JPH0943402A - 屈折率分布型光伝送体の製造方法 - Google Patents

屈折率分布型光伝送体の製造方法

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JPH0943402A
JPH0943402A JP7193927A JP19392795A JPH0943402A JP H0943402 A JPH0943402 A JP H0943402A JP 7193927 A JP7193927 A JP 7193927A JP 19392795 A JP19392795 A JP 19392795A JP H0943402 A JPH0943402 A JP H0943402A
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JP
Japan
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optical transmission
distribution
transmission body
transmission medium
polymerization
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Application number
JP7193927A
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English (en)
Inventor
Satoru Honda
哲 本田
Naoko Nakajima
尚子 中嶋
Atsuko Ichikawa
敦子 市川
Takayuki Kato
孝行 加藤
Kazumasa Matsumoto
和正 松本
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる重合反応性を有する光伝送体材料を選
択した場合に、それぞれで重合度合いが制御され、ムラ
なく、十分に重合された屈折率分布型光伝送体を製作す
る。 【解決手段】 光伝送体の中心から半径方向に屈折率分
布を有することを特徴としたプラスチック屈折率分布型
光伝送体を製造する際に、互いに異なる2種類以上の重
合開始剤を互いに光伝送体母材料中で拡散分布させ、互
いに異なる2種類以上の重合開始剤の濃度が光伝送体の
中心から半径方向にそれぞれ、光伝送体の半径に対して
略二乗分布を有するようにした製造方法であって、前記
光伝送体母材料を作製する際に用いる重合開始剤として
互いに異なる重合開始剤を用い(S1,S3)、互いに
異なる2種類以上の重合開始剤の濃度が光伝送体の中心
から半径方向にそれぞれ、光伝送体の半径に対して略二
乗分布を有するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラ、光ディス
ク、内視鏡、光通信用レンズなど結像光学系に用いられ
る屈折率分布型プラスチックレンズ等の屈折率分布型光
伝送体の製造方法に関し、特に、製造段階における重合
度合を良好な状態に保つことで良好な性能を有する屈折
率分布型光伝送体を製造可能な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックによるラジアル屈折
率分布型レンズ(以下GRINレンズ)の開発が試みられて
いる。このレンズの材料としてプラスチックを用いた場
合、材料の選択に制限はあるものの、例えば『応用物
理』第54巻第2 号(1985年発行)の第123頁〜129
頁にも示されているように、大口径・低コスト化・小型
軽量において有利であってカメラ等の複合レンズ系への
応用が期待されている。
【0003】従来、GRINレンズの作製方法として、例え
ば以下の方法が開示されており、一般に行なわれてい
る。 2段階共重合法:特公昭52-005857 号公報に記載され
ているように、モノマーを一部重合させたゲル状のロッ
ドに対し、屈折率の異なるモノマーを拡散させ、分布を
形成させた後、重合する。但し、重合開始剤についての
濃度分布については何等触れられていない。
【0004】膨潤揮発法による屈折率分布型光伝送体
の作製方法:特開昭59-86003号公報に記載されているよ
うに、重合開始剤として複数用いても良いとの記載はあ
る。しかし、それらの濃度分布状態、濃度勾配の方向、
重合開始剤の選択規定に関しては、何等触れられていな
い。
【0005】反応性比法による屈折率分布型光伝送体
の作製方法:特公昭54-30301号公報に記載されているよ
うに、共重合反応性比の異なるモノマーにより屈折率勾
配を有するプラスチック光伝送体を製造する方法が記載
されている。これは、二段階共重合法によるものではな
いが、重合反応性の異なる光伝送体材料が分布を形成す
ることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】屈折率分布型光伝送体
の作製においては、屈折率分布型光伝送体としての必然
性から、光学特性の異なる材料を組み合わせて用いる必
要がある。しかし、それは同時に化学的特性、即ち重合
反応性の異なる材料の選択を招くことがある。
【0007】これは屈折率分布型光伝送体としての性能
を顕著に出そうとして、例えば、屈折率の大きく異な
る、即ち化学構造の大きく異なる材料の組合せを選択し
た場合に一層助長されるものである。
【0008】その際、上述した従来例の既存技術では光
伝送体作製の各工程において重合反応性の異なる材料を
一律な重合環境下で扱うことになる。この結果、材料毎
の重合反応性の違いから重合反応性の制御が材料によっ
て不十分となる。従って、場合によっては屈折率分布性
の極端な悪化を招き、光伝送特性や硬度等の実用性、耐
