JPH0942598A - 液化ガスの蒸発ガス処理システムおよび処理方法 - Google Patents

液化ガスの蒸発ガス処理システムおよび処理方法

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JPH0942598A
JPH0942598A JP21825195A JP21825195A JPH0942598A JP H0942598 A JPH0942598 A JP H0942598A JP 21825195 A JP21825195 A JP 21825195A JP 21825195 A JP21825195 A JP 21825195A JP H0942598 A JPH0942598 A JP H0942598A
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JP
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compressor
bog
gas
pressure
primary
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JP21825195A
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Inventor
Yoshibumi Numata
義文 沼田
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設の低圧仕様のBOG圧縮機の吐出側に高
圧に昇圧するための二次圧縮機を設けた場合において
も、当該圧縮機の起動・停止時における流量変動を抑制
することができて、円滑なBOG処理を可能とする液化
ガスのBOG処理システムおよび処理方法を得る。 【解決手段】 液化ガスを貯蔵する貯槽1内で発生した
BOGを抜き出すBOG配管2にBOGを吸引して昇圧
する一次圧縮機4、5を設け、この一次圧縮機の吐出側
に、当該一次圧縮機によって昇圧されたBOGをさらに
昇圧する二次圧縮機10を直列的に配設し、一次圧縮機
4、5および二次圧縮機10の吐出管6、23にリサイ
クル弁4a、24、26を介してBOGを各圧縮機の吸
入側へ導く圧力緩衝ライン6a、25、27を設けると
ともに、起動前に開状態にある各圧縮機のリサイクル弁
4a、24、26を起動後に徐々に閉じ、かつ当該圧縮
機の停止時に上記リサイクル弁を徐々に開く制御手段を
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LNGやLPG等
の液化ガスから発生する蒸発ガスを処理するための処理
システムおよび処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電用ボイラの燃料や都市ガス等の
燃料として広く用いられているLNGやLPG等の低温
液化ガスは、一般に貯蔵設備に配設された貯槽内に貯蔵
され、必要に応じてポンプで移送されて気化されること
により、上記ボイラの燃料や都市ガス用として供給され
ている。ところで、このような低温液化ガスを貯蔵する
貯槽にあっては、その内部を保冷するために断熱性に優
れた構造になっているものの、貯槽の周囲からの定常的
な入熱や、低温液化ガス入荷時におけるカーゴポンプや
貯槽受入配管系からの入熱あるいは貯槽内の上記ポンプ
の駆動に起因する入熱といった非定常的な入熱により、
上記貯槽内に蒸発ガス(以下、BOGと略称する。)が
発生する。このようにして発生したBOGは、貯槽内圧
の上昇をもたらすため、一般的にはBOG圧縮機を用い
てこれを貯槽外に抜出すとともに、所定の圧力まで昇圧
して燃料ガスとして利用することにより、上記貯槽の内
圧を一定範囲内の運用圧力に保持している。
【0003】図3は、従来のこのようなBOG処理シス
テムを有するLNG(液化天然ガス)貯蔵設備を示すも
ので、図中符号1は、上記LNG貯蔵設備に複数基(図
ではそのうちの1基のみを示す)設置されたLNGを貯
