JPH0942347A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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Publication number
JPH0942347A
JPH0942347A JP20931895A JP20931895A JPH0942347A JP H0942347 A JPH0942347 A JP H0942347A JP 20931895 A JP20931895 A JP 20931895A JP 20931895 A JP20931895 A JP 20931895A JP H0942347 A JPH0942347 A JP H0942347A
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JP
Japan
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oil
orifice plate
damper
piston
inner tube
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JP20931895A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Sekikawa
新介 関川
Masatomo Ishijima
正知 石島
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作動油中への気体の混入を防止して、減衰力
特性を良好に維持できるようにすること。 【構成】 インナチューブ11内にダンパオイルが充填
されるとともに減衰バルブ22、23を備えたピストン
15が摺動自在に配設され、このインナチューブを覆う
アウタチューブ12とインナチューブに囲まれて、ダン
パオイル及び空気を充填するリザーバ室16が形成さ
れ、このリザーバ室が、インナチューブ内でピストンに
より区画されたダンパ室17Bに連通して構成されたダ
ンパ装置10において、リザーバ室には、常に作動油に
没する位置に第1オリフィスプレート41が設置され、
常に空気中にあってダンパオイルの油面Ha、Hb近傍
に第2オリフィスプレート42が設置され、これらの第
1及び第2オリフィスプレートに複数のオリフィス4
3、44が形成されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダブルチューブ形
式の油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】インナチューブ及びアウタチューブ間に
リザーバ室が形成されるダブルチューブ形式の油圧緩衝
器には、実開昭55-3007 号公報記載の考案のように、リ
ザーバ室に、オリフィスを備えたオリフィスプレートが
設置されたものがある。このオリフィスプレートによっ
て、リザーバ室内の作動油の油面の変動が抑制されて、
この作動油中に空気が混入することを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
では、オリフィスプレートの設置位置やオリフィスの孔
径によって、作動油中への空気の混入の程度にばらつき
があり、作動油中の空気の混入によって生ずる油圧緩衝
器の減衰特性の低下を良好に防止できるとはいえなかっ
た。
【0004】本発明は、上述の事情を考慮してなされた
ものであり、作動油中への気体の混入を防止して、減衰
力特性を良好に維持できる油圧緩衝器を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、インナチューブ内に作動油が充填されるとともに減
衰力発生機構を備えたピストンが摺動自在に配設され、
このインナチューブを覆うアウタチューブと上記インナ
チューブに囲まれて、上記作動油及び気体を充填するリ
ザーバ室が形成され、このリザーバ室が、上記インナチ
ューブ内で上記ピストンにより区画して形成されたダン
パ室に連通して構成された油圧緩衝器において、上記リ
ザーバ室には、常に作動油に没する位置に第1オリフィ
スプレートが設置され、常に気体中にあって上記作動油
の油面近傍に第2オリフィスプレートが設置され、これ
らの第1及び第2オリフィスプレートに複数のオリフィ
スが形成されたものである。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、第2オリフィスプレートにおけるオリ
フィスの総開口面積は、第1オリフィスプレートにおけ
るオリフィスの総開口面積よりも小さく設定されたもの
である。
