JPH0944007A

JPH0944007A - 画像形成装置

Info

Publication number: JPH0944007A
Application number: JP8100207A
Authority: JP
Inventors: Koichi Hiroshima; 康一廣島; Yasuo Yoda; 寧雄依田; Tatsuichi Tsukida; 辰一月田; Katsuhiko Nishimura; 克彦西村; Tatsu Kosake; 達小酒
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1995-04-21
Filing date: 1996-04-22
Publication date: 1997-02-14
Anticipated expiration: 2016-04-22
Also published as: JP3267507B2

Abstract

(57)【要約】【課題】中間転写体を有する画像形成装置におけるこ
の中間転写体に転写後に残留するトナーのクリーニング
に関し、このクリーニングに要する時間を短縮し、画像
形成に要する時間を短縮するものである。【解決手段】帯電手段で中間転写体に残留するトナー
をトナー本来の極性とは逆極性に帯電し、中間転写体へ
の転写中にこの帯電された残留トナーを転写位置を通過
させ、転写と同時にこの残留トナーを感光体に逆転写し
て除去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はトナー像を転写材に
転写して記録像を出力するプリンタや、原稿のコピーを
出力する複写機のような画像形成装置に関するものであ
る。

【０００２】

【背景技術】像担持体としての感光体に形成される複数
色のトナー像を中間転写体に順次重ねて１次転写し、こ
の中間転写体に形成された複数色のトナー像よりなるカ
ラー画像（或いは多色画像）を転写材に一括して２次転
写することによりカラー画像を得るカラー画像形成装置
が知られている。

【０００３】しかし、上記の述べた中間転写体を使用し
た画像形成装置においては、中間転写体から紙などの転
写材への２次転写の後に、中間転写体上に転写残トナー
が存在し、この残トナーの除去及び処理法が一つの技術
的課題となっている。

【０００４】上記課題を解決するための手段としては例
えば、中間転写体に弾性ブレードを当接、離間させ、中
間転写体上のトナーを掻き取るタイプ（特開昭５６−１
５３３５７号公報、特開平５−３０３３１０号公報等）
がある。

【０００５】また中間転写体に当接離間するファーブラ
シを設け、このファーブラシに中間転写体上の２次転写
残トナーと逆極性のバイアスを印加して残トナーを回収
し、そして、この残トナーを一旦金属ローラ等のバイア
スローラに付着させてから、ブレードで掻き取る、とい
った構成のものもある。

【０００６】また、中間転写体上の残留トナーを感光体
が転写工程を行なっていないとき、この感光体に電界で
戻し、感光体のクリーナでこの残留トナーを回収するこ
とが、特開平４−３４０５６４号公報、特開平５−２９
７７３９号公報、特開平１−１０５９８０号公報等で提
案されている。

【０００７】ここで、いずれの提案においても、感光体
に戻されるトナーは、感光体に形成されるトナー像の極
性と同極性である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、以上に述べた
中間転写体のクリーニングには以下に述べるような弱点
があった。

【０００９】即ち、クリーニングブレードの様な機械的
に中間転写体上のトナーを掻き落すタイプのクリーニン
グ装置では、ブレードが離間した際にブレード部分に堆
積したトナーが中間転写体上に残留し、次プリントプロ
セスの画像上にブレード跡を発生させるという問題が生
じる。また長期間の使用により、ブレードと、このブレ
ードが対向する中間転写体が摩耗し、中間転写体の表層
の劣化による転写効率の低下、トナーのクリーニングブ
レード摺り抜け等の問題をも生じてしまう。

【００１０】またファーブラシを用いて中間転写体上の
残トナーを回収する装置は、クリーニング装置が大型、
複雑化し、コスト高になってしまう、といった欠点があ
る。

【００１１】また、感光体に形成されるトナー像の極性
と同極性を有する中間転写体上の残留トナーを感光体に
戻す場合、通常の転写工程を行なっていないときに、残
留トナーを感光体に逆転写するための工程を設ける必要
がある。従って、限られた時間の間に出力できる転写材
の枚数の低下、いわゆるスループットが低下する。

【００１２】本発明の目的は、中間転写体を有する画像
形成装置の上記問題を解決するものである。

【００１３】また、本発明の他の目的は、中間転写体に
転写後に残留するトナーのクリーニングに要する時間を
短縮することにより、画像形成に要する時間を短縮する
ものである。

【００１４】更に、他の目的は、中間転写体に残留する
トナーを回収収容するための専用の容器を設けることな
く装置を構成することで、装置全体の構造を簡略化する
ものである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、中間転写体を用いて転写材にトナー像を形成する
画像形成装置であって、像担持体と、像担持体にトナー
像を形成するトナー像形成手段と、像担持体に接触して
無端移動する中間転写体と、像担持体に形成されたトナ
ー像を、中間転写体の第１の転写位置でこの中間転写体
に１次転写するためのバイアス印加手段と、中間転写体
に転写されたトナー像を、中間転写体の第２の転写位置
で転写材に２次転写する転写手段と、転写後にこの中間
転写体に残留する残トナーを、このトナーの本来の極性
とは逆極性に帯電する残トナー帯電手段とを有し、上記
２次転写後、中間転写体上の残トナーをこのトナーの本
来の極性とは逆極性に上記残トナー帯電手段で帯電し、
この帯電された残トナーを１次転写中に１次転写位置を
通過させることで、次の１次転写と同時に、この残トナ
ーを上記像担持体に逆転写することで中間転写体の残ト
ナーを除去するものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】

（第１の実施例）図１は電子写真プロセスを利用したカ
ラー画像形成装置（複写機あるいはレーザプリンタ）の
概略断面図である。中間転写体として中抵抗の弾性ロー
ラ５を、２次接触転写手段として転写ベルト６を使用し
ている。

【００１７】１は像担持体として繰り返し使用される回
転ドラム型の電子写真感光体（以下感光ドラムと記す）
であり、矢示の反時計方向に所定の周速度（プロセスス
ピード）をもって回転駆動される。

【００１８】感光体ドラム１は回転過程で、１次帯電ロ
ーラ２により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、
次いで不図示の画像露光手段（カラー原稿画像の色分解
・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素
信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレ
ーザースキャナによる走査露光系等）による画像露光３
を受けることにより目的のカラー画像の第１の色成分像
（例えばイエロー成分像）に対応した静電潜像が形成さ
れる。

【００１９】次いで、その静電潜像が第１現像器４１
（イエロー現像器）の現像スリーブ上のマイナスに帯電
された第１色であるイエロートナーＹにより現像され
る。

【００２０】このイエローのトナーを現像する時に不図
示の高圧電源により現像スリーブにバイアスが印加され
るタイミングを図１６の「Ｙ現像バイアス」に示す。図
１６のタイミング図においてハイレベルで現像バイアス
が出力され、ローレベルで出力がオフとなる。以降シー
ケンス図においてはハイ、ローに対する論理は他の項目
も含め同様なものとする。

【００２１】現像器４１・４２・４３・４４（イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラック）の各現像器は不図示
の回転駆動装置によって図中矢印の方向に回転し、各々
の現像器が現像過程で感光ドラム１と対向するように配
設されている。

【００２２】中間転写体５は矢示の時計方向に感光ドラ
ム１と同じ周速度をもって回転駆動されている。

【００２３】感光ドラム１上に形成担持された上記第１
色のイエロートナー画像は、感光ドラム１と中間転写体
５のニップ部を通過する過程で、中間転写体５に印加さ
れる１次転写バイアス２９により形成される電界と圧力
により、中間転写体５の外周面に中間転写されていく。
以後この工程を「１次転写」という。

【００２４】以下、同様に第２色目のマゼンタトナー画
像、第３色目のシアントナー画像、第４色目のブラック
トナー画像が順次中間転写体５上に重畳されながら転写
され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画
像が形成される。

【００２５】各色のトナーを現像する時に不図示の高圧
電源により現像スリーブにバイアスが印加されるタイミ
ングを図１７の「Ｍ現像バイアス」、「Ｃ現像バイア
ス」、「Ｂｋ現像バイアス」に示す。また、１次転写バ
イアスの印加タイミングを図１６の「１次転写バイア
ス」に示す。１次転写バイアスは後述のクリーニング後
回転までに保持される。

【００２６】６は転写ベルトであって、中間転写体５に
対応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してあ
る。この転写ベルト６はバイアスローラ６２とテンショ
ンローラ６１とによって支持され、バイアスローラ６２
には、２次転写用のバイアス源２８によって所望の転写
バイアス値が印加され、一方のテンションローラ６１は
接地されている。

【００２７】感光ドラム１から中間転写体２０への第１
〜第４色目のトナー画像の順次重畳転写のための１次転
写バイアスは、トナーの帯電極性とは逆極性（＋）でバ
イアス電源２９から印加される。

【００２８】感光ドラム１から中間転写体５への第１〜
第４色目のトナー画像の順次転写実行工程において、転
写ベルト６及び中間転写体をクリーニングするためのロ
ーラ８は中間転写体５から接離可能としている。

