JPH08160390A - 画像表示装置を駆動する方法 - Google Patents
画像表示装置を駆動する方法Info
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- JPH08160390A JPH08160390A JP30663694A JP30663694A JPH08160390A JP H08160390 A JPH08160390 A JP H08160390A JP 30663694 A JP30663694 A JP 30663694A JP 30663694 A JP30663694 A JP 30663694A JP H08160390 A JPH08160390 A JP H08160390A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】行電極数480本の液晶表示パネルを以下の要
領で駆動した。選択行列としては、選択図に示した行列
を用い、7本の行を同時選択するとともに、サブグルー
プごとの選択で、選択行列の列を1つ進める方式で駆動
した。2画面駆動(上下分割)を行ったので、ダミー行
5本を加えてサブグループの数は35となった。バイア
スはコントラスト比がほぼ最大となるように調整し、階
調方式は空間変調フレームレートコントロールで行っ
た。 【効果】画像表示装置を複数行同時選択して駆動する際
のクロストーク低減を簡単な駆動回路で達成できる。
領で駆動した。選択行列としては、選択図に示した行列
を用い、7本の行を同時選択するとともに、サブグルー
プごとの選択で、選択行列の列を1つ進める方式で駆動
した。2画面駆動(上下分割)を行ったので、ダミー行
5本を加えてサブグループの数は35となった。バイア
スはコントラスト比がほぼ最大となるように調整し、階
調方式は空間変調フレームレートコントロールで行っ
た。 【効果】画像表示装置を複数行同時選択して駆動する際
のクロストーク低減を簡単な駆動回路で達成できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速で応答する液晶に
適した液晶表示装置を駆動する方法に関するものであ
る。特に、本発明は、MLS法(複数ライン同時選択
法、特開平6−27907、USP5262881参
照)でマルチプレックス駆動を行う、単純マトリクス型
液晶表示装置の駆動方法に関するものである。
適した液晶表示装置を駆動する方法に関するものであ
る。特に、本発明は、MLS法(複数ライン同時選択
法、特開平6−27907、USP5262881参
照)でマルチプレックス駆動を行う、単純マトリクス型
液晶表示装置の駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下、本明細書では、走査電極を行電極
といい、データ電極を列電極ということにする。
といい、データ電極を列電極ということにする。
【0003】高度情報化時代の進展にともなって情報表
示媒体へのニーズはますます高まっている。液晶ディス
プレイは薄型、軽量、低消費電力などのメリットを有し
ており、半導体技術との整合性もよくますます普及する
ものと考えられる。一方で普及にともなって画面大型
化、高精細化が求められるようになり大容量表示をする
方法の模索が始まっている。そのなかでSTN(超ねじ
れネマティック)方式はTFT(薄膜トランジスタ)方
式に比べ製造工程が簡素であり、低コストで生産できる
ので将来の液晶ディスプレイの主流になると考えられ
る。
示媒体へのニーズはますます高まっている。液晶ディス
プレイは薄型、軽量、低消費電力などのメリットを有し
ており、半導体技術との整合性もよくますます普及する
ものと考えられる。一方で普及にともなって画面大型
化、高精細化が求められるようになり大容量表示をする
方法の模索が始まっている。そのなかでSTN(超ねじ
れネマティック)方式はTFT(薄膜トランジスタ)方
式に比べ製造工程が簡素であり、低コストで生産できる
ので将来の液晶ディスプレイの主流になると考えられ
る。
【0004】STN方式で大容量表示をするためには従
来から線順次マルチプレクス駆動が行われている。この
方法は各行電極を一本ずつ順次選択するとともに、列電
極を表示したいパターンと対応させて選択するもので、
全行電極が選択されることによって一画面の表示を終え
る。
来から線順次マルチプレクス駆動が行われている。この
方法は各行電極を一本ずつ順次選択するとともに、列電
極を表示したいパターンと対応させて選択するもので、
全行電極が選択されることによって一画面の表示を終え
る。
【0005】しかし、線順次駆動法では、表示容量が大
きくなるにつれて、フレーム応答と呼ばれる問題が起こ
ることが知られている。線順次駆動法では、選択時には
比較的大きく、非選択時には比較的小さい電圧が画素に
印加される。この電圧比は一般に行ライン数が大きくな
るほど(高デューティ駆動となるほど)大きくなる。こ
のため、電圧比が小さいときには電圧実効値に応答して
いた液晶が印加波形に応答するようになる。すなわち、
フレーム応答は選択パルスでの振幅が大きいためオフ時
の透過率が上昇し、選択パルスの周期が長いためオン時
の透過率が減少し結果としてコントラストの低下を引き
起こす現象である。
きくなるにつれて、フレーム応答と呼ばれる問題が起こ
ることが知られている。線順次駆動法では、選択時には
比較的大きく、非選択時には比較的小さい電圧が画素に
印加される。この電圧比は一般に行ライン数が大きくな
るほど(高デューティ駆動となるほど)大きくなる。こ
のため、電圧比が小さいときには電圧実効値に応答して
いた液晶が印加波形に応答するようになる。すなわち、
フレーム応答は選択パルスでの振幅が大きいためオフ時
の透過率が上昇し、選択パルスの周期が長いためオン時
の透過率が減少し結果としてコントラストの低下を引き
起こす現象である。
【0006】フレーム応答の発生を抑制するためにフレ
ーム周波数を高くし、これにより選択パルスの周期を短
くする方法が知られているが、これには重大な欠点があ
る。つまり、フレーム周波数を増やすと、印加波形の周
波数スペクトルが高くなるので、表示の不均一を引き起
こし、消費電力が上昇する。また選択パルス幅が狭くな
り過ぎるのを防ぐためにフレーム周波数の上限には制限
がある。
ーム周波数を高くし、これにより選択パルスの周期を短
くする方法が知られているが、これには重大な欠点があ
る。つまり、フレーム周波数を増やすと、印加波形の周
波数スペクトルが高くなるので、表示の不均一を引き起
こし、消費電力が上昇する。また選択パルス幅が狭くな
り過ぎるのを防ぐためにフレーム周波数の上限には制限
がある。
【0007】周波数スペクトルを高くせずにこの問題を
解決するために、最近、新駆動法が提案された。複数の
行電極(選択電極)を同時に選択するMLS(複数ライ
ン同時選択)法などの方法である。この方法は複数の行
電極を同時に選択し、かつ、列方向の表示パターンを独
立に制御できる方法であり、選択幅を一定に保ったまま
フレーム周期を短くすることができる。すなわちフレー
ム応答を抑制した高コントラスト表示ができる。
解決するために、最近、新駆動法が提案された。複数の
行電極(選択電極)を同時に選択するMLS(複数ライ
ン同時選択)法などの方法である。この方法は複数の行
電極を同時に選択し、かつ、列方向の表示パターンを独
立に制御できる方法であり、選択幅を一定に保ったまま
フレーム周期を短くすることができる。すなわちフレー
ム応答を抑制した高コントラスト表示ができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】MLS法においては、
列表示パターンを独立に制御するために、同時に印加さ
れる各行電極には一定の電圧パルス列が印加される。複
数のラインを同時に選択する駆動法では、複数の行電極
に同時に電圧パルスが印加されることになる。このと
き、列方向の表示パターンを同時にかつ独立に制御する
ために、行電極には各々極性の違うパルス電圧が印加さ
れる必要がある。行電極には極性を持つパルスが何回か
印加され、トータルで各画素にはオン、オフに応じた実
効電圧が印加される。
列表示パターンを独立に制御するために、同時に印加さ
れる各行電極には一定の電圧パルス列が印加される。複
数のラインを同時に選択する駆動法では、複数の行電極
に同時に電圧パルスが印加されることになる。このと
き、列方向の表示パターンを同時にかつ独立に制御する
ために、行電極には各々極性の違うパルス電圧が印加さ
れる必要がある。行電極には極性を持つパルスが何回か
印加され、トータルで各画素にはオン、オフに応じた実
効電圧が印加される。
【0009】この各行電極に印加される選択パルス電圧
群はL行K列の行列(これを以後、選択行列(A)とい
う)として表すことができる。選択パルス電圧系列は互
いに直交なベクトル群として表せるため、これらを列要
素として含む行列は直交行列となる。このとき行列内の
各行ベクトルは互いに直交である。行の数Lは同時選択
する行本数に対応し、各行はそれぞれのラインに対応す
る。たとえば、L本の選択ラインの中のライン1には、
