JP3517242B2 - ポリマー物品の製造に用いる材料 - Google Patents

ポリマー物品の製造に用いる材料

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F220/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F220/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
    • C08F220/10Esters
    • C08F220/26Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen
    • C08F220/28Esters containing oxygen in addition to the carboxy oxygen containing no aromatic rings in the alcohol moiety
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、眼病用装置において用いられるポリマーヒ
ドロゲル材料の製造並びに、キセロゲルおよびヒドロゲ
ル状態のポリマー材料自体に関する。
従来の技術 ヒドロゲル材料は、ソフトコンタクトレンズとして一
般に知られている物品の製造において一般的に用いられ
ている。ヒドロゲル材料は専門的化学の特定の領域にあ
り、材料は若干の独特な特性を示す。一般に、ヒドロゲ
ル材料は、キセロゲル状態で形成したコポリマー系であ
り、ここでこれらは強力に架橋された材料である。キセ
ロゲルは水の存在下で水和し、ヒドロゲル材料となるよ
うに変化を受ける。水和することにより、形成したポリ
マー組成物は水を含み、従って、水和前のポリマー組成
物と比較して柔軟性および可撓性が増大する。
しかし、キセロゲルの水和において、材料(ポリマ
ー)は若干の物理的変化を受ける。特に、キセロゲル材
料が水和する際には、ポリマーは顕著に膨張/膨潤する
(即ち容積が増加する)。膨張の正確な量は若干の要
因、例えばポリマーの性質および親水性、架橋の程度等
に依存する。
コンタクトレンズにおいて用いられる既知のヒドロゲ
ル材料の大部分は構造上架橋されており、これにはコン
タクトレンズにおいて用いられるヒドロゲル組成物中の
一般的成分であるヒドロキシエチルメタクリレートに基
づくヒドロゲル材料が含まれる。従って、機械加工(例
えば旋盤加工、切断等)を除いて、これらの材料は重合
後に再成形することはできない。さらに、これらのポリ
マー材料はキセロゲル状態で流し込まれ、水和した後に
は柔軟かつ可撓性となり、これらの材料の機械加工は困
難になる。従って、ポリマー物品の最終的形状および他
の物理的特性は、キセロゲル状態の間に、即ちソルボリ
シスおよび水和の前に形成するのが好ましい。
前に述べたように、ポリマーの寸法は水和することに
より変化する。従って、水和した製品の適正な寸法が製
品の適切な性能のために必須であるコンタクトレンズお
よび他の眼病用装置の場合には、水和の間に発生する容
積変化を、キセロゲル状態でポリマー材料を形成/成形
する際に計算に入れておかなければならない。容積変化
が水和により増加するに従って、キセロゲル状態のポリ
マー材料を正確に形成/成形し、従って水和により、形
成したヒドロゲル組成物が適切な寸法を有することが困
難となる。
容積変化およびヒドロゲル状態で製品の寸法を正確に
予測することができる必要があることに関する上記した
問題に加えて、さらに、あるコンタクトレンズの設計
が、水和による顕著な容積変化を十分に許容しないとい
う問題がある。例えば、いわゆるサターン(SATURN)
(登録商標)レンズは、同心ヒドロゲルスカートと共
に、硬質ガス透過性(RGP)中心部を有する。キセロゲ
ル形態で同心スカートを有するこのレンズを製造し、ヒ
ドロゲル形態に製造した後に水和させる。しかし、水和
中のスカートの膨張/膨潤により、スカートとRGP中心
との境界に応力が生じ、ヒドロゲルスカートに形状の変
化が生じる。これは、RGP材料が寸法的に安定であり、
水和中に、たとえあるとしても膨張をほとんど示さない
一方、スカート材料は膨張を示すからである。従って、
2種の材料間で異なる膨張が発生し、この異なる膨張の
結果、上記したように、スカートとRGP中心との境界に
応力が生じ、形状の変化が生じる。
水和の間にポリマー材料の膨潤を補正する必要性は、
業界において認識されている。例えば、米国特許第4,09
3,361号明細書には、水和により正味の容積変化を示さ
ないヒドロゲル材料の製造が記載されている。この場合
において、モノマーの重合は、非反応性水溶性中性充填
材の存在下で実施される。重合が完了した後、中性充填
材を溶媒を用いて洗浄除去し、これによりポリマーの水
和のための空間が提供され、この間ヒドロゲルの最終的
寸法はキセロゲル状態から変化しない。しかし、このよ
うにして製造されたポリマーは、パラメータ、例えば硬
度が不十分になり、水和した形成ポリマーの機械的特性
(例えばモジュラス、引裂強さ、最大伸び)はもはや最
適ではないという欠点を有する。
さらに、欧州特許出願公開第0 495 603 A1号明細
書には、上記した問題に対する広範囲の解決策を提供す
る方法が記載されている。特にこの特定の場合におい
て、ヒドロゲルコポリマー系は、第1の群の2種以上の
モノマーおよび第2の群の1種以上のモノマーから形成
される。第1の群のモノマーはそれぞれ、ソルボリシス