【００２９】クリーニングローラ８は端部をバネにより
支持され、支持枠がカム８４により横方向（矢印ｘ方
向）に動くことにより中間転写体５に接離する。

【００３０】ここで図１はローラ８が中間転写体５に接
触する位置にある状態を示し、カム８４が１８０°回転
することによってローラ８は不図示の離間位置に移動す
る。

【００３１】中間転写体５上に重畳転写されたトナーに
より形成されたトナー画像の転写材Ｐへの転写は、転写
ベルト６が中間転写体５に当接されると共に、不図示の
給紙カセットからレジストローラ１１、転写前ガイド１
０を通過して中間転写体５と転写ベルト６との当接ニッ
プに所定のタイミングで転写材Ｐが給送され、同時に２
次転写バイアスがバイアス電源２８からバイアスローラ
６２に印加されたときに行なわれる。即ち、この２次転
写バイアスにより中間転写体５から転写材Ｐへ上記トナ
ー画像が転写される。以後この工程を「２次転写」とい
う。

【００３２】一方、トナー像を２次転写された転写材Ｐ
は定着器１５へ送られ、トナーが転写材上に溶融して定
着される。

【００３３】上記２次転写のタイミングは図１６の「２
次転写バイアス」で示されるタイミングでバイアスが印
加され、２次転写バイアスが印加前後に転写ベルト６の
中間転写体５への接離が行なわれる。

【００３４】なお、図１６で示されるようにコンピュー
タなどから１度のプリントスタート信号を入力すること
によって複数枚の転写材に連続して像形成を行なう場
合、２次転写は４色目のブラックの１次転写が行なわれ
る回転のときに行なわれるため、１次転写と２次転写が
行なわれるタイミングは一部オーバーラップする。

【００３５】転写材Ｐへの画像転写終了後、中間転写体
５上の転写残トナーはクリーナローラ８が当接され、こ
のローラ８によって帯電されて感光体ドラム１に戻され
ることにより、クリーニングされる。

【００３６】このタイミングを図１６の「クリーニング
ローラ当接」に示す。

【００３７】クリーニングローラ８は不図示のモータと
クラッチにより駆動されるカム８４により中間転写体５
の帯電位置に当接され、高圧電源２７により当接中にプ
ラスのバイアスが印加されることにより転写残トナーを
プラスに帯電する。そして、このトナーは２枚目の転写
材に形成するためのイエロートナー像の１次転写と同時
に感光体ドラム１に逆転写され、感光体ドラム１上のク
リーナ１３により１次転写残トナーとともに回収され
る。

【００３８】クリーニングローラ８は残トナー像の後端
を通過した後離間される。

【００３９】図１６に示されるようクリーニングローラ
８の接離は１枚目の転写材への２次転写および２枚目の
転写材に形成するためのイエローの現像とそれに続く１
次転写とオーバーラップする。

【００４０】次に、連続画像形成における最終の転写材
（図１６では２枚目の転写材）への像形成シーケンスを
説明する。このとき、中間転写体５は２次転写後の残ト
ナーをクリーニングするため最低、残トナーがある領域
の後端が感光体ドラム１と中間転写体５とのニップを通
過するまで後回転が行なわれ、その間、感光体ドラム１
上へ残トナーを戻すために１次転写バイアスの印加が継
続される。このとき感光体ドラム１から中間転写体５へ
のトナー像の１次転写は行なわれない。これ以外は１枚
目の転写材への像形成シーケンスと同様である。

【００４１】図１７にモノカラー時の８枚連続画像形成
モードに設定した時のシーケンスを示す。

【００４２】動作タイミングとしては上記フルカラーモ
ード時の４色目以降の動作を繰り返すこととなる。

【００４３】最終頁の印字後に行なわれる後回転モード
のときもフルカラーモード時と同様である。

【００４４】なお、本実施例では印字開始から最終頁の
印字まで１次転写のバイアス値の印加が継続されている
が各頁の転写毎にオンオフしてもよい。

【００４５】また、本実施例においてはフルカラーで２
枚連続して出力するモードと、モノカラー８枚連続して
印字するモードの場合の例を示したが、連続印字でな
く、１度の像形成開始信号の入力によって１枚の転写材
に像形成する場合は各場合の最終頁の印字のシーケンス
と同様であり、印字後所定の後回転を行ない、そのとき
に１次転写と同時に中間転写体上の残トナーを感光体ド
ラム１に逆転写して戻す。

【００４６】以下、本発明の特徴である中間転写体５の
クリーニングについて説明する。

【００４７】本発明の中間転写体５のクリーニングは、
感光ドラム１から中間転写体５への１次転写と同時に、
中間転写体５上の２次転写残トナーを、感光体ドラム１
に逆転写して戻し、感光体ドラム１のクリーナ１３で回
収するところに特徴を有する。

【００４８】そのメカニズムを説明する。中間転写体５
上に形成されたトナー像は、このトナー像の帯電極性
（負極性）とは逆極性の２次転写バイアスがバイアスロ
ーラ６２に印加されることによって形成される強力な電
界により転写ベルト６に送られた転写材Ｐに転写され
る。

【００４９】このとき、転写材Ｐに転写されずに中間転
写体５に残留する２次転写残トナーは、正規の帯電極性
（負極性）とは逆極性（正極性）に帯電されているもの
が多い。

【００５０】しかし、全ての２次転写残トナーが正極性
に反転しているわけではなく、中和され電荷をもたない
トナーや、負極性を維持しているトナーも一部存在す
る。

【００５１】この現象は以下の様な実験をおこなう事に
よって確認された。

【００５２】図１に示す本体装置構成を持つレーザプリ
ンタで、単色テキストパターン、ベタ白パターンの２枚
連続通紙をする。中間転写体クリーニング手段がない場
合、２枚目のベタ白パターンには、前プリントのテキス
トパターンの２次転写残トナーがゴーストのように現わ
れる。このとき２次転写バイアス値を予め設定された値
に対して上下に振って観たところ、残留トナーによるゴ
ーストの発生の様子がバイアス値によって異なり、転写
バイアスが過剰に高い方がゴースト像の発生のレベルが
良くなっている事が観察された。

【００５３】ところで、転写材Ｐへの転写効率は、ある
転写バイアス値でピークを持ち、過剰なバイアスを印加
すると転写効率が低下することが知られている。

【００５４】従って、上記検討での挙動が、従来の転写
効率の挙動とは異なっていたため、２次転写後の中間転
写体５上と２次転写後に再度中間転写体が感光体ドラム
の１次転写位置を通過した後の感光体ドラム１上を観察
した。過剰の２次転写バイアス印加後、中間転写体５上
の２次転写後の残留トナーは非常に多かったが、同時に
感光体ドラム１上にもトナーが存在し、そのパターンの
様子から、明らかに中間転写体５上のトナーが感光体ド
ラム１に転写されて戻っている事が確認された。

【００５５】以上の検討結果によりトナーは、強い２次
転写バイアスを印加することによって転写時に当所の極
性に対して逆極性に反転する、という挙動を執ることが
確認された。

【００５６】しかし、中間転写体５上の２次転写残トナ
ーは先述したように、部分的には中和されたトナーや、
負極性を維持しているトナーも存在しているため、完全
には感光体ドラム１に戻らず、連続プリントモード時で
は、このモードの中での次プリント画像にゴースト像と
して現れる。

【００５７】またこのように最適転写バイアスよりも高
い方に外れて使用すると、転写電流過剰による画像劣化
が生じ、高精細な画像が得られない。

【００５８】そこで本発明者らは、部分的には中和され
電荷を持たないトナーや、本来、負極性を維持している
トナーをも、強制的に逆極性に反転させる帯電手段とし
てローラ８を、２次転写位置後、１次転写位置よりも中
間転写体の回転方向にみて上流側に設けることを試み
た。

【００５９】その結果、２次転写後の残トナーのほとん
ど全てを感光体ドラム１に戻すこと、即ち、逆転写が可
能となる事を、本発明者らは確認した。

【００６０】また、２次転写残トナーを感光体ドラム１
へ逆転写することと、感光体ドラム１に形成されたトナ
ー像を中間転写体５に１次転写することと同時に行なっ
た場合、中間転写体５上で逆帯電された２次転写後の残
トナーと、１次転写される正規トナーは、感光体ドラム
１と中間転写体５とのニップ部で、電気的に殆ど中和す
ることなく、逆帯電されたトナーは感光体ドラム１へ、
正規帯電しているトナーは中間転写体５へ各々転写する
ことが分かった。

【００６１】上記理由としては、１次転写バイアスを低
くする事によって、１次転写ニップでの感光体ドラム１
と中間転写体５との間にかかる電界を弱くしてニップ部
での放電を抑え、ニップ部でトナーの極性が変わること
を防止しているためである。

【００６２】さらに、トナーは絶縁性を有するため、逆
極性のトナー同士では短時間で電荷を相殺して極性が反
転したり、中和したりすることはない。

【００６３】従って、中間転写体５上で、上記クリーニ
ングローラ８により正極性に強制的に帯電された２次転
写残トナーは感光体ドラム１へ転写され、これと同時に
感光体ドラム１上の負極性に帯電されたトナー像は中間
転写体５へ転写されるといった各々独立した挙動をと
る。

