JPH0942410A - 変速装置 - Google Patents

変速装置

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JPH0942410A
JPH0942410A JP19664095A JP19664095A JPH0942410A JP H0942410 A JPH0942410 A JP H0942410A JP 19664095 A JP19664095 A JP 19664095A JP 19664095 A JP19664095 A JP 19664095A JP H0942410 A JPH0942410 A JP H0942410A
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JP
Japan
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drive shaft
center line
cam
rotation center
rotating
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JP19664095A
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English (en)
Inventor
Keiichi Akashi
桂一 明石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被動ケースに作用する負荷と、入力手段の入力
とに応じて減速比を自動的に変化させる。 【解決手段】被動ケース2と、被動ケース2の回転中心
線CLと平行な駆動軸4と、前記駆動軸4を偏位させる
偏位手段とを有し、被動ケース2内に、回転中心線CL
と直交する平面内を移動する対のラック歯10を複数個
設け、駆動軸4は、ラック歯10に噛み合う複数個のピ
ニオン12と、前記スライド枠9の位置を定めるカム板
13とを有し、駆動軸4の回転で、ラック歯10がピニ
オンに順次噛み合い、被動ケース2を回転させると共
に、駆動軸4の偏位により、回転中心線から前記噛合位
置までの距離を変えて変速する変速装置であって、被動
ケース2の負荷と、入力手段20の入力とを受けること
によって、揺動アーム23が、駆動軸4を回転中心線か
ら離間偏位させる向きで離間揺動するとともに、抵抗手
段は、揺動アーム23の前記離間揺動にのみ抵抗力を与
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力を変化させて
出力する変速装置に関する。この変速装置は、例えば自
転車用の減速機として好ましく採用することができる。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、既に、特公昭37−546
2号公報に示されるような変速装置を提案している。こ
の変速装置は、図27に示すように、回転自在な被動ケ
ースaと、この被動ケースaの回転中心線と平行に配さ
れた駆動軸cとを具えている。この駆動軸cは、偏位手
段bによって、前記被動ケースaの回転中心線clと直
交する向きに移動することができる。
【0003】前記被動ケースaは、回転中心線clの回
りでのみ回転することができる。又被動ケースaは、前
記回転中心線clの両側で向き合って、互いに平行な2
つの対のレール部d1、d1及びd2、d2を具える。
又、前記レール部d1、d2の各中間線r1、r2は、
90゜の角度で交わる。
【0004】前記レール部d1、d2には、それぞれ長
方形のスライド枠e、fが移動可能に装着される。なお
各スライド枠e、fは、互いに直交する向きで移動す
る。各スライド枠e、fは、開口部gを形成している。
この開口部gの内側片には、ラックギヤhと、このラッ
クギヤhのピッチ線と平行なカム面iとを上下に並べて
形成している。なお、ラックギヤh、カム面iは、とも
に、前記各スライド枠e、fの移動の向きで向き合う。
【0005】前記駆動軸cは、前記開口部gを貫通して
配される。又、駆動軸cは、各スライド枠のラックギヤ
hに夫々噛み合う2つのピニオンj、jを固着してい
る。各ピニオンj、jは、前記向き合うラックギヤh、
hの両方に、同時に噛み合うことはできない。
【0006】又駆動軸cは、偏心したカム板kを保持す
る。前記カム板kは、前記スライド枠e、fのカム面
i、iに挿入される。そして、カム板kは、向き合うカ
ム面i、iに同時に接触することができる。
【0007】前記偏位手段bは、ねじ軸mの回転によ
り、摺動軸oに沿って移動する摺動板pを有している。
この摺動板pは、前記駆動軸cを回転自在に保持する。
又前記カム板kは、ピンnによって摺動板pに固定され
ている。従って、カム板kは、駆動軸cの回りを回転す
ることができない。
【0008】この変速装置の変速原理は、次の通りであ
る。前記駆動軸cに入力トルクを与えると、ピニオンj
は回転しようとする。このピニオンjは、噛み合ってい
るラックギヤhを、ピッチ線方向に押す。この力による
トルクが、被動ケースaの負荷トルクよりも大きい場
合、スライド枠e、fが被動ケースaを回転させること
ができる。
【0009】なおカム板kは、回転せず、予め定められ
た位置を保持する。従って、被動ケースaの回転中、ラ
ックギヤgと、ピニオンjとの噛み合い位置は、あたか
も仮想の内歯車のピッチ円に相当した軌跡で移動する。
【0010】ここで、変速装置の減速比は、ピニオンj
のピッチ円半径PDと、被動ケースaの回転中心からラ
ックギヤと前記ピニオンjの噛み合い位置までの距離R
Dの比(PD/RD)として表すことができる。
【0011】又、前記偏位手段bのねじ軸mを回転させ
ることによって、カム板kの位置が変化する。このと
き、前記距離RDが変わる。従って、前記減速比が変わ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
変速装置は、減速比を変えるためには、前記偏位手段b
のねじ軸mを回動させなければならという煩わしい動作
を必要としている。
【0013】本発明の目的は、被動ケースに作用する負
荷と、入力手段の入力とに応じて減速比を自動的に変化
させることができる変速装置を提供することにある。
【0014】また、本発明の他の目的は、自転車に好ま
しく採用することができ、しかも、入力が変化しても変
速動作が頻繁に行われることがない変速装置を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、請求項1
記載の発明は、静止部材に回転自在に支持される被動ケ
ースと、前記被動ケースの回転中心線と平行に配される
駆動軸と、前記駆動軸を前記回転中心線と直交する向き
に偏位させる偏位手段とを有し、前記被動ケース内に
は、前記回転中心線方向に、複数個のスライド枠を並べ
て設け、前記各スライド枠は、前記駆動軸を通す開口部
と、歯を向き合わせた平行な対のラック歯と、前記ラッ
ク歯のピッチ線と平行な向き合うカム面とを有し、前記
被動ケース内に設けられたレール部により、前記ラック
歯のピッチ線と直交する向きで、しかも前記回転中心線
と直交する平面内を移動可能に案内され、前記駆動軸
は、前記ラック歯に噛み合う複数個のピニオンと、前記
向き合うカム面に接触して前記スライド枠の位置を定め
るカム板とを有し、前記各ラック歯が、回転する前記各
