JPH0943571A - 液晶表示装置の駆動法 - Google Patents

液晶表示装置の駆動法

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JPH0943571A
JPH0943571A JP21507595A JP21507595A JPH0943571A JP H0943571 A JPH0943571 A JP H0943571A JP 21507595 A JP21507595 A JP 21507595A JP 21507595 A JP21507595 A JP 21507595A JP H0943571 A JPH0943571 A JP H0943571A
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Yoshinori Hirai
良典 平井
Satoshi Nakazawa
聡 中沢
Makoto Nagai
真 永井
Takeshi Kuwata
武志 桑田
Hiroyuki Mogi
宏之 茂木
Kazuyoshi Kawaguchi
和義 河口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルチプレックス液晶表示素子において、現実
的なレベル数のカラムドライバを用いて、振幅変調を利
用した階調駆動を行う。 【解決手段】階調データd(−1<d<1であって、−
1がオン、1がオフ)の表示は、分割階調データd+
(1−d21/2 及び分割階調データd−(1−d2
1/2 を表示することにより実効的に行われるとともに、
前記階調データdとして、少なくとも{±d1 ,±(1
−d1 21/2 }の4種類(ここで−1<d1 <1かつ
1 ≠0)を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単純マトリクス型
液晶表示装置の階調駆動法に関する。
【0002】
【従来の技術】単純マトリクス型液晶表示素子の基本的
な駆動方式(マルチプレックス駆動)としては、1ライ
ン順次選択法(例えばAPT:Alt Pleshko Technique
やそれを改良したIAPT:Improved Alt Pleshko Tec
hnique)が従来から良く知られている。この手法はオン
/オフレベルを簡単に駆動できるため、マルチプレック
ス駆動方式として非常に有効である。しかし、単純マト
リクス型液晶表示素子はTFTなどの能動素子を用いな
いため、高速応答性の液晶表示素子を駆動した場合に
は、フレーム応答によるコントラスト低下が生じる問題
があった。
【0003】これを解決するために提案された手法が、
複数ライン同時選択(Multi Line Selection)法であ
り、これにより高速で高コントラストの表示が可能とな
ってきている。また、同様の目的で全ライン同時選択す
るタイプ(AA:Active Addressing )を用いた試みも
報告されている。このように新しいアドレッシング技術
が進展し、表示の品位が向上してきている。
【0004】ところで、近年のパーソナルコンピュータ
やTVなどのディスプレイにおいて、多階調表示するこ
とへの要求が高まってきており、液晶表示素子において
も例外ではない。階調表示には、いくつかの方法が用い
られている。
【0005】トランジスタ、ダイオードなどを用いた能
動型(アクティブタイプ)駆動方式においては、表示デ
ータの濃度レベルに応じて高さが変化するような電圧パ
ルスを用いて、比較的単純に振幅変調ができる。これ
は、液晶に加えられる電圧が基本的にスタティック波形
であるためである。
【0006】しかし、STN(スーパーツイステッドネ
マチック)素子などに代表される非能動型(パッシブタ
イプ)のマルチプレックス駆動方式においては、単純に
表示データの濃度レベルに応じて高さが変化するような
電圧パルスを印加すると、非選択時の電圧が変動してし
まう。このような状況下で、非能動型マルチプレックス
駆動方式において、階調を表示する方式として、いくつ
かの方式が用いられ、又は提案されてきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のSTNの駆動に
おいては、階調表示を行うために、フレーム変調(FR
C:Frame Rate Control)やパルス幅変調(PWM:Pu
lse Width Modulation)が提案され、かつ用いられてい
る。また、最近、振幅変調(AM:Amplitude Modulati
on)方式も提案された。以下、簡単にその説明をし、続
いて、これらの手法を複数ライン同時選択に適用した場
合の問題を説明する。
【0008】(1)フレーム変調(FRC) 複数の表示フレームを用いて階調を表示する方式であ
る。つまり、2値状態であるオン状態とオフ状態の数に
より中間調を構成する。例えば、3フレームを用いた場
合、オン/オン/オン、オン/オフ/オン、オフ/オン
/オフ、オフ/オフ/オフの4つの状態が表示できる。
【0009】しかし、この方式で多階調化すると、フリ
ッカー(ちらつき)の発生につながる問題がある。フレ
ーム数が増えるので表示が完結するまでの時間が長くな
るためである。そのため、実際には、FRCと空間的に
位相をずらす空間変調とを組合せて、このようなちらつ
きを見えにくくすることが多い。しかしこれでも、16
階調程度が限界と考えられている。
【0010】もう一つの重要な問題は、ビデオ表示への
対応が困難な点にある。例えば動画を表示させるために
は、動画の切り替わる周期で表示が完結する必要があ
る。このため、多くのフレームを用いることができず、
多階調表示が困難となる。
【0011】具体的には、例えば、フレーム周波数が1
20Hz(一般的な周波数であり、1フレーム長は8.
3ms)の場合、毎秒30画面(30Hz)の動画を表
示するためには、4フレームで表示を完結させる必要が
ある。この場合、表示できる階調数はたかだか5〜8階
調程度である。このように、動画表示においてはFRC
では充分な多階調表示ができなかった。
【0012】(2)パルス幅変調(PWM) 1選択期間を例えば2n 個に分割し、オン状態の期間と
オフ状態の期間を振り分ける手法である。FRCをフレ
ーム内で行う手法と考えてもよい。しかし、この手法
は、分割数に比例して駆動周波数が増大するため、高密
度、多階調の表示になるほど表示むらが大きくなるとい
う欠点がある。
【0013】(3)振幅変調(AM) 前述のように、単純マトリクスマルチプレックス型の液
晶表示装置では、単純に表示データの濃度レベルに応じ
て高さが変化するような電圧パルスを印加できず、非選
択画素の実効値電圧の変動を防ぐための工夫が必要であ
る。このために、複数の電圧を印加する手法と、仮想電
極を用いる手法の2つが提案されている。
【0014】前者は、2つ以上のフレームで異なるデー
タ(カラム)電圧を印加するか、1選択期間を2つ以上
に分け、異なるデータ電圧を印加する手法である。複数
の電圧印加により非選択時の電圧実効値が一定となり、
正しい階調表示が実現できる。具体的には、例えば、数
1の2種のデータに対応する電圧を、フレームごと又は
1選択期間中に切替えて印加すればよい。
【0015】
【数1】d+(1−d20.5 d−(1−d20.5
【0016】ここで、dは表示データ(オンを−1と
し、オフを1としたデータ)である。以後、数1に示し
たような複数のデータを分割データと呼ぶことにする。
このような分割データの一部のみを印加した時点では、
電圧実効値が所望の値に一定せず、アドレッシングが完
了していない。このため、これらの分割データをフレー
ムごとに分けて印加する場合、このフレームを通常のフ
レームと区別して、サブフレームと呼ぶことにする。分
割データは、データの濃度レベルに応じて変化する成分
(d)を含む点に特徴がある。それぞれの分割データ
は、補正項(±(1−d20.5 )も含むため、非選択
画素の電圧実効値を一定に保つことができる。なお、そ
れぞれの分割データに基づいてさらに新しい分割データ
を生成することにより、2種を超える分割データを使用
できる。
【0017】この手法では、複数の電圧レベルを供給で
きるような装置が必要である。K階調を表示するため
に、(2K−2)個のレベルの電圧が必要になる。つま
り、8階調の場合なら、14レベルである。階調数が増
えるほどレベル数は増大する。レベル数の増大は、大き
なコストアップ要因である。また、基本的に2つのレベ
ルでの電圧印加で1つの状態が決まるので、単位電圧印
加時間(電圧パルス幅)を一定にすると表示完結のフレ
ーム長が従来の2倍になる。
【0018】非選択画素の実効値変動を防ぐ手法の他の
一つは、1行以上の仮想行を設け、そこに、非選択時の
電圧を補正するための仮想データを表示するように駆動
するか、又は仮想的に決められた電圧レベルを印加する
手法である。この手法はフレーム長を2倍にしないの
で、周波数はほとんど変わらないという利点がある。し
かし、全てのラインデータを用いた演算が必要なこと、
供給する電圧のレベル数が階調数と補正レベル数との和
になって、著しく増大することが欠点である。特に、電
圧レベル数が多くなる点は重大で、AM方式が広く用い
られていない最大の理由である。
【0019】これらの2つの手法には、特開平6−13
8854号公報、特開平6−236167号公報に開示
された方法や、同様の考え方で特開平6−89082号
公報(EP569974)にPHM(Pulse Hight Modu
lation)と称して開示された手法をも含むことができ
る。
【0020】以上のように、振幅変調を用いた階調表示
手法では、回路構成の複雑化と、多レベルのドライバの
必要性によるコスト上昇が大きな課題となっていた。
【0021】(4)複数ライン同時選択法における問題 複数の選択ラインを同時に選択する方式においては、上
記の従来駆動法を変形して採用できる。例えば、複数の
分割データを用いて、AM方式の階調表示を行う場合に
は、それぞれの分割データを複数ライン同時選択法の方
式にのっとって表示することにより、階調表示が可能に
なる。すなわち、分割データに所定の選択行列(直交行
列)による直交変換を施してカラム信号とする。
【0022】しかし、上記の階調表示における問題は、
複数ライン同時選択においても深刻な問題である。FR
C、PWMにおいては、1ライン順次選択法と同じ課題
を有し、多階調の表示を行うことは困難である。また、
AM方式においては、特に、複数ラインを同時に選択す
ることによる電圧レベル数の増大と最大電圧値の増大と
が1ライン順次選択法に比べてより深刻な問題となる。
つまり、複数ライン同時選択を行った場合は、直交関数
による演算を行うため、表示のために非常に多くの電圧
レベルが必要になる。また、回路構成もきわめて複雑に
なる。このため、階調数を増やすと、大きなコストアッ
プになるという重大な問題があった。
【0023】従来のAMを用いた複数ライン同時選択に
おいては、階調数が小さく、かつ同時選択ライン本数が
少なくても、非常に多くのレベルを必要とする。例え
ば、AMで表示する階調数がわずか8階調程度であり、
かつ1ラインの順次選択であっても12レベルが必要に
なる。8階調中6階調は中間調データであり、1ライン
の順次選択であっても中間調データ数の2倍の電圧レベ
ルが必要だからである。これを複数ライン同時選択法に
適用する場合を考えると、直交変換時の電圧レベルの加
算・減算により、同時選択する本数がわずかであっても
レベル数が著しく増大する。例えば、L=3に対して
は、最大83 =512レベル程度の電圧レベルが必要と
なる。
【0024】つまり、複数ライン同時選択法でAM変調
を行うためには、非常に高解像度(8ビット以上、10
〜12ビットが望ましい)のカラムドライバが必要とな
り、このレベルよりも少ないレベルのドライバで駆動す
る場合には、データエラーが生ずる。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、階調情報量に
比して、必要な電圧レベル数が著しく多くなってしまう
従来のAM方式を改良し、効率のよい情報供給により、
正しい階調表示を可能とする。
【0026】本発明は、前述の課題を解決するものであ
り、マルチプレックス駆動を使用した液晶表示装置の駆
動法であって、(a)階調データの表示に際し、それぞ
れの波高値に表示すべきデータの濃度レベルに応じて変
化する成分を含むような複数の電圧パルスを画素に印加
することにより、非選択状態にある走査電極上の画素に
印加されるRMS電圧を表示の1フレーム内において実
効的に一定とすること、及び、(b)上記複数の電圧パ
ルスに含まれる一部の電圧パルスの波高値が、表示に使
用する画素の濃度状態の異なる少なくとも2つにおいて
共通になるようにして、表示に必要な電圧パルスの波高
値のレベル数を削減すること、を特徴とする液晶表示装
置の駆動法、を提供する。
【0027】また、本発明は、マルチプレックス駆動を
使用した液晶表示装置の駆動法であって、(a)階調デ
ータの表示に際し、表示すべきデータの濃度レベルに応
じて変化する成分を含むような複数の階調データ(これ
を分割階調データという)に対応するパルス高の電圧パ
ルスを画素に印加することにより、非選択状態にある走
査電極上の画素に印加されるRMS電圧を表示の1フレ
ーム内において実効的に一定とすること、及び、(b)
上記複数の分割階調データのうちの一部が、表示に使用
する階調データのうちの少なくとも異なる2つにおいて
共通になるようにしたこと、を特徴とする液晶表示装置
の駆動法、を提供する。
【0028】さらに、フレーム変調又はパルス幅変調に
よる階調表示を併用することを特徴とする上記の液晶表
示装置の駆動法、を提供する。
【0029】また、本発明は、上記の液晶表示装置の駆
動法において、複数行を同時選択する方法を提供する。
特に、中間的な階調データの表示時において、全ての行
電極に少なくとも1つの選択パルスが印加される期間内