蔵するための貯槽である。上記貯槽1の上部には、内部
に発生したBOGを抜出すためのBOG配管2が接続さ
れており、このBOG配管2は、BOG圧縮機吸入管3
を介して複数台の遠心式および往復式のBOG圧縮機
4、5(図では各2台を示す。)に接続されている。こ
こで、上記BOGの発生量は、上記貯槽1の運用条件に
より大きく変動し、特にLNGをカーゴ船により上記貯
槽1に受入れる時に最も多くなって、その発生量は通常
の保持時における発生量と比較して3〜5倍になる。こ
のため、上記従来のBOG処理システムにおいては、上
記BOG圧縮機4、5の形式や台数などの処理能力は、
この受入れ時における発生BOG量が処理可能となるよ
うに設定されており、発生するBOGの負荷に応じて容
量制御と運転台数を変更するようになっている。なお、
図中符号4aは、遠心式のBOG圧縮機4の吐出管6に
枝配管された戻り管6aに介装され、上記BOG圧縮機
4起動時に開いて吐出圧力が充分に立ち上がっていない
状態におけるBOGを貯槽1に戻すことにより、当該B
OG圧縮機4のサージングを防止するためのサージ防止
弁である。
【0004】上記構成からなる従来のBOG処理システ
ムにおいては、LNGの貯槽1内においてBOGが発生
することにより、貯槽1内の圧力が上昇すると、貯槽1
に設けられた圧力検出器の検出信号により、制御手段を
介して負荷に応じた所定の台数のBOG圧縮機4、5が
起動し、貯槽1内のBOGを吸引、圧縮して吐出管6か
ら送り出し、さらに集合管7を介してLNG気化器(図
示せず)からの気化ガスと合流させることによりボイラ
(図示せず)へと供給している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のBOG処理システムにおいては、貯槽1で発生し
たBOGを専らボイラの燃料ガスとして供給しているこ
とから、BOG圧縮機4、5として、吐出圧力が低圧側
の液化ガス気化器の出口側圧力と等しい、10Kgf/cm2
以下の仕様のものが設置されている。この結果、上記B
OGを都市ガス等の、例えば40Kgf/cm2 程度といった
より高圧のガスとして供給するという要請に対しては、
総てのBOG圧縮機4、5を高圧仕様のBOG圧縮機に
取り替える必要があり、設備変更に膨大の費用を要する
とともに、上記BOG圧縮機4、5の取り替え中におい
ては、運転可能なBOG圧縮機4、5の台数が減少する
ために、BOGの処理に制限が生じ、延いては低温液化
ガス貯蔵設備全体の稼働に制約が生じてしまうという問
題点があった。
【0006】そこで、BOGの処理に大きな制約を受け
ることなく、BOG圧縮機からのBOGの供給圧力の高
圧化に容易に対応する方法として、既設の低圧仕様のB
OG圧縮機の吐出側に、当該吐出側のBOGをさらに圧
縮して昇圧する二次圧縮機を直列的に増設することが考
えられる。ところが、このように低圧仕様の圧縮機とそ
の後段の昇圧用の二次圧縮機とを直列的に配設して運転
すると、上述したBOG発生量の変動に追従して追加の
圧縮機が起動したり、あるいはBOG発生量の減少に伴
って運転中の圧縮機が停止する際に、低圧仕様の圧縮機
の吐出側配管系の容量が小さいことと相俟って、低圧側
の圧縮機と二次圧縮機との吐出流量に大きな偏差がステ
ップ的に発生し、この結果低圧側圧縮機と二次圧縮機と
の間の配管系に大きな圧力変動が生じて円滑な運転を行
なうことができないという問題点が考えられる。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、既設の低圧仕様のBOG圧縮機の吐出側に高圧に
昇圧するための二次圧縮機を設けた場合においても、当
該圧縮機の起動・停止時における流量変動を抑制するこ
とができ、よって円滑なBOG処理を行なうことができ
る液化ガスのBOG処理システムおよび処理方法を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る液化ガスのBOG処理システムは、液化ガスを貯
蔵する貯槽内で発生したBOGを抜き出すBOG配管
