JP4119953B2 - 自転車用回転動力伝達装置 - Google Patents

自転車用回転動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4119953B2
JP4119953B2 JP2002382401A JP2002382401A JP4119953B2 JP 4119953 B2 JP4119953 B2 JP 4119953B2 JP 2002382401 A JP2002382401 A JP 2002382401A JP 2002382401 A JP2002382401 A JP 2002382401A JP 4119953 B2 JP4119953 B2 JP 4119953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sprocket gear
intermediate plate
crank arm
crankshaft
bicycle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002382401A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004210134A (ja
Inventor
久 蕪木
Original Assignee
久 蕪木
林 紀久枝
株式会社サカモトテクノ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 久 蕪木, 林 紀久枝, 株式会社サカモトテクノ filed Critical 久 蕪木
Priority to JP2002382401A priority Critical patent/JP4119953B2/ja
Publication of JP2004210134A publication Critical patent/JP2004210134A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4119953B2 publication Critical patent/JP4119953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車走行に際しクランクアームを回転させるペダルに対する踏み込み力の回転力への変換時の効率化を図って円滑な走行を可能にし、走行時のペダル踏み込みの負担を軽減できるようにした自転車用回転動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自転車用回転動力伝達装置は、自転車のフレームに形成したクランク軸受によって、ペダルが設けられている左右のクランクアームを一体状に連繋するクランク軸を支承し、クランクアームの回転によって従動回転されるスプロケット歯車と、後輪用の従動スプロケット歯車との間で掛巡されている駆動チェーンによって後輪を回転させるものであって、この場合、スプロケット歯車の回転軸とクランク軸とは同軸上に配置された構造となっている。また近時においては、走行時のペダル踏み込みの負担を軽減するために、例えば変速制御機構やモータ駆動力を利用した電動補助自転車等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のようにスプロケット歯車の回転軸とクランク軸とが同軸上に配置されている場合では、走行時のペダル踏み込みに際し、スプロケット歯車に対し、左右のクランクアームの予め設定されているアーム長さに対応した回転モーメント(トルク)しか得られないために、走行時のペダル踏み込みの負担が掛かり過ぎてしまうことがあり、そうすると円滑な走行が不可能となり、身体に対する肉体的な疲労も大きくなるものであった。また、変速制御機構を使用した場合では、大小の複数の歯車の噛み合わせを変更させるために多段的なギヤチェンジ操作が必要とされ非常に煩わしいものとなる。一方、モータ駆動力を利用した電動補助自転車等ではこのモータの重量によって自転車自体が重量的にも形態的にも嵩張るものとなり取扱いが面倒なものとなるのである。しかもモータ駆動力の利用はそのための動力源、例えば蓄電池の搭載が必要であるからなお一層重量的にも嵩張るのであり、そのための充電操作も煩わしく、また高価なものとならざるを得ないものである。しかも駆動モータ出力の調整によるものでは走行路面の状態を適切に検出してこれに対応した出力を調整する必要があり、これを手動操作で行なうとしても面倒なものである。
