JPH0942076A - 燃料蒸気処理装置の診断装置 - Google Patents

燃料蒸気処理装置の診断装置

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JPH0942076A
JPH0942076A JP7195162A JP19516295A JPH0942076A JP H0942076 A JPH0942076 A JP H0942076A JP 7195162 A JP7195162 A JP 7195162A JP 19516295 A JP19516295 A JP 19516295A JP H0942076 A JPH0942076 A JP H0942076A
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canister
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】タンク側内圧又はキャニスタ側内圧を選択的に
検出すべく圧力センサの検出先を切換弁により切換える
燃料蒸気処理装置において、タンク側及びキャニスタ側
の気密性を精度良く適正に診断すべく切換弁の正常を適
正に診断する。 【解決手段】キャニスタ14はタンク1で発生する燃料
蒸気を捕集し、エンジン8の運転時にその捕集した燃料
を吸気通路10へパージする。制御弁20はタンク1か
らキャニスタ14への燃料蒸気の流入を調整する。電子
制御装置(ECU)51は制御弁22をデューティ制御
することにより、パージされる燃料量を調整する。EC
U51は切換弁23の切換えにより圧力センサ41にて
選択的に検出されるキャニスタ側内圧とタンク側内圧と
に基づき、キャニスタ側及びタンク側の気密性を診断す
る。ECU51はキャニスタ側内圧の脈動を反映した積
算値が所定値以上で、且つタンク側内圧の脈動を反映し
た積算値が所定値未満であるときに切換弁23が正常で
あると診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は燃料タンクで発生
する燃料蒸気(fuel vapor)を大気中に放出させることな
く捕集して処理するようにした燃料蒸気処理装置に関す
る。詳しくは、燃料蒸気を捕集するためのキャニスタ
と、そのキャニスタで捕集された燃料をエンジンの吸気
通路へ適宜にパージさせるための手段とを備えた燃料蒸
気処理装置に関し、その装置の気密性に係る故障を診断
するように構成した診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等に搭載される装置の一つと
して、燃料タンクの中で発生する燃料蒸気を大気中に放
出させることなく捕集して処理するようにした燃料蒸気
処理装置がある。図18に示すように、この種の装置は
燃料タンク71で発生する燃料蒸気をベーパライン72
を通じて捕集するキャニスタ73を有する。キャニスタ
73は活性炭等よりなる吸着剤74を内蔵する。キャニ
スタ73から延びるパージライン75はエンジン76の
吸気通路77に連通する。キャニスタ73はベーパライ
ン72より導入された燃料蒸気を吸着剤74に一旦吸着
させる。キャニスタ73は燃料のみを捕集した上で燃料
成分、特に炭化水素(HC)を含まない気体だけを連通
孔78から外部へ排出する。更に、エンジン76の運転
時には、キャニスタ73は一旦捕集した燃料をパージラ
イン75を通じて吸気通路77へパージさせる。パージ
ライン75に設けられたパージ制御弁79はパージライ
ン75を通過する燃料量をエンジン76の必要性に応じ
て調整する。
【0003】ところで、この種の処理装置において、万
が一何らかの理由でベーパライン72が破損したり、そ
の配管の接続が外れたりする等の故障が発生した場合に
は、処理装置内部の気密性が低下するおそれがある。そ
の結果、燃料蒸気を所期の目的通りに適正に処理できな
くなるおそれがある。
【0004】そこで、特開平6−108930号公報は
上記の故障を診断するための装置を開示する。図19に
示すように、この故障診断装置が対象とする燃料蒸気処
理装置は燃料タンク81、キャニスタ82、ベーパライ
ン83及びパージライン84を有する。パージライン8
4の途中に設けられたパージVSV(パージ制御弁)8
5はエンジンの運転時に電子制御装置(ECU)86に
より制御されて開かれる。ベーパライン83の途中に設
けられたベーパ制御弁87は燃料タンク81からキャニ
