JPH0677944B2 - コンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

コンタクトレンズの製造方法

Info

Publication number
JPH0677944B2
JPH0677944B2 JP15786486A JP15786486A JPH0677944B2 JP H0677944 B2 JPH0677944 B2 JP H0677944B2 JP 15786486 A JP15786486 A JP 15786486A JP 15786486 A JP15786486 A JP 15786486A JP H0677944 B2 JPH0677944 B2 JP H0677944B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prepolymer
monomer
hours
contact lens
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15786486A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6313721A (ja
Inventor
徹郎 泉谷
毅 大久保
健之 澤本
二郎 樽見
重夫 小宮
茂晴 小野塚
英之 二村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP15786486A priority Critical patent/JPH0677944B2/ja
Publication of JPS6313721A publication Critical patent/JPS6313721A/ja
Publication of JPH0677944B2 publication Critical patent/JPH0677944B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はコンタクトレンズの製造方法に関する。更に詳
しくは、予めレンズ素材をプレポリマーの状態に調製し
ておき、このプレポリマーを鋳型中で重合硬化させるコ
ンタクトレンズの製造方法に関する。
[従来の技術] コンタクトレンズは所望の物性を有する重合体をレンズ
素材として、これに切削、研磨等の機械加工を施すこと
により主として製造されてきた。このようなコンタクト
レンズの製造法は切削研磨法と呼ばれているが、切削研
磨法に於いては良好な光学性能を有し、しかも機械加工
ができるような十分硬質なレンズ素材を必要とする。そ
して、このようなレンズ素材はコンタクトレンズに必要
な物性を与えるモノマー又はモノマーの混合物を、重合
容器中で重合硬化させる方法により製造されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、モノマー又はモノマーの混合物を重合硬
化させることにより、上述のように光学性能が良好で、
かつ硬質なレンズ素材を得るには、加熱昇温過程に長時
間を必要とし、生産性に乏しいという問題点があった。
例えば、N,N−ジメチルアクリルアミドやN−ビニルピ
ロリドンのような重合性の高いモノマーを主成分とする
モノマー混合物から所望のレンズ素材を製造するために
は、3日ないし7日間の重合時間を必要とし、1日以内
の短時間で重合を行なった場合には、重合反応の安定し
た制御が困難なため、重合中に発泡が生じて重合物がレ
ンズ素材として適性に欠けるものになったり、あるいは
非常に軟質な重合物となって切削、研磨等の機械加工が
できない不都合があった。また、たとえ機械加工が可能
な場合でも、比較的短い重合時間で製造されたレンズ素
材には、重合過程で生じた歪がしばしば残留する。この
ため、機械加工後レンズを水和膨潤せしめて含水状態の
ソフトコンタクトレンズとしても、含水率が不安定にな
り所望の物性が得られない場合が多く、更には変形が生
じて設定したサイズおよび形状のレンズを取得できない
欠点がある。
本発明は上述のような問題点を解決し、短時間の内に優
れた物性を有するレンズ素材を製造して、従来品よりも
更に優れた性能を有するハードないしはソフトコンタク
トレンズを製造する方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明に係るコンタクトレンズの製造方法は、ハードま
たはソフトコンタクトレンズの原料となるモノマーない
しはモノマー混合物を、重合開始剤および架橋剤の存在
下に撹拌しながら加熱して反応させ、反応液の粘度が10
〜2000cpsの範囲に上昇した時点で反応液を冷却するこ
とによって反応を中断させて上記の粘度範囲にあるプレ
ポリマーを調製し、このプレポリマーを鋳型の収めて重
合硬化させることを特徴とする。
本発明に於けるプレポリマーは単一成分のモノマーから
調製されたものであっても良いが、少なくとも2種以上
のモノマー成分で構成させることが実用上より効果的で
ある。