【0004】
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、自転車走行に際し回転させるクランクアームのペダルに対して踏み込みの負担を軽減し、しかも踏み込み力の回転力への変換時の効率化を図って円滑な走行を可能にした簡易な構造による自転車用動力伝達装置を提供することを目的とするものであり、必要があれば車椅子の走行輪の回転伝達機構としても利用できるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明にあっては、自転車10のフレーム11に回転可能に枢着され、ペダル14が設けられている左右のクランクアーム15の回転によって従動回転されるスプロケット歯車6と、後輪用の従動スプロケット歯車17との間で掛巡されている駆動チェーン16によって後輪を回転させる自転車用回転動力伝達装置であって、クランクアーム15における入力側回転モーメントとスプロケット歯車6における出力側回転モーメントとを互いに異ならしめるようクランク軸13に対して偏心配置されたスプロケット歯車6に、偏心回転可能な中間板1を連繋配置して成る駆動伝達機構Pを備えたものである。
駆動伝達機構Pは、フレーム11に固定した支承固定円板2の偏心位置に設けた軸受孔2Cにクランク軸13を回転可能に貫挿して支承固定円板2と対向配置したクランクアーム回転板3の回転中心に連結すると共に、支承固定円板2に対し中央を回転可能に枢着したドーナツ型のスプロケット歯車6の一側面に中間板1の一側面を回転可能に連繋し、クランクアーム回転板3に対し中間板1の他側面を回転可能に連繋し、クランク軸13に対して中間板1が偏心回転可能となるようにクランク軸13と係合するガイド長溝孔1Aを中間板に設けて成るものとできる。
クランク軸13には、ガイド長溝孔1Aに係合されたガイド用スライドカム4を介して中間板1がスライド自在に連繋され、ガイド用スライドカム4、クランクアーム回転板3それぞれは、各一端が中間板1に回転可能に枢着された一対の第一リンクアーム5A,5Bそれぞれの他端に回転可能に枢着され、スプロケット歯車6側面、中間板1側面それぞれは第二リンクアーム5C,5Dを介して回転可能に連繋して成るものとできる。
中間板1は、ガイド長溝孔1Aが楕円短軸に合致した楕円形状に形成されていたり、また支承固定円板2の軸受孔2Cに支承されたクランク軸13は、スプロケット歯車6の中心軸位置に対し、後輪用の従動スプロケット歯車17の回転軸と反対位置に配置されていたりすることができる。
【0006】
以上のように構成された本発明に係る自転車用動力伝達装置にあって、ペダル14に対する踏み込みによるクランクアーム15の回転は、当該クランクアーム15に一体のクランクアーム回転板3、ガイド用スライドカム4それぞれを回転させ、ガイド長溝孔1Aに係合しているガイド用スライドカム4、クランクアーム回転板3相互間に回転可能に介設された第一リンクアーム5A,5Bによって楕円形状の中間板1を偏心回転させる。このときガイド用スライドカム4はガイド長溝孔1Aに沿って相対スライドしながら中間板1を略円形の軌道に沿って円滑に回転させる。
そして中間板1側面に連繋している第二リンクアーム5C,5Dを介してドーナツ型のスプロケット歯車6を中央の支承固定円板2の周りに回転させながら、スプロケット歯車6に円滑に回転力を伝達させ、駆動チェーン16を介して後輪用の従動スプロケット歯車17を従動回転させる。
こうして駆動伝達機構Pによる中間板1は、クランクアーム回転板3とスプロケット歯車6との間で偏心回転運動を行わせられ、クランクアーム回転板3における入力側回転モーメントとスプロケット歯車6における出力側回転モーメントとを互いに異ならしめるように作動させるものとなる。
ガイド長溝孔1Aが楕円短軸に合致した楕円形状に形成され、偏心回転する中間板1は、クランクアーム回転板3における入力側回転モーメントに対し、スプロケット歯車6における出力側回転モーメントを小さくさせ、これにより駆動チェーン16を介して後輪用の従動スプロケット17を常時一定のペダル14に対する踏み込み力で略定速度で自転車10を走行させる。
