JPH0943650A - レーザ光発生装置 - Google Patents

レーザ光発生装置

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JPH0943650A
JPH0943650A JP19844195A JP19844195A JPH0943650A JP H0943650 A JPH0943650 A JP H0943650A JP 19844195 A JP19844195 A JP 19844195A JP 19844195 A JP19844195 A JP 19844195A JP H0943650 A JPH0943650 A JP H0943650A
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JP
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laser light
film
resonator
light
fundamental
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JP19844195A
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Minehiro Sotozaki
峰広 外崎
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潮解により破壊され難い非線形光学結晶素
子、及び安定した高反射率及び低反射率の反射面によ
り、高調波のレーザ光を効率良く発生し、信頼性の高い
レーザ光発生装置を提供する。 【解決手段】 励起用光源により励起用の光ビームを発
生させる。基本波発振手段2は、上記励起用光源からの
光ビームにより励起されて基本波のレーザ光を発振す
る。波長変換手段5,10は、非線形光学結晶素子5
2,102により基本波発振手段2からの基本波のレー
ザの波長を変換し、共振器により非線形光学結晶素子5
2,102で発生した光を反射面で繰り返し反射させる
ことにより、基本波発振手段2からの基本波のレーザ光
を高調波のレーザ光に波長変換して出力する。非線形光
学結晶素子52,102及び上記共振器の反射面は、プ
ラズマ中でイオンプレーティングにより成膜された酸化
薄膜M1〜M10からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光発生装置
に関するものであり、特に、非線形光学結晶素子により
高調波のレーザ光を発生するレーザ光発生装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ光を発振する共振器で
は、レーザ物質内で誘導放出により発生された光を共振
器の反射面により繰り返し反射させて、レーザ物質内を
多数回通過させることにより、光の強度の増大が行われ
る。そして、その光の強度の増大が反射面での回折や吸
収、散乱等の損失を補うようになった時、レーザ発振が
起こる。
【0003】ここで、レーザ光を効率良く発生させるた
めに、共振器の反射面での光の損失はできるだけ少なく
することが望まれる。そのため、レーザ波長域での反射
面の反射率は、非常に高いものでなくてはならない。そ
こで、共振器の反射面には、反射膜が設けられている。
この反射膜に対しても、熱的な膜の破壊及び劣化による
反射率の低下が起こらないような膜が望まれている。
【0004】例えば、反射膜として、100%近い反射
率まで得られる非金属の多層蒸着膜がある。この多層蒸
着膜とは、ガラス等の光学材料の研磨面を基板とし、そ
の表面に基板材料の屈折率よりも高い屈折率の物質と、
低い屈折率の物質を光学的な厚さ、すなわち屈折率と厚
さの積が1/4λ波長となるように交互に重ねて蒸着し
たものである。
【0005】上述のように、より高い反射面の反射率を
得るための反射膜に用いる材料として、光学薄膜の材料
等で効率よく不純物を除去することができ光の吸収の少
ない材料の開発が行われている。
【0006】ところで、例えば、上述のような共振器内
に非線形光学結晶素子を配し、非線形光学結晶素子に基
本波となるレーザ光を照射することにより、基本波とな
