JPH1170889A - 自転車のペダリング機構 - Google Patents
自転車のペダリング機構Info
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- JPH1170889A JPH1170889A JP23428897A JP23428897A JPH1170889A JP H1170889 A JPH1170889 A JP H1170889A JP 23428897 A JP23428897 A JP 23428897A JP 23428897 A JP23428897 A JP 23428897A JP H1170889 A JPH1170889 A JP H1170889A
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- bicycle
- pedaling
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- crankshaft
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ペダリング動作によって、クランク軸13
に、三角関数的な変動を伴いながら生じるトルクの平均
値を高め、自転車の運動性能、走破性能の向上を図る。 【解決手段】 クランク軸13を左のペダルアーム11
L用と右のペダルアーム11R用とに独立させた上で、逆
転機構20を介してこれを連結し、左右のペダルアーム
11L、11Rを、常時、高トルクが得られる駆動可能角
度範囲E1内においてペダリング動作可能とする。
に、三角関数的な変動を伴いながら生じるトルクの平均
値を高め、自転車の運動性能、走破性能の向上を図る。 【解決手段】 クランク軸13を左のペダルアーム11
L用と右のペダルアーム11R用とに独立させた上で、逆
転機構20を介してこれを連結し、左右のペダルアーム
11L、11Rを、常時、高トルクが得られる駆動可能角
度範囲E1内においてペダリング動作可能とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、左右一対のペダ
ルを交互に踏み下げて後輪を回転駆動する自転車のペダ
リング機構に関する。
ルを交互に踏み下げて後輪を回転駆動する自転車のペダ
リング機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自転車後輪の駆動は、180度位
相角をずらせて一体化した一対のペダルアームを一方向
に回転させることによって行なっている。一対のペダル
アームは、駆動スプロケットギヤを取り付けたクランク
軸の両端に固定された状態で一体化されており、各ペダ
ルアームの先端には、足を載せるためのペダル板が自由
に回転できるように取り付けられている。一方、後輪側
には、従動スプロケットギヤが取り付けられており、駆
動スプロケットギヤと従動スプロケットギヤとは、チェ
ーンによって動力伝達可能に連結されている。
相角をずらせて一体化した一対のペダルアームを一方向
に回転させることによって行なっている。一対のペダル
アームは、駆動スプロケットギヤを取り付けたクランク
軸の両端に固定された状態で一体化されており、各ペダ
ルアームの先端には、足を載せるためのペダル板が自由
に回転できるように取り付けられている。一方、後輪側
には、従動スプロケットギヤが取り付けられており、駆
動スプロケットギヤと従動スプロケットギヤとは、チェ
ーンによって動力伝達可能に連結されている。
【0003】自転車の利用者は、左右の足で各ペダルア
ームをクランク軸を中心に交互に180度相当踏み下げ
ることによって駆動スプロケットギヤを回転させ、これ
を後輪に伝えて自転車を前進させる。すなわち、通常、
ペダルアームはサドルの下方に配置されており、人体の
構造上、ペダルアームを踏み下げるのは容易である反
面、ペダルアームを足で引き上げることには困難が伴
う。そこで、駆動スプロケットギヤを一回転、360度
回転させるのに必要な作業を180度当て左右の足に分
担させることによって、ペダルアームを踏み下げる半回
転分の動作の連続によって、駆動スプロケットギヤを連
続して回転駆動できるように工夫されているのである。
この工夫の結果が、左右のペダルアームを180度位相
角をずらせて一体化した構成であり、ペダルアームを踏
み下げることができる角度範囲は、各ペダルアームが直
立姿勢から下垂姿勢となるまでの180度の範囲であ
る。これは、各ペダルアームの水平位置を基準とすれ
ば、±90度の角度範囲である。
ームをクランク軸を中心に交互に180度相当踏み下げ
ることによって駆動スプロケットギヤを回転させ、これ
を後輪に伝えて自転車を前進させる。すなわち、通常、
ペダルアームはサドルの下方に配置されており、人体の
構造上、ペダルアームを踏み下げるのは容易である反
面、ペダルアームを足で引き上げることには困難が伴
う。そこで、駆動スプロケットギヤを一回転、360度
回転させるのに必要な作業を180度当て左右の足に分
担させることによって、ペダルアームを踏み下げる半回
転分の動作の連続によって、駆動スプロケットギヤを連
続して回転駆動できるように工夫されているのである。
この工夫の結果が、左右のペダルアームを180度位相
角をずらせて一体化した構成であり、ペダルアームを踏
み下げることができる角度範囲は、各ペダルアームが直
立姿勢から下垂姿勢となるまでの180度の範囲であ
る。これは、各ペダルアームの水平位置を基準とすれ
ば、±90度の角度範囲である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような、従来の自
転車のペダリング機構においては、ペダルアーム踏み下
げる力をクランク軸のトルクに変換する変換作用に機構
必然的な限界があるため、登板能力や最高速度等の諸特
性の総合特性である自転車の走破性能を一定のレベル以
上に高めることができないという問題があった。
転車のペダリング機構においては、ペダルアーム踏み下
げる力をクランク軸のトルクに変換する変換作用に機構
必然的な限界があるため、登板能力や最高速度等の諸特
性の総合特性である自転車の走破性能を一定のレベル以
上に高めることができないという問題があった。
【0005】この問題点を、図11および図12を引用
して説明する。図11は、従来の自転車におけるペダリ
ング動作の説明図であり、図12は、その際のトルクT
の発生状況を示すトルク曲線図である。従来の自転車の
ペダリング機構においては、左のペダルアーム11Lと
右のペダルアーム11Rとは、駆動スプロケットギヤ1
2を取り付けたクランク軸13の両端に180度位相角
をずらせて固定されている。ここで、自転車の進行方向
が矢印K1方向であるとすれば、駆動スプロケットギヤ
12を回転駆動すべき方向は矢印K2方向である。
して説明する。図11は、従来の自転車におけるペダリ
ング動作の説明図であり、図12は、その際のトルクT
の発生状況を示すトルク曲線図である。従来の自転車の
ペダリング機構においては、左のペダルアーム11Lと
右のペダルアーム11Rとは、駆動スプロケットギヤ1
2を取り付けたクランク軸13の両端に180度位相角
をずらせて固定されている。ここで、自転車の進行方向
が矢印K1方向であるとすれば、駆動スプロケットギヤ
12を回転駆動すべき方向は矢印K2方向である。
【0006】一対のペダルアーム11L、11Rは、い
ずれも引き上げる向きに駆動することはできない。ま
た、駆動スプロケットギヤ12が矢印K2方向に回転す
るに際し、ペダルアーム11L、11Rが下がる向きの
運動をするのは、ペダルアーム11L、11Rがクラン
ク軸13上に直立姿勢をとる位置(以下、上死点位置D
1、という)から、自転車の進行方向側を周り、クラン
ク軸13下に下垂姿勢をとる位置(以下、下死点位置D
2、という)に至るまでの180度の角度範囲(以下、
駆動可能角度範囲E1、と言う)のみであり、残余の1
80度の角度範囲(以下、駆動不能角度範囲E2、とい
う)については、ペダルアーム11L、11Rは、他律
的に上昇運動をする。したがって、駆動スプロケットギ
ヤ12を矢印K2方向に回転駆動するには、駆動可能角
度範囲E1内にあるいずれかのペダルアーム11L、1
1Rを踏み下げなければならない。
ずれも引き上げる向きに駆動することはできない。ま
た、駆動スプロケットギヤ12が矢印K2方向に回転す
るに際し、ペダルアーム11L、11Rが下がる向きの
運動をするのは、ペダルアーム11L、11Rがクラン
ク軸13上に直立姿勢をとる位置(以下、上死点位置D
1、という)から、自転車の進行方向側を周り、クラン
ク軸13下に下垂姿勢をとる位置(以下、下死点位置D