スプロケット歯車6の中心軸位置に対し、後輪用の従動スプロケット歯車17の回転軸と反対位置に配置されている支承固定円板2の軸受孔2Cに支承されているクランク軸13は、クランクアーム15の回転中心位置に対する中間板1の偏心距離を有効な大きさに設定可能にさせる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するに、図において示される符号10は本発明に係る自転車用動力伝達装置が組み込み配装される自転車であり、自転車10におけるフレーム11下部に設けられているクランク軸受(図示せず)に対し回転自在に支承された後述するクランクアーム回転板3の回転中心に一方のクランクアーム15と共に一体となって開穿形成した角形孔状の嵌合孔12に、クランク軸13の一端に形成した矩形状の突部を嵌め込んである。そしてクランク軸受(図示せず)に対し回転自在に支承され、クランクアーム回転板3の回転中心に同軸であって、しかも偏心した位置に開穿形成した後述する支承固定円板2の円形孔状の軸受孔2Cにクランク軸13を回転可能に嵌挿し、クランク軸13の他端に形成した矩形状の突部を他方のクランクアーム15の嵌合孔12に嵌合してある。このときクランクアーム15に支承した他端のペダル14に対する踏み込みに伴ない回転されるクランクアーム15によって回転させることにより、自転車用動力伝達装置によって動力が効率良く伝達されることで駆動チェーン16を介して後輪用の従動スプロケット歯車17を円滑に従動回転させるようになっている。
【0008】
そして本発明に係る自転車用動力伝達装置自体は、フレーム11のクランク軸受側方にクランク軸13によって連結されたクランクアーム回転板3における入力側回転モーメントと、フレーム11に固定させてある支承固定円板2に回転可能に嵌め合わせたドーナツ型のスプロケット歯車6における出力側回転モーメントとを互いに異ならしめるようクランク軸13に対して偏心配置されたスプロケット歯車6に、偏心回転可能な中間板1を連繋配置して成る駆動伝達機構Pを備えている。この駆動伝達機構Pは、互いにずらして配置されたクランクアーム回転板3とスプロケット歯車6との間に係合配置された状態で偏心回転可能となる中間板1を備えることによって、例えば片寄りのある2軸間に運動を伝える所謂オルダム式食い違い継手機構の如く形成されている。
【0009】
具体的な駆動伝達機構Pの構成としては、嵌合孔12位置からペダル14位置にかけて円弧状に湾曲形成させて成るクランクアーム15の回転に伴ない異なるペダル14位置に対応して例えば図4に示すように中心位置が略円形に近い軌道を描くような偏心回転運動をして相互に片寄りのあるスプロケット歯車6、クランクアーム回転板3それぞれの2軸間に運動を伝える略楕円形状を呈する中間板1を係合配置し、スプロケット歯車6と後輪用の従動スプロケット歯車17との間で掛巡されている駆動チェーン16を回転循環させるものとしてある。
【0010】
図1に示すように、楕円形状の中間板1には、楕円短軸に合致した状態でガイド長溝孔1Aが穿設されており、このガイド長溝孔1Aは、略菱形板状の後述するガイド用スライドカム4中央の幅広部が係合可能な幅員を有する細長状に形成されている。尚、ガイド長溝孔1Aは図示のように、1本の長円状に形成されている場合に限らず、ガイド用スライドカム4の菱形一辺が両端側で合致するような1本の細長状に潰れた平行四辺形状に形成されることもある。
【0011】
クランク軸13には、ガイド長溝孔1Aに係合されたガイド用スライドカム4を介して中間板1がスライドするように連繋されている。すなわちガイド用スライドカム4は、中央に開穿形成した中央孔部4Aに回転可能に嵌挿させた前記クランク軸13を介して、クランクアーム15の回転に従動回転するクランクアーム回転板3の回転中心を支承させた状態で中間板1の一側面側からガイド長溝孔1Aに遊嵌してある。尚、クランク軸13は、図3に示すように、中間板1、クランクアーム回転板3、支承固定円板2それぞれを、それらの相互間に所定間隔を配して支承するように適当なスペーサーを設けてある。
【0012】
またガイド用スライドカム4、クランクアーム回転板3それぞれは、各一端が中間板1に回転可能に枢着された一対の第一リンクアーム5A,5Bそれぞれの他端に回転可能に枢着してある。すなわちガイド用スライドカム4の両端は、一対の第一リンクアーム5A,5Bの各一端側を回転可能に支承した状態でクランクアーム回転板3にネジ止め等によってそれぞれ締結固定されている。そして一対の第一リンクアーム5A,5Bの各他端側は、中間板1中央のガイド長溝孔1Aに対して対称位置となるようにして中間板1側面に回転可能に枢着されている(図2参照)。
【0013】