るレーザ光の波長変換を行って高調波のレーザ光を発生
するレーザ光発生装置がある。このレーザ光発生装置に
おいては、パルス発振での高調波発生のみではなく、持
続して一様の強さの光を発する連続発振(CW:con
tinuous wave)での高調波発生も行われて
いる。
【0007】また、上述したように、共振器の反射面に
反射膜が用いられているのと同様に、非線形光学結晶素
子の表面にも反射膜が設けられている。この反射膜は、
真空蒸着により薄膜形成を行った無反射コーティング膜
からなる紫外用低反射膜である。しかし、この紫外用低
反射膜は、水分を通過し易く保護膜として機能しない。
すなわち、膜内に空気中の水分が侵入してしまうため、
結晶表面に潮解が発生し、結晶表面が破壊され凹凸状態
になってしまう。そこで、非線形光学結晶素子は、密閉
容器に封入され、窒素ガス中で使用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
レーザ発生装置において、連続発振で高調波発生が行わ
れる場合、共振器の反射面に用いられる反射膜は、レー
ザ波長での光の吸収が少ないのはもちろんのこと、熱伝
導等も良好で高温度でも安定な膜が要求されるにもかか
わらず、連続的に出力される高調波のレーザ光に対し反
射膜の割れ及び劣化等の破壊が生じてしまっていた。こ
のため、反射膜の反射率が低下してしまい、高調波のレ
ーザ光を効率良く発生することができなかった。
【0009】また、非線形光学結晶素子を封入する密閉
容器の窓材についても同様に、連続的に出力される高調
波のレーザ光に対して高耐力としなければならず、さら
に、窓材自体に高性能の反射膜を設けなければならなか
った。
【0010】さらに、非線形光学結晶素子には、熱膨張
に異方性があり、連続的に出力される高調波のレーザ光
により、非線形光学結晶素子上の反射膜が割れてしまう
虞れがあった。このため、装置の信頼性に欠けるという
問題点があった。
【0011】そこで、本発明は、上述の如き従来の実情
に鑑みてなされたものであり、次のような目的を有する
ものである。
【0012】即ち、本発明の目的は、潮解により破壊さ
れ難い非線形光学結晶素子、及び安定した高反射率及び
低反射率の反射面により、高調波のレーザ光を効率良く
発生し、信頼性の高いレーザ光発生装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係るレーザ光発生装置は、励起用の光ビ
ームを発生する励起用光源と、上記励起用光源からの光
ビームにより励起されて基本波のレーザ光を発振する基
本波発振手段と、上記基本波発振手段からの基本波のレ
ーザ光を高調波のレーザ光に波長変換して出力する波長
変換手段とを備える。また、上記波長変換手段は、上記
基本波のレーザが入射される非線形光学結晶素子と、上
記非線形光学結晶素子により発生した光を反射面で繰り
返し反射させる共振器とからなる。そして、上記非線形
光学結晶素子及び上記共振器の反射面は、プラズマ中で
イオンプレーティングにより成膜された酸化薄膜からな
ることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るレーザ光発生
装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】上記レーザ光発生装置は、図1に示すよう
なレーザ光発生装置100に適用され、レーザ光発生装
置100は、励起用のレーザ光により励起されて基本波
のレーザ光を発振するレーザ媒体2と、レーザ媒体2で
発振した基本波のレーザ光を2次高調波のレーザ光に波
長変換して出力する第1の共振器5と、第1の共振器5
からの2次高調波のレーザ光を基本波のレーザ光に対し
て4次高調波のレーザ光に波長変換して出力する第2の
共振器10とを備えている。
【0016】また、励起用のレーザ光は、1/4λ板1
を介してレーザ媒体2に入射するようになされている。
そして、凹面鏡4は、レーザ媒体2で発振した基本波の
レーザ光がエタロン3を介して共振器5に入射するよう
に設けられている。
【0017】また、ミラー7は、第1の共振器5から出
力される2次高調波のレーザ光が集光レンズ6を介して