選択行列(A)の1行目の要素が適応され、1列目の要
素、2列目の要素の順に選択パルスが印加される。
群はL行K列の行列(これを以後、選択行列(A)とい
う)として表すことができる。選択パルス電圧系列は互
いに直交なベクトル群として表せるため、これらを列要
素として含む行列は直交行列となる。このとき行列内の
各行ベクトルは互いに直交である。行の数Lは同時選択
する行本数に対応し、各行はそれぞれのラインに対応す
る。たとえば、L本の選択ラインの中のライン1には、
選択行列(A)の1行目の要素が適応され、1列目の要
素、2列目の要素の順に選択パルスが印加される。
【0010】本明細書では、選択行列(A)の表記にお
いて、1は正の選択パルスを、−1は負の選択パルスを
意味することとする。選択行列(A)の代表的な例とし
てアダマール行列を図5に示す。図5(a)は4行4列
のもの、図5(b)は8行8列のもの、図5(c)は8
行8列のものの第1行を除いた7行8列のものである。
いて、1は正の選択パルスを、−1は負の選択パルスを
意味することとする。選択行列(A)の代表的な例とし
てアダマール行列を図5に示す。図5(a)は4行4列
のもの、図5(b)は8行8列のもの、図5(c)は8
行8列のものの第1行を除いた7行8列のものである。
【0011】列電極には、この行列の各列要素および列
表示パターンに対応した電圧レベルが印加される。すな
わち、列電極電圧系列はこの行電極電圧系列を決める行
列と表示パターンによって決まる。
表示パターンに対応した電圧レベルが印加される。すな
わち、列電極電圧系列はこの行電極電圧系列を決める行
列と表示パターンによって決まる。
【0012】列電極に印加される電圧波形のシーケンス
は以下のように決定される。図4はその概念を示した説
明図である。4行4列のアダマール行列を例にとって説
明する。列電極iおよび列電極jにおける表示データが
図4(a)に示したようになっているとする。列表示パ
ターンは図4(b)に示すようにベクトル(d)として
表される。ここで列要素が−1の時はオン表示を表し、
1はオフ表示を表している。行電極に、行列の列の順に
順次行電極電圧が印加されていくとすると、列電極電圧
レベルは図4(b)に示すベクトル(v)のようにな
り、その波形は図4(c)のようになる。図4(c)に
おいて、縦軸、横軸はそれぞれ任意単位である。
は以下のように決定される。図4はその概念を示した説
明図である。4行4列のアダマール行列を例にとって説
明する。列電極iおよび列電極jにおける表示データが
図4(a)に示したようになっているとする。列表示パ
ターンは図4(b)に示すようにベクトル(d)として
表される。ここで列要素が−1の時はオン表示を表し、
1はオフ表示を表している。行電極に、行列の列の順に
順次行電極電圧が印加されていくとすると、列電極電圧
レベルは図4(b)に示すベクトル(v)のようにな
り、その波形は図4(c)のようになる。図4(c)に
おいて、縦軸、横軸はそれぞれ任意単位である。
【0013】部分ライン選択の場合、液晶表示素子のフ
レーム応答を抑制するために、1表示サイクル内で分散
して電圧印加されることが好ましい。具体的には、たと
えば、1番目の同時選択される行電極群(これを以下、
サブグループという)に対するベクトル(v)の第1番
目の要素が印加された次には、2番目の同時選択される
行電極群に対するベクトル(v)の第1番目の要素が印
加され、以下同様のシーケンスをとる。
レーム応答を抑制するために、1表示サイクル内で分散
して電圧印加されることが好ましい。具体的には、たと
えば、1番目の同時選択される行電極群(これを以下、
サブグループという)に対するベクトル(v)の第1番
目の要素が印加された次には、2番目の同時選択される
行電極群に対するベクトル(v)の第1番目の要素が印
加され、以下同様のシーケンスをとる。
【0014】したがって、実際に列電極に印加される電
圧パルスシーケンスは、電圧パルスを1表示サイクル内
でどのように分散するか、また同時選択される行電極群
に対してそれぞれどのような選択行列(A)が選ばれる
かによって決定される。
圧パルスシーケンスは、電圧パルスを1表示サイクル内
でどのように分散するか、また同時選択される行電極群
に対してそれぞれどのような選択行列(A)が選ばれる
かによって決定される。
【0015】ところで、最近非常に頻繁に使用されるウ
インドウパターン表示などを行う場合、クロストークと
呼ばれる現象がおき、表示上の問題となっている。
インドウパターン表示などを行う場合、クロストークと
呼ばれる現象がおき、表示上の問題となっている。
【0016】クロストークの影響が最も顕著な場合とな
って現れるのが図3のようなバー表示をさせたときであ
る。バーの下に領域Bには表示ムラが出現する。Δε>
0のとき全オン表示させると液晶の容量成分は最大にな
り列電極電圧波形は最も歪んだ状態になるからである。
つまり、同じオン状態に関わらず領域A<領域Bという
輝度差が表示ムラとなって現れる。これは液晶に印加さ
れる実効電圧も領域A<領域Bとなっていることを示し
ている。ウインドウ表示などの表示パターンは図3の表
示の組合せであり、最も頻繁に使われることが想定さ
れ、この表示ムラ(クロストーク)低減が大きな課題と
なる。
って現れるのが図3のようなバー表示をさせたときであ
る。バーの下に領域Bには表示ムラが出現する。Δε>
0のとき全オン表示させると液晶の容量成分は最大にな
り列電極電圧波形は最も歪んだ状態になるからである。
つまり、同じオン状態に関わらず領域A<領域Bという
輝度差が表示ムラとなって現れる。これは液晶に印加さ
れる実効電圧も領域A<領域Bとなっていることを示し
ている。ウインドウ表示などの表示パターンは図3の表
示の組合せであり、最も頻繁に使われることが想定さ
れ、この表示ムラ(クロストーク)低減が大きな課題と
なる。
【0017】このクロストークの大きさは、バーの幅W
もしくは長さLが変化することにより、変化する。表示
パターンのバーの幅Wを大きくしていくと、領域Aと領
域Bの輝度差は減少していく。またバーの長さLを大き
くしてやると領域Aと領域Bの輝度差は増加していく。
もしくは長さLが変化することにより、変化する。表示
パターンのバーの幅Wを大きくしていくと、領域Aと領
域Bの輝度差は減少していく。またバーの長さLを大き
くしてやると領域Aと領域Bの輝度差は増加していく。
【0018】これらの現象は列電極波形の歪みがオン波
形とオフ波形とで異なることに基づいて説明可能であ
る。つまり、オン波形はある程度歪んだ波形となるのに
対し、オフ波形はほぼ理想に近い波形となる。
形とオフ波形とで異なることに基づいて説明可能であ
る。つまり、オン波形はある程度歪んだ波形となるのに
対し、オフ波形はほぼ理想に近い波形となる。
【0019】オン波形が歪む原因は主に2つある。ひと
つは、駆動系は理想的な電源および理想的なドライバで
は構成されていないということである。図3の表示では
大部分がオン状態なので大部分の列電極ではオン波形を
出力している。このとき駆動系では各列電極電圧レベル
の中でオン波形を出力する電圧レベルに大きな負荷がか
かり、これが歪みの原因になる。もうひとつは、パネル
内部の容量による影響である。オン状態で、列電極に直
列に接続する液晶の容量は最大となるため、オン波形が
多いとパネル内での波形は最も歪んだ状態となる。
つは、駆動系は理想的な電源および理想的なドライバで
は構成されていないということである。図3の表示では
大部分がオン状態なので大部分の列電極ではオン波形を
出力している。このとき駆動系では各列電極電圧レベル
の中でオン波形を出力する電圧レベルに大きな負荷がか
かり、これが歪みの原因になる。もうひとつは、パネル
内部の容量による影響である。オン状態で、列電極に直
列に接続する液晶の容量は最大となるため、オン波形が
多いとパネル内での波形は最も歪んだ状態となる。
【0020】一方、オフ波形は理想に近い波形が出力さ
れる。オン波形に比べると波形が歪む条件に当てはまら
ないからである。
れる。オン波形に比べると波形が歪む条件に当てはまら
ないからである。
【0021】図3において、領域Aでは、ほぼオンの列
電極波形のみが印加されるが、領域Bでは、オンとオフ
の両方の列電極波形が印加される。したがって、領域A
の列電圧波形は非常に歪んだ波形のみが出力されるのに
対し、領域Bでは領域Aに比べて全体としての列電圧の
歪みは大きくない。したがって、領域Bでは液晶に印加
される実効電圧の減少が少ない。
電極波形のみが印加されるが、領域Bでは、オンとオフ
の両方の列電極波形が印加される。したがって、領域A
の列電圧波形は非常に歪んだ波形のみが出力されるのに
対し、領域Bでは領域Aに比べて全体としての列電圧の
歪みは大きくない。したがって、領域Bでは液晶に印加
される実効電圧の減少が少ない。
【0022】前述のように、MLS法はフレーム応答を
抑制するためにきわめて有効な方法ではあるが、本発明
者らが研究を進めるうち、従来駆動法に比べてクロスト
ークによる表示ムラが目立つことが多いことがわかって
きた。
抑制するためにきわめて有効な方法ではあるが、本発明
者らが研究を進めるうち、従来駆動法に比べてクロスト