に該選択パルスに対応してカラム電極に印加される信号
群には、分割階調データのうち絶対値が1を超えるもの
を直交変換して得られる信号と絶対値が1未満のものを
直交変換して得られる信号とが混在していることを特徴
とする液晶表示装置の駆動法、を提供する。
【0030】また、特に、中間的な階調データの表示時
において、同時選択される1つの行電極群に印加される
1回の選択パルスに対応してカラム電極に印加される信
号群には、分割階調データのうち絶対値が1を超えるも
のを直交変換して得られる信号と絶対値が1未満のもの
を直交変換して得られる信号とが混在していることを特
徴とする液晶表示装置の駆動法、を提供する。
【0031】さらに本発明は、前記発明において、複数
行を同時選択して、同時選択される特定の行電極群に注
目した場合に、カラム電極に印加される信号は、所望の
階調データを表示するために必要な全ての分割階調デー
タを直交変換することによって形成された複数の信号
が、選択行列の列ベクトルごとに1まとまりとなって、
選択パルスの印加のタイミングに対応して連続的に印加
されることを特徴とする液晶表示装置の駆動法、を提供
する。
【0032】また、本発明は、複数行を同時選択すると
ともに、同時選択される行に仮想行を加え、データ電極
に印加される電圧レベル数を減らすように、仮想行上の
データを設定することを特徴とする上記の液晶表示装置
の駆動法、を提供する。
【0033】特に、同時選択される行に対応するカラム
電極には実質的に直交性のある選択行列で階調データを
変換して得られる信号を印加するともに、同時選択され
る行(仮想行を含む)に対応する表示データを絶対値の
異なる表示データの組に分けた場合、それぞれの組に含
まれる表示データの個数が所定の離散した整数値のみを
とるように、仮想行上のデータを設定することを特徴と
する上記液晶表示装置の駆動法、及び、同時選択される
行に対応するカラム電極には実質的に直交性があって列
ベクトルの要素積が一定な選択行列で階調データを変換
して得られる信号を印加するとともに、同時選択される
行(仮想行を含む)に対応する表示データの要素積の符
号が一定になるように仮想行上のデータを設定すること
を特徴とする上記液晶表示装置の駆動法、を提供する。
【0034】本発明は、以下の効果を有する。
【0035】1)多階調の液晶表示装置を、現実的なレ
ベル数(64/32レベル以下)のカラムドライバで駆
動できる。すなわち、従来に比べて大幅な回路系の省力
化とコストダウンが達成できる。 2)データエラーなく完全に独立して表示を行うことが
できる。特殊なデータ処理なしで、高品位の画像を提供
できる。すなわち、従来に比べてクロストークなど情報
エラーの少ない画像が提供できる。
【0036】本発明において、電圧の振幅を変化させて
階調を表示する際、非選択画素に印加される実効電圧の
変動を防ぐために、1つの階調の表示のため、異なる複
数の電圧レベルからなる電圧パルス群を信号電圧として
印加するようにする。この「複数の電圧レベル」は、種
々の方法で設定できる。
【0037】まず、表示すべきデータを複数のデータで
表現して、分割データを形成し、これを表示することに
よって、1つの階調を表示できる。複数ライン同時選択
においては、データを直交変換してカラム信号を形成す
るが、分割と直交変換の順序は入れ替えることができ
る。つまり、分割データを形成した後、この分割データ
に直交変換を施して分割されたカラム信号を形成しても
よく、表示データにまず直交変換を施してカラム信号を
形成した後、そのカラム信号を複数の分割されたカラム
信号で表現してもよい。
【0038】また、同時選択されるラインでまとめてひ
とつの補正カラム信号を印加することもできる。この場
合は、補正カラム信号を仮想ライン上のデータとして取
り扱えばよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
《本発明の基本的な考え方》まず、本発明では、階調数
に比べて必要な電圧レベル数が多くなりすぎることを回
避し、最低限必要な電圧レベル数を用いて行うAM方式
の階調駆動法を提案する。以下の本明細書の説明では、
走査電極を行電極ともいい、データ電極を列電極ともい
う。
【0040】本発明は全てのAM方式に適用可能であ
る。AM方式に含まれる方法は、出願人が、特開平6−
138854号公報、特開平6−236167号公報で
開示している方法と、特開平6−89082号公報に開
示された方法があるが、これらは、AM方式の無限にあ
る解のうちのいくつかをそれぞれ提案したものになって
いる。すなわち、それぞれの波高値に表示すべきデータ
の濃度レベルに応じて変化する成分を含むような複数の
電圧パルスを画素に印加することによって、階調表示す
る方法は以下のような条件で表される。
【0041】L(1以上)本の走査電極を同時に選択
し、選択された走査電極へ印加する信号としては、直交
関数信号A[Ami](ここで、Amiは直交行列Aのm行
i列の要素で1,−1,又は0。mは1〜Lの整数であ
り、iは1〜Mの整数であり、1表示サイクル中のi番
目の選択信号に相当する。)を加えるものとした場合
に、特定のカラムの、一括選択される電極のグループに
おけるj番目(jは1〜Lの整数)のラインの上の画素
について、所定の階調レベルdj (dj は階調の濃度に
応じてオフを示す1とオンを示す−1との間の値をと
る。)を得るために、(C1 ,C2 ,・・・,CM )=
(d1 ,d2 ,・・・,dL )Aとすると、列電圧には
実質的に数2によって表現される2種類の電圧に比例す
る電圧が印加される。
【0042】
【数2】Xi =Ci +(qi −Ci 21/2i =Ci −(qi −Ci 21/2 ただし、Σqi =一定≧tr[ tAA]である(ここ
で、tは行列の転置を、tr[ ]は[ ]内の行列の
対角成分の和を示す)。
【0043】出願人が、特開平6−236167号公報
で開示している方法は、Σqi =tr[ tAA]、か
つ、qiが全てのiについて等しい場合であり、特開平6
−89082号公報に開示された方法のうち、Split In
terval Mode と称される方法は、パルス幅変調による階
調表示方法に合わせて、qiをiについて変動させながら
設定したものである。もちろん、これらは結果として、
互いに異なった電圧パルスを使用することになる。
【0044】本発明は、広く、AM方式に適用可能であ
るが、説明の便宜上、以下には、数1の2つのレベルの
使用に基づいた駆動法を例にとって説明する。
【0045】1ライン順次選択法(APT)では、前述
のとおり、数1の2つのレベルを印加することにより実
効的に1つの階調を表現できる。
【0046】本発明では、全体で使用する電圧レベルを
減らすために、複数の階調を同じレベルを用いて表現す
る。我々のアイデアは、特殊な値を持つ階調レベルを選
択して表示に用いることにある。すなわち、異なる表示
データの分割データが一部重複するならば、結果として
必要な電圧レベル数はさほど増大しない。これに対し
て、従来技術の考え方では、階調レベルは、入力信号の
ビット数や、処理回路の仕様に基づいて決定される。
【0047】例えば、オン、オフ、50%グレイ(オン
+オフで表現)以外の階調を2つの組(表示データを±
1 、±d2 とする)として追加し、必要なレベルを階
調の増大数以外に増やさないようにするには、数3の条
件を満たせばよい。数3より数4の条件が導かれる。
【0048】
【数3】|d1 +(1−d1 20.5 |=|d2 ±(1−
2 20.5
【0049】
【数4】d1 2(1−d1 2)=d2 2(1−d2 2) (ただ
し、d1 ≠d2
【0050】数4で、d1 、d2 の条件式はデータの2
乗に関して表され、正負対称になっている。したがっ
て、±d1 、±d2 の4つの階調が4つの電圧レベルの
追加により表示できる。具体的なd1 、d2 の組として
は、表1のものがある。
【0051】
【表1】
【0052】すなわち、ある階調データd1 (ならびに
−d1 )を用いる場合、その対として、d2 (=(1−
1 20.5 )(ならびに−d2 )を用いることにより、
必要な電圧レベル数を、増加した階調数と同数にでき
る。このような階調レベルの組合せは、従来、通常に用
いられている、8、16、32階調などの表示からは一
般的に得られない。これらの場合は、階調レベルに対応
する複数の波高値が全て一致せず、電圧レベルの少ない
ドライバで駆動したのではエラーが大きくなる。本発明
の方式では、基本的に、階調数Kに対し、必要なレベル
数は、数5のように表される。
【0053】
【数5】(K−2)+2=K
【0054】したがって、従来方式の(2K−2)レベ
ルに比べて(K−2)レベルの低減が可能である。な
お、±1の電圧レベルを用いれば、データ「0」(50
%グレイ)が表現可能である。
【0055】前述のように、本発明では、表示データを
分割して、2つのサブフレームを用いて表示を完結させ
るようになしうる。AMを用いて表示する表示データと
して、オン(d=−1)、オフ(d=+1)、50%グ
レイ(d=0)(ただし、d=0は本発明で必須ではな
い)、さらに数4の条件を満たす4つのデータを選択す
る。すなわち、±1、±d1 、±d2 (=±(1−d1
20.5 )(ならびに0)を階調レベルとして用いる場
合を考える。この場合に、各表示データを表現するため
に必要な2つの分割データは表2のようになる。表2
で、X0 、Y0 の意味は数6に示したとおりである。
【0056】
【表2】
【0057】
【数6】X0 =d1 +(1−d1 20.50 =d1 −(1−d1 20.5
【0058】2つの分割データの印加順序は入れ替えて
もよい。入れ替えによって、一方のサブフレームについ
ては±1と±X0 、他方のサブフレームについては±1
と±Y0 のみを分割データとして使用するようにでき
る。この場合の、±1と±X0を用いるサブフレームを
Xサブフレーム、Xサブフレームで用いる分割データを
総称して分割データXと呼び、±1と±Y0 を用いるサ
ブフレームをYサブフレーム、Yサブフレームで用いる
分割データを総称して分割データYと呼ぶことにする。
【0059】すなわち、この場合に、各表示データを表
現するための分割データX、Yは表3のようになる。定
義からX0 は絶対値が1以上となり、Y0 は絶対値が1
以下となる。
【0060】
【表3】
【0061】図1は、表1における、d1 =0.6、d
2 =0.8の組合せで、種々のロウ波形、カラム波形の
場合について、画素に印加される電圧の値を示したもの
である。図1では、カラム電圧レベルを正規化して(1
として)示した。ここでC=2V2 +2である。
【0062】図1から、たとえば、階調レベル0.8と
0.6とは、パルスハイト1.4を共通に含み、また、
0.8と−0.6とはパルスハイト0.2とを共通に含
むことがわかる。こうして±1.4、±0.2の4レベ
ルで±0.6と±0.8の4階調が表示できる。これ
に、±1.0を加えると、カラム電圧6レベルで7階調
が表示できる。選択時に印加される信号電圧のうち、カ
ラム電圧で変化する部分は、表示データdに比例する。
また、非選択時のRMS電圧は1表示フレーム内で一定
である。
【0063】次に、それぞれの階調レベルの間隔に着目
する。上記の階調レベルの組合せから明らかなように、
階調±d1 、±d2 を+1、−1という表示データに加
えて表示した場合、等間隔な階調レベルは形成されてい
ない。この点は、連続的な階調を表現するためには不利
である。
【0064】本発明では、より連続的な階調の表現をす
るために、AMと他の階調方式、特にFRCとを組合せ
ることにより、飛躍的に階調数を増やすことを併せて提
案する。この場合、表1における、d1 =0.6、d2
=0.8の組合せは特殊な解である。というのは、デー
タ0.6、0.8、1.0は、0.2間隔のデータにな
っているからである。換言すれば、階調レベルが、−1
と+1の間を実質的に等間隔に分割したレベルの一部か
らなっている。具体的には、1から−1までの0.2間
隔のデータのうち、±0.2と±0.4が除かれた状態
となっている。
【0065】つまり、全てが埋まった等間隔な階調レベ
ルを振幅変調で作るのではなく、等間隔のレベルのうち
の一部が振幅変調による階調で表現されている。すなわ
ち、振幅変調のみではレベルが閉じていない。
【0066】この場合、FRCやPWMなどの他の階調
表示方式と組合せることにより、等間隔の階調レベルが
形成できることになるとともに、飛躍的に階調数が増え
ることになる。2フレームでのFRCと組合せた場合の
例を説明する。例えば、AMで7階調(1、0.8、
0.6、0、−0.6、−0.8、−1:ここで、表示
データ0は、レベル±1で表示できる)を表示し、2フ
レームのFRCを併用すると、それぞれのレベルの組合
せにより、1から−1までの0.1刻みの全てのレベ
ル、21階調の表示を達成できる。これは、FRCを併
用しない場合の3倍である。他の階調データの組合せの
例としては、d1 =0.92,d2 =0.392などが
ある。この組合せは、FRCと組合せることにより、2
フレーム(すなわち4サブフレーム)で25階調、3フ
レーム(すなわち6サブフレーム)で63階調、4フレ
ーム(すなわち8サブフレーム)では100階調以上が
実現される。
【0067】比較として、AMで等間隔なK1 レベルを
表示し、さらにMフレームのFRCで表示階調数を増や
す場合には、((K1 −1)×M+1)階調が表現され
る。例えば、2フレームでのFRCを併用すると、(2
1 −1)階調が表現される。これは、FRCを併用し
ない場合の2倍以下にすぎない。
【0068】以上のように、±0.8、±0.6などの
ように+1と−1の間を等間隔に分割した階調レベルか
ら一部を取り出して複数のフレームにより階調を表示す
る場合、従来の多フレームよりを用いた階調表示手法よ
り多くの階調が得られる。そして、±0.92,±0.