に、上記BOGを吸引して昇圧する一次圧縮機を設け、
この一次圧縮機の吐出側に、当該一次圧縮機によって昇
圧されたBOGをさらに昇圧する二次圧縮機を直列的に
配設し、上記一次圧縮機および二次圧縮機の吐出管にリ
サイクル弁を介してBOGを当該圧縮機の吸入側へ導く
圧力緩衝ラインを設けるとともに、起動前に開状態とさ
れている各圧縮機の上記リサイクル弁を起動後に徐々に
閉じ、かつ当該圧縮機の停止時に上記リサイクル弁を徐
々に開く制御手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の一次圧縮機および/または二次圧縮機の少なく
とも一部が遠心式圧縮機である場合に、当該遠心式圧縮
機のサージ防止弁を上記リサイクル弁として兼用するこ
とを特徴とするものである請求項1に記載の液化ガスの
BOG処理システム。さらに、請求項3に記載の発明
は、上記請求項1または2に記載の液化ガスが、LNG
であることを特徴とするものである。
【0010】次いで、請求項4に記載の本発明に係る液
化ガスのBOG処理方法は、液化ガスを貯蔵する貯槽内
で発生したBOGを一次圧縮機によって昇圧した後に、
さらに二次圧縮機で所望の供給圧力まで昇圧して供給す
るに際し、上記各圧縮機が停止状態において、当該各圧
縮機の吐出管に設けられてBOGを各圧縮機の吸入側へ
導く圧力緩衝ラインのリサイクル弁を開状態に保持し、
変動するBOGの流量に応じて上記一次圧縮機および/
または二次圧縮機が起動する際に、起動後に上記リサイ
クル弁を徐々に閉じるとともに、当該圧縮機の停止時
に、上記リサイクル弁を徐々に開いた後に上記圧縮機を
停止させることを特徴とするものである。また、請求項
5に記載の発明は、請求項4に記載の液化ガスが、LN
Gであることを特徴とするものである。
【0011】ところで、低圧側の一次圧縮機に昇圧用の
二次圧縮機を直列に配設した場合に、一定の台数の一次
圧縮機および二次圧縮機を運転している範囲内での流量
変動に対しては、例えばフィードフォワード制御を用い
た流量もしくは圧力制御等により追従が可能である。し
かしながら、液化ガスの受入れ時等に短時間に多量のB
OGが発生して、順次追加の一次圧縮機および二次圧縮
機が起動したような場合や、逆にBOG発生量が減少し
てこれら追加の一次圧縮機および二次圧縮機を停止させ
る場合には、上述したように一次圧縮機の吐出側配管系
の容量が小さい等の理由から、経時的な圧力制御等によ
っては、これに追従し切れない虞がある。
【0012】この点、上記請求項1ないし3のいずれか
に記載の液化ガスのBOG処理システムまたはこれを用
いた請求項4もしくは5に記載の液化ガスのBOG処理
方法にあっては、先ず、待機状態にある一次圧縮機およ
び二次圧縮機のリサイクル弁が開状態とされているた
め、これらの圧縮機が追加起動した際には、ひとまず当
該圧縮機で圧縮されたBOGが、圧力緩衝ラインから上
記圧縮機の吸入側に戻される。次いで、起動した圧縮機
が通常の制御運転に移行するに連れて、制御手段によっ
て徐々にリサイクル弁が閉じられ、これにより上記圧縮
機の吐出側流量が漸次増加して、最終的には起動した上
記圧縮機の総吐出流量に相当する量のBOG処理量が増
加する。他方、多量のBOGの処理が終了して、急激に
その処理が減少したような場合には、停止信号によって
不要となった台数の圧縮機が順次停止する。この際に
は、上記停止信号に基づいて、上記制御手段によって先
ずリサイクル弁が徐々に開き、これにより当該圧縮機の
吐出側流量が漸次減少し、上記リサイクル弁が開いて実
質的な吐出側流量が0になった後に、上記圧縮機が停止
する。
【0013】したがって、一次および/または二次圧縮
機の起動・停止時のいずれの場合においても、本来であ
れば急激に増加または減少する上記圧縮機の吐出側流量
を、リサイクル弁が開状態から徐々に閉じ、あるいは閉
状態から徐々に開くことによって吸入側に戻すことによ
り、上記吐出側の流量を漸次増加または減少させて適宜
台数の運転に移行させることができるため、低圧側の一
次圧縮機と昇圧用の二次圧縮機との吐出流量に大きな偏