ークによる表示ムラが目立つことが多いことがわかって
きた。
【0023】これは、複数の行を同時に選択する駆動法
では、行電極電圧レベルが線順次駆動に比べて低いとい
う特徴に由来するものと推察される。つまり、複数の行
を同時に選択すると、行電極電圧と列電極電圧とのバイ
アス比が小さくなり、実効電圧に列電極電圧が与える影
響は従来駆動法に比べてきわめて大きくなる。この結
果、列電極電圧系列に波形歪みがあれば、これが表示品
位に与える影響は従来のものに比べ大きい。
では、行電極電圧レベルが線順次駆動に比べて低いとい
う特徴に由来するものと推察される。つまり、複数の行
を同時に選択すると、行電極電圧と列電極電圧とのバイ
アス比が小さくなり、実効電圧に列電極電圧が与える影
響は従来駆動法に比べてきわめて大きくなる。この結
果、列電極電圧系列に波形歪みがあれば、これが表示品
位に与える影響は従来のものに比べ大きい。
【0024】実際には駆動系で使用される電源、ドライ
ブの能力は有限なので入力端では電圧波形は必ず歪んで
いるし、パネルでは液晶自身の容量成分と電極抵抗の直
列結合と考えられるので、列電極に出力されるべき電圧
波形はかなりなまって出力される。したがって、複数行
を同時選択すると、クロストークによる表示ムラが目立
つ場合があることになる。この現象は、同時選択する行
電極本数Lが5以上になると顕著になる。
ブの能力は有限なので入力端では電圧波形は必ず歪んで
いるし、パネルでは液晶自身の容量成分と電極抵抗の直
列結合と考えられるので、列電極に出力されるべき電圧
波形はかなりなまって出力される。したがって、複数行
を同時選択すると、クロストークによる表示ムラが目立
つ場合があることになる。この現象は、同時選択する行
電極本数Lが5以上になると顕著になる。
【0025】もう1つの大きな課題は、中間調表示にお
けるクロストークである。中間調表示の方式としては、
フレームレートコントロール方式、振幅変調方式、ディ
ザ法との組み合わせなどがあげられるが、フレームレー
トコントロールが液晶表示装置の駆動方法としてはもっ
とも多く用いられている。この際、フリッカーの発生を
目立たなくするために、空間的に(隣接する画素間で)
位相の差をつけフリッカーをキャンセルさせる空間変調
との組み合わせが頻繁に用いられる。この場合、2値表
示を基本とするベタ表示とは異なり、各フレーム毎に画
像の空間的な周波数が非常に高くなることが生ずる。こ
のために、クロストークが生じ画像の品位を劣化させて
いた。同様にディザ方式を用いた場合にも空間周波数が
高くクロストークの問題が存在していた。
けるクロストークである。中間調表示の方式としては、
フレームレートコントロール方式、振幅変調方式、ディ
ザ法との組み合わせなどがあげられるが、フレームレー
トコントロールが液晶表示装置の駆動方法としてはもっ
とも多く用いられている。この際、フリッカーの発生を
目立たなくするために、空間的に(隣接する画素間で)
位相の差をつけフリッカーをキャンセルさせる空間変調
との組み合わせが頻繁に用いられる。この場合、2値表
示を基本とするベタ表示とは異なり、各フレーム毎に画
像の空間的な周波数が非常に高くなることが生ずる。こ
のために、クロストークが生じ画像の品位を劣化させて
いた。同様にディザ方式を用いた場合にも空間周波数が
高くクロストークの問題が存在していた。
【0026】さらに、ビデオ表示など動画を表示する場
合にも画像の劣化の問題がある。ビデオ表示において
は、ウインドウなどの基本的に幾何学的な表示とは異な
り、空間的に複雑な(すなわち空間周波数の高い)表示
が多く出現する。したがって、特に、特定のウインドウ
内でビデオ表示を表示しようとした場合には、発生する
クロストークによりビデオ表示自体の品位を劣化させる
だけでなく、周辺のウインドウにも影響する問題が生じ
ていた。
合にも画像の劣化の問題がある。ビデオ表示において
は、ウインドウなどの基本的に幾何学的な表示とは異な
り、空間的に複雑な(すなわち空間周波数の高い)表示
が多く出現する。したがって、特に、特定のウインドウ
内でビデオ表示を表示しようとした場合には、発生する
クロストークによりビデオ表示自体の品位を劣化させる
だけでなく、周辺のウインドウにも影響する問題が生じ
ていた。
【0027】一方、フレーム応答の抑制と回路規模の関
係では、Lが大きくなればなるほどフレーム応答は抑制
されるものの回路規模が増大しコストが上昇するという
課題が存在し、コスト、性能のバランスのとれた駆動方
式が求められていた。
係では、Lが大きくなればなるほどフレーム応答は抑制
されるものの回路規模が増大しコストが上昇するという
課題が存在し、コスト、性能のバランスのとれた駆動方
式が求められていた。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決するために、以下の画像表示装置の駆動方法を提供
するものである。すなわち、複数(M本)の行電極と複
数の列電極とを有する画像表示装置の行電極を7本ずつ
のサブグループに分割し、そのサブグループを一括して
選択し、7行8列の選択直交行列(A)の選択列ベクト
ル(A1 ,A2,A3 ,A4 ,A5 ,A6 ,A7 ,A
8 )を時系列で展開した信号に基づく電圧を行電極に印
加する画像表示装置の駆動方法であって、選択列ベクト
ルのシーケンスがA1 、A2 、A3 、A4 、A5 、A
6 、A7 、A8 、A1 、A2 、A3 ・・の繰り返しサイ
クルでサブグループを順次選択し、すべてのサブグルー
プに対し、1つの表示フレーム内でA1 からA8 のすべ
ての選択列ベクトルに対応する電圧が印加され、特定の
列電極上の同時選択される行電極に対応する表示パター
ン(オフが1、オンが−1)を要素とする列電極表示パ
ターンベクトル(x)=(x1 ,x2 ,x3 ,x4 ,x
5 ,x6 ,x7 )と、選択列ベクトル(A
i:i=1,2,3,4,5,6,7,8 )の内積yi =(x1 ,x2 ,x
3 ,x4 ,x5 ,x6 ,x7 )Ai に比例した電圧が列
電極に印加されることを特徴とする画像表示装置を駆動
する方法を提供する。
解決するために、以下の画像表示装置の駆動方法を提供
するものである。すなわち、複数(M本)の行電極と複
数の列電極とを有する画像表示装置の行電極を7本ずつ
のサブグループに分割し、そのサブグループを一括して
選択し、7行8列の選択直交行列(A)の選択列ベクト
ル(A1 ,A2,A3 ,A4 ,A5 ,A6 ,A7 ,A
8 )を時系列で展開した信号に基づく電圧を行電極に印
加する画像表示装置の駆動方法であって、選択列ベクト
ルのシーケンスがA1 、A2 、A3 、A4 、A5 、A
6 、A7 、A8 、A1 、A2 、A3 ・・の繰り返しサイ
クルでサブグループを順次選択し、すべてのサブグルー
プに対し、1つの表示フレーム内でA1 からA8 のすべ
ての選択列ベクトルに対応する電圧が印加され、特定の
列電極上の同時選択される行電極に対応する表示パター
ン(オフが1、オンが−1)を要素とする列電極表示パ
ターンベクトル(x)=(x1 ,x2 ,x3 ,x4 ,x
5 ,x6 ,x7 )と、選択列ベクトル(A
i:i=1,2,3,4,5,6,7,8 )の内積yi =(x1 ,x2 ,x
3 ,x4 ,x5 ,x6 ,x7 )Ai に比例した電圧が列
電極に印加されることを特徴とする画像表示装置を駆動
する方法を提供する。
【0029】また、7行8列の選択直交行列(S)とし
て、少なくとも2種類以上の行列が異なる表示フレーム
に対応して用いられ、その行列の少なくとも一方が、数
1の行入れ替え、列入れ替え、および列もしくは行の極
性反転のうちの1つまたは2つ以上の動作を組み合わせ
ることにより作られる直交行列である上記の画像表示装
置を駆動する方法を提供する。
て、少なくとも2種類以上の行列が異なる表示フレーム
に対応して用いられ、その行列の少なくとも一方が、数
1の行入れ替え、列入れ替え、および列もしくは行の極
性反転のうちの1つまたは2つ以上の動作を組み合わせ
ることにより作られる直交行列である上記の画像表示装
置を駆動する方法を提供する。
【0030】用いられる直交行列が2種類であり、表示
フレームごとに切り替えて用いられ、1つの直交行列の
少なくとも2つ以上の行ベクトルが、もう1つの直交行
列の行ベクトルと同一または極性が反転したベクトルで
あり、直交行列内でのそれらの行ベクトルの位置が2つ
の行列間で異なることを特徴とした請求項2に記載の画
像表示装置を駆動する方法を提供する。
フレームごとに切り替えて用いられ、1つの直交行列の
少なくとも2つ以上の行ベクトルが、もう1つの直交行
列の行ベクトルと同一または極性が反転したベクトルで
あり、直交行列内でのそれらの行ベクトルの位置が2つ
の行列間で異なることを特徴とした請求項2に記載の画
像表示装置を駆動する方法を提供する。
【0031】また、表示サイクルが完結する前に、行信
号および列信号の極性を反転することを特徴とする上記
画像表示装置を駆動する方法を提供する。
号および列信号の極性を反転することを特徴とする上記
画像表示装置を駆動する方法を提供する。
【0032】また、行および列信号の極性の反転が周期