ミラー8に対して出射するように、ミラー8は、ミラー
8で反射した2次高調波のレーザ光が集光レンズ9を介
して第2の共振器10に入射するように設けられてい
る。
【0018】以下、上述のように構成されたレーザ光発
生装置100を具体的に説明する。
【0019】先ず、波長808nmの励起用のレーザ光
は、1/4λ板1により、直線偏光の状態から円偏光の
状態に変換される。そして、1/4λ板1から出力され
たレーザ光は、レーザ媒体2へ入射する。
【0020】レーザ媒体2は、Nd:YAGからなり、
1/4λ板1を介したレーザ光により励起されて、波長
1064nmの基本波のレーザ光を発振する。そして、
レーザ媒体2で発振した基本波のレーザ光は、エタロン
3により、帯域が狭められる。エタロン3によって帯域
が狭められた基本波のレーザ光は、凹面鏡44で反射さ
れ、第1の共振器5へ入射する。
【0021】第1の共振器5は、図2に示すように、平
面鏡51と、例えば、KTiOPO4(KTP)からな
る非線形光学結晶素子52とで構成されている。また、
非線形光学結晶素子(KTP)52において、基本波の
レーザ光の入射面には、基本波のレーザ光及び2次高調
波のレーザ光に対して低反射率の光学膜M3が設けられ
ている。一方、レーザ光の入射面に対向した面には、基
本波のレーザ光に対して高反射率の光学膜M4が設けら
れている。そして、平面鏡51と光学膜M4により基本
波のレーザ光の波長で共振するようになされている。
【0022】また、平面鏡51の反射面には、基本波の
レーザに対して高反射率であり、2次高調波のレーザ光
に対して低反射率の光学膜M2が設けられており、上述
した凹面鏡4の反射面には、基本波のレーザに対して高
反射率の光学膜M1が設けられている。
【0023】ここで、非線形光学結晶素子(KTP)5
2上に設けられた光学膜M3,M4は、プラズマ中でイ
オンプレーティングにより成膜されたものである。ま
た、平面鏡51及び凹面鏡4の各反射面に設けられた光
学膜M1,M2についても光学膜M3,M4と同様に、
プラズマ中でイオンプレーティングにより成膜されたも
のである。尚、光学膜M1〜M4についての詳細な説明
は後述する。
【0024】上述のような第1の共振器5は、平面鏡5
1と非線形光学結晶素子(KTP)52上に設けられた
光学膜M4により凹面鏡44で反射された基本波のレー
ザ光の波長で共振する。また、基本波のレーザ光の波長
(1064nm)は、非線形光学結晶素子(KTP)5
2の非線形光学効果により波長532nmの2次高調波
のレーザ光に変換される。そして、2次高調波のレーザ
光が平面鏡51を介して出力される。
【0025】第1の共振器5から出力された2次高調波
のレーザ光は、集光レンズ6を介して、ミラー7で光路
が90゜折り曲げられ、さらにミラー8で光路が90゜
折り曲げられて集光レンズ9を介して第2の共振器10
に入射する。
【0026】第2の共振器10は、図3に示すように、
2次高調波のレーザ光の波長で共振させる凹面鏡10
1,103及び平面鏡104,105と、凹面鏡101
と凹面鏡103の間に設けられた、例えば、バリウムボ
レート(BBO)からなる非線形光学結晶素子102と
を備えている。そして、平面鏡104と平面鏡105
は、第2の共振器10の共振におけるレーザ光の光路長
が大きくなるように凹面鏡101と凹面鏡103に対す
るように設けられている。
【0027】また、凹面鏡101と、平面鏡104及び
平面鏡105の各反射面には、2次高調波のレーザ光に
対して高反射率の光学膜M5,M7,M8が各々設けら
れている。また、凹面鏡103の反射面には、2次高調
波のレーザ光に対して高反射率であり、4次高調波のレ
ーザ光に対して低反射率の光学膜M6が設けられてお
り、非線形光学結晶素子(BBO)102のレーザ光の
通過面には、2次高調波のレーザ光及び4次高調波のレ
ーザ光に対して低反射率の光学膜M9,M10が設けら
れている。
【0028】上述のような第2の共振器10は、2枚の
凹面鏡101,103が対向してなる所謂ファブリーペ
ロー共振器である。これにより、第2の共振器10は、
光路位相差が2πのとき共振し、共振位相付近で反射位
相が大きく変化する。この位相変化を利用して第2の共