すより除去されて水和可能な部分(例えば水酸基)が露
出することができる1種以上の置換可能な嵩が大きい脱
離基を有する一方、第2の群のモノマーはこれを有しな
い。
ポリマー形成の後、脱離基は、穏やかな塩基、例えば
水酸化アンモニウム水溶液の存在下で容易に除去され、
その後のキセロゲルの水和の間、コモノマー単位の構成
(make−up)および脱離基の大きさを調整することによ
り、水和の間に生じる容積変化を約20%の収縮〜40%の
膨張に制御することができる。即ち、ソルボリシス可能
な脱離基を有する少なくとも2種の異なるモノマーを用
いると、脱離基の相対的大きさを選択することにより、
2種以上のモノマーの互いの相対量を選択することによ
り、および第1の群のモノマーの合計量に対する第2の
群のモノマーの量を選択することにより、水和の間の容
積変化に関する調整が若干可能になる。
この点に関して、この文献には、3:1の比率で第1の
群のモノマーとしてグリセリルメタクリレートのトリク
ロロ酢酸エステルとグリセリルメタクリレートのトリフ
ルオロ酢酸エステルと第2の群のモノマーとしてメチル
メタクリレートとを組み合わせて用いると、ソルボリシ
スおよび水和による容積変化が実質的になくなることが
開示されている。
水和の間の容積変化を制御するこの方法の利点にもか
かわらず、それぞれがソルボリシス可能な脱離基を含む
第1の群の少なくとも2種の異なるモノマーを用いるこ
とは、加工の観点から必ずしも有利とは限らず、第1の
群からのそれぞれのモノマーが互いに、および第2の群
のモノマーと相溶性であることが必要である。
上記のことから、ソルボリシス可能な脱離基を有する
1種のみのモノマーと、これを有しない1種以上のモノ
マーとを組み合わせて含むポリマー組成物を提供するの
が望ましい。
また、水和およびソルボリシスにより、脱離基を除去
することによる容積の変化がほとんどないかまたは実質
的に全くないヒドロゲルを与え、従って材料および特に
この材料を含む複合物品の水和中の応力および変形が最
小であるポリマー組成物を提供するのが望ましい。
さらに、ポリマー組成物が、高い水分(即ち約45〜約
56重量%)を有し、従って形成ポリマーが柔軟かつ可撓
性であり、従って特に眼病用装置、例えばコンタクトレ
ンズにおいて用いるのに適するのが望ましい。
発明の要約 本発明は、その一部において、少なくとも一部が水和
後に約45〜約56重量%の水分を有し、ヒドロゲル材料が
ソルボリシスおよび水和により最小の膨張/収縮を受け
るキセロゲルから誘導されているヒドロゲル材料から製
造された、眼病用装置において用いるのに適切なポリマ
ー物品を提供することを目的とする。特に、ここに記載
したキセロゲル材料のソルボリシスおよび水和中に生じ
る膨張/収縮を、約7%を超えない線収縮〜約7%を超
えない線膨張に制御する。
本発明の中心は、ここに記載するコポリマー組成物中
で1種の特定のソルボリシス可能かつ水和可能なモノマ
ーを用いることである。特に、1種のソルボリシス可能
かつ水和可能なモノマーとしてグリセリルアクリレー
ト、メタクリレートまたはエタクリレートのトリクロロ
酢酸エステルを、約45〜約56重量%の水和レベルを有
し、コポリマー組成物の他のモノマーがソルボリシス可
能な成分を含まないコポリマー組成物中で用いることに
より、キセロゲル組成物を、線膨張の変化により表され
るように最小の容積変化を伴ってソルボリシスおよび水
和することができることが見出された。
驚異的なことに、グリセリルアクリレート、メタクリ
レートまたはエタクリレートのトリクロロ酢酸エステル
を、このポリマー材料中で密接に関連するソルボリシス
可能かつ水和可能なモノマーで置き換えることは、線膨
張における同一のレベルの最小変化を提供しない。例え
ば、グリセリルメタクリレートのトリフルオロ酢酸エス
テルを用いる結果、グリセリルメタクリレートのトリク
ロロ酢酸エステルを用いる際に生じる線膨張と比較し
て、ソルボリシス/水和中に生じる線膨張が約6倍増加
する。
これに関して、ここでは、線膨張を容積膨張の基準と
して用いる。その理由は、線膨張は容易に測定すること
ができ、ソルボリシスおよび水和によるすべての方向に
おける膨張が実質的に等しいからである。従って、ここ
で記載するように制限された線膨張を有するポリマー組
成物は、ソルボリシスおよび水和により受け入れられる
容積変化を有する組成物を規定する。
上記のことから、組成物の観点の1つにおいて、本発
明は: (a)約90〜約97重量%の次式I: (式中のRは水素原子、メチル基またはエチル基であ
る)で表されるグリセリルアクリレート、メタクリレー
トまたはエタクリレートのトリクロロ酢酸エステル;お
よび (b)約0.5〜10重量%のソルボリシス可能な脱離基を
有しない少なくとも1種の相溶性エチレン系不飽和モノ
マーを含み、 ソルボリシスおよび水和により、キセロゲル組成物が
約45〜約56重量%の水分を有し、約−7〜約+7%の線
膨張を示し、さらに、それぞれの成分の重量百分率が組
成物の合計重量を基準としている キセロゲルコポリマー組成物に関する。
他の組成物の観点において、本発明は、約45〜約56重
量%の水分を有し、ヒドロゲルが、ソルボリシス可能か
つ水和可能なコポリマー系であるキセロゲルから形成さ
れており、ソルボリシスおよび水和中に、上記キセロゲ
ル組成物が約−7〜約+7%の線膨張を受け、上記組成
物が、ソルボリシスおよび水和の前に: (a)約90〜約97重量%の次式I: (式中のRは水素原子、メチル基またはエチル基から選