的に行われ、その周期が、選択パルスをN回(Nは、3
以上M未満の奇数)印加するごとであることを特徴とす
る上記の画像表示装置を駆動する方法を提供する。
的に行われ、その周期が、選択パルスをN回(Nは、3
以上M未満の奇数)印加するごとであることを特徴とす
る上記の画像表示装置を駆動する方法を提供する。
【0033】また、階調表示方式として、空間変調をと
もなうフレームレートコントロールまたはディザ方式を
用いることを特徴とする上記の画像表示装置を駆動する
方法を提供する。
もなうフレームレートコントロールまたはディザ方式を
用いることを特徴とする上記の画像表示装置を駆動する
方法を提供する。
【0034】また、画像表示装置が液晶表示装置である
ことを特徴とする上記の画像表示装置を駆動する方法を
提供する。
ことを特徴とする上記の画像表示装置を駆動する方法を
提供する。
【0035】また、画像表示装置の画面の少なくとも一
部でビデオ表示を行うことを特徴とする上記の画像表示
装置を駆動する方法を提供する。
部でビデオ表示を行うことを特徴とする上記の画像表示
装置を駆動する方法を提供する。
【0036】本明細書で1表示サイクルとは、全行電極
のアドレスが完了する最も短い時間をいうこととする。
すなわち、実効値が定まる最小時間間隔である。これ
は、上記の直交行列(A)の直交する行ベクトル成分が
全て選択電極に印加される時間間隔ということもでき
る。また、本明細書では、特に断らない限り、Lを同時
選択される行電極数として用い、Kを特定の行電極に1
表示サイクル中に印加される選択パルスの数として用
い、Mを全行電極数として用い、Nを1表示サイクル内
に印加されるパルス数として用いる。
のアドレスが完了する最も短い時間をいうこととする。
すなわち、実効値が定まる最小時間間隔である。これ
は、上記の直交行列(A)の直交する行ベクトル成分が
全て選択電極に印加される時間間隔ということもでき
る。また、本明細書では、特に断らない限り、Lを同時
選択される行電極数として用い、Kを特定の行電極に1
表示サイクル中に印加される選択パルスの数として用
い、Mを全行電極数として用い、Nを1表示サイクル内
に印加されるパルス数として用いる。
【0037】本発明者らは、複数同時選択をする場合の
クロストークの発生原因について、検討した結果、特定
の条件を満たすことにより、先述の各種クロストークを
同時に大幅に減ずることが可能であること、ならびに簡
単な回路でクロストーク低減MLS駆動が達成できるこ
とを見い出した。
クロストークの発生原因について、検討した結果、特定
の条件を満たすことにより、先述の各種クロストークを
同時に大幅に減ずることが可能であること、ならびに簡
単な回路でクロストーク低減MLS駆動が達成できるこ
とを見い出した。
【0038】複数ライン同時選択数Lは、本発明におい
てL=7とされる。これは、メモリーアクセススピー
ド、フレーム応答抑制率、クロストーク低減駆動の実行
性などの観点により決められたものである。本発明の駆
動方式では、周期性の高い行信号のシーケンスを発生さ
せるための選択行列の列ベクトルのシーケンスを決定
し、さらには、クロストーク低減に最適な直交行列系を
提示している。これにより、規模の小さな回路構成で高
性能な表示が実現される。特に、100ms以下の応答
時間(立ち上がりとたち下がりの平均)の高速なSTN
液晶パネルの駆動に適しており、走査ライン数(行ライ
ン数)は200本以上の時に適している駆動法である。
さらには、60ms以下の応答時には他の駆動方式との
優位性が顕著となる。
てL=7とされる。これは、メモリーアクセススピー
ド、フレーム応答抑制率、クロストーク低減駆動の実行
性などの観点により決められたものである。本発明の駆
動方式では、周期性の高い行信号のシーケンスを発生さ
せるための選択行列の列ベクトルのシーケンスを決定
し、さらには、クロストーク低減に最適な直交行列系を
提示している。これにより、規模の小さな回路構成で高
性能な表示が実現される。特に、100ms以下の応答
時間(立ち上がりとたち下がりの平均)の高速なSTN
液晶パネルの駆動に適しており、走査ライン数(行ライ
ン数)は200本以上の時に適している駆動法である。
さらには、60ms以下の応答時には他の駆動方式との
優位性が顕著となる。
【0039】クロストークの発生要因は以下のように説
明される。L本の行電極が同時選択される場合は、列電
極電圧のパルスごとの変動幅が列電極波形の実効値の変
動に強く影響する。これは線順次駆動とは異なる特徴で
あり、L本の行電極が同時選択される場合は線順次駆動
に比べて、列電極電圧レベルが多いことに起因する。つ
まり、線順次駆動では、大きな波形歪みは極性反転のと
きに主に生じるが、複数同時選択駆動では列電極電圧の
パルスごとの変動幅が大きい場合にも生じる。複数同時
選択駆動において、選択行列の種類によっては列電極電
圧の変動が頻繁に起こるため、強いクロストークが発生
する。
明される。L本の行電極が同時選択される場合は、列電
極電圧のパルスごとの変動幅が列電極波形の実効値の変
動に強く影響する。これは線順次駆動とは異なる特徴で
あり、L本の行電極が同時選択される場合は線順次駆動
に比べて、列電極電圧レベルが多いことに起因する。つ
まり、線順次駆動では、大きな波形歪みは極性反転のと
きに主に生じるが、複数同時選択駆動では列電極電圧の
パルスごとの変動幅が大きい場合にも生じる。複数同時
選択駆動において、選択行列の種類によっては列電極電
圧の変動が頻繁に起こるため、強いクロストークが発生
する。
【0040】したがって、クロストークの低減には実際
に列電極に印加される電圧パルスシーケンスの検討がき
わめて重要である。そこで、MLS法において、実際に
列電極に印加される電圧パルスシーケンスがどのように
なっているかについて以下に述べる。
に列電極に印加される電圧パルスシーケンスの検討がき
わめて重要である。そこで、MLS法において、実際に
列電極に印加される電圧パルスシーケンスがどのように
なっているかについて以下に述べる。
【0041】全行電極のうちの1部を同時選択する(部
分ライン選択)場合は、いつの時点で選択パルスシーケ
ンスを進めるかという観点で基本的に3つの考え方があ
る。1つは、1つのサブグループが選択され次のサブグ
ループが選択される時点で、行電極の選択パルスシーケ
ンスを1つ進める、すなわちサブグループを単位とした
選択パルスシーケンスの方式(1)であり、1つは、全
ラインが選択された時点で(全サブグループに対して)
選択パルスシーケンスを進めるという方式(2)であ
り、もう1つは方式(1)および(2)の中間方式
(3)である。方式(1)および方式(2)の場合に、
選択パルスを示すベクトルをサブグループごとに示すと
数2のようになる。ここで、選択行列(A)の各列ベク
トルをA1 、A2 ・・・ AM 、サブグループの数をN
S とした。
分ライン選択)場合は、いつの時点で選択パルスシーケ
ンスを進めるかという観点で基本的に3つの考え方があ
る。1つは、1つのサブグループが選択され次のサブグ
ループが選択される時点で、行電極の選択パルスシーケ
ンスを1つ進める、すなわちサブグループを単位とした
選択パルスシーケンスの方式(1)であり、1つは、全
ラインが選択された時点で(全サブグループに対して)
選択パルスシーケンスを進めるという方式(2)であ
り、もう1つは方式(1)および(2)の中間方式
(3)である。方式(1)および方式(2)の場合に、
選択パルスを示すベクトルをサブグループごとに示すと
数2のようになる。ここで、選択行列(A)の各列ベク
トルをA1 、A2 ・・・ AM 、サブグループの数をN
S とした。
【0042】
【数2】
【0043】列電極に印加される電圧のシーケンスは、
列電極電圧レベルを図4(b)に示すのと同様にベクト
ル(v)=(v1 ,v2 ,v3 ,・・)で表されるとす
ると、方式(1)の場合、(v1 ,v2 ,v3 ,・・
・,v2 ,v3 ,v4 ,・・)となり、方式(2)の場
合、(v1 ,v1 , ・・v1 ,v2 ,v2 , ・・・,v
2 ,v3 , ・・)となる。それぞれの繰り返し回数はサ
ブグループの数である。
列電極電圧レベルを図4(b)に示すのと同様にベクト
ル(v)=(v1 ,v2 ,v3 ,・・)で表されるとす
ると、方式(1)の場合、(v1 ,v2 ,v3 ,・・
・,v2 ,v3 ,v4 ,・・)となり、方式(2)の場
合、(v1 ,v1 , ・・v1 ,v2 ,v2 , ・・・,v
2 ,v3 , ・・)となる。それぞれの繰り返し回数はサ
ブグループの数である。
【0044】これらの関係は一般的に数3のように、ベ
クトルとマトリクスとからなる表式で書くことができ
る。
クトルとマトリクスとからなる表式で書くことができ
る。
【0045】
【数3】
【0046】ベクトル(x)、ベクトル(y)、行列
(S)は以下のようなものである。列電極表示パターン
ベクトル(x)=(x1 ,x2 ,・・・,xM )は、行
電極本数Mと同じ数の要素を持ち、特定の列電極上の行
電極に対応する表示パターンを要素とする。ここで、オ
フの場合が1、オンの場合が−1とする。列電極電圧シ
ーケンスベクトル(y)=(y1 ,y2 ,・・・,y