支承固定円板2は、この円周一端側に軸受孔2Cを穿設した厚肉円形部2Aと、厚肉円形部2Aの外周に延設された薄肉環状縁部2Bとを形成し、軸受孔2Cには自転車のフレーム11に支承されるクランク軸13が回転自在に挿通されるようになっていて、クランクアーム15の回転中心軸Qに軸受孔2Cが合致されることでフレーム11に固定されている。すなわち支承固定円板2の軸受孔2Cには当該軸受孔2C内周に嵌め込まれた例えばボールベアリング等のラジアル軸受けを介してクランク軸13が回転可能に枢着されており、このクランク軸13を介して前記クランクアーム回転板3の回転中心が回転可能となるように支承固定円板2に支承されている。そして厚肉円形部2Aと薄肉環状縁部2Bとによって形成される段差位置には、例えば複数のベアリングを介設する等してドーナツ型のスプロケット歯車6中央の円形開口部6Aを回転可能に係合させるものとなっており、スプロケット歯車6が支承固定円板2の係合位置から逸脱せずに支承固定円板2の周りをスムーズに回転できるよう係合箇所を覆う程度の直径を有するボールベアリングを係合箇所に当てがうようにしてネジ止め固定してある。
【0014】
またスプロケット歯車6、中間板1の相対向する側面は、一対の第二リンクアーム5C,5Dを介して、中間板1に対してスプロケット歯車6が回転可能となるように連繋してある。すなわち中央のクランク軸13に対して対称位置に配した第二リンクアーム5C,5Dは、当該クランク軸13と互いに干渉しないようにクランク軸13位置を避けるように円弧状に湾曲した形状を呈し、且つスプロケット歯車6、中間板1の相対向する側面によって第二リンクアーム5C,5Dがきっちりと挟み込まれずに若干離間された状態を保持するために第二リンクアーム5C,5Dの長手方向に沿った側面形状が中央で若干傾斜している。そしてこの第二リンクアーム5C,5Dの一端はスプロケット歯車6の側面に回転可能に枢着され、他端は中間板1の側面にネジ止め等によって締結固定されている。このとき第二リンクアーム5C,5Dのスプロケット歯車6に対する枢着箇所は、円形開口部6Aに対して左右対称位置にあり、また中間板1に対する締結固定箇所は、前記ガイド長溝孔1Aに対して左右対称位置にある。
【0015】
図4に示すように、このスプロケット歯車6側面の対称位置にある第一リンクアーム5A,5Bの長さは、クランク軸13と同軸回転するガイド用スライドカム4の長さに対して長くなるように設定してある。また、クランク軸13に対してスプロケット歯車6の回転中心が偏心しているため、ペダル14からスプロケット歯車6の回転中心までの距離L2は、ペダル14からクランク軸13までの距離L1よりも大きくなる。
【0016】
フレーム11の両側に位置する左右のクランクアーム15夫々は、フレーム11におけるクランク軸受(図示せず)内で相互に、クランクアーム回転板3における回転中心と同軸となるクランク軸13に対して左右のクランクアーム15夫々の一端に設けた角孔状の嵌合孔12に嵌合させることで、左右で一体状に連繋されていて、クランクアーム15の回転によってクランク軸13、クランクアーム回転板3は一体に回転されるものとしてある。またクランク軸13を回転可能に支承するフレーム11に固定された支承固定円板2の軸受孔2Cは、スプロケット歯車6の回転中心軸に対し、後輪用の従動スプロケット歯車17の回転軸と例えば反対位置に配置されている(図12参照)。尚、支承固定円板2の周りでスプロケット歯車6を円滑に回転させるために、支承固定円板2の薄肉環状縁部2Bとスプロケット歯車6の円形開口部6Aとの間に例えば複数のベアリング等を介挿してあるが、この他、円盤状の支承固定円板2の周縁に配した複数のローラーを介して支承固定円板2の周囲でスプロケット歯車6が抜脱されることなく回転されるようにしても良い(図示せず)。
【0017】
次に図4乃至図11を参照してクランクアーム15の回転に伴なうクランクアーム回転板3、中間板1、スプロケット歯車6を介しての駆動チェーン16の作動について説明すると、従動スプロケット歯車17とスプロケット歯車6との間で掛巡されている駆動チェーン16によってスプロケット歯車6は従動スプロケット歯車17側に常時牽引されている状態にあるのである。そしてこの牽引されている状態でペダル14に対する踏み込みによりクランクアーム15が回転すると、当該クランクアーム15に一体のクランクアーム回転板3、ガイド用スライドカム4それぞれが回転し、ガイド長溝孔1Aに係合しているガイド用スライドカム4、クランクアーム回転板3相互間を連繋すべく介設された第一リンクアーム5A,5Bによって楕円形状の中間板1が偏心回転する。このときガイド用スライドカム4はガイド長溝孔1Aに沿って相対スライドしながら中間板1を略円形の軌道に沿って円滑に回転させる。そして中間板1側面に連繋している第二リンクアーム5C,5Dを介してドーナツ型のスプロケット歯車6を中央の支承固定円板2の周りに回転させながら、スプロケット歯車6に円滑に回転力を伝達し、駆動チェーン16を介して後輪用の従動スプロケット歯車17を従動回転させる。