2、という)に至るまでの180度の角度範囲(以下、
駆動可能角度範囲E1、と言う)のみであり、残余の1
80度の角度範囲(以下、駆動不能角度範囲E2、とい
う)については、ペダルアーム11L、11Rは、他律
的に上昇運動をする。したがって、駆動スプロケットギ
ヤ12を矢印K2方向に回転駆動するには、駆動可能角
度範囲E1内にあるいずれかのペダルアーム11L、1
1Rを踏み下げなければならない。
【0007】ここで、駆動可能角度範囲E1内にあるい
ずれかのペダルアーム11L、11Rが水平姿勢になる
位置を基準位置、0度として矢印K2方向に角度を計り
進めるものとすれば、上死点位置D1におけるペダルア
ーム11L、11Rの位相角は、−90度であり、下死
点位置D2にあるペダルアーム11L、11Rの位相角
は、90度である。また、右のペダルアーム11Rが駆
動可能角度範囲E1内に位置するときは、左のペダルア
ーム11Lは、必然的に駆動不能角度範囲E2内に位置
することとなる。逆に、左のペダルアーム11Lが駆動
可能角度範囲E1内に位置するときは、右のペダルアー
ム11Rは、当然にして駆動不能角度範囲E2内に位置
する。つまり、左右のペダルアーム11L、11Rは、
同時に駆動可能角度範囲E1内に位置することができな
い構造になっているのである。
ずれかのペダルアーム11L、11Rが水平姿勢になる
位置を基準位置、0度として矢印K2方向に角度を計り
進めるものとすれば、上死点位置D1におけるペダルア
ーム11L、11Rの位相角は、−90度であり、下死
点位置D2にあるペダルアーム11L、11Rの位相角
は、90度である。また、右のペダルアーム11Rが駆
動可能角度範囲E1内に位置するときは、左のペダルア
ーム11Lは、必然的に駆動不能角度範囲E2内に位置
することとなる。逆に、左のペダルアーム11Lが駆動
可能角度範囲E1内に位置するときは、右のペダルアー
ム11Rは、当然にして駆動不能角度範囲E2内に位置
する。つまり、左右のペダルアーム11L、11Rは、
同時に駆動可能角度範囲E1内に位置することができな
い構造になっているのである。
【0008】運転者のペダリング動作によりクランク軸
13に生じるトルクTは、ペダルアーム11L、11R
の実効長Lとその先端に取り付けられたペダル板11a
を押し下げる向きに加えられる入力Fとの積として求め
られる。いま、入力Fを一定として上死点位置D1にあ
る右のペダルアーム11Rからペダリング動作を開始し
た場合、そのトルクTの発生状況は、図12に示すよう
に、左右のペダルアーム11L、11Rが180度間隔
で交互にトルクTの山を形成する状況になる。これは、
入力Fが一定であるとしても、ペダルアーム11L、1
1Rのペダリング動作上の実効長Lが変化しているため
である。
13に生じるトルクTは、ペダルアーム11L、11R
の実効長Lとその先端に取り付けられたペダル板11a
を押し下げる向きに加えられる入力Fとの積として求め
られる。いま、入力Fを一定として上死点位置D1にあ
る右のペダルアーム11Rからペダリング動作を開始し
た場合、そのトルクTの発生状況は、図12に示すよう
に、左右のペダルアーム11L、11Rが180度間隔
で交互にトルクTの山を形成する状況になる。これは、
入力Fが一定であるとしても、ペダルアーム11L、1
1Rのペダリング動作上の実効長Lが変化しているため
である。
【0009】この際の、ペダルアーム11L、11Rの
実効長Lの変化率は、三角関数そのものであり、従っ
て、トルク曲線も三角関数曲線そのものである。つま
り、ペダルアーム11L、11Rが上死点位置D1また
は下死点位置D2にある時は、ペダルアーム11L、1
1Rのペダリング動作上の実効長Lが0になるためトル
クTは生じない。また、ピークトルクT3は、いずれも
ペダルアーム11L、11R の位相角が0度の位置で
記録され、平均トルクT1は、計算上、ピークトルクT
3の64%程度である。
実効長Lの変化率は、三角関数そのものであり、従っ
て、トルク曲線も三角関数曲線そのものである。つま
り、ペダルアーム11L、11Rが上死点位置D1また
は下死点位置D2にある時は、ペダルアーム11L、1
1Rのペダリング動作上の実効長Lが0になるためトル
クTは生じない。また、ピークトルクT3は、いずれも
ペダルアーム11L、11R の位相角が0度の位置で
記録され、平均トルクT1は、計算上、ピークトルクT
3の64%程度である。
【0010】なお、図12中、T2は、ペダルアーム1
1L、11R の位相角が±45度の位置のトルクレベ
ルを示している。
1L、11R の位相角が±45度の位置のトルクレベ
ルを示している。
【0011】ここで、従来のペダリング機構において、
自転車の走破性能を一定のレベル以上に高めることがで
きないという問題は、上記、平均トルクT1のレベルを
一定のレベル以上に高めることができないという問題に
帰着せしめることができる。すなわち、自転車を走行さ
せるということは、運転者の体重を含み、相当の慣性質
量を有する物体を持続的に移動させる仕事であり、持続
的な走破性能を左右するのはピークトルクT3ではな
く、平均トルクT1である。何故なら、トルク曲線にお
けるピークやディップは、動的には、慣性質量によって
積分され、均されてしまうからである。また、機械装置
の性能の云々は、運転者の問題とは切り離し、入力Fを
一定にして論ずべきところ、従来のペダリング機構にお
いては、入力FによるトルクTの立ち上がり方が、三角
関数的に拘束されているので、ピークトルクT3に対す
る平均トルクT1のレベルが、一定レベルに自動的に定
まってしまうのである。
自転車の走破性能を一定のレベル以上に高めることがで
きないという問題は、上記、平均トルクT1のレベルを
一定のレベル以上に高めることができないという問題に
帰着せしめることができる。すなわち、自転車を走行さ
せるということは、運転者の体重を含み、相当の慣性質
量を有する物体を持続的に移動させる仕事であり、持続
的な走破性能を左右するのはピークトルクT3ではな
く、平均トルクT1である。何故なら、トルク曲線にお
けるピークやディップは、動的には、慣性質量によって
積分され、均されてしまうからである。また、機械装置
の性能の云々は、運転者の問題とは切り離し、入力Fを
一定にして論ずべきところ、従来のペダリング機構にお
いては、入力FによるトルクTの立ち上がり方が、三角
関数的に拘束されているので、ピークトルクT3に対す
る平均トルクT1のレベルが、一定レベルに自動的に定
まってしまうのである。
【0012】この発明は、ピークトルクT3に対する平
均トルクT1のレベルを高め、以って、自転車の走破性
能を向上させることを解決すべき課題とする。
均トルクT1のレベルを高め、以って、自転車の走破性
能を向上させることを解決すべき課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】かかる課題に対して、こ
の発明が採用する手段は、サドルの下方に、車体フレー
ムを介して左右一対のペダルアームを取り付けたクラン
ク軸を配設し、左右のペダルアームを交互に踏み下げる
ことによってクランク軸に生じるトルクを、トルク伝達
手段を介して後輪に伝達するようにしてなる自転車のペ
ダリング機構において、クランク軸を左のペダルアーム
用と右のペダルアーム用とに独立させた上、左のペダル
アームと右のペダルアームとの間に逆転機構を介装し、
相互に反対動作可能に連結するとともに、独立したクラ
ンク軸とトルク伝達手段との間に一方向送り機構を介装
し、左右のペダルアームを交互に踏み下げることによっ
て独立したクランク軸に交互に生じるトルクを、交互に
後輪に伝達することをその要旨とする。
の発明が採用する手段は、サドルの下方に、車体フレー
ムを介して左右一対のペダルアームを取り付けたクラン
ク軸を配設し、左右のペダルアームを交互に踏み下げる
ことによってクランク軸に生じるトルクを、トルク伝達
手段を介して後輪に伝達するようにしてなる自転車のペ
ダリング機構において、クランク軸を左のペダルアーム
用と右のペダルアーム用とに独立させた上、左のペダル
アームと右のペダルアームとの間に逆転機構を介装し、
相互に反対動作可能に連結するとともに、独立したクラ
ンク軸とトルク伝達手段との間に一方向送り機構を介装
し、左右のペダルアームを交互に踏み下げることによっ
て独立したクランク軸に交互に生じるトルクを、交互に
後輪に伝達することをその要旨とする。
【0014】この構成においては、左右のペダルアーム
は、それぞれ独立のクランク軸を有しているので、同時
に駆動可能角度範囲E1内に位置することができる。こ
こで、一方のペダルアームを踏み下げると、左右のペダ