N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリド
ン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレートから選ばれるモノマー
を主成分としたプレポリマーを調製し、含水率60%以上
のソフトコンタクトレンズを製造する場合には、主成分
となるモノマーは全モノマーの少なくとも50重量%を占
めるのが通常であるが、主成分となるモノマーと共に重
合可能な他のモノマーとしては、疎水性メタクリル酸エ
ステル、疎水性アクリル酸エステル、ケイ素含有メタク
リル酸系モノマー、同じくケイ素含有アクリル酸系モノ
マー、親水性メタクリル酸エステル、親水性アクリル酸
エステル等が使用可能である。
一方、疎水性メタクリル酸エステルを主成分としたプレ
ポリマーを調製し、ハードコンタクトレンズを製造する
場合には、主成分となるモノマーは全モノマーの30〜10
0重量%を占めることができ、疎水性メタクリル酸エス
テル以外のモノマー成分としては、ソフトコンタクトレ
ンズの場合と同様、疎水性アクリル酸エステル、ケイ素
含有メタクリル酸系またはアクリル酸系モノマー、親水
性メタクリル酸エステル、親水性アクリル酸エステル等
が使用可能である。
そして疎水性メタクリル酸エステルとしては、メタクリ
ル酸のメチルエステル、エチルエステル、n−ブチルエ
ステル、イソブチルエステル、ターシャリーブチルエス
テル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、
ラウリルエステル、シクロヘキシルエステル、ベンジル
エステル、メチルベンジルエステル、イソボルニルエス
テル等で例示れる各エステルを挙げることができる。
疎水性アクリル酸エステルとしては、アクリル酸のメチ
ルエステル、エチルエステル、n−ブチルエステル、イ
ソブチルエステル、ターシャリーブチルエステル、n−
プロピルエステル、イソプロピルエステル、シクロヘキ
シルエステル、ベンジルエステル等で例示される各アク
リル酸エステルを挙げることができる。
またケイ素含有メタクリル酸系モノマーとしては、トリ
メチルシリルメタクリレート、トリメチルシリルメチル
メタクリレート、トリスートリメチルシロキシシリル−
プロピルメタクリレート等を、同じくケイ素含有アクリ
ル酸系モノマーとしては、トリメチルシリルアクリレー
ト、トリメチルシリルメチルアクリレート、トリスート
リメチルシロキシシリル−プロピルアクリレート等をそ
れぞれ挙げることができる。
親水性のメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステ
ルとしては、メタクリル酸又はアクリル酸の2−ヒドロ
キシエチルエステル、2−ヒドロキシプロピルエステ
ル、2−ヒドロキシブチルエステル、グリセリルエステ
ル、グリシジルエステル等の各エステルを挙げることが
できる。
このほか、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタ
クリルアミド、N,N−ジメチルメタクリアミド等のN−
アルキル置換アクリルアミド又はN−アルキル置換メタ
クリルアミドもコモノマー成分として使用することがで
きる。
上記した各コモノマー成分の使用量は、製造せんとする
コンタクトレンズの含水率や機械的強度等を勘案して所
定の範囲で任意に選ぶことができる。そしたまた、本発
明のプレポリマーを調製するに際しては、コンタクトレ
ンズの製造に際して通常使用される紫外線吸収剤、酸化
防止剤等の添加剤を必要に応じて加えることができる。
架橋剤としては当業界で慣用の架橋剤がいずれも使用可
能であって、その典型例を挙げれば、エチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テ
トラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクレート、ビニルメタクレート、アリルメタ
クリレート、トリアリルイソシアヌレート、ビニルアク
リレート、ジビニルベンゼン等の多官能性架橋剤を例示
することができる。架橋剤は重合に供するモノマー100
重量部当り0.1〜10重量部の範囲で使用するのが通例で
ある。
重合開始剤にも当業界で周知のものが使用可能であっ
て、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、過酸化ボンゾイル、過酸化ジ−
ターシャリーブチル、過酸化ラウロイル等がモノマー10
0重量部当り一般に1.0重量部以下の量で使用される。
次に本発明におけるプレポリマーの調整方法を説明す
る。
反応容器内に上述のモノマーもしくはモノマーの混合液
に、架橋剤および重合開始剤を適量添加した重合原液を
準備する。こうして準備された重合原液を適当な撹拌装
置で撹拌しながら、恒温水槽あるいは加熱ヒーターなど
を用いて一定温度で加熱する。重合原液を加熱する温度
は重合原液の組成、使用する重合開始剤の種類や添加量
により異なるが、重合開始剤の分解反応の半減期が数時