【0007】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明において、第2オリフィスプレートの内外
周は、インナチューブ及びアウタチューブに対し気密及
び液密に構成されたものである。
【0008】請求項1に記載の発明には、次の作用があ
る。リザーバ室には、常に作動油に没する位置に第1オ
リフィスプレートが設置されたので、インナチューブ内
のダンパ室からリザーバ室へ向って流れる作動油は、上
記第1オリフィスプレートにてその流れが規制されて、
油面の変動が減少する。更に、リザーバ室には、常に気
体中にあって作動油の油面近傍に第2オリフィスが設置
されたので、作動油の油面と第2オリフィスプレートと
の間の気体の流れが規制されて、上記油面と第2オリフ
ィスプレートとの間の気体圧力が増大し、この気体圧力
によってリザーバ室内の作動油の油面の変動が抑制され
る。これらの結果、リザーバ室における作動油の油面の
変動は極めて小さくなり、この変動によって引き起こさ
れる作動油中への気体の混入が防止されて、油圧緩衝器
の減衰力特性を良好に維持することができる。
【0009】請求項2又は請求項3に記載の発明には、
次の作用がある。第2オリフィスプレートのオリフィス
の総開口面積が、第1オリフィスプレートのオリフィス
の総開口面積よりも小さく形成されたので、或いは第2
オリフィスプレートの内外周がインナチューブ及びアウ
タチューブに対し液密及び気密に構成されたので、リザ
ーバ室において、作動油の油面と第2オリフィスプレー
トとの間の気体の流れがより一層規制されて、この気体
の圧力が増大する。このため、上記気体圧力による作動
油面の変動抑制作用を促進させることができ、作動油中
への気体の混入をより一層防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明に係る油圧緩衝器の
一つの実施の形態を示す縦断面図である。図2は、図1
のII-II 線に沿う断面図である。図3は、図1のIII-II
I 線に沿う断面図である。図4は、図1の油圧緩衝器に
おける減衰力−ピストン速度特性を示すグラフである。
図5は、図1の油圧緩衝器における減衰力−ピストンス
トローク特性(リサージュ波形)を示すグラフである。
【0011】図1に示す油圧緩衝器としてのダンパ装置
10は、例えば軽四輪車両の荷台と車軸との間に配置さ
れて、衝撃吸収に伴う荷台の振動を減衰する減衰力発生
機能とともに、荷台を昇降させる荷台昇降機能を備えた
ものである。
【0012】ダンパ装置10では、インナチューブ11
及びアウタチューブ12にてダブルチューブ形式のダン
パシリンダ13が構成され、ピストンロッド14の基端
部にピストン15が設置される。また、インナチューブ
11とアウタチューブ12との間にリザーバ室16が形
成される。ピストン15がダンパシリンダ13のインナ
チューブ11内に摺動自在に収容されて、このインナチ
ューブ11内がAダンパ室17AとBダンパ室17Bと
に区画される。更に、Aダンパ室17A内にはジャッキ
ピストン18が、インナチューブ11に対し摺動自在に
収容される。このジャッキピストン18により、Aダン
パ室17Aに対しジャッキ室19が液密に構成される。
【0013】上記Aダンパ室17A及びBダンパ室17
Bに作動油(ダンパオイル)が充填され、リザーバ室1
6にもダンパオイルが貯留される。このリザーバ室16
の荷台1側(上方側)に加圧ガス(加圧空気)が封入さ
れている。また、ジャッキ室19には、後述の作動油
(ジャッキオイル)が充填される。
【0014】上記ピストン15には、Aダンパ室17A
とBダンパ室17Bとを連通する圧側流路20及び伸側
流路21が形成されるとともに、これらの圧側流路2
0、伸側流路21をそれぞれ閉止可能とする圧側減衰バ
ルブ22、伸側減衰バルブ23がそれぞれ設置される。
【0015】アウタチューブ12は有底円筒形状であ
り、底部に閉塞部材24が設置され、この閉塞部材24
が円筒形状のインナチューブ11の一端部に嵌合され
る。この閉塞部材24にはボトムバルブ25及び流路2
6が設けられ、これらのボトムバルブ25及び流路26
を介して、Bダンパ室17Bとリザーバ室16とが連通
可能とされる。
【0016】また、アウタチューブ12の開口端及びイ
ンナチューブ11の他端部には、ピストンロッド14が
貫通するロッドガイド27が嵌装される。このロッドガ
イド27の内周にはブッシュ28が嵌め込まれて、ピス
トンロッド14を摺動自在に支持する。更に、ロッドガ
イド27の内周にパッキン29が、ロッドガイド27の
外周には、インナチューブ11との接触部及びアウタチ
ューブ12との接触部にOリング30がそれぞれ嵌装さ
れて、リザーバ室16内とジャッキ室19内とが液密に
保持される。
【0017】ダンパ装置10の圧縮過程では、Bダンパ