スタ82へ向かう燃料蒸気の流入を制御する。このベー
パ制御弁87は燃料タンク81の側の内圧とキャニスタ
82の側の内圧との差に基づき開かれる。これにより、
燃料タンク81からキャニスタ82への燃料蒸気の流入
が許容される。診断装置はベーパ制御弁87を境として
タンク側の内圧と、キャニスタ側の内圧とを各々個別に
検出することを可能にした圧力センサ88を有する。即
ち、圧力センサ88に接続された三方切換弁89は他の
二つのポートがベーパ制御弁87を境にして燃料タンク
81の側のベーパライン83と、キャニスタ82の側の
ベーパライン83とにつながる。ECU86がこの三方
切換弁89を必要に応じて切り換えることにより、圧力
センサ88がタンク側内圧とキャニスタ側内圧とをそれ
ぞれ検出する。ECU86は検出されたタンク側内圧の
値とキャニスタ側内圧の値とに基づき、タンク側の故障
とキャニスタ側の故障をそれぞれ個別に判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報の
診断装置において、三方切換弁89が万が一何らかの理
由で故障した場合、タンク側内圧及びキャニスタ側内圧
の正確な値を各々個別に検出することが困難になる。例
えば、圧力センサ88がタンク側内圧を検出する状態で
三方切換弁89が切り換え不能になった場合、ECU8
6が三方切換弁89を制御して圧力センサ88によりキ
ャニスタ側内圧の値を得ようとしても、それができな
い。その逆に、圧力センサ88がキャニスタ側内圧を検
出する状態で三方切換弁89が切り換え不能になった場
合、ECU86が三方切換弁89を制御して圧力センサ
88によりタンク側内圧の値を得ようとしても、それが
できない。従って、三方切換弁23が故障した場合、タ
ンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障を適正に診
断することができなくなるおそれがある。つまり、上記
公報の診断装置では、三方切換弁23が正常に機能する
ことがタンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障診
断の前提条件であることから、三方切換弁23を精度良
く診断することが課題となる。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、燃料タンク側の内圧とキャ
ニスタ側の内圧とを選択的に検出するために圧力検出手
段の検出先を切換手段により切り換えるようにした燃料
蒸気処理装置において、燃料タンク側及びキャニスタ側
の気密性に係る故障を共に適正に診断するために、切換
手段の故障を精度良く適正に診断することを可能にした
燃料蒸気処理装置の診断装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の第1の発明によれば、図1に実線
で示すように、エンジンM1に供給される燃料を収容す
るための燃料タンクM2で発生する燃料蒸気をベーパラ
インM3を通じてキャニスタM4に捕集し、エンジンM
1の運転時には、キャニスタM4に捕集された燃料をエ
ンジンM1の吸気通路M5へパージラインM6を通じて
パージするようにした燃料蒸気処理装置であり、燃料タ
ンクM2側の内圧とキャニスタM4側の内圧との差に基
づき開かれて燃料タンクM2からキャニスタM4への燃
料蒸気の流入を許容するベーパ制御弁M7と、パージラ
インM6を通過する燃料量を調整するためにデューティ
信号に基づき開度がデューティ制御されるパージ制御弁
M8と、エンジンM1の運転時にパージ制御弁M8を制
御する所要のデューティ信号を出力するための第1の制
御手段M9とを更に備えた燃料蒸気処理装置のための診
断装置において、ベーパ制御弁M7を境とした燃料タン
クM2側の内圧とキャニスタM4側の内圧とを検出する
ための圧力検出手段M10と、燃料タンクM2側の内圧
とキャニスタM4側の内圧とを選択的に検出するために
圧力検出手段M10の検出先を切り換えるための切換手
段M11と、ベーパ制御弁M7を境とした燃料タンクM
2側の気密性に係る故障とキャニスタM4側の気密性に
係る故障とを圧力検出手段M10により選択的に検出さ
れる燃料タンクM2側の内圧とキャニスタM4側の内圧
とに基づき個別に診断するための第1の診断手段M12
と、キャニスタM4から吸気通路M10への燃料パージ
の実行の有無に応じて切換手段M11を制御するための