間から数十時間である温度範囲に選ばれ、その温度は一
般に40〜70℃の範囲にある。加熱撹拌を行なうと重合反
応液の粘度は次第に増加してくので、その粘度を一定時
間毎に測定する。重合反応液の粘度が所望の粘度達した
時に加熱撹拌を停止し、直ちに冷却することにより重合
反応を停止させて所望のプレポリマーを得る。冷却は反
応容器を十分に低温に保持された冷却剤中に浸漬した
り、あるいは冷凍機を用いて反応容器を冷却するなどの
手段が用いられる。
加熱過程における撹拌は反応を均一に進行させるために
重要であり、加熱によって重合原液の重合反応が進行す
る過程に於いて、粘度の増加が全体に渡って均一に進行
するのに必要である。
また、加熱撹拌に必要な時間は製造せんとするプレポリ
マーの粘度に応じて異なるが、重合開始剤の添加量や加
熱撹拌の温度を調節することによりコントロールするこ
とができ、重合開始剤の添加量を増加したり、加熱温度
を高くすることによって、より短時間の内に所望の粘度
を得ることができる。加熱撹拌の時間は数十分から数時
間の範囲に選ぶことが実用上好ましい。
プレポリマーの調製は、必要に応じて窒素ガス気流中で
行なうことができ、これによって重合原液の酸化を防止
することできると共に、所望のプレポリマーを取得する
のに要する反応時間を短縮することができる。
こうして得られたプレポリマーは冷凍庫等を用いて低温
で保持することにより一定の粘度を保ちながら保存する
ことができる。このようにして保存されたプレポリマー
は、再び室温に戻すだけでコンタクトレンズの製造に使
用することができるため、実用上、非常に便利である。
本発明におけるプレポリマーは、その粘度は10〜2000cp
sの範囲内にあることを要する。一般に液状重合物の粘
度は温度によって変動する。本発明で言うプレポリマー
の粘度は、回転粘度計を使用して温度20℃で測定した粘
度を意味する。そしてこの粘度が10cps以下であると、
プレポリマーを鋳型に注入した後の重合時間を大幅に短
縮することができず、また2000cps以上であると、鋳型
注入中に混入した気泡を取除くことが著しく困難になる
と言う不都合が生じる。本発明に於いて、プレポリマー
の特に好ましい粘度範囲は、30〜1500cpsの範囲であ
る。できるだけ重合時間を短縮するためには、所定の粘
度範囲でできるだけ高粘度のプレポリマーを調製した方
が好ましい。
プレポリマーを注入し、重合硬化反応を進行させるのに
使用される鋳型には、ガラスあるいはプラスチック製の
試験管や円筒状の重合容器を挙げることができる。特に
該鋳型に、雄の成形部材と雌の成形部材とがスペーサー
を介して主軸に沿って結合される構造を有し、しかも雄
及び雌の成形部材がコンタクトレンズの光学面を形成す
る為の光学的成形面を有しているようなものを使用した
場合には、切削研磨等の機械加工を行なわなくてもコン
タクトレンズの光学面を形成することができるので、製
造時間短縮の効果が著しい。
鋳型内でのプレポリマーの重合硬化反応は、30〜150℃
の温度範囲で進行させることができ、特に重合硬化反応
の過程で温度を上記の範囲で段階的に上昇させることが
好ましい。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明する。
なお、以下の実施例は本発明の具体例を説明するもので
あり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 N,N−ジメチアクリルアミド 52重量部 N,N−ジメチルメタクリレート 10重量部 シクロヘキシルメタクリレート 34重量部 アクリル酸 4重量部 エチレングリコールジメタクリレート 0.2重量部 アゾビスジメチルバレロニトリル 0.1重量部 よりなるモノマー混合物を3口フラスコに入れ窒素ガス
気流下で50℃の恒温水槽中に撹拌しながら、3時間保持
した。次いで、該3口フラスコを直ちに−10℃の冷却槽
に浸すことにより、76cpsのプレポリマーを得た。この
プレポリマーをポリプロピレン製の重合容器に2cc注入
し、上部を密閉した後、40℃にて5.5時間、80℃にて7.5
時間、合計13時間加熱することにより、重合硬化させて
透明で歪のない、かつ硬質なレンズ素材を得た。
このレンズ素材を、切削、研磨することによりレンズ形
状に加工し、その後生理食塩水にて水和膨潤させた。得
られたソフトコンタクトレンズは、変形がなく、その引
張強度は、43kg/cm2、含水率は80%であった。
実施例2 N−ビニルピロリドン 88重量部 ベンジルメタクリレート 12重量部 トリエチレングリコールジメタクリレート 0.3重量部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2重量部 よりなるモノマー混合物を50℃の水浴中にて撹拌しなが
ら4時間加熱し、直ちに冷却することにより粘度112cps
のプレポリマーを得た。このプレポリマーをポリプロピ
レン製の重合容器に2cc注入し、上部を密閉した後、40
℃にて7時間、80℃にて8時間、合計15時間加熱するこ
とにより、透明で歪のない、かつ硬質なレンズ素材を得