室17B内のダンパオイルが、圧側流路20を経て圧側
減衰バルブ22を撓み変形させAダンパ室17A内へ流
れるとともに、ピストンロッド14の侵入体積相当分の
ダンパオイルが、閉塞部材24のボトムバルブ25及び
流路26を経てリザーバ室16内へ流れる。上記圧側減
衰バルブ22及びボトムバルブ25の撓み変形により、
ダンパ装置10の圧縮過程における減衰力が発生する。
【0018】また、ダンパ装置10の伸長過程では、ピ
ストン15の退出体積相当分のリザーバ室16内のダン
パオイルが、ボトムバルブ25及び流路26を経てBダ
ンパ室17B内へ流入し、更に、Aダンパ室17A内の
ダンパオイルが、伸側流路21を経て伸側減衰バルブ2
3を撓み変形させ、Bダンパ室17B内へ流れる。この
伸側減衰バルブ23の撓み変形により、ダンパ装置10
の伸長過程における減衰力が発生する。
【0019】また、前述のように、Aダンパ室17A内
にジャッキピストン18が配設されて、ジャッキ室19
がロッドガイド27側に画成される。ジャッキピストン
18の外周、内周にはブッシュ33、34がそれぞれ嵌
装されて、ジャッキピストン18がインナチューブ1
1、ピストンロッド14のそれぞれに摺動自在に設けら
れる。更に、ジャッキピストン18の外周にOリング3
5が、内周にパッキン36が嵌装されて、ジャッキ室1
9がAダンパ室17Aに対し、前述のように液密に構成
される。
【0020】ロッドガイド27には、一端がジャッキ室
19に開口し、他端が油圧回路の給排配管37に接続さ
れた連通路38が穿設される。この連通路38を経て、
給排配管37からジャッキ室19内へジャッキオイルが
給排されて、ジャッキピストン18がピストン15を押
し下げ可能とする。
【0021】油圧回路の給排配管37から連通路38を
経てジャッキ室19内へジャッキオイルが圧送されるこ
とにより、ジャッキピストン18がピストン15側へ
(図1の下方)へ移動して、このジャッキピストン18
がピストン15を押圧し、ダンパ装置10が収縮して荷
台を下降させる。このとき、Bダンパ室17B内のダン
パオイルは、ボトムバルブ25及び流路26を経てリザ
ーバ室16内へ導かれる。尚、ジャッキピストン18が
ピストン15を図1の最下位置まで押し下げたときに
は、ピストン15の往復動が規制されて、ダンパ装置1
0は減衰力発生機能を発揮しない。
【0022】また、ジャッキ室19内のジャッキオイル
が連通路38を経て外部油圧回路の給排配管37へ戻さ
れることにより、ジャッキ室19内が減圧されて、ジャ
ッキピストン18がロッドガイド27へ当接するまで移
動して停止し、このジャッキピストン18によるピスト
ン15への押圧状態が解除されて、ダンパ装置10が伸
長し、荷台を下降位置から復帰させる。このとき、リザ
ーバ室16内のダンパオイルが、ボトムバルブ25及び
流路26を経てBダンパ室17B内へ戻される。また、
このとき、ジャッキピストン18がピストン15に対し
押圧力を付与しないので、ダンパ装置10は減衰力発生
機能を最も良好に発揮する。
【0023】ダンパ装置10のリザーバ室16では、ジ
ャッキピストン18がロッドガイド27に当接してダン
パ装置10が荷台調整機能を発揮していないときに、前
述の如く、ダンパ装置10の伸縮運動に伴ってダンパオ
イルのオイル面が変動する。符号Haは、ダンパ装置1
0の最圧縮時における最高オイル面であり、符号Hb
は、ダンパ装置10の最伸長時における最低オイル面で
ある。
【0024】このリザーバ室16には、ダンパ装置10
が荷台調整機能を発揮していないとき、常にダンパオイ
ル中に没する位置に第1オリフィスプレート41が設置
され、常に気体中にあって(つまり、常に最高オイル面
Haの図1における上方にあって)、最高オイル面Ha
及び最低オイル面Hbの近傍に第2オリフィスプレート
42が設置される。そして、これら第1オリフィスプレ
ート41、第2オリフィスプレート42にオリフィス4
3、44(図2、図3)がそれぞれ形成されている。
【0025】第1オリフィスプレート41及び第2オリ
フィスプレート42は、インナチューブ11の外周に圧
入して固定される。また、第1オリフィスプレート41
の外周は、アウタチューブ12に対し隙間tを有し、こ
の隙間tは例えば 0.5mmに設定される。また、第2オリ
フィスプレート42の外周は、アウタチューブ12に嵌
装されたシール45に接して、第2オリフィスプレート
42の内外周がインナチューブ11及びアウタチューブ
12に対し気密及び液密に構成される。
【0026】第2オリフィスプレート42のオリフィス
44は、図3に示すように、第2オリフィスプレート4
2の周方向に等間隔で例えば8個形成される。各オリフ
ィス44の孔径は 0.3〜 0.5mmが良好であり、例えば