差がステップ的に発生せず、追加起動または停止した圧
縮機の吐出側配管系あるいは吸入側配管系に大きな圧力
変動を生じることがなく、よって円滑な運転を行なうこ
とができる。
【0014】この際に、請求項2に記載の発明のよう
に、一次圧縮機および/または二次圧縮機の少なくとも
一部が遠心式圧縮機である場合に、当該遠心式圧縮機の
サージ防止弁を上記リサイクル弁として兼用すれば、上
記遠心式圧縮機については、新たにリサイクル弁を介し
た圧力緩衝ラインを増設する必要が無くて経済的であ
る。
【0015】以上のことから、請求項1もしくは2ある
いは請求項4に記載の発明は、特に請求項3または請求
項5に記載の発明のように、貯槽の周囲からの入熱とい
った定常的なBOGの発生のみならず、入荷時において
定常時の数倍という非定常的な多量のBOG発生を伴う
一方で、貯槽の内圧を常に一定範囲内の運用圧力に保持
する必要があるLNGの貯蔵設備のBOG処理に適用し
た場合に、顕著な作用効果を奏するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の液化ガスのBO
G処理システムをLNG貯蔵設備におけるBOG処理シ
ステムに適用した一実施形態を示すもので、図2に示し
たものと同一構成部分には同一符号を付して、その説明
を省略する。図1において、この例のBOG処理システ
ムにおいては、LNGの貯槽1内で発生したBOGを抜
き出すBOG配管2に、上記BOGを吸引して昇圧する
従来と同様の複数台の遠心式および往復式のBOG圧縮
機(一次圧縮機)4、5(図では、各2台を示す。)が
設けられ、これら一次圧縮機4、5の吐出側の集合管7
に、さらに往復式のBOG圧縮機(二次圧縮機)10、
10が直列的に配設されており、上記一次圧縮機4、5
で昇圧したBOGを二次圧縮機10で昇圧して吐出管2
3の集合管11から高圧のBOGを送出するようになっ
ている。また、上記一次圧縮機4、5の吐出側集合管7
には、当該吐出圧力の低圧のBOGをそのまま供給先へ
送出するための送出管7aが枝配管されている。
【0017】ここで、上記一次圧縮機4、5の吐出側の
集合管7には、圧力検出器12a、12bが設けられ、
これら圧力検出器12a、12bの下流側には、リサイ
クル調節弁13を介して一次圧縮機4、5の吐出側のB
OGを上記貯槽1へ戻す低圧側戻りライン14と、冷却
器15およびリサイクル調節弁16を介して二次圧縮機
10の吐出側のBOGを上記一次圧縮機4、5の吐出
側、すなわち二次圧縮機10の吸入側へ戻す高圧側戻り
ライン17とが配管されている。そして、上記低圧側戻
りライン14のリサイクル調節弁13には、上記圧力検
出器12aの検出信号に基づいて、当該リサイクル調節
弁13を開閉制御する圧力制御装置18が設けられてい
る。
【0018】他方、高圧側戻りライン17のリサイクル
調節弁16には、上記圧力検出器12bの検出信号に基
づいてリサイクル調節弁16を開閉制御する圧力制御装
置19が設けられている。そして、上記圧力制御装置1
8における設定圧力は、圧力制御装置19における設定
圧力よりも高く設定されている。例えば、一次圧縮機
4、5の吐出圧力が従来と同様の8〜10Kgf/cm2 であ
って、二次圧縮機10の吐出圧力が所望の高圧送出に対
応した約40Kgf/cm2 である場合には、上記圧力制御装
置19における設定圧力は約8Kgf/cm2 に、また上記圧
力制御装置18における設定圧力は、より高い約10Kg
f/cm2 に設定されている。
【0019】また、上記圧力制御装置18には、稼働中
の一次圧縮機4、5による総吐出流量F1と二次圧縮機
10による総吐出流量F2との流量偏差g(F1−F2
を上記第1の圧力制御手段においてリサイクル調節弁1
3を制御する際の先行値として与えるフィードフォワー
ド制御装置20が設けられている。また、圧力制御装置
19には、同様にして稼働中の一次圧縮機4、5による
総吐出流量F1と二次圧縮機10による総吐出流量F2
の流量偏差f(F1−F2)を上記圧力制御装置19にお
いてリサイクル調節弁16を制御する際の先行値として