【0018】
このときガイド長溝孔1Aに係合されているガイド用スライドカム4の両端がクランクアーム回転板3によって中間板1を回転させるときの力のモーメントがかかる位置すなわち入力点Xとなる。一方、一端が中間板1に連繋されている第二リンクアーム5C,5Dの他端が中間板1によってスプロケット歯車6を回転させるときの力のモーメントがかかる位置すなわち出力点Yとなる。こうして駆動伝達機構Pによる中間板1は、クランクアーム回転板3とスプロケット歯車6との間で偏心回転運動を行い、クランクアーム回転板3における入力側回転モーメントとスプロケット歯車6における出力側回転モーメントとを互いに異ならしめるように作動するものとなる。
【0019】
またクランクアーム回転板3のクランク軸13を回転させるためのペダル14位置が作用点となるとすれば、その作用点で、スプロケット歯車6を回転させている結果になる。このときクランクアーム回転板3の中心位置がスプロケット歯車6の中心位置からずれているので、そのずれた分だけ実質的に、クランクアーム15の長さが大きくなっている。そのため、梃子作用により、作用点位置が中心から離れて大きくなれば作用点に掛かる力は小さくて済むので楽にペダル14を踏むことができ、平坦地でも、登り坂等の坂道でも同様に軽くこぐことができるのである。
【0020】
すなわち図5に示すように、例えばクランクアーム回転板3の回転中心に同軸となる支承固定円板2の軸受孔2C位置が、スプロケット歯車6の回転中央部位に対して後輪用の従動スプロケット歯車17の回転軸と反対位置に配置されている場合において、クランクアーム15が上下方向にある位置(図5参照)からペダル14を前側へ向けて回転させ、クランクアーム15が30度で回転した位置(図6参照)、クランクアーム15が60度で回転した位置(図7参照)、クランクアーム15が90度で回転した位置(図8参照)、クランクアーム15が120度で回転した位置(図9参照)、クランクアーム15が150度で回転した位置(図10参照)を経て180度の反転状態に至るまで位置(図11参照)まで回転する間に、ペダル14位置からクランクアーム回転板3の回転中心までのクランクアーム15の距離L1に対して、ペダル14位置からスプロケット歯車6の回転中心までの距離L2が大きいため、実質的にクランクアーム15の距離L1が長くなって力のモーメントの作用点までの長さが伸びた状態となる。
【0021】
しかもスプロケット歯車6側面の対称位置にある第二リンクアーム5C,5D同士の間隔幅が、クランク軸13に対する対称位置にあるガイド用スライドカム4の長さに対して長くなるように設定してあるため、ペダル14に一定の踏み込み力が働いた場合、クランクアーム回転板3、スプロケット歯車6それぞれに対するトルクの関係により、スプロケット歯車6に対し高出力トルクが得られるのである。換言すれば、ペダル14にかかる踏み込み力が小さくても一定のトルクの作用によってスプロケット歯車6を常に円滑に回転させることができるのである。
【0022】
これによりクランク軸13に対して偏心回転する中間板1を介して常に一定のトルクをスプロケット歯車6に付与させ、駆動チェーン16を介して従動スプロケット歯車17を効率良く円滑に回転させるのである。しかも中央の支承固定円板2の周りを回転するドーナツ型のスプロケット歯車6側面の対称位置にそれぞれ2個にして配列形成してある第二リンクアーム5C,5Dにより、これが支承固定円板2の軸受孔2Cに対して対称位置に離隔配置された作用点となってスプロケット歯車6自体に一定の偶力を発生させるため、当該スプロケット歯車6に効率良く円滑に回転力を伝達させるものとなってペダル14に対する踏み込みの負担を軽減させるのである。
【0023】