択されている)で表されるグリセリルアクリレート、メ
タクリレートまたはエタクリレートのトリクロロ酢酸エ
ステル;および (b)約0.5〜10重量%の少なくとも1種の相溶性エチ
レン系不飽和モノマーを含み、上記モノマーはソルボリ
シス可能な脱離基を有せず これらの各成分の重量百分率は組成物の合計重量を基準
としている ヒドロゲルコポリマー組成物に関する。
1つの方法の観点において、本発明は、水和後に約45
〜約56重量%の水を含むキセロゲル材料のソルボリシス
および水和中に線膨張を約−7〜約+7%に制御するに
あたり: (a)ポリマー組成物を以下のもの: (i)上記式Iで表されるグリセリルアクリレート、
メタクリレートまたはエタクリレートのトリクロロ酢酸
エステル約90〜約97重量%;および (ii)モノマーがソルボリシス可能な脱離基を有しな
い少なくとも1種の相溶性エチレン系不飽和モノマー約
0.5〜約10重量% から選択し; (b)上記(a)で選択したポリマーをソルボリシスお
よび水和させることを特徴とする線膨張の制御方法に関
する。
好適例において、上記した組成物はさらに、組成物の
合計重量を基準として約0.1〜約5重量%の量で架橋剤
を含む。
他の好適例において、本発明のヒドロゲル組成物は約
45〜約55重量%の水を含む。
図面の簡単な説明 図1、2および3は、ここで記載したヒドロゲルポリ
マー材料を全体的にまたは部分的に含む3種の異なるコ
ンタクトレンズを示す図である。
好適例の詳細な説明 本発明は、眼病用装置において有用である新規なポリ
マーヒドロゲル材料であって、この材料が制限された線
膨張を示し、従ってキセロゲル材料からヒドロゲルへの
ソルボリシスおよび水和による容積変化が最小である材
料に関する。
しかし、本発明をさらに詳細に説明する前に、最初に
以下の用語を定義する:「ヒドロゲルポリマー組成物」
とは、ポリマー形成の後に、水で処理した際に水和可能
であり、従ってそれ自体を水に溶解することなく水をポ
リマーマトリックス中に含むことができる、ここに記載
するポリマー組成物をいう。代表的に、水を包含させる
ことは、ポリマー組成物を水溶液中に十分な時間浸漬し
て、ポリマー組成物の合計重量を基準として約45〜約56
重量%、好ましくは約48〜約53重量%の水をポリマー組
成物中に含ませることにより実施する。
「乾燥ポリマー組成物」とは、水を加えずに形成した
組成物をいい、ここでポリマー組成物中のすべての水
は、代表的には、ポリマー組成物を製造するのに用いる
1種以上の試薬中に存在する微小量の水分によるもので
あり、このような水分は代表的にはポリマー組成物全体
の1重量%より少量であり、好ましくは0.1重量%より
少量である。また、このような組成物を「キセロゲルポ
リマー組成物」と呼ぶ。
「ソルボリシス可能」または「ソルボリシス可能な脱離
基」は、求核性化学種、例えば水中の水酸化物イオンま
たは弱塩基例えばアンモニアまたは有機アミンあるいは
C1〜C4アルコールの存在下で開裂したカルボキシル基含
有化合物およびアルコールとなることができる基を示す
のに用いられる。好ましくは、ソルボリシス可能な基
は、温和なソルボリシス条件下、例えばpHが7より大き
く約12より小さく、温度が約60℃より低い水溶液中でソ
ルボリシスすることができる。このようなソルボリシス
可能な脱離基は業界においてよく知られており、このよ
うなソルボリシス可能な脱離基は、例えば欧州特許出願
公開第0 495 603 A1号明細書および米国特許第4,63
8,040号明細書中に列挙されており、これらの両方の全
体を参照としてここに包含する。
「ソルボリシス可能な脱離基を有しない相溶性エチレ
ン系不飽和モノマー」とは、ソルボリシス可能な脱離基
を有せず、上記式Iで表されるグリセリルアクリレー
ト、メタクリレートまたはエタクリレートのトリクロロ
酢酸エステルとのポリマー形成に関して、ソルボリシス
および水和の後に眼病用装置に用いるのに適するポリマ
ー組成物を提供することができるモノマーをいう。即
ち、ヒドロゲルポリマーは可視光線を透過することがで
きるように透明である。
ここで記載するポリマー組成物に用いられる特定のソ
ルボリシス可能な脱離基を有しない相溶性エチレン系不
飽和モノマーは臨界的ではなく、適切なこのような群に
は、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、トリフルオロメチルメタクリレート、トリフルオロ
メチルアクリレート、2',2',2'−トリフルオロエチルメ
タクリレート、2',2',2'−トリフルオロエチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ス
チレン等が含まれる。このような物質は業界においてよ
く知られており、市場で入手できるかまたはそれ自体業
界において知られている方法により製造することができ
る。
「架橋剤」とは、ここに記載するポリマー組成物を調
製するのに用いられる少なくとも1種のモノマーに見出
される反応性基と共有結合を形成することができる少な
くとも2つの反応性基を有するモノマーをいう。適切な
反応性基には、例えば、重合反応に関連しうるビニル基
が含まれる。反応性基は、代表的には適切な主鎖、例え
ばポリオキシアルキレン主鎖(このハロゲン化誘導体を
含む)、ポリアルキレン主鎖、グリコール主鎖、グリセ
ロール主鎖、ポリエステル主鎖、ポリアミド主鎖、ポリ
尿素主鎖、ポリカーボネート主鎖等上の置換基である。
ここで記載する好ましい組成物に用いる架橋剤は業界
においてよく知られており、用いられる特定の架橋剤は