ピニオンに噛み合い、仮想の内歯車として機能すること
により、前記スライド枠が、前記レール部を介して前記
被動ケースを前記回転中心線回りに回転させるととも
に、前記駆動軸の前記偏位により、前記回転中心線から
前記噛み合い位置までの距離を変化させ変速比を変える
ようにした変速装置であって、前記偏位手段は、回動自
在な入力手段と、この入力手段と前記駆動軸との間で回
転力を伝達する回転力伝達手段と、前記回転力伝達手段
を前記回転中心線とは異なる位置で回転自在に軸支し、
かつ前記回転中心線廻りで一方向のみ回転可能な回転枠
と、この回転枠に前記回転力伝達手段と同芯で軸支され
て揺動し、かつ前記駆動軸を一端部で回転自在に支持す
る揺動アームと、揺動アームの揺動に抵抗力を与える抵
抗手段とを有し、前記回転力伝達手段は、被動ケースの
負荷による反力と、入力手段の入力とを受けることによ
って、前記駆動軸と一体的に回転し、前記揺動アーム
を、駆動軸が前記回転中心線から離間偏位する向きに離
間揺動させるとともに、前記抵抗手段は、揺動アームの
揺動で回転する第1回転体と、前記揺動アームの前記離
間揺動に基づく第1回転体の回転力のみを伝達しうる1
方向回転カムと、この1方向回転カムを介して前記第1
回転体の回転力を受ける第2回転体と、前記第2回転体
の回転に抵抗力を付与する摩擦クラッチとを具えたこと
を特徴とする変速装置である。
【0016】又請求項2記載の発明は、前記揺動アーム
は、揺動によって、前記回転枠と同心に回転自在に保持
された補助板を回転させるとともに、この補助板は、前
記駆動軸の前記偏位を案内するガイド枠が形成され、し
かも回転によって、前記駆動軸の偏位を補助することを
特徴とする。
【0017】又請求項3記載の発明は、前記回転枠が、
一方向噛合クラッチを介して前記静止部材に支承される
ことにより一方向にのみ回動しうることを特徴としてい
る。
【0018】又請求項4記載の発明は、前記静止部材
が、自転車の車体に固定される固定軸であることを特徴
としている。
【0019】又請求項5記載の発明は、前記スライド枠
が、前記回転中心線方向に並んで3個設けられるととも
に、前記レール部は、前記スライド枠を互いに120゜
の角度で異なる移動の向きに案内することを特徴として
いる。
【0020】又請求項6記載の発明は、被動ケースが、
スポークでタイヤと一体的に回転するように、自転車の
後輪に組み込まれることを特徴としている。
【0021】又請求項7記載の発明は、前記入力手段
が、自転車のペダルから回転力を付与されるとともに、
前記静止部材は自転車のフレームの一部であることを特
徴としている。
【0022】又請求項8記載の発明は、前記カム面から
前記ラック歯のピッチ線の位置までの距離が、前記カム
板の輪郭をなす曲率半径R1の円弧からピニオンのピッ
チ線の位置までの距離と等しいことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき説明する。本発明の変速装置1は、静止部材S
に、回転自在に支持される被動ケース2と、前記被動ケ
ース2の回転中心線CLと平行に配される駆動軸4と、
前記駆動軸4を回転中心線CLと直交する向きに偏位さ
せる偏位手段3とを有する。
【0024】本実施例では、静止部材Sは、図22に示
すように、自転車Mの車体フレームFに固定される固定
軸29である。又前記被動ケース2は、スポーク31で
タイヤと一体的に取付けられ、自転車の後輪32の一部
を形成する。従って、本実施例は、自転車用の変速装置
(減速機)について説明する。しかし、これに限定する
ものではなく、工作機械や自動車など種々の回転力伝達
機構の変速装置として用いうる。
【0025】自転車Mを前進させる場合、ペタルPは、
図22において矢印方向の回転力を受ける。このときの
トルクは、図1に示す入力筒20を、図の上から見て時
計方向の向きに回転させるものとする。なお本明細書に
おいて、特に指定がない場合、「時計方向」、「反時計
方向」とは、変速装置1を図1のスプロケット43側か
ら回転中心線CLに沿って見たときの時計回りの方向、
反時計回りの方向として定義する。
【0026】前記被動ケース2は、図1、図2に示すよ
うに、例えば、密閉された円筒状に形成することができ
る。従って、外部からのほこり等の侵入を防ぐことがで
きる。被動ケース2は、筒部2Aと、この筒部2Aの両
端にネジ固定される円板状の蓋部2B、2Cとから構成
される。前記筒部2Aは、外周面の両端部に、環状に突
出するつば部2D、2Dを形成している。このつば部2
Dには、例えば前記スポーク31を取り付けることがで
きる。
【0027】前記蓋部2Bは、入力筒20を介して固定
軸29に回転自在に支持される。又入力筒20も、前記
固定軸29に対して回転自在に支持される。前記蓋部2
Cは、固定軸29に回転自在に支持される。又蓋部2C
には、例えば自転車のブレーキドラムBDを固定するこ
とができる。
【0028】前記固定軸29、29は、軸の中心(回転
中心線CL)が互いに一致する。従って、被動ケース2
は、回転中心線CLの回りでのみ回転することができ
る。
【0029】又被動ケース2は、図1、図6に示すよう
に、レール部5を複数個設ける。前記レール部5は、例
えばレール金具15を回転中心線CLの両側で向き合わ
せて構成することができる。
【0030】前記レール金具15は、例えば、円弧片1
6の直線部を折り曲げて、レール面14を形成すること
ができる。そして、このレール面14は、互いに平行に
向き合っている。なお、前記円弧片16は、筒部2Aの
内周面と等しい円弧を有するものが好ましい。但し、こ
れに限定するものではない。
【0031】前記レール部5は、回転中心線CLの方向
に並ぶ、3個(5a、5b、5c)設けたものを例示し
ている。各レール部5a、5b、5cは、回転中心線C
Lと直交する平面内に設けられる。
【0032】又、各レール部5a、5b、5cは、向き
合ったレール面14、14の中心線が、前記回転中心線
CLと交わるように配置される。そして、各レール部5
a、5b、5cは、前記中心線が、互いに等しい角度で
交わるように配置される。本例では、この交わり角度
は、120゜である。
【0033】前記レール金具15、15は、例えば、筒
部2Aの内周面に設けられた取付部T1、スペーサT2
にボルトで固定される。前記取付部T1、スペーサT2
は、60度の等しい角度ピッチで筒部2Aの内周面に設
けられている。
【0034】さらに、各レール部5a、5b、5cに
は、スライド枠9A、9B、9Cがそれぞれ配される。
各スライド枠9A、9B、9Cは、各レール部5a、5
b、5cに案内されて、前記回転中心線CLと直交する
平面内を移動する。従って、各スライド枠9A、9B、
9Cの移動方向は、互いに120゜ずつ異なる。
【0035】前記スライド枠9は、図6に示すごとく、
例えば、上下の枠板33、34の間に、ローラ35を4
隅に設けて構成される。このローラ35は、前記レール
面14を滑らかに転がる。
【0036】又前記枠板33、34には、後述する駆動
軸4を通す開口部6を形成している。これは、プレス等
による中抜き加工で行うことができる。前記枠板33、
34の間には、互いに向き合った対のラック歯10、1
0を設ける。又、前記開口部6は、内側の辺に、ラック
歯10のピッチ線と平行な対のカム面11を形成してい
る。なお、前記ラック歯10のピッチ線は、各スライド