ルアーム間に介装した逆転機構が作動する。この逆転機
構は、左右のペダルアームを相互に反対動作させるもの
であるから、他方のペダルアームは、逆に上昇する。次
いで、上昇した方のペダルアームを踏み下げると、先に
踏み下げられていたペダルアームが上昇する。したがっ
て、左右のペダルアームを駆動可能角度範囲E1内にお
いて、交互に踏み下げる動作が可能になる。
は、それぞれ独立のクランク軸を有しているので、同時
に駆動可能角度範囲E1内に位置することができる。こ
こで、一方のペダルアームを踏み下げると、左右のペダ
ルアーム間に介装した逆転機構が作動する。この逆転機
構は、左右のペダルアームを相互に反対動作させるもの
であるから、他方のペダルアームは、逆に上昇する。次
いで、上昇した方のペダルアームを踏み下げると、先に
踏み下げられていたペダルアームが上昇する。したがっ
て、左右のペダルアームを駆動可能角度範囲E1内にお
いて、交互に踏み下げる動作が可能になる。
【0015】このような、ペダリング動作に基づき、独
立した各クランク軸は、交互に正逆方向に回転するが、
ここで、一方向送り機構が働く。この一方向送り機構
は、ペダルアームを踏み下げることによって生じるトル
クを伝達するものであるため、左右のペダルアームを踏
み下げる際の各クランク軸の挙動のみがトルク伝達手段
を介して後輪に伝達される。
立した各クランク軸は、交互に正逆方向に回転するが、
ここで、一方向送り機構が働く。この一方向送り機構
は、ペダルアームを踏み下げることによって生じるトル
クを伝達するものであるため、左右のペダルアームを踏
み下げる際の各クランク軸の挙動のみがトルク伝達手段
を介して後輪に伝達される。
【0016】クランク軸を左のペダルアーム用と右のペ
ダルアーム用とに独立させる手段として、内軸と外軸と
からなる二重軸構造を採用することができる。これによ
って、左右のペダルアームの支点位置を一致させること
ができる他、コンパクトで軽量な同軸構造の逆転機構お
よび一方向送り機構の採用が可能になる。
ダルアーム用とに独立させる手段として、内軸と外軸と
からなる二重軸構造を採用することができる。これによ
って、左右のペダルアームの支点位置を一致させること
ができる他、コンパクトで軽量な同軸構造の逆転機構お
よび一方向送り機構の採用が可能になる。
【0017】なお、逆転機構としては、次のような構成
を採ることができる。独立させたクランク軸のいずれか
一方に取り付けるベベルギヤと、他方クランク軸に取り
付けるベベルギヤと、双方のベベルギヤに噛合し、車体
フレーム側に回転自在に軸支する中間ベベルギヤとの組
合わせからなることをことをその要旨とするものであ
る。
を採ることができる。独立させたクランク軸のいずれか
一方に取り付けるベベルギヤと、他方クランク軸に取り
付けるベベルギヤと、双方のベベルギヤに噛合し、車体
フレーム側に回転自在に軸支する中間ベベルギヤとの組
合わせからなることをことをその要旨とするものであ
る。
【0018】この構成においては、一方のベベルギヤと
他方のベベルギヤとを、中間ベベルギヤを挟んで対面姿
勢で組み合わせることが可能であり、このようなギヤの
組合わせにおいては、対面したベベルギヤは、互いに逆
方向に回転する。したがって、独立のクランク軸は、互
いに逆方向に回転し、一方のペダルアームを踏み下げる
ことにより、他方のペダルアームを上昇位置に復帰させ
ることができる。
他方のベベルギヤとを、中間ベベルギヤを挟んで対面姿
勢で組み合わせることが可能であり、このようなギヤの
組合わせにおいては、対面したベベルギヤは、互いに逆
方向に回転する。したがって、独立のクランク軸は、互
いに逆方向に回転し、一方のペダルアームを踏み下げる
ことにより、他方のペダルアームを上昇位置に復帰させ
ることができる。
【0019】また、逆転機構は、独立させたクランク軸
のいずれか一方に取り付けるセンタギヤと、他方のクラ
ンク軸に取り付けるサンギヤと、サンギヤとセンタギヤ
との双方に噛合し、車体フレーム側に回転自在に軸支す
るプラネタリギヤとを組合わせた構成を採ることができ
る。
のいずれか一方に取り付けるセンタギヤと、他方のクラ
ンク軸に取り付けるサンギヤと、サンギヤとセンタギヤ
との双方に噛合し、車体フレーム側に回転自在に軸支す
るプラネタリギヤとを組合わせた構成を採ることができ
る。
【0020】この構成においては、必然的に、センタギ
ヤの回転方向とサンギヤの回転方向がプラネタリギヤを
挟んで逆向きになる。したがって、クランク軸を介して
サンギヤ側に連結したペダルアームを踏み下げれば、ク
ランク軸を介してセンタギヤ側に連結したペダルアーム
が上昇し、逆に、センタギヤ側に連結したペダルアーム
を踏み下げれば、サンギヤ側に連結したペダルアームが
上昇するという、左右のペダルアーム間における反対動
作が実現されることとなる。
ヤの回転方向とサンギヤの回転方向がプラネタリギヤを
挟んで逆向きになる。したがって、クランク軸を介して
サンギヤ側に連結したペダルアームを踏み下げれば、ク
ランク軸を介してセンタギヤ側に連結したペダルアーム
が上昇し、逆に、センタギヤ側に連結したペダルアーム
を踏み下げれば、サンギヤ側に連結したペダルアームが
上昇するという、左右のペダルアーム間における反対動
作が実現されることとなる。
【0021】さらに、逆転機構は、左右のペダルアーム
に連結する一対の第一節リンクプレートと、この一対の
第一節リンクプレートを相互に連結する一対の第二節リ
ンクプレートとを備える平行四節リンク構成とすること
ができる。
に連結する一対の第一節リンクプレートと、この一対の
第一節リンクプレートを相互に連結する一対の第二節リ
ンクプレートとを備える平行四節リンク構成とすること
ができる。
【0022】このような構成における一対の第一節リン
クプレートと一対の第二節リンクプレートとは、これら
によって構成される四辺形が潰れ又は復元し、さらに
は、潰れた四辺形が潰れた側と反対側に復元するがごと
き変形をすることが可能である。このとき、一対の第一
節リンクプレートの動作に注目すると、一対の第一節リ
ンクプレートは、その連結点を中心として、互いに接近
又は離隔し、さらには、反対側に離隔するような回動動
作をする。そこで、一対の第一節リンクプレートに連結
された左右のペダルアーム間には、互いに反対方向の動
作が現れることとなる。
クプレートと一対の第二節リンクプレートとは、これら
によって構成される四辺形が潰れ又は復元し、さらに
は、潰れた四辺形が潰れた側と反対側に復元するがごと
き変形をすることが可能である。このとき、一対の第一
節リンクプレートの動作に注目すると、一対の第一節リ
ンクプレートは、その連結点を中心として、互いに接近
又は離隔し、さらには、反対側に離隔するような回動動
作をする。そこで、一対の第一節リンクプレートに連結
された左右のペダルアーム間には、互いに反対方向の動
作が現れることとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を引用しながら本発明
の実施の形態を説明する。自転車のペダリング機構は、
左右一対のペダルアーム11L、11R、クランク軸1
3、逆転機構20、一方向送り機構50を主たる構成部
材としてなり、左右のペダルアーム11L、11Rが、
常時、水平位置を基準とし、クランク軸13を中心とし
て自転車の進行方向側の±90度の駆動可能角度範囲E
1内にあることを特徴としている(図1)。
の実施の形態を説明する。自転車のペダリング機構は、
左右一対のペダルアーム11L、11R、クランク軸1
3、逆転機構20、一方向送り機構50を主たる構成部
材としてなり、左右のペダルアーム11L、11Rが、
常時、水平位置を基準とし、クランク軸13を中心とし
て自転車の進行方向側の±90度の駆動可能角度範囲E
1内にあることを特徴としている(図1)。
【0024】運転者Mによるペダリング動作は、駆動可
能角度範囲E1内において、左右のペダルアーム11
L、11R交互に踏み下げるようにして行なわれ、これ
によってクランク軸13に生じるトルクは、駆動スプロ
ケットギヤ12と、チェーンCHと、後輪60側に設け
る従動スプロケットギヤ14とからなるトルク伝達手段
10を介して、後輪60に伝達される。
能角度範囲E1内において、左右のペダルアーム11
L、11R交互に踏み下げるようにして行なわれ、これ
によってクランク軸13に生じるトルクは、駆動スプロ
ケットギヤ12と、チェーンCHと、後輪60側に設け
る従動スプロケットギヤ14とからなるトルク伝達手段
10を介して、後輪60に伝達される。
【0025】ここで、ペダリング機構を取り付けること
との関係において、自転車の車体フレーム70について