候性に劣った光伝送体となって、もはや実用に耐えない
状況も生じることがある。
【0009】本発明はこのような屈折率分布型光伝送体
特有の問題点を解決するためになされたものであって、
異なる重合反応性を有する光伝送体材料の組み合わせを
選択した場合であっても、重合度合いが制御され、ムラ
なく、十分に重合された屈折率分布型光伝送体を製作す
ることが可能な、屈折率分布型光伝送体の製造方法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本件出願の発明者は、従
来提案されているプラスチックGRIN光伝送体における各
種の問題点を改良すべく鋭意研究を行った結果、重合ム
ラを改善するにあたって重合開始剤の分布特性が重要で
あることを新たに見出し、本発明を完成させた。
【0011】従って、以下の分布に従った重合開始剤を
用いた製造方法により所望の屈折率分布型光伝送体を作
製することが可能になる。 (1)すなわち、上記の課題を解決する第1の発明は、
光伝送体の中心から半径方向に屈折率分布を有すること
を特徴としたプラスチック屈折率分布型光伝送体の製造
方法であって、互いに異なる2種類以上の重合開始剤を
互いに拡散分布させることにより、 光伝送体の半径に対
して光伝送体の中心から半径方向にそれぞれ略二乗分布
を有するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】このように、拡散による分布形成法による
屈折率分布型光伝送体の製造方法において、互いに異な
る2種類以上の重合開始剤を互いに拡散分布させること
で、光伝送体の中心部と外周部とで重合反応性の異なる
材料を用いた場合であっても、製造工程中における重合
反応をそれぞれ独立に制御することが可能となるため、
重合反応を十分に、かつ、材料の濃度分布形成が抑制さ
れることなく、すなわち屈折率の二乗分布性が優れたも
のとなる。
【0013】尚、2種類以上の重合開始剤の濃度を略二
乗分布にするとは、前記光伝送体の中心部材料に用いる
重合開始剤、及び外周部材料に用いる重合開始剤として
互いに異なる重合開始剤を用いることにより行う。
【0014】従って、作製された屈折率分布型光伝送体
について屈折率分布,光伝送特性,硬度,耐候性などの
点で良好な性能を確保することができるようになる。 (2)また、第2の発明は、モノマーを一部重合させた
ゲル状のロッドに対して屈折率の異なるモノマーを拡散
させて分布を形成させた後に重合させることにより、ロ
ッドの中心から半径方向に屈折率分布を有するプラスチ
ック屈折率分布型光伝送体を製造する製造方法であっ
て、前記ゲル状のロッドを作製する際に用いる重合開始
剤及び拡散に用いる重合開始剤として互いに異なる重合
開始剤を用い、互いに異なる2種類以上の重合開始剤の
濃度が光伝送体の中心から半径方向にそれぞれ、光伝送
体の半径に対して略二乗分布を有するようにすることを
特徴とするものである。
【0015】このように、いわゆる二段階共重合法によ
る屈折率分布型光伝送体の製造方法において、ゲル状の
ロッドを作製する際に用いる重合開始剤と、拡散に用い
る重合開始剤とで、互いに異なる重合開始剤を用いるこ
とで、光伝送体の中心部と外周部とで重合反応性の異な
る材料を用いた場合であっても、製造工程中における重
合反応をそれぞれ独立に制御することが可能となるた
め、重合反応を十分に、かつ、材料の濃度分布形成が抑
制されることなく、すなわち屈折率の二乗分布性が優れ
たものとなる。
【0016】尚、2種類以上の重合開始剤の濃度を略二
乗分布にするとは、前記ゲル状のロッドを作製する際に
用いる重合開始剤及び拡散に用いる重合開始剤として互
いに異なる重合開始剤を用いることにより行う。
【0017】従って、作製された屈折率分布型光伝送体
について屈折率分布,光伝送特性,硬度,耐候性などの
点で良好な性能を確保することができるようになる。 (3)また、前記の第1若しくは第2の発明の製造方法
において、2種類以上の重合開始剤の濃度分布の凹凸方
向が互いに異なる方向であるようにすることで、更に良
好な結果を得られることを見出した。
【0018】すなわち、光伝送体の中心部と外周部とで
重合反応性の異なる材料を用いた場合であっても、それ
ぞれの材料の濃度分布に応じて2種類以上の重合開始剤
の濃度分布の凹凸方向が互いに異なる方向で存在するた
め、製造工程中における重合反応をそれぞれ独立に制御
することが可能となり、重合反応を十分に、かつ、材料
の濃度分布形成が抑制されることなく、すなわち屈折率
の二乗分布性が優れたものとなる。
【0019】尚、2種類以上の重合開始剤の濃度を略二
乗分布にするとは、前記ゲル状のロッドを作製する際に
用いる重合開始剤及び拡散に用いる重合開始剤として互
いに異なる重合開始剤を用いることにより行う。
【0020】従って、作製された屈折率分布型光伝送体
について屈折率分布,光伝送特性,硬度,耐候性などの
点で良好な性能を確保することができるようになる。 (4)また、前述した(1),(2),(3)のいずれ
かの製造方法において、2種類以上の重合開始剤とし
て、10時間選定半減期温度が互いに異なるものを用いる
ことで更に良好な結果を得られることを新たに見出し
た。この場合、特に(3)の製造方法において良い結果
が得られた。
【0021】尚、ここで、10時間選定半減期温度とは、
10時間後に重合開始剤の濃度が1/2 となるような温度の
ことであり、反応速度を表す指標のことである。この場
合、特に、重合開始剤の反応性が光伝送体の中心部と外
周部とで異なるものとなるため、光伝送体の中心部と外
周部とで重合反応性の異なる材料を用いた場合であって
も、製造工程中における重合反応をそれぞれ独立に制御
することが可能となるため、重合反応を十分に、かつ、