枠9A、9B、9Cが移動する向きと直交する向きであ
る。
【0037】前記ラック歯10は、例えば、上下に突出
する突部37、37を形成することができる。この突部
37は、枠板33、34に形成された斜溝39にスライ
ド自在に挿入される。
【0038】又各ラック歯10は、歯の反対側に、溝部
40を形成している。この溝部40には、環状バネ41
が周回して挿入されている。従って、向き合ったラック
歯10、10は、常時、接近する向きに付勢される。こ
のとき、ラック歯10の歯先は、前記カム面11よりも
内側に突出する。
【0039】本実施例では、ラック歯10は、前記互い
に最も接近した状態において、ピッチ線の位置が、前記
カム面11から内側に1.5mm突出している。なお、ラ
ック歯10のピッチ線は、前記カム面11と揃えても良
く、又、異ならせても良いのは言うまでもなく、あくま
で、後述するカム板13、ピニオン12との相対位置関
係で定めればよい。
【0040】前記斜溝39は、ラック歯10の歯先から
歯元側へ移動するにつれて、反時計方向の位置になるよ
うに傾けるのが良い。斜溝39は、ラック歯10のピッ
チ線に対して鋭角側で図ったとき、60゜〜85°程度
で傾けるのが好ましい。これによって、ラック歯10
は、動力伝達時、逃げを最小とする。つまり、変速装置
1は、動力損失を低減する。
【0041】前記ラック歯10は、各ピニオン12A、
12B、12C(図5に示す)との噛み始めに、歯の衝
合、噛合ピッチ不良、噛込みなどが生じた場合、前記斜
溝39に沿ってピニオンから逃げることができる。つま
り、ラック歯10は、ピニオン12と円滑に噛み合うこ
とができる。
【0042】又、自転車Mが坂道を下るような場合、ペ
タルPを停止させることがある。このとき、各ピニオン
12A、12B、12Cは停止している。しかし、被動
ケース2は、自転車のタイヤから時計方向の回転力を受
ける。
【0043】このような場合でも、ラック歯10は、停
止したピニオン12と接触すると、前記斜溝39に沿っ
て滑らかに逃げることができる。つまり、ラック歯10
が、あたかも、ラチェットのように機能し、ピニオン1
2A〜12Cとの噛み合いを避けることができる。
【0044】又、前記各枠板33、34は、スライド方
向の両端を、例えば、円弧で形成しているものを示す。
この円弧は、筒部2Aの内径と、ほぼ等しい。なお、前
記両端に切欠部36を形成しても良い。この場合、スラ
イド枠9A、9B、9Cは、前記両端と、取付部T1と
の衝合が防止でき、大きなスライド量を確保できる点で
好ましい。
【0045】又前記枠板33、34は、例えば、張出部
42を形成することができる。張出部42は、前記レー
ル面14を超え、しかもレール面を上下から覆う。これ
により、各スライド枠9は、前記各レール部5からの離
脱を防ぎ、位置ずれをも防ぐ点で好ましい。
【0046】次に、前記駆動軸4は、図1、図2、図5
に示すように、例えば、スプライン軸を用いることがで
きる。この駆動軸4は、駆動ギヤ50、3つのピニオン
12A、12B、12Cを一体的に固着している。又各
ピニオン12A、12B、12Cは、前記向き合ったラ
ック歯10の一方と噛合うとき、他方のラック歯10と
は接触しない大きさである。
【0047】又、各ピニオン12A、12B、12C
は、図5に示すように、円形断面のボス部86を形成し
ている。そして、このボス部86には、カム板13A、
13B、13Cが回転自在に軸支されている。カム板1
3Dは、前記駆動軸4に軸受93を介して軸支されてい
る。
【0048】なお各カム板13は、前記ボス部86に玉
軸受などを介して取り付けても良い。さらに、ピニオン
のボス部86を省略し、前記駆動軸4に軸受けを介して
取り付けることができる。このような場合には、カム板
の移動が円滑となる点で好ましい。
【0049】前記カム板13A、13B、13C、13
Dは、図5、図11に示すように、この実施例では、オ
ムスビ状の輪郭を採用することができる。そして、この
オムスビ状の輪郭は、図11に示すように、平行な2直
線が挟む長さHが、常に等しいように設計されている。
【0050】前記カム板13は、具体的には、次のよう
にして定めている。図11に示すように、先ず、基準と
なる頂点P1、P2、P3を定める。この頂点は、一つ
の円周上に等間隔で配置される。この実施例の場合、頂
点P1、P2、P3は正三角形の頂点をなす。
【0051】次に、前記正三角形(P1−P2−P3)
の各頂点から、曲率半径R1、R2(R1<R2で、R
2は、前記正三角形の1辺よりも大)で角度60゜の大
円弧(曲率半径R2)と小円弧(曲率半径R1)を対角
の位置で描く。そして、これらを順次連ねて形成する。
【0052】前記曲率半径R1は、前記ピニオン12の
ピッチ円半径に近似させている。又前記曲率半径の合計
長さ(R1+R2)=Hを、スライド枠9の前記カム面
11、11間の距離と等しくする。
【0053】カム板13A、13B、13C、13D
は、例えば、図5に示すように、軸穴87を形成してい
る。この軸穴87は、前記基準正三角形の一頂点を中心
とする。又この軸穴87は、前記ピニオン12A、12
B、12Cのボス部86を同心に挿入する。
【0054】本例では、カム板13に取り付けられたピ
ニオン12は、ピッチ円の位置が、カム板の曲率半径R
1の円弧から1.5mm内側に引き込んで位置する。従っ
て、前記カム板13の輪郭に、カム面11、11が案内
されて、スライド枠9を回転させる場合、ラック歯10
のピッチ線は、ピニオン12のピッチ線に常に接して移
動することができる。
【0055】このように、スライド枠9がカム板13に
案内されて回転する際、ピニオン12とラック歯10と
のピッチ線が接するよう夫々の相対位置関係を定めるこ
とにより、歯車の噛み合いが確実に、しかも滑らかに行
われる利点がある。従来の変速装置は、このような効果
を発揮できない。
【0056】カム板13Aは、図1に示すように、前記
揺動アーム23を回動自在に支持している。例えば、揺
動アーム23の受筒部54は、前記カム板13Aの軸穴
86内に挿入される。なお、このとき、軸受を介在させ
ても良い。
【0057】又、カム板13A、13B、13C、13
Dは、夫々、同じ位置に孔部89を形成している。そし
て、カム板13A、13B、13C、13Dは、孔部8
9にボルト90を通し、輪郭を揃えて一体的に固着され
る。
【0058】カム板13A、13B、13C、13D
は、向き合うカム面11に、ともに接触することによっ
て、各ピニオン12A、12B、12Cに対するラック
歯10の移動軌跡を、前記レール部5と協働して定め
る。そして、前記スライド枠9は、被動ケース2の回転
とともに、レール部5を移動することができる。
【0059】さらに、カム板13Aと13Dとには、夫
々上下に膨出した膨出部92を形成している。前記膨出
部92は、互いに平行な偏平面92A、92Aと、この
偏平面92A、92Aの両端をつなぐ円弧面92B、9
2Bとを有している。
【0060】カム板13の輪郭を前記のように定め、か
つ、前記ピニオン12とラック歯10のピッチ線が接す
るように相互の位置を定めた場合には、半径(R1+R
2)の円板カムを用いた場合に比べ、次の利点がある。
【0061】(a)ラック歯10とピニオン12との噛
合歯数が多くなる。 (b)スライド枠9の回転中心は、前記正三角形の頂点
を順番に移動する。特に、カム板13A、13B、13