0.5mmに設定される。
【0027】第1オリフィスプレート41のオリフィス
43は、図2に示すように、オリフィス43の周方向に
等間隔に形成される。この実施の形態では、オリフィス
43は、孔径 0.5mmのオリフィス43Aが第1オリフィ
スプレート41の周方向に等間隔に8個形成され、孔径
1.0mmのオリフィス43Bが第1オリフィスプレート4
1の周方向で、2つのオリフィス43A間に1個ずつ計
8個形成されたものである。ここで、オリフィス43の
孔径は、 0.5〜1.0mm の範囲に設定されたものであれば
よい。
【0028】上述の如く、第2オリフィスプレート42
のオリフィス44は、第1オリフィスプレート41のオ
リフィス43におけるオリフィス43Aと同一の孔径で
同数個形成される。第1オリフィスプレート41には、
このオリフィス43Aの他にオリフィス43Bが形成さ
れて、第2オリフィスプレート42のオリフィス44に
おける総開口面積は、第1オリフィスプレート41のオ
リフィス43における総開口面積よりも常に小さく設定
される。
【0029】ジャッキピストン18がロッドガイド27
に当接した状態において、ダンパ装置10内のダンパオ
イルは、このダンパ装置10の圧縮過程で、Bダンパ室
17Bからボトムバルブ25及び流路26を経てリザー
バ室16の第1オリフィスプレート41下方へ到り、こ
の第1オリフィスプレート41にてその流れが規制され
る。第1オリフィスプレート41の下方に到ったダンパ
オイルは、第1オリフィスプレート41とアウタチュー
ブ12との隙間t及び第1オリフィスプレート41のオ
リフィス43(43A及び43B)内を経て、リザーバ
室16内の第1オリフィスプレート41と第2オリフィ
スプレート42との間に到るが、第2オリフィスプレー
ト42及びシール45によって空気の流れが規制され、
第2オリフィスプレート42のオリフィス44のみを空
気が流れるので、オイル面Ha又はHbと第2オリフィ
スプレート42との間の空気圧力が上昇する。
【0030】上述の如く、第1オリフィスプレート41
によってダンパオイルの流れが規制されるので、オイル
面Ha又はHbの乱れが減少し、更に、第2オリフィス
プレート42によって、この第2オリフィスプレート4
2下方の気体圧力が上昇するので、この気体圧力により
オイル面Ha、Hbの乱れが抑制される。これらの結
果、オイル面Ha、Hbの乱れによって生ずるダンパオ
イル中への空気の混入が防止されて、ダンパ装置10の
圧縮過程で、リザーバ室16からAダンパ室17A及び
Bダンパ17B内へ戻されるダンパオイルによるダンパ
装置10の減衰力特性を良好に維持できる。
【0031】上記第1オリフィスプレート41にはオリ
フィス43が、第2オリフィスプレート42にはオリフ
ィス44がそれぞれ形成されているので、これらのオリ
フィス43及び44の減衰力特性によって、オリフィス
プレート41によるダンパオイルの流れの規制及び第2
オリフィスプレート42による空気の流れの規制は、ダ
ンパ装置10におけるピストン15の速度が大きく、リ
ザーバ室16におけるダンパオイルのオイル面Ha、H
bの変動が大きな場合に実施され、ピストン15の速度
が小さく、リザーバ室16におけるオイル面Ha、Hb
の変動が小さな場合には殆ど実施されない。
【0032】表1は、同一の条件の下で、実施例及び比
較例についてダンパ装置の減衰力を示したものである。
同一条件とは、ダンパ装置10において第1オリフィス
プレート41及び第2オリフィスプレート42が同一位
置に設置され、ダンパ装置10内に一定量ダンパオイル
が充填され、リザーバ室16の空気圧が 5kg/cm2に設定
され、ダンパ装置10のピストン15を振幅50mmの sin
波形で振動させるものである。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1は、第1オリフィスプレート41
及び第2オリフィスプレート42がともに設置され、第
1オリフィスプレート41にはオリフィス43A(孔径
0.5mm)及びオリフィス43B(孔径 1.0mm)の2種類
のオリフィス43が形成され、第2オリフィスプレート
42にオリフィス44(孔径 0.5mm)が形成され、第1
オリフィスプレート41とアウタチューブ12との間に
隙間tが形成され、第2オリフィスプレート42とアウ
タチューブ12との間にシール45が設置されたもので
ある。
【0035】また、実施例2は、実施例1とほぼ同様な
構成であるが、第2オリフィスプレート42にオリフィ
ス44(孔径 0.5mm)の他に、オリフィス43B(孔径
1.0mm)も形成されているものである。
【0036】更に、実施例3は実施例1とほぼ同様な構
成であるが、第2オリフィスプレート42とアウタチュ
ーブ12との間にシール45が配設されず、これらの第