材料の濃度分布形成が抑制されることなく、すなわち屈
折率の二乗分布性が優れたものとなる。
【0022】従って、作製された屈折率分布型光伝送体
について屈折率分布,光伝送特性,硬度,耐候性などの
点で良好な性能を確保することができるようになる。 (5)そして、前述した(1)〜(3)において使用す
る2種類以上の重合開始剤として、10時間選定半減期温
度が互いに10℃以上異なるものを用いることで、更に良
好な結果を得られることを新たに見出した。この場合、
特に(3)の製造方法において良い結果が得られた。
【0023】この場合、特に、重合開始剤の反応性が光
伝送体の中心部と外周部とでより顕著に異なるものとな
るため、光伝送体の中心部と外周部とで重合反応性の異
なる材料を用いた場合であっても、製造工程中における
重合反応をそれぞれ独立に制御することが可能となるた
め、重合反応を十分に、かつ、材料の濃度分布形成が抑
制されることなく、すなわち屈折率の二乗分布性が優れ
たものとなる。
【0024】従って、作製された屈折率分布型光伝送体
について屈折率分布,光伝送特性,硬度,耐候性などの
点で良好な性能を確保することができるようになる。
【0025】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の実施の態様を詳
細に説明する。ここでは、屈折率分布型光伝送体として
プラスチックGRINレンズの場合を例にして幾つかの条件
で実際に作製してその結果を評価した。
【0026】尚、重合開始剤の濃度分布は硬化後のプラ
スチック光伝送体中に残存する重合開始剤の分解物の赤
外吸収スペクトル(以下、FT−IR)を測定すること
により求めた。
【0027】ここで、屈折率分布型光伝送体の中心から
半径方向の重合開始剤の理想の濃度分布は以下の式
(a)になるようにする。また、中心から半径の20%ま
での濃度分布を以下の(b)式で近似した場合に、理想
濃度分布と近似濃度分布とのずれ率ΔC2( %) について
も考える。
【0028】このずれ率ΔC2は、下記(d)式で示され
る近似式(b)における中心と半径r における濃度差Δ
Cb(r) に対する、下記(c)式で示される理想分布式
(a)における中心と半径r における濃度差ΔCa(r) の
割合で示すことができる。これを(e)式に示す。
【0029】 C1(r) = C(0)+k 2r 2+k 4 r 4 +k 6r 6 + … (a) C(0):中心の屈折率、 r :中心からの距離、k 2 、k
4 、k 6 …:分布係数、以下同様) C2(r) = C(0)+k 2r 2 (b) ΔCa(r) = k 2 r 2 +k 4 r 4 +k 6r 6 + … (c) ΔCb(r) = k 2 r 2 (d) ΔC2( %) = (-k 4 r 4-k 6 r6 - …)/(k 2 r 2)×100 (e) 前記、重合開始剤の濃度分布性はΔC2( %) =±20%以
内、さらに好ましくはΔC2( %) =±10%であることが
略二乗分布として好ましい。
【0030】以下、本発明の製造方法について説明す
る。 (1) 重合開始剤:重合開始剤は公知の熱重合もしくは
光重合開始剤を使用することが好ましく、公知のラジカ
ル開始剤を使用できる。
【0031】例えば、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート( 以下IPP) 、過酸化ベンゾイル( 以下BP
O) 、アゾビスイソブチロニトリル( 以下AIBN) 、tert
- ブチル過炭酸パーオキシドなどが使用できる。
【0032】重合開始剤の一例と一般に良く知られてい
る10時間選定半減期温度を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】(2) モノマー:ゲル母材と拡散に用いる
モノマーとしては、重合性官能基を有し、熱もしくは活
性エネルギー線などにより重合体となるモノマーであれ
ば使用可能である。
【0035】例えばビニル系、アリル系、アクリル系、
メタクリル系、スチレン系、アセチレン系モノマー等の
不飽和基を有するモノマーを1種あるいは複数混合して
使用しても良い。
【0036】具体的には例えばエチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート、ジビニルベンゼン、ジアリルイソフタレート、
ジアリルテレフタレート等が使用できる。
【0037】光伝送体の低屈折率側材料としては、2,2,
2 トリフルオロエチルメタクリレート( 以下3FMA)
、2,2,3,3 テトラフルオロプロピルメタクリレート
(以下4FMA)、2,2,3,3,3 ペンタフルオロプロピル
メタクリレート( 以下5FMA) 、2,2,2 トリフルオロ
エチルアクリレート( 以下3FA) 、2,2,3,3 テトラフ
ルオロプロピルアクリレート( 以下4FA) 、2,2,3,3,
3 ペンタフルオロプロピルアクリレート( 以下5FA)
、メチルメタクリレート、トリメチロールプロパント
リアクレート(以下M309)、ジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート(以下M400)、ポリエステルアクリレ
ート類、CR−39などが好ましい。
【0038】また、光伝送体の高屈折率側材料として
は、ジアリルイソフタレート( 以下DAI) 、ジアリル
テレフタレート( 以下DAT) 、ジアリルフタレート(
以下DAP) 、安息香酸ビニル( 以下VB) 、2,4,6-ト
リブロモフェニルアクリレート( 以下3Br−A) 、ヒ
ドロキシエチルトリブロモフェノールアクリル酸エステ
ル( 以下3Br−AE) 、ジヒドロキシエチルテトラブ
ロモビスフェノールメタクリル酸エステル( 以下4Br