C、13Dの中心が、前記回転中心線CLと一致した状
態(図17に示す)において、対のラック歯10のう
ち、ピニオン12に近づく側のラック歯は、周速度が低
下する。つまり、ラック歯10は、滑らかにピニオン1
2に噛み合いを始める。 (c)回転ムラも減じることができる。
【0062】次に、前記偏位手段3は、図1、図2、図
3、図4、図7、図8、に示すように、回転自在な入力
筒20(入力手段)と、カウンタギヤ21(回転力伝達
手段)と、回転枠22と、揺動アーム23と、抵抗手段
25とを有する。
【0063】入力筒20は、例えば、入力端側におい
て、軸受を介して前記固定軸29に回転自在に支持され
ている。又、他端側は、クラッチケース110に回転自
在に取り付けられている。
【0064】前記クラッチケース110は、例えば、図
7に示すように、円筒部111と、フランジ部112と
を具える。円筒部111は、一方向噛合クラッチ30を
介して前記固定軸29に取り付けられている。そして、
本実施例では、クラッチケース110は、固定軸29に
対して時計方向にのみ回転することができる。従って、
反時計方向には、回転することができない。
【0065】又、入力筒20は、スプロケット43を一
端に固着している。このスプロケット43は、被動ケー
ス2の外部へ露出する。スプロケット43は、例えば、
自転車のペダルPにより周回するチェーンCなどが装着
される。
【0066】又、前記入力筒20は、図7に示すよう
に、一端側にギヤ部45を形成している。このギヤ部4
5は、前記回転枠22のカウンタギヤ21(後述)と噛
み合うように形成されている。
【0067】前記回転枠22は、図1に示すように、外
蓋46と内蓋47とを一体的に固着して形成されてい
る。前記外蓋46は、前記蓋体2Bに回転自在に軸受さ
れている。さらに、外蓋46は、取付部46B(図7に
示す)を前記クラッチケース110のフランジ112に
固定している。
【0068】従って、回転枠22は、時計方向にのみ回
転することができる。なお回転枠22の時計方向への回
転は、変速装置の故障時、自転車の前進を許容し、ロッ
クを防ぐのにも役立つ点で好ましい。
【0069】又内蓋47は、図3に示すように、例え
ば、円環体59として形成されている。内蓋47は、内
部に開口円部60を形成する。又、この内蓋47は、外
蓋46側に向けて突出するピン49、取付座65(3箇
所)、支軸69などを設けている。
【0070】又、外蓋46は、前記ピン49を支持する
孔、前記取付座65に挿入される取付軸66(図1に示
す)などを適宜設けている。
【0071】さらに、内蓋47は、図3に示すように、
前記開口円部60に、凸部61を設けている。この凸部
61は、前記開口円部60の内周円から内へ突出してい
る。又、内蓋47の外周部は、円弧面62Aを有した係
合凹部62を形成している。この円弧面62Aは、前記
ピン49を中心とする円弧である。
【0072】前記揺動アーム23は、図1、図3、図4
に示すように、揺動の支点となるボス部57を有する。
このボス部57は、前記内蓋47のピン49に回動自在
に支持される。前記ボス部57の一端側には、アーム体
53を形成している。なお、図4は、筒部2Aの断面
を、ブレーキドラムBD側から見た断面図である。
【0073】アーム体53の端部には、内蓋47側へ係
合ピン56を突設している。又、アーム体53の端部に
は、例えば、外蓋46側へ支持ピン67を突設してい
る。
【0074】前記係合ピン56は、円弧面62Aに沿っ
て移動し、前記係合凹部62に係合する。このとき、揺
動アーム23は、離間揺動(後述)を停止する。又揺動
アーム23の係合ピン56は、図3に示すように、補助
板27の長孔99に挿入されている。
【0075】前記支持ピン67は、小さいバネ定数のバ
ネ67の一端を支持する。このバネ67の他端は、前記
支軸69に支持される。従って、揺動アーム23が、ボ
ス部57を支点として反時計方向に回転すると、このバ
ネ67は、のび、弱い復元力を生じる。なお、このバネ
67は、省略することができる。
【0076】前記ボス部57の他端側には、端部に歯車
部26を設けた扇状部材24が設けられている。又この
扇状部材24は、受筒部54を形成している。この受筒
部54は、駆動軸4を回動自在に支持する。
【0077】前記歯車部26は、前記ボス部57を中心
とするピッチ円で形成される。なお、ボス部57、受筒
部54は、軸中心が前記回転中心線CLに平行である。
従って、前記駆動軸4は、被動ケース2の回転中心線C
Lと平行に配置される。
【0078】前記補助板27は、例えば、前記内蓋47
と同芯に回動する環状体95である。補助板27は、周
囲に設けた環状の突起96を、内蓋47の環状溝63に
案内させる。なお前記長孔99は、張出片97に形成さ
れている。
【0079】前記補助板27は、略長方形状の開口10
1を形成するガイド枠100を具える。ガイド枠100
は、互いに平行な案内片102と、その両端をつなぐ円
弧片103とから構成されている。
【0080】円弧片103、103の最大外面寸法は、
前記内蓋47の前記開口円部60に挿入可能な寸法であ
る。本例では、円弧片103、103の最大外面寸法
を、前記開口円部60の径とほぼ一致させている。
【0081】従って、補助板27は、開口円部60に案
内されて、しかも回転枠22と同心で滑らかに回転する
ことができる。又、案内片102、102は、前記カム
板13Aの膨出部92(図5に示す)を案内することが
できる。
【0082】具体的には、前記補助板27の案内片10
2、102間で、前記膨出部92の偏平面92A、92
Aを支持する。従って、駆動軸4は、この案内片102
に沿って所定の範囲でスライドすることができる。
【0083】又カム板13Dの膨出部92は、図6に示
すように、取付板17のガイド枠104に移動自在に支
持されている。なお、取付板17は、蓋部2Cに対して
回動自在に枢支される。しかし、取付板17は、一方向
噛合クラッチ30により、回転枠22と同様、反時計方
向には回転することができない。
【0084】取付板17のガイド枠104は、互いに平
行な案内片105と、この間をつなぐ円弧片106とを
具えている。そして、ガイド枠104は、内部に空所1
09を形成し、前記カム板13Dの膨出部92をスライ
ド可能に支持している。
【0085】カム板13Aの膨出部92は、前記補助板
27のガイド枠101により支持される。又カム板13
Dの膨出部92は、前記取付板17のガイド枠104に
より支持される。これらのガイド枠により、駆動軸4
は、被動ケース2の回転中心線CLと直角の向きに移動
することができる。この移動は、揺動アーム23の揺動
(後述)により行われる。
【0086】前記カウンタギヤ21は、入力筒20と駆
動軸4との間で、回転力を伝達することができる。カウ
ンタギヤ21は、例えば、図1に示すように、外蓋46
と内蓋47との間に、前記ピン49にて回動自在に支持
される。又、カウンタギヤ21は、図3、図7に示すよ
うに、第1ギヤ部51と第2ギヤ部52とを一体的に形
成している。
【0087】前記第1ギヤ部51は、前記入力筒20の
ギヤ部45と噛み合う(図7参照)。なお、前記外蓋4
6は、切り欠き部46Aを形成し、前記噛み合いを可能
にしている。又前記第2ギヤ部52は、駆動軸4の駆動
ギヤ50に噛み合う。
【0088】前記抵抗手段25は、図3、図8、図10
ように、第1回転体70と、1方向回転カム71と、第