臨界的ではない。しかし、好ましくは、反応性ビニル基
は架橋剤の主鎖に、アクリレートおよびメタクリレート
誘導体、例えばウレタンジアクリレート、ウレタンジメ
タクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレ
ンジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレー
ト等に見出されるようなエステル結合により結合してい
る。しかし、他の適切なビニル化合物には、例えば、ジ
および高級ビニルカーボネート、ジおよび高級アミド
(例えばCH2=CH−C(O)NHCH2CH2NH−C(O)CH=C
H2)等が含まれる。
好ましい架橋剤には、例えば、エチレングリコールジ
メタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレング
リコールアクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラデカエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラデカエチレングリコールジアクリレート、アリルメタ
クリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタン
ジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナ
ンジオールジメタクリレート,1,9−ノナンジオールジア
クリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、
1,10−デカンジオールジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、2,2'ビス[p−(γ−メタクリロキシ−
β−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ペン
タエリスリトールアクリレート、ペンタエリスリトール
トリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、1,4
−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、エトキシ
ル化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビ
スフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールAジ
メタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、N,
N'−メチレンビスアクリルアミド等が含まれる。このよ
うな物質は業界においてよく知られており、市場で入手
できるかまたはそれ自体業界において知られている方法
により製造することができる。
架橋剤は、好ましくは少なくとも2、さらに好ましく
は2〜約6のビニル官能価を有し、好ましくは数平均分
子量が約100〜約2,500である。さらに好ましくは、ビニ
ル官能価は、ポリオキシアルキレン主鎖(このハロゲン
化誘導体を含む)、ポリアルキレン主鎖、グリコール主
鎖、グリセロール主鎖、ポリエステル主鎖またはポリカ
ーボネート主鎖に結合したアクリレート基またはメタク
リレート基である。
配合物 ここに記載するポリマー組成物は、第1に所要の成分
を含む適切な配合物を調製し、次にこの配合物を重合さ
せることにより製造する。特に、この配合物は、ソルボ
リシス可能な脱離基を有しない相溶性エチレン系不飽和
モノマーまたはこのようなモノマーの混合物を含む。こ
のような相溶性エチレン系不飽和モノマーは、配合物の
合計重量を基準として約0.5〜約10重量%、さらに好ま
しくは約5〜約10重量%の量で用いる。
また、配合物は、グリセリルアクリレート、メタクリ
レートまたはエタクリレートのトリクロロ酢酸エステル
を含み、これは配合物の合計重量を基準として約90〜97
重量%、好ましくは約90〜約95重量%の量で用いる。こ
れらの物質は業界において知られており(例えば米国特
許第4,638,040号明細書参照)、次式: (式中のRは上記と同一のものを示す)で表されるグリ
シジルアクリレートから製造することができる。この反
応は、少なくとも等モル量のトリクロロ酢酸無水物と、
純粋であるかまたは不活性希釈剤中のグリシジルアクリ
レート、メタクリレートまたはエタクリレート1とを混
合することにより実施する。適切な希釈剤には、例えば
ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル
等が含まれる。用いられる特定の不活性希釈剤は臨界的
ではない。
本発明の組成物は好ましくは架橋しており、従って、
好ましい配合物の成分の1種は架橋剤である。これを用
いる際には、架橋剤は、架橋生成物を提供するのに十分
な量で用いるが、好ましくは、配合物の合計重量を基準
として、約0.1〜約5重量%、さらに好ましくは約0.35
〜約3.20重量%の量で用いる。
この反応は、エポキシド1をジトリクロロ酢酸エステ
ル2に転化するのに十分な条件下で実施する。好ましく
は、反応を、約0〜約50℃の温度で約6〜約50時間実施
する。さらに好ましい例において、反応を、例えばアル
ゴン、窒素等の不活性雰囲気中で実質的に無水条件下
で、約0〜約30℃の温度で実施する。
反応が完了した後、生成物を、エステル基の加水分解