振器10の周波数制御が図示していない制御部により行
われるようになされている。
【0029】ここで、上述した非線形光学結晶素子(K
TP)52と同様に、非線形光学結晶素子(BBO)1
02上に設けられた光学膜M9,M10は、プラズマ中
でイオンプレーティングにより成膜されたものである。
また、凹面鏡101,103及び平面鏡104,105
の各反射面に設けられた光学膜M5,M6及び光学膜M
7,M8についても光学膜M9,M10と同様に、プラ
ズマ中でイオンプレーティングにより成膜されたもので
ある。尚、光学膜M5〜M10についての詳細な説明は
後述する。
【0030】上述のような第2の共振器10は、凹面鏡
101,103及び平面鏡104,105により、レン
ズ9を介した2次高調波のレーザ光の波長で共振する。
また、2次高長波のレーザ光は、非線形光学結晶素子
(BBO)102の非線形光学効果により、基本波のレ
ーザ光に対して波長266nmの4次高調波のレーザ光
に変換される。そして、4次高調波のレーザ光が凹面鏡
103を介して出力される。
【0031】以下、上述した光学膜M1〜M4、及び光
学膜M5〜M10について具体的に説明する。
【0032】まず、例えば、通常の蒸着で作成された厚
い膜(以下、通常蒸着膜と言う。)を電気炉で600度
Cで3時間程保持して冷却し、常温に戻した場合、通常
蒸着膜の内部の結晶粒形が大きくなり、膜厚が変わって
しまう。これは、図4に示すアニーリング前と後での通
常蒸着膜の分光光度特性の変化からあきらかである。ま
た、通常蒸着膜は、再アニーリングに対して不安定、す
なわち熱的に不安定である。さらに、通常蒸着膜は、熱
伝導が悪く、レーザ光があたると部分的にアニーリング
された状態が起こり、膜の一部の内部の結晶粒形が増大
してしまう。このため、通常蒸着膜では、レーザ光があ
たった部分のかたちが変わるため、光の散乱が起こり、
反射率の低下につながる劣化を起こしてしまう。
【0033】したがって、上述ような通常蒸着膜を第1
の共振器5で反射膜として使用すると、2次高調波のレ
ーザ光、すなわち波長532nmの強力で連続したグリ
ーン光により、反射膜は、破損劣化することとなる。
【0034】そこで、本実施例では、上述したように、
例えば、第1の共振器5において、平面鏡51の反射面
に設けられている光学膜M2、及び非線形光学結晶素子
(KTP)52上に設けられている光学膜M3,M4
は、プラズマ中でイオンプレーティングにより成膜した
ものである。
【0035】プラズマ中でイオンプレーティングにより
成膜した膜(以下、イオンプレーティング膜と言う。)
は、例えば、酸素欠陥を補正するために、600度で3
時間程アニーリングされている。これにより、イオンプ
レーティング膜は、安定化される。また、イオンプレー
ティング膜は、上述した通常蒸着膜に比べて熱伝導がよ
い。
【0036】尚、イオンプレーティング膜は、図5に示
すように、アニーリングを行ってもアニーリング前後の
分光光度特性の変化がない。これは、イオンプレーティ
ング膜が再アニーリングに対して安定している、すなわ
ち熱的に安定していることを示している。
【0037】特に、本実施例では、酸化物膜をプラズマ
中でイオンプレーティングにより成膜することにより、
高密度な酸化物膜を作成し、この酸化物膜を光学膜M2
〜M4として使用している。これにより、光学膜M2〜
M4を熱的に安定した膜とし、レーザ光に対し高耐光性
という特徴を光学膜M2〜M4に持たせている。また、
光学膜M2〜M4以外の光学膜M1,M5〜M10につ
いても光学膜M2〜M4と同様に、プラズマ中でイオン
プレーティングにより成膜された酸化物膜である。
【0038】具体的に説明すると、例えば、非線形光学
結晶素子(KTP)52上に設けられている光学膜M3
と光学膜M4は、高屈折率材料であるHfO2及びTa
2O5と、低屈折率材料であるSiO2とを用いて作成
されている。
【0039】すなわち、光学膜M4は、高屈折率材料で
あるHfO2及びTa2O5から形成された多層のコー
ティング膜であり、図6に示すように、波長1064n
mの基本波のレーザ光に対して透過率が「0」であり、
波長532nmの2次高調波のレーザ光に対して透過率
が極めて高い膜である。すなわち、光学膜M4は、波長