2回転体72と、摩擦クラッチ73とを有し、例えば、
前記回転枠22に設けられる。
【0089】第1回転体70は、例えば、図4に示すよ
うに、揺動アームの歯車部26と噛み合う歯車からな
る。従って、揺動アーム23の揺動で回転する。なお、
この第1回転体70は、図8に示すように、軸74にブ
ュシュなどを装着し、回転自在に設けられる。そして、
第1回転体70には、歯車75が噛み合っている。この
歯車75は、回転軸76にキー等で一体的に設けられ
る。
【0090】なお、前記各回転体は、ベルト、チェーン
などと溝車、スプロケットなどの組み合わせによる回転
力伝達機構に置換することができる。
【0091】次に、第2回転体72は、例えば、1方向
回転カム71を経由して前記第1回転体70の回転力を
受ける歯車である。そして、この第2回転体72は、前
記回転軸76に、1方向回転カム71を介して取り付け
られている。
【0092】1方向回転カム71は、例えば、内輪71
Aと外輪71Cとの間に、カム71Bを介在させたもの
を示している。しかし、これに限定するものではなく、
回転軸に直接カムを設けても良い。そして、1方向回転
カム71は、本実施例では、回転軸76の反時計方向の
回転力のみを第2回転体72に伝達する。
【0093】従って、回転軸76の時計方向の回転力
は、第2回転体72に伝達されることなく空回りする。
この作用は、揺動アームの離間揺動(後述)に基づく第
1回転体70の回転のみを前記第2回転体72に伝える
ことである。前記第2回転体72には、第1回転体70
の回転数を増す歯車列が噛み合っている。そして、この
歯車列の最終段には、摩擦クラッチ73が連係してい
る。
【0094】歯車列は、第1回転体70と同軸の歯車7
7、上下に歯車を一体形成したアイドル歯車79、前記
歯車77と同軸上に支持される歯車80、前記第2回転
体72に回転自在に支持される歯車81(最終歯車)で
ある。この歯車列は、揺動アーム23の微小な揺動も、
増幅して前記摩擦クラッチ73に伝えることができる。
なお、これらの歯車列は省略しても良く、又段数を変え
ることなど適宜変更してもよい。
【0095】摩擦クラッチ73は、図8、図10に示す
ように、例えば、固定軸114と、2種類の摩擦板11
5、116と、回転ケース117とから構成される乾式
のものを示す。
【0096】固定軸114の断面は、非円形である。こ
の固定軸114は、前記内蓋47の止め穴119に挿入
される。この止め穴119は、固定軸114とほぼ同一
の断面で形成される。従って、固定軸114は、回転す
ることができない。また、固定軸114は、ボルト穴1
14Aを形成している。
【0097】前記固定軸114には、バネ107を介し
て2種の摩擦板115、116が交互に挿入されてい
る。摩擦板は、前記固定摩擦板115と回転摩擦板11
6とをそれぞれ複数枚用いている。
【0098】固定摩擦板115は、固定軸114の断面
と同形の開口115Aを有している。従って、固定摩擦
板115は、前記固定軸114に対して回転できない。
【0099】回転摩擦板116は、固定軸114に対し
て回転可能な円形の開口116Aを有している。そし
て、両側に突片116B、116Bを形成している。
【0100】回転ケース117は、歯車部119を有し
ている。この歯車部119は、前記歯車列の最終の歯車
81に噛み合っている。又、回転ケース117は、前記
突片116Bを挿入しうる2つの溝120、120を形
成している。従って、回転摩擦板116は、回転ケース
117と一体となる。
【0101】回転ケース117は、ボルト121で前記
固定軸114に取り付けることができる。固定摩擦板1
15、回転摩擦板116は、バネ107と回転ケース1
17により、互いに強く押しつけられる。この摩擦クラ
ッチ73の動作は次の通りである。
【0102】歯車部119に回転力が入力されると、回
転ケース117は、回転摩擦板116と共に回転しよう
とする。しかし、回転摩擦板116は、固定摩擦板11
5との間の摩擦力によって、容易には回転することがで
きない。
【0103】前記入力が、摩擦力よりも小さいと、回転
ケース117は静止を保つ。つまり、摩擦クラッチ73
は、入力に対する抵抗として作用する。入力が、摩擦力
を超えた場合、2種類の摩擦板115、116は、互い
にスリップし始め、回転ケース117は、固定軸114
に対して回転する。
【0104】前記摩擦力は、ボルト121の締め付け量
を調節することによって、変えることができる。このた
め、前記外蓋46及び蓋体2Bにも調節穴122が設け
られている。従って、好みに応じた抵抗力に調節でき、
又、その作業性を容易としている。なお、蓋体2Bに形
成された調節穴122は、通常、キャップなどで閉じら
れ、被動ケース2を密閉しうる。
【0105】図9には、前記抵抗手段25の他の実施例
を示している。この実施例では、第1回転体70は、揺
動アーム23の歯車部26と直接噛み合う歯車からな
る。又、第1回転体70は、回転軸76と一体的に回転
する。
【0106】第2回転体72は、前記回転軸76に、1
方向回転カム71を介して装着されている歯車からな
る。そして、第2回転体72は、その歯車部を、直接、
摩擦クラッチ73の歯車部119に噛み合わせている。
【0107】さらに、1方向回転カム71は、回転軸7
6の時計方向の回転力のみを前記第2回転体72に伝え
ることができる。1方向回転カム71は、前記回転軸7
6の反時計方向の回転力は、前記第2回転体72には伝
えることができない。即ち、前記実施例とは逆向きであ
る。
【0108】又、この実施例では、第1回転体の回転数
を増す別の歯車列を設けていない。従って、第2回転体
72の歯車部は、摩擦クラッチ73の歯車部119より
も大きなピッチ円のものを採用し、増速の働きをする。
この実施例では、増速用の歯車列がないため、装置の小
型化、低価格化、構造容易化を達成する。
【0109】なお、摩擦クラッチ73は、前記乾式の場
合、単板式でも良く、又摩擦面の形式には円錐面などに
変形することができる。そして、前記乾式の他、湿式の
ものを用いることもできる。
【0110】以上のように構成された本実施例の変速装
置1の動作について説明する。自転車Mの停車中、揺動
アーム23は、スプロケット43側から見ると、図12
に示すような位置にあるものとする。この状態では、駆
動軸4の中心と、被動ケース2の回転中心軸CLとは同
軸上に位置する。
【0111】自転車Mを前進させるために、ペダルPの
回転操作を行う。ペダルPに加えられたトルクは、チェ
ーンCを介してスプロケット43に伝達される。その入
力トルクは、スプロケット43を時計方向に回転させよ
うに作用する。
【0112】また入力トルクは、カウンターギヤ21に
伝達される。しかし、自転車Mの停車状態から、駆動ギ
ヤ50を回転させるには大きなトルクが必要である。
【0113】前記カウンターギヤ21は、駆動ギヤ50
の大きな負荷による反力を受け、回転枠22を反時計方
向に回転させようとする。しかし、回転枠22は、1方
向噛合クラッチ30によって、反時計方向には回転する
ことができない。
【0114】前記摩擦クラッチ73は、揺動アーム23
の揺動に抵抗を与えるが、その抵抗力は、駆動ギヤ50
を始動回転させるためのトルク(以下、負荷トルクとい
う)よりも小さく設定している。
【0115】従って、入力トルクに基づく回転力が、摩