与えるフィードフォワード制御装置21が設けられてい
る。ここで、上記一次圧縮機4、5による総吐出流量F
1 としては、例えば運転状態により推算・合計した、す
なわち遠心式BOG圧縮機4にあっては吐出流量からサ
ージ防止弁4aの開度から推算した当該サージ防止弁4
aの通過流量を差引いた値、および往復式BOG圧縮機
5、10にあっては負荷状態と吸入圧力および吸入温度
により推算・合計した値が用いられている。
【0020】さらに、一次側の上記往復式のBOG圧縮
機5の吐出管6には、これから枝配管されてリサイクル
弁24を介し低圧側戻りライン14のリサイクル調節弁
13の下流側に接続された圧力緩衝ライン25が配管さ
れている。また、二次側の上記往復式のBOG圧縮機1
0の吐出管23にも、同様にしてリサイクル弁26を介
し、高圧側戻りライン17のリサイクル調節弁16の下
流側であって冷却器15の上流側に接続された圧力緩衝
ライン27が配管されている。なお、このBOG処理シ
ステムにおいては、上記遠心式のBOG圧縮機4の戻り
管6aが圧力緩衝ラインとして作用し、かつサージ防止
弁4aが上記遠心式のBOG圧縮機4におけるリサイク
ル弁を兼用している。
【0021】そして、上記リサイクル弁4a、24、2
6は、図示されない制御装置(制御手段)によって、各
BOG圧縮機4、5、10の起動前に開状態とされ、か
つ起動後に、上記制御装置に組込まれたリサイクル弁制
御用のレートリミットによって徐々に閉じるとともに、
当該BOG圧縮機4、5、10の停止時には、同様にレ
ートリミットによって徐々に開くように制御される。特
に、一般の往復式のBOG圧縮機5、10においては、
図2に示すように、起動時に一旦100%の出力にな
り、充分な吐出圧力が確保された時点で通常の圧力制御
による出力になることから、当該制御出力に切り替わっ
た時点からレートリミットによってリサイクル弁24、
26が徐々に閉じるようになっている。また、停止時に
おいては、BOG圧縮機4、5、10に対する停止信号
に基づいてリサイクル弁4a、24、26が徐々に開
き、全開となった後に上記BOG圧縮機4、5、10が
停止するようになっている。
【0022】次に、以上の構成からなるLNGのBOG
処理システムを用いた、本発明に係るBOG処理方法の
一実施形態について説明する。先ず、運転中の一次圧縮
機4、5および二次圧縮機10における総吐出量のアン
バランスや、BOGの発生量の変動などに起因して、一
次圧縮機4、5と二次圧縮機10との吐出容量に相違が
生じて、上記一次圧縮機と二次圧縮機との吐出流量にア
ンバランスが生じ、稼働している一次圧縮機4、5によ
るBOGの吐出流量よりも二次圧縮機10によるBOG
の吐出流量が大きくなって一次圧縮機4、5の吐出側の
BOG圧力が上記圧力制御装置19における設定圧力ま
で低下すると、上記圧力検出器12bからの検出信号に
より、圧力制御装置19によってリサイクル調節弁16
が開き、上記二次圧縮機10の吐出側のBOGが高圧側
戻りライン17を介して冷却器15によって冷却された
うえで、一次圧縮機4、5の吐出側の集合管7に戻され
ることにより、一次昇圧ガスの圧力が上記設定圧力に保
持される。
【0023】これとは逆に、二次圧縮機10によるBO
Gの吐出流量よりも一次圧縮機4、5によるBOGの吐
出流量が大きくなって、上記一次圧縮機4、5の吐出側
のBOG圧力が圧力制御装置18における設定圧力まで
上昇すると、上記圧力検出器12aから検出信号によ
り、圧力制御装置18によってリサイクル調節弁13が
開き、低圧側戻りライン14を介して上記一次圧縮機
4、5の吐出側のBOGが減圧されたうえで、LNGの
貯槽1に戻されることにより、一次昇圧ガスの圧力が上
記設定圧力に保持される。
【0024】この際に、一次圧縮機4、5の吐出側の一
次昇圧ガスの上昇または低下に伴い、圧力検出器12
a、12bからの検出信号に基づいてリサイクル調節弁
13、16を制御するのに先立って、フィードフォワー
ド制御装置20、21によって上記一次圧縮機4、5の