【００６４】そこで、本実施例では、コンピュータ等に
よって装置外部から１度の像形成開始信号を入力するこ
とによって複数枚の転写材Ｐに連続して単色トナーによ
る画像を形成する際、上記転写材への２次転写終了後に
行なわれる２次転写残トナーの逆転写工程と、次に送ら
れてきた転写材に形成するべく中間転写体５に感光体ド
ラム１からのトナー像が転写される工程とが同時に行な
われる。このように、中間転写体上の残留トナーを感光
体ドラムに移動させながらも所定枚数の転写材Ｐに連続
して像形成を行なうために、設定された複数枚のプリン
トを出力するのに費される時間を短縮している。

【００６５】また、１度の像形成開始信号によって１枚
の転写材Ｐに画像を形成する際には、２次転写後、感光
体ドラム１から中間転写体５へのトナー像の転写を行な
わずに中間転写体に残留した２次転写残トナーを感光体
ドラム１へ逆転写することで中間転写体５のクリーニン
グは完了する。

【００６６】本実施例においては、中間転写体５上の２
次転写残トナーを帯電する帯電手段として、接触型の帯
電手段、具体的には複数層を有する弾性ローラを中間転
写体クリーニングローラ８として用いた。

【００６７】図２に本発明で実際に使用した中間転写体
のためのクリーニングローラ８の概略断面図を示す。

【００６８】本実施例で用いたクリーニングローラ８
は、例えば円筒状の導電性支持体上８３に少なくともゴ
ム、エラストマー、樹脂よりなる弾性層８２を有するロ
ーラ形状、更にはその弾性層８２の上層に一層以上の被
覆層８１を有するローラ形状のものである。

【００６９】円筒状の導電性支持体８３は中間転写体５
に撓むことなくニップが長手方向に均等となるような剛
性を持って当接可能な材質であれば良く、アルミニウ
ム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボンや
金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることができ
る。

【００７０】弾性層８２は、中間転写体５と隙間無く当
接できる硬度を有している事、印加されるバイアスに対
して、ある程度の電気的耐圧を有していれば良い。

【００７１】具体的なゴム材質としてはアクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム（ＮＢＲ）、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロ
プレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポ
リエチレン、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリ
ルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ウレタンスポンジ
等が挙げられる。抵抗値としては体積抵抗率で１０⁵ 〜
１０¹¹好ましくは１０⁵ 〜１０⁷ Ωｃｍ（１ｋＶ印加
時）が望ましい。中間転写体クリーニングローラ８の求
められる抵抗値については後述する。

【００７２】被覆層８１の材質は、中間転写体クリーニ
ングを実現する上で重要なファクターとなる。というの
は中間転写体クリーニングローラ８に求められる機能
は、感光体ドラム上を帯電する帯電ローラと同様だから
である。

【００７３】感光体ドラム上を帯電する帯電ローラは、
抵抗値が非常に安定していて、表面の微視的な抵抗ムラ
が無い場合は短層構成のローラでも機能を満足すること
ができる。これは帯電が感光体ドラム表面材質と帯電ロ
ーラ材質との間に電圧が印加された状態で生じる放電に
依るものであり、放電に寄与する静電容量は抵抗値で決
まってしまうためである。

【００７４】従って、抵抗制御と表面の微視的な抵抗ム
ラを抑えるためにも、２層構成として機能分離し、下層
の弾性層８２で大まかな抵抗値に制御し、表層の被覆層
８１で微調整する方が材料選択肢の拡大、コスト等、製
造上の面からも望ましい。

【００７５】上記の観点から、本実施例においては２層
構成を採っているのだが、被覆層８１に持ち入られる材
質としては、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂
等に、導電材として酸化チタン、酸化スズ等の金属酸化
物を分散し、抵抗制御したものが望ましい。

【００７６】また被覆層としてシート状の樹脂を巻き付
けるタイプでも構わない。

【００７７】被覆層の抵抗は、中間転写体５と接して放
電するために充分な表面抵抗を有している必要がある。
その値としては、１０⁶ 〜１０¹⁵好ましくは１０¹¹〜１
０¹⁵Ω（１ｋＶ印加時）が有効である。

【００７８】表面抵抗の測定には１００×１００ｍｍの
導電性シートに、同様な条件で被覆層を塗布したサンプ
ルを作り、Ａｄｖａｎｔｅｓｔ社製Ｒ８３４０Ａ及びＲ
１２７０４を用い、印加電圧１ｋＶ、ｄｉｓｃｈａｒｇ
ｅ５ｓｅｃ、ｃｈａｒｇｅ３０ｓｅｃ及びｍｅａｓｕ
ｒｅ３０ｓｅｃの条件で測定した値である。

【００７９】本実施例で使用した中間転写体クリーニン
グローラ８の構成は、外径φ１４ｍｍのステンレス製芯
金８３上に、弾性体８２として厚さｔ＝３ｍｍのウレタ
ンスポンジ、体積抵抗率１０⁵ Ωｃｍ（１ｋＶ印加時）
を構成し、被覆層８１として、ナイロン樹脂であるメト
キシメチル化ポリアミドに酸化チタンを分散したものを
用いた。その厚さは１０μｍ、表面抵抗値は１０¹³Ωで
ある。外径は約φ２０ｍｍである。

【００８０】上記ローラ８の実使用抵抗を図５に示す方
法で測定した。ここで言う実使用抵抗とは、弾性層８
２、被覆層８１を含め、中間転写体クリーニングローラ
８としての抵抗のことである。

【００８１】図５において、不図示のモータ等の駆動源
によってアルミシリンダ７１が回転し、それにならって
クリーニングローラ８が従動回転する。その当接圧は、
図１の装置における使用状態と同等としており、総圧１
Ｋｇｆである。このクリーニングローラ８の芯金には、
高圧電源７３より一定の直流電圧Ｖｄｃが印加される。
クリーニングローラ８の弾性層８２、被覆層８１を通過
して流れる電流は、アルミシリンダ７１に流入し、標準
抵抗７２を介して接地される。標準抵抗７２の両端の電
圧をＶｒ〔Ｖ〕とすると、クリーニングローラ８の抵抗
値Ｒｃは次式によって与えられる。

【００８２】Ｒｃ〔Ω〕＝１０⁶ ／Ｖｒ〔Ｖ〕

【００８３】その結果、クリーニングローラ８の実使用
抵抗は４×１０⁸ Ωであった。

【００８４】本発明者らの検討に依れば、クリーニング
ローラ８に望まれる実使用抵抗値は、上記測定方法で５
×１０⁵ 〜１×１０¹⁰好ましくは１０⁸ 〜１０¹⁰Ωの範
囲で使用可能であることが分かった。

【００８５】また被覆層８１の厚みは５〜１００μｍで
効果があることを確認した。

【００８６】次に本実施例に用いた中間転写体５の説明
を図３を用いて行なう。

【００８７】本実施例に用いる中間転写体５は、例えば
円筒状の導電性支持体上に少なくともゴム、エラストマ
ー、樹脂よりなる弾性層を有するローラ形状、更にはそ
の弾性層の上層に一層以上の被覆層を有するローラ形状
のものである。

【００８８】図３は中間転写体５の概略断面図で、５３
は剛体である円筒状導電性支持体、５２は弾性層、５１
は表層である。

【００８９】円筒状導電性支持体５３としては、アルミ
ニウム、鉄、銅及びステンレス等の金属や合金、カーボ
ンや金属粒子等を分散した導電性樹脂等を用いることが
でき、その形状としては、上述したような円筒状や、円
筒の中心に軸を貫通したもの、円筒の内部に補強を施し
たもの等が挙げられる。本実施例で用いた芯金５３は厚
さ３ｍｍのアルミニウムの円筒の内部に補強を施したも
のである。

【００９０】中間転写体５に用いる弾性層５２の厚み
は、転写ニップの形状、回転による色ズレ、材料コスト
等の面で０．５〜７ｍｍが望ましい。また、表層５１の
膜厚は、下層の弾性層５２の柔軟性を、更にその上層あ
るいは感光体ドラム１表面に伝えるために、薄層にする
ことが好ましく、具体的には５〜１００μｍが望まし
い。本実施例で用いた中間転写体５の弾性層５２の厚み
は５ｍｍ、表層５１の膜厚は１０μｍであり、トータル
の外径はφ１８０ｍｍである。

【００９１】また弾性層５２は抵抗値のみを重視しアク
リロニトリル−ブタジエンゴム（ＮＢＲ）に導電材とし
てケッチェンブラックを分散して抵抗を制御したものを
用いた。

【００９２】上記弾性層５２のみの実抵抗を、先の中間
転写体クリーニングローラ８の実使用抵抗を測定した。
図５に示す装置と同様の構成の抵抗測定治具で測定し
た。

【００９３】その結果、中間転写体基層抵抗の望ましい
抵抗範囲は１×１０⁴ 〜１×１０⁷Ω（１ｋＶ印加時）
で、本実施例では１×１０⁶ Ωの抵抗を使用した。

【００９４】その他使用できる弾性層５２のゴム材質と
しては、先の中間転写体クリーニングローラ８の弾性層
８２と同様の材質が挙げられる。

【００９５】また導電材としては例えば、カーボンブラ
ック、アルミニウム粉末、ニッケル粉末等を用いること
ができる。また、樹脂に導電剤を分散させるのではな
く、導電性樹脂を用いることも考えられる。具体的に
は、４級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、
ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセ
チレン及びポリエチレンイミン等が挙げられる。