擦クラッチ73の抵抗に打ち勝った場合、カウンターギ
ヤ21は、停止した回転枠22上で、前記駆動ギヤ50
(駆動軸4)と一体的に回転する。この回転の方向は、
ピン49を支点とした反時計方向である。
【0116】明らかなように、揺動アーム23も、前記
ピン49を支点として反時計方向に揺動する(図12か
ら図13へと変化する)。又この揺動は、駆動軸4を前
記回転中心線CLから離間偏位させる離間揺動である。
そして、揺動アーム23は、係合ピン56によって、補
助板27を反時計方向に回転させる。さらに、揺動アー
ム23は、前記バネ68を伸ばす。
【0117】又、図12、図13に示されるように、駆
動軸4は、回転する補助板27のガイド枠100(及び
取付板17のガイド枠104)に、案内されて回転中心
線CLと直交する向きに距離Vを移動する。つまり、駆
動軸4は、前記回転中心軸CLから偏心する。そして、
補助板27、取付板17は、この偏心動作を円滑に行う
ために補助する。
【0118】このとき、補助板27は、図13に示すよ
うに、前記ガイド枠100が、前記開口円部60の係合
凸部61に当接することにより、前記回転を停止させ
る。又、各カム板13A、13B、13C、13Dは、
前記補助板27、取付板17のガイド枠100、109
に沿って、被動ケース2のほぼ中心に移動する。
【0119】さらに、前記揺動アーム23の揺動は、第
1回転体70を時計方向に回転させる。この回転力は、
図8に示すように、歯車75により、回転軸76を反時
計方向に回転させる。
【0120】1方向回転カム71は、この回転を第2回
転体72に伝える。又、第2回転体72の回転力は摩擦
クラッチ73へと伝わる。従って、揺動アーム23の前
記離間揺動には、抵抗力が作用する。この抵抗力は、小
さな入力、又は、入力の変動などによって、揺動アーム
23が、頻繁に離間揺動するのを防ぐことができる点で
好ましい。
【0121】入力トルクが、前記負荷トルクより大きく
なると、駆動ギヤ50(駆動軸4)は、前記偏心した位
置で時計方向に回転する。これによって、ピニオン12
Aは、対をなすラック歯10の一方のみと噛み合うこと
ができる。
【0122】時計方向に回転するピニオン12Aは、図
14に示すように、噛み合うラック歯10を、ピッチ線
方向(図示)に押す。スライド枠9Aは、レール部5a
により、ラック歯10のピッチ線方向には移動できな
い。又、スライド枠9Aは、カム板13Aにより、ピッ
チ線と直交する向きにも移動できない。従って、ラック
歯10は、スライド枠9を、カム板13Aの回りに回転
させる。
【0123】前記スライド枠9Aは、レール部5aを介
して被動ケース2に回転中心線CL回りの時計方向(図
示)のトルクを与える。これにより、後輪32が回転
し、自転車Mが前進する。
【0124】自転車Mの始動時、被動ケース2の回転数
は、ほぼ駆動軸4の回転数を減速比Rrで減速したもの
となる。このときの減速比Rrは、以下の式(1)で表
される。 Rr=PD/RM …(1) (ただし、PDは、ピニオン12のピッチ円半径、RM
は、回転中心軸CLからピニオン12とラック歯10と
の噛み合い位置までの距離である。)
【0125】このように、自転車Mの始動前進時、変速
装置1は、駆動軸4が偏位し、自動的に変速する。又、
この変速は、前記距離RMを大きくし、入力トルクを大
きなトルクで出力する。このような変速は、自転車の始
動に最も好ましい。
【0126】このとき、一つのラック歯10は、本例で
は、被動ケース2の約60゜の回転角度の間、連続して
互いのピッチ線で噛み合うことができる。この噛み合い
が終了した後、被動ケース2が120゜回転したとき
に、対をなすもう一方のラック歯10が、ピニオン12
Aに噛み合いを始める。
【0127】従って、対をなすラック歯10は、それぞ
れ、被動ケース2の180゜毎に、ピニオン12Aと噛
み合いを始める。対のラック歯10は、被動ケース2の
1回転当たり噛み合い角度の合計が120°となる。
【0128】対のラック歯10は、本実施例では、3対
(合計6個)設けられている。そして、3対のラック歯
10は、それぞれ120゜毎に角度を変えて設けられて
いる。従って、被動ケース2が、60゜回転する毎に、
これらのピニオン12A、12B、12Cは、順次ラッ
ク歯10と噛み合う。
【0129】つまり、被動ケース2の1回転中に、少な
くとも、1組のピニオン12とラック歯10との噛み合
いが行われている。又、各ラック歯は、本例では、被動
ケース2の約60゜の回転毎に分担する。この動作は、
あたかも1つの仮想の内歯車が存在するのと同様であ
る。
【0130】このような、変速装置1は、回転ムラがな
く、しかもトルクを確実に伝達することができるため有
利である。
【0131】図14、図15、図16には、始動位置に
おける、ピニオン12A、12B、12Cとラック歯1
0のそれぞれの相対位置関係を示す。又図17は、これ
らを重ね合わせた状態を仮想線で示す。そして、各ラッ
ク歯10には、取り付けられているスライド枠9A、9
B、9Cに応じ、A、B、Cのアルファベットを付して
区別している。
【0132】図17から明らかなように、平面に重ね合
わせて見た場合、各ラック歯10A、10B、10C
は、停止したカム板13の外周に沿って、あたかも、回
転中心軸CLを中心とした1つの仮想の内歯車として機
能している。そして、各ラック歯10A、10B、10
Cは、順次、各ピニオン12A、12B、12Cに噛み
合いを始めようとしているのが理解できる。又各ラック
歯10のピッチ線は、互いに120°の角度で交差する
(交差角度は大きい方で測定する)。
【0133】次に、自転車Mの始動後、被動ケース2の
回転数が、前記駆動軸4の回転数を超える場合がある。
例えば、自転車Mが、後輪32を空転させ坂道を下るよ
うな場合である。このとき、被動ケース2は、負荷トル
クが減少し、最小で0になる。
【0134】被動ケース2の負荷が減少すると、駆動ギ
ヤ50は、負荷の減少、回転数差に応じて前記カウンタ
ーギヤ21の回りを時計方向に回転する。そして、この
駆動ギヤ50の動きは、ピン49を支点とした揺動アー
ム23の時計方向の揺動を伴う。以下、揺動アーム23
のこのような揺動を「復帰揺動」という。
【0135】この復帰揺動は、前記バネ68が縮もうと
する弱い復元力の補助を受けながら、軸受等の機械的摩
擦に何等影響されることなく円滑に行われる。なお、バ
ネ68の補助力は、特に設けなくとも復帰揺動ができ
る。又、前記復帰揺動は、ペダルPからの入力には左右
されず、あくまで、被動ケース2の負荷に基づく。
【0136】前記駆動軸4は、前記駆動ギヤ50、前記
揺動アーム23の復帰揺動により、前記偏心を元に戻す
向きに移動する。本実施例では、被動ケース2の負荷ト
ルクが0になると、図12に示すように、駆動軸4と回
転中心線CLとが一致する。
【0137】前記復帰揺動は、第1回転体70を反時計
方向に回転させる。第1回転体70は、歯車75を介し
て回転軸76を時計方向に回転させる。回転軸76の時
計方向の回転力は、1方向回転カム71により、第2回
転体72に伝達されることはなく空回りする。
【0138】従って、揺動アーム23の復帰揺動には、
摩擦クラッチ73の抵抗力は作用しない。このように、
揺動アーム23は、バネ68の弱い補助力を受けつつ、
滑らかに初期の位置へ向けて移動する。
【0139】駆動軸4は、前記偏心量Vが小さくなる
と、回転中心線CLから、ラック歯10とピニオン12