が発生しない従来の方法により回収する。適切な方法に
は、例えばストリッピング等が含まれる。
この配合物は、随意に、業界において従来用いられて
いる、1種以上の付加的な成分、例えば開始剤、着色剤
等を含むことができる。
これらの配合物およびこれらの配合物を調製するのに
用いられる試薬は、1種以上の試薬の早期重合を防止す
る容器中に貯蔵し、この中で配合するのが好ましい。例
えば、試薬を貯蔵するのに褐色ビンを用いた場合には、
光重合が防止される。
方法論 上記した配合物は、従来の方法,例えば熱、紫外線、
γ線または電子線重合により容易に重合してポリマー組
成物を与える。例えば、熱重合は、適切な重合開始剤を
モノマーの混合物に不活性雰囲気(例えばアルゴン)下
で混合し、混合物を約20〜約75℃の高温に約1〜約48時
間維持することにより行うことができる。
紫外線(UV)重合は、適切な重合開始剤をモノマーの
混合物に不活性雰囲気(例えばアルゴン)下で混合し、
混合物を適切なUV光源下に維持することにより行うこと
ができる。好ましくは、UV重合を、周囲条件で約5分〜
約24時間実施する。
適切な重合開始剤は業界においてよく知られており、
これには、熱開始剤、例えばt−ブチルペルオキシピバ
レート(TBPP)、t−ブチルペルオキシネオデカノエー
ト(TPBN)、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンペ
ルオキシド、ジイソプロピルぺルオキシカーボネート等
およびUV開始剤、例えばベンゾフェノン、ダロキュア
(Darocur)1173(アメリカ合衆国ニューヨーク州アー
ズレー所在のチバガイギー(Ciba Geigy)から入手でき
る)、ビスアゾイソブチロニトリル等が含まれる。
用いられる特定の熱またはUV開始剤は臨界的ではな
く、十分な開始剤を用いて重合反応を触媒する。好まし
くは、開始剤を、組成物の合計重量を基準として約1重
量%以内で用いる。
電子線またはγ線のいずれかにより行われた重合は開
始剤を用いることを必要とせず、重合する配合物を単に
従来方法を用いて電子線またはγ線に暴露するのみであ
る。
代表的には、重合を、コンタクトレンズの完成品の製
造が容易になるように実施する。例えば、重合を、コン
タクトレンズの構造に対応する型中で実施することがで
きる。あるいはまた、重合を、機械加工(旋盤加工)し
て適切な寸法のコンタクトレンズを提供することができ
るポリマーロッドを形成するように実施することができ
る。この後者の例において、重合をシリル化ガラス製試
験管中で実施し、重合後に試験管を破壊してポリマーロ
ッドを与える。キセロゲル形態のロッドを機械加工、例
えば旋盤加工、切断、粉砕し、次に小さい柱体またはボ
タンをロッドから切断し、次いで旋盤加工することによ
りロッドをコンタクトレンズに製造することができる。
上記したように、図1に例示した1つの例において、
上記したキセロゲルポリマー材料を用いて、本発明に従
って製造した第1のタイプのコンタクトレンズ1を製造
することができる。コンタクトレンズ1は、以下の実施
例で例示する組成物の1つから成る固体部分を有する。
図2に例示する他の例において、ここで記載するキセ
ロゲルポリマー材料を用いて、第2のタイプのコンタク
トレンズ2を製造し、ここでレンズは、標準硬質ガス透
過性材料、例えばフルオルパーム(Fluorperm)(登録
商標)(アメリカ合衆国カリフォルニア州サニーベール
所在のピルキントン バーネス ハインド(Pilkington
Barnes Hind)の事業部であるアメリカ合衆国アリゾナ
州フェニックス所在のパラゴン ビジョン サイエンス
(Paragon Vision Science)から入手できる)製の中心
部分3を有し、この周囲をヒドロゲル材料製の外部スカ
ート4により包囲する。
このような組成物は、例えば、キセロゲル材料を含む
ポリマーロッドの中心に穴をあけ、この穴に硬質ガス透
過性材料であることを特徴とする形成されるポリマーの
モノマー前駆体を加え、モノマーを重合させ,次に形成
したロッドを従来の方法により加工することを含む従来
方法により容易に製造することができる。あるいはま
た、硬質ガス透過性中心部を第1に形成し、次にこの中
心部の周囲にキセロゲル材料を重合させることができ
る。
図3に例示する尚他の例において、ここで記載するキ
セロゲルポリマー材料を用いて、第3のタイプのコンタ
クトレンズを製造し、ここで2種の柔軟なヒドロゲル材
料は互いに接合されてソフト−ソフトコンタクトレンズ
が得られる。このレンズは、従来方法により2種の異な
るキセロゲル材料5および6を混合することにより形成
され、ここで各材料は異なる屈折率を有する。
好適例において、材料5と6との間に接着剤層を挿入
してこれらの材料の接着を改善することができる。1つ
の例において、重合性モノマーを材料5の境界表面に加
えることにより接着剤層を形成し、このモノマーはポリ
マー材料5と混和性であり、材料5の少なくとも最上部
表面に浸透する。適切なこのような材料には、メチルメ
タクリレート、メチルアクリレート等が含まれる。次
に、形成されるポリマー材料6のモノマーを加え、重合
させる。混和性モノマーのポリマー材料5への浸透およ
びその後の重合の結果、ポリマー材料5と6との間に強
力な接着が得られる。
他の例において、材料5と6との間に共有結合を形成
する二反応性(direactive)置換基を用いる。特に、こ
のような二官能価物質は、ポリマー材料5上の置換基と
反応することができる反応性置換基およびポリマー材料