【００９６】体積抵抗率の測定は上記弾性層５２を１０
０×１００ｍｍ、厚さを適宜のシート状に切り出しＡｄ
ｖａｎｔｅｓｔ社製Ｒ８３４０Ａ及びＲ１２７０４を用
い、印加電圧１ｋＶ、ｄｉｓｃｈａｒｇｅ５ｓｅｃ、
ｃｈａｒｇｅ３０ｓｅｃ及びｍｅａｓｕｒｅ３０ｓ
ｅｃの条件で測定した。

【００９７】中間転写体５の表層５１は２次転写残トナ
ーのクリーニング性に大きく影響するために重要であ
る。表層５１にはウレタン樹脂をバインダーに、抵抗制
御の導電材としてほう酸アルミニウムウィスカー、離型
性向上を目的としてＰＴＦＥパウダー、を分散したもの
を用いた。

【００９８】その表層抵抗を先述と同様の測定方法で測
定したところ、１０¹²Ω（１ｋＶ印加時）であった。本
発明者らの検討に依れば、表層抵抗が１０⁸〜１０¹²Ω
の範囲内であればクリーニング性が良いことが分かっ
た。

【００９９】弾性層５２、表層５１を含む実使用抵抗は
１０⁷Ω（１ｋＶ印加の時）であった。中間転写体５の
実使用抵抗の測定方法も先述の中間転写体クリーニング
ローラ８と同様、図５に示す測定系と同様の手法で行っ
た。

【０１００】次に、本実施例で用いたトナーについて説
明する。

【０１０１】今回検討に用いたトナーは、例えば懸濁重
合法で製造された低軟化物質を５〜３０重量％含み、形
状係数ＳＦ１が１００〜１２０、形状係数ＳＦ２が１０
０〜１２０、粒径が５〜７μｍの実質的球形である非磁
性一成分微粒径重合トナーである。

【０１０２】トナーの形状が球形に限りなく近づくと、
転写効率が高くなると言われている。これは、個々のト
ナーの表面エネルギーが小さくなって、流動性が高ま
り、感光体ドラムなどに対する吸着力（鏡映力）が弱ま
って、転写電界の影響が受けやすくなるためと考えられ
る。

【０１０３】尚、ここでいう形状係数ＳＦ１とは、図６
に示す様に、球状物質の形状の丸さの割合を示す値であ
り、球状物質を２次元平面上に投影してできる楕円状図
形の最大長ＭＸＬＮＧの二乗を図形面積ＡＲＥＡで割っ
て、１００π／４を乗じた時の値で表される。

【０１０４】つまり形状係数ＳＦ１の次式、ＳＦ１＝｛（ＭＸＬＮＧ）²／ＡＲＥＡ｝×（１００π
／４）で定義されるものである。

【０１０５】形状係数ＳＦ２は、図７に示す様に、物質
の形状の凹凸の割合を示す数値であり、物質を２次元平
面上に投影してできる図形の周長ＰＥＲＩを図形面積Ａ
ＲＥＡで割って、１００π／４を乗じた時の値で表され
る。

【０１０６】つまり形状係数ＳＦ２の次式、ＳＦ２＝｛（ＰＥＲＩ）²／ＡＲＥＡ｝×（１００π／
４）で定義されるものである。

【０１０７】本実施例では、日立製作所製ＦＥ−ＳＥＭ
（Ｓ−８００）を用い、トナー像を１００回無作為にサ
ンプリングし、その画像情報は、インターフェースを介
して、ニコレ社製画像解析装置（ＬＵＳＥＸ３）に導入
して解析を行い、上式より算出したものである。

【０１０８】上記重合トナーの概略構成図を図４に示
す。

【０１０９】図４に示すように重合トナー９は、その製
造法上球形となる。本実施例ではコア９３にエステル系
ワックスを内包し、樹脂層９２にスチレン−ブチルアク
リレート、表層９１にスチレン−ポリエステルという構
成の重合トナーを用いた。その比重は約１．０５であ
る。３層構成となっている理由は、コア９３にワックス
を内包することで、定着工程でのオフセット防止効果が
得られ、また表層９１に樹脂層を設けることによって帯
電効率のアップを図っているためで、また実際に使用時
には、トリボ安定化のためにオイル処理したシリカを外
添している。

【０１１０】本実施例で使用した、上記トナーのトリボ
（Ｑ／Ｍ）はおよそ−２０μＣ／ｇである。

【０１１１】次に本実施例で使用した感光体ドラム１
は、外径がφ６０ｍｍのＯＰＣで、電荷発生層（Ｃａｒ
ｒｉｅｒＧｅｎｅｒａｔｉｏｎＬａｙｅｒ）とし
て、０．２〜０．３μｍのフタロシアニン化合物を用
い、その上層の電荷輸送層（ＣａｒｒｉｅｒＴｒａｎ
ｓｆｅｒＬａｙｅｒ、以下ＣＴ層）には、バインダー
のポリカーボネート（以下ＰＣ）中にヒドラゾン化合物
を分散して、厚さを１５〜２５μｍとしたものを用い
た。

【０１１２】本実施例では２次転写手段として転写ベル
ト６を用いている。転写ベルト６を支持しているバイア
スローラ６２とテンションローラ６１は、同じ材質で構
成しても、他の材質で構成していても一向に構わない。
本実施例では体積抵抗率５×１０⁷Ω・ｃｍ（１ｋＶ印
加時）のＮＢＲを用いた。硬度はＪＩＳＡで３０〜３
５度である。両ローラはφ８ｍｍのＳＵＳ芯金上に外径
φ２０ｍｍになるように構成した。

【０１１３】上記ローラ６２の材質としては、体積抵抗
率が１×１０⁴〜１×１０⁹Ωｃｍ（１ｋＶ印加時）で制
御され、電圧依存性（高電圧を印加すると抵抗が下が
る）が著しく悪いものでなければよい。他に挙げられる
材質としては、ＥＰＤＭ、ウレタンゴム、ＣＲ等適当な
導電剤が分散可能なもので有ればよい。

【０１１４】次に転写ベルト６であるが、その外径寸法
はφ８０×３００ｍｍのチューブ形状で、厚さは１００
μｍ、体積抵抗率は１×１０⁸〜１×１０¹⁵Ωｃｍ（１
ｋＶ印加時）である。

【０１１５】本実施例では、シリコン変性ポリカーボン
にカーボンを分散し、体積抵抗率１０¹¹Ωｃｍ、表面抵
抗１０¹²〜１０¹³Ωに制御した樹脂ベルトを用いた。

【０１１６】転写ベルト６としては使用可能な他の素材
として、樹脂系ポリカーボネード（ＰＣ）、ナイロン
（ＰＡ）、ポリエステル（ＰＥＴ）、ポリエチレンナフ
タレート（ＰＥＮ）、ポリサルフォン（ＰＳＵ）、ポリ
エーテルサルフォン（ＰＥＩ）、ポリエーテルイミド
（ＰＥＩ）、ポリエーテルニトリル（ＰＥＮ）、ポリエ
ーテルケトン（ＰＥＥＫ）、熱可塑性ポリイミド（ＴＰ
Ｉ）、熱硬化性ポリイミド（ＰＩ）、ＰＥＳアロイ、ポ
リフッ化ビニリデン（ＰＶｄＦ）、エチレンテトラフル
オロエチレン共重合体（ＥＴＦＥ）等があり、エラスト
マー系ではポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポ
リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱
可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱硬化性エラスト
マー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリアミ
ド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラスト
マー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリエ
チレン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系
熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラ
ストマー、等が挙げられる。

【０１１７】その他の条件は、中間転写体５の感光体ド
ラム１に対する当接圧は２Ｋｇｆ。クリーニングローラ
８の中間転写体５に対する当接圧は１Ｋｇｆ。転写ベル
ト６の中間転写体５に対する当接圧は５Ｋｇｆである。

【０１１８】感光体ドラム上暗電位（１次帯電による非画像部電位）：Ｖｄ＝−６００Ｖ明電位（レーザ露光による画像部電位）：Ｖ１＝−２５０Ｖ現像方法：非磁性１成分ジャンピング現像現像バイアス：Ｖｄｃ＝−４００ＶＶａｃ＝１６００Ｖｐｐ周波数＝１８００Ｈｚプロセススピード：１２０ｍｍ／ｓｅｃ１次転写バイアス：＋１００Ｖである。