た。
このレンズ素材を、切削、研磨することによりレンズ形
状に加工し、その後生理食塩水にて水和膨潤させた。得
られたソフトコンタクトレンズは、変形がなく、その引
張強度は36kg/cm2、含水率は78%であった。
実施例3〜8 実施例1及び2の方法に準じて、各種組成のモノマーの
混合液を40℃ないし60℃の水浴中で撹拌しながら数時間
加熱した後、冷却することにより各種粘度のプレポリマ
ーを調製した。次いで各プレポリマーを適当な鋳型に注
入し、温度30〜150℃、加熱時間5〜20時間の条件で重
合硬化せしめてレンズ素材を得た。これらを機械加工
し、水和膨潤することにより得られたソフトコンタクト
レンズの物性を表1に示す。
実施例9 エチルメタクリレート 60重量部 トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリ
レート 40重量部 トリエチレングリコールジメタクリレート 5重量部 過酸化ベンゾイル 0.3重量部 よりなるモノマー混合物を3口フラスコに入れ、窒素気
流下60℃の恒温水槽中で撹拌しながら、2時間加熱し
た。次いで、該3口フラスコを−16℃の冷却槽を用いて
急冷し、粘度130cpsのプレポリマーを得た。このプレポ
リマーをガラス製の円筒状容器に3cc注入して密封した
後、恒温槽中で50℃にて10時間、70℃にて5時間、90℃
にて2時間、合計17時間加熱することにより硬質なレン
ズ素材を得た。
次いで、このレンズ素材を切削、研磨することによりコ
ンタクトレンズとした。このレンズ素材は優れた切削加
工性を有しており、得られたレンズの表面は滑らかであ
って欠陥がなかった。更に、偏光式歪計で観察したとこ
ろ、光学的に均質で歪のないものであった。
実施例10 メチルメタクリレート 95重量部 エチレングリコールジメタクリレート 5重量部 アゾビスジメチルバレロニトリル 0.3重量部 よりなるモノマー混合液を実施例9と同様に、恒温水槽
中で撹拌しながら、45℃で2.5時間加熱した後、−10℃
の冷却槽中にて急冷し粘度180cpsのプレポリマーを得
た。
このプレポリマーをポリプロピレン製の重合容器に2cc
注入し、恒温槽中で45℃にて8時間、60℃にて5時間、
80℃にて2時間、合計15時間加熱することにより、重合
硬化させた。
得られたレンズ素材は硬質であり、切削研磨性に優れた
ものであった。また、通常用いられる方法でコンタクト
レンズに加工したところ、レンズの表面は極めて滑らか
であり、欠陥がなかった。
比較例1 実施例1と同一組成のモノマー混合物をポリプロピレン
製の重合容器に2cc注入し、上部を密閉した後、40℃に
て、5.5時間、80℃にて7.5時間、合計13時間加熱し重合
させた場合は、良好な物性を与えるレンズ素材を得るこ
とができないばかりでなく(表1参照)、本比較例で得
られた円柱状重合体は軟質であり、機械加工性が実施例
1と比べて著しく劣っていた。
比較例2 実施例1と同一組成のモノマー混合物をポリプロピレン
製の重合容器に2cc注入し、上部を密閉した後、40℃に
て20時間、42℃で20時間、46℃で10時間、55℃で8時
間、70℃で8時間、90℃で8時間、合計72時間加熱する
ことにより透明で歪のない、かつ硬質なレンズ素材を得
た。
このレンズ素材を、切削、研磨することによりレンズ形
状に加工し、その後生理食塩水にて水和膨潤させた。得
られたソフトコンタクトレンズは変形がなく、その引張
強度は39kg/cm2、含水率は79%であり、実施例1とほぼ
同等の物性を有していた。即ち、モノマーの混合液を用
いてプレポリマーから得たものと同等の物性を与えるレ
ンズ素材を得るためには、72時間の重合時間が必要であ
った(第1参照)。
比較例3 実施例2と同一組成のモノマー混合物をポリプロピレン
製の重合容器に2cc注入し、上部を密閉した後、40℃に
て7時間、80℃にて8時間、合計15時間加熱し重合させ
た場合は、良好な物性を与えるレンズ素材を得ることが
できず(表1参照)、しかも本比較例で得られた円柱状
重合体は軟質であり、機械加工性が実施例2と比べて著
しく劣っていた。
比較例4 実施例2と同一組成のモノマー混合物をポリプロピレン
製の重合容器に2cc注入し、上部を密閉した後、45℃に
て20時間、50℃で12時間、55℃で8時間、70℃で5時
間、90℃で3時間、合計48時間加熱することにより透明
で歪みのない、かつ硬質なレンズ素材を得た。
このレンズ素材を、切削、研磨することによりレンズ形
状に加工し、その後生理食塩水にて水和膨潤させた。得
られたソフトコンタクトレンズは変形がなく、その引張
強度は34kg/cm2、含水率は78%であり、実施例2とほぼ
同等の物性を有していた。即ち、モノマーの混合液を用
いてプレポリマーから得たものと同等の物性を与えるレ
ンズ素材を得るためには、48時間の重合時間が必要であ
った。
比較例5 実施例9と同一の組成よりなるモノマー混合液を、ガラ
ス製の重合容器3cc注入し、恒温槽中で実施例9と同一
の条件にて加熱した。得られた重合物はやや軟質であ