6と反応することができる別の反応性置換基を有する。
尚他の例において、サックラー(Thakrar)等が米国
特許出願第07/944,891号明細書に開示した方法を用い
て、複合レンズ、例えば図2および3に記載したものの
安定性を増大させることができる。この出願の開示の全
体をここに参照として包含する。
少なくとも、重合後に、後硬化工程を随意に用いて、
後硬化工程が代表的にポリマーの硬度を増大させる重合
工程を完了する。後硬化手順は、ポリマーを約60〜120
℃の温度に約2〜約24時間加熱することを含むことがで
きる。あるいはまた、後硬化工程において、約0.1〜約5
Mradのγ線を用いることができる。また、これらの2つ
の工程を組み合わせて用いることができる。
次に、好ましくは記載したコンタクトレンズ形態であ
る上記したポリマー組成物をソルボリシスまたは加水分
解する。ソルボリシスは、トリクロロ酢酸エステルのエ
ステル結合を加水分解してカルボキシル残基とアルコー
ル残基を形成するために実施する。ソルボリシスは、コ
ンタクトレンズを水溶液中に求核性化学種、例えば水中
の水酸化物イオンあるいは弱塩基例えばアンモニアまた
は有機アミンまたはC1〜C4アルコールの存在下で懸濁さ
せることにより実施するのが好ましい。好ましくは、ソ
ルボリシス可能な基は、温和なソルボリシス条件下で、
例えばpHが7より大きく約12より小さく、温度が約10〜
約60℃である水溶液中でソルボリシスすることができ
る。
また、これらの条件の下で、ポリマー材料の水和が発
生する。しかし、所要に応じて、個別の水和段階を用い
ることができる。水和を、ポリマー組成物が完全に水和
する(このことは、本発明において、ヒドロゲルの水分
が約45〜約56重量%であることを意味する。)まで続け
る。
使用 ここに記載するキセロゲルポリマー組成物は、医学的
および非医学的用途、例えば種々の用途において有用で
ある水吸収材料に用いるのに適する。水を含ませた後
に、ここに記載したポリマー組成物は特に眼病用装置、
例えば所要の水分、高い強度、長時間にわたり劣化しな
いこと、空気に暴露したことによる水和水の比較的遅い
放出、および透明性を含む良好な光学的性質を提供する
コンタクトレンズとして用いるのに適する。
コンタクトレンズに形成する際には、代表的にはレン
ズを約0.02〜約0.15mm、好ましくは約0.05〜約0.10mmの
厚さにする。
ここに記載したヒドロゲル組成物は、現在自由に入手
できるものにまさる明らかな利点を有する。その利点と
は、ソルボリシスおよび水和により、これが線膨張の変
化をほとんどまたは実質的に全く示さず、従って水和さ
せて水分を約45〜約56重量%(例えば50重量%の水)と
した後に容積変化をほとんどまたは全く示さないことで
ある。この特徴により、これから製造された物品におい
て応力および変形を実質的に回避することができる。
従って、上記に詳説した自由に入手できるヒドロゲル
に関する寸法変化の程度に関する問題は極めて顕著な範
囲で軽減され、物品、特にコンタクトレンズおよび正確
解な製造およびキセロゲル状態からヒドロゲル状態への
転移を必要とする他の装置は、製造するのが一層容易に
なる。
ここで本発明を実施例により例示する。この実施例は
例示のみのために記載するものであり、本発明を限定す
ることを意図するものではない。
実施例 以下の実施例において、以下の略語は以下のことを示
す: cm=センチメートル EGDMA=エチレングリコールジメチルアクリレート EWC=平衡水分 Esperox 33(登録商標)=t−ブチルペルオキシネオ
デカノエート g=グラム LE=線膨張 mm=ミリメートル MMA=メチルメタクリレート 以下に記載する実施例において、ポリマー組成物に関
する測定値は平衡水分および線膨張に関して記載する。
他に特定しない限りは、これらの値は以下のようにして
測定した: 平衡水分の測定 平衡水分(EWC)を、ポリマー試料をリン酸緩衝塩類
溶液に夜通しで浸漬することにより測定した。試料を除
去し、ちり紙で軽く吸い取って乾燥し、その後秤量し
た。次に、水和した試料を60℃の真空オーブン中に夜通
しで置いた。次の日に、試料を再秤量した。平衡水分を
次の等式を用いて計算した: ただしX=水和したポリマーの重量 Y=乾燥したポリマーの重量 EWCはここで時々%水と記載する。
線膨張百分率の測定 線膨張を、ニコンプロフィルプロジェクター(Nikon
Profile Projector)V−12(日本国東京所在の日本光
学(株)から入手できる)を用いて乾燥ポリマー試料の
直径を測定することにより測定した。試料をNH4OH中で
水和し、次にリン酸緩衝塩類溶液に夜通しで浸漬した。
その後、直径をリン酸緩衝塩類溶液中で再測定した。線
膨張百分率を以下の等式を用いて計算した: ただしX=水和したポリマーの直径 Y=初期の(乾燥)ポリマーの直径 実施例1 グリセリルメタクリレートのジトリクロロ酢酸エステ
ル91.58g(化合物2)およびトリフルオロエチルメタク
リレート7.97gと、架橋剤としてのエチレングリコール
ジメタクリレート0.35gとの混合物を調製し、混合物を3
0分間かきまぜた。アルゴンをバブリングして混合物を3
0秒間脱気した後、0.10gのEsperox 33(登録商標)開
始剤(アメリカ合衆国テキサス州クロスビー所在のルシ
ドール(Lucidol)から入手できる)を加えた。混合物
をシリル化ガラス製試験管に移し、35℃に維持した水浴
中で24時間重合させた。部分的に重合した物質を70℃に
維持したオーブンに移し、48時間放置して硬化させた。