との噛み合い位置までの距離RMも小さくなる。ここ
で、ピニオン12のピッチ円半径PDは一定である。従
って、前記距離RMが小さくなると、式(1)で示した
減速比Rrは小さくなる。従って、自転車Mの後輪32
は、回転数が増し、速度が上昇する好ましい変速が行え
る。
【0140】従来、自転車の変速機は、運転者が意図的
にレバーを操作し、歯車の噛み合わせを機械的に変える
動作が必要である。これに対し、本発明の変速装置1
は、後輪32の前記負荷トルクの変化に応じ、自動的に
減速比を変えることができる。
【0141】前記駆動軸4は、偏心量Vを最小で0とす
る。このとき、前記半径方向距離RMは、ピニオン12
のピッチ円半径RDと等しくなるため、減速比Rrは、
ほぼ「1」となる。このとき、ピニオン12とカム板1
3とは、回転中心軸CLの回りを一体となって時計方向
に回転する。
【0142】図18、図19、図20には、最も高速側
へ変速した位置における、ピニオン12A、12B、1
2Cとラック歯10のそれぞれの相対位置関係を示す。
又図21は、これらを重ね合わせた状態を仮想線で示
す。そして、各ラック歯10には、取り付けられている
スライド枠9A、9B、9Cに応じ、A、B、Cのアル
ファベットを付して区別している。
【0143】図21から明らかなように、ラック歯10
Aは、ピニオン12Aと噛み合ったまま、一体となって
回転している。このとき、回転枠22も時計方向に回転
する。カム板13A、13B、13C、13Dは、補助
板27に案内されて同様に回転する。
【0144】本実施例では、全体で6個のラック歯10
を有する。ピニオン12と、これらのラック歯10と
は、滑らかに噛み合う。そして、6個のラック歯10
は、あたかも1つの仮想の内歯車として機能する。又、
この仮想の内歯車は、前記駆動軸4の偏位によって、あ
たかもピッチ円を変化するように機能するのは上述の説
明で明らかになろう。
【0145】本実施例では、ピニオン12の歯数を24
T、モジュールを1としたとき、前記仮想の内歯車の最
大ピッチ円のときに相当する歯数は、およそ54Tであ
る。このとき、ピニオン12と、より滑らかに噛み合う
仮想の内歯車の歯数は、6の倍数で減少する。そして、
前記偏心量Vを括弧内に記載する。
【0146】仮想の内歯車の歯数:ピニオンの歯数 54T:24T(V=15mm) 48T:24T(V=12mm) 42T:24T(V= 9mm) 36T:24T(V= 6mm) 30T:24T(V= 3mm) 24T:24T(V= 0mm)
【0147】又、本例の場合、減速比Rrは、0.44
4〜1.000の範囲内で変化することができるが、好
ましいのは次の通りである。 Rr≒0.444 Rr=0.500 Rr≒0.571 Rr≒0.667 Rr=0.800 Rr=1.000
【0148】次に、本発明の他の実施の形態について図
23、図24に基づき説明する。この実施例は、図23
において駆動軸4の下方側に、補助揺動アーム146、
補助板27を追加している点に特徴を有する。なお補助
板27の構成は、前記実施例とほぼ同様である。従っ
て、ここでの説明は省略する。
【0149】前記補助揺動アーム146は、図23、図
24に示すように、揺動の支点となるボス部150を有
する。このボス部150は、取付板149のピン147
に回動自在に支持される。このピン147は、前記揺動
アーム23を支持するピン49と同心の位置に設けられ
ている。
【0150】前記ボス部150からアームの一端側に
は、前記駆動軸4を回転自在に支持する受筒部152を
形成している。前記受筒部152は、例えば、玉軸受1
51を内蔵している。
【0151】又、前記ボス部150からアームの他端側
には、前記補助板27側へ係合ピン153を突設してい
る。前記係合ピン153は、前記補助板27の長孔99
に挿入されている。
【0152】取付板149は、本例では、前記補助板2
7を同心で保持する筒壁155を具える。又、取付板1
49は、クラッチケース部156を一体的に形成してい
る。クラッチケース部156は、前記一方向噛合クラッ
チ30を内部に有している。従って、取付板149は、
反時計方向には回転できない。なお、取付板149は、
前記補助板27の回転を許容する切り欠き部157を形
成する。
【0153】この実施例の作用は、次の通りである。前
記駆動軸4の前記離間揺動、復帰揺動は、補助揺動アー
ム146の揺動を伴わせる。又、この補助揺動アーム1
46の揺動は、前記補助板27の回転をも伴う。
【0154】従って、駆動軸4は、同心で揺動する2つ
のアームによって両端を支持されるため、軸方向のたわ
みや位置ずれが殆ど無く、前記回転中心線CLと常に平
行な状態で偏位することができる。又、補助揺動アーム
146側にも補助板27を設けているため、上下で駆動
軸4の偏位を補助することができ、カムの移動をも滑ら
かにする。
【0155】この作用は、軸方向に並ぶ各ピニオン12
A、12B、12Cと、各ラック歯10との間でこじれ
や、噛み合い不良を防ぐ点で特に優れた好ましいものと
なる。
【0156】本発明は、スライド枠9を3以上の奇数個
設けることができる。そして、対のラック歯10もこれ
に合わせて3個以上(合計6個以上)設けることができ
る。このとき、ラック歯10の個数は、スライド枠9の
個数の2倍となる。好ましいのは、スライド枠9を3
個、5個、7個、9個、11個設けるものである。中で
も、好ましいのは、3個、5個、7個、9個、さらに好
ましいのは3個、5個、7個である。最も好ましいの
は、前記実施例の3の場合である。
【0157】カム板13の輪郭は、これに応じて変える
ことが必要である。スライド枠9が5個、7個の場合、
カム板13の輪郭は、図25、図26に示すようにな
る。
【0158】図25に示すカム板13は、大円弧、小円
弧は、それぞれ36°の角度で交互に連なる。又、図2
6に示すカム板13は、大円弧、小円弧は、それぞれ約
25.71°の角度で交互に連なる。カム板13は、一
般に、スライド枠9の数が多いほど円に近づく。なおピ
ニオン12は、円弧の中心と同心に設ける。
【0159】従って、仮想的に重ね合わせた各ラック歯
10のピッチ線の交差角度は大きくなり、ピニオン12
との噛み合いが滑らかになる。例えば、スライド枠9が
5個の場合、ラック歯10のピッチ線の交差角度は、1
44°、スライド枠9が7個の場合、ラック歯10のピ
ッチ線の交差角度は、約154.3°になる。
【0160】なお、スライド枠9の個数に応じて、前記
ピニオン12の個数も増す。図示していないが、スライ
ド枠9が9個の場合、大円弧と小円弧とはそれぞれ20
°の角度で交互に並ぶ。
【0161】以上詳述したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、前記したように、各種の工作機
械や、自動車、自動二輪車用などに種々採用することが
できる。
【0162】
【発明の効果】本発明は、駆動軸を、負荷トルクに応じ
て被動ケースの回転中心線から偏位させることができ、
変速の自動化が図れる。又、抵抗手段により、低速側へ
の変速に抵抗力を与えることができ、入力の変化、微小
な入力などによって、頻繁にギヤダウンされるのを防止
できる。さらに、高速側への変速は、抵抗手段の抵抗力
を受けることなく、駆動軸の負荷に応じて行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例の部分斜視図である。