2オリフィスプレート42及びアウタチューブ12間に
隙間が形成されたものである。
【0037】比較例1は、第1オリフィスプレート41
のみが設置され、この第1オリフィスプレート41にオ
リフィス43A(孔径 0.5mm)及びオリフィス43B
(孔径1.0mm)の2種類のオリフィス43が形成され、
この第1オリフィスプレート41とアウタチューブ12
との間に隙間tが形成されたものである。この比較例1
は、前記公報記載の従来技術に対応する。
【0038】また、比較例2は第2オリフィスプレート
42のみが設置され、この第2オリフィスプレート42
にオリフィス44(孔径 0.5mm)が形成され、この第2
オリフィスプレート42とアウタチューブ12との間に
シール45が配設されたものである。
【0039】更に、比較例3は、第1オリフィスプレー
ト41及び第2オリフィスプレート42がともに設置さ
れないものである。
【0040】実施例1を適用したダンパ装置10につい
ての減衰力−ピストン速度特性を図4のAで示し、比較
例1を適用したダンパ装置10についての減衰力−ピス
トン速度特性を図4のBに示し、比較例3を適用したダ
ンパ装置10についての減衰力−ピストン速度特性を図
4のCに示す。また、実施例1を適用したダンパ装置1
0についての減衰力−ピストンストローク特性を図5の
A1、A2、A3で示し、比較例1を適用したダンパ装
置10についての減衰力−ピストンストローク特性を図
5のB1、B2、B3で示し、比較例3を適用したダン
パ装置10についての減衰力−ピストンストローク特性
を図5のC1、C2、C3で示す。ここで、A1、B1
及びC1は、ピストン15の速度が0.5m/sの場合であ
り、A2、B2及びC2は、ピストン15の速度が0.7m
/Sの場合であり、A3、B3及びC3は、ピストン15
の速度が1.0m/Sの場合である。
【0041】比較例1、2及び3では、ダンパオイル中
に空気が混入され、ダンパ装置10の減衰力は、特にピ
ストン15の高速時に低下してしまう。例えば、比較例
3では、図4のC並びに図5のC1、C2及びC3に示
すように、ダンパ装置10の減衰力がピストン15の高
速域で著しく低下していることがわかる。また、比較例
2では、図4のBに示すように、減衰力−ピストン速度
特性は良好であるが、図5のB1、B2及びB3に示す
ように、ピストン15が高速域にあるほど、ダンパオイ
ル中に空気が混入されて、減衰力の立上り特性に不具合
が生じている。
【0042】これらに対し、実施例2では、第2オリフ
ィスプレート42にオリフィス43Bが形成され、実施
例3では、第2オリフィスプレート42にシール45が
配設されていないため、ともに、第2オリフィスプレー
ト42による空気の規制が不十分となり、ダンパオイル
中に空気が混入される。しかし、この場合、空気はオイ
ル中に細かな泡となって混入され、実施例2では比較例
3(オリフィスプレート無し)に対して約75%程度空気
の混入を防止でき、実施例3では比較例3に対し約65%
程度空気の混入を防止できて減衰力特性が安定する。
【0043】また、実施例1では、ダンパオイルに空気
が混入されず、ダンパ装置10の減衰力特性は安定化し
て良好である。つまり、図4のAに示すように、減衰力
のピークも良好に確保され、図5のA1、A2及びA3
に示すように、ピストン15が特に高速域であっても減
衰力の立上りが良好に確保されている。
【0044】以上のように、本実施の形態によれば、リ
ザーバ室16には、常にダンパオイルに没する位置に第
1オリフィスプレート41が設置されたので、インナチ
ューブ11内のBダンパ室17Bからリザーバ室16へ
向って流れるダンパオイルは、第1オリフィスプレート
41にてその流れが規制されて、オイル面Ha、Hbの
変動が減少する。更に、リザーバ室16には、常に空気
中にあってダンパオイルのオイル面Ha、Hb近傍に第
2オリフィスプレート42が設置されたので、ダンパオ
イルのオイル面Ha、Hbと第2オリフィスプレート4
2との間の空気の流れが規制されて、オイル面Ha、H
bと第2オリフィスプレート42との間の空気圧力が増
大し、この空気圧力によってリザーバ室16内のダンパ
オイルのオイル面Ha、Hbの乱れが抑制される。これ
らの結果、リザーバ室16におけるダンパオイルのオイ
ル面Ha、Hbの乱れは極めて小さくなり、この乱れに
よって引き起こされるダンパオイル中への空気の混入が
防止されて、ダンパ装置10の減衰力特性を良好に維持
できる。
【0045】リザーバ室16内のダンパオイルのオイル
面Ha、Hbの乱れを抑制して、ダンパオイル中への空
気の混入を防止し、ダンパ装置10の減衰力特性を安定
化させる上述の効果は、ピストン15の速度が大きな場
合に特に顕著である。