ポリマーをオーブン中で室温に到達するまでゆっくり放
冷した。ガラス製試験管を破壊し、無色透明ポリマーを
回収した。材料からディスク(厚さ0.2〜0.5mm)を切り
取り、NH4OH水溶液中で24時間加水分解した。ディスク
を塩類溶液中でさらに24時間平衡にした後、この線膨張
を測定した。ディスクが直線方向に平均で直径の2%膨
張したことが見出された。水和百分率は48%であった
(表1参照)。
実施例2〜7 モノマーと架橋剤との比率を表1の通りに変化させた
以外は前記実施例1の手順を繰り返した。線膨張は0%
から6%に変動すると共に水和百分率は47%から56%に
変動した。
実施例8〜11 これらの実施例においてモノマーの割合を架橋剤の性
質に応じて表1に示すように変化させた以外は、前記実
施例1と全く同一の反応条件で反応を繰り返した。線膨
張は1%から3%に変動すると共に水和百分率は52%か
ら53%に変動した。
実施例12 この実施例において水和百分率を45%に、および線膨
張を−(マイナス)4.1%(即ち水和によりコポリマー
系が収縮した)に限定した以外は、前記実施例1と全く
同一の反応条件で反応を繰り返した。
モノマーA=グリセリルメタクリレートのジトリクロロ
酢酸エステル モノマーB=トリフルオロエチルメタクリレート 架橋剤=エチレングリコールジメチルアクリレート =1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレー
ト(実施例8) =エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート
(実施例9および10) =ビスフェノールAジメタクリレート(実施例11
および12) 開始剤=Esperox 33(登録商標) モノマーA、モノマーB、開始剤および架橋剤に関し
て表1に示した値は、組成物の合計重量を基準とした重
量百分率である。
実施例13〜15 この反応は、前記の反応条件と全く同一の条件で繰り
返した。しかし、ここでは、グリセリルメタクリレート
のジトリクロロ酢酸エステルをメチルメタクリレートと
35℃で共重合させ、シリル化ガラス製試験管中で70℃で
48時間硬化させた。ガラス製試験管を破壊した後、材料
を取り出し、応力がなく、無色透明であり、気泡を有し
ないロッドからディスクを切り取った。厚さが0.2〜0.5
mmであるこれらのディスクを5%NH4OH溶液中で24時間
加水分解した。後に、これらを塩類溶液に移し、24〜48
時間放置して平衡にした。これらの膨張を水和により測
定した。ディスクは、線膨張が平均で直径の2〜7%で
あることが見出された。水和百分率は48〜53%であった
(表2)。
モノマーA=グリセリルメタクリレートのジトリクロロ
酢酸エステル モノマーB=メチルメタクリレート 架橋剤=エチレングリコールジメチルアクリレート 開始剤=Esperox 33(登録商標) モノマーA、モノマーB、開始剤および架橋剤に関し
て表2に示した値は、組成物の合計重量を基準とした重
量百分率である。
上記の結果は、本発明のヒドロゲルポリマー組成物が
約45〜約56重量%の高い水分を達成し、一方水和前のキ
セロゲルと比較して水和したポリマーに関して最小の線
膨張を示す、即ち最大線膨張が約±7%であることを例
証する。
実施例16および比較例A これらの例の目的は、ソルボリシス可能であり水和可
能であるモノマーとしてグリセリルメタクリレートのジ
トリフルオロ酢酸エステルを用いた場合には、グリセリ
ルメタクリレートのジトリクロロ酢酸エステルと比較し
て水和中に適切な容積制御をすることができないことを
例証することである。
特に、実施例1の反応を、前記と全く同一の反応条件
で繰り返した。しかし、この場合においては、グリセリ
ルメタクリレートのジトリクロロ酢酸エステルまたはジ
トリフルオロ酢酸エステルを35℃でメチルメタクリレー
トと共重合させ、シリル化ガラス製試験管中で70℃で48
時間硬化させた。ガラス製試験管を破壊した後、材料を
取り出し、応力がなく、無色透明であり、気泡を有しな
いロッドからディスクを切り取った。厚さが0.2〜0.5mm
であるこれらのディスクを5%NH4OH溶液中で24時間加
水分解した。後に、これらを塩類溶液に移し、24〜48時
間放置して平衡にした。これらの膨張を水和により測定
した。グリセリルメタクリレートのジトリクロロ酢酸エ
ステルから得られたディスクは約2%の線膨張を有して
いた一方、グリセリルメタクリレートのジトリフルオロ
酢酸エステルから得られたディスクは約12%の線膨張を
有していたことが見出された。以下の表3に示すよう
に、それぞれの場合における水和百分率は約51%であっ
た。
モノマーA=グリセリルメタクリレートのジトリクロロ
酢酸エステル(実施例16) =グリセリルメタクリレートのジトリフルオ
ロ酢酸エステル(比較例A) モノマーAは、用いたモル数を記録した。
モノマーB=2',2',2'−トリフルオロエチルメタクリレ
ート 架橋剤=エチレングリコールジメチルアクリレート 開始剤=Esperox 33(登録商標) モノマーB、架橋剤および開始剤は、組成物の合計重量
を基準とした重量百分率を記録した。
上記のデータは、グリセリルメタクリレートのジトリ
クロロ酢酸エステルの代わりにグリセリルメタクリレー
トのジトリフルオロ酢酸エステルを用いた場合には、他
の条件が同一であればソルボリシスおよび水和による直