−ME) 、TS−86( 株式会社トクヤマ製プラスチッ
ク材料) 、スチレン、オルト−クロロスチレン、ビスフ
ェノールA-EO変性ジアクリレート、などが好ましい。
【0039】尚、高屈折率側及び低屈折率側においてこ
れらの材料を一種もしくは互いに複数種を組み合わせて
用いても良い。 (3) 作製手順:屈折率分布型光伝送体の作製は、光伝
送体の母材料に対し、それとは屈折率の異なる材料を連
続的に濃度分布させる方法、例えば二段階共重合法を応
用し、以下の〜の手順で行なった。これを図1を参
照して説明する。
【0040】母材の調製:母材モノマーと所定量の重
合開始剤Aを混合する(図1S1)。 ゲル母材の作製:モノマー液を熱または活性エネルギ
ー線などによって一部重合させゲル母材を得る(図1S
2)。
【0041】光伝送体母材のゲル化率は 5〜40%である
ことが好ましい。5 %以下では形状を保持したゲル状態
とならず、また40%以上では重合が進みすぎているため
にそのゲル構造中へモノマーが拡散しづらい。
【0042】ここで、ゲル母材のゲル化率とは、重合に
用いたモノマー重量:W(M)に対する、重合後のポリ
マー重量:W(P)の比率(百分率:%)であり、即ち
次式で示されるものをいう。
【0043】 ゲル化率(%)={W(P)/W(M)}×100 尚、W(P)は従来法に基づき、モノマーを溶解し、ポ
リマーを溶解しない溶剤を用いてゲル母材を所定の方法
で処理した際の溶解しない部分の重量である。
【0044】尚、ゲル母材が空気に触れるような場合に
は、作製雰囲気を窒素,ヘリウム,アルゴンなどの不活
性ガスで置換、あるいはモノマー液中に溶存した酸素を
脱気する等して除去することが望ましい。
【0045】拡散モノマーの調製:拡散モノマーと所
定量の重合開始剤Bを混合する。ここで、拡散モノマー
としては、目的とする光学分布特性に応じて適宜、ゲル
母材用のモノマーとは異なる光学特性を有する拡散モノ
マーを選択して用いる(図1S3)。
【0046】拡散:前記拡散モノマー液中に前記ゲル
母材を所定の条件で浸積せる(図1S4)。尚、拡散に
用いるモノマー量はゲル母材中のモノマーと十分に置換
される量であることが好ましく、また、ゲル母材がモノ
マー液中に浸る以上の量であることが好ましい。拡散モ
ノマー液面上にゲル母材が出るような場合には、モノマ
ー液面上が窒素,ヘリウム,アルゴンなどの不活性ガス
雰囲気であることが好ましい。拡散モノマー中にガスを
通じる必要がある場合も、不活性ガスを使用することが
好ましい。
【0047】硬化:拡散済みのゲル母材を熱もしくは
活性エネルギー線(光、放射線)などによって残留モノ
マー成分を十分に重合させる(図1S5)。ゲル母材へ
の拡散が終了した後、さらに重合させ、重合を完結させ
る。重合は熱あるいは紫外線、電子線、放射線等の活性
エネルギー線等のいずれを使用しても良い。このとき、
ゲル母材は真円になる様に重合する。
【0048】切断、研磨:ロッド端面を切断、研磨等
してプラスチック光伝送体を得る(図1S6)。重合の
完結したゲル母材は、両端を研磨した後ロッドレンズと
して用いても、また、切断した後研磨し、レンズとして
用いても良い。
【0049】(4) 屈折率分布:尚、屈折率分布型光伝
送体の中心から半径方向の屈折率分布が(f)式で、ま
た中心から半径の20%までの屈折率分布によって、その
理想の屈折率分布が下記(g)式でそれぞれ近似して表
すとき、(j)式の二乗分布ずれ率:Δn2( %) は下記
(h)式で示される中心と半径:r における屈折率差:
Δnb(r) に対する、下記(i)式で示される中心と半
径:r における屈折率差:Δna(r) の割合を示す。
【0050】 n1(r) = n(0)+A2 r 2 +A 4r 4 +A 6r 6 + … …(f) ここで、n(0):中心の屈折率,r :中心からの距離,A
2 、A 4 、A 6 …:分布係数 n2(r) = n(0)+A 2 r 2 …(g) Δna(r)= A 2 r 2 +A 4 r 4 +A 6 r 6 + … …(h) Δnb(r)= A 2 r 2 …(i) Δn2( %) = (-A 4 r 4-A 6 r 6 -…)/(A 2 r 2 )×100 …(j) 前記、屈折率分布性はΔn2( %) =±20%以内、さらに
好ましくはΔn2( %)=±10%であることが略二乗分布
として好ましい。
【0051】(5) 硬度 硬度はビッカース硬度計を用いてPMMA(ポリメチル
メタクリレート)の硬度に対する相対値で評価した。P
MMAを100とするときおよそ30以上が実用レベル
である。
【0052】以上、説明したように、本発明の製造方法
によって屈折率分布型光伝送体を作製することにより、
光伝送体の中心部と外周部とで重合反応性の異なる材料
を用いた場合であっても、製造工程中における重合反応
をそれぞれ独立に制御することが可能となるため、重合
反応を十分に、かつ、材料の濃度分布形成が抑制される
ことなく、すなわち屈折率の二乗分布性が優れたものと
なる。
【0053】従って、作製された屈折率分布型光伝送体
について屈折率分布,光伝送特性,硬度,耐候性などの
点で良好な性能を確保することができるようになる。
【0054】
【実施例】ここで、本発明の製造方法に従って屈折率分
布型光伝送体を作製し、その効果を比較例と比較して検
証する。
【0055】尚、屈折率分布の測定方法は以下のように
して行なった。カールツァイス社製干渉顕微鏡インター
ファコを用いてプラスチックGRIN光伝送体を観測した際
に得られる干渉縞の傾きを解析することにより、所定の
光学的解析手法を用いて屈折率を求めた。
【0056】<実施例1> 中心部材料として4FMAとM309 を重量比で85:15となるよう混合し、そこに重合開始剤