次に自転車10への駆動伝達機構Pの組込みを説明すると、ペダル14を連繋しているクランクアーム15の回転中心であるクランク軸13は、クランクアーム回転板3の回転中心と同軸となってフレーム11に回転可能に支承配置される。このときスプロケット歯車6の中心軸位置は、クランク軸13位置よりも進行方向の後方に位置させた状態で、支承固定円板2の中心位置に対して偏心した位置で回転可能に支承配置される。尚、クランク軸13はフレーム11の左右に矩形状の突部を突設させ、その突部に左右のクランクアーム15それぞれの角形孔状の嵌合孔12を嵌め込み固着するのであり、フレーム11に固定される支承固定円板2の軸受孔2Cに回転自在に支承したクランク軸13は、フレーム11にしっかりと回転自在に支承されるものとなるのである。
【0024】
尚、駆動チェーン16を掛巡させるスプロケット歯車6の回転中心に対して、クランクアーム15の回転中心位置である支承固定円板2の軸受孔2Cを通る中央回転軸Qを形成するクランク軸13位置は、自転車10の進行方向の前後、上下のいずれであっても良く、自転車10に乗る人のクランクアーム15、ペダル14に対する踏み込み容易な位置に設定されていれば良い。
【0025】
【発明の効果】
上記説明したように本発明の構成によれば、自転車10の走行に際し回転させるペダル14に対して踏み込みの負担を軽減し、しかも踏み込み力の回転力への変換の効率化を図って円滑な走行を可能にする。
【0026】
すなわちこれは本発明が、クランクアーム15における入力側回転モーメントとスプロケット歯車6における出力側回転モーメントとを互いに異ならしめるようクランク軸13に対して偏心配置されたスプロケット歯車6に、偏心回転可能な中間板1を連繋配置して成る駆動伝達機構Pを備えたからであり、これにより、偏心回転する中間板1を介して常に一定のトルクをスプロケット歯車6に付与させ、駆動チェーン16を介して従動スプロケット歯車17を効率良く円滑に回転させるのである。
【0027】
また駆動伝達機構Pは、フレーム11に固定した支承固定円板2の偏心位置に設けた軸受孔2Cにクランク軸13を回転可能に貫挿して支承固定円板2と対向配置したクランクアーム回転板3の回転中心に連結すると共に、支承固定円板2に対し中央を回転可能に枢着したドーナツ型のスプロケット歯車6の一側面に中間板1の一側面を回転可能に連繋し、クランクアーム回転板3に対し中間板1の他側面を回転可能に連繋し、クランク軸13に対して中間板1が偏心回転可能となるようにクランク軸13と係合するガイド長溝孔1Aを中間板に設けて成るので、クランクアーム回転板3と、スプロケット歯車6との間における中間板1の周期的な偏心回転運動により、クランクアーム15を回転させるペダル14に対する踏み込み力の回転力への変換時の動力を的確に伝えることができる。
【0028】
クランク軸13には、ガイド長溝孔1Aに係合されたガイド用スライドカム4を介して中間板1がスライド自在に連繋され、ガイド用スライドカム4、クランクアーム回転板3それぞれは、各一端が中間板に回転可能に枢着された一対の第一リンクアーム5A,5Bそれぞれの他端に回転可能に枢着され、スプロケット歯車6側面、中間板1側面それぞれは第二リンクアーム5C,5Dを介して回転可能に連繋して成るので、クランクアーム回転板3の回転をスプロケット歯車6に円滑に伝達できるものである。しかも、第一リンクアーム5A,5B、第二リンクアーム5C,5D相互間における中間板1のガイド長溝孔1Aにガイド用スライドカム4を係合配置させているため、ガイド長溝孔1Aからのガイド用スライドカム4の離脱を未然に防止することができる。しかも第一リンクアーム5A,5B、第二リンクアーム5C,5Dは、これらが中央の支承固定円板2の偏心した回転軸に対して対称位置に離隔配置されたトルク作用点となってスプロケット歯車6自体に偶力を発生させるものとなり、これによりスプロケット歯車6に効率良く円滑に回転力を伝達させることができペダル14に対する踏み込み力を軽減させることができる。
【0029】
中間板1は、ガイド長溝孔1Aが楕円短軸に合致した楕円形状に形成されているので、偏心回転する中間板1によって、クランクアーム回転板3における入力側回転モーメントに対し、スプロケット歯車6における出力側回転モーメントを小さくできる。これにより駆動チェーン16を介して後輪用の従動スプロケット17を常時一定のペダル14に対する踏み込み力で略定速度で自転車10を走行させることができる。
【0030】
支承固定円板2の軸受孔2Cに支承されたクランク軸13は、スプロケット歯車6の中心軸位置に対し、後輪用の従動スプロケット歯車17の回転軸と反対位置に配置されているので、クランクアーム15の回転中心位置に対する中間板1の偏心距離を有効な大きさに設定させることができる。