説明する。同図には、代表例として最もスタンダードな
形態の自転車を図示しており、その車体フレーム70
は、ハンドル71、フロントフォーク72、アッパーパ
イプ73、ロアーパイプ74、リヤフォーク75、リヤ
アーム76、メインパイプ77等からなり、全体として
は、平行四辺形の中間部にメインパイプ77を立設して、
補強したような組立てである。
との関係において、自転車の車体フレーム70について
説明する。同図には、代表例として最もスタンダードな
形態の自転車を図示しており、その車体フレーム70
は、ハンドル71、フロントフォーク72、アッパーパ
イプ73、ロアーパイプ74、リヤフォーク75、リヤ
アーム76、メインパイプ77等からなり、全体として
は、平行四辺形の中間部にメインパイプ77を立設して、
補強したような組立てである。
【0026】メインパイプ77の上端部にはサドル78
が取り付けられており、駆動スプロケットギヤ12は、
サドル78の下方、ロアーパイプ74とリヤアーム76
とメインパイプ77との連結点に配置されている。ま
た、リヤフォーク75とリヤアーム76の連結点には、
車軸61が取り付けられており、車軸61には後輪60
が、後輪60には従動スプロケットギヤ14が取り付け
られ、駆動スプロケットギヤ12と従動スプロケットギ
ヤ14との間には、チェーンCHが掛け回されている。
が取り付けられており、駆動スプロケットギヤ12は、
サドル78の下方、ロアーパイプ74とリヤアーム76
とメインパイプ77との連結点に配置されている。ま
た、リヤフォーク75とリヤアーム76の連結点には、
車軸61が取り付けられており、車軸61には後輪60
が、後輪60には従動スプロケットギヤ14が取り付け
られ、駆動スプロケットギヤ12と従動スプロケットギ
ヤ14との間には、チェーンCHが掛け回されている。
【0027】なお、従来の自転車の従動スプロケットギ
ヤ14には、回転中の後輪60が、ペダルアーム11
L、11Rを停止する動作や逆転する動作の影響を受け
ることなく回転を維持できるように、ラチェット機構が
組み込まれているところであるが、この実施例において
は、後述する理由により、ラチェット機構が不要である
ため省略してある。しかし、このラチェット機構は、自
転車が惰性で走行する際のチェーンの空転による機械損
失や騒音を防ぐ意味で、省略することなく、そのまま存
置しておいてもよい。
ヤ14には、回転中の後輪60が、ペダルアーム11
L、11Rを停止する動作や逆転する動作の影響を受け
ることなく回転を維持できるように、ラチェット機構が
組み込まれているところであるが、この実施例において
は、後述する理由により、ラチェット機構が不要である
ため省略してある。しかし、このラチェット機構は、自
転車が惰性で走行する際のチェーンの空転による機械損
失や騒音を防ぐ意味で、省略することなく、そのまま存
置しておいてもよい。
【0028】ロアーパイプ74とリヤアーム76とメイ
ンパイプ77との連結は、これらの部材と直交する向き
の短い軸ハウジング79を介して行われており、クラン
ク軸13は、軸ハウジング79の内部に組み込まれてい
る(図2)。
ンパイプ77との連結は、これらの部材と直交する向き
の短い軸ハウジング79を介して行われており、クラン
ク軸13は、軸ハウジング79の内部に組み込まれてい
る(図2)。
【0029】クランク軸13は、中実の内軸13Lと、
中空の外軸13Rとからなる二重軸構成を採っており、
両者間に装入されたニードルローラーベアリングB1、
B1を介して独立して回転することができる。左右のペ
ダル11、11は、ペダルアーム11L、11Rとペダ
ル板11a、11aとからなり、ペダル板11a、11a
は、ペダルアーム11L、11Rに対して回転自在であ
る。左のペダル11は、内軸13Lの左端に、右のペダ
ル11は、外軸13Rの右端に、いずれも、自転車の進
行方向に向けて取り付けられている。ペダルアーム11
L、11Rは、それぞれ、内軸13L、外軸13Rによ
るカンチレバー支持であり、ペダル板11a、11aに踏
力が加えられると、内軸13L、外軸13Rには、ペダ
ルアーム11L、11Rの実効長と踏力との積で示され
るところの回転モーメントないし回転トルクが生じる。
中空の外軸13Rとからなる二重軸構成を採っており、
両者間に装入されたニードルローラーベアリングB1、
B1を介して独立して回転することができる。左右のペ
ダル11、11は、ペダルアーム11L、11Rとペダ
ル板11a、11aとからなり、ペダル板11a、11a
は、ペダルアーム11L、11Rに対して回転自在であ
る。左のペダル11は、内軸13Lの左端に、右のペダ
ル11は、外軸13Rの右端に、いずれも、自転車の進
行方向に向けて取り付けられている。ペダルアーム11
L、11Rは、それぞれ、内軸13L、外軸13Rによ
るカンチレバー支持であり、ペダル板11a、11aに踏
力が加えられると、内軸13L、外軸13Rには、ペダ
ルアーム11L、11Rの実効長と踏力との積で示され
るところの回転モーメントないし回転トルクが生じる。
【0030】逆転機構20は、センタギヤ22とサンギ
ヤ23とプラネタリギヤ24との組合わせからなる一種
の遊星歯車機構であり、左のペダルアーム11Lと右の
ペダルアーム11Rとは、逆転機構20介して連結され
ている。逆転機構20全体は、クランク軸13の右端に
配置する一対のギヤハウジング21a、21b内に収納さ
れている。この内、外側のギヤハウジング21aには、
筒部21cが形成されており、外側のギヤハウジング2
1aは、筒部21cによってリヤアーム76を把持するよ
うにして車体フレーム70側に固定されている。一方、
内側のギヤハウジング21bは、外軸13Rの右端に固
定され、右のペダルアーム11Rの動きにしたがって回
転する。なお、右のペダルアーム11Rは、内側のギヤ
ハウジング21bを介して外軸13Rに連結されてい
る。また、外側のギヤハウジング21aと内側のギヤハ
ウジング21bとの間には、ベアリングB2が介装さ
れ、相互の相対回転が許容される。
ヤ23とプラネタリギヤ24との組合わせからなる一種
の遊星歯車機構であり、左のペダルアーム11Lと右の
ペダルアーム11Rとは、逆転機構20介して連結され
ている。逆転機構20全体は、クランク軸13の右端に
配置する一対のギヤハウジング21a、21b内に収納さ
れている。この内、外側のギヤハウジング21aには、
筒部21cが形成されており、外側のギヤハウジング2
1aは、筒部21cによってリヤアーム76を把持するよ
うにして車体フレーム70側に固定されている。一方、
内側のギヤハウジング21bは、外軸13Rの右端に固
定され、右のペダルアーム11Rの動きにしたがって回
転する。なお、右のペダルアーム11Rは、内側のギヤ
ハウジング21bを介して外軸13Rに連結されてい
る。また、外側のギヤハウジング21aと内側のギヤハ
ウジング21bとの間には、ベアリングB2が介装さ
れ、相互の相対回転が許容される。
【0031】センタギヤ22は、内軸13Lの右端に固
定され、左のペダルアーム11Lの動きにしたがって回
転する。一方、サンギヤ23は、内側のギヤハウジング
21bを介して外軸13Rの右端に固定され、右のペダ
ルアーム11Rの動きにしたがって回転する。また、プ
ラネタリギヤ24は、センタギヤ22とサンギヤ23と
の間に挟み込まれた状態で、固定のギヤハウジング21
aに自転できるように軸支されている。
定され、左のペダルアーム11Lの動きにしたがって回
転する。一方、サンギヤ23は、内側のギヤハウジング
21bを介して外軸13Rの右端に固定され、右のペダ
ルアーム11Rの動きにしたがって回転する。また、プ
ラネタリギヤ24は、センタギヤ22とサンギヤ23と
の間に挟み込まれた状態で、固定のギヤハウジング21
aに自転できるように軸支されている。
【0032】したがって、センタギヤ22とサンギヤ2
3とプラネタリギヤ24との噛合状態は、図3に示すよ
うなものである。ここで、右のペダルアーム11Rを踏
み下げると、ギヤハウジング21bとともに、サンギヤ
23が時計方向に回転する。すると、サンギヤ23に噛
合するプラネタリギヤ24が、同じく時計方向に回転す
る。そこで、プラネタリギヤ24に噛合するセンタギヤ
22が反時計方向に回転し、左のペダルアーム11L
は、右のペダルアーム11Rと反対側に回動するように
上昇するのである。また、逆に、左のペダルアーム11
Lを踏み下げると、右のペダルアーム11Rが上昇する
ことについては言うまでもない。
3とプラネタリギヤ24との噛合状態は、図3に示すよ
うなものである。ここで、右のペダルアーム11Rを踏
み下げると、ギヤハウジング21bとともに、サンギヤ
23が時計方向に回転する。すると、サンギヤ23に噛
