌合部は形
状復元前にあっては被嵌合部に対して寸法的余裕がある
ために、枠体を自動組立する場合の枠体の位置決めを厳
格に管理しなくても足りる。そして、前記嵌合部を被嵌
合部に嵌合した後で、前記嵌合部を加熱等して形状復元
させると、嵌合部が被嵌合部に対して余分なガタを生ず
ることなく嵌合し、枠体相互を確実に結合することが出
来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロセスカートリッジの構成模式説明図であ
る。
【図2】プロセスカートリッジを取り外し可能に装着し
た画像形成装置の構成模式説明図である。
【図3】プロセスカートリッジの装着構成の説明図であ
る。
【図4】上下枠体を形状記憶部材で結合する説明図であ
る。
【図5】スナップフィット爪によって部材を結合する説
明図である。
【図6】上下枠体を形状記憶部材で結合する第2実施形
態に係る説明図である。
【符号の説明】
A…画像形成装置、B…プロセスカートリッジ、1…光
学系、2…記録媒体、3…搬送手段、4…転写ローラ、
5…定着手段、6…反転搬送経路、7…排出部、8…感
光体ドラム、9…帯電ローラ、10…現像手段、11…クリ
ーニング手段、12…下枠体、13…上枠体、14…装置本
体、14a…開閉部材、15a,15b…ガイドレール、16…
位置決めピン、16a…突部、17…位置決め孔、18,19…
位置決め孔、20…位置決めピン、20a,20b…突部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置本体に着脱可能なプロセス
    カートリッジにおいて、 電子写真感光体と、 前記電子写真感光体に作用する少なくとも1つのプロセ
    ス手段と、 前記電子写真感光体及びプロセス手段を収容する複数の
    枠体を結合して構成したカートリッジ枠体と、 を有し、 前記枠体は被嵌合部に形状記憶部材からなる嵌合部材を
    嵌合して結合するものであり、且つ前記嵌合部材の形状
    復元前の径は前記被嵌合部の径よりも小さく、形状復元
    後の径は前記被嵌合部の径と同一以上となることを特徴
    とするプロセスカートリッジ。
  2. 【請求項2】 前記被嵌合部は少なくとも2箇所以上の
    位置決め孔である請求項1記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  3. 【請求項3】 前記形状記憶部材は、加熱により復元形
    状に戻るものである請求項1記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  4. 【請求項4】 前記プロセスカートリッジとは、前記プ
    ロセス手段としての帯電手段、現像手段またはクリーニ
    ング手段と前記電子写真感光体とを一体的にカートリッ
    ジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して
    着脱可能とするものである請求項1記載のプロセスカー
    トリッジ。
  5. 【請求項5】 前記プロセスカートリッジとは、前記プ
    ロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング
    手段の少なくとも一つと、前記電子写真感光体とを一体
    的にカートリッジ化して画像形成装置本体に対して着脱
    可能とするものである請求項1記載のプロセスカートリ
    ッジ。
  6. 【請求項6】 前記プロセスカートリッジとは、少なく
    とも前記プロセス手段としての現像手段と、前記電子写
    真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置
    本体に対して着脱可能とするものである請求項1記載の
    プロセスカートリッジ。
  7. 【請求項7】 プロセスカートリッジを着脱可能であっ
    て、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のプロセスカ
    ートリッジを取り外し可能に装着するための装着手段
    と、 記録媒体を搬送するための搬送手段と、 を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記画像形成装置は、電子写真複写機又
    はレーザービームプリンタ又はファクシミリ装置である
    ことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014115472A (ja) * 2012-12-10 2014-06-26 Canon Inc カートリッジ及びカートリッジの製造方法
US8864291B2 (en) 2010-11-01 2014-10-21 Seiko Epson Corporation Ink cartridge assembly, cartridge assembly kit, and printer
JP2016027425A (ja) * 2015-09-30 2016-02-18 キヤノン株式会社 カートリッジ及びカートリッジの製造方法

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