としてIPP(ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト)を0.05wt%混合し、直径14mmφの円筒容器に入れ40
℃に加熱することにより重合転化率10%のゲル母材を形
成した。
【0057】拡散材料としてのDATに重合開始剤と
してのBPOを2wt %添加したものを拡散剤として調液
する。この後、前記のゲル母材を所定量の拡散剤を入
れた容器に注入し、密栓の後、15℃で、20時間保持し、
ゲル母材中に拡散剤を拡散させた。
【0058】その際のゲルの重量に対する拡散モノマー
量の比率は8 倍量とした。拡散終了後、拡散剤中から
ゲルロッドを取り去り、温度プログラム付きの加熱装置
にて10℃から90℃に20時間かけて昇温し、加熱すること
により重合を完結させた。
【0059】硬化後は冷却し、切断、研磨等の加工の
後、プラスチックGRIN光伝送体を得た。 このプラスチックGRIN光伝送体を中心から周辺方向に
FT−IR法にてIPPあるいはBPOの濃度分布を評
価したところ、IPP濃度は中心から周辺部方向に略二
乗分布で低下し、また、それとは逆に、BPO濃度は中
心から周辺部方向に略二乗分布で増加するものであっ
た。
【0060】更に、中心と半径6.0mm の屈折率差:以
下、Δn(r=6.0mm)をカールツァイス社製の干渉顕微鏡を
用いて評価したところ、Δn(r=6.0mm)=0.10 、二乗分布
ずれ率:Δn2(r=6.0mm)=−2 %と少なく、良好な性能で
あった。更に、硬度を調べた結果、十分な硬度を有する
ものであった。このように、所望の特性を満足する凹型
分布を有するプラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0061】この場合に得られた濃度分布を図2に示
す。この図2からも明らかなように、実施例1により得
られたプラスチック光伝送体における濃度分布は略二乗
分布であった。
【0062】<実施例2> 中心部材料:4FMAとM400 を重量比で85:15となるよう混合し、そこに重合開始剤
としてIPP(ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト)を0.05wt%混合し、直径14mmφの円筒容器に入れ40
℃に加熱することにより重合転化率20%のゲル母材を
形成した。
【0063】拡散材料としてVBに重合開始剤として
のBPOを2wt %添加したものを拡散剤として調液し
た。この後、前記ゲル母材を所定量の拡散剤を入れた容
器に注入し、密栓の後、15℃で、20時間保持し、ゲル母
材中に拡散剤を拡散させた。
【0064】その際のゲルの重量に対する拡散モノマー
量の比率は8 倍量とした。 拡散終了後、拡散剤中からゲルロッドを取り去り、温
度プログラム付きの加熱装置にて20℃から90℃に20時間
かけて昇温し、加熱することにより重合を完結させた。
硬化後は冷却し、切断、研磨等の加工の後、プラスチッ
クGRIN光伝送体を得た。
【0065】このプラスチックGRIN光伝送体を中心か
ら周辺方向にFT−IR法にてIPPあるいはBPOの
濃度分布を評価したところ、IPP濃度は中心から周辺
部方向に略二乗分布で低下し、また、それとは逆に、B
PO濃度は中心から周辺部方向に略二乗分布で増加する
ものであった。
【0066】更に、中心と半径6.0mm の屈折率差:以
下、Δn(r=6.0mm)をカールツァイス社製の干渉顕微鏡を
用いて評価したところ、Δn(r=6.0mm)=0.10 、二乗分布
ずれ率:Δn2(r=6.0mm)=+2%と少なく、良好な性能であ
った。更に、硬度を調べた結果、十分な硬度を有するも
のであった。このように、所望の特性を満足する凹型分
布を有するプラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0067】この場合に得られた濃度分布を図3に示
す。この図3からも明らかなように、実施例2により得
られたプラスチック光伝送体における濃度分布は略二乗
分布であった。
【0068】<実施例3> 中心部材料としてのDATに重合開始剤としてのBP
Oを2wt %添加したものを直径14mmφの円筒容器に入れ
70℃に加熱することにより重合転化率25%のゲル母材を
形成した。調液したのち、前記ゲルを所定量の拡散剤を
入れた容器に注入し、密栓の後、15℃で、20時間保持
し、ゲル母材中に拡散剤を拡散させた。その際のゲルの
重量に対する拡散モノマー量の比率は8 倍量とした。
【0069】拡散材料としての5FAに重合開始剤と
してIPP( ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト) を0.1wt %混合し、調液したのち、ゲル母材を所定
量の拡散剤を入れた容器に注入し、密栓の後、15℃で、
20時間保持し、ゲル母材中に拡散剤を拡散させた。その
際のゲルの重量に対する拡散モノマー量の比率は8 倍量
とした。
【0070】拡散終了後、拡散剤中からゲルロッドを
取り去り、温度プログラム付きの加熱装置にて20℃から
90℃に20時間かけて昇温し、加熱することにより重合を
完結させた。硬化後は冷却し、切断、研磨等の加工の
後、プラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0071】このプラスチックGRIN光伝送体を中心か
ら周辺方向にFT−IR法にてIPPあるいはBPOの
濃度分布を評価したところ、BPO濃度は中心から周辺
部方向に略二乗分布で低下し、また、それとは逆に、I
PP濃度は中心から周辺部方向に略二乗分布で増加する
ものであった。更に、中心と半径6.0mm の屈折率差:以
下、Δn(r=6.0mm)をカールツァイス社製の干渉顕微鏡を