N )は、1表示サイクル内に印加されるパルス数Nと同
じ数の要素を持ち、特定の列電極に対する電圧レベルを
1表示サイクル内で時系列で並べたものを要素とする。
行電極パルスシーケンス行列(S)は、M行N列の行列
であり、特定の列電極に対する行電極電圧レベルからな
る列ベクトルを1表示サイクル内で時系列で並べたもの
を要素とする。非選択の行電極に対応する要素は0とさ
れる。たとえば、方式(1)における行電極パルスシー
ケンス行列Sは、選択行列Aの列ベクトルAi 、ならび
にゼロベクトルZe により数4のように書かれる。
(S)は以下のようなものである。列電極表示パターン
ベクトル(x)=(x1 ,x2 ,・・・,xM )は、行
電極本数Mと同じ数の要素を持ち、特定の列電極上の行
電極に対応する表示パターンを要素とする。ここで、オ
フの場合が1、オンの場合が−1とする。列電極電圧シ
ーケンスベクトル(y)=(y1 ,y2 ,・・・,y
N )は、1表示サイクル内に印加されるパルス数Nと同
じ数の要素を持ち、特定の列電極に対する電圧レベルを
1表示サイクル内で時系列で並べたものを要素とする。
行電極パルスシーケンス行列(S)は、M行N列の行列
であり、特定の列電極に対する行電極電圧レベルからな
る列ベクトルを1表示サイクル内で時系列で並べたもの
を要素とする。非選択の行電極に対応する要素は0とさ
れる。たとえば、方式(1)における行電極パルスシー
ケンス行列Sは、選択行列Aの列ベクトルAi 、ならび
にゼロベクトルZe により数4のように書かれる。
【0047】
【数4】
【0048】方式(2)のシーケンスは、周波数が低く
なりすぎるため、フリッカー発生のおそれがある。した
がって、各サブグループに選択パルスを少なくとも1回
印加し終える前に選択パルスシーケンスを進める方が好
ましい場合が多い。そこで、以下は、典型的な場合とし
て、主に方式(1)のシーケンスを採用した場合を例に
とって本発明を説明することにする。もちろん、方式
(2)および方式(3)のシーケンスを採用した場合も
同様に考えることができる。
なりすぎるため、フリッカー発生のおそれがある。した
がって、各サブグループに選択パルスを少なくとも1回
印加し終える前に選択パルスシーケンスを進める方が好
ましい場合が多い。そこで、以下は、典型的な場合とし
て、主に方式(1)のシーケンスを採用した場合を例に
とって本発明を説明することにする。もちろん、方式
(2)および方式(3)のシーケンスを採用した場合も
同様に考えることができる。
【0049】本発明においては、最も適したシーケンス
として、(1)のシーケンスがあげられる。L=7の選
択直交行列(7行8列)に関して、数々のシーケンスを
検討した結果、(1)のシーケンスが最も良好な表示品
位(均一性とフリッカーの抑制)が得られることがわか
った。なかでも、選択行列の列ベクトルを、1サブグル
ープの選択ごとに変え、かつそのベクトルが周期的に用
いられるシーケンスが最適である。
として、(1)のシーケンスがあげられる。L=7の選
択直交行列(7行8列)に関して、数々のシーケンスを
検討した結果、(1)のシーケンスが最も良好な表示品
位(均一性とフリッカーの抑制)が得られることがわか
った。なかでも、選択行列の列ベクトルを、1サブグル
ープの選択ごとに変え、かつそのベクトルが周期的に用
いられるシーケンスが最適である。
【0050】クロストークに関しては、方式(1)のシ
ーケンスを採用した場合は、行電極パルスシーケンス行
列(S)は、極性反転する場合や最後のサブグループか
ら最初のサブグループに移る場合を除くと、選択行列
(A)を(A)(A)・・(A)のように、並べた行列
を考えれば充分である。これは、数2または数4に示し
たように、選択されるサブグループについて注目する
と、A1 、A2 ・・・、AK に対応する電圧がが繰り返
し印加されているためである。
ーケンスを採用した場合は、行電極パルスシーケンス行
列(S)は、極性反転する場合や最後のサブグループか
ら最初のサブグループに移る場合を除くと、選択行列
(A)を(A)(A)・・(A)のように、並べた行列
を考えれば充分である。これは、数2または数4に示し
たように、選択されるサブグループについて注目する
と、A1 、A2 ・・・、AK に対応する電圧がが繰り返
し印加されているためである。
【0051】つまり、方式(1)のシーケンスを採用す
るとすれば、どのような選択行列A(L行K列)が採用
されるかによって、本発明の条件が満たされるかどうか
がほぼ決まることになる。すなわち、互いに直交な行成
分によってなる任意行列を適当に列成分を並び変えるこ
とによって適当な行列を選択すれば、好ましい列電極波
形を作ることができる。以下、どのような選択行列を採
用するのが良いかについて具体的に説明する。
るとすれば、どのような選択行列A(L行K列)が採用
されるかによって、本発明の条件が満たされるかどうか
がほぼ決まることになる。すなわち、互いに直交な行成
分によってなる任意行列を適当に列成分を並び変えるこ
とによって適当な行列を選択すれば、好ましい列電極波
形を作ることができる。以下、どのような選択行列を採
用するのが良いかについて具体的に説明する。
【0052】本発明によれば、時間軸(シーケンスを進
める順)における最大電圧変動幅という観点で最適な列
波形を選ぶための基準として行列(S)は数5によって
評価される。
める順)における最大電圧変動幅という観点で最適な列
波形を選ぶための基準として行列(S)は数5によって
評価される。
【0053】
【数5】
【0054】ところで、すべての表示パターンでΔyi
を一定値以下に抑えることが好ましいが、Δyi は列電
極表示パターンベクトル(x)に依存する値なので、こ
れは実際上難しい。たとえば、全面オンの表示と、市松
模様の表示とでは、Δyi の値はまったく異なる。
を一定値以下に抑えることが好ましいが、Δyi は列電
極表示パターンベクトル(x)に依存する値なので、こ
れは実際上難しい。たとえば、全面オンの表示と、市松
模様の表示とでは、Δyi の値はまったく異なる。
【0055】発明者らは、以下のような要因が各種クロ
ストークを支配する因子であることを見い出した。
ストークを支配する因子であることを見い出した。
【0056】(1)選択行列の種類 (2)選択パルスシーケンス(選択パルスの分散方式) (3)選択行列の行・列入れ替え ベタ表示、動画など数多くのパターンでクロストークを
抑制するには、上記(1)〜(3)の条件を、適切に決
める必要がある。本発明では、上記(1)〜(3)の条
件を詳細に検討した結果、構成される行列Sによるデー
タ変換に着目し、表示品位向上、特にクロストークの抑
制を効果的に行うために、いかなる基準でSが決定され
るべきか、すなわち、そのもととなる選択行列Aと選択
パルスシーケンスが以下に決定されるべきかを見い出し
た。
抑制するには、上記(1)〜(3)の条件を、適切に決
める必要がある。本発明では、上記(1)〜(3)の条
件を詳細に検討した結果、構成される行列Sによるデー
タ変換に着目し、表示品位向上、特にクロストークの抑
制を効果的に行うために、いかなる基準でSが決定され
るべきか、すなわち、そのもととなる選択行列Aと選択
パルスシーケンスが以下に決定されるべきかを見い出し
た。
【0057】本発明では、基準となる列電極表示パター
ンベクトル(x)として、(x)=(1,1,・・・,
1)(基準パターン1)ならびに(1,−1,1,−
1,・・・)(基準パターン2)の2種類を選ぶ。通常
の2値表示では、全オンもしくは全オフに近い状態(た
とえば、均一なベタパターン上に、ブロックまたはライ
ンの表示が存在するパターン)が支配的であり、階調表
示や動画表示では、はるかに空間周波数の高い表示状態
が支配的となる。これらの、空間周波数の全く異なるパ
ターンに関して、クロストークを低減するには、上記の
2つの基準ベクトルを用い、(1)〜(3)を決めるこ
とが重要であり、これにより画像の種類によらずクロス
トークの抑制された画像が提供できることが見い出され
た。
ンベクトル(x)として、(x)=(1,1,・・・,
1)(基準パターン1)ならびに(1,−1,1,−
1,・・・)(基準パターン2)の2種類を選ぶ。通常
の2値表示では、全オンもしくは全オフに近い状態(た
とえば、均一なベタパターン上に、ブロックまたはライ
ンの表示が存在するパターン)が支配的であり、階調表
示や動画表示では、はるかに空間周波数の高い表示状態
が支配的となる。これらの、空間周波数の全く異なるパ
ターンに関して、クロストークを低減するには、上記の
2つの基準ベクトルを用い、(1)〜(3)を決めるこ
とが重要であり、これにより画像の種類によらずクロス
トークの抑制された画像が提供できることが見い出され
た。
【0058】一般に、上記の基準ベクトルに対して、Δ
yi +Δyi ’<1.4・L(これを以後、条件Aとい
う)とすることにより、最大電圧変動差を実用可能な程
度に抑えることができる。特に好ましくは、Δyi +Δ
yi ’≦L(これを以後、条件Bという)である。ここ
で、Δyi は基準パターン1に対する変動差、Δyi’
は基準パターン2に対する変動差を示す。