【図4】筒部2Aの断面を、ブレーキドラム側から見た
断面図である。
【図5】駆動軸の分解斜視図である。
【図6】レール部、スライド枠の拡大斜視図である。
【図7】入力筒を説明するため斜視図である。
【図8】抵抗手段を説明するための断面図である。
【図9】抵抗手段の他の実施例を説明するための断面図
である。
【図10】摩擦クラッチを説明するための斜視図であ
る。
【図11】カム板の輪郭を説明するための平面図であ
る。
【図12】駆動軸の偏位を説明するための断面図であ
る。
【図13】駆動軸の偏位を説明するための断面図であ
る。
【図14】ピニオン12Aとスライド枠9Aとの相対関
係を示す断面図である。
【図15】ピニオン12Bとスライド枠9Bとの相対関
係を示す断面図である。
【図16】ピニオン12Cとスライド枠9Cとの相対関
係を示す断面図である。
【図17】図13〜図15を重ね合わせた仮想の線図で
ある。
【図18】ピニオン12Aとスライド枠9Aとの相対関
係を示す断面図である。
【図19】ピニオン12Aとスライド枠9Aとの相対関
係を示す断面図である。
【図20】ピニオン12Aとスライド枠9Aとの相対関
係を示す断面図である。
【図21】図17〜図19を重ね合わせた仮想の線図で
ある。
【図22】本発明が自転車に採用された場合の実施例を
示す線図である。
【図23】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図24】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図25】カム板の他の輪郭を示す平面図である。
【図26】カム板の他の輪郭を示す平面図である。
【図27】従来の変速装置を説明するための斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 被動ケース 3 偏位手段 4 駆動軸 5 レール部 6 開口部 7 内辺 9 スライド枠 10 ラック歯 11 カム面 12 ピニオン 13 カム板 20 入力筒(入力手段) 21 カウンターギヤ(回転力伝達手段) 22 回転枠 23 揺動アーム 25 抵抗手段 27 補助板 29 固定軸 30 一方向噛合クラッチ 32 後輪 70 第1回転体 71 1方向回転カム 72 第2回転体 73 摩擦クラッチ 146 補助揺動アーム M 自転車 S 静止部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静止部材に回転自在に支持される被動ケー
    スと、前記被動ケースの回転中心線と平行に配される駆
    動軸と、前記駆動軸を前記回転中心線と直交する向きに
    偏位させる偏位手段とを有し、 前記被動ケース内には、前記回転中心線方向に、複数個
    のスライド枠を並べて設け、 前記各スライド枠は、前記駆動軸を通す開口部と、歯を
    向き合わせた平行な対のラック歯と、前記ラック歯のピ
    ッチ線と平行な向き合うカム面とを有し、前記被動ケー
    ス内に設けられたレール部により、前記ラック歯のピッ
    チ線と直交する向きで、しかも前記回転中心線と直交す
    る平面内を移動可能に案内され、 前記駆動軸は、前記ラック歯に噛み合う複数個のピニオ
    ンと、前記向き合うカム面に接触して前記スライド枠の
    位置を定めるカム板とを有し、 前記各ラック歯が、回転する前記各ピニオンに噛み合
    い、1つの仮想の内歯車として機能することにより、前
    記スライド枠が、前記レール部を介して前記被動ケース
    を前記回転中心線回りに回転させるとともに、 前記駆動軸の前記偏位により、前記回転中心線から前記
    噛み合い位置までの距離を変化させ変速比を変えるよう
    にした変速装置であって、 前記偏位手段は、回動自在な入力手段と、この入力手段
    と前記駆動軸との間で回転力を伝達する回転力伝達手段
    と、前記回転力伝達手段を前記回転中心線とは異なる位
    置で回転自在に軸支し、かつ前記回転中心線廻りで一方
    向のみ回転可能な回転枠と、この回転枠に前記回転力伝
    達手段と同芯で軸支されて揺動し、かつ前記駆動軸を一
    端部で回転自在に支持する揺動アームと、揺動アームの
    揺動に抵抗力を与える抵抗手段とを有し、 前記回転力伝達手段は、被動ケースの負荷による反力
    と、入力手段の入力とを受けることによって、前記駆動
    軸と一体的に回転し、前記揺動アームを、駆動軸が前記
    回転中心線から離間偏位する向きに離間揺動させるとと
    もに、 前記抵抗手段は、揺動アームの揺動で回転する第1回転
    体と、前記揺動アームの前記離間揺動に基づく第1回転
    体の回転力のみを伝達しうる1方向回転カムと、この1
    方向回転カムを介して前記第1回転体の回転力を受ける
    第2回転体と、前記第2回転体の回転に抵抗力を付与す
    る摩擦クラッチとを具えたことを特徴とする変速装置。
  2. 【請求項2】前記揺動アームは、揺動によって、前記回
    転枠と同心に回転自在に保持された補助板を回転させる
    とともに、 この補助板は、前記駆動軸の前記偏位を案内するガイド
    枠が形成され、しかも回転によって、前記駆動軸の偏位
    を補助することを特徴とする請求項1記載の変速装置。
  3. 【請求項3】前記回転枠は、一方向噛合クラッチを介し
    て前記静止部材に支承されることにより、前記一方向に
    のみ回動しうることを特徴とする請求項1〜2記載の変
    速装置。
  4. 【請求項4】前記静止部材は、自転車の車体に固定され
    る固定軸であることを特徴とする請求項1〜3記載の変
    速装置。
  5. 【請求項5】前記スライド枠は、前記回転中心線方向に
    並んで3個設けられるとともに、前記各レール部は、前
    記スライド枠を互いに120゜の角度で異なる移動の向
    きに案内することを特徴とする請求項1〜4記載の変速
    装置。
  6. 【請求項6】被動ケースは、スポークでタイヤと一体的
    に回転するように、自転車の後輪に組み込まれたことを
    特徴とする請求項1〜5記載の変速装置。
  7. 【請求項7】前記入力手段は、自転車のペダルから回転
    力を付与されるとともに、前記静止部材は自転車のフレ
    ームの一部である請求項6記載の変速装置。
  8. 【請求項8】前記カム面から前記ラック歯のピッチ線の
    位置までの距離が、前記カム板の輪郭をなす曲率半径R
    1の円弧から前記ピニオンのピッチ線の位置までの距離
    と等しいことを特徴とする請求項1〜7記載の変速装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009144732A (ja) * 2006-08-09 2009-07-02 Tai-Her Yang スプリング装置

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JP2009144732A (ja) * 2006-08-09 2009-07-02 Tai-Her Yang スプリング装置

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