用いて評価したところ、Δn(r=6.0mm)=0.11 、二乗分布
ずれ率:Δn2(r=6.0mm)=-2%と少なく、良好な性能であ
った。更に、硬度を調べた結果、十分な硬度を有するも
のであった。このように、所望の特性を満足する凸型分
布を有するプラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0072】この場合に得られた濃度分布を図4に示
す。この図4からも明らかなように、実施例3により得
られたプラスチック光伝送体における濃度分布は略二乗
分布であった。
【0073】<実施例4> 中心部材料:4FMAとM309を重量比で85:15と
なるよう混合し、そこに重合開始剤としてtert- ブチル
パーオキシ2-エチルヘキサネートを2wt %混合し、直径
14mmφの円筒容器に入れ40℃に加熱することにより重合
転化率10%のゲル母材を形成した。
【0074】拡散材料としてDATに重合開始剤とし
てBPOを2wt %添加したものを拡散剤として調液し
た。この後、前記ゲル母材を所定量の拡散剤を入れた容
器に注入し、密栓の後、15℃で、20時間保持し、ゲル母
材中に拡散剤を拡散させた。
【0075】この場合、tert- ブチルパーオキシ2-エチ
ルヘキサネートとBPOの10時間選定半減温度差は6
℃、ゲルの重量に対する拡散モノマー量の比率は8 倍量
とした。
【0076】拡散終了後、拡散剤中からゲルロッドを
取り去り、温度プログラム付きの加熱装置にて20℃から
90℃に20時間かけて昇温し、加熱することにより重合を
完結させた。硬化後は冷却し、切断、研磨等の加工の
後、プラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0077】このプラスチックGRIN光伝送体を中心か
ら周辺方向にFT−IR法にてIPPあるいはBPOの
濃度分布を評価したところ、IPP濃度は中心から周辺
部方向に略二乗分布で低下し、また、それとは逆に、B
PO濃度は中心から周辺部方向に略二乗分布で増加する
ものであった。更に、中心と半径6.0mm の屈折率差:以
下、Δn(r=6.0mm)をカールツァイス社製の干渉顕微鏡を
用いて評価したところ、Δn(r=6.0mm)=0.10 、二乗分布
ずれ率:Δn2(r=6.0mm)=+10 %と若干大きく、十分な硬
度を有する凹型分布を有するプラスチックGRIN光伝送体
を得た。
【0078】この場合に得られた濃度分布を図5に示
す。この図5からも明らかなように、実施例4により得
られたプラスチック光伝送体における濃度分布は略二乗
分布であった。
【0079】<実施例5> 中心部材料として4FMAとM309 を重量比で85:15となるよう混合し、そこに重合開始剤
としてIPP(ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト)を0.05wt%混合し、直径14mmφの円筒容器に入れ40
℃に加熱することにより重合転化率10%のゲル母材を形
成した。
【0080】拡散材料としてのDATに重合開始剤と
しての2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシドを2wt
%添加したものを拡散剤として調液する。この後、前記
のゲル母材を所定量の拡散剤を入れた容器に注入し、
密栓の後、15℃で、20時間保持し、ゲル母材中に拡散剤
を拡散させた。
【0081】その際のゲルの重量に対する拡散モノマー
量の比率は8 倍量とした。 拡散終了後、拡散剤中からゲルロッドを取り去り、温
度プログラム付きの加熱装置にて10℃から90℃に20時間
かけて昇温し、加熱することにより重合を完結させた。
【0082】硬化後は冷却し、切断、研磨等の加工の
後、プラスチックGRIN光伝送体を得た。 このプラスチックGRIN光伝送体を中心から周辺方向に
FT−IR法にてIPPあるいは2,4−ジクロロベン
ゾイルパーオキシドの濃度分布を評価したところ、IP
P濃度は中心から周辺部方向に略二乗分布で低下し、ま
た、それとは逆に、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キシド濃度は中心から周辺部方向に略二乗分布で増加す
るものであった。
【0083】更に、中心と半径6.0mm の屈折率差:以
下、Δn(r=6.0mm)をカールツァイス社製の干渉顕微鏡を
用いて評価したところ、Δn(r=6.0mm)=0.10 、二乗分布
ずれ率:Δn2(r=6.0mm)=8%と少なく、良好な性能であ
った。更に、硬度を調べた結果、十分な硬度を有するも
のであった。このように、所望の特性を満足する凹型分
布を有するプラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0084】この場合に得られた濃度分布を図3に示
す。この図3からも明らかなように、実施例5により得
られたプラスチック光伝送体における濃度分布は略二乗
分布であった。
【0085】<実施例6> 中心部材料としてのDAT、揮発性材料として5FA
の混合物に重合開始剤AとしてIPP(ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート)を0.1wt %、重合開始剤B
としてBPOを2wt %添加したものを直径14mmφの円筒
容器に入れ70℃に加熱することにより重合転化率25%の
ゲル母材を形成した。その後、前記ゲルを窒素雰囲気中
に密栓の後、40℃で20時間保持し、ゲル母材から未重合
のモノマーを揮発させた。
【0086】揮発終了後、窒素雰囲気中からゲルロッ
ドを取り去り、温度プログラム付きの加熱装置にて20℃
から90℃に20時間かけて昇温し、加熱することにより重