【０１１９】以上詳述した条件を、図１に示す構成を持
つレーザプリンタに組み込み、中間転写体クリーニング
の効果を確認した。

【０１２０】クリーニングローラ８は、中間転写体５か
ら転写材Ｐへの２次転写開始後であって、中間転写体５
に形成されていたトナー像の先端がクリーニングローラ
８の当接位置に到達する前に、中間転写体５に当接され
る。そして、ローラ８は転写材Ｐに転写されずに中間転
写体５上に残留したトナーを正極性に帯電する。この正
極性に帯電された２次転写残トナーは、連続して画像形
成が行われる場合、１色目であるイエロートナー像の感
光ドラム１から中間転写体５への１次転写と同時に１次
転写位置で感光ドラム１へと逆転写され、感光ドラム１
のクリーナ１３によって回収される。また、イエロート
ナー像が形成された中間転写体５に２色目以後のトナー
像を重畳転写するときは、クリーニングローラ８が中間
転写体５に当接することで乱す原因になるため、このク
リーニングローラ８の中間転写体に対して非接触状態に
する。即ち、２色目以後の１次転写時に逆転写工程は行
われない。

【０１２１】図８は、中間転写体５上に残存する２次転
写後の残トナー濃度が、２次転写バイアス値に依存する
特性を示すグラフである。残トナー濃度の測定は、中間
転写体５上の残トナーをテーピングしＭａｃｂｅｔｈ濃
度計を用いて行っている。

【０１２２】図８において、転写材ｐへの単色画像転写
時も４色多重転写時もほぼ１０〜１５μＡの２次転写電
流で転写後の残トナーの量が最低、言い換えると転写効
率が最大となっているのが分かる。このとき中間転写体
５に一次転写されたトナー量Ｍ／Ｓ（ｍｇ／ｃｍ²）は
単色で０．５（ｍｇ／ｃｍ²）、４色多重時で１．４
（ｍｇ／ｃｍ²）である。

【０１２３】中間転写体クリーニングを良好に行うに
は、勿論、可能な限り中間転写体５上の残トナーは少な
い方がよい。

【０１２４】この残トナー量が多い場合、クリーニング
ローラ８で残トナーを帯電し、感光体ドラム１に逆転写
して戻すときに、大きな力を必要とするため強い転写電
界をかける必要がでてくる。しかし、逆転写のためにこ
のような強い電界を中間転写体５に印加すると、既に２
次転写で逆極性（正）に帯電されているトナーさえも更
に強く帯電するため、これら中間転写体上の残トナーの
中に異常に高い電荷を有するトナーが発生してしまう。

【０１２５】図１０は、上記現象を模式的に表した図で
ある。

【０１２６】図１０を用いてこの現象を説明する。１次
転写前感光体ドラム１上のトナー９４のトリボの平均値
Ｑ／Ｍ（μＣ／ｇ）が約−２０（μＣ／ｇ）であると
き、１次転写直後のトリボはほとんど変化しない。これ
は１次転写バイアスが＋１００Ｖと低い値であるためで
ある。これは１次転写バイアスを高くすると、トナーは
１次転写でも若干反転し、結果的に２次転写効率が落ち
てしまう、という現象が確認されたためで、２次転写効
率を上げるため前記バイアス値に設定した。

【０１２７】中間転写体５上に１次転写されたトナーは
トリボ約−２０（μＣ／ｇ）を保持したまま、２次転写
行程に入り転写材に転写されるが、このときは転写効率
を高めるために設定された比較的高い、２次転写の最適
バイアスで転写される。

【０１２８】中間転写体５上に２次転写の後に中間転写
体に残るトナー９５は、この２次転写で大半のトナーが
逆極性に反転する。このときの中間転写体５上のトリボ
の平均値を測定したところ、＋１０〜２０（μＣ／ｇ）
であった。

【０１２９】更に、クリーニングローラ８に任意のバイ
アスを印加し、残トナー９５の殆どをトナー９４の逆極
とは逆極性に反転させてやると、結果的にこのローラ８
により帯電されたトナー９６のトリボの平均値は＋４０
〜５０（μＣ／ｇ）と大きくなる。

【０１３０】この様に残トナーが強いプラスに帯電を帯
びるため、結果として感光体ドラム１に逆転写して感光
体ドラム１に戻るのである。

【０１３１】しかし、トナー９５の量が多かったり、ト
ナー９６の中で異常に強いプラスに帯電されるトナーが
生じてしまうと、図１０に示すように、１次転写時、１
次転写しようとするトナー９４を感光体ドラム１に戻ろ
うとするトナー９６とが入れ違う際、戻ろうとするトナ
ー９６自身の帯電量が大きいため、中間転写体に１次転
写されるべきトナー９４を引きつけて、感光体ドラム１
に引き戻してしまう状態で１次転写を終えてしまう。

【０１３２】このような状態のものとでは実際の画像と
しては、連続プリントを設定した場合の２枚目以降の出
力に、その１つ前のプリント時に残ったトナー像の跡が
ゴーストとして現れてしまう。本発明者らはこの現像を
「クリーニングゴースト」と呼ぶことにした。

【０１３３】従って、本発明の中間転写体に残留したト
ナーのクリーニングを実施するには、感光体ドラム１に
戻るトナー９６の量と電荷量をある程度制御し、クリー
ニング不良とネガゴーストの双方が発生しないようにす
る必要がある。本願発明者らは、この制御を２次転写バ
イアス値と中間転写体クリーニングローラ８に印加する
バイアス値とを変えて実験して適切な範囲を探してみ
た。

【０１３４】２次転写残トナーの量は先述の図８に示す
ように、２次転写バイアスが約１０〜１５μＡで最小に
なり、適切値であるのが分かっているので、この範囲の
バイアス値として設定することにした。

【０１３５】ローラ８による帯電後のトナー９６の電荷
量の制御は、中間転写体クリーニングローラ８に印加す
るバイアス値の設定を変えることで行う。

【０１３６】図９は、このクリーニングローラ８に印加
するバイアス値を振って、クリーニング不良とネガゴー
ストのラチチュードを観察した結果を示す表である。こ
のとき２次転写バイアス値は１２μＡとした。

【０１３７】図９に示すように、単色出力モード（一色
のトナーのみを使用して転写材に記録画像を出力する）
時の場合、クリーニングローラへの印加バイアス値が、
０〜５μＡでクリーニング不良となり、同値が４０μＡ
以上ではネガ状のゴースト像が発生している。４色多重
出力モードの場合は上記バイアス値が０〜１０μＡでク
リーニング不良となり、同値が５０μＡ以上で上記同様
のネガ状のゴースト像が発生することがわかる。

【０１３８】上記クリーニング不良、ネガ状ゴースト像
の発生を押さえる条件のラチチュードが単色モード、４
色多重モードでシフトしているのは、２次転写時にトナ
ーが受ける電界が転写すべきトナーの量が相違するので
異なるためであり、単色時は２次転写で殆どが逆極性に
帯電し、中間転写体クリーニングバイアスによる逆転写
が効果が強くなる。しかし４色多重モード時は中間転写
体５上に１次転写されるトナー量が多いため、逆極性に
帯電される２次転写後の上記残トナーの量が、若干少な
くなるためである。

【０１３９】従って、単色モード時、及び４色多重転写
モードにおいて、上記クリーニングバイアス値を２０〜
３０μＡ程度に設定することによって、クリーニング不
良、ネガ状ゴースト像が共に発生せず、１次転写と同時
に行われる中間転写体上の残トナーのクリーニングが実
現される。

【０１４０】本実施例で述べた弾性帯電ローラタイプの
帯電手段８を用いて、本実施例の中間転写体のクリーニ
ング行程を実施し、先述のレーザプリンタＡ４サイズ
（ＪＩＳ規格）の転写材に１００，０００枚の連続プリ
ントを行ったところ、中間転写体のクリーニング不良が
原因となる画像不良によっていっさい生じなかった。ま
た、クリーニングローラ８自身も、中間転写体５によっ
て従動回転しているため磨耗もせず、ごく微量のトナー
付着による汚れる程度で何のトラブルも発生しなかっ
た。

【０１４１】以上述べたように本実施例によれば、１次
転写後の感光体ドラム上の残トナーのクリーニングと同
時に、中間転写体の残トナーのクリーニングが可能とな
るため、カラーレーザプリンタ、カラー複写機などで連
続プリントモードで複数枚プリントアウトする場合な
ど、各１枚プリントアウト毎に中間転写体の残トナーを
クリーニングするステップをこのプリントアウト終了の
都度入れなくても良いことから、大幅な出力時間の短縮
が実現できる。

【０１４２】また、本発明によれば回収したトナーを送
るための機構や、複雑なクリーニング機構や中間転写体
の残トナー回収用の容器を必要とせず、上記ローラのよ
うな接触もしくはコロナ放電器のような非接触帯電器８
のみで中間転写体の残トナーのクリーニングができるた
め、構成が非常に簡単となり低コストのクリーニング手
段が提供できる。

【０１４３】更に本発明によれば、従来のブレードクリ
ーニング、ファーブラシクリーニング等に較べ、使用す
るパーツに機械的損傷を与えることが無くなるので、長
期の使用にも充分耐え、安定した中間転写体のクリーニ
ング手段を提供することができる。

【０１４４】本実施例では、外径φ２０ｍｍの中間転写
体のクリーニングのための電極ローラを用いたが、本発
明者らの検討に依れば、外径がφ１２〜３０ｍｍ程度の
ローラで、同様の機能を果たすことが確認された。勿
論、スペースが許す範囲で、外径を大きくする分には何
も問題は無い。