第2の制御手段M13と、燃料蒸気処理装置が振動に対
して安定した条件下にあるか否かを推定するための推定
手段M14と、燃料タンクM2側の内圧を検出するため
に第2の制御手段M13が切換手段M11を制御したと
きに、圧力検出手段M10により検出される値からノイ
ズを除去するために、その検出値を処理するための第1
の処理手段M15と、その第1の処理手段M15による
処理値からその平均的ななまし値を得るために、処理値
を処理するための第2の処理手段M16と、燃料蒸気処
理装置が安定した条件下にあると推定手段M14が推定
したときに、第1の処理手段M15による処理値と第2
の処理手段M16によるなまし値との差を算出するため
の第1の算出手段M17と、その第1の算出手段M17
による算出値が所定値以上になるとき、その算出値を積
算するための第1の積算手段M18と、キャニスタM4
側の内圧を検出するために第2の制御手段M13が切換
手段M11を制御したときに、圧力検出手段M10によ
り検出される値からノイズを除去するために、その検出
値を処理するための第3の処理手段M19と、その第3
の処理手段M19による処理値からその平均的ななまし
値を得るために、処理値を処理するための第4の処理手
段M20と、第3の処理手段M19による処理値と第4
の処理手段M20によるなまし値との差を算出するため
の第2の算出手段M21と、その第2の算出手段M21
による算出値が所定値以上になるとき、その算出値を積
算するための第2の積算手段M22と、その第2の積算
手段M22による積算値が所定値以上であり、且つ第1
の積算手段M18による積算値が所定値未満であるとき
に、切換手段M11が正常であると診断するための第2
の診断手段M23とを備えたことを趣旨とする。
【0008】この構成において、圧力検出手段M10の
検出値からノイズが除去された後の処理値が第1及び第
3の処理手段M15,M19により得られる。このた
め、圧力検出手段M10の検出値がパージ制御弁M8の
デューティ制御に起因する脈動を伴う場合、その脈動を
適正に反映した処理値が第1及び第3の処理手段M1
5,M19により得られる。このため、第1及び第2の
算出手段M17,M21によれば、上記処理値と第2及
び第4の処理手段M16,M20によるなまし値との間
に脈動を適正に反映した差が得られる。更に、第1及び
第2の積算手段M18,M22によれば、脈動を適正に
反映した積算値が得られ、脈動がある場合にはその積算
値は増加する。
【0009】ここで、切換手段M11が正常である場
合、燃料蒸気処理装置が安定した条件下にあると推定さ
れるときだけ、燃料タンクM2側の内圧について、第1
の算出手段M17が処理値となまし値との差を算出す
る。このため、燃料蒸気処理装置の振動に起因する内圧
の脈動を反映した処理値及びなまし値が、パージ制御弁
M8のデューティ制御に起因した内圧の脈動を反映した
処理値及びなまし値として、第1の算出手段M17によ
り誤って算出に使用されることはない。更に、切換手段
M11が正常であってパージ制御弁M8がデューティ制
御されている場合、キャニスタM4側の内圧について、
デューティ制御に起因した脈動を反映した処理値及びな
まし値だけが第2の算出手段M21により算出に使用さ
れる。
【0010】従って、第2の積算手段M22により脈動
を反映した所定値以上の積算値が得られた場合、圧力検
出手段M10がキャニスタM4側を検出先としているこ
とが分かる。更に、第1の積算手段M18により脈動を
反映しない所定値未満の積算値が得られた場合、圧力検
出手段M10が燃料タンクM2側を検出先としているこ
とが分かる。このため、上記二つの条件が成立するとき
には、圧力検出手段M10の検出先が切換手段M11に
より正しく切り換えられたことになり、第2の診断手段
M23は切換手段M11が正常であることを診断するこ
とになる。
【0011】この診断結果を第1の診断手段M12にお
ける診断に反映させることにより、燃料タンクM2側及
びキャニスタM4側の気密性に係る故障を適正に診断す
ることが可能となる。このような診断結果の反映とし
て、例えば、切換手段M11が正常でないときにその旨
をエンジンM1の運転者等に報知することが考えられ
る。或いは、切換手段M11が正常でないときに、第1
の診断手段M12における診断を禁止することが考えら
れる。
【0012】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の第2の発明によれば、図1に実線及び二点鎖線で示