1064nmの基本波のレーザ光に対して全反射膜であ
る。
【0040】また、光学膜M3は、高屈折率材料である
HfO2及びTa2O5と、低屈折率材料であるSiO
2とから形成された多層のコーティング膜であり、図7
に示すように、波長1064nmの基本波のレーザ光及
び波長532nmの2次高調波のレーザ光に対して反射
率が「0」である。すなわち、光学膜M3は、波長10
64nmの基本波のレーザ光及び波長532nmの2次
高調波のレーザ光に対して無反射膜である。
【0041】また、例えば、非線形光学結晶素子(BB
O)102上に設けられている光学膜M9と光学膜M1
0は、高屈折率材料であるHfO2と、低屈折率材料で
あるSiO2及びAl2O3から形成された多層のコー
ティング膜であり、図8に示すように、波長532nm
の2次高調波のレーザ光に対して反射率が「0」であ
り、波長266nmの4次高調波のレーザ光に対して反
射率が極めて低い膜である。すなわち、光学膜M9と光
学膜M10は、波長532nmの2次高調波のレーザ光
及び波長266nmの4次高調波のレーザ光に対して無
反射膜である。
【0042】さらに、例えば、凹面鏡101,103及
び平面鏡104,105、すなわちレーザ光の入力及び
出力部である合成石英には、高屈折率材料であるHfO
2及びSc2O3と、低屈折率材料であるSiO2及び
Al2O3とを用いて形成された図9に示すような分光
光度特性を有する片面高反射膜がイオンプレーティング
により成膜されている。すなわち、波長532nmの2
次高調波のレーザ光に対して透過率が「0」であり、波
長266nmの4次高調波のレーザ光に対して透過率が
極めて高い膜が成膜されている。換言すると、波長26
6nmの4次高調波のレーザ光に対して低反射率であ
り、波長532nmの2次高調波のレーザ光に対して高
反射率の膜が成膜されている。これにより、波長266
nmの強力な遠紫外光である4次高調波のレーザ光によ
る反射膜の劣化を防ぐようになされている。
【0043】上述のように、本実施例では、光学膜M1
〜M10にプラズマ中でイオンプレーティングにより成
膜された酸化物膜を用いているため、光学膜M1〜M1
0を高密度で熱的に安定した膜とすることができる。こ
れにより、光学膜M1〜M10は、レーザ光に対し高耐
光性という特徴を有することとなり、レーザ光による反
射膜の破壊や劣化等を防ぐことができる。したがって、
基本波のレーザ光に対して4次高調波のレーザ光を第2
の共振器10から効率良く出力することができる。ま
た、装置の信頼性を向上することができる。
【0044】また、非線形光学結晶素子(KTP)52
及び非線形光学結晶素子(BBO)102を高密度な膜
で保護することができるため、各非線形光学結晶素子を
潮解による破壊から保護することができる。したがっ
て、各非線形光学結晶素子を封入する密閉容器を必要と
することなく、基本波のレーザ光に対して4次高調波の
レーザ光を第2の共振器10からさらに効率良く出力す
ることができる。また、装置の信頼性をさらに向上する
ことができる。
【0045】尚、第1の共振器5を図10に示すような
第1の共振器20としてもよい。すなわち、第1の共振
器20は、第1の共振器5の構成要件に加えて凹面鏡2
11を備えている。そして、第1の共振器20は、平面
鏡51と凹面鏡211により、基本波のレーザ光の波長
で共振する。
【0046】このため、凹面鏡211の反射面には、上
述した光学膜M4と同様な分光光度特性を有する光学膜
M12が設けられている。すなわち、基本波のレーザ光
に対して高反射率の光学膜M12が設けられている。ま
た、第1の共振器5において、非線形光学結晶素子(K
TP)52上に設けられている光学膜M4の替わりに、
上述した光学膜M3と同様な分光光度特性を有する光学
膜M11が設けられている。すなわち、基本波のレーザ
光及び2次高調波のレーザ光に対して低反射率の光学膜
M11が設けられている。これらの光学膜M11と光学
膜M12も上述した光学膜M1〜M10と同様に、プラ
ズマ中でイオンプレーティングにより成膜された酸化物
膜である。
【0047】したがって、この場合も、基本波のレーザ
光に対して2次高調波のレーザ光を第1の共振器5から