り、歪計による観察を行なったところ、光学歪を有する
ものであった。また、このレンズ素材を切削、研磨によ
りコンタクトレンズとしたところ、その表面は極めて粗
いものとなり、コンタクトレンズとして不適当なもので
あった。
比較例6 実施例10と同一の組成よりなるモノマーの混合液を、ポ
リプロピレン製重合容器に2cc注入し、恒温槽中にて実
施例10と同一の条件で加熱することにより重合硬化させ
た。
得られたレンズ素材は硬質であったが、素材内部に多数
の気泡を含んでおり、コンタクトレンズとして使用でき
ないものであった。また、レンズ素材を歪計で観察した
ところ、著しい光学歪が見られた。
なお、実施例に於けるプレポリマーの粘度測定には回転
粘度計を使用しており、その値は20℃における3回の測
定値の平均値である。
[発明の効果] 本発明のコンタクトレンズ製造法を採用することによ
り、次のような優れた効果が得られる。
1)本発明を実施することにより、発泡や歪等の欠陥が
なく、かつ機械加工性に優れた硬質のレンズ素材を極め
て短時間の内に製造することができる。
2)本発明を実施することにより、同一組成のモノマー
もしくはその混合物から、従来法で得られたソフトコン
タクトレンズと比較して、優れた機械的特性性と安定し
た含水率を有するソフトコンタクトレンズを製造するこ
とができる。
3)本発明を実施することにより、変形がなく寸法精度
に優れたソフトコンタクトレンズを、従来法で製造する
場合に比較して極めて短時間で製造することができる。
このような効果は予め粘度範囲を10〜2000cpsに調整し
たプレポリマーを使用することにより初めて得られるも
のであり、本発明に特有のものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/56 226/10 B29L 11:00 4F (72)発明者 樽見 二郎 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 小宮 重夫 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 小野塚 茂晴 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 (72)発明者 二村 英之 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)または(b)で示されるモノ
    マーを、重合開始剤および架橋剤の存在下に撹拌しなが
    ら加熱して反応させ、反応液の粘度が10〜2000cpsの範
    囲に上昇した時点で反応液を冷却することによって反応
    を中断させて上記の粘度範囲にあるプレポリマーを調製
    し、このプレポリマーを鋳型に収めて重合硬化させるこ
    とを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。 (a)疎水性メタクリル酸エステル単独または疎水性メ
    タクリル酸エステルを30重量%以上含み、残部がこれと
    共重合可能なモノマーであるモノマー混合物。 (b)N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロ
    リドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2
    −ヒドロキシプロピルメタクリレートから選ばれる1種
    のモノマー単独またはこれらから選ばれる少なくとも1
    種のモノマーを50重量%以上含み、残部がこれと共重合
    可能なモノマーであるモノマー混合物。
  2. 【請求項2】プレポリマー調製時の反応温度が40〜70℃
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のコ
    ンタクトレンズの製造方法。
JP15786486A 1986-07-07 1986-07-07 コンタクトレンズの製造方法 Expired - Lifetime JPH0677944B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15786486A JPH0677944B2 (ja) 1986-07-07 1986-07-07 コンタクトレンズの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15786486A JPH0677944B2 (ja) 1986-07-07 1986-07-07 コンタクトレンズの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6313721A JPS6313721A (ja) 1988-01-21
JPH0677944B2 true JPH0677944B2 (ja) 1994-10-05

Family