すように、第1の発明の構成に加えて、第1の制御手段
M9から出力されるデューティ信号がパージ制御弁M8
の開度を所定の制限値から逸脱させるときに、第2の算
出手段M21による算出を禁止するための禁止手段M2
4を設けたことを趣旨とする。
【0013】この構成においては、第1の発明の作用に
加え、パージ制御弁M8の開度が所定の制限値を逸脱し
て過少又は過大となったとき、同制御弁M8のデューテ
ィ制御に起因する脈動を伴う内圧が得られなくなり、処
理値となまし値との差が得られなくなるおそれがある。
この場合に、禁止手段M24が第2の算出手段M21の
算出を禁止することから、切換手段M11が正常である
にもかかわらず、第2の積算手段M22による積算値が
所定値未満となることはない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、第1及び第2の発明に係る
「燃料蒸気処理装置の診断装置」を自動車に適用して具
体化した一つの実施形態を詳細に説明する。
【0015】図2は本実施形態における燃料蒸気処理装
置とその診断装置の概略構成図を示す。自動車40に搭
載されたガソリンエンジンシステムは燃料を収容するた
めの燃料タンク1を備える。燃料タンク1は内部に燃料
を注入するための、即ち給油を行うためのインレットパ
イプ2を有する。このパイプ2は先端に給油口2aを含
む。燃料タンク1に給油を行う際、給油口2aには給油
ノズル(図示しない)が挿入される。給油口2aを塞ぐ
キャップ3は取り外し可能である。
【0016】燃料タンク1に内蔵されたポンプ4から延
びるメインライン5はデリバリパイプ6につながる。こ
のパイプ6に設けられた複数のインジェクタ7はエンジ
ン8に設けられた複数の気筒(図示しない)に対応して
位置する。デリバリパイプ6から延びるリターンライン
9は燃料タンク1につながる。ポンプ4が作動すること
により、ポンプ4から吐出された燃料はメインライン5
を通ってデリバリパイプ6に至り、各インジェクタ7へ
と分配される。各インジェクタ7が作動することによ
り、燃料が吸気通路10へと噴射される。吸気通路10
はエアクリーナ11及びサージタンク10aを含み、エ
アクリーナ11を通って浄化された空気がその内部に導
入される。各インジェクタ7から噴射された燃料と空気
との混合気はエンジン8の各気筒に供給されて燃焼に供
される。デリバリパイプ6において各インジェクタ7へ
分配されることなく余った燃料はリターンライン9を通
って燃料タンク1に戻る。燃焼後の排気ガスはエンジン
8の各気筒から排気通路12を通って外部へ排出され
る。
【0017】この実施形態における燃料蒸気処理装置は
燃料タンク1で発生する燃料蒸気を大気中に放出させる
ことなく捕集して処理する。この処理装置は燃料タンク
1で発生する燃料蒸気をベーパライン13を通じて捕集
するキャニスタ14を有する。キャニスタ14は活性炭
等よりなる吸着剤15を内蔵する。キャニスタ14の中
は吸着剤15により占められる部分と、その吸着剤15
の上下に位置する空間14a,14bを含む。
【0018】キャニスタ14に設けられた第1の大気制
御弁16は逆止弁よりなる。この制御弁16はキャニス
タ14の内圧が大気圧よりも小さいときに開いてキャニ
スタ14に対する外気(大気圧)の導入を許容し、その
逆方向の気体の流れを阻止する。この制御弁16から延
びるエアパイプ17はエアクリーナ11の近傍につなが
る。従って、キャニスタ14にはエアクリーナ11によ
り浄化された外気が導入される。キャニスタ14に設け
られた第2の大気制御弁18は逆止弁よりなる。この制
御弁18はキャニスタ14の内圧が大気圧よりも大きく
なったときに開いてキャニスタ14からアウトレットパ
イプ19に対する気体(内圧)の導出を許容し、その逆
方向の気体の流れを阻止する。
【0019】キャニスタ14に設けられたベーパ制御弁
20は燃料タンク1からキャニスタ14へ流れる燃料蒸
気を制御する。この制御弁20はベーパライン13を含
む燃料タンク1の側の内圧(以下「タンク側内圧」とい
う)PTと、キャニスタ14の側の内圧(以下「キャニ
スタ側内圧」という)PCとの差に基づいて開かれるこ
とにより、キャニスタ14に対する燃料蒸気の流入を許
容する。即ち、ベーパ制御弁20はキャニスタ側内圧P
Cが大気圧とほぼ同じになり、その内圧PCがタンク側
内圧PTよりも大きいときに開いてキャニスタ14に対