吐出流量F1と二次圧縮機10の吐出流量F2との流量偏
差g(F1−F2)またはf(F1−F2)が先行値として
与えることにより、リサイクル調節弁13、16の開閉
が先行制御される。以上により、上記BOGは、二次圧
縮機10によって安定的に高圧化されて集合管11から
所望の高圧なBOGを必要とする供給先へと送出されて
行く。
【0025】さらに、LNGの受入れ時等に多量のBO
Gが発生したり、BOGの量が大きく変動したりした場
合に、これに対応して追加の一次圧縮機4、5や二次圧
縮機10が起動した際には、先ず、制御装置によって待
機状態にある一次圧縮機4、5または二次圧縮機10の
リサイクル弁4a、24、26が開状態にあるため、こ
れらの圧縮機4、5、10が追加起動した際には、その
圧縮機4、5、10で圧縮されたBOGが圧力緩衝ライ
ン6a、25、27から低圧側戻りライン14または高
圧側戻りライン17を介して当該圧縮機4、5、10の
吸入側に戻される。次いで、起動した圧縮機4、5、1
0が通常の制御運転に移行するに連れて、徐々にリサイ
クル弁4a、24、26が閉じられ、これにより起動し
た圧縮機4、5、10の吐出側流量が漸次増加して、最
終的には上記圧縮機4、5、10の総吐出流量に相当す
る量のBOG処理量が増加する。
【0026】また、多量のBOGの処理が終了して、急
激にその処理量が減少したような場合には、停止信号に
よって不要となった台数の圧縮機4、5、10が順次停
止する。この際には、上記停止信号に基づいて、先ず上
記制御装置によってリサイクル弁4a、24、26が徐
々に開き、これにより停止する圧縮機4、5、10の吐
出側流量が漸次減少し、最終的に上記リサイクル弁4
a、24、26が開いて実質的な吐出側流量が0になっ
た後に、上記圧縮機4、5、10が停止する。
【0027】なお、上記BOGを従来と同様の低圧にて
供給する需要が生じた場合には、上記二次圧縮機10の
運転が停止されて、一次圧縮機4、5によって昇圧され
たBOGがそのまま集合管7および送出管7aを介して
供給先に送出されて行く。
【0028】したがって、上記LNGのBOGの処理シ
ステムおよびこれを用いたBOG処理方法によれば、一
次および/または二次圧縮機4、5、10の起動・停止
時のいずれの場合においても、本来であれば急激に増加
または減少する上記圧縮機4、5、10の吐出側流量
を、リサイクル弁4a、24、26が開状態から徐々に
閉じ、あるいは閉状態から徐々に開くことによって当該
圧縮機4、5、10の吸入側に戻すことにより、上記吐
出側の流量を漸次増加または減少させて適宜台数の運転
に移行させることができるため、一次圧縮機4、5と二
次圧縮機10との吐出流量に大きな偏差がステップ的に
発生して配管系に大きな流量変動を生じることがなく、
よって円滑な運転を行なうことができる。加えて、上記
遠心式の一次圧縮機4については、そのサージ防止弁4
aを上記リサイクル弁4aとして兼用し、戻り管6を圧
力緩衝ラインとして用いているので、新たに別途リサイ
クル弁や圧力緩衝ラインを増設する必要が無くて経済的
である。
【0029】なお、上記実施例の説明においては、本発
明の液化ガスのBOG処理システムおよび処理方法を、
LNG貯蔵設備におけるBOG処理システムおよび処理
方法に適用した例についてのみ説明したが、これに限る
ものではなく、LPG等のその他の液化ガスの貯蔵設備
におけるBOG処理システムおよび処理方法に適用して
も同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、上記請求項1ない
し3のいずれかに記載の液化ガスのBOG処理システム
またはこれを用いた請求項4もしくは5に記載の液化ガ
スのBOG処理方法によれば、一次および/または二次
圧縮機の起動・停止時のいずれの場合においても、低圧
側の一次圧縮機と昇圧用の二次圧縮機との吐出流量に大
きな偏差がステップ的に発生して配管系に大きな流量変
動を生じることがなく、よって円滑な運転を行なうこと
ができる。また、特に請求項2に記載の発明によれば、