ID=15659059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15786486A Expired - Lifetime JPH0677944B2 (ja) 1986-07-07 1986-07-07 コンタクトレンズの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0677944B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1318446C (en) * 1988-05-31 1993-05-25 William J. Burke Contact lenses and materials and methods of making same
US20040056371A1 (en) * 2002-09-25 2004-03-25 Medennium, Inc. Method of manufacturing ophthalmic lenses made from hydrophobic acrylic polymers
CN102648083B (zh) * 2009-11-04 2015-06-17 诺华股份有限公司 制备彩色接触透镜的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6313721A (ja) 1988-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4143017A (en) Process of producing soft contact lenses
KR100284225B1 (ko) 콘택트렌즈용 중합체 조성물
US5087392A (en) Method of mold contact lenses
US5311223A (en) Ophthalmic lens polymer incorporating acyclic monomer
US4182822A (en) Hydrophilic, soft and oxygen permeable copolymer composition
US4347198A (en) Producing soft contact lenses
US3808179A (en) Oxygen-permeable contact lens composition,methods and article of manufacture
US5505884A (en) Contact lenses and materials and methods of making same
US3983083A (en) Soft contact lenses and process for preparation thereof
ATE85628T1 (de) Verfahren zur herstellung von hydrogel formteilen, einschliesslich kontaktlinsen.
US3758448A (en) Copolymers and hydrogels of unsaturated esters
JPH0219925B2 (ja)
US3787380A (en) Polymers of n-vinyl or n-allyl hetero-cyclic compounds with monoethyl-enically unsaturated esters and gly-cidyl esters
US3894129A (en) Method of manufacture of strain free contact lenses
US4535138A (en) Silane ester contact lens composition, article and method of manufacture
US20040248038A1 (en) Curable composition excellent in optical characteristics
US3926892A (en) Hydrophilic contact lenses and lens polymer
US3772235A (en) Copolymers and hydrogels of unsaturated heterocyclic compounds
JPH0677944B2 (ja) コンタクトレンズの製造方法
JPWO2020054711A1 (ja) コンタクトレンズ用モノマー組成物、その重合体、ならびにコンタクトレンズおよびその製造方法
JPH0544331B2 (ja)
US4113686A (en) Hydrophilic contact lenses and lens polymer
JPS6044327B2 (ja) 高屈折率レンズ用樹脂の製造法
JPS58164608A (ja) プラスチツクレンズ用樹脂
JPH0740357A (ja) 屈折率分布を有するプラスチックレンズの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term