yi +Δyi ’<1.4・L(これを以後、条件Aとい
う)とすることにより、最大電圧変動差を実用可能な程
度に抑えることができる。特に好ましくは、Δyi +Δ
yi ’≦L(これを以後、条件Bという)である。ここ
で、Δyi は基準パターン1に対する変動差、Δyi’
は基準パターン2に対する変動差を示す。
【0059】次に、従来まで用いられてきたアダマール
関数を用いた列電極波形について調べる。ここで、選択
パルスシーケンスは方式(1)を例にとる。図5(c)
は7行8列のアダマール行列であり、基準パターン1に
対しては、(x)=(1,1,・・・,1)に対し、
(y)=(7,−1,−1,・・,−1,7,−1,・
・・)となり、最大変位(Δyi の最大)は8である。
また、基準パターン2に対しては、(x)=(1,−
1,1,−1・・・)に対し、(y)=(1,7,1,
−1,1,−1,1,−1,1,7,1,・・・)とな
り、最大変位(Δyi の最大)は6である。一方、L=
7なので条件Aは、Δyi +Δyi ’<9.8となる。
したがって、この場合、Δyi +Δyi ’=14であ
り、最大変位時に条件Aは満足されない。すなわち、選
択行列として、アダマール行列を用いると、低周波の表
示パターンに対しても高周波の表示パターンに対しても
最大電圧変動は大きく、これが主に波形歪による実効値
減少をもたらすことになる。
関数を用いた列電極波形について調べる。ここで、選択
パルスシーケンスは方式(1)を例にとる。図5(c)
は7行8列のアダマール行列であり、基準パターン1に
対しては、(x)=(1,1,・・・,1)に対し、
(y)=(7,−1,−1,・・,−1,7,−1,・
・・)となり、最大変位(Δyi の最大)は8である。
また、基準パターン2に対しては、(x)=(1,−
1,1,−1・・・)に対し、(y)=(1,7,1,
−1,1,−1,1,−1,1,7,1,・・・)とな
り、最大変位(Δyi の最大)は6である。一方、L=
7なので条件Aは、Δyi +Δyi ’<9.8となる。
したがって、この場合、Δyi +Δyi ’=14であ
り、最大変位時に条件Aは満足されない。すなわち、選
択行列として、アダマール行列を用いると、低周波の表
示パターンに対しても高周波の表示パターンに対しても
最大電圧変動は大きく、これが主に波形歪による実効値
減少をもたらすことになる。
【0060】この場合の波形パターンは図2のようにな
る。図2は全オン表示のときの列電圧波形を任意単位で
示したものである。周期的に大きな電圧変動のあること
がわかる。
る。図2は全オン表示のときの列電圧波形を任意単位で
示したものである。周期的に大きな電圧変動のあること
がわかる。
【0061】2つの基準パターンは空間周波数的に全く
異なるものであるが、次のように最適な行列Sを決める
ことが可能である。まず基準となる選択行列(直交関
数)を作製する。このときの基準は、隣り合う列要素の
符号ができるだけ一致するように取ることが望ましい。
これは、隣り合う列同士の符号が一致する際にはカラム
電圧シーケンスに与えるパターン依存性が抑制されるた
めである。このための条件としては、行列Aの隣り合う
列同士(1と2、2と3、・・、Kと1)の同符号とな
る要素の数の合計Fが、行列のサイズL×Kに対して、 F≧L×K/2 の関係を満たすことが望ましい。
異なるものであるが、次のように最適な行列Sを決める
ことが可能である。まず基準となる選択行列(直交関
数)を作製する。このときの基準は、隣り合う列要素の
符号ができるだけ一致するように取ることが望ましい。
これは、隣り合う列同士の符号が一致する際にはカラム
電圧シーケンスに与えるパターン依存性が抑制されるた
めである。このための条件としては、行列Aの隣り合う
列同士(1と2、2と3、・・、Kと1)の同符号とな
る要素の数の合計Fが、行列のサイズL×Kに対して、 F≧L×K/2 の関係を満たすことが望ましい。
【0062】この条件により、最適化された7×8行列
の一例が図1である。この行列においては、基準パター
ン1、2に対しては大きな電圧の変化(離れたレベル間
の変動)はなく、きわめて電圧変動の少ない列信号を生
成する。
の一例が図1である。この行列においては、基準パター
ン1、2に対しては大きな電圧の変化(離れたレベル間
の変動)はなく、きわめて電圧変動の少ない列信号を生
成する。
【0063】本行列においては、7本の各ラインごとの
選択パルスの系列が異なるため、ラインごとに波形の周
波数的な差が生じ同時に選択されるラインごとの明暗の
ムラが発生する可能性がある。このため、本発明では、
2つ以上の選択直交行列を使い、それを2つ以上のフレ
ームに対応させ、周期的にそれを繰り返すことによりラ
イン間のムラを低減することが可能である。たとえば、
上記の行列を奇数フレームに用い、偶数フレームでは別
の行列を用いる、すなわち2つのフレームで2つの直交
行列を用いる方式がある。もう1つの行列としては、1
つ目の行列(第1行列)の行入れ替えで、明暗をキャン
セルするような行列が用いられる。上記の例では、1行
目が相対的に電圧が高く、4行目が相対的に電圧が低い
ため、第1行列の1行目と4行目を入れ替えたものを第
2行列とすることができる。もちろん、行入れ替えに加
えて、列入れ替えや行および/または列ベクトルの極性
反転により第2行列を作ることができる。ここでは、2
行列でのライン間の電圧補正に関し説明したが、3個以
上の行列を3個以上のフレームに対応させて用いること
ができる。いずれの場合にも、複数の行列の並びが周期
的に変化する(行列の順序が決まっている)ことが望ま
しい。
選択パルスの系列が異なるため、ラインごとに波形の周
波数的な差が生じ同時に選択されるラインごとの明暗の
ムラが発生する可能性がある。このため、本発明では、
2つ以上の選択直交行列を使い、それを2つ以上のフレ
ームに対応させ、周期的にそれを繰り返すことによりラ
イン間のムラを低減することが可能である。たとえば、
上記の行列を奇数フレームに用い、偶数フレームでは別
の行列を用いる、すなわち2つのフレームで2つの直交
行列を用いる方式がある。もう1つの行列としては、1
つ目の行列(第1行列)の行入れ替えで、明暗をキャン
セルするような行列が用いられる。上記の例では、1行
目が相対的に電圧が高く、4行目が相対的に電圧が低い
ため、第1行列の1行目と4行目を入れ替えたものを第
2行列とすることができる。もちろん、行入れ替えに加
えて、列入れ替えや行および/または列ベクトルの極性
反転により第2行列を作ることができる。ここでは、2
行列でのライン間の電圧補正に関し説明したが、3個以
上の行列を3個以上のフレームに対応させて用いること
ができる。いずれの場合にも、複数の行列の並びが周期
的に変化する(行列の順序が決まっている)ことが望ま
しい。
【0064】表示の均一性の達成には、選択列ベクトル
の極性反転をフレーム周期よりも短い周期で行うことが
好ましい。極性反転の周期としては、8選択パルスごと
またはその整数倍のパルスごとであることが望ましい。
このようにすることにより、極性反転時の液晶に印加さ
れる電圧波形の変動を均等化することができるので、フ
リッカーの発生などを抑制できる。
の極性反転をフレーム周期よりも短い周期で行うことが
好ましい。極性反転の周期としては、8選択パルスごと
またはその整数倍のパルスごとであることが望ましい。
このようにすることにより、極性反転時の液晶に印加さ
れる電圧波形の変動を均等化することができるので、フ
リッカーの発生などを抑制できる。
【0065】極性反転と選択ベクトルシーケンスに関し
て、MとLが適切な関係を満たしていることが重要であ
る。たとえば、行ライン数Mが240、L=7では、仮
想ラインを5本加えて245/7=35となりサブグル
ープは35個となる。この場合、極性反転周期を8パル
スまたは8の倍数とすることにより、交流化が達成でき
る。サブグループ数が8の倍数の場合には注意が必要で
ある。たとえば、40サブグループで、8パルスごとに
極性反転を行った場合、第1サブグループは全く同一の
極性を持ち続けることとなりdc電圧が印加されてしま
う。これを回避するには、仮想のサブグループを追加し
この関係を崩す必要がある。一般に、サブグループ数N
sと極性反転周期(R選択パルスごと)に関し、RがN
sの約数ではないことが必要となる。
て、MとLが適切な関係を満たしていることが重要であ
る。たとえば、行ライン数Mが240、L=7では、仮
想ラインを5本加えて245/7=35となりサブグル
ープは35個となる。この場合、極性反転周期を8パル
スまたは8の倍数とすることにより、交流化が達成でき
る。サブグループ数が8の倍数の場合には注意が必要で
ある。たとえば、40サブグループで、8パルスごとに
極性反転を行った場合、第1サブグループは全く同一の
極性を持ち続けることとなりdc電圧が印加されてしま
う。これを回避するには、仮想のサブグループを追加し
この関係を崩す必要がある。一般に、サブグループ数N
sと極性反転周期(R選択パルスごと)に関し、RがN
sの約数ではないことが必要となる。
【0066】本発明における駆動法は、特開平6−27
907、USP5262881に記載されているような