合するプラネタリギヤ24が、同じく時計方向に回転す
る。そこで、プラネタリギヤ24に噛合するセンタギヤ
22が反時計方向に回転し、左のペダルアーム11L
は、右のペダルアーム11Rと反対側に回動するように
上昇するのである。また、逆に、左のペダルアーム11
Lを踏み下げると、右のペダルアーム11Rが上昇する
ことについては言うまでもない。
【0033】なお、センタギヤ22とサンギヤ23とプ
ラネタリギヤ24との噛合状態は、左右のペダルアーム
11L、11Rが水平位置において、一直線をなして揃
うように設定してある。また、このような歯車の組合わ
せにおいては、センタギヤ22とサンギヤ23の歯数比
を一対一に設定することができないために、左右のペダ
ルアーム11L、11Rの挙動量に若干の差異が生じる
のであるが、ペダルアーム11L、11Rを足で踏み下
げるという動作に関する限りは、実用上の支障は観察さ
れない。
ラネタリギヤ24との噛合状態は、左右のペダルアーム
11L、11Rが水平位置において、一直線をなして揃
うように設定してある。また、このような歯車の組合わ
せにおいては、センタギヤ22とサンギヤ23の歯数比
を一対一に設定することができないために、左右のペダ
ルアーム11L、11Rの挙動量に若干の差異が生じる
のであるが、ペダルアーム11L、11Rを足で踏み下
げるという動作に関する限りは、実用上の支障は観察さ
れない。
【0034】一方向送り機構50は、軸ハウジング79
を挟んで、逆転機構20の反対側に配置され、駆動スプ
ロケットギヤ12は、一方向送り機構50を介してクラ
ンク軸13に連結されている(図2)。一方向送り機構
50の実質は、特殊なワンウェイクラッチであり、通常
のワンウェイクラッチと異なるところは、内軸13Lと
外軸13Rとに対応して一対のカムリング52L、52
Rを有する点である。
を挟んで、逆転機構20の反対側に配置され、駆動スプ
ロケットギヤ12は、一方向送り機構50を介してクラ
ンク軸13に連結されている(図2)。一方向送り機構
50の実質は、特殊なワンウェイクラッチであり、通常
のワンウェイクラッチと異なるところは、内軸13Lと
外軸13Rとに対応して一対のカムリング52L、52
Rを有する点である。
【0035】各カムリング52L、52Rは、ディスク
状体であり、いずれも、筒状のスリーブ52b、52bと
一体化されている。一方のカムリング52Lは、スリー
ブ52bを内軸13Lの端に嵌め込んだ上、ノックピン
P1を打ち込んで固定され、内軸13Lとともに回転す
る。また、左のペダルアーム11Lは、スリーブ52b
を介して内軸13Lに連結されている。他方のカムリン
グ52Rは、同様にスリーブ52bを介して、カムリン
グ52Lと対峙する姿勢で外軸13Rに固定され、外軸
13Rに伴って回転する。一対のカムリング52L、5
2Rは、ベアリングB2を介していずれのカムリング5
2L、52Rとも相対回転可能なクラッチハウジング5
1に内装されている。駆動スプロケットギヤ12は、こ
のクラッチハウジング51に固定され、クラッチハウジ
ング51と一体となって回転するようになっている。て
いる。
状体であり、いずれも、筒状のスリーブ52b、52bと
一体化されている。一方のカムリング52Lは、スリー
ブ52bを内軸13Lの端に嵌め込んだ上、ノックピン
P1を打ち込んで固定され、内軸13Lとともに回転す
る。また、左のペダルアーム11Lは、スリーブ52b
を介して内軸13Lに連結されている。他方のカムリン
グ52Rは、同様にスリーブ52bを介して、カムリン
グ52Lと対峙する姿勢で外軸13Rに固定され、外軸
13Rに伴って回転する。一対のカムリング52L、5
2Rは、ベアリングB2を介していずれのカムリング5
2L、52Rとも相対回転可能なクラッチハウジング5
1に内装されている。駆動スプロケットギヤ12は、こ
のクラッチハウジング51に固定され、クラッチハウジ
ング51と一体となって回転するようになっている。て
いる。
【0036】各カムリング52L、52Rの外周部に
は、異形の凹陥部52bが等間隔で多数形成されてお
り、各凹陥部52bには、クラッチハウジング51との
間に鋼球S1が装填されている(図4)。同図に示す形
状の凹陥部52bは、カムリング52L、52Rが時計
方向に回転するとき、鋼球S1がクラッチハウジング5
1との間の楔として働き、カムリング52L、52Rが
反時計方向に回転するとき、鋼球S1がベアリングとし
て働くように作用するものである。
は、異形の凹陥部52bが等間隔で多数形成されてお
り、各凹陥部52bには、クラッチハウジング51との
間に鋼球S1が装填されている(図4)。同図に示す形
状の凹陥部52bは、カムリング52L、52Rが時計
方向に回転するとき、鋼球S1がクラッチハウジング5
1との間の楔として働き、カムリング52L、52Rが
反時計方向に回転するとき、鋼球S1がベアリングとし
て働くように作用するものである。
【0037】この結果、右のペダルアーム11R踏み下
げられてカムリング52Rが時計方向に駆動されると、
それによって外軸13Rに生じたトルクは、鋼球S1を
介してクラッチハウジング51に伝達される。したがっ
て、クラッチハウジング51に取り付けられた駆動スプ
ロケットギヤ12が回転駆動される。このとき同時に、
左のペダルアーム11Lが上昇し、そのカムリング52
Lが反時計方向に回転していのであるが、この動きに対
しては、鋼球S1がベアリングとして働くため、逆転機
構20の作用によって内軸13Lに伝達されたトルク
は、駆動スプロケットギヤ12には伝達されない。
げられてカムリング52Rが時計方向に駆動されると、
それによって外軸13Rに生じたトルクは、鋼球S1を
介してクラッチハウジング51に伝達される。したがっ
て、クラッチハウジング51に取り付けられた駆動スプ
ロケットギヤ12が回転駆動される。このとき同時に、
左のペダルアーム11Lが上昇し、そのカムリング52
Lが反時計方向に回転していのであるが、この動きに対
しては、鋼球S1がベアリングとして働くため、逆転機
構20の作用によって内軸13Lに伝達されたトルク
は、駆動スプロケットギヤ12には伝達されない。
【0038】同様にして、左のペダルアーム11Lが踏
み下げられる場合には、そのペダルアーム11Lよるト
ルクのみがトルク伝達手段10の入力側である駆動スプ
ロケットギヤ12に伝達される。つまり、常に、踏み下
げられる一方のペダルアーム11L、11Rに加えられ
る力のみが、駆動スプロケットギヤ12に伝達されるの
である。このことが、原理上、従動スプロケットギヤ1
4側にラチェット機構が不要であることの理由でもあ
る。
み下げられる場合には、そのペダルアーム11Lよるト
ルクのみがトルク伝達手段10の入力側である駆動スプ
ロケットギヤ12に伝達される。つまり、常に、踏み下
げられる一方のペダルアーム11L、11Rに加えられ
る力のみが、駆動スプロケットギヤ12に伝達されるの
である。このことが、原理上、従動スプロケットギヤ1
4側にラチェット機構が不要であることの理由でもあ
る。
【0039】なお、一方向送り機構50についての説明
は、ここに挙げた一例に止めるが、これに限る趣旨では
ない。一方向送り機構50としては、同様の作用を奏す
ることのできる、例えば、単なるガンギ車であってもよ
く、また、一方向に食付き作用を有するディスクブレー
キ類似の機構であっても利用可能である。
は、ここに挙げた一例に止めるが、これに限る趣旨では
ない。一方向送り機構50としては、同様の作用を奏す
ることのできる、例えば、単なるガンギ車であってもよ
く、また、一方向に食付き作用を有するディスクブレー
キ類似の機構であっても利用可能である。
【0040】このような自転車のペダリング機構におい
ては、運転者は、駆動可能角度範囲E1内において、道
路状況等に応じて駆動可能角度範囲E1内において、ペ
ダリングストロークPSの範囲を自在に選択してペダリ
ング動作をすることができるとともに、生じるトルクT
の高いペダリングストロークPSの範囲を選択してペダ
リング動作をすることにより、ピークトルクT3に対す
る平均トルクT1を格段に高めることができる(図5、
図6)。
ては、運転者は、駆動可能角度範囲E1内において、道
路状況等に応じて駆動可能角度範囲E1内において、ペ
ダリングストロークPSの範囲を自在に選択してペダリ
ング動作をすることができるとともに、生じるトルクT
の高いペダリングストロークPSの範囲を選択してペダ
リング動作をすることにより、ピークトルクT3に対す
る平均トルクT1を格段に高めることができる(図5、
図6)。
【0041】このことをペダルアーム位相角±θ、θ=
45度の範囲で右のペダルアーム11Rからペダリング