【0031】
また本発明に係る駆動伝達機構Pは、自転車10における動力伝達のみならず、各種の動力伝達手段としての利用が可能であり、例えば車椅子の走行輪等の特に人力を使用する動力伝達手段に使用するにも好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における分解斜視図である。
【図2】同じく要部の斜視図である。
【図3】図2におけるX−X断面図である。
【図4】同じく本発明装置の動作を説明する側面図であり、(a)はクランクアームが上下方向の位置にある状態を示し、(b)はクランクアームが90度で回転された位置にある状態を示す。
【図5】同じく自転車の走行中における本発明装置の動作を説明するもので、クランクアームが上下方向にある状態の側面図である。
【図6】同じくクランクアームが上下方向に対して30度で回転した状態における側面図である。
【図7】同じくクランクアームが同様に60度で回転した状態における側面図である。
【図8】同じくクランクアームが同様に90度で回転した状態における側面図である。
【図9】同じくクランクアームが同様に120度で回転した状態における側面図である。
【図10】同じくクランクアームが同様に150度で回転した状態における側面図である。
【図11】同じくクランクアームが同様に180度で半回転した状態における側面図である。
【図12】同じく本発明装置が装着された自転車全体の側面図である。
【符号の説明】
P…駆動伝達機構 Q…中央回転軸
X…入力点 Y…出力点
L1…ペダルからクランク軸の中心位置までの距離
L2…ペダルからスプロケット歯車の回転中心位置までの距離
1…中間板 1A…ガイド長溝孔
2…支承固定円板 2A…厚肉円形部
2B…薄肉環状縁部 2C…軸受孔
3…クランクアーム回転板 4…ガイド用スライドカム
4A…中央孔部 5A,5B…第一リンクアーム
5C,5D…第二リンクアーム 6…スプロケット歯車
6A…円形開口部
10…自転車 11…フレーム
12…嵌合孔 13…クランク軸
14…ペダル 15…クランクアーム
16…駆動チェーン 17…従動スプロケット歯車

Claims (5)

  1. 自転車のフレームに回転可能に枢着され、ペダルが設けられている左右のクランクアームの回転によって従動回転されるスプロケット歯車と、後輪用の従動スプロケット歯車との間で掛巡されている駆動チェーンによって後輪を回転させる自転車用回転動力伝達装置であって、クランクアームにおける入力側回転モーメントとスプロケット歯車における出力側回転モーメントとを互いに異ならしめるようクランク軸に対して偏心配置されたスプロケット歯車に、偏心回転可能な中間板を連繋配置して成る駆動伝達機構を備えたことを特徴とする自転車用回転動力伝達装置。
  2. 駆動伝達機構は、フレームに固定した支承固定円板の偏心位置に設けた軸受孔にクランク軸を回転可能に貫挿して支承固定円板と対向配置したクランクアーム回転板の回転中心に連結すると共に、支承固定円板に対し中央を回転可能に枢着したドーナツ型のスプロケット歯車の一側面に中間板の一側面を回転可能に連繋し、クランクアーム回転板に対し中間板の他側面を回転可能に連繋し、クランク軸に対して中間板が偏心回転可能となるようにクランク軸と係合するガイド長溝孔を中間板に設けて成る請求項1記載の自転車用回転動力伝達装置。
  3. クランク軸には、ガイド長溝孔に係合されたガイド用スライドカムを介して中間板がスライド自在に連繋され、ガイド用スライドカム、クランクアーム回転板それぞれは、各一端が中間板に回転可能に枢着された一対の第一リンクアームそれぞれの他端に回転可能に枢着され、スプロケット歯車側面、中間板側面それぞれは第二リンクアームを介して回転可能に連繋して成る請求項1または2記載の自転車用回転動力伝達装置。
  4. 中間板は、ガイド長溝孔が楕円短軸に合致した楕円形状に形成されている請求項1乃至3のいずれか記載の自転車用回転動力伝達装置。
  5. 支承固定円板の軸受孔に支承されたクランク軸は、スプロケット歯車の中心軸位置に対し、後輪用の従動スプロケット歯車の回転軸と反対位置に配置されている請求項1乃至4のいずれか記載の自転車用回転動力伝達装置。