【0046】また、上述の如く、ダンパ装置10の圧縮
過程で、Bダンパ室17Bからリザーバ室16へ流れる
ダンパオイルの流れが第1オリフィスプレート41によ
り規制されるので、リザーバ室16において第1オリフ
ィスプレート41の図1における下方のダンパオイル圧
が高くなる。このため、ダンパ装置10の伸長過程にお
いて、Bダンパ室17B内が負圧になるとき、上記リザ
ーバ室16の第1オリフィスプレート41下方のダンパ
オイルがボトムバルブ25及び流路26を経てBダンパ
室17B内へ迅速に流入し、Bダンパ室17Bの負圧の
解消を良好に実施できる。
【0047】第2オリフィスプレート42のオリフィス
44の総開口面積が、第1オリフィスプレート41のオ
リフィス43よりも小さく形成されたので、又は、第2
オリフィスプレート42の内外周がインナチューブ11
及びアウタチューブ12に対し気密及び液密に構成され
たので、リザーバ室16において、ダンパオイルのオイ
ル面Ha、Hbと第2オリフィスプレート42との間の
空気の流れがより一層規制されて、この空気の圧力が増
大する。このため、上記空気圧力によるダンパオイルの
オイル面Ha、Hbの乱れ抑制作用を促進させることが
でき、ダンパオイル中への空気の混入をより一層防止す
ることができる。
【0048】尚、本実施の形態では、インナチューブ1
1内にピストン15及びジャッキピストン18が設置さ
れて、ダンパ装置10が減衰力発生機能と荷台調整機能
を有するものについて述べたが、インナチューブ11に
ピストン15のみが設置されてジャッキピストン18が
存在しない通常のダンパ装置においても本発明を同様に
適用できる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る油圧緩衝器
によれば、作動油中への気体の混入を防止して減衰力特
性を良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る油圧緩衝器の一つの実施
の形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1のII-II 線に沿う断面図である。
【図3】図3は、図1のIII-III 線に沿う断面図であ
る。
【図4】図4は、図1の油圧緩衝器における減衰力−ピ
ストン速度特性を示すグラフである。
【図5】図5は、図1の油圧緩衝器における減衰力−ピ
ストンストローク特性(リサージュ波形)を示すグラフ
である。
【符号の説明】
10 ダンパ装置 11 インナチューブ 12 アウタチューブ 13 ダンパシリンダ 15 ピストン 16 リザーバ室 22 圧側減衰バルブ 23 伸側減衰バルブ 41 第1オリフィスプレート 42 第2オリフィスプレート 43 第1オリフィスプレートのオリフィス 44 第2オリフィスプレートのオリフィス 45 シール Ha 最高オイル面 Hb 最低オイル面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナチューブ内に作動油が充填される
    とともに減衰力発生機構を備えたピストンが摺動自在に
    配設され、このインナチューブを覆うアウタチューブと
    上記インナチューブに囲まれて、上記作動油及び気体を
    充填するリザーバ室が形成され、このリザーバ室が、上
    記インナチューブ内で上記ピストンにより区画して形成
    されたダンパ室に連通して構成された油圧緩衝器におい
    て、 上記リザーバ室には、常に作動油に没する位置に第1オ
    リフィスプレートが設置され、常に気体中にあって上記
    作動油の油面近傍に第2オリフィスプレートが設置さ
    れ、これらの第1及び第2オリフィスプレートに複数の
    オリフィスが形成されたことを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 第2オリフィスプレートにおけるオリフ
    ィスの総開口面積は、第1オリフィスプレートにおける
    オリフィスの総開口面積よりも小さく設定された請求項
    1に記載の油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 第2オリフィスプレートの内外周は、イ
    ンナチューブ及びアウタチューブに対し気密及び液密に
    構成された請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020179095A1 (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 株式会社ショーワ 油圧緩衝器

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