動作をする場合を例として説明する。待機状態のペダル
アーム11Rは、−45度の位置にあり、これに入力F
を加えると、トルクTは、瞬時に、その時点のペダルア
ーム11Rの実効長Lと入力Fとによって決定されるト
ルクレベルT2にまで立ち上がる。そして、この点が、
ペダルアーム11L、11Rを踏み下げる動作が、常に
上死点位置D1から開始される従来のペダリング機構に
おけるトルクTの立ち上がり方とは、決定的に異なるの
である(図12参照)。
45度の範囲で右のペダルアーム11Rからペダリング
動作をする場合を例として説明する。待機状態のペダル
アーム11Rは、−45度の位置にあり、これに入力F
を加えると、トルクTは、瞬時に、その時点のペダルア
ーム11Rの実効長Lと入力Fとによって決定されるト
ルクレベルT2にまで立ち上がる。そして、この点が、
ペダルアーム11L、11Rを踏み下げる動作が、常に
上死点位置D1から開始される従来のペダリング機構に
おけるトルクTの立ち上がり方とは、決定的に異なるの
である(図12参照)。
【0042】次いで、ペダルアーム11Rが水平になる
位相角0度において、ピークトルクT3を記録し、45
度の位置では、運転者が力を加える足を左足に切り替え
るため、トルクTは、T2レベルに立ち下がる。この時
点で駆動スプロケットギヤ12は90度回転し、左のペ
ダルアーム11Lは、逆転機構20の働きで−45度の
位置に移動している。次いで、これを踏み下げることに
よりで左のペダルアーム11LによるトルクTの山がT
2レベルから立ち上がる。この際のトルクTの立ち上が
り態様は、右のペダルアーム11Rの場合と同様であ
り、この時点で駆動スプロケットギヤ12は、一方向送
り機構50の働きにより、さらに90度同方向に回転す
る。以後、運転者のペダリング動作の継続により、90
度間隔でトルクTの山が順次に立ち上がり、駆動スプロ
ケットギヤ12は、円滑に回転を持続する。また、運転
者は、駆動スプロケットギヤ12一回転につき、四回ペ
ダルアーム11L、11Rを踏み下げることになる。
位相角0度において、ピークトルクT3を記録し、45
度の位置では、運転者が力を加える足を左足に切り替え
るため、トルクTは、T2レベルに立ち下がる。この時
点で駆動スプロケットギヤ12は90度回転し、左のペ
ダルアーム11Lは、逆転機構20の働きで−45度の
位置に移動している。次いで、これを踏み下げることに
よりで左のペダルアーム11LによるトルクTの山がT
2レベルから立ち上がる。この際のトルクTの立ち上が
り態様は、右のペダルアーム11Rの場合と同様であ
り、この時点で駆動スプロケットギヤ12は、一方向送
り機構50の働きにより、さらに90度同方向に回転す
る。以後、運転者のペダリング動作の継続により、90
度間隔でトルクTの山が順次に立ち上がり、駆動スプロ
ケットギヤ12は、円滑に回転を持続する。また、運転
者は、駆動スプロケットギヤ12一回転につき、四回ペ
ダルアーム11L、11Rを踏み下げることになる。
【0043】このようなペダリング動作において、ピー
クトルクT3自体は、ペダルアーム11L、11Rの長
さ、または入力Fを変化させない限り、従来の自転車に
おけるペダリング機構と同等であるに拘らず、その平均
トルクT1のレベルは格段に高く、ピークトルクT3の
90%程度に達する。このことは、このペダリング機構
10によって、登板能力や最高速度等を大幅に高めるこ
とができることを示している。また、ペダルアーム位相
角±θを例えば、θ=30度の範囲に選択してペダリン
グ動作を実行すれば、さらに平均トルクT1のレベルを
高めることもできる。ただし、いたずらに狭いペダリン
グストロークPSの範囲を選択することはできない。こ
れは、選択する範囲が極端に狭いと、駆動スプロケット
ギヤ12一回転当たりの所要ペダリング回数が増加する
ため、運転者の運動能力が追随できなくなるからであ
る。
クトルクT3自体は、ペダルアーム11L、11Rの長
さ、または入力Fを変化させない限り、従来の自転車に
おけるペダリング機構と同等であるに拘らず、その平均
トルクT1のレベルは格段に高く、ピークトルクT3の
90%程度に達する。このことは、このペダリング機構
10によって、登板能力や最高速度等を大幅に高めるこ
とができることを示している。また、ペダルアーム位相
角±θを例えば、θ=30度の範囲に選択してペダリン
グ動作を実行すれば、さらに平均トルクT1のレベルを
高めることもできる。ただし、いたずらに狭いペダリン
グストロークPSの範囲を選択することはできない。こ
れは、選択する範囲が極端に狭いと、駆動スプロケット
ギヤ12一回転当たりの所要ペダリング回数が増加する
ため、運転者の運動能力が追随できなくなるからであ
る。
【0044】その他、このペダリング機構10は、道路
状況等に応じてペダリング回数を増やすことによって、
平均トルクT1を高めることができるという意味におい
て、一種の無段変速機能を兼ね備えるものであるという
ことができる。また、平均トルクT1が高いことに基づ
き、駆動スプロケットギヤ12と従動スプロケットギヤ
14との歯数比を高め、スピードレコード用等の高速用
途に応えることができる。さらに、ペダリングストロー
クPSが小さいことに基づき、ペダルアーム11L、1
1Rを長めに設定することができるので、マウンテンバ
イク等の高トルク用途に応えることができる他、脚が短
い低学年児童や、スカートの裾が気になる女性の利用に
も便利である。
状況等に応じてペダリング回数を増やすことによって、
平均トルクT1を高めることができるという意味におい
て、一種の無段変速機能を兼ね備えるものであるという
ことができる。また、平均トルクT1が高いことに基づ
き、駆動スプロケットギヤ12と従動スプロケットギヤ
14との歯数比を高め、スピードレコード用等の高速用
途に応えることができる。さらに、ペダリングストロー
クPSが小さいことに基づき、ペダルアーム11L、1
1Rを長めに設定することができるので、マウンテンバ
イク等の高トルク用途に応えることができる他、脚が短
い低学年児童や、スカートの裾が気になる女性の利用に
も便利である。
【0045】ここで、逆転機構20に代わる逆転機構3
0、40の例を説明する(図7ないし図10)。逆転機
構30は、ギヤハウジング31と、一対のベベルギヤ3
2、33と、4個の中間ベベルギヤ34とからなる(図
7、図8)。ギヤハウジング31には、筒部31bが一
体成形され、ギヤハウジング31は、筒部31bでリヤ
アーム76を把持し、クランク軸13の右端を覆うよう
に車体フレーム70側に固定されている。一対のベベル
ギヤ32、33は、それぞれ、歯を切った側を対面させ
る姿勢で、内軸13L、外軸13Rの右端に取り付けら
れている。また、4個の中間ベベルギヤ34は、ギヤハ
ウジング31の内側に、90度間隔に振り分けてベベル
ギヤ32、33の中心に向けて回転自在に取り付けられ
ている。すなわち、一対のベベルギヤ32、33は、中
間ベベルギヤ34を間に挟み込んで歯合している。右の
ペダルアーム11R基端部は、クランク形に曲げられて
おり、外軸13Rに取り付けたベベルギヤ33の側面に
固定されている。
0、40の例を説明する(図7ないし図10)。逆転機
構30は、ギヤハウジング31と、一対のベベルギヤ3
2、33と、4個の中間ベベルギヤ34とからなる(図
7、図8)。ギヤハウジング31には、筒部31bが一
体成形され、ギヤハウジング31は、筒部31bでリヤ
アーム76を把持し、クランク軸13の右端を覆うよう
に車体フレーム70側に固定されている。一対のベベル
ギヤ32、33は、それぞれ、歯を切った側を対面させ
る姿勢で、内軸13L、外軸13Rの右端に取り付けら
れている。また、4個の中間ベベルギヤ34は、ギヤハ
ウジング31の内側に、90度間隔に振り分けてベベル
ギヤ32、33の中心に向けて回転自在に取り付けられ
ている。すなわち、一対のベベルギヤ32、33は、中
間ベベルギヤ34を間に挟み込んで歯合している。右の
ペダルアーム11R基端部は、クランク形に曲げられて
おり、外軸13Rに取り付けたベベルギヤ33の側面に
固定されている。
【0046】このような歯車の組合わせにおいて、右の
ペダルアーム11Rが踏み下げられると、ベベルギヤ3
3が時計方向に回転する一方、ベベルギヤ32は、中間
ベベルギヤ34を介して反時計方向に回転する。したが
って、左のペダルアーム11Lには、右のペダルアーム
11Rとは逆に、上昇する動作が実現される。
ペダルアーム11Rが踏み下げられると、ベベルギヤ3
3が時計方向に回転する一方、ベベルギヤ32は、中間
ベベルギヤ34を介して反時計方向に回転する。したが
って、左のペダルアーム11Lには、右のペダルアーム