392のような非等間隔レベルの一部を1フレームでの
階調レベルとした場合には、フレーム数が増大するにつ
れ飛躍的に階調数を増大させることができる。
【0069】表4に、d1 =0.6、d2 =0.8の組
合せで、21階調の表示を行うために、第1フレーム及
び第2フレームでどのようなデータを表示すればよいか
を示した。ここで、1/21はオフ電圧、21/21は
オン電圧である。なお、前述の2種類の分割データを各
サブフレームに分けて印加する手法によれば、第1フレ
ーム及び第2フレームはそれぞれ2つのサブフレームか
らなり、合計で4つのサブフレームにより各階調は表現
される。
【0070】
【表4】
【0071】比較のため、本発明と従来のAM手法で7
〜8階調を表示する場合とで、必要なレベル数、FRC
を併用して達成できる階調数を表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】表5に示されるように、従来手法では、1
4レベルの電圧を使用して15階調しか表示できない
が、本発明では、6レベルの電圧を使用して21階調の
表示ができる。階調/レベルの効率は3倍以上高くな
る。このことは、本方式によれば、大きなコストアップ
がなく表示品位が飛躍的に向上することを意味する。
【0074】また、本発明の関係を2系統又はそれ以上
用いることにより少ないフレーム数で、多くの階調を達
成できる。たとえば、表1のd1 、d2 の組み合わせを
2組(d1 、d2 、d1'、d2')を用いた場合、必要な
電圧レベルは10レベルで、1表示フレームにおいて1
1階調が表示できる。この場合、多フレームになるにつ
れ飛躍的に階調数を増やせ、2フレームFRCにおい
て、64階調以上の階調が実質的に表示可能となる。
【0075】また、多フレームを用いFRCとの組合せ
により階調表示を行う場合、フレームに応じてロウ電圧
を変化させることが階調を増やすために有効である。従
来技術の場合は、単純にFRCのみで階調を表示してい
るので、さらにロウ電圧を変化させて信号を変調する場
合においては、階調数を増やすためにロウ電圧を大きく
変化させることが必要であった(特開平6−23075
2号公報)。したがって、最適なバイアス比(カラム電
圧とロウ電圧の比)からのずれが生じ、オン/オフの電
圧比が小さくなり、コントラスト、輝度などが低下する
という問題を生じていた。しかし、本発明では、1フレ
ーム内において振幅変調による階調増大が行われている
ので、ロウ電圧を少し変化させれば多階調化できる。し
たがって、液晶に印加されるオン/オフ電圧比をほとん
ど損なうことなく階調数を増大させうる。具体的には、
従来例においては、変調のために、たとえば、複数のフ
レーム間で100%程度以上の電圧変調を必要とした
(ロウ電圧比で1:2程度以上)のに対し、本発明にお
いては、50%以下、通常は30%以下の電圧変調によ
り階調の増大を生ずることが可能となる。この場合、ほ
とんど、電圧のオン/オフ比には悪影響を及ぼさない。
【0076】《本発明の複数ライン同時選択法への適
用》次に、近年注目されている複数ライン同時選択法
(複数ライン同時選択法/AAも含む)への本発明の適
用について説明する。
【0077】複数ライン同時選択においては、階調表示
を行わなくても、必要なレベル数は従来駆動法よりは増
大する。一般に、L本のラインを同時選択する場合に
は、(L+1)個の電圧レベルが必要とされる。
【0078】AM法を複数ライン同時選択に適用するた
めには、以下の2つの条件を満足することが特に望まし
い。
【0079】1)AM法自体で必要なレベル数を極力少
なくすること、 2)用いるレベルが等間隔となるようにすること。
【0080】1)の条件を満たせば、前述のように、電
圧レベル数の低減に関して、従来法よりは格段に改善さ
れる。1)の条件に加え、さらに2)の条件を満たすこ
とが望ましいのは以下の理由からである。
【0081】複数ライン同時選択法においては、カラム
電圧は、同時に選択されるライン上の表示データの直交
関数を用いたマトリクス演算の結果に比例した電圧とな
るので、電圧レベル間の加算、減算が多く行われる。こ
の場合、もし、電圧レベルが等間隔レベルでないと、そ
れぞれの演算により新しいレベルを設ける必要が生じ、
Lの増大につれ指数的に必要なレベル数が増大してしま
う。この観点では、表示データとしては、表1における
1 =±0.8,d2 =±0.6を中間調レベルとして
用いる場合が、複数ライン同時選択に適する。
【0082】以下、この場合を例に説明する。AMに対
する表示データとして、1、0.8、0.6、0、−
0.6、−0.8、−1を用いる場合を説明する。
【0083】この場合、1ライン順次選択法と同様に、
分割データX、Yとしては、±1、±1.4、±0.2
の6種類が必要となる。複数ライン同時選択では、これ
らの分割データの加算・減算によりカラム電圧が決めら
れる。この例では0.4間隔の電圧レベルの1部を用い
ていると考えうるので、加算・減算により生じる電圧レ
ベルもまた0.4間隔である。また、最大電圧レベルは
1.4・Lとなる。以上を考慮すると、本例では、
(1.4・L/0.4)×2(個)の電圧レベルが必要
となる。反対に、もし、もとの電圧レベルが等間隔レベ
ルの1部を用いていなければ、必要なカラム電圧レベル
数は同時選択ライン本数に対して指数的に増大する。
【0084】本発明では、複数ライン同時選択において
AM方式による階調表示を行っても、電圧レベル数が指
数的に増えることはない。例えば、L=3の例において
は、AM方式で7階調表示をするのに必要なレベル数
は、21レベルでしかない。従来例と比較すると、20
分の1以下にレベル数が低減されている。つまり、従来
は、8ビットドライバでも表示上の誤差を生じたのに対
し、本発明では、5ビットドライバで全く誤差なく表示
が行える。
【0085】表6に、複数ライン同時選択(L=3)で
の、種々のデータの組合せで必要なカラム電圧レベルV
x 、Vy の例を示す。表では、ロウ選択パターンが、
(1、1、1)又は(−1、−1、−1)の場合に必要
な電圧レベルを示すが、これで、全ての選択パターンに
ついて必要な電圧レベルを尽くしたものになっている。
この例は、AM階調を導入することによって生じる分割
データについて、±1.4と±1の組と、±1と、±
0.2の組に分けて、それぞれを別のサブフレーム
(X、Y)で表示するようにしている。すなわち、表3
の表記に従えば、X0 =1.4、Y0 =0.2である。
【0086】このように、1つのサブフレームの中で
は、絶対値の同じものを組合せて、絶対値の異なる分割
データが少なくなるように、各サブフレームに分割デー
タを振り分けると、加算、減算による電圧レベルの増大
を極力避けられる。
【0087】
【表6】
【0088】適切なLの範囲は、この電圧レベル数のみ
で決まるのではなく、フレーム応答の抑制効果、すなわ
ちコントラストの観点を考慮して決められる。フレーム
応答の抑制には、全ライン数、駆動周波数、液晶の応答
時間などが関係する。例えば、全ライン数Nは200〜
400ラインとし、応答時間(立ち上がり時間と立ち下
がり時間の平均)が150ms以下の液晶素子で、選択
パルス幅20〜50μsとすると、2≦L≦15の関係
を満たすことが性能と低コストの両立の観点より望まし
いと判断される。ここで、一般に、Nが増えるほど、応
答が早くなるほど、そしてパルス幅が長くなるほど、大
きなLとすることが望ましい。
【0089】AMを使用する場合は、上記のレベル数の
観点より、フレーム応答が抑制される範囲でより少ない
Lを用いることが望ましい。したがって、以下のように
することが望ましい。
【0090】1)N≦300では、2≦L≦7、 2)N>300では、2≦L≦15。
【0091】条件1)は、ドット数(H640(×RG
B)×V480)、(H800(×RGB)×600)
などを2画面駆動する場合や、その1/2、1/4サイ
ズの1画面駆動に対応(N=240、300)する。条
件2)はより高密度(ヘビーデューティー)なもの、例
えば、(H1024×768)に対応する。
【0092】同時選択数Lなどの条件によって、上記の
ように分割データX、Yをサブフレームごとに振り分け
た方が望ましい場合、同一サブフレーム内で両分割デー
タを用いた方が望ましい場合、がある。Lが大きい場合
(特にL>4)では、前者が望ましい条件となるが、L
が小さな場合には、両方の手法のいずれをも用いうる。
たとえば、L=2の場合、X、Y分割データをサブフレ
ームごとに振り分けた場合と、X、Yを必ず同一サブフ
レーム内でかつ同一サブグループ内で用いる場合(すな
わち、同時選択される1本のロウラインにXデータを対
応させもう1本にYデータを対応させる場合)とについ
て、分割データの組合せと電圧レベルは、表7、表8の
ようになる。ここで、X、Yとしては、±1.4、±
0.2を用いた。
【0093】
【表7】
【0094】
【表8】
【0095】表7、表8に示すように、X、Yのデータ
を同時に同一サブグループのラインに対応させる場合
は、最大の電圧レベルが低下し、同時にこの場合、全レ
ベル数も低減されている(表8)。これは、ドライバー
耐圧を低減できる点、波形歪みによる表示の不均一性
(クロストーク)を低減できる点などの、利点を生み出
す。したがって、L=2の場合には、X、Y分割データ
を同一サブフレームの同一サブグループにおいて用いる
ことには、利点がある。この関係は、特にLが小さくL
が偶数のときに有効であり、L=2、4などにおいて、
同時選択されるラインの半分をXデータ、残り半分をY
データとすることは、表示品位の観点、ならびに、コス
ト低減の観点より有効である。
【0096】図4は、複数ライン同時選択法による駆動
を行う場合の回路のブロック図の一例である。6ビット
のデジタルRGB信号を、1画面分、メモリ1に保存し
た後、読み出し、同時選択するラインごとに、3個のサ
ブフレーム振分けルックアップテーブル2によって、ガ
ンマ補正と、フレームレートコントロールのためのフレ
ーム分配を施す。
【0097】フレーム分配された信号は、サブフレーム
カウンタに同期して、各サブフレームごとの表示データ
を3ビットパラレルで出力し、演算回路3へと送る。演
算回路3演算された信号はカラムドライバ5に送られ
て、カラム電圧に変換されたのち、液晶表示パネル7に
印加される。
【0098】演算回路3には、演算のための直交関数が
関数発生器4から送られる。直交関数はロウドライバ6
にも送られ、ロウ電圧に変換されたのち液晶表示パネル
7に印加される。演算回路3及び関数発生器4へは、所
定のタイミングで符号反転信号が送られて符号反転が行
われ、液晶に印加される直流成分が除去される。
【0099】《ダミー行とダミーデータの設定による電
圧レベル数の削減》本発明では、また、複数行を同時選
択するとともに、同時選択される行に仮想行を加え、デ
ータ電極に印加される電圧レベル数を減らすように、仮
想行上のデータを設定することを提案する。
【0100】本発明では、AM方式の階調駆動を行うた
め、表示データは、絶対値の異なる2種以上のデータか
らなる。このような場合に、一般的に、電圧レベル数を
減らせるような条件について例示、説明する。
【0101】その1つは、同時選択される行(仮想行を
含む)に対応する表示データを絶対値の異なる表示デー
タの組に分けた場合、それぞれの組に含まれる表示デー
タの個数が所定の離散した整数値のみをとるように、仮
想行上のデータを設定することである。この離散した整
数値の例としては、(1,3,5,7・・・),(2,
4,6,8・・・),(3,6,9,12・・・)など
がある。
【0102】特に、絶対値の等しい表示データの個数を
仮想電極を含む行電極サブグループの中で偶数又は奇数
に揃えることが好ましい。必要な仮想電極の本数が多く
なりすぎるのを防ぐためである。
【0103】このような条件について、図面を参照しな
がら説明する。
【0104】図2は、2ライン同時選択する駆動方式に
対して1ラインの仮想電極を追加した場合の、電圧レベ
ルの低減効果を示す。図2は横に並んだ[A]〜[D]
の4つの欄からなっており、それぞれは2つの場合を含
んでいる。それぞれの内容は以下のとおりである。
【0105】A欄は、データd1 の個数が奇数に統一さ
れ、データd2 の個数が偶数に統一された場合を示す。
B欄は、データd1 の個数が偶数に統一され、データd
2 の個数が奇数に統一された場合を示す。C欄は、A欄
と同じく、データd1 の個数が奇数に統一され、データ
2 の個数が偶数に統一された場合であり、データベク
トルの要素積の符号をマイナスとした場合を示す。D欄
は、データd1 の個数が偶数に統一され、データd2
個数が奇数に統一された場合であり、かつデータベクト
ルの要素積の符号をマイナスとした場合を示す。
【0106】表示データのうち、かっこで囲まれたもの
が仮想データであり、波形図はその場合の波形である。
最下段に、全ての現実の表示パターンを表示するのに必
要な電圧レベルを示した。ここでは、交流化のため、符
号が反対の電圧レベルが必要になることが考慮されてい
る。選択行列は表9に示すものとした。ここで、行列の
行のうち、2行は実在する表示ライン、1行は仮想ライ
ンに対応する。また、行列の列は、選択パルスのシーケ
ンス(すなわち時間)に対応する。
【0107】
【表9】
【0108】図2のように、データd1 の個数とデータ
2 の個数との偶奇が反対になる2つの場合のそれぞれ
に対して必要な電圧レベルは8レベルずつである。3本
の行電極を同時選択し、絶対値の異なる2種のデータを
扱う場合は、本来16レベルが必要になるが、この16
レベルが2つの場合に分かれたことになる。これは、そ
れぞれのデータの個数の偶奇が固定されているため、必
然的に取り得ないレベルが生じるためであると考えられ
る。本来、2本の行電極を同時選択し、絶対値の異なる
2種のデータを扱う場合は、9レベルが必要なので、本
発明のように、仮想行を設定し、かつ適当な仮想データ
を選択することにより、電圧レベルが1レベル減ること
がわかる。
【0109】一般的に、表示データの個数が所定の離散
した整数値のみをとるようにすることにより、同様の効
果が得られる。ただし、3の倍数などに固定するために
は、必要な仮想電極の本数が多くなり、コントラスト比
が下がる欠点がある。このため、表示データの個数をそ
れぞれ偶数又は奇数に固定することが好ましい。
【0110】電圧レベル数を減らすための条件の他の1
つは、選択行列として、列ベクトルの要素積の符号が一
定となるようなものを用い、かつ同時選択される行(仮
想行を含む)に対応する表示データの要素積の符号が一
定になるように仮想行上のデータを設定することであ
る。特に、表示データの要素積と選択行列の列ベクトル
の要素積とで符号が逆になるようにすることが好まし
い。これにより、最大電圧レベルを低くできるからであ
る。
【0111】この条件は、仮想電極を含む同時選択行電
極本数が偶数の場合に、電圧レベル数低減の顕著な効果
を示す。以下、図3を参照しながら具体例に即して説明
する。
【0112】図3は、3ライン同時選択する駆動方式に