【０１４５】また、本実施例では円筒状の感光体ドラム
と、中間転写体を用いたが、ベルト状の感光体ドラム、
中間転写体でもなんら問題なく同様の効果が得られるの
は言うまでもない。

【０１４６】また、トナーとして懸濁重合法により製造
された重合トナーを用いたが、通常の粉砕法で製造され
たトナーも、中間転写体クリーニングバイアスを最適化
することによって使用可能である。

【０１４７】また、２次転写手段として、ベルト転写方
式を用いたが、従来のコロナ転写、転写ローラ方式を用
いても、発明の効果に変わりはない。

【０１４８】ところで本実施例では反転現像を行う系で
説明したが、正規現像を行う系においても同様の効果が
得られる。以下、この正規現像における場合について説
明する。

【０１４９】この正規現像で用いられるトナーは、感光
体ドラムに形成する静電潜像とは逆極性に帯電してい
る。上記実施例のように潜像が負極性の場合は、正極性
のトナーが適用される。また、正規現像においては、バ
ックグランド露光が採用されるので、上記反転現像のと
きには、明部電位と暗部電位とが逆の関係となる。

【０１５０】中間転写体に印加される１次転写のための
バイアスは、このトナーと逆極性、即ち、感光体ドラム
潜像電位と同極性で且つ、この潜像の電位よりも負の方
向に高い負極性の電圧が印加される。例えば潜像の電位
が−６００Ｖであるときは、中間転写体に−７００〜−
８００Ｖ程度の１次転写バイアスを印加する。

【０１５１】２次転写も同様に負極性のバイアスを印加
し、転写材へ最終トナー像を転写する。

【０１５２】このようにして２次転写を終了した後に、
この中間転写体に残留するトナーの極性は正負極性が混
在して不安定な状態である。このため、この残トナーの
除去においても上記実施例と同様に、残トナーをトナー
本来の極性とは逆極性に帯電する。

【０１５３】以上のようにして帯電した残トナーは、上
記１次転写位置を通過するとき、感光体ドラム側の電位
がこの残トナーよりも高い。このため、次の１次転写時
に、中間転写体上の残トナーは１次転写と同様に感光体
ドラムへ逆転写される。

【０１５４】（第２の実施例）本発明の第２の実施例
は、実施例１のクリーニングローラ８に換えて導電性の
ファーブラシを用いている。

【０１５５】ファーブラシが中間転写体クリーニング手
段として効果がある理由は、導電性のブラシが２次転写
トナーに対して電荷注入により帯電させることができる
点と、電荷注入の際に中間転写体上の２次転写後の残ト
ナーを散らし、前のプリントによる残像状のトナーによ
るパターンの形跡を消すことが可能となる。そして、そ
の結果として、第１の実施例で述べたネガ状のゴースト
像の発生を更に良好に抑えることができるというメリッ
トがある。

【０１５６】図１１に導電性ファーブラシ１３の概略断
面図を示す。図１１おいて、植毛状の導電性ブラシ１３
１は芯金１３２上に巻かれて構成され、このブラシの材
質はナイロンで、導電性カーボンブラック微粒子を分散
し抵抗制御している。その抵抗値は約１０²〜１０³Ω
（１０Ｖ印加時）である。

【０１５７】本実施例で用いたブラシ１３１の繊度は２
８８デニール／４８フィラメントで密度は１００，００
０フィラメント／インチ²である。

【０１５８】芯金径はφ１０ｍｍ、ブラシ長さは約４ｍ
ｍで、ファーブラシ径としては約２０ｍｍとした。

【０１５９】その他使用可能なブラシを構成する材質と
しては、レーヨン、アクリル、ポリエステル、ポリプロ
ピレン等、導電材の分散、若しくは繊維中に導電材を封
じ込める、等して導電性が付与できるタイプのものが望
ましい。

【０１６０】ブラシの抵抗値は、一般的に制御が難しい
が使用可能な抵抗範囲は、本発明者らの検討に依れば、
１０¹²Ω（１ｋＶ印加時）程度の導電性が付与されてい
れば、中間転写体のクリーニングバイアスを付与する手
段として一定以上の効果が得られることが確認された。

【０１６１】抵抗の測定法は、アルミ板等の金属板に対
して、ブラシの侵入量が２ｍｍとなるように接触させ、
芯金に１ｋＶの電圧を印加し、このときブラシに流れる
電流をモニターして求めた。

【０１６２】ブラシの繊度および密度は、単位面積当た
りのブラシ本数が多ければ、クリーニング性が良いこと
から、密度が５０，０００フィラメント／インチ²以上
あれば効果が得られた。

【０１６３】上記構成の導電性ファーブラシ１３を図１
に示したレーザプリンタに組み込み、作用することで中
間転写体のクリーニング効果を確認した。

【０１６４】その他の構成及び作動条件は、第１の実施
例と同様なのでここでの説明は省略する。

【０１６５】なお、ファーブラシ１１は従来のファーブ
ラシを駆動する場合と同様の不図示の回転駆動系で回転
され、その方向は摺擦部で中間転写体５と順方向に回転
している。中間転写体５の回転方向とカウンター方向に
回転させると、中間転写体５上のトナーを掻き落とし、
その結果、このトナーの機内飛散が激しくなるため順方
向に周速差をもって回転することが望ましい。本実施例
においては、ファーブラシ１３の中間転写体５への侵入
量は約２ｍｍである。

【０１６６】本発明者らの検討に依れば、ファーブラシ
１３の周速は中間転写体５のそれに対して１１０〜１６
０％付近で効果があり、１１０％以下であると、中間転
写体クリーニングバイアスの大小でクリーニング不良、
ネガ状ゴースト像が発生しやすくなる。また、周速１６
０％を越えると、カウンター方向の場合同様、除去した
トナーによる機内飛散が激しくなって装置内を汚してし
まう恐れがある。

【０１６７】本実施例では、中間転写体５に対する周速
１３０％で、順方向にファーブラシを回転させた。そし
てファーブラシに印加するバイアスを変えて中間転写体
５上のクリーニングがどの様に変わるか確認した。

【０１６８】図１２にそのときの実験結果を示す。

【０１６９】図１２において、単色モード時、４色多重
モード時において同様の結果となった。これは中間転写
体５上の上記クリーニングのための帯電後の２次転写残
トナー量は、図８に示すように単色時と４色多重時とで
ほぼ同量であった。それはファーブラシ１３による注入
帯電効率が高いため、２次転写残トナーの若干のトリボ
差が無視できるほど小さくなるためである。また、ファ
ーブラシ１３の散らし効果により高い印加バイアスで
も、２枚目の画像には全くネガ状のゴースト像は発生し
なかった。

【０１７０】図１２の表が、印加電圧５００Ｖとなって
いるのは、これ以上の電圧を印加すると中間転写体５に
も大量の電流が流れ込み、１次転写バイアスに悪影響を
及ぼして、画像を劣化させてしまうからである。従って
実使用状態では３００Ｖ〜５００Ｖの範囲で使用するの
が望ましい。

【０１７１】本実施例で述べた接触する帯電用ファーブ
ラシ１３による中間転写体クリーニング手段を使用し、
２次転写バアイス値を先の実施例１同様１２μＡに設定
し、先述のレーザプリンタで１００，０００枚の連続プ
リント試験を実施したところ、中間転写体クリーニング
に関係する画像不良はいっさい生じず、安定した中間転
写体のクリーニングが実現できた。

【０１７２】更に弾性帯電ローラタイプに較べファーブ
ラシタイプは、中間転写体上の上記残トナーを散らしな
がら電荷付与ができるので、ネガ状ゴースト像がまった
く発生せず、クリーニング効果のラチチュードがより広
がるというメリットがある。

【０１７３】（第３の実施例）本発明の第３の実施例
は、実施例１のクリーニングローラ８に換えて非接触帯
電手段であるコロナ帯電器を用いた。

【０１７４】コロナ帯電器が残トナーのクリーニング用
帯電手段としてのメリットは、中間転写体に対して非接
触であるため、作動状況に応じて上記のように接離する
必要がない。よって構成が非常に簡単となり、低コスト
で実現できる点と、耐久による劣化の心配がない点、更
に中間転写体へのコロナ放電のタイミングが、例えば１
次転写などの他の行程に左右されず、自由に設定できる
点などが挙げられる。

【０１７５】図１３に中間転写体クリーニング手段とし
てコロナ帯電器１６を組み込んだレーザプリンタの概略
構成図を示す。中間転写体クリーニング手段を除く、他
の構成要素の作用は先述の第１の実施例中の図１のレー
ザプリンタと同様であるため、ここでの説明は省略し、
コロナ帯電器１６による中間転写体５の残トナーのクリ
ーニングについて詳述する。

【０１７６】中間転写体のクリーニングのためのコロナ
帯電器１６の中間転写体５への放電のタイミングは、中
間転写体５から転写材Ｐへの２次転写開始後であって、
中間転写体５に形成されていたトナー像の先端位置がコ
ロナ帯電器１６の位置に到達する前である。