合を完結させた。硬化後は冷却し、切断、研磨等の加工
の後、プラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0087】このプラスチックGRIN光伝送体を中心か
ら周辺方向にFT−IR法にてIPPあるいはBPOの
濃度分布を評価したところ、BPO濃度は中心から周辺
部方向に略二乗分布で低下し、また、それと同方向に、
IPP濃度は中心から周辺部方向に略二乗分布で増加す
るものであった。更に、中心と半径6.0mm の屈折率差:
以下、Δn(r=6.0mm)をカールツァイス社製の干渉顕微鏡
を用いて評価したところ、Δn(r=6.0mm)=0.04 、二乗分
布ずれ率:Δn2(r=6.0mm)=16%と若干大きいものの、実
用可能なレベルにあった。更に、硬度を調べた結果、十
分な硬度を有するものであった。このように、所望の特
性を満足する凸型分布を有するプラスチックGRIN光伝送
体を得た。
【0088】この場合に得られた濃度分布を図8に示
す。この図8からも明らかなように、実施例6により得
られたプラスチック光伝送体における濃度分布は略二乗
分布であった。
【0089】次に、本発明の特徴となる条件を満たさな
い範囲で実験を行い、これを比較例として説明する。 <比較例1> 中心部材料:4FMAとM309を重量比で85:15と
なるよう混合し、 そこに重合開始剤としてIPP( ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート) を1wt%混合し、
直径14mmφの円筒容器に入れ40℃に加熱することによ
り重合転化率10%のゲル母材を形成した。
【0090】拡散材料としてのDATに重合開始剤と
してのIPPを1wt %添加したものを拡散剤として調液
した。この後、前記ゲル母材を所定量の拡散剤を入れた
容器に注入し、 密栓の後、 15℃で、 20時間保持し、 ゲル
母材中に拡散剤を拡散させた。その際のゲルの重量に対
する拡散モノマー量の比率は8 倍量とした。
【0091】拡散終了後、 拡散剤中からゲルロッドを
取り去り、 温度プログラム付きの加熱装置にて20℃から
90℃に20時間かけて昇温し、 加熱した。冷却後、 加熱装
置から取り出したが、硬度の不十分なロッドが得られ
た。このロッドを切断、 研磨等の加工の後、 プラスチッ
クGRIN光伝送体を得た。
【0092】このプラスチックGRIN光伝送体は中心か
ら周辺部方向のIPP濃度は図6に示すように略一定で
あり、 また、 Δn(r=6.0mm)は0.02、 二乗分布ずれ率:Δ
n2(r=6.0mm)=+80 %と大きく、 充分な性能が得られなか
った。また、硬度も不十分なものであった。
【0093】<比較例2> 中心部材料としてのDATに重合開始剤としてのBP
Oを5wt %添加したものを直径14mmφの円筒容器に入れ
70℃に加熱することにより重合転化率25%のゲル母材を
形成した。調液したのち、前記ゲルを所定量の拡散剤を
入れた容器に注入し、密栓の後、15℃で、20時間保持
し、ゲル母材中に拡散剤を拡散させた。その際のゲルの
重量に対する拡散モノマー量の比率は8 倍量とした。
【0094】拡散材料としての5FAに重合開始剤と
してIPP( ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト) を1wt%混合し、調液したのち、ゲル母材を所定量
の拡散剤を入れた容器に注入し、密栓の後、15℃で、10
時間保持し、ゲル母材中に拡散剤を拡散させた。その際
のゲルの重量に対する拡散モノマー量の比率は8 倍量と
した。
【0095】拡散終了後、拡散剤中からゲルロッドを
取り去り、温度プログラム付きの加熱装置にて20℃から
90℃に20時間かけて昇温し、加熱することにより重合を
完結させた。硬化後は冷却し、切断、研磨等の加工の
後、プラスチックGRIN光伝送体を得た。
【0096】このプラスチックGRIN光伝送体を中心か
ら周辺方向にFT−IR法にてIPPあるいはBPOの
濃度分布を評価したところ、BPO濃度は中心から周辺
部方向に二乗分布ズレ値:50%の二乗分布から大きく
ずれた状態で分布し、また、それとは逆方向に、IPP
濃度は中心から周辺部方向に二乗分布ズレ値:50%の
二乗分布から大きくずれた状態で分布するものであっ
た。更に、中心と半径6.0mm の屈折率差:以下、Δn(r=
6.0mm)をカールツァイス社製の干渉顕微鏡を用いて評価
したところ、Δn(r=6.0mm)=0.09 、二乗分布ずれ率:Δ
n2(r=6.0mm)=50%と大きく、実用レベルではなかっ
た。更に、硬度も不十分なものであった。
【0097】この場合に得られた濃度分布を図7に示
す。この図7からも明らかなように、比較例2により得
られたプラスチック光伝送体における濃度分布は二乗分
布から大きくはずれたものであった。
【0098】<評価結果>以上のような各実施例及び比
較例を比較,評価すると、以下の表2のようにまとめる
ことができる。
【0099】
【表2】
【0100】以上のように、ゲル状のロッドを作製する
際に用いる重合開始剤及び拡散に用いる重合開始剤とし
て互いに異なる重合開始剤を用いる等により、互いに異
なる2種類以上の重合開始剤を互いに光伝送体母材料中
で拡散分布させ、互いに異なる2種類以上の重合開始剤
の濃度が光伝送体の中心から半径方向にそれぞれ、光伝
送体の半径に対して略二乗分布を有するようにしたこと
で、異なる重合反応性を有する光伝送体材料の組み合わ
せを選択した場合であっても、重合度合いが制御され、
ムラなく、十分に重合された屈折率分布型光伝送体を製
作することが可能になった。
【0101】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、光伝送体の