対して1ラインの仮想電極を追加した場合の、電圧レベ
ルの低減効果を示す。表示データ欄でかっこで囲まれた
ものが仮想データで、波形図はその場合の波形を示す。
図2と同様に、最下段に、全ての現実の表示パターンを
表示するために必要な電圧レベルを示した。選択行列は
表10のものを用いた。ここで、行列の行のうち、3行
は実在する表示ライン、1行は仮想ラインに対応する。
また、行列の列は、選択パルスのシーケンス(すなわち
時間)に対応する。この行列は、列ベクトルの要素積の
符号が、負で一定になっている。例えば、表9に示した
行列において、最も右の列の符号を反転した行列も直行
行列であるが、このような行列は列ベクトルの要素積の
符号が一定にならない。
【0113】
【表10】
【0114】A欄の例は、データd1 、d2 の個数がい
ずれも偶数に統一され、かつ表示データの要素積と選択
行列の列ベクトルの要素積との符号が逆に統一された場
合である。B欄の例は、データd1 、d2 の個数がいず
れも奇数に統一され、かつ表示データの要素積と選択行
列の列ベクトルの要素積との符号が逆に統一された場合
である。
【0115】C欄の例は、データd1 、d2 の個数がい
ずれも偶数に統一され、かつ表示データの要素積と選択
行列の列ベクトルの要素積との符号が等しく統一された
場合である。D欄の例は、データd1 、d2 の個数がい
ずれも偶数に統一され、かつ表示データの要素積と選択
行列の列ベクトルの要素積との符号が等しく統一された
場合である。
【0116】図3のように、それぞれの場合に、必要な
電圧レベルの数は4個、6個、9個、6個となる。4本
の行電極を同時選択し、絶対値の異なる2種のデータを
扱う場合は、本来25レベルが必要になる。図3から理
解できるように、この25レベルが4つの場合に分かれ
たことになる。4つの場合に分かれたのは、それぞれの
データの個数の偶奇が固定されているため、必然的に取
り得ないレベルが生じるためであるばかりでなく、それ
ぞれについて正負対称の電圧レベルになるので、交流化
のために極性反転を行っても電圧レベルが増えないこと
による。交流化のために極性反転を行っても電圧レベル
が増えない点は、仮想行を含めた同時選択本数が偶数の
場合の利点である。
【0117】また、図3から、表示データの要素積と選
択行列の列ベクトルの要素積との符号が逆になるように
統一された場合には、最大電圧レベルが下がることがわ
かる。これは、直交変換の加算、減算のとき、全ての表
示データの符号が揃うことがないためである。列ベクト
ルの要素積が一定でない直交行列を選択行列として使用
する場合は、この点で不利になる。
【0118】図3より、3ライン同時選択する駆動方式
に対して1ラインの仮想電極を追加した場合は、データ
1 、d2 の個数がいずれも偶数に統一され、かつ表示
データの要素積と選択行列の列ベクトルの要素積との符
号が逆に統一された場合が最も有利なことがわかる。す
なわち、一般に、電圧レベル数削減及び最大電圧低減の
観点から最も望ましいといえる条件は、(1)仮想電極
を含んだ全同時選択ライン本数を偶数とし、(2)各デ
ータ個数をいずれも偶数に統一し、かつ、(3)表示デ
ータの要素積と選択行列の列ベクトルの要素積との符号
を逆に統一する場合である。
【0119】本発明で用いる同時選択行本数(L)とし
ては、2≦L≦16程度が、回路構成の複雑さとフレー
ム応答の抑制の観点から望ましい範囲であり、特に、フ
リッカー抑制などの観点から、表示が完結するフレーム
長が長くならないように、選択パルス系列を決める直交
関数が正方行列に近いことが望ましい。この観点より、
L=2S −1とするのが最も望ましい。これより、L=
3、7、15が望ましい。回路構成並びにドライバの観
点より、なかでもL=3、7、特にはL=3が望まし
い。
【0120】前述のように、階調データとして、d1
2 (=(1−d1 20.5 )を用いる場合は、基本的
に、APT(1ライン選択)に対応するレベルは、±
1、±X0 、±Y0 の6種類である。したがって、3ラ
イン同時選択する駆動方式に対して1ラインの仮想電極
を追加した場合、大幅な電圧レベル数低減が可能になる
条件は、具体的には次の1)〜3)を満たすことであ
る。ただし、1)は必須ではない。
【0121】1)特定のサブグループに対して、サブフ
レームには、±1と±X0 のみが割り振られるもの(X
サブフレーム)と、±1と±Y0 のみ割り振られるもの
(Yサブフレーム)の2つのサブフレームが存在するよ
うにする。 2)表示データの要素積と選択行列の列ベクトルの要素
積との符号が逆になるように統一する。 3)4本のラインデータで「±1」「±X0 」「±Y
0 」の数を偶数となるように統一する。
【0122】この条件を満たすとき、最もレベルを低減
できる。例えば、L=3においては、必要なレベル数は
6レベル(±2、±2X0 、±2Y0 )である。これ
は、仮想データを用いない場合の、21レベルと比し
て、1/3以下のレベル数である。したがって、内部で
のデータビット数も5ビットから3ビットに低減され、
安価なカラムドライバが使用できる。
【0123】選択行列の列ベクトルの要素積の符号は、
その選択行列がアダマール行列からどのように形成され
るかによって決定できる。つまり、アダマール行列に、
行もしくは列の入れ替え、又は行もしくは列の極性反転
を施して選択行列を形成し、その際に行もしくは列の反
転の回数が偶数回か奇数回かで決めればよい。反転回数
が偶数の場合は、4本のラインデータでマイナス符号の
数を奇数とし、反転回数が奇数の場合には、4本のライ
ンデータでマイナス符号の数を偶数とする。
【0124】表10の4×4行列を例にとる。この行列
は、アダマール行列に対して、以下の操作を施すと得ら
れる。
【0125】1)2、3列を反転、 2)2と3行を入れ替え、 3)1行を反転。
【0126】この場合、行反転が1回入っているので、
4本のラインデータでマイナス符号の数を偶数とすれば
よい。
【0127】本発明のもう一つの大きな利点は、カラム
電圧の最大値を低くできる点にある。この点をd1
0.8、d2 =0.6の場合に、具体的に説明する。例
えば、L=3では、選択パルス(1、1、1)に対し
て、データが全て1.4の場合、カラム電圧レベルは、
1.4×3=4.2となるが、本方式では、1.4×2
=2.8が最大となり、カラム電圧の最大値は半分にな
っている。
【0128】このことは、低消費電力の点で有利である
だけでなく、印加されるカラム電圧波形が大きな変動を
起こさないという利点もある。つまり、電圧の急激な変
化(すなわち高周波成分)による波形の歪みで起こるク
ロストークが低減できる。
【0129】以上の本発明の利点をまとめると、以下の
ようになる。 1)カラム電圧レベル数が低減できる、 2)カラム電圧の絶対値が低減できる、 3)クロストークが低減できる。 つまり、コスト低減と、表示品位の向上が同時に図れ
る。
【0130】なお、仮想ラインを加える方式では、本来
の同時選択ライン数に、仮想のラインを加えて駆動する
ために生ずる欠点も存在する。これは、実際にはLライ
ンしか同時に駆動していないにもかかわらず、あたかも
(L+1)ライン存在するかのように駆動するために生
じるデューティ比の変化が原因である。具体的には、N
本のラインをL本同時に駆動する際、仮想ラインを1本
加えると、全部でN/L×(L+1)本のラインを駆動
することに相当する。
【0131】例えば、N=240の場合、実際の同時選
択ライン本数が3本で仮想電極が1本のときに320ラ
イン相当、実際の同時選択ライン本数が7本で仮想電極
が1本のときに280ライン相当を駆動することに相当
する。これにより、実効電圧のオン/オフ比は、従来駆
動時の、1.066から、1.057及び1.062へ
低下する。
【0132】ダミーラインを使用して電圧レベル数を減
らした場合の回路も図4とほぼ同じである。ただし、演
算回路3は、ダミーデータ発生、行列演算ルックアップ
テーブル3になり、その出力は3ビットになる。
【0133】6ビットのデジタルRGB信号を、1画面
分、メモリ1に保存した後、読み出し、同時選択するラ
インごとに、3個のサブフレーム振分けルックアップテ
ーブル2によって、ガンマ補正と、フレームレートコン
トロールのためのフレーム分配を施す。フレーム分配さ
れた信号は、サブフレームカウンタに同期して、各サブ
フレームごとの表示データを3ビットパラレルで出力
し、ダミーデータ発生、行列演算ルックアップテーブル
(3)へと送る。ここでダミーデータを含めて演算され
た信号はカラムドライバ5に送られて、カラム電圧に変
換されたのち、液晶表示パネル7に印加される。
【0134】ダミーデータ発生、行列演算ルックアップ
テーブル(3)には、演算のための直交関数が関数発生
器4から送られる。直交関数は、ロウドライバ6にも送
られ、ロウ電圧に変換されたのち液晶表示パネル7に印
加される。ダミーデータ発生、行列演算ルックアップテ
ーブル(3)及び関数発生器4へは、所定のタイミング
で符号反転信号が送られて符号反転が行われ、液晶に印
加される直流成分が除去される。
【0135】《表示むらの低減》今までに説明した手法
で中間調を表示した場合、表示パターンによっては本来
の階調レベルとは異なり、輝度の逆転現象が起こる場合
がある。これは、それぞれの階調データを表示する際の
カラム電圧波形の周波数スペクトル分布が互いに異なる
ためである。すなわち、表示されるべき階調(輝度)レ
ベルは実効電圧の大きさによって制御される一方で、実
際のパネルでは印加されるカラム電圧の周波数特性にも
依存する。階調数が増えれば増えるほど隣り合う階調レ
ベルの場合、実効電圧値の差はわずかなものとなり、カ
ラム電圧の周波数特性が異なると、階調レベル間で輝度
の逆転現象が起こる可能性がある。
【0136】本発明では、このような問題を解決して、
さらに良好な表示を得るために、中間的な階調データの
表示時において、全ての行電極に少なくとも1つの選択
パルスが印加される期間(これを以後、1スキャンとい
う)内に該選択パルスに対応してカラム電極に印加され
る信号群に、分割階調データのうち絶対値が1を超える
ものを直交変換して得られる信号と絶対値が1未満のも
のを直交変換して得られる信号とを混在せしめることを
提案する。このようにすると、特定の階調において駆動
信号の周波数成分が極めて低くなるような事態を回避で
きるため、前述の階調逆転現象を抑制できる。
【0137】前述のようにXサブフレームとYサブフレ
ームとに分けて1つの階調データを表示する場合におい
ては、絶対値が1を超える階調データには、Xサブフレ
ーム内で表現される±X0 (ここでX0 =d1 +(1−
1 20.5 )が相当し、絶対値が1未満の階調データと
は、Yサブフレーム内で表現される±Y0 (ここでY0
=d1 −(1−d1 20.5 )が相当する。
【0138】すなわち、上記の提案は1スキャン内で分
割データXに基づくカラム電圧レベルと分割データYに
基づくカラム電圧レベルとを混在させる手法であるとも
いえる。かかる手法により、カラム電圧波形は全体的に
高周波化され、各階調間のカラム電圧波形は周波数的に
均一化される。
【0139】また、前述したように、本発明のAMによ
る階調表示では、Xサブフレームのみ終了した状態で
は、非選択画素の電圧実効値は一定ではなく表示データ
に依存し、XサブフレームとYサブフレームとを終了し
て、はじめて非選択画素の電圧実効値が表示データと無
関係に一定となる。したがって、画面の切替えのタイミ
ングによっては、実効電圧が大きく変動し、画素の輝度
変化が人間の目に見える程度の時間スケールで生じ、こ
れが縦筋状のむらとして観察される場合がある。これ
は、特に動画を表示する場合に顕著である。
【0140】かかる縦筋状むらを低減するために、本発
明ではまた、同時選択される特定の行電極群に注目した
場合に、カラム電極に印加される信号は、所望の階調デ
ータを表示するために必要な全ての分割階調データを直
交変換することによって形成された複数の信号が、選択
行列の列ベクトルごとに1まとまりとなって、選択パル
スの印加のタイミングに対応して連続的に印加されるよ
うにする。
【0141】1つの選択行列の列ベクトルによって直交
変換された分割階調データに基づく信号が全て印加され
た時点で、非選択画素に印加されるの電圧実効値は表示
データと関係なく一定となるため、上記の手法を採用す
ると、非選択画素に印加されるの電圧実効値が表示デー
タと関係なく一定となる周期を短くでき、縦筋状むらを
低減するのに顕著な項効果がある。
【0142】前述のごとくXサブフレームとYサブフレ
ームとに分けて1つの階調データを表示する場合におい
ては、選択行列の同一の列ベクトルによって直交変換さ
れた分割データXに基づく信号と分割データYに基づく
信号とが、同時選択される特定の行電極群に注目して、
選択パルスの印加のタイミングに対応して連続的に印加
されるようにすればよい。直交変換された分割データX
に基づく信号と分割データYに基づく信号とがカラム電
圧に印加された時点で非選択画素に印加される電圧実効
値が表示データと関係なく一定となる。
【0143】上記の2つの提案をより具体的に説明する
ため、まず、複数行同時選択法において、本発明のAM
による階調表示を行った場合の選択パルスシーケンスの
例を具体的に説明する。
【0144】AMを伴わない複数ライン同時選択法にお
ける列電極表示パターンベクトル(D)と列電極電圧シ
ーケンスベクトル(c)との関係は一般的に数7のよう
に、ベクトルとマトリクスとからなる表式で書ける。
【0145】
【数7】(c)=(D)(S) ただし(c)=(c1 ,c2 ,・・・,cN ) (D)=(D1 ,D2 ,・・・,DM ) (D):列電極表示パターンベクトル (c):列電極電圧シーケンスベクトル (S):行電極パルスシーケンス行列
【0146】ここで、ベクトル(D)、ベクトル
(c)、行列(S)は以下のようなものである。列電極
表示パターンベクトル(D)=(D1 ,D2 ,・・・,
M )は、行電極本数M(仮想電極や仮想サブグループ
を含む)と等しい要素を持ち、特定の列電極上の行電極
に対応する表示データを要素とする。従前と同様に、オ
フの場合を1、オンの場合を−1とする。列電極電圧シ
ーケンスベクトル(c)=(c1 ,c2 ,・・・,c
N )は、1フレーム内に印加されるパルス数Nと等しい
要素を持ち、特定の列電極に対する電圧レベルを1フレ
ーム内で時系列で並べたものを要素とする。
【0147】行電極パルスシーケンス行列(S)は、M
行N列の行列であり、特定の列電極に対する行電極電圧
レベルからなる列ベクトルを1フレーム内で時系列で並
べたものを要素とする。非選択の行電極に対応する要素
は0とされる。典型的な行電極パルスシーケンス行列
(S)は、選択行列Aのi列目の列ベクトルAi 、なら
びにゼロベクトルZe により数8のように書かれる。
【0148】
【数8】
【0149】複数ライン同時選択法の原理によれば、行
電極パルスシーケンス行列(S)内の列ベクトルの入れ
替えは任意に行うことができる。したがって、行電極サ