【０１７７】図１４にコロナ帯電器１６を上記クリーニ
ング手段として用いた場合の印加バイアスの定義の仕方
を示す。コロナ帯電器１６によって中間転写体８に流れ
る放電電流Ｉｃは、高圧電源１６２より定電流制御で電
流Ｉｓをコロナワイアー１６０に電流を流し、シールド
板１６１に流れる電流Ｉｒを差し引いた値、即ちＩｃ＝Ｉｓ−Ｉｒで求められる。本実施例では放電電流Ｉｃの値をクリー
ニングバイアスとして、放電電流Ｉｃと中間転写体のク
リーニング効果との関係を検討した。

【０１７８】その結果を図１５に示す。このとき２次転
写バイアスも１２μＡである。

【０１７９】コロナ帯電器１６は先の実施例で述べた、
弾性ローラ及びファーブラシタイプ等の接触帯電手段よ
りも帯電効率が高いため、少ない放電電流でも充分中間
転写体５上の２次転写残トナーを帯電できる。従って、
放電電流が大きくなり過ぎるとネガゴーストが発生し易
い。

【０１８０】本発明者らの検討では、単色では５〜２０
μＡ、４色多重でも１０〜２０μＡでクリーニング性が
良好であることが分かった。

【０１８１】本実施例で述べた中間転写体に対して非接
触のコロナ帯電器１６をクリーニング手段として使用
し、２次転写バイアス値を先の実施例１同様１２μＡに
設定し、先述のレーザプリンタで１００，０００枚の連
続プリント試験を実施しその結果中間転写体のクリーニ
ングに関する画像不良はいっさい生じず、安定して中間
転写体をクリーニングできた。

【０１８２】更に接触帯電タイプに較べ非接触コロナ帯
電器は、汚れ、耐久性等の面で優れているため、製品本
体の耐久寿命まで無交換で使用できるというメリットも
ある。

【０１８３】以上説明したように本実施例では、中間転
写体２次転写後に残留するトナーを像担持体が担持する
トナー像の帯電極性と逆極性に帯電する帯電手段を設
け、この帯電手段によって帯電されたトナーを、像担持
体のトナー像を中間転写体に転写する１次転写と同時に
中間転写体から像担持体に逆転写することによって実行
するため、中間転写体をクリーニングするためだけに要
する時間が必要なく、所定時間の間に出力可能な転写材
の枚数を向上させることが可能となる。

【０１８４】（第４の実施例）上記の第１の実施例の装
置に適応可能な本発明の第４の実施例について説明す
る。

【０１８５】第４の実施例における装置構成、及び、中
間転写体５に複数回の１次転写をすることによって複数
色のトナー像を転写材上に重ねて形成し、このトナー像
を転写材に一括して転写するフルカラーモード時のシー
ケンスは、第１の実施例と同じである。

【０１８６】第２の実施例では１回の１次転写を行うこ
とによって中間転写体５に単色のトナー像を形成し、こ
のトナー像を転写材に転写するモノカラーモード時に、
コンピュータ等から１度のプリントスタート信号を入力
することにより、複数枚の転写材に連続して像形成を行
うシーケンスが第１の実施例とは異なる。

【０１８７】以下、図１８を用いて説明を行う。

【０１８８】本実施例において、１次転写バイアスは感
光体ドラム１に形成されたブラックトナー像が１次転写
位置に到達する前に印加を開始され、最終の転写材への
２次転写後に中間転写体５に残留した２次転写残トナー
の後端が１次転写位置を通過するまで少なくとも印加さ
れる。これは第１の実施例と同じである。

【０１８９】ここで本実施例では、クリーニングローラ
８を１次転写バイアスの印加タイミングと同時に中間転
写体５に当接し、高圧電源２７によってバイアスを印加
する。そして、最終の転写材への２次転写後に残留した
２次転写残トナーの後端がローラ８の当接位置（帯電位
置）を通過するまで少なくとも当接及びバイアスの印加
を継続する。

【０１９０】即ち本実施例では、１次転写が行われてい
る間にローラ８の接離動作及びバイアス印加の切替動作
が行われないため、機械的及び電気的影響を受けること
なくさらに良好な１次転写を行うことが可能となる。

【０１９１】なお、本実施例においてはものカラーをブ
ラックの場合で説明したが、これは他の色トナーの場合
でも同様である。

【０１９２】（第５の実施例）図１９は本発明の第５の
実施例を説明する装置の図である。図中第１、４の実施
例と異なるのはクリーニングローラ８がフルカラーモー
ドの連続画像形成時においても中間転写体５に接触した
状態のままであること、クリーニングローラ８に印加さ
れるバイアスを出力する高圧電源２７がプラスのバイア
スとマイナスのバイアスのどちらかが出力可能になって
いることである。

【０１９３】高圧電源２７により出力されるプラスのバ
イアスは実施例１、４と同じバイアスであり、マイナス
のバイアスは中間転写体５上のトナーの平均トリボＱ／
Ｍが変化しないバイアスであり、電圧としては−５０〜
−５００Ｖである。

【０１９４】図２０は本実施例の装置のフルカラーモー
ドの連続画像形成時の動作タイミングを示す図である。
現像、１次転写、２次転写などの一連の動作は実施例
１、４と同様に行われる。

【０１９５】クリーニングローラ８は中間転写体５に接
触状態で固定されており、４色の１次転写画像上にクリ
ーニングローラ８が接触する間は図２０の「クリーニン
グローラ負バイアス」に示されるタイミングでマイナス
の電圧が印加される。よって、中間転写体５上に１次転
写されたトナー像の極性を変化させることがない。

【０１９６】次に２次転写途中で、実施例１のフルカラ
ーモード時のクリーニングローラの当接のタイミングと
同じタイミングで２次転写後のトナーをプラスに帯電さ
せるためのプラスのバイアスが上記ローラ８に印加され
る。

【０１９７】１枚目の転写材への２次転写が終了した
後、クリーニングローラ８と中間転写体５とによるニッ
プ部（帯電位置）を２次転写残トナー後端が過ぎた時点
で図２０の「クリーニング正バイアス」で示されるよう
にプラスのバイアスから、「クリーニングローラ負バイ
アス」でしめされるようにマイナスのバイアスに切り替
わる。

【０１９８】最終頁である２頁目の印字は１色目の１次
転写で感光体ドラム１に残トナーが戻ることを除き１頁
目の印字と同様であり、印字終了後も図２０に示すよう
に１次転写バイアスおよびクリーニングローラ正バイア
スが保持され後回転が行われる。このタイミングは実施
例１と同様である。

【０１９９】次に本実施例のモノカラーモード時の動作
を説明する。図２１はブラックモノカラーモード時の動
作シーケンスを示す図である。ブラック以外の色のモノ
カラー時の場合も以下に説明するのと同様となる。

【０２００】クリーニングローラ８にはフルカラー時と
異なり図２１の「クリーニングローラ正バイアス」で示
されるタイミングで残トナーをプラスに帯電するバイア
スが印加される。この印加タイミングは図２１に示すよ
うに１次転写開始時から最終頁である８枚目の印字後、
クリーニングローラ８と中間転写体５のニップ部を残ト
ナー像の後端が過ぎた時点までである。その他の動作タ
イミングについてはクリーニングローラ８の接離がない
ことを除いて実施例１、４と同様である。

【０２０１】上記実施例においては、デジタル光学系を
適用したフルカラープリンタに本発明を適用した場合を
示したが、赤青黄黒等の各トナーを用いた画像形成装
置、若しくは、単色のトナーを用いた装置に対しても有
効である。即ち、単色しか再生できない装置であって
も、上記のような画像を出力するモードが連続モードあ
るならばスループット時間の短縮の向上に有効である。

【０２０２】また、像担持体に２次転写したトナーをク
リーニングしたトナーをこの像担持体から除去する手段
としては、従来のブレードやブラシ等の周知のクリーニ
ング手段が適用可能である。

【０２０３】更に、中間転写体としてはドラム状のもの
に限らず、ベルト状のものでも良い。転写材としては普
通紙以外にも、樹脂シートや封筒やカード、又は葉書で
あっても良い。像担持体としては電子写真感光体以外に
も静電記録用の誘電体や磁気記録用の磁性体などが適用
可能である。

【０２０４】

【発明の効果】以上の本発明によれば、中間転写体上に
２次転写後に残留するトナーのクリーニングにおいて、
回収したトナーと収容する容器を必要とせず、また、次
の１次転写工程と同時に中間転写体上の残留トナーを像
担持体へ逆転写するので、クリーニングのための空回転
工程を要さず、画像形成時間の短縮につながる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例のレーザプリンタの概略
断面図。