回路を用いて実現することが可能である。
907、USP5262881に記載されているような
回路を用いて実現することが可能である。
【0067】回路の構成の一例のブロック図を図6に示
した。これは、RGBそれぞれ16階調表示を行うため
の回路である。データ信号を、16階調の信号をMSB
からLSBまで4ビットの信号としてデータ前処理回路
1に入力する。データ前処理回路1は後段の列信号形成
に適したフォーマットとタイミングで列信号発生回路2
に入力されるデータ信号を出力するための回路である。
列信号発生回路2には、データ前処理回路2から出力さ
れるデータ信号と直交関数発生回路5から出力される直
交関数信号とが入力される。
した。これは、RGBそれぞれ16階調表示を行うため
の回路である。データ信号を、16階調の信号をMSB
からLSBまで4ビットの信号としてデータ前処理回路
1に入力する。データ前処理回路1は後段の列信号形成
に適したフォーマットとタイミングで列信号発生回路2
に入力されるデータ信号を出力するための回路である。
列信号発生回路2には、データ前処理回路2から出力さ
れるデータ信号と直交関数発生回路5から出力される直
交関数信号とが入力される。
【0068】列信号発生回路2は両信号を用いて所定の
演算を行い列信号を形成した後、列ドライバ3に出力す
る。列ドライバ3は所定の基準電圧を用いて、入力され
る列信号から液晶パネル6の列電極に印加する列電極電
圧を形成して液晶パネル6に出力する。一方、液晶パネ
ル6の行電極には、直交関数発生回路5から出力される
直交関数信号を行ドライバ4で変換した行電極電圧が印
加される。これらの回路は、必要に応じてタイミング回
路等を備え、所定のタイミングにコントロールされて動
作する。
演算を行い列信号を形成した後、列ドライバ3に出力す
る。列ドライバ3は所定の基準電圧を用いて、入力され
る列信号から液晶パネル6の列電極に印加する列電極電
圧を形成して液晶パネル6に出力する。一方、液晶パネ
ル6の行電極には、直交関数発生回路5から出力される
直交関数信号を行ドライバ4で変換した行電極電圧が印
加される。これらの回路は、必要に応じてタイミング回
路等を備え、所定のタイミングにコントロールされて動
作する。
【0069】本発明で用いられている直交関数は、直交
関数発生回路5が発生する。直交関数発生回路5は、直
交関数信号発生のたびに演算を行い信号形成することも
できる。しかし、あらかじめ、使用する直交関数信号を
ROMに保存しておき、それを適当なタイミングで読み
出すほうが簡便性の点で好ましい。すなわち、液晶パネ
ル6への電圧印加タイミングを規定するパルスを計数
し、計数値をアドレス信号としてROM内の直交関数信
号を順次読み出すようにする。直交関数発生器には極性
反転端子があり、その論理により極性を切り替える。直
交関数の極性切り替えにより同時に列信号も反転され
る。
関数発生回路5が発生する。直交関数発生回路5は、直
交関数信号発生のたびに演算を行い信号形成することも
できる。しかし、あらかじめ、使用する直交関数信号を
ROMに保存しておき、それを適当なタイミングで読み
出すほうが簡便性の点で好ましい。すなわち、液晶パネ
ル6への電圧印加タイミングを規定するパルスを計数
し、計数値をアドレス信号としてROM内の直交関数信
号を順次読み出すようにする。直交関数発生器には極性
反転端子があり、その論理により極性を切り替える。直
交関数の極性切り替えにより同時に列信号も反転され
る。
【0070】図7はデータ前処理回路の構成の一例を示
すブロック図である。データ前処理回路1では、入力デ
ータをフレーム変調の階調方式に対応した各色1ビット
データに変換しメモリ12に格納する。メモリ12とし
てはデータ幅16ビットのVRAMを用いた。メモリ1
2への書き込みは直接アクセスモードを用いて以下のよ
うに行う。すなわち、同じ列電極に対応した行電極上の
データは、同時選択される4本の行電極について隣り合
う4個のアドレスに格納する。このようにすることによ
り、後段のメモリからの読み出しが高速に行えるととも
に、演算が容易になる。
すブロック図である。データ前処理回路1では、入力デ
ータをフレーム変調の階調方式に対応した各色1ビット
データに変換しメモリ12に格納する。メモリ12とし
てはデータ幅16ビットのVRAMを用いた。メモリ1
2への書き込みは直接アクセスモードを用いて以下のよ
うに行う。すなわち、同じ列電極に対応した行電極上の
データは、同時選択される4本の行電極について隣り合
う4個のアドレスに格納する。このようにすることによ
り、後段のメモリからの読み出しが高速に行えるととも
に、演算が容易になる。
【0071】メモリ12からの読み出しは高速な順次ア
クセスモードでLCDの駆動タイミングに応じて行い、
4組のデータをデータフォーマット変換回路16へ送
る。
クセスモードでLCDの駆動タイミングに応じて行い、
4組のデータをデータフォーマット変換回路16へ送
る。
【0072】データフォーマット変換回路16は、各階
調ごとに並列に送られたデータをRGBごとの並列信号
に整理し直す回路であり、通常は、回路基板上で適宜の
配線を行うことにより足りる。
調ごとに並列に送られたデータをRGBごとの並列信号
に整理し直す回路であり、通常は、回路基板上で適宜の
配線を行うことにより足りる。
【0073】図8は、列信号発生回路2の構成の一例を
示すブロック図である。データフォーマット変換回路1
6で変換されたデータは列信号発生回路2に送られる。
4ビットのデータ信号を排他的論理和ゲート23、2
3、・・・に入力する。排他的論理和ゲート23にはそ
れぞれ直交関数発生回路5からの信号も入力される。排
他的論理和ゲート23の出力は加算器21で同時選択さ
れる行電極について加算される。
示すブロック図である。データフォーマット変換回路1
6で変換されたデータは列信号発生回路2に送られる。
4ビットのデータ信号を排他的論理和ゲート23、2
3、・・・に入力する。排他的論理和ゲート23にはそ
れぞれ直交関数発生回路5からの信号も入力される。排
他的論理和ゲート23の出力は加算器21で同時選択さ
れる行電極について加算される。
【0074】図9は、列ドライバ3の構成の一例を示す
ブロック図である。シフトレジスタ31、ラッチ32、
デコーダー33、および電圧分割器34からなってい
る。電圧レベル選別器33としてはデマルチプレクサを
用い、1行分のデータをシフトレジスタ31に送り込ん
だ段階で表示データの列電圧への変換を行う。
ブロック図である。シフトレジスタ31、ラッチ32、
デコーダー33、および電圧分割器34からなってい
る。電圧レベル選別器33としてはデマルチプレクサを
用い、1行分のデータをシフトレジスタ31に送り込ん
だ段階で表示データの列電圧への変換を行う。
【0075】図10は、行ドライバ4の構成の一例を示
すブロック図である。駆動パターンレジスタ41、選択
信号レジスタ42、およびデコーダー43からなる。選
択信号レジスタ42の内容によって同時選択行が決めら
れ、駆動パターンレジスタ41の内容によって選択され
た各行にどちらの極性の選択信号をを出力するかが決め
られる。非選択行は0Vが出力される。
すブロック図である。駆動パターンレジスタ41、選択
信号レジスタ42、およびデコーダー43からなる。選
択信号レジスタ42の内容によって同時選択行が決めら
れ、駆動パターンレジスタ41の内容によって選択され
た各行にどちらの極性の選択信号をを出力するかが決め
られる。非選択行は0Vが出力される。
【0076】図6〜図10は回路の一例として示したも
のであり、本発明の本質を損しない限り、さまざまな回
路の採用が可能である。
のであり、本発明の本質を損しない限り、さまざまな回
路の採用が可能である。
【0077】
【実施例】図6〜図10に示した回路を用いて、液晶表
示パネル7を以下の要領で駆動した。液晶表示パネルは
9.4インチのVGAモジュール(画素数480×64
0×3(RGB))で背面バックライトを備える。液晶
表示パネルの応答時間は立ち上がりと立ち下がりとの平
均で60msである。7本の行を同時選択するととも
に、サブグループごとの選択で、選択行列の列を1つ進
める方式(方式1)で駆動した。2画面駆動(上下分
割)を行ったので、サブグループの数は35となった。
バイアスはコントラスト比がほぼ最大となるように調整
し、階調方式は空間変調フレームレートコントロールで
行った。
示パネル7を以下の要領で駆動した。液晶表示パネルは
9.4インチのVGAモジュール(画素数480×64
0×3(RGB))で背面バックライトを備える。液晶
表示パネルの応答時間は立ち上がりと立ち下がりとの平
均で60msである。7本の行を同時選択するととも
に、サブグループごとの選択で、選択行列の列を1つ進
める方式(方式1)で駆動した。2画面駆動(上下分
割)を行ったので、サブグループの数は35となった。
バイアスはコントラスト比がほぼ最大となるように調整
し、階調方式は空間変調フレームレートコントロールで
行った。
【0078】表示のコントラスト比は40:1、最大輝
度は100cd/m2 となった。
度は100cd/m2 となった。
【0079】選択行列としては、下記の2つの行列をフ