11Rとは逆に、上昇する動作が実現される。
【0047】逆転機構40は、リンク機構を応用するも
のである(図9、図10)。逆転機構40は、把持部4
1bおよび長孔41Hを形成した固定ブラケット41
と、長短一対の第一節リンクプレート42R、42L
と、同じく長短一対の第二節リンクプレート43R、4
3Lと、軸孔H4設けたスライドリング44とからなる
(図9)。ただし、長い方の第一節リンクプレート42
Rと右のペダルアーム11Rの基部とは、共用部材であ
り、また、長孔41Hの短径は、スライドリング44の
外径相当に形成されている。
のである(図9、図10)。逆転機構40は、把持部4
1bおよび長孔41Hを形成した固定ブラケット41
と、長短一対の第一節リンクプレート42R、42L
と、同じく長短一対の第二節リンクプレート43R、4
3Lと、軸孔H4設けたスライドリング44とからなる
(図9)。ただし、長い方の第一節リンクプレート42
Rと右のペダルアーム11Rの基部とは、共用部材であ
り、また、長孔41Hの短径は、スライドリング44の
外径相当に形成されている。
【0048】一方の第一節リンクプレート42Rの一端
は、外軸13Rの右端に固定されている。また、他の一
端側には、外軸13Rから所定の間隔を以って、軸孔H
1が設けられている。他方の第一節リンクプレート42
Lの一端は、内軸13Lの右端に左のペダルアーム11
Lと同方向を向けて固定され、他の一端側には、極く短
い軸42bが突設されている。短い方の第二節リンクプ
レート43Rは、短い方の第一節リンクプレート42L
と同長、相似形であるが、その両端に反対方向を向けて
一対の軸43b、43bが突設されている。また、長い方
の第二節リンクプレート43Lには、その両端に一対の
軸孔H2、H3が設けられ、中間部には、軸43bが突
設されている。なお、一対の軸孔H2、H3の間隔は、
第一節リンクプレート42Rの内軸13Lの中心と軸孔
H1の中心との間隔に等しく、外軸13R、軸42b等
および軸孔H1ないし軸孔H4等の向きは、同方向であ
る。
は、外軸13Rの右端に固定されている。また、他の一
端側には、外軸13Rから所定の間隔を以って、軸孔H
1が設けられている。他方の第一節リンクプレート42
Lの一端は、内軸13Lの右端に左のペダルアーム11
Lと同方向を向けて固定され、他の一端側には、極く短
い軸42bが突設されている。短い方の第二節リンクプ
レート43Rは、短い方の第一節リンクプレート42L
と同長、相似形であるが、その両端に反対方向を向けて
一対の軸43b、43bが突設されている。また、長い方
の第二節リンクプレート43Lには、その両端に一対の
軸孔H2、H3が設けられ、中間部には、軸43bが突
設されている。なお、一対の軸孔H2、H3の間隔は、
第一節リンクプレート42Rの内軸13Lの中心と軸孔
H1の中心との間隔に等しく、外軸13R、軸42b等
および軸孔H1ないし軸孔H4等の向きは、同方向であ
る。
【0049】逆転機構40を構成するこれらの部材は、
平行四節リンクを形成するように組み立てられている
(図9、図10)。先ず、固定ブラケット41は、長孔
41H内にスライドリング44を装填した状態でリヤア
ーム76に固定される。このとき、固定ブラケット41
は水平姿勢であり、スライドリング44は、長孔41H
の範囲内で水平方向に移動することができる。また、短
い方の第二節リンクプレート43Rは、短い方の第一節
リンクプレート42Lと平行姿勢を保つようにして、そ
の一方の軸43bを長い方の第一節リンクプレート42
Rの軸孔H1に挿入して組み付けられている。また、長
い方の第二節リンクプレート43Lは、長い方の第一節
リンクプレート42Rと平行姿勢を保つようにして、そ
れぞれ、軸42bと軸孔H2とを、軸43bと軸孔H3と
を対応させて、短い方の第一節リンクプレート42Lと
短い方の第二節リンクプレート43Rを連結するように
組み付けられるとともに、その軸43cは、軸孔H4と
を対応させて、固定ブラケット41内のスライドリング
44にも組み合わされている。
平行四節リンクを形成するように組み立てられている
(図9、図10)。先ず、固定ブラケット41は、長孔
41H内にスライドリング44を装填した状態でリヤア
ーム76に固定される。このとき、固定ブラケット41
は水平姿勢であり、スライドリング44は、長孔41H
の範囲内で水平方向に移動することができる。また、短
い方の第二節リンクプレート43Rは、短い方の第一節
リンクプレート42Lと平行姿勢を保つようにして、そ
の一方の軸43bを長い方の第一節リンクプレート42
Rの軸孔H1に挿入して組み付けられている。また、長
い方の第二節リンクプレート43Lは、長い方の第一節
リンクプレート42Rと平行姿勢を保つようにして、そ
れぞれ、軸42bと軸孔H2とを、軸43bと軸孔H3と
を対応させて、短い方の第一節リンクプレート42Lと
短い方の第二節リンクプレート43Rを連結するように
組み付けられるとともに、その軸43cは、軸孔H4と
を対応させて、固定ブラケット41内のスライドリング
44にも組み合わされている。
【0050】このような逆転機構40における、一対の
第一節リンクプレート42R、42Lと一対の第二節リ
ンクプレート43R、43Lとによって形成される四辺
形は、クランク軸13を固定の支点とし、スライドリン
グ44の軸孔H4に対応する第二節リンクプレート43
Lの軸43cを可動の支点として変形することが可能で
あり、この際、一対の第一節リンクプレート42R、4
2Lは、クランク軸13を中心に、水平位置を挟んで交
差するように、両者間に形成される角度を変化させる。
したがって、第一節リンクプレート42R、42Lのそ
れぞれに連結された左右のペダルアーム11L、11R
は、互いに反対方向に運動することができるのである。
第一節リンクプレート42R、42Lと一対の第二節リ
ンクプレート43R、43Lとによって形成される四辺
形は、クランク軸13を固定の支点とし、スライドリン
グ44の軸孔H4に対応する第二節リンクプレート43
Lの軸43cを可動の支点として変形することが可能で
あり、この際、一対の第一節リンクプレート42R、4
2Lは、クランク軸13を中心に、水平位置を挟んで交
差するように、両者間に形成される角度を変化させる。
したがって、第一節リンクプレート42R、42Lのそ
れぞれに連結された左右のペダルアーム11L、11R
は、互いに反対方向に運動することができるのである。
【0051】なお、以上の説明において、自転車、と言
うときには、ペダリング動作に基づくトルクTによって
走行するものである限り、専ら荷役用の三輪車や、幼児
の運動玩具に見られるような四輪のものを含むものとす
る。また、ペダリング動作における駆動可能角度範囲E
1は、必ずしも水平位置を基準として自転車の進行方向
側の±90度の範囲に一致するものではなく、あくまで
も、運転者の運転姿勢によって決定する上死点D1の位
置と下死点D2の位置によって定まるものである。スピ
ードレコード用や、加速記録用等のカウリングを備える
特殊な自転車においては、極端な前傾姿勢や後傾姿勢が
とられることがあるからである。さらに、トルク伝達手
段10として、チェーンCHを用いる、いわゆるチェー
ンドライブのもののみを例示したが、トルク伝達手段1
0が、シャフトドライブであっても、ベルトドライブで
あっても何等不都合はない。この場合には、それぞれ、
駆動スプロケットギヤ12に代えて、クランク軸13
に、ベベルギヤまたはベルトプーリを取り付ければ足り
るからである。
うときには、ペダリング動作に基づくトルクTによって
走行するものである限り、専ら荷役用の三輪車や、幼児
の運動玩具に見られるような四輪のものを含むものとす
る。また、ペダリング動作における駆動可能角度範囲E
1は、必ずしも水平位置を基準として自転車の進行方向
側の±90度の範囲に一致するものではなく、あくまで
も、運転者の運転姿勢によって決定する上死点D1の位
置と下死点D2の位置によって定まるものである。スピ
ードレコード用や、加速記録用等のカウリングを備える
特殊な自転車においては、極端な前傾姿勢や後傾姿勢が
とられることがあるからである。さらに、トルク伝達手
段10として、チェーンCHを用いる、いわゆるチェー
ンドライブのもののみを例示したが、トルク伝達手段1
0が、シャフトドライブであっても、ベルトドライブで
あっても何等不都合はない。この場合には、それぞれ、
駆動スプロケットギヤ12に代えて、クランク軸13
に、ベベルギヤまたはベルトプーリを取り付ければ足り
るからである。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る自