遠心式圧縮機については、新たにリサイクル弁を介した
圧力緩衝ラインを増設する必要が無くて経済的であると
いった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液化ガスのBOG処理システムの一実
施例の要部を示す概略構成図である。
【図2】図1における往復式のBOG圧縮機におけるリ
サイクル弁の制御を示すグラフである。
【図3】従来の液化ガスのBOG処理システムの要部を
示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 貯槽 2 BOG配管 4 遠心式BOG圧縮機(一次圧縮機) 4a サージ防止弁(リサイクル弁) 5 往復式BOG圧縮機(一次圧縮機) 6、23 吐出管 6a 戻り管(圧力緩衝ライン) 10 往復式BOG二次圧縮機 24、26 リサイクル弁 25、27 圧力緩衝ライン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガスを貯蔵する貯槽内で発生した蒸
    発ガスを抜き出すBOG配管に、上記蒸発ガスを吸引し
    て昇圧する一次圧縮機を設け、この一次圧縮機の吐出側
    に、当該一次圧縮機によって昇圧された上記蒸発ガスを
    さらに昇圧する二次圧縮機を直列的に配設し、上記一次
    圧縮機および二次圧縮機の吐出管に、リサイクル弁を介
    して蒸発ガスを当該圧縮機の吸入側へ導く圧力緩衝ライ
    ンを設けるとともに、起動前に開状態とされている上記
    各圧縮機の上記リサイクル弁を起動後に徐々に閉じ、か
    つ当該圧縮機の停止時に上記リサイクル弁を徐々に開く
    制御手段を設けてなることを特徴とする液化ガスの蒸発
    ガス処理システム。
  2. 【請求項2】 上記一次圧縮機および/または二次圧縮
    機の少なくとも一部が遠心式の圧縮機である場合に、当
    該遠心式の圧縮機のサージ防止弁を上記リサイクル弁と
    して兼用することを特徴とする請求項1に記載の液化ガ
    スの蒸発ガス処理システム。
  3. 【請求項3】 上記液化ガスは、液化天然ガスであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の液化ガスの蒸
    発ガス処理システム。
  4. 【請求項4】 液化ガスを貯蔵する貯槽内で発生した蒸
    発ガスを一次圧縮機によって昇圧した後に、さらに二次
    圧縮機で所望の供給圧力まで昇圧して供給するに際し、
    上記圧縮機が停止状態において、上記圧縮機の吐出管に
    設けられて蒸発ガスを当該圧縮機の吸入側へ導く圧力緩
    衝ラインのリサイクル弁を開状態に保持し、変動する蒸
    発ガスの流量に応じて上記一次圧縮機および/または二
    次圧縮機が起動する際に、起動後に上記リサイクル弁を
    徐々に閉じるとともに、当該圧縮機の停止時に、上記リ
    サイクル弁を徐々に開いた後に上記圧縮機を停止させる
    ことを特徴とする液化ガスの蒸発ガス処理方法。
  5. 【請求項5】 上記液化ガスは、液化天然ガスであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の液化ガスの蒸発ガス処
    理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009250379A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Ihi Corp 流体払出装置
JP2015505941A (ja) * 2012-10-24 2015-02-26 デウ シップビルディング アンド マリーン エンジニアリング カンパニー リミテッド 船舶の液化ガス処理システム
WO2017039270A1 (ko) * 2015-09-01 2017-03-09 한국가스공사 증발 가스의 재액화 방법

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