ブグループの数NS と選択行列Aの列ベクトルの数Kと
の間に特定の関係を満足させれば、行電極パルスシーケ
ンス行列(S)内の列ベクトルの入れ替えにより、NS
番目のサブグループの選択からサブグループ1の選択に
移行する場合の、選択行列Aの列ベクトルの飛びをなく
せる。
【0150】具体的には、同時選択行本数(仮想電極も
含めて)が4本で選択行列Aの列ベクトルの数が4の場
合は、サブグループの数を81とすれば、数9に示すよ
うに、サブグループ80からサブグループ1の選択に移
行する際の選択行列の列ベクトルの飛びをなくせる。こ
うすると、不必要な低周波成分をなくせるので、フリッ
カーの抑制に効果的である場合が多い。サブグループの
数が、現実のパネルと合致しない場合は、ダミーのサブ
グループを設けることにより、選択行列の列ベクトルの
飛びをなくせる。
【0151】
【数9】
【0152】ところで、本発明で採用したAMの1方式
においては、1つのサブフレームでは、非選択画素の電
圧実効値が一定にはならず、最低2つのサブフレームを
必要とする。このような本発明のAMにおいて、1フレ
ームの列電極表示パターンベクトル(D)と列電極電圧
シーケンスベクトル(c)との関係を表現するために
は、上記の表式に若干の修正を加える必要がある。2つ
のサブフレームX,Yで1フレームを表現する場合を例
にとり、この場合の(D)、(c)、(S)を先のAM
を併用しない場合と区別して、それぞれ、(DX+Y )、
(cX+Y )、(SX+Y )と表現する。数7と同様に、数
10が成立する。
【0153】
【数10】(cX+Y )=(DX+Y )(SX+Y ) ただし(cX+Y )=(c1 ,c2 ,・・・,c2N) (DX+Y )=(D1 ,D2 ,・・・,D2M
【0154】数10において、(DX+Y )=(D1 ,D
2 ,・・・,D2M)は、行電極本数M(仮想電極や仮想
サブグループを含む)の2倍の要素を持ち、特定の列電
極上の行電極に対応する分割データXと分割データYと
を要素とする。説明の便宜上、(DX+Y )の1番目から
M番目までの要素とM+1番目から2M番目までの要素
がそれぞれ前記の特定の列電極上のM本の行電極に対応
するとする。また、列電極電圧シーケンスベクトル(c
X+Y )=(c1 ,c2 ,・・・,c2N)は、1サブフレ
ーム内に印加されるパルス数Nの2倍の要素を持ち、特
定の列電極に対する電圧レベルを1フレーム内で時系列
で並べたものを要素とする。(SX+Y )は典型的には数
7の(S)を用いて数11のように表現される。ここに
おいて、Zeはゼロ行列である。
【0155】
【数11】
【0156】すなわち、行電極パルスシーケンス行列
(SX+Y )は、2M行2N列の行列であり、特定の列電
極に対する行電極電圧レベルからなる列ベクトルを1フ
レーム内で時系列で並べたものを要素とする。(S
X+Y )の第1行から第M行までと、第M+1行から第2
M行までとはそれぞれ1フレーム内にそれぞれ2回の選
択状態が生じるパネルの行電極に対応する。また、(S
X+Y )の列ベクトルは特定の列電極に対する行電極電圧
レベルからなる列ベクトルを1フレーム内で時系列で並
べたものに対応する。
【0157】前記の提案のうち、「1スキャン内に選択
パルスに対応してカラム電極に印加される信号群に、分
割階調データのうち絶対値が1を超えるものを直交変換
して得られる信号と絶対値が1未満のものを直交変換し
て得られる信号とを混在せしめる」というのは、列電極
電圧シーケンスベクトル(cX+Y )を適当に入れ替え
て、1スキャン内に分割データXに基づくカラム電圧レ
ベルと分割データYに基づくカラム電圧レベルとを混在
させることに対応する。もちろんこの際には、(S
x+Y )の列ベクトルの入れ替えが対応して行われる。
【0158】例えば、i番目の同時選択される行サブグ
ループの選択時に特定のカラム電極にはj番目の選択行
列の列ベクトルで直交変換したXサブフレームの分割階
調データが信号として印加される場合に、この信号をg
X i j と表し、同様に、i番目の同時選択される行サブグ
ループの選択時に特定のカラム電極にはj番目の選択行
列の列ベクトルで直交変換したYサブフレームの分割階
調データが信号として印加される場合に、この信号をg
Y i j と表すとする。
【0159】4行4列の選択行列を用いて、5サブグル
ープの選択ごとに分割データXに基づくカラム電圧レベ
ルと分割データYに基づくカラム電圧レベルとを入れ替
える場合は、例えば、列電極電圧シーケンスベクトル
(cX+Y )は、たとえば、数12のようになる。これは
もちろん、サブグループの数は、5よりも大きい場合で
ある。
【0160】
【数12】(cX+Y )=(gX 1 1,X 2 2,X 3 3,
X 4 4,X 5 1,Y 6 2,Y 7 3,・・gX 1 2,X 2 3,X 3
4,X 4 1,X 5 2,Y 6 3,Y 7 4,・・gX 1 3,X 2 4,
X 3 1,X 4 2,X 5 3,Y 6 4,Y 7 1,・・gX 1 4,
X 2 1,X 3 2,X 4 3,X 5 4,Y 6 1,Y 7 2,・・)
【0161】XYの入れ替え周期は、カラム電圧波形の
ひずみによる実効電圧低下を考慮して、実験的に定める
のがよい。
【0162】また、「同時選択される特定の行電極群に
注目した場合に、カラム電極に印加される信号は、所望
の階調データを表示するために必要な全ての分割階調デ
ータを直交変換することによって形成された複数の信号
が、選択行列の列ベクトルごとに1まとまりとなって、
選択パルスの印加のタイミングに対応して連続的に印加
されるようにする」ためには、同時選択される特定の行
電極群に注目した場合に、選択パルスごとに分割データ
Xと分割データYとが入れ替わることを意味しており、
具体的には、数13のような列電極電圧シーケンスベク
トル(cX+Y)を用いる場合である。分割データXと分
割データYの表現は順序が逆であってもよい。
【0163】
【数13】(cX+Y )=(gX 1 1,X 2 2,X 3 3,
X 4 4,X 5 1,Y 6 2,Y 7 3,・・gY 1 1,Y 2 2,Y 3
3,Y 4 4,Y 5 1,X 6 2,X 7 3,・・gX 1 2,X 2 3,
X 3 4,X 4 1,X 5 2,Y 6 3,Y 7 4,・・gY 1 2,
Y 2 3,Y 3 4,Y 4 1,Y 5 2,X 6 3,X 7 4,・・g
X 1 3,X 2 4,X 3 1,X 4 2,X 5 3,Y 6 4,Y 7
1,・・gY 1 3,Y 2 4,Y 3 1,Y 4 2,Y 5 3,X 6 4,
X 7 1,・・gX 1 4,X 2 1,X 3 2,X 4 3,X 5 4,
Y 6 1,Y 7 2,・・gY 1 4,Y 2 1,Y 3 2,Y 4 3,
Y 5 4,X 6 1,X 7 2,・・)
【0164】なお、数13では5選択パルスを周期にし
て分割データXに基づくカラム電圧レベルと分割データ
Yに基づくカラム電圧レベルとを入れ替えている。
【0165】数13においては、最初の第1サブグルー
プの選択で選択ベクトル1に対する分割データXが第1
サブグループに対応づけられてから次の第1サブグルー
プの選択(すなわち第2スキャン)で選択ベクトル1に
対する分割データYが第1サブグループに対応づけられ
る。したがって、いかなる表示パターンに対しても、2
回のスキャンが終了した時点で、カラム電極上の電圧実
効値は一定値となる。これは、同一サブグループに対し
て分割データXが4つの選択ベクトルに対して対応づけ
られた後に分割データYが4つの選択ベクトルに対して
対応づけられる場合に比べて1/4の周期でカラム電極
上の電圧実効値が一定値となることを意味する。したが
って、あるサブグループに対して、分割データXと分割
データYがそのサブグループに対する選択パルス毎に入
れ替えること、そのサブグループ選択に用いられる選択
ベクトルが、2スキャンにおいて同一(この場合、極性
は考慮されない)であることの2つの条件によって、カ
ラム波形の低周波成分が除かれ、動画表示などにおいて
画像データが頻繁に変化したとしても、スムーズな画像
変化が得られる。
【0166】これまでの例では、選択ベクトルはサブグ
ループの選択毎に変化する(たとえば、選択ベクトルが
選択行列内でインクリメントされる)ベクトルシーケン
スの例を示したが、ベクトルシーケンスとしては、いく
つかのサブグループの選択にわたり同一選択ベクトルを
用いることもできる。最も長い同一選択ベクトルの使用
は、2サブフレームにわたる場合である。すなわち、第
1、第2スキャンがベクトル1、次の2スキャンがベク
トル2、というケースである。この場合、数13のよう
に、ベクトルが毎選択ごとに変化する場合に比べ、カラ
ム電圧波形の基本周波数は非常に低くなる。この、基本
周波数は、いくつかの選択毎に周期的にベクトルを進め
ることにより、調整できる。Wパルスごとに、ベクトル
を進める場合、数13の場合に比べ、基本周波数は1/
W倍になる。
【0167】高い表示品位の達成において、重要な項目
は、下記のようにまとめられる。 1)表示する階調レベルに対して必要なカラム電圧レベ
ル数が適切である(多すぎない)こと、 2)カラム波形の周波数スペクトルが表示パターンによ
り大きく変動しないこと。
【0168】1)は、必要なカラム電圧レベル数が多す
ぎると、波形が複雑になり、それによりクロストーク、
階調逆転などを生じる場合があるため、これを生じない
ための要件であり、2)は、表示パターンによるクロス
トークを防ぐための要件である。本発明の1態様では、
1、2の要件を同時に満たす、新規な多階調化手法を提
供する。すなわち、低コストで均一性の高い多階調表示
を達成する。
【0169】1)の要件に関しては、既に述べた特定の
階調レベルをとり、かつ、FRC技術と組合せることに
より達成される。また、複数ライン同時選択法において
は、さらに、仮想行とそれに対応した特殊な仮想データ
を用いることにより、より一層、カラム電圧レベル数に
対する表示される階調数の効率をあげうる。
【0170】2)の要件に関しては、いくつかの波形合
成手法との組合せが適する。具体的には、以下のような
手法である。
【0171】2−1)1スキャン内で、分割データXに
基づくカラム電圧レベルと分割データYに基づくカラム
電圧レベルとを混在させる。かかるX、Yデータの混在
手法には、混在を生じさせる空間的なサイズとして2種
類ある。1つは、あるスキャンにXデータに対応するサ
ブグループと、Yデータに対応するサブグループとを設
けるというサブグループ単位での混在であり、もう1つ
は、同時に選択されるサブグループ内のラインによりX
データ、Yデータを割り振るライン単位の混在である。
混在手法としては、それらの片方又は両方を用いうる。
【0172】2−2)スキャン内で、選択パルスの形成
に用いる選択ベクトルを規則的に変化させる。たとえ
ば、選択ベクトルを、選択行列内で規則的にシフトして
用いる。この周期は、1選択パルスから2スキャンの長
さまでの間で可変である。
【0173】2−3)サブグループ数の約数に相当する
周期、又はサブグループの数とは独立な周期で、選択ベ
クトルの極性を反転させる。これは、基本的には、交流
化周期を決める手法であり、同時にカラム波形の周波数
スペクトルも制御できる。
【0174】以上の3つの手法は、それぞれ独立、かつ
有効にカラム波形の周波数スペクトルを制御可能なもの
であり、この手法により、カラム波形が表示パターンに
強く依存するために生じるクロストークの発生を防止で
きる。特に、本発明のような多階調表示を実現する場合
において、クロストークによる波形の電圧変動は、画像
の品位を著しく悪化させる。動画表示の場合は、この画
像の品位劣化が著しい。本発明の、階調化手法は、2)
の要件と適切に組合せることにより、非常に高品位な画
像を低コストで提供する。
【0175】階調の増大手法については、前述のよう
に、FRCとの組合せが本発明に最も適するが、この他
にも、空間情報を利用する階調化手法である、誤差拡散
法やディザ(dither)法を用いて階調数を増大す
ることもできる。また、FRC法としては、従来の手法
を応用でき、特に隣接する画素間で複数フレームへの階
調データの対応の位相を変える空間変調の手法を用いる
ことが望ましい。これにより、時間的な輝度の変動をよ
り抑制でき、フリッカーのない多階調表示が可能とな
る。例えば、本発明でFRCとして4フレームを使った
表示を行う場合、空間変調を組合せることにより、ほと
んど時間的な輝度の変動は認識されないようになる。
【0176】《本発明の実現するための回路手法》次
に、本発明を実現するための回路手法に関して説明す
る。
【0177】本発明において特徴的な点は、振幅変調と
FRCとの組合せにより多くの階調を発生させる点、な
らびに、振幅変調が階調データを2つ以上の分割階調デ
ータから構成されカラム電圧が決定される点にある。し
たがって、これらの構成が本発明の基本的な回路構成と
なる。すなわち、表示するべき階調データを時系列に展
開した階調データの系列に展開する回路手段、展開され
た階調データ(振幅変によって表現されるべき階調デー
タ)を分割階調データに変換する回路手段、カラムに印
加する電圧を決定する回路手段、が本発明の基本構成で
ある。また、複数ライン同時選択法を用いる場合には、
同時に選択されるロウラインのサブグループに対応した
振幅変調によって表現されるべき階調データから分割デ
ータの組を作る回路手段、ロウ電極に印加される選択ベ
クトルを発生する回路手段、分割データの組と選択ベク
トルからカラム電圧を決定する回路手段を加える。これ
らの、回路手段は、論理回路又はROMにより構成され
る。また、いくつかの回路手段をひとまとめにして処理
することもできる。
【0178】階調データは、上記いずれかの階調データ
の形でメモリなどに格納することが望ましい。表示する
べき元階調データをメモリに格納し上記手段によりディ
スプレイに送るカラム電圧信号を決定することも、途中
の振幅変調によって表現されるべき階調データとしてメ
モリに格納することも、分割階調データとしてメモリに
格納することもできる。このうちで、必要なメモリのサ
イズ、消費電力などの点で最も有効なのが、振幅変調に
よって表現されるべき階調データの形でメモリに格納す
る手法である。この場合に関し、いくつかのシーケンス
の例を下に示す。下記例のうち、3)は複数ライン同時
選択法を用いた場合を表す。
【0179】1)8ビット階調データ → 空間的階調
化手法(誤差拡散、ディザ)→ 6ビット階調データ
→ 時系列展開(4フレームFRC) → 1フレーム
の振幅変調で表現されるべき階調データ 3ビット →
メモリ → 分割データ発生 → カラム電圧発生
→ ディスプレイ 2)6ビット階調データ → 時系列展開(4フレーム
FRC) → 1フレームの振幅変調で表現されるべき
階調データ 3ビット → メモリ → 分割データ発
生→ カラム電圧発生 → ディスプレイ 3)6ビット階調データ → 時系列展開(4フレーム
FRC) → 1フレームの振幅変調で表現されるべき
階調データ 3ビット → メモリ → 分割データ発