中心から半径方向に屈折率分布を有することを特徴とし
たプラスチック屈折率分布型光伝送体を製造する際に、
互いに異なる2種類以上の重合開始剤を互いに光伝送体
母材料中で拡散分布させ、互いに異なる2種類以上の重
合開始剤の濃度が光伝送体の中心から半径方向にそれぞ
れ、光伝送体の半径に対して略二乗分布を有するように
した発明によれば、異なる重合反応性を有する光伝送体
材料の組み合わせを選択した場合であっても、重合度合
いが制御され、ムラなく、十分に重合された屈折率分布
型光伝送体を製作することが可能になった。
【0102】また、モノマーを一部重合させたゲル状の
ロッドに対して屈折率の異なるモノマーを拡散させて分
布を形成させた後に重合させることにより、ロッドの中
心から半径方向に屈折率分布を有するプラスチック屈折
率分布型光伝送体を製造する際に、ゲル状のロッドを作
製する際に用いる重合開始剤及び拡散に用いる重合開始
剤として互いに異なる重合開始剤を用い、互いに異なる
2種類以上の重合開始剤の濃度が光伝送体の中心から半
径方向にそれぞれ、光伝送体の半径に対して略二乗分布
を有するようにした発明によれば、異なる重合反応性を
有する光伝送体材料の組み合わせを選択した場合であっ
ても、重合度合いが制御され、ムラなく、十分に重合さ
れた屈折率分布型光伝送体を製作することが可能になっ
た。
【0103】また、2種類以上の重合開始剤の濃度分布
の凹凸方向が互いに異なる方向になるようにしたこと
で、異なる重合反応性を有する光伝送体材料のそれぞれ
で重合度合いが更に適した状態に制御され、ムラなく、
十分に重合された屈折率分布型光伝送体を製作すること
が可能になった。
【0104】また重合開始剤として、10時間選定半減期
温度が互いに異なるものを用いることによっても、異な
る重合反応性を有する光伝送体材料のそれぞれで重合度
合いが更に適した状態に制御され、ムラなく、十分に重
合された屈折率分布型光伝送体を製作することが可能に
なった。
【0105】更に、重合開始剤として、10時間選定半減
期温度が互いに10℃以上異なるものを用いることによっ
ても、異なる重合反応性を有する光伝送体材料のそれぞ
れで重合度合いが更に適した状態に制御され、ムラな
く、十分に重合された屈折率分布型光伝送体を製作する
ことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様の一例のプラスチックラジ
アルGRIN光伝送体製造方法の手順を示すフローチャート
である。
【図2】実施例1の濃度分布の特性を示す特性図であ
る。
【図3】実施例2及び5の濃度分布の特性を示す特性図
である。
【図4】実施例3の濃度分布の特性を示す特性図であ
る。
【図5】実施例4の濃度分布の特性を示す特性図であ
る。
【図6】比較例における濃度分布の特性を示す特性図で
ある。
【図7】比較例2における濃度分布の特性を示す特性図
である。
【図8】実施例6の濃度分布の特性を示す特性図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 孝行 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 松本 和正 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光伝送体の中心から半径方向に屈折率分
    布を有することを特徴としたプラスチック屈折率分布型
    光伝送体の製造方法であって、 互いに異なる2種類以上の重合開始剤を互いに拡散分布
    させることにより、 光伝送体の半径に対して光伝送体の
    中心から半径方向にそれぞれ略二乗分布を有するように
    したことを特徴とした屈折率分布型光伝送体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 モノマーを一部重合させたゲル状のロッ
    ドに対して屈折率の異なるモノマーを拡散させて分布を
    形成させた後に重合させることにより、ロッドの中心か
    ら半径方向に屈折率分布を有するプラスチック屈折率分
    布型光伝送体を製造する製造方法であって、 前記ゲル状のロッドを作製する際に用いる重合開始剤及
    び拡散に用いる重合開始剤として互いに異なる重合開始
    剤を用いることにより、 互いに異なる2種類以上の重合開始剤が光伝送体の半径
    に対して光伝送体の中心から半径方向にそれぞれ略二乗
    分布を有するようにしたことを特徴とする屈折率分布型
    光伝送体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記2種類以上の重合開始剤の濃度分布
    の凹凸方向が互いに異なる方向であることを特徴とする
    請求項1または2記載の屈折率分布型光伝送体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記重合開始剤として、10時間選定半減
    期温度が互いに異なるものを用いることを特徴とする請
    求項3記載の屈折率分布型光伝送体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記重合開始剤として、10時間選定半減
    期温度が互いに10℃以上異なるものを用いることを特徴
    とする請求項3記載の屈折率分布型光伝送体の製造方
    法。
JP7193927A 1995-07-28 1995-07-28 屈折率分布型光伝送体の製造方法 Pending JPH0943402A (ja)

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