効率良く出力することができ、基本波のレーザ光に対し
て4次高調波のレーザ光を第2の共振器10から効率良
く出力することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明に係るレーザ光発生装置では、先
ず、励起用光源により励起用の光ビームを発生させる。
基本波発振手段は、上記励起用光源からの光ビームによ
り励起されて基本波のレーザ光を発振する。そして、波
長変換手段は、非線形光学結晶素子により上記基本波発
振手段からの基本波のレーザの波長を変換し、共振器に
より上記非線形光学結晶素子で発生した光を反射面で繰
り返し反射させることにより、上記基本波発振手段から
の基本波のレーザ光を高調波のレーザ光に波長変換して
出力する。上記非線形光学結晶素子及び上記共振器の反
射面は、プラズマ中でイオンプレーティングにより成膜
された酸化薄膜からなるため、レーザ光が照射される面
を高密度で熱的に安定した面にすることができる。これ
により、レーザ光が照射される面にレーザ光に対し高耐
光性という特徴を持たせることができ、レーザ光による
破壊や劣化等を防ぐことができる。したがって、高調波
のレーザ光を効率良く出力することができる。また、装
置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ光発生装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】第1の共振器の構成を示すブロック図である。
【図3】第2の共振器の構成を示すブロック図である。
【図4】通常の蒸着で作成された膜の分光光度特性の変
化を説明するための図である。
【図5】イオンプレーティングで作成された膜の分光光
度特性の変化を説明するための図である。
【図6】非線形結晶素子(KTP)上の基本波のレーザ
光に対して高反射膜の分光光度特性を示すグラフであ
る。
【図7】非線形結晶素子(KTP)上の基本波及び2次
高調波のレーザ光に対して低反射膜の分光光度特性を示
すグラフである。
【図8】非線形結晶素子(BBO)上の2次高調波のレ
ーザ光に対して低反射膜の分光光度特性を示すグラフで
ある。
【図9】非線形結晶素子(BBO)上の2次高調波のレ
ーザ光に対して片面高反射膜の分光光度特性を示すグラ
フである。
【図10】平面鏡と凹面鏡により共振する第1の共振器
の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 1/4λ板 2 ・・・ レーザ媒体 3 ・・・ エタロン 4 ・・・ 凹面鏡 5 ・・・ 第1の共振器 6,9 ・・・ 集光レンズ 7,8 ・・・ ミラー 10 ・・・ 第2の共振器 51 ・・・ 平面鏡 52 ・・・ 非線形光学結晶素子(KTP) 100 ・・・ レーザ光発生装置 101,103 ・・・ 凹面鏡 102 ・・・ 非線形光学結晶素子(BBO) 104,105 ・・・ 平面鏡

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起用の光ビームを発生する励起用光源
    と、 上記励起用光源からの光ビームにより励起されて基本波
    のレーザ光を発振する基本波発振手段と、 上記基本波発振手段からの基本波のレーザ光を高調波の
    レーザ光に波長変換して出力する波長変換手段とを備
    え、 上記波長変換手段は、上記基本波のレーザが入射される
    非線形光学結晶素子と、上記非線形光学結晶素子により
    発生した光を反射面で繰り返し反射させる共振器とから
    なり、 上記非線形光学結晶素子及び上記共振器の反射面は、プ
    ラズマ中でイオンプレーティングにより成膜された酸化
    薄膜からなることを特徴とするレーザ光発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002255501A (ja) * 2001-02-23 2002-09-11 Laser Gijutsu Sogo Kenkyusho 水素・電気エネルギ発生システム

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