転車のペダリング機構は、クランク軸を左のペダルアー
ム用と右のペダルアーム用とに独立させることによっ
て、左右のペダルアームが同時に、自転車を進行させる
向きにトルクを生じさせることができる駆動可能範囲内
に位置することを可能にするとともに、しかも、左右の
ペダルアーム間に介装した逆転機構によって、駆動可能
範囲内において高トルクを得られる範囲を選択してペダ
リング動作をすることができるので、ピークトルクに対
する平均トルクのレベルを格段に高め、自転車の登板性
能、加速性能、最高速度等の走破性能を大幅に向上する
ことができるという効果を奏する。
転車のペダリング機構は、クランク軸を左のペダルアー
ム用と右のペダルアーム用とに独立させることによっ
て、左右のペダルアームが同時に、自転車を進行させる
向きにトルクを生じさせることができる駆動可能範囲内
に位置することを可能にするとともに、しかも、左右の
ペダルアーム間に介装した逆転機構によって、駆動可能
範囲内において高トルクを得られる範囲を選択してペダ
リング動作をすることができるので、ピークトルクに対
する平均トルクのレベルを格段に高め、自転車の登板性
能、加速性能、最高速度等の走破性能を大幅に向上する
ことができるという効果を奏する。
【0053】
【図1】実施例の全体概念を示す模式図である。
【図2】一部を破断して示す上記実施例の要部の平面図
である。
である。
【図3】上記実施例の逆転機構を示す断面図である。
【図4】上記実施例の一方向送り機構を示す断面図であ
る。
る。
【図5】上記実施例のペダリング動作例を示す線図であ
る。
る。
【図6】上記実施例のペダリング機構のトルク曲線図で
ある。
ある。
【図7】一部を破断して示す別の逆転機構の平面図であ
る。
る。
【図8】一部を破断して示す上記逆転機構の側面図であ
る。
る。
【図9】別の逆転機構の分解斜視図である。
【図10】上記逆転機構の動作説明図である。
【図11】従来のペダリング機構の動作説明図である。
【図12】従来のペダリング機構のトルク曲線図であ
る。
る。
10 トルク伝達手段 11L、11R ペ
ダルアーム 13 クランク軸 13L 内軸 13R 外軸 20、30、40
逆転機構 22 センタギヤ 23 サンギヤ 24 プラネタリギヤ 32、33 ベベ
ルギヤ 34 中間ベベルギヤ 50 一方向送り
機構 42L、42R 第一節リンクプレート 43L、43R 第二節リンクプレート
ダルアーム 13 クランク軸 13L 内軸 13R 外軸 20、30、40
逆転機構 22 センタギヤ 23 サンギヤ 24 プラネタリギヤ 32、33 ベベ
ルギヤ 34 中間ベベルギヤ 50 一方向送り
機構 42L、42R 第一節リンクプレート 43L、43R 第二節リンクプレート
Claims (5)
- 【請求項1】 サドルの下方に、車体フレームを介して
左右一対のペダルアームを取り付けたクランク軸を配設
し、前記左右のペダルアームを交互に踏み下げることに
よって前記クランク軸に生じるトルクを、トルク伝達手
段を介して後輪に伝達するようにしてなる自転車のペダ
リング機構において、前記クランク軸を左のペダルアー
ム用と右のペダルアーム用とに独立させた上、前記左の
ペダルアームと右のペダルアームとの間に逆転機構を介
装し、相互に反対動作可能に連結するとともに、前記独
立したクランク軸とトルク伝達手段との間に一方向送り
機構を介装し、前記左右のペダルアームを交互に踏み下
げることによって前記独立したクランク軸に交互に生じ
るトルクを、交互に後輪に伝達するようにしてなる自転
車のペダリング機構。 - 【請求項2】 前記クランク軸が、内軸と外軸とからな
る二重軸構造を採ることを特徴とする請求項1記載の自
転車のペダリング機構。 - 【請求項3】 前記逆転機構が、独立させた前記クラン
ク軸のいずれか一方に取り付けるベベルギヤと、前記ク
ランク軸の他方に取り付けるベベルギヤと、該ベベルギ
ヤと前記ベベルギヤとの双方に噛合し、前記車体フレー
ム側に回転自在に軸支する中間ベベルギヤとの組合わせ
からなることを特徴とする請求項2記載の自転車のペダ
リング機構。 - 【請求項4】 前記逆転機構が、独立させた前記クラン
ク軸のいずれか一方に取り付けるセンタギヤと、前記ク
ランク軸の他方に取り付けるサンギヤと、該サンギヤと
前記センタギヤとの双方に噛合し、前記車体フレーム側
に回転自在に軸支するプラネタリギヤとの組合わせから
なることを特徴とする請求項2記載の自転車のペダリン
グ機構。 - 【請求項5】 前記逆転機構が、前記左右のペダルアー
ムに連結する一対の第一節リンクプレートと、該一対の
第一節リンクプレートを相互に連結する一対の第二節リ
ンクプレートとを備え、平行四節リンクを構成すること
を特徴とする請求項1または請求項2記載の自転車のペ
ダリング機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23428897A JPH1170889A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 自転車のペダリング機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23428897A JPH1170889A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 自転車のペダリング機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1170889A true JPH1170889A (ja) | 1999-03-16 |
Family
ID=16968644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23428897A Pending JPH1170889A (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 自転車のペダリング機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1170889A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2285962A1 (es) * | 2007-04-30 | 2007-11-16 | Iñigo Azkorra Elexpe | Mecanismo de transmision y conversion de movimiento lineal alternante e opuesto en dos polos a movimiento de giro unidireccional y en carga continua. |
KR100802638B1 (ko) | 2006-10-30 | 2008-02-13 | 백미자 | 안장이 없는 서서 타는 자전거 |
CN100376452C (zh) * | 2002-12-17 | 2008-03-26 | 峩洋直隆 | 自行车的踏板曲柄机构 |
WO2018034542A1 (ko) * | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 강병남 | 자전거 동력발생장치 |
-
1997
- 1997-08-29 JP JP23428897A patent/JPH1170889A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100376452C (zh) * | 2002-12-17 | 2008-03-26 | 峩洋直隆 | 自行车的踏板曲柄机构 |
KR100802638B1 (ko) | 2006-10-30 | 2008-02-13 | 백미자 | 안장이 없는 서서 타는 자전거 |
ES2285962A1 (es) * | 2007-04-30 | 2007-11-16 | Iñigo Azkorra Elexpe | Mecanismo de transmision y conversion de movimiento lineal alternante e opuesto en dos polos a movimiento de giro unidireccional y en carga continua. |
WO2018034542A1 (ko) * | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 강병남 | 자전거 동력발생장치 |
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