レームごとに切り替えて用いた。
レームごとに切り替えて用いた。
【0080】
【数6】
【0081】行ラインは240ラインに仮想ライン5本
を加え、245ラインとし、35サブグループで駆動し
た。
を加え、245ラインとし、35サブグループで駆動し
た。
【0082】ベクトルシーケンスは、下の表1(1フレ
ーム)で示すように選択するサブグループと選択列ベク
トルを対応させた。
ーム)で示すように選択するサブグループと選択列ベク
トルを対応させた。
【0083】
【表1】
【0084】また、極性反転は行選択パルスが40パル
ス印加されるごとに行って、駆動した。
ス印加されるごとに行って、駆動した。
【0085】本実施例においては、均一な表示が得ら
れ、著しくクロストークが低減され、ウインドウズの画
面表示でビデオ表示をウインドウ表示した場合において
も、ほとんど気にならないレベルであった。
れ、著しくクロストークが低減され、ウインドウズの画
面表示でビデオ表示をウインドウ表示した場合において
も、ほとんど気にならないレベルであった。
【0086】
【発明の効果】本発明においては、複数ライン同時選択
法による液晶表示装置の駆動方法において、全画面がオ
ンまたはオフに近い状態で発生するクロストークととも
に、中間調表示におけるクロストークを低減することが
できる。また、特定のウインドウ内でビデオ表示を表示
する場合にも鮮明な画像が得られる。
法による液晶表示装置の駆動方法において、全画面がオ
ンまたはオフに近い状態で発生するクロストークととも
に、中間調表示におけるクロストークを低減することが
できる。また、特定のウインドウ内でビデオ表示を表示
する場合にも鮮明な画像が得られる。
【0087】さらに、フレーム応答抑制効果の高い液晶
表示装置が得られる。
表示装置が得られる。
【図1】本発明に適した選択行列を示す説明図。
【図2】従来の駆動方法における全オン表示のときの列
電圧波形を示した波形図。
電圧波形を示した波形図。
【図3】クロストークを説明するための概念図。
【図4】(a)〜(c)はMLS法での電圧印加方法を
説明する概念図および波形図。
説明する概念図および波形図。
【図5】(a)〜(c)はアダマール行列を示す説明
図。
図。
【図6】本発明を実施するための回路の構成の一例を示
すブロック図。
すブロック図。
【図7】データ前処理回路1を示すブロック図。
【図8】列信号発生回路2を示すブロック図。
【図9】列ドライバ3を示すブロック図。
【図10】行ドライバ4を示すブロック図。
1:データ前処理回路 2:列信号発生回路 3:列ドライバ 4:行ドライバ 5:直交関数発生回路 6:液晶パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河口 和義 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 桑田 武志 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】複数(M本)の行電極と複数の列電極とを
有する画像表示装置の行電極を7本ずつのサブグループ
に分割し、そのサブグループを一括して選択し、7行8
列の選択直交行列(A)の選択列ベクトル(A1 ,A
2 ,A3 ,A4 ,A5 ,A6 ,A7 ,A8 )を時系列で
展開した信号に基づく電圧を行電極に印加する画像表示
装置の駆動方法であって、 選択列ベクトルのシーケンスがA1 、A2 、A3 、A
4 、A5 、A6 、A7 、A8 、A1 、A2 、A3 ・・の
繰り返しサイクルでサブグループを順次選択し、 すべてのサブグループに対し、1つの表示フレーム内で
A1 からA8 のすべての選択列ベクトルに対応する電圧
が印加され、 特定の列電極上の同時選択される行電極に対応する表示
パターン(オフが1、オンが−1)を要素とする列電極
表示パターンベクトル(x)=(x1 ,x2 ,x3 ,x
4 ,x5 ,x6 ,x7 )と、選択列ベクトル(A
i:i=1,2,3,4,5,6,7,8)の内積 yi =(x1 ,x2 ,x3 ,x4 ,x5 ,x6 ,x7 )
Ai に比例した電圧が列電極に印加されることを特徴とする
画像表示装置を駆動する方法。 - 【請求項2】7行8列の選択直交行列(S)として、少
なくとも2種類以上の行列が異なる表示フレームに対応
して用いられ、その行列の少なくとも一方が、 【数1】 の行入れ替え、列入れ替え、および列もしくは行の極性
反転のうちの1つまたは2つ以上の動作を組み合わせる
ことにより作られる直交行列である請求項1記載の画像
表示装置を駆動する方法。 - 【請求項3】用いられる直交行列が2種類であり、表示
フレームごとに切り替えて用いられ、1つの直交行列の
少なくとも2つ以上の行ベクトルが、もう1つの直交行
列の行ベクトルと同一または極性が反転したベクトルで
あり、直交行列内でのそれらの行ベクトルの位置が2つ
の行列間で異なることを特徴とした請求項2に記載の画
像表示装置を駆動する方法。 - 【請求項4】表示サイクルが完結する前に、行信号およ
び列信号の極性を反転することを特徴とする請求項1〜
3いずれか1項記載の画像表示装置を駆動する方法。 - 【請求項5】行および列信号の極性の反転が周期的に行
われ、その周期が、選択パルスをN回(Nは、3以上M
未満の奇数)印加するごとであることを特徴とする請求
項4記載の画像表示装置を駆動する方法。 - 【請求項6】階調表示方式として、空間変調をともなう
フレームレートコントロールまたはディザ方式を用いる
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の画像
表示装置を駆動する方法。 - 【請求項7】画像表示装置が液晶表示装置であることを
特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の画像表示装
置を駆動する方法。 - 【請求項8】画像表示装置の画面の少なくとも一部でビ
デオ表示を行うことを特徴とする請求項1〜7いずれか
1項記載の画像表示装置を駆動する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30663694A JPH08160390A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 画像表示装置を駆動する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30663694A JPH08160390A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 画像表示装置を駆動する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08160390A true JPH08160390A (ja) | 1996-06-21 |
Family
ID=17959488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30663694A Pending JPH08160390A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 画像表示装置を駆動する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08160390A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6967634B2 (en) * | 2001-12-05 | 2005-11-22 | Seiko Epson Corporation | Display driver circuit, electro-optical device, and display drive method |
CN105590593A (zh) * | 2014-10-01 | 2016-05-18 | 矽创电子股份有限公司 | 驱动模块及其驱动方法 |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP30663694A patent/JPH08160390A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6967634B2 (en) * | 2001-12-05 | 2005-11-22 | Seiko Epson Corporation | Display driver circuit, electro-optical device, and display drive method |
CN105590593A (zh) * | 2014-10-01 | 2016-05-18 | 矽创电子股份有限公司 | 驱动模块及其驱动方法 |
CN105590593B (zh) * | 2014-10-01 | 2018-05-01 | 矽创电子股份有限公司 | 驱动模块及其驱动方法 |
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