【図２】第１の実施例のレーザプリンタに組み込んだ中
間転写体クリーニングローラの概略断面図。

【図３】中間転写体の拡大断面図。

【図４】本発明で使用した重合トナーの概略断面図。

【図５】本発明で使用した中間転写体クリーニングロー
ラ及び中間転写体の実使用抵抗測定器の概略断面図。

【図６】形状係数ＳＦ１の説明図。

【図７】形状係数ＳＦ２の説明図。

【図８】本発明の説明で用いたレーザプリンタの２次転
写電流と中間転写体上２次転写残濃度の関係を示すグラ
フ図。

【図９】弾性帯電ローラの中間転写体クリーニング特性
を示す図。

【図１０】クリーニングネガゴーストのメカニズム説明
図。

【図１１】本発明の第２の実施例で用いたファーブラシ
タイプの中間転写体クリーニング手段の概略図。

【図１２】ファーブラシ帯電クリーニング手段の中間転
写体クリーニング特性を示す図。

【図１３】本発明の第３の実施例のレーザプリンタの概
略断面図。

【図１４】本発明の第３の実施例のコロナ帯電器による
中間転写体クリーニング手段を示す図。

【図１５】コロナ帯電クリーニング手段の中間転写体ク
リーニング特性を示す図。

【図１６】本発明の第１の実施例の装置のフルカラー時
の動作シーケンスを示す図。

【図１７】本発明の第１の実施例の装置のモノカラー時
の動作シーケンスを示す図。

【図１８】本発明の第２の実施例の装置のモノカラー時
の動作シーケンスを示す図。

【図１９】本発明の第３の実施例のレーザプリンタの概
略断面図。

【図２０】本発明の第３の実施例の装置のフルカラー時
の動作シーケンスを示す図。

【図２１】本発明の第３の実施例の装置のモノカラー時
の動作シーケンスを示す図。

【符号の説明】

１感光体ドラム２帯電ローラ３レーザ光５中間転写体６転写ベルト８中間転写体クリーニングローラ９トナー１３中間転写体クリーニングファーブラシ１６中間転写体クリーニングコロナ帯電器４１〜４４現像器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者西村克彦東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内 (72)発明者小酒達東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤノン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】中間転写体を用いて転写材にトナー像を
形成する画像形成装置において、像担持体と、像担持体にトナー像を形成するトナー像形成手段と、像担持体に接触して無端移動する中間転写体と、像担持体に形成されたトナー像を、中間転写体の第１の
転写位置でこの中間転写体に１次転写するためのバイア
ス印加手段と、中間転写体に転写されたトナー像を、中間転写体の第２
の転写位置で転写材に２次転写する転写手段と、転写後にこの中間転写体に残留する残トナーを、このト
ナーの本来の極性とは逆極性に帯電する残トナー帯電手
段とを有し、上記２次転写後、中間転写体上の残トナーをこのトナー
の本来の極性とは逆極性に上記残トナー帯電手段で帯電
し、この帯電された残トナーを１次転写中に１次転写位
置を通過させることで、１次転写と同時に、この残トナ
ーを上記像担持体に逆転写することで中間転写体の残ト
ナーを除去する画像形成装置。
【請求項２】上記像担持体は電子写真感光体であっ
て、トナーが持つ極性と同極性に帯電し、反転現像によ
りトナー像を形成する請求項１の画像形成装置。
【請求項３】上記１次転写するためのバイアス印加手
段には、トナーの極性とは逆極性のバイアスが適用され
る請求項１の画像形成装置。
【請求項４】上記中間転写体は導電層有し、バイアス
印加手段によりこの導電層に１次転写のためのバイアス
が印加される請求項１の画像形成装置。
【請求項５】上記像担持体は電子写真感光体であっ
て、トナーが持つ極性と逆極性に帯電し、正規現像によ
りトナー像を形成する請求項１の画像形成装置。
【請求項６】上記１次転写するためのバイアス印加手
段は、トナーが持つ極性と逆極性のバイアスが印加され
る請求項５の画像形成装置。
【請求項７】上記中間転写体は導電層を有し、バイア
ス印加手段によりこの導電層に１次転写のためのバイア
スが印加される請求項６の画像形成装置。
【請求項８】上記残トナー帯電手段は、中間転写体に
対して接離する電極手段である請求項１の画像形成装
置。
【請求項９】上記電極手段は回転ローラである請求項
８の画像形成装置。
【請求項１０】上記電極手段はコロナ帯電器である請
求項８の画像形成装置。
【請求項１１】中間転写体を用いて転写材にトナー像
を形成する画像形成装置において、像担持体と、像担持体に複数の色トナーによるカラートナー像を形成
するトナー像形成手段と、像担持体に接触して無端移動する中間転写体と、像担持体に形成されたトナー像を、色毎に順次に中間転
写体の第１の転写位置で、この中間転写体に１次転写す
るためのバイアス印加手段と、中間転写体に転写されたトナー像を、中間転写体の第２
の転写位置で転写材に一括して２次転写する転写手段
と、転写後にこの中間転写体に残留する残トナーを、このト
ナーの本来の極性とは逆極性に帯電する残トナー帯電手
段とを有し、上記単色トナーにより画像を形成する第１の像形成モー
ドのときは、上記単色トナーによるトナー像を中間転写
材に転写する都度、転写材にトナー像を２次転写し、ま
た、複数の色トナーにより画像を形成する第２の像形成
モードのときは、複数の色トナーを順次に中間転写材に
転写した後、一括して転写材にトナー像を２次転写した
後、中間転写体上の残トナーをこのトナーの本来の極性
とは逆極性に上記残トナー帯電手段で帯電し、この帯電
された残トナーを１次転写中に１次転写位置を通過させ
ることで、１次転写と同時にこの残トナーを上記像担持
体に逆転写することで中間転写体の残トナーを除去する
画像形成装置。
【請求項１２】上記像担持体は電子写真感光体であっ
て、トナーが持つ極性と同極性に帯電し、反転現像によ
りトナー像を形成する請求項１１の画像形成装置。
【請求項１３】上記像担持体は電子写真感光体であっ
て、トナーが持つ極性と逆極性に帯電し、正規現像によ
りトナー像を形成する請求項１２の画像形成装置。
【請求項１４】上記色トナーは、イエロー、マゼン
タ、シアンである請求項１２の画像形成装置。
【請求項１５】上記残トナー帯電手段は、中間転写体
に対して接離する電極手段である請求項１１の画像形成
装置。
【請求項１６】上記残トナー帯電手段は、設定された
回数の１次転写を終了するまでは、中間転写体に対して
非接触である請求項１５の画像形成装置。
【請求項１７】上記電極手段は回転ローラである請求
項１６の画像形成装置。
【請求項１８】上記電極手段はコロナ帯電器である請
求項１１の画像形成装置。
【請求項１９】上記黒トナーによる第１の像形成モー
ドと、複数の色トナーによる第２の像形成モードを有す
る請求項１１の画像形成装置。
【請求項２０】上記単色トナーによる第１の像形成モ
ードで、連続して複数枚の画像を形成するときは、各２
次転写工程毎に、残トナー帯電手段は、中間転写体上の
残トナーを帯電する請求項１９の画像形成装置。
【請求項２１】中間転写体を用いて転写材にトナー像
を形成する画像形成装置において、電子写真感光体である像担持体と、像担持体に黒トナーと複数の色トナーによるトナー像を
形成する現像器機と、像担持体に接触して無端移動する中間転写体と、像担持体に形成されたトナー像を、中間転写体の第１の
転写位置で、この中間転写体に１次転写するためのバイ
アス印加機構と、中間転写体に転写されたトナー像を、中間転写体の第２
の転写位置で転写材に２次転写する転写手段と、転写後にこの中間転写体に残留する残トナーを、このト
ナーの本来の極性とは逆極性に帯電する残トナー帯電器
とを有し、上記単色トナーにより画像を形成する第１の像形成モー
ドのときは、上記単色トナーによるトナー像を中間転写
材に転写する都度、転写材にトナー像を２次転写し、ま
た、複数の色トナーにより画像を形成する第２の像形成
モードのときは、複数の色トナーを順次に中間転写材に
転写した後、一括して転写材にトナー像を２次転写した
後、中間転写体上の残トナーをこのトナーの本来の極性
とは逆極性に上記残トナー帯電器で帯電し、この帯電さ
れた残トナーを１次転写中に１次転写位置を通過させる
ことで、１次転写と同時にこの残トナーを上記像担持体
に逆転写することで中間転写体の残トナーを除去する画
像形成装置。
【請求項２２】上記像担持体をトナーが持つ極性と同
極性に帯電し、反転現像によりトナー像を形成する請求
項２１の画像形成装置。
【請求項２３】上記像担持体をトナーが持つ極性と逆
極性に帯電し、正規現像によりトナー像を形成する請求
項２１の画像形成装置。
【請求項２４】上記色トナーは、イエロー、マゼン
タ、シアンである請求項２１の画像形成装置。
【請求項２５】上記残トナー帯電器は、中間転写体に
対して接離する電極である請求項２１の画像形成装置。
【請求項２６】上記残トナー帯電手段は、設定された
回数の１次転写を終了するまでは、中間転写体に対して
非接触である請求項２５の画像形成装置。
【請求項２７】上記電極手段は回転ローラである請求
項２６の画像形成装置。
【請求項２８】上記残トナー帯電器はコロナ帯電器で
ある請求項２１の画像形成装置。
【請求項２９】上記黒トナーによる第１の像形成モー
ドと、複数の色トナーによる第２の像形成モードを有す
る請求項２１の画像形成装置。
【請求項３０】上記単色トナーによる第１の像形成モ
ードで連続して複数枚の画像を形成するときは、各２次
転写工程の終了毎に、残トナー帯電器は、中間転写体上
の残トナーを帯電する請求項２１の画像形成装置。