生(複数ライン) → ロウ選択パルス及びカラム電圧
発生(Ex−Or演算と加算) → ディスプレイ
【0180】メモリとしては、VRAM、DRAMなど
が使用でき、データ幅を広くとれる構成であることが望
ましい。このように、表示すべき階調データ(6〜8ビ
ット)を、空間、時系列において演算しデータのビット
数を減らし、1フレームの振幅変調データ(3〜4ビッ
ト程度)としメモリに格納することが効率的である。も
ちろん、元の階調データから直接(上記のようなメモリ
を介さずに)カラム電圧信号まで演算することもでき
る。ただし、この場合、大きなデータ幅と高速のアクセ
スタイムが必要となる。
【0181】また、1)〜3)の例で、分割データ発生
回路手段は、FRCの空間変調に対応するカラム、ロウ
の空間情報、ならびに、時系列の情報(フレームカウン
ター)から、複数の分割データのいずれであるかを決定
するものである。
【0182】以下、より具体的に回路構成に関し説明す
る。本発明においては、画像信号処理回路が、行選択パ
ターン発生回路と、入力された画像信号を時系列上に展
開された複数のフレームに展開するフレーム変調回路
と、前記複数のフレームに展開された画像信号(振幅変
調に対応した階調データ)を電圧の振幅の計算に必要な
量だけ保存可能なメモリと、メモリからの画像信号と行
選択パターン信号とから列電圧信号を演算する列電圧信
号演算回路と、画像信号が前記展開された複数のフレー
ムの何フレームめのものであって、かつXサブフレーム
とYサブフレームのいずれのフレームにあるかを指定す
るタイミング発生器(分割データX、Yの発生器)と、
を備えているため、フリッカーの少ない多階調表示が可
能になる。
【0183】また、階調を含んだ画像信号をメモリに転
送する前に時系列上に展開された複数フレームの信号に
変換するフレーム変調回路を備えることにより、単位時
間当たりのデータ量を低減できるため、フリッカーの少
ない表示ができるとともに、メモリ数を削減できる。
【0184】また、画像信号処理回路を集積回路とする
ことにより、メモリの読み書きのデデータ幅を広くとり
うるので、アクセス速度の小さいメモリ(例えばDRA
Mなど)も使用できる。
【0185】図5は、本発明の実施に用いることのでき
る画像信号処理回路の例を示す。画像信号処理回路10
0は、フレーム変調回路21、入力ポート(シフトレジ
スタ)22、メモリ(3メガビットDRAM)23、出
力ポート(シフトレジスタ)25、階調データ変換回路
26、行選択パターン発生器27、列電圧信号演算回路
28、タイミング発生器15を備えている。
【0186】フレーム変調回路21では、入力された複
数ビットの階調データを複数フレームの振幅変調に対応
した階調データに変換する。本実施例では、前述のよう
に4フレームを使う。フレーム変調回路21でのデータ
変換は1フレームから4フレームまでのそれぞれに対応
したルックアップテーブルを用意して、それを参照する
ことにより行う。もちろんこのデータ変換をルックアッ
プテーブルを使用せず、演算で行うことは任意である。
【0187】入力ポート22は、フレーム変調回路21
から転送された複数フレームの振幅変調に対応した階調
データをKピクセル分の並列データに変換し、一度に大
量のデータを後段のメモリに転送可能にする。Kの値が
大きいほど一度に転送できるデータ量を大きくできる。
本例では入力ポート22としてシフトレジスタを用い
る。
【0188】メモリ23としては、後段の列信号形成の
ための演算に必要なビット数を持つ1画面分のデータを
格納できる容量を備えたものであれば、形式にかかわら
ず用いうる。特に、本発明の画像信号処理回路を集積化
して、メモリを内蔵すれば、メモリの読み書きのデータ
幅を広くとりうるので、アクセス速度の小さいメモリ
(例えばDRAMなど)も用いうる。価格の安いDRA
Mを用いることはコストの観点からきわめて有利であ
る。すなわち、本発明は、低コスト、低速度のDRAM
を使用できるため、低消費電力化、低放射ノイズ化の観
点で非常に有効である。
【0189】出力ポート25は、メモリ23から転送さ
れたデータを列電圧信号演算回路28に転送する。本例
では、入力ポート22と同様にシフトレジスタを用い
る。
【0190】階調データ変換回路26では、あらかじめ
Xサブフレーム及びYサブフレーム用にそれぞれ用意さ
れた論理を用いて分割データXデータ、Yデータに応じ
た階調データを出力する。階調データ変換回路26は、
図7に示したようにセレクタと論理回路により構成でき
る。
【0191】列電圧信号演算回路28では列信号を形成
し、出力する。このデータは表示データとして液晶表示
モジュールの列ドライバ80へ送られる。
【0192】行選択パターン発生器7は、選択行列に基
づく行選択パターンを発生する。行選択パターンは、行
ドライバ90に送られて行電圧が形成されるほか、列電
圧信号演算回路28に送られて、列電圧信号形成のため
の演算に用いられる。
【0193】タイミング発生器15は、対応する画素の
画像信号が前記展開された複数のフレームの何フレーム
目のものであって、かつXサブフレームとYサブフレー
ムのいずれのフレームにあるかを指定する制御回路であ
り、制御信号はフレーム信号と画素の空間情報を示す信
号から構成される。
【0194】なお、列電圧信号演算回路28へ送られる
表示データは同時選択ライン数に等しい列方向のデータ
であり、これは、ディスプレイコントローラから画像信
号処理回路100に送られるデータの転送順序とは異な
る。
【0195】図6はそれらの違いを示す概念図である。
図6(a)はディスプレイコントローラから画像信号処
理回路100に送られるデータ転送順序を示し、図6
(b)は列電圧信号演算回路28へ送られるデータの転
送順序を示す。
【0196】すなわち、画像信号処理回路100に入力
される画像信号は、通常、対応する表示画面の左上から
横方向に向かう順序で順次RGB1組(すなわち1ピク
セル)のシリアルデータとして転送される。1行目のデ
ータが全て転送され終わると次の行に移り、以下同様に
して1画面分のデータが送られる。
【0197】転送順序を変更するためのフォーマット変
換は、メモリの読み書きの際に行われる。例えば、メモ
リの書き込み時にランダムアクセスモードを用いて所定
のフォーマットに変換して書き込み、読み出し時には順
次、高速に連続して読み出す方法、又は、書き込み時に
高速で順次、書き込み、読み出し時にランダムアクセス
モードで所定のフォーマットで読み出す方法などがあ
る。いずれの場合でも、画像信号処理回路を集積化し
て、メモリを当該集積回路に内蔵することにより、メモ
リの読み書きのデータ幅が広くとれる。したがって、シ
リアルデータをポートに蓄えてデータ幅の広いパラレル
データとして扱うことにより、メモリのアクセス時間に
余裕をもたせうる。
【0198】以下に、本例における回路の動作について
説明する。フラットパネルディスプレイコントローラか
らの入力信号は、通常のTFTモジュール用に用いるイ
ンターフェースと同じRGBディジタル18ビット信号
であり、データ信号とともに水平同期信号、垂直同期信
号、イネーブル信号、クロック信号が入力される。フレ
ーム周波数は60Hzで、すなわち1秒間に60枚の画
像が送られてくる。これらRGBそれぞれ6ビットの信
号は、フレーム変調回路21に入力され、タイミング発
生器15から入力されるフレームデータ(2ビット)信
号を用いて3ビット×RGBの出力信号に変換される。
この変換は、画像データ6ビットを時間的、空間的にフ
レーム変調するものである。この出力3ビット×640
×3×480のデータは入力ポート22を介してメモリ
23へ書き込まれる。
【0199】図10はDRAMのメモリ空間の構成を示
す1つの例である。DRAMの領域を9つのブロックに
分け, アドレスを制御することによりブロックを切り替
える。ブロックサイズは、VGAの場合、72×640
×3(RGB)×3ビット(階調情報)、SVGAの場
合、84×800×3(RGB)×3ビット(階調情
報)である。
【0200】液晶表示パネルの上側をA、B、C、Dの
4つの領域、下側をE、F、G、Hの4つの領域に分け
て制御する。例えば、VGAの場合、A領域とH領域は
24ライン、その他は72ラインで構成される。
【0201】図10に示すように、9つのブロックのう
ち常に8つのブロックからA〜Hまでのデータが並列に
読み出され、残り1つのブロックに新しいVGAフレー
ムのデータが書き込まれる。選択行列として4列の直行
行列を使用する場合、1つのVGAフレーム内にはX及
びYの2つのサブフレームがあるため、1つのVGAフ
レームは8スキャンで構成される。この8スキャンの
間、各ブロックのデータは一定であるため、電圧平均化
法が成立する。
【0202】フレーム変調された最初のフレームのうち
の第1サブフレームではメモリ23から出力ポート25
を介して入力される3ビット×RGB、計9ビットの信
号と、タイミング発生器から供給される、対応画素がX
サブフレームかYサブフレームかを指定する1ビット信
号(この場合は、Xサブフレームを指定)が、階調デー
タ変換回路26に入力される。階調データ変換回路26
では、3ビットの階調をサブフレームがXかYかに応じ
て(この場合は、Xサブフレームデータ)2ビットの階
調データに変換する。この2ビットは、前出の分割デー
タXである±1、±1.4に相当する。
【0203】この階調データは、列電圧信号演算回路2
8に入力される。列電圧信号演算回路28には並行して
行選択パターン発生器27からの直交関数の1列目に対
応する4ビットのデータが入力され、列電圧を選択し、
3ビット×RGBの列電圧データが1番目のスキャンデ
ータとして出力される。
【0204】スキャンはフレーム内において、計8回行
われ終了する。通常の場合、このフレーム周波数は、6
0〜75Hz程度であり、この期間に1つの振幅変調に
よる階調表示が完了する。
【0205】つづいて2枚目のフレーム信号、3枚目の
フレーム信号、4枚目のフレーム信号について同様に行
い1表示が完了する。
【0206】以上のシーケンスは全て入力信号に同期し
た動作に基づいて説明してきたが、必ずしも同期した動
作でなくともよい。また、モジュールへのデータ転送周
波数が60Hzに等しいか又は大きければ、モジュール
の1フレームの期間は表示データが一定であり、単純マ
トリクス液晶駆動法の基本である電圧平均化法は成立す
る。
【0207】このようにして、ビデオ表示を充分可能な
速度での駆動が可能になる。また、メモリに書き込む前
にフレーム変調処理しておくことによって、これらのメ
モリに格納されたデータを液晶表示モジュールのフレー
ム周波数に同期させて読み出せば、フリッカーの少ない
表示を得るとともに、メモリ数を削減できる。
【0208】本発明の画像処理回路100を集積回路と
して、複数ライン同時選択方式のLCDモジュールの回
路基板上に実装すると、TFTモジュールとのインター
フェース互換性が保てるため有益である。この場合の回
路構成例が、図8及び図9である。図8は、メモリとそ
の他の回路で構成する場合を示し、図9は、メモリを内
蔵する素子により構成する場合を示す。もちろん、パー
ソナルコンピュータ内の回路基板上に実装することもで
きる。また、この回路の一部又は全てを列ドライバのチ
ップの上に組み込んでもよい。
【0209】図8と図9とはともに、入力信号として8
ビット×3(RGB)のフルカラーディジタル入力を想
定している。同時選択されるライン数は4である。これ
らはいずれも、RGBおのの8ビットの入力データのう
ち下位2ビットをディザ処理(空間変調による諧調方
式)に用い、上位6ビットをフレーム変調と振幅変調と
による諧調方式を用いる。すなわち8ビット入力データ
はディザ回路(DITH)で6ビットに変換されて出力
され、さらにフレーム変調回路(FRC)で3ビットに
変換されて入力ポート(WR FIFO)に送られる。
【0210】図8では、画面の横方向に奇数番目のカラ
ム電極上のデータ(ODD PIXEL)を偶数番目の
カラム電極上のデータ(EVEN PIXEL)とを並
列に入力することにより回路の動作周波数を下げてい
る。そのため、奇数データ用と偶数データ用として全く
同一な回路が2系統存在する。ここでは、一方のデータ
・フローについて説明するが、他方のデータフローも全
く同じである。
【0211】図8はメモリをICの外に外づけするタイ
プである。入力ポート(WR FIFO)では2ピクセ
ル分のデータを蓄えて、すなわち2×3×3(RGB)
=18ビットデータがメモリへ、ここではVRAMへ送
られる。メモりは上半分(UPPER)用と下半分(L
OWER)用の2系統あり読み出しは並列に行われる。
すなわち上半分用と下半分用合わせて36ビットのデー
タ同時に読み出されて出力ポート(RD FIFO)へ
行きここで上半分と下半分それぞれ2ピクセル分のデー
タ計36ビットのデータにして諧調データ変換器(XY
F)に行く。ここにはXサブフレームとYサブフレーム
のいずれのフレームにあるかを指定する1ビット信号が
ロウパルス発生器(RPG)から入力されており、XY
のそれぞれのサブフレームに応じて72ビットの信号が
列電圧信号演算回路(CVG)へ送られる。列電圧信号
演算回路では、並行して行選択パターンが入力され、先
に述べた入力データを用いて列電圧信号が演算される。
ここから5ビット出力で上半分用とした半分用それぞれ
RGBの信号が計5×2×3=30ビットの信号として
ここから液晶ドライバへ送られる。
【0212】図9は、メモリをICに内蔵(DRAM内
蔵)するタイプである。図8の回路との主な相違点はメ
モリにデータを送るデータ幅がきわめて大きいことと、
これにより動作速度を遅くしてDRAMが使用できるよ
うにした点にある。これにより、低消費電力化とコスト
・ダウンが図れる。したがって、データ幅はICプロセ
スの可能な範囲で広くすることが望ましく、例えば12
8ビットや256ビットが効果的である。このデータ幅
に対応して入力ポート、出力ポートのビット幅を大きく
する必要があることは言うまでもない。
【0213】
【実施例】
[実施例1]480×640×RGBのVGA液晶表示
パネルを用意した。液晶パネルは、240度ツイストの
STNで、2枚の位相フィルムで位相補償を行い、内面
カラーフィルタと組合せてカラー化したものであり、蛍
光管バックライトを裏面に配置して、表示モジュールを
構成した。
【0214】全走査線(選択線)を上下2分割して、2
画面駆動とした。駆動は選択ラインを1ラインずつ選択
する線順次法(APT)で行った。階調方式は、振幅変
調とフレーム変調を併用し、21階調の表示を行った。
5ビット(32階調分)のデータを入力し、ガンマ補正
後21階調のレベルに割り振り、その21階調をAM7
階調と2フレームでのフレーム変調に割り振った。AM
の7階調は、±1、±0.8、±0.6、0である。す
なわち、表1におけるd1 =0.8、d2 =0.6の条
件を採用した。フレームでのAMデータ、カラム電圧レ
ベルは、図1と表4に示したものになる。
【0215】各フレームは、XサブフレームとYサブフ
レームに分けられ、Xサブフレームには表3の分割デー
タXに対応する電圧、Yサブフレームには表3の分割デ
ータYに対応する電圧(ただし、d1 =0.8、d2
0.6とする)、がカラム電圧として印加される。ま
た、13選択パルス毎に信号電圧の極性を反転した。
【0216】駆動周波数は、選択パルス幅が35μs
(すなわちサブフレーム周波数=120Hz)となるよ
うにし、バイアス比は1/14とした。カラムドライバ
は、8レベル(3ビット)ドライバを用い、ロウドライ
バは、通常の3レベル(±VR、0)を用いた。
【0217】上記駆動方式で駆動した状態での特性を表
13に示す。応答時間は立ち上がり立ち下がり平均を示
し、実施例2〜3、比較例についても同様である。
【0218】信号入力として、パソコンからのVGA出
力を用い駆動したところ、細やかな階調の表示が行われ
た。また、ビデオ信号をパソコンに入力しそれを表示し
たところ、若干の残像は見られたが、階調に優れた動画
表示が得られた。
【0219】[実施例2]実施例1と同様であるが、よ
り高速応答の液晶表示パネルの480×640×RGB
のVGAパネル(240度ツイストフィルム補償型ST
N)を下記の要領で駆動した。
【0220】全走査線(選択線)を上下2分割して、2
画面駆動とした。駆動は選択ラインを3ラインずつ選択
する複数ライン同時選択法(複数ライン同時選択)で行
った。したがって、240の選択ラインは80個のサブ
グループに分割され、各サブグループが4回選択された
ときに電圧実効値が確定するように表9に示す3×4の
直交行列により選択パルス系列を規定した。
【0221】階調方式は、実施例1と同様に振幅変調と
フレーム変調を併用し21階調の表示を行った。5ビッ
ト(32階調分)のデータを入力し、ガンマ補正後21
階調のレベルに割り振り、その21階調をAM7階調と
2フレームでのフレーム変調に割り振った。AMの7階
調は、±1、±0.8、±0.6、0である。すなわ
ち、表1におけるd1 =0.8、d2 =0.6の条件を
採用した。フレームでのAMデータ、カラム電圧レベル
は、表4に示したものになる。AM7階調は、d1
0.8、d2 =0.6として、表3に示したように、X
サブフレームとYサブフレームに振り分けて行った。
【0222】極性反転は、2フレーム(4サブフレー
ム)完了後、極性を反転した。Xサブフレームには表3
の分割データXを演算した結果の電圧レベル、Yサブフ
レームには表3の分割データYを演算した結果の電圧レ
ベル、がカラム電圧として印加される。
【0223】駆動周波数は、選択パルス幅が35μs
(すなわちサブフレーム周波数=120Hz)となるよ
うにし、最大バイアス比(ロウ電圧/カラム最大電圧)
は1/5とした。カラムドライバは、32レベル(5ビ
ット)ドライバを用い(内20レベルを使用)、ロウド
ライバは、通常の3レベル(±VR 、0)を用いた。
【0224】上記の駆動方式で駆動した状態での特性を
表13に示す。
【0225】信号入力として、パソコンからのVGA出
力を用い駆動したところ、細やかな階調の表示が行われ
た。また、ビデオ信号をパソコンに入力しそれを表示し
たところ、残像のほとんどない階調に優れた動画表示が
得られた。
【0226】ウィンドウズでの静止画表示、ビデオ信号
を用いた動画表示のいずれにおいても、優れた画像が得
られ、実施例1よりもコントラストの高いクロストーク
の少ない表示が得られた。
【0227】また、入力ビット数を6ビット(64階
調)とし、それを、4フレームでのフレーム変調と7階
調のAM変調に割り振り、表示を行ったところ、41階
調の表示が達成された。
【0228】[実施例3]実施例1と同様の液晶表示パ
ネルを駆動した。ただし、用いたカラム電圧レベルとし
ては、表11のようにした。すなわち、表示データとし
ては、1、0.866、0.5、0、−0.5、−0.
866、−1の7つを用いた。
【0229】
【表11】
【0230】得られたモジュールの特性を表13に示
す。
【0231】2フレームでは、21階調であったが、等
間隔な階調ではなかった。
【0232】入力ビット数を6ビット(64階調)に変
更して、4フレームでのフレーム変調と7階調のAM変
調に割り振り、表示を行ったところ、等間隔な階調表示
が達成され、階調数は61階調であった。
【0233】[比較例1]実施例1と同様の480×6
40×RGBのVGA液晶表示パネル(240度ツイス
トフィルム補償型STN)を下記の要領で駆動した。
【0234】全走査線(選択線)を上下2分割して、2
画面駆動とした。駆動は選択ラインを1ラインずつ選択
する線順次法(APT)で行った。階調方式は振幅変調
とフレーム変調を併用し15階調の表示を行った。階調
の対応は、4ビット(16階調分のデータを入力し、1
5階調のレベルに割り振り、その15階調をAM8階調
と2フレームでのフレーム変調に割り振った。AM変調
による8階調は、表示データ−1(オン)から+1(オ
フ)までを等間隔にとった8階調とした。
【0235】極性反転は、13選択パルス毎に行った。
各フレームは、XサブフレームとYサブフレームに分け
られ、Xサブフレームには分割データXに対応する電
圧、Yサブフレームには分割データYに対応する電圧、
が印加される。駆動周波数は、選択パルス幅が35μs
(すなわちサブフレーム周波数=120Hz)となるよ
うにし、バイアス比は1/14とした。
【0236】上記の駆動方式で駆動した状態での特性
を、表13に示す。
【0237】カラムドライバは、16レベル(4ビッ
ト)ドライバ(内14レベルを使用)を用い、ロウドラ
イバは、通常の3レベル(±VR 、0)を用いた。
【0238】信号入力として、パソコンからのVGA出
力を用い駆動したところ、細やかな階調の表示が行われ
た。また、ビデオ信号をパソコンに入力しそれを表示し
たところ、若干の残像のある動画表示が得られたが、実
施例1、2、3よりも品位の劣るものであった。
【0239】以上の実施例、比較例の、カラム電圧レベ
ル数並びに階調数を表11に示す。なお、MLSは複数
同時選択法の意味である。
【0240】
【表12】
【0241】
【表13】
【0242】[実施例4]480×640×RGBのV
GA液晶表示パネルを用意した。液晶パネルは、240
度ツイストのSTNで、2枚の位相フィルムで位相補償
を行い、内面カラーフィルタと組合せてカラー化したも
のであり、蛍光管バックライトを裏面に配置して、表示
モジュールを構成した。
【0243】全走査線(選択線)を上下2分割して、2
画面駆動とした。駆動は選択ラインを3ラインずつ選択
する複数ライン同時選択で行った。したがって、240
の選択ラインは80個のサブグループに分割され、表1
0に示す4×4の直交行列により選択パルス系列を規定
した。ここで、各サブグループ単位に仮想ラインを1行
設け、仮想的に4ライン選択として駆動した。
【0244】階調方式は、振幅変調とフレーム変調を併
用し21階調の表示を行った。5ビット(32階調分)
のデータを入力し、ガンマ補正後21階調のレベルに割
り振り、その21階調をAM7階調と2フレームでのフ
レーム変調に割り振った。AMで表示する7階調は±
1、±0.8、±0.6、0を選択した。フレーム変調
における各フレームでは、図4に示したような表示デー
タの分配をした。また、AM7階調は、Xサブフレーム
とYサブフレームに分けて表示した。
【0245】仮想ライン上の仮想データは3本の実ライ
ンのデータより計算され、以下の3つの条件を用いて計
算し、ロウ(選択)関数発生器からの信号により、行列
演算を実施し、6レベルの選択パルスに対応したカラム
電圧レベルを得た。このデータを3ビットでカラムドラ
イバに転送した。
【0246】条件1:奇数サブフレームにおいては、1
ラインデータ当たりの、分割データXとして±1、±
1.4を用い、偶数サブフレームでは、分割データYと
して±1、±0.2を用いる。 条件2:仮想ラインのデータは、4ラインの分割データ
として±1の数が偶数になるようにする。 条件3:仮想ラインのデータは、4ラインの分割データ
としてマイナス符号の数が偶数になるようにする。
【0247】極性反転は、2フレーム(4サブフレー
ム)完了後、極性を反転した。Xサブフレームには、表
3の分割データXを演算した結果に基づくカラム電圧を
印加し、Yサブフレームには、表3の分割データYを演
算した結果に基づくカラム電圧を印加する。
【0248】駆動周波数は、選択パルス幅が35μs
(すなわちサブフレーム周波数=120Hz)となるよ
うにし、最大バイアス比(ロウ電圧/カラム最大電圧)
は1/5とした。カラムドライバは、8レベル(3ビッ
ト)ドライバを用い(うち6レベルを使用)、ロウドラ
イバは、通常の3レベル(±VR 、0)を用いた。
【0249】上記の駆動方式で駆動した状態での特性
は、コントラスト比40:1、応答時間(平均)70m
s、であった。
【0250】信号入力として、パソコンからのVGA出
力を用い駆動したところ、細やかな階調の表示が行われ
た。また、ビデオ信号をパソコンに入力しそれを表示し
たところ、残像のほとんどない階調に優れた動画表示が
得られた。
【0251】ウィンドウズでの静止画表示、ビデオ信号
を用いた動画表示のいずれにおいても、優れた画像が得
られ、コントラストが高くクロストークの少ない表示が
得られた。
【0252】また、入力ビット数を6ビット(64階
調)とし、それを、4フレームでのフレーム変調と7階
調のAM変調に割り振り、表示を行ったところ、41階
調の表示が達成された。
【0253】[実施例5]実施例4と同様に液晶表示素
子を駆動した。ただし、用いた選択行列は、表14のも
のにした。
【0254】
【表14】
【0255】選択行列の変更に応じて、仮想データの決
め方を、一部変更した。実施例4では仮想ラインのデー
タは、4ラインの分割データとしてマイナス符号の数が
偶数になるようにしていたのに対し(条件3)、これが
奇数になるようにした。
【0256】得られたモジュールの特性は、実施例4と
同等であり、画像としても、実施例4とほぼ同じであっ
た。
【0257】[実施例6]実施例4において、仮想的な
サブグループを1つ追加し、サブグループの数を81と
して、選択行列の列ベクトルの飛びをなくして駆動し
た。この場合において、13選択パルスごとに極性反転
した。また、AM7階調データに2フレームのFRCを
併用するとともにフリッカー防止のためにAMデータを
空間的、時間的に分散した。具体的には、1フレーム目
と2フレーム目で表示されるデータを、表示画面上の2
×2のピクセルに分けると、データを表15のようにな
るようにした。
【0258】
【表15】
【0259】また、1スキャン内で、5サブグループの
選択ごとに分割データXと分割データYの入れ替えを行
った。すなわち、数12に示したような、列電極電圧シ
ーケンスベクトル(cX+Y )を用いた。
【0260】上記の手法を用いることによって中間調の
クロストークは大幅に減少した。また本来の階調レベル
(実効電圧レベル)に対する輝度の逆転現象も大幅に抑
制された。
【0261】[実施例7]実施例6で、さらに、選択行
列の同一の列ベクトルによって直交変換された分割デー
タXに基づく信号と分割データYに基づく信号とが、同
時選択される特定の行電極群に注目して、選択パルスの
印加のタイミングに対応して連続的に印加されるように
した。すなわち、数13に示したような、列電極電圧シ
ーケンスベクトル(cX+Y )を用いた。
【0262】かかる手法を用いることにより、AM特有
の動画縦筋むらは大幅に低減した。その結果、ビデオ信
号の表示を行ったところ、クロストークの少ない表示品
位の優れた、表示が得られた。
【0263】[実施例8]480×640×RGBのV
GA液晶表示パネルを用意した。液晶パネルは、240
度ツイストのSTNで、2枚の位相フィルムで位相補償
を行い、内面カラーフィルタと組合せてカラー化したも
のであり、蛍光管バックライトを裏面に配置して、表示
モジュールを構成した。
【0264】全走査線(選択線)を上下2分割して、2
画面駆動とした。駆動は選択ラインを2ラインずつ選択
する複数ライン同時選択で行った。したがって、240
の選択ラインは120個のサブグループに分割され、表
16示すように2つの2×2直交行列からなる2×4の
直交行列により選択パルス系列を規定した。したがっ
て、オン、オフデータに関しては、各サブグループが2
回選択されたときに電圧実効値が確定し、中間調データ
に関しては、4回選択されたときに電圧実効値が確定す
るようにした。
【0265】
【表16】
【0266】ここで、表16のようなベクトルを用いて
いるのは、同時に選択される2つのロウライン間でロウ
波形の周波数成分を等しくし、ロウ方向の均一性を達成
するためである。上記行列の各列(選択ベクトル)を本
例で左からA1〜A4と呼ぶことにする。
【0267】階調方式は、振幅変調とフレーム変調を併
用し21階調の表示を行った。5ビット(32階調分)
のデータを入力し、ガンマ補正後21階調のレベルに割
り振り、その21階調をAM7階調と2フレームでのフ
レーム変調に割り振った。AMで表示する7階調は±
1、±0.8、±0.6、0を選択した。フレーム変調
における各フレームでは、図4に示したような表示デー
タの分配をした。また、AM7階調は、分割データであ
るXデータとYデータに分けて表示した。
【0268】特定のフレーム中のスキャンと、Xデー
タ、Yデータとの対応は、サブグループにより異なり、
最初の5サブグループは、第1スキャンをXデータと
し、次の5サブグループは第1スキャンをYデータとし
た。さらに、次のスキャン時には、それぞれ、X、Yを
入れ替えてスキャンした。
【0269】また、第1スキャンと第2スキャンとで使
用する選択ベクトルが等しくなるようにし、第3スキャ
ンと第4スキャンとで使用する選択ベクトルが等しくな
るようにした。すなわち、2スキャンごとに選択ベクト
ルが変化する。さらに3回の選択ごとに選択ベクトルを
規則的に変化させた。つまり、第1、2スキャンでの選
択ベクトルの系列が、A1,A1,A1,A2,A2,A2,A3,A3,A3, ・
・・、第3、4スキャンでの選択ベクトルの系列が、A
2,A2,A2,A3,A3,A3,・・・、となるようにした。第1サ
ブグループでは、表17のような選択ベクトルと、分割
データが、それぞれのスキャンにおいて印加される。
【0270】
【表17】
【0271】極性反転は、上記シーケンスとは独立に3
1パルスごととした。カラム信号は、選択ベクトルと分
割データから演算され、カラムドライバとして4ビット
(16レベル)のドライバを用いた。上記の駆動方式で
駆動した状態での特性は、コントラスト比35:1、応
答時間(平均)70ms、であった。
【0272】信号入力として、パソコンからのVGA出
力を用い駆動したところ、細やかな階調の表示が行われ
た。また、ビデオ信号をパソコンに入力しそれを表示し
たところ、残像のほとんどない階調に優れた動画表示が
得られた。
【0273】ウィンドウズでの静止画表示、ビデオ信号
を用いた動画表示のいずれにおいても、優れた画像が得