JP2002382401A 2002-12-27 2002-12-27 自転車用回転動力伝達装置 Expired - Fee Related JP4119953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002382401A JP4119953B2 (ja) 2002-12-27 2002-12-27 自転車用回転動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002382401A JP4119953B2 (ja) 2002-12-27 2002-12-27 自転車用回転動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004210134A JP2004210134A (ja) 2004-07-29
JP4119953B2 true JP4119953B2 (ja) 2008-07-16

Family

ID=32817972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002382401A Expired - Fee Related JP4119953B2 (ja) 2002-12-27 2002-12-27 自転車用回転動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4119953B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010058589A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Sugino Engineering:Kk 自転車用ギアクランク
JP2017159875A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 地光 曽良 スマートサイクル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004210134A (ja) 2004-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7727106B2 (en) Continuously variable transmission
KR100255224B1 (ko) 자전거의 가변식 페달 구동장치
JP2006514234A (ja) ロータが制御された変速機
JP4119953B2 (ja) 自転車用回転動力伝達装置
WO2011001732A1 (ja) ペダル踏み込み型駆動力伝達機構を備えた自転車
US20020139631A1 (en) Frictionless rear hub sprocket and ratchet assembly
CN111712428B (zh) 增加扭矩的自行车驱动装置
GB2599493A (en) Bicycle driving device
JP6839191B2 (ja) サイクルへの動作伝達のための装置
JPH0377797U (ja)
JP2004009869A (ja) 自転車用回転動力伝達装置
KR20220111398A (ko) 프리휠 조절형 바퀴 및 이를 구비하는 헬스 자전거
JP3528514B2 (ja) 摩擦ローラ式変速機
JP3838429B2 (ja) 自転車用クランク駆動チェーン装置
JP3096646B2 (ja) トルク検出装置及びこれを具えた電動モータ付自転車
JP2597080B2 (ja) 変速装置
KR101327332B1 (ko) 허브타입의 무단변속장치
JP3294044B2 (ja) 苗植付機構
KR102060914B1 (ko) 반원 궤적의 가변식 페달장치를 구비한 자전거
JPH1170889A (ja) 自転車のペダリング機構
KR20120022325A (ko) 후륜 페달 유닛이 구비된 자전거
JPH01261534A (ja) 回転駆動装置
KR100491483B1 (ko) 일방향 동력전달 장치
JP3096841U (ja) 自転車の動力導入機構
JP2004034852A (ja) 移動機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080219

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110509

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees