JPH0942382A - ベルト用抗張体及びベルト - Google Patents

ベルト用抗張体及びベルト

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JPH0942382A
JPH0942382A JP7187198A JP18719895A JPH0942382A JP H0942382 A JPH0942382 A JP H0942382A JP 7187198 A JP7187198 A JP 7187198A JP 18719895 A JP18719895 A JP 18719895A JP H0942382 A JPH0942382 A JP H0942382A
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twists
glass
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twist
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英昭 川原
Masaki Ochiai
政喜 落合
Eijiro Nakajima
栄二郎 中嶋
Yuji Takeuchi
祐二 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスフィラメントからなる複数本の繊維束
を引き揃えて所定撚り数の下撚りが施されてなる所要本
数の下撚り糸5,5,…に上撚りを施してなるベルト用
のガラスコードにおいて、多湿下においても強力低下を
引き起こさないようにし、ベルトに優れた耐水屈曲疲労
性を付与できるようにする。 【解決手段】 下撚り糸5,5,…に、該下撚り糸5,
5,…間の空隙が絞り潰されて略無くなるように撚り数
が2.4回/インチ以上の上撚りを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種のベルトに
埋設されるベルト用抗張体及びそれを用いたベルトの技
術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、歯付ベルト等の伝動ベルトで
は、強度、強靭性或いは寸法安定性を向上させるため
に、ガラス繊維からなるガラスコードを抗張体としてベ
ルト本体に埋設することが広く行われている。
【0003】例えば、自動車用エンジンのカムシャフト
駆動におけるタイミングベルトの場合では、ガラスコー
ドは、図4に拡大して示すように、各々、ガラスフィラ
メントa,a,…が集束されてなる複数本のストランド
を引き揃え、これに所定の下撚りを施して下撚り糸bと
し、この下撚り糸bを複数本引き揃えて上記下撚りとは
逆方向に所定の上撚りを施すことで構成されており、一
般には、ECG150−3/13(各々、フィラメント
径が9μmでかつ大きさが15,000ヤード/ポンド
である3本のストランドを引き揃えて1インチ当たり
2.0回の下撚りを施して下撚り糸とし、この下撚り糸
を13本引き揃えて1インチ当たり2.0回の上撚りを
施してなるコード)が使用されている。
【0004】ところで、降雨時の自動車走行等の多湿条
件下では、水分がガラスコードの屈曲による疲労劣化を
促進することから、ベルトの強力低下が著しく、ベルト
の切断が起こり易いという問題がある。
【0005】そこで、従来では、上記耐水屈曲疲労性を
向上させるために、例えば実開昭62−174139号
公報に記載されているように、ガラスコードの下撚り数
を2.0〜2.5回/25mmの範囲に、また上撚り数
を1.4〜2.0回/25mmの範囲にそれぞれ設定す
るようにしたものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
のエンジンルーム内における温度上昇化傾向等の種々の
悪条件を考慮すると、上記従来の対策をもってしても実
際には不十分であるといわざるを得ず、未だ改良の余地
がある。
【0007】この発明は係る点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、複数本の引き揃えられ
た下撚り糸に上撚りを施したガラスコードからなるベル
ト用抗張体において、上撚りによってもたらされる効果
を積極的に活用することで、多湿下においても強力低下
を引き起こし難い優れた耐水屈曲疲労性が得られるよう
にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、ガラスコードの水分による
屈曲疲労は、図4に示すように、下撚り糸b,b,…間
に形成されている空隙cに外部からの水が溜まるため