られ、コントラストが高くクロストークの少ない表示が
得られた。
【0274】また、入力ビット数を6ビット(64階
調)とし、それを、4フレームでのフレーム変調と7階
調のAM変調に割り振り、表示を行ったところ、41階
調の表示が達成された。
【0275】[実施例9]実施例8とほぼ同様の駆動法
で画像を表示した。
【0276】ただし、X、Yの入れ替えは、サブグルー
プ内とサブグループ間の両方で行った。また、サブグル
ープ間のX、Yの切り替え部にダミーサブグループを挿
入し、次のサブグループのデータをダミーサブグループ
中の電極の仮想データとして用いた。これは、サブグル
ープごとの切り替えにより生じうる波形歪みによるサブ
グループ間の輝度むらを除くためである。X、Yのサブ
グループ間の切り替えは、20サブグループごとに行
い、したがって、全体を6個のブロックに分け、6個の
ダミーサブグループ(12本の仮想ライン)を設けた。
【0277】第1のブロックでは、第1フレーム第1ス
キャンで、同時選択される2ラインの第1ラインにXデ
ータを第2ラインにYデータを振り分け、第2のブロッ
クでは、第1ラインにYデータを第2ラインにXデータ
を振り分けた。次のスキャンでは、X、Yを入れ替えて
用いた。
【0278】駆動デューティは、1/252となった
が、実施例8とほぼ同等の特性が得られ、かつ画像の高
い均一性が得られた。
【0279】[実施例10]実施例8とほぼ同様の駆動
法で画像を表示した。
【0280】ただし、階調手法として、FRCにより時
系列に展開される振幅変調に対応した階調データとし
て、2種類設定し、奇数カラムラインでは、奇数フレー
ムに階調データA、偶数フレームに階調データB、偶数
カラムラインでは、奇数フレームに階調データB、偶数
フレームに階調データAとして表示を行った。用いた、
階調データA,Bは、A(1,0.8,0.6,0,-0.6,-0.8,-
1)、B(1,0.88,0.47,0,-0.47,-0.88,-1)とした。2
フレームのFRCで表示を行ったところ、40階調を超
える階調表示が得られ、階調データAのみの場合の、2
1階調に比べ飛躍的に階調数が増大した。ただし、カラ
ムドライバとしては、5ビットのものを用い、内27レ
ベルを用いた。
【0281】[実施例11]実施例8とほぼ同様の駆動
法で画像を表示した。
【0282】1フレームの階調データは、(1,0.8,0.6,
0,-0.6,-0.8,-1)とし、奇数フレームと偶数フレーム
で、ロウ電圧の振幅の絶対値を変えて階調を表示した。
ここで、偶数フレームのロウ電圧は、奇数フレームの
0.75倍とした。
【0283】実施例8とほぼ同等のコントラストが得ら
れ、階調数は2フレームで44階調、4フレームで10
0階調以上が表示された。
【0284】
【発明の効果】ベル以下)で、振幅変調を利用した階調
駆動ができる。すなわち、フリッカーのない階調表示を
得るために、大幅な回路系の省力化とコストダウンが達
成できる。
【0285】また、データエラーなく完全に独立して表
示を行える。特殊なデータ処理なしで、高品位の画像を
提供できる。すなわち、クロストークなど情報エラーの
少ない画像が提供できる。
【0286】さらに、カラム電圧の最大レベルを低く抑
制できる。これにより、消費電力を少なくするだけでな
く、表示むらの原因となる電圧変動を小さくし、非常に
高品位の表示を提供できる。
【0287】本発明は、複数ライン同時選択法にもきわ
めて効果の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、d1 =0.6、d2 =0.8
の組合せで、種々のロウ波形、カラム波形の場合につい
て、画素に印加される電圧の値を示した説明図。
【図2】2ライン同時選択する駆動方式に対して1ライ
ンの仮想電極を追加した場合の、電圧レベルの低減効果
を示した説明図。
【図3】3ライン同時選択する駆動方式に対して1ライ
ンの仮想電極を追加した場合の、電圧レベルの低減効果
を示した説明図。
【図4】本発明によって、複数ライン同時選択法による
駆動を行う場合の回路の1例のブロック図。
【図5】本発明の実施するための回路を示すブロック
図。
【図6】(a)は従来の技術を実施するためのメモリマ
ッピングを示す概念図、(b)は本発明を実施するため
のメモリマッピングを示す概念図。
【図7】図5の階調データ変換回路の具体的な内容を示
す回路図。
【図8】本発明を実施するための回路を集積化した場合
の回路の一例を示すブロック図。
【図9】本発明を実施するための回路を集積化した場合
の回路の他の例を示すブロック図。
【図10】本発明を実施するためのメモリマネージメン
トの方法を示す概念図。
【符号の説明】
1:メモリ 2:サブフレーム振分けルックアップテーブル 3:演算回路 4:関数発生器 5:カラムドライバ 6:ロウドライバ 7:液晶表示パネル 15:タイミング発生器 21:フレーム変調回路 22:入力ポート 23:メモリ 25:出力ポート 26:階調データ変換回路 27:行選択パターン発生器 28:列電圧信号演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−121415 (32)優先日 平7(1995)5月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 桑田 武志 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 茂木 宏之 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 河口 和義 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルチプレックス駆動を使用した液晶表示
    装置の駆動法であって、 (a)階調データの表示に際し、それぞれの波高値に表
    示すべきデータの濃度レベルに応じて変化する成分を含
    むような複数の電圧パルスを画素に印加することによ
    り、非選択状態にある走査電極上の画素に印加されるR
    MS電圧を表示の1フレーム内において実効的に一定と
    すること、及び、 (b)上記複数の電圧パルスに含まれる一部の電圧パル
    スの波高値が、表示に使用する画素の濃度状態の異なる
    少なくとも2つにおいて共通になるようにして、表示に
    必要な電圧パルスの波高値のレベル数を削減すること、 を特徴とする液晶表示装置の駆動法。
  2. 【請求項2】階調データは、フレーム変調又はパルス幅
    変調を併用して表示されることを特徴とする請求項1記
    載の液晶表示装置の駆動法。
  3. 【請求項3】複数の走査電極が同時に選択され、その選
    択パルス系列が実質的に直交性を有する選択行列に対応
    することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示装
    置の駆動法。
  4. 【請求項4】同時選択される走査電極に仮想走査電極を
    加え、表示に必要な電圧レベル数を減らすように、仮想
    走査電極上のデータを設定することを特徴とする請求項
    3記載の液晶表示装置の駆動法。
  5. 【請求項5】マルチプレックス駆動を使用した液晶表示
    装置の駆動法であって、 (a)階調データの表示に際し、表示すべきデータの濃
    度レベルに応じて変化する成分を含むような複数の階調
    データ(これを分割階調データという)に対応するパル
    ス高の電圧パルスを画素に印加することにより、非選択
    状態にある走査電極上の画素に印加されるRMS電圧を
    表示の1フレーム内において実効的に一定とすること、
    及び、 (b)上記複数の分割階調データのうちの一部が、表示
    に使用する階調データのうちの少なくとも異なる2つに
    おいて共通になるようにしたこと、 を特徴とする液晶表示装置の駆動法。
  6. 【請求項6】階調データは、フレーム変調又はパルス幅
    変調を併用して表示されることを特徴とする請求項5記
    載の液晶表示装置の駆動法。
  7. 【請求項7】表示すべきデータの濃度レベルに応じて変
    化する成分を波高値に含むような電圧パルスによって得
    られる階調レベルが、−1と+1の間を実質的に等間隔
    に分割したレベルの一部からなることを特徴とする請求
    項5又は6記載の液晶表示装置の駆動法。
  8. 【請求項8】階調データd(−1<d<1であって、−
    1がオン、1がオフ)の表示は、分割階調データd+
    (1−d21/2 及び分割階調データd−(1−d2
    1/2 を表示することにより実効的に行われるとともに、 前記階調データdとして、少なくとも{±d1 ,±(1
    −d1 21/2 }の4種類(ここで−1<d1 <1かつ
    1 ≠0)を選択することを特徴とする請求項5〜7の
    いずれか1項記載の液晶表示装置の駆動法。
  9. 【請求項9】複数の走査電極が同時に選択され、その選
    択パルス系列が実質的に直交性を有する選択行列に対応
    することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載
    の液晶表示装置の駆動法。
  10. 【請求項10】データ電極には、同時選択される走査電
    極に対応する前記選択行列で前記分割階調データを変換
    して得られる信号を印加することを特徴とする請求項9
    記載の液晶表示装置の駆動法。
  11. 【請求項11】階調データd(−1<d<1であって、
    −1がオン、1がオフ)の表示は、分割階調データd+
    (1−d21/2 及び分割階調データd−(1−d2
    1/2 を表示することにより実効的に行われるとともに、 前記階調データdとして、少なくとも{±d1 ,±(1
    −d1 21/2 }の4種類(ここで−1<d1 <1かつ
    1 ≠0)を選択することを特徴とする請求項9又は1
    0記載の液晶表示装置の駆動法。
  12. 【請求項12】中間的な階調データの表示時において、
    全ての走査電極に少なくとも1つの選択パルスが印加さ
    れる期間内に該選択パルスに対応してデータ電極に印加
    される信号群には、分割階調データのうち絶対値が1を
    超えるものを直交変換して得られる信号と絶対値が1未
    満のものを直交変換して得られる信号とが混在している
    ことを特徴とする請求項11記載の液晶表示装置の駆動
    法。
  13. 【請求項13】中間的な階調データの表示時において、
    同時選択される1つの走査電極群に印加される1回の選
    択パルスに対応してデータ電極に印加される信号群に
    は、分割階調データのうち絶対値が1を超えるものを直
    交変換して得られる信号と絶対値が1未満のものを直交
    変換して得られる信号とが混在していることを特徴とす
    る請求項11又は12記載の液晶表示装置の駆動法。
  14. 【請求項14】同時選択される特定の走査電極群に注目
    した場合に、データ電極に印加される信号は、所望の階
    調データを表示するために必要な全ての分割階調データ
    を直交変換することによって形成された複数の信号が、
    選択行列の列ベクトルごとに1まとまりとなって、選択
    パルスの印加のタイミングに対応して連続的に印加され
    ることを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項記載
    の液晶表示装置の駆動法。
  15. 【請求項15】同時選択される走査電極に仮想走査電極
    を加え、表示に必要な電圧レベル数を減らすように、仮
    想走査電極上のデータを設定することを特徴とする請求
    項9〜14のいずれか1項記載の液晶表示装置の駆動
    法。
  16. 【請求項16】同時選択される走査電極(仮想走査電極
    を含む)に対応する表示データを絶対値の異なる表示デ
    ータの組に分けた場合、それぞれの組に含まれる表示デ
    ータの個数が所定の離散した整数値のみをとるように、
    仮想走査電極上のデータを設定することを特徴とする請
    求項15記載の液晶表示装置の駆動法。
  17. 【請求項17】選択行列の列ベクトルの要素積が一定と
    され、同時選択される走査電極(仮想走査電極を含む)
    に対応する表示データの要素積の符号が一定になるよう
    に仮想走査電極上のデータを設定することを特徴とする
    請求項15又は16記載の液晶表示装置の駆動法。
  18. 【請求項18】液晶表示装置の駆動法であって、 複数の走査電極が同時に選択され、その選択パルス系列
    を実質的に直交性を有する選択行列に対応させるととも
    に、データ電極には選択行列で階調データを変換して得
    られる信号を印加し、 該階調データは、絶対値の異なる2種以上のデータであ
    り、 同時選択される走査電極に仮想走査電極を加え、表示に
    必要な電圧レベル数を減らすように仮想走査電極上のデ
    ータを設定することを特徴とする液晶表示装置の駆動
    法。
  19. 【請求項19】同時選択される走査電極(仮想走査電極
    を含む)に対応する表示データを絶対値の異なる表示デ
    ータの組に分けた場合、それぞれの組に含まれる表示デ
    ータの個数が所定の離散した整数値のみをとるように、
    仮想走査電極上のデータを設定することを特徴とする請
    求項18記載の液晶表示装置の駆動法。
  20. 【請求項20】選択行列の列ベクトルの要素積の符号が
    一定とされ、同時選択される走査電極(仮想走査電極を
    含む)に対応する表示データの要素積の符号が一定にな
    るように仮想走査電極上のデータを設定することを特徴
    とする請求項18又は19記載の液晶表示装置の駆動
    法。
  21. 【請求項21】マルチプレックス駆動を使用した液晶表
    示装置の駆動法であって、 (a)第1の階調データの表示に際し、表示すべき第1
    の階調データの濃度レベルに応じて変化する成分を含む
    ような複数の第2の階調データ(これを分割階調データ
    という)に対応するパルス高の電圧パルスを画素に印加
    することにより、非選択状態にある走査電極上の画素に
    印加されるRMS電圧を表示の1フレーム内において実
    効的に一定とすること、及び、 (b)上記複数の第2の階調データのうちの一部が、表
    示に使用する第1の階調データのうちの少なくとも異な
    る2つにおいて共通になるようにしたこと、 を特徴とする液晶表示装置の駆動法。
JP21507595A 1994-08-23 1995-08-23 液晶表示装置の駆動法 Expired - Lifetime JP3591926B2 (ja)

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