線方向の変化が約6倍に増大したことを例証する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ネイドリンガー ハーマン ハインリッ ヒ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95121 サン ノゼ フォレストウッド ドライブ 4240 (72)発明者 ガンディー クーシュルー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94086 サニーヴェイル ブエナ ビス タ アヴェニュー 243 402 (56)参考文献 欧州特許出願公開495603(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/16 C08F 20/22 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キセロゲル組成物から形成される、45〜56
    重量%の水分を有するヒドロゲルコポリマー組成物であ
    って、 前記キセロゲル組成物が、 (a)ソルボリシス可能なモノマーとして、次式I: (式中のRは水素原子、メチル基またはエチル基から選
    択されている) で表されるグリセリルアクリレート、メタクリレートま
    たはエタクリレートのトリクロロ酢酸エステルであるモ
    ノマーの1種90〜97重量%;および (b)相溶性エチレン系不飽和モノマーの少なくとも1
    種0.5〜10重量%;(これらの(a)及び(b)成分の
    重量百分率は、キセロゲル組成物の合計重量を基準とす
    る) を含み、 前記キセロゲル組成物が、ソルボリシスおよび水和可能
    なコポリマーの系であり (但し、ソルボリシス可能なモノマーが(a)成分のみ
    である)、かつ 前記キセロゲル組成物が、ソルボリシスおよび水和の間
    に−7〜+7%の線膨張を受ける、ことを特徴とするヒ
    ドロゲルコポリマー組成物。
  2. 【請求項2】前記キセロゲル組成物が、さらに0.1〜5
    重量%の架橋剤を含むことを特徴とする、請求項1記載
    のヒドロゲルコポリマー組成物。
  3. 【請求項3】前記架橋剤が、1,4−シクロヘキサンジオ
    ールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールA
    ジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、テ
    トラエチレングリコールジメタクリレートから選択され
    ていることを特徴とする、請求項2記載のヒドロゲルコ
    ポリマー組成物。
  4. 【請求項4】前記相溶性エチレン系飽和モノマーが、メ
    チルアクリレート、メチルメタクリレート、トリフルオ
    ロメチルアクリレート、トリフルオロメチルメタクリレ
    ート、2',2',2'−トリフルオロエチルメタクリレート、
    2',2',2'−トリフルオロエチルアクリレート、エチルア
    クリレートおよびエチルメタクリレートから選択されて
    いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記
    載のヒドロゲルコポリマー組成物。
  5. 【請求項5】Rが、メチル基であることを特徴とする、
    請求項項1〜4のいずれか1項記載のヒドロゲルコポリ
    マー組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項記載のヒドロ
    ゲルコポリマー組成物により、コンタクトレンズの全部
    または一部が形成されたことを特徴とするコンタクトレ
    ンズ。
  7. 【請求項7】硬質のガス透過性材料からなる中心部を有
    し、この周囲が請求項1〜5のいずれか1項記載のヒド
    ロゲルコポリマー組成物のスカートにより包囲されてい
    ることを特徴とするコンタクトレンズ。
  8. 【請求項8】前記コンタクトレンズが、共に接合され、
    異なる屈折率を有する2種の材料から製造されているこ
    とを特徴とする、請求項6または7記載のコンタクトレ
    ンズ。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれか1項記載のヒドロ
    ゲルコポリマー組成物のみから製造されていることを特
    徴とするコンタクトレンズ。
  10. 【請求項10】(1)キセロゲル材料として、 (a)ソルボリシス可能なモノマーとして、次式I: (式中のRは水素原子、メチル基またはエチル基から選
    択されている) で表されるグリセリルアクリレート、メタクリレートま
    たはエタクリレートのトリクロロ酢酸エステルであるモ
    ノマーの1種90〜97重量;および (b)相溶性エチレン系不飽和モノマーの少なくとも1
    種0.5〜10重量%、(これらの(a)及び(b)成分の
    重量百分率は、キセロゲル組成物の合計重量を基準とす
    る) を含むポリマー組成物 (但し、ソルボリシス可能なモノマーが(a)成分のみ
    である) を選択し、 (2)前記(1)で選択したポリマー組成物をソルボリ
    シスおよび水和させることを特徴とする 水和後に45〜56重量%の水分を有することになるキセロ
    ゲル材料を、ソルボリシスおよび水和するのにあたり、
    線膨張を−7〜+7%に制御する方法。
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