に、下撚り糸b,b,…間の密着性を阻害してコードの
構造が損なわれることにより生じるものであるとの知見
に基づき、上撚り数を従来よりもできるだけ多くして上
記空隙cを絞り潰すようにすることで、優れた耐水屈曲
疲労性が得られるようにした。
【0009】具体的には、この発明では、各々、RFL
処理液に浸漬された後に熱処理されたガラス繊維からな
る複数本の繊維束を引き揃えて所定撚り数の下撚りが施
されてなる所要本数の下撚り糸に、該下撚り糸が引き揃
えられた状態で上記下撚りとは逆方向の所定撚り数の上
撚りを施されてなるベルト用抗張体が前提である。
【0010】そして、上記下撚り糸に、該下撚り糸間の
空隙が絞り潰されて略無くなるように上撚りを施すよう
にする。
【0011】上記構成において、下撚り糸間の空隙は、
上撚りにより絞り潰されて略無くなっているので、外部
から浸入した水が抗張体の内部に滞留するのを未然に防
止でき、結果として、ベルトの耐水屈曲疲労性は大きく
改善される。
【0012】尚、上記ガラス繊維は、特に限定されるも
のではなく、一般にいう無アルカリガラス繊維である。
その際に、好ましくはフィラメント径が8μm以下の高
強力ガラスを用いれば、コードの強力を低下させること
なく抗張体の細径化を図ることができ、ベルトの屈曲に
対し有利に作用する。
【0013】また、上記RFLは、レゾルシン及びホル
マリンの初期縮合物と、ラテックスとを混合したもので
あり、上記ラテックスとしては、特に限定されるもので
はないが、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元
共重合体、クロロスルフォン化ポリエチレン、ニトリル
ゴム、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリン、SB
R、クロロプレンゴム、塩素化ブタジエン、オレフィン
−ビニルエステル共重合体及び天然ゴム等のラテック
ス、又はそれらの混合体が挙げられる。
【0014】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、上撚り数を2.4回/インチ以上に設定する
こととする。この構成により、上記請求項1の発明での
作用が具体的に営まれる。
【0015】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
において、下撚り数を1.0回/インチ以上に設定す
る。この構成により、所要本数の引き揃えられた繊維束
が下撚りされる際に、上記繊維束の引揃えがわるくなる
ことが回避され、そのような引揃えの不良に起因する抗
張体の強力の低下は未然に防止される。
【0016】請求項4の発明では、上記請求項2の発明
において、上撚り数を3.5回/インチ以下に設定す
る。つまり、上撚り数の上限を3.5回/インチとす
る。この構成により、ベルトに対し優れた耐水屈曲疲労
性が必要十分な撚りで効率よく付与されるようになる。
また、撚り数が多過ぎることに起因する伸び易さ等の不
具合の発生を回避することもできる。
【0017】請求項5の発明では、上記請求項3の発明
において、下撚り数を4.0回/インチ以下に設定す
る。つまり、下撚り数の上限を4.0回/インチとす
る。この構成により、上撚りによる空隙の絞り潰し作用
が効率よく発揮される。換言すれば、下撚り数が4.0
回/インチを超えると、耐水屈曲疲労性の改善が頭打ち
となり、さらには低下傾向もみられるようになる。ま
た、上記請求項4の発明の場合と同様に、撚り数が多過
ぎることに起因する不具合の発生を回避することもでき
る。
【0018】請求項6の発明では、ガラス繊維がガラス
フィラメントからなるものである場合に、総フィラメン
ト本数を4000〜7000本の範囲とする。つまり、
総フィラメント本数が4000本未満であると十分な強
力が得られ難い。一方、7000本を超えると、ガラス
コードの表面歪みが大きくなって曲げに対し不利とな
る。
【0019】請求項7の発明では、上記ベルト用抗張体
の外層に、ゴムを主成分とする被膜を設ける。この構成
により、ベルト本体のゴムに対するベルト用抗張体の接
着性が向上し、ベルト走行安定性を向上させ、耐水屈曲
疲労性はさらに改善される。尚、上記被膜を構成するた
めのゴム材料としては、特に限定されるものではない
が、ゴムとの接着性を考慮する上で、塩化ゴム、ポリ塩
化ビニル、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリ
エチレン等のハロゲン含有物が好ましい。
【0020】また、上記被膜を形成する方法としては、
ベルト用抗張体をゴム糊に浸漬して熱処理することが挙
げられる。上記の処理をする際に、ゴム等を溶解させる
ために用いられる溶剤としては、特に限定されるもので
はないが、一般には、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、エーテル類、トリクロロエチレン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素等が好適に用いられる。
【0021】請求項8の発明では、上記請求項2の発明
に係るベルト用抗張体を、ベルト本体にベルト長さ方向
に延びるように埋設する。この構成により、ベルトに対
し優れた耐水屈曲疲労性が付与される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図2は、この発明の実施例に係る
歯付ベルトを示し、この歯付ベルトは、ベルト長さ方向
(同図の左右方向)に延びる断面矩形状の背ゴム部1a
の内面側(同図の下面側)に、ベルト長さ方向に所定ピ
ッチ間隔をおいて多数の歯部1b,1b,…が配設され
てなるベルト本体1を有していて、このベルト本体1の
歯部表面にはカバー帆布2が貼着されている。また、上
記背ゴム部1aには、ベルト長さ方向に延びかつベルト
幅方向に所定ピッチ間隔をあけて並ぶようにスパイラル
状に巻かれたベルト用抗張体としてのガラスコード3が
埋設されている。
【0023】具体的には、上記ベルト本体1には、水素
化ニトリルゴムを主原料とするゴム組成物が用いられて
いる。上記カバー帆布2としては、ベルト幅方向に延び
るように配置される糸には6,6ナイロン糸が、またベ
ルト長さ方向に延びるように配置される糸には工業用
6,6ナイロンのウーリー加工糸がそれぞれ使用されて
いる。
【0024】上記ガラスコード3は、図1に拡大して示
すように、各々、RFL処理液に浸漬された後に熱処理
されたガラス繊維としてのガラスフィラメント4,4,
…からなる複数本の繊維束を引き揃えて所定撚り数の下
撚りが施されてなる所要本数の下撚り糸5,5,…に、
該下撚り糸5,5,…が引き揃えられた状態で上記下撚
りとは逆方向の所定撚り数の上撚りを施されてなってい
る。尚、各下撚り糸5のガラスフィラメント4,4,…
間には、上記RFL処理液からなるゴム部が介在してい
る。
【0025】上記歯付ベルトは一般的な圧入法によって
成形れており、その歯数は113、歯部1b,1b,…
のピッチは8mm、ベルト幅は19mmになされてい
る。また、各歯部1bは、ベルト長さ方向において互い
に対向する側面が断面円弧状をなしている。
【0026】そして、この発明の特徴として、上記ガラ
スコード3における各下撚り糸5の下撚り数は、1.0
回/インチ以上に設定されている。そして、下撚り糸
5,5,…は、該下撚り糸5,5,…間の空隙(図4参
照)が絞り潰されて略無くなるように2.4回/インチ
以上の撚り数の上撚りが施されている。
【0027】また、総フィラメント本数は。4000〜
7000本の範囲に設定されている。すなわち、総フィ
ラメント本数が4000本未満であると十分な強力が得
られ難い一方、7000本を超えるとガラスコードの表
面歪みが大きくなり、曲げに対し不利となる。
【0028】具体的には、ガラスフィラメント4として
は、直径7μmの無アルカリ高強力ガラスフィラメント
が用いられており、各繊維束は200本のガラスフィラ
メント4,4,…をそれぞれ集束してなっている。そし
て、3本の繊維束を引き揃えて濃度20重量%のVp−
SRB系RFL処理液に浸漬し、次いで240℃で1分
間の熱処理を行った後、これに2.0回/インチの下撚
りを施して下撚り糸5とし、さらにこの下撚り糸5を1
1本集めて引き揃え、2.4回/インチの上撚りを施し
ている。この結果、総フィラメント本数は6600本
(=200本×3×11)となっている。
【0029】したがって、この実施例によれば、下撚り
糸5,5,…間の空隙が、2.4回/インチの撚り数の
上撚りにより絞り潰されて略無くなった状態であるの
で、外部から浸入した水がガラスコード3の内部に滞留
するのを未然に防止でき、結果として、歯付ベルトの耐
水屈曲疲労性を大きく改善することができる。
【0030】また、下撚りの際に、下撚り数を1.0回
/インチ以上としているので、撚り数の少ないことによ
って繊維束の引揃えがわるくなることを回避でき、よっ
て、引揃えの不良に起因するガラスコード3の強力の低
下を未然に防止することができる。
【0031】さらに、総フィラメント本数を4000〜
7000本の範囲で設定しているので、十分な強力を得
ることができ、かつガラスコードの表面歪みを小さく抑
えて曲げに対し有利に作用させることができる。
【0032】(実験例)上記実施例の歯付ベルトについ
て、耐水屈曲疲労性及びベルトの経時伸びの各評価を行
うための走行試験について説明する。その際に、上記歯
付ベルトを発明例1とするとともに、そのガラスコード
を、クロロスルフォン化ポリエチレンを主成分としたゴ
ム糊の20重量%溶液に浸漬し、150℃で1分の雰囲
気下で乾燥させることで別のガラスコードとし、このガ
ラスコードをベルト用抗張体として用いた他は上記発明
例1の場合と同じ歯付ベルトを作製して、これを発明例
2とした。
【0033】また、上記発明例2において、下撚り数及
び上撚り数がそれぞれ異なる16種類のガラスコードを
作製し、それをベルト用抗張体とした他は発明例2の場
合と同じ歯付ベルトをそれぞれ作製して、発明例3〜1
3及び比較例1〜5とした。上記発明例1〜13及び比
較例1〜5における下撚り数及び上撚り数を、次の表1
に併せて示す。
【0034】
【表1】
【0035】−注水屈曲疲労試験の要領− 先ず、耐水屈曲性能を調べるために、図3に示すベルト
走行試験機を用いた。この試験機には、4つの大プーリ
31,31,…が同図の上下左右に配置されており、各
々、相隣る大プーリ31,31間には直径が30mmの
小プーリ32がそれぞれ配置されてなっている。そし
て、これらプーリ31,32間に各歯付ベルトAを巻き
掛け、ウエイト33にて歯付ベルトAに40kgfの負
荷をかけた状態で、水滴下口34から1時間に1リット
ルの割合で水を歯付ベルトAの歯底に向けて滴下させな
がら大プーリ31を5500rpmの回転速度で回転さ
せ、歯付ベルトAが破断するまで走行させた。
【0036】−ベルト屈曲試験の要領− 図3と同じレイアウトの走行試験機を用いて各歯付ベル
トを走行させ、屈曲数が1×108 回(一周毎の屈曲数
は4回)に達した時点での歯付ベルトの伸び率(%)を
測定した。その際に、水は滴下させなかった。
【0037】−試験結果− 以上の試験結果は、上記の表1に併せて示されていると
おりである。表1の試験結果から明らかなように、ガラ
スコードの上撚り数を適正に設定することにより、耐水
屈曲疲労性が向上することが判る。例えば、発明例1〜
13のなかで最も値の低い発明例13の場合でも、比較
例1〜5のなかで最も値の高い比較例2よりも30%程
度向上している。
【0038】次に、発明例1〜13について詳しく検討
する。先ず、上撚り数が3.5回インチを超えている発
明例5をみると、他の発明例の場合と同等又はそれ以上
に向上しているが、ベルト伸びでは難点を有する。この
難点については発明例13の場合も同程度である。した
がって、上撚り数については、3.5回/インチ以下に
設定することが好ましいといえる。
【0039】また、下撚り数が4.0回/インチを超え
ている発明例12をみると、他の発明例の場合と同等又
はそれ以上に向上してはいるが、やはりベルト伸びに難
点がある。したがって、下撚り数については、4.0回
/インチ以下に設定することが好ましいと判る。
【0040】つまり、上撚り数を2.0〜3.5回/イ
ンチの範囲で、また下撚り数を4.0回/インチ以下の
範囲、好ましくは1.0〜4.0回/インチの範囲で設
定すれば、引揃えの不良によるガラスコードの強力低下
や、撚り数を多くすることによってもたらされる虞れの
あるベルト伸び等の不具合を回避しつつ耐水屈曲疲労性
を効率よく向上させられることが判る。
【0041】また、発明例1及び2の対比から、コード
外層にゴム糊処理を施すことにより、ベルトの耐水走行
性がさらに向上することが判る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、各々、RFL処理液に浸漬された後に熱処理さ
れたガラス繊維からなる複数本の繊維束を引き揃えて下
撚りが施されてなる所要本数の下撚り糸に、該下撚り糸
が引き揃えられた状態で上記下撚りとは逆方向の上撚り
を施されてなるベルト用抗張体において、上記下撚り糸
に、該下撚り糸間の空隙が絞り潰されて略無くなるよう
に上撚りを施すようにしたので、外部からの水が抗張体
の内部に滞留するのを未然に防止できる結果、ベルトの
耐水屈曲疲労性を大きく改善することができる。
【0043】請求項2の発明によれば、上記上撚り数を
2.4回/インチ以上に設定するようにしたので、上記
請求項1の発明による効果を具体的に得ることができ
る。
【0044】請求項3の発明によれば、上記下撚り数を
1.0回/インチ以上に設定するようにしたので、繊維
束の引揃えがわるくなることを回避でき、そのような引
揃えの不良に起因する抗張体の強力低下を未然に防止す
ることができる。
【0045】請求項4の発明によれば、上記上撚り数の
上限を3.5回/インチとしたので、ベルトに対し優れ
た耐水屈曲疲労性を必要十分な撚りで効率よく付与でき
るようになる。また、撚り数が多過ぎることに起因する
伸び易さ等の不具合の発生を回避することもできる。
【0046】請求項5の発明によれば、上記下撚り数の
上限を4.0回/インチとしたので、上撚りによる空隙
の絞り潰し作用を効率よく発揮させることができ、ま
た、上記請求項4の発明の場合と同様に、撚り数が多過
ぎることに起因する不具合の発生を回避することもでき
る。
【0047】請求項6の発明では、ガラス繊維がガラス
フィラメントからなるものである場合に、総フィラメン
ト本数を4000〜7000本としたので、十分な強力
を得ることができ、かつガラスコードの表面歪みを小さ
く抑えて曲げに対し有利に作用させることができる。
【0048】請求項7の発明によれば、上記ベルト用抗
張体の外層に、ゴムを主成分とする被膜を設けるように
したので、ベルト本体のゴムに対するベルト用抗張体の
接着性を向上させることができ、ベルト走行安定性の向
上を図ることができるのみならず、耐水屈曲疲労性につ
いてもさらに改善することができる。
【0049】請求項8の発明に係るベルトによれば、ベ
ルト本体に上記ベルト用抗張体を埋設するようにしたの
で、ベルトの寸法変化を抑えつつ、ベルトに優れた耐水
屈曲性能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るガラスコードを拡大し
て示す横断面図である。
【図2】歯付ベルトの全体構成を示す縱断面図である。
【図3】実験例で用いたベルト走行試験機を示す概略構
成図である。
【図4】従来のガラスコードを示す図1相当図である。
【符号の説明】
1 ベルト本体 3 ガラスコード(ベルト用抗張体) 4 ガラスフィラメント 5 下撚り糸 A 歯付ベルト(ベルト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 祐二 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンド―化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々、レゾルシン及びホルマリンの初期
    縮合物とゴムラテックスとの混合物を主成分とする処理
    液に浸漬された後に熱処理されたガラス繊維からなる複
    数本の繊維束を引き揃えて所定撚り数の下撚りが施され
    てなる所要本数の下撚り糸に、該下撚り糸が引き揃えら
    れた状態で上記下撚りとは逆方向の所定撚り数の上撚り
    を施されてなるベルト用抗張体において、 上記下撚り糸は、該下撚り糸間の空隙が絞り潰されて略
    無くなるように上撚りが施されていることを特徴とする
    ベルト用抗張体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベルト用抗張体におい
    て、 上撚り数は、1インチ当たり2.4回以上に設定されて
    いることを特徴とするベルト用抗張体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のベルト用抗張体におい
    て、 下撚り数は、1インチ当たり1.0回以上に設定されて
    いることを特徴とするベルト用抗張体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のベルト用抗張体におい
    て、 上撚り数は、1インチ当たり3.5回以下に設定されて
    いることを特徴とするベルト用抗張体。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のベルト用抗張体におい
    て、 下撚り数は、1インチ当たり4.0回以下に設定されて
    いることを特徴とするベルト用抗張体。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のベルト用抗張体におい
    て、 ガラス繊維はガラスフィラメントからなり、総フィラメ
    ント本数は4000〜7000本の範囲であることを特
    徴とするベルト用抗張体。
  7. 【請求項7】 請求項2記載のベルト用抗張体におい
    て、 外層に、ゴムを主成分とする被膜が設けられていること
    を特徴とするベルト用抗張体。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のベルト用抗張体がベルト
    本体にベルト長さ方向に延びるように埋設されているこ
    とを特徴とするベルト。
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