する燃料蒸気の流入を許容する。加えて、ベーパ制御弁
20はキャニスタ側内圧PCがタンク側内圧PTよりも
大きいときに、キャニスタ14から燃料タンク1に対す
る気体の流れを許容する。
【0020】キャニスタ14から延びるパージライン2
1はサージタンク10aに連通する。キャニスタ14は
ベーパライン13を通じて導入された燃料蒸気の中の燃
料成分だけを捕集し、燃料成分を含まない気体だけを大
気制御弁18が開いたときにアウトレットパイプ19を
通じて外部へ排出する。エンジン8の運転時には、吸気
通路10で発生する吸気負圧がパージライン21に作用
し、キャニスタ14に捕集された燃料がそのパージライ
ン21を通じて吸気通路10へとパージされる。パージ
ライン21に設けられたパージ制御弁22はパージライ
ン21を通過する燃料の量をエンジン8の必要性に応じ
て調整する。パージ制御弁22はケーシングと弁体(共
に図示しない)を含み、電気信号の供給を受けて弁体が
移動する電磁弁であり、デューティ信号を受けて開度が
デューティ制御される。
【0021】この処理装置の気密性に係る故障を診断す
るための診断装置は本発明の圧力検出手段を構成する圧
力センサ41を含む。この圧力センサ41はベーパ制御
弁20を境としてタンク側内圧PTとキャニスタ側内圧
PCとを各々個別に検出可能に構成される。即ち、圧力
センサ41に付随して設けられた三方切換弁23は三つ
のポートを有する。この三方切換弁23は電気信号の供
給を受けてポート間の連通が切り換えられる電磁弁であ
り、本発明の切換手段を構成する。三方切換弁23の一
つのポートは圧力センサ41に接続され、他の二つのポ
ートはベーパ制御弁20を境にして燃料タンク1の側の
ベーパライン13と、キャニスタ14とに連通可能であ
る。この三方切換弁23が必要に応じて切り換えられる
ことにより、圧力センサ41がベーパライン13又はキ
ャニスタ14に選択的に連通する。この切換えに応じ
て、圧力センサ41がタンク側内圧PTとキャニスタ側
内圧PCをそれぞれ選択的に検出する。この実施形態
で、圧力センサ41にタンク側内圧PTを優先的に検出
させるために、三方切換弁23が電気信号により切り換
えられないときには、圧力センサ41がベーパライン1
3に連通するように三方切換弁23の切換えが設定され
ている。
【0022】各種センサ42,43,44,45,4
6,47はエンジン8と自動車40の運転状態を検出す
る。エアクリーナ11の近傍に設けられた吸気温センサ
42は吸気通路10に吸入される空気の温度(吸気温
度)THAを検出し、その大きさに応じた信号を出力す
る。エアクリーナ11の近傍に設けられた吸気量センサ
43は吸気通路10に吸入される空気量(吸気量)Qを
検出し、その大きさに応じた信号を出力する。エンジン
8に設けられた水温センサ44はエンジンブロック8a
の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検
出し、その大きさに応じた信号を出力する。エンジン8
に設けられた回転速度センサ45はエンジン8のクラン
クシャフト8bの回転速度(エンジン回転速度)NEを
検出し、その大きさに応じた信号を出力する。排気通路
12に設けられた酸素センサ46は排気通路12を通過
する排気ガス中の酸素濃度Oxを検出し、その大きさに
応じた信号を出力する。更に、自動車40に設けられた
車速センサ47は車速SPDを検出し、その大きさに応
じた信号を出力する。
【0023】本発明の第1及び第2の制御手段、第1〜
第4の処理手段、推定手段、第1及び第2の算出手段、
第1及び第2の積算手段、第1及び第2の診断手段、並
びに禁止手段を構成する電子制御装置(ECU)51は
各種センサ41〜47等から出力される信号を入力す
る。ECU51は燃料パージの制御を実行するために本
処理装置を司る。ECU51はエンジン8の運転状態に
応じた量の燃料をパージするために、即ちパージ制御弁
22を必要なデューティ比DPGをもって制御するため
に、パージ制御弁22に必要なデューティ信号を出力す
る。ここで、キャニスタ14から吸気通路10へパージ
される燃料はエンジン8の空燃比に影響を与える。その
ため、ECU51はエンジン8の運転状態に応じてパー
ジ制御弁22の開度を決定する。一般に、空燃比が濃く
なった場合、エンジンの排気ガス中に含まれるCO濃度
等が増加する。そこで、ECU51は酸素センサ46に
より検出される排気ガス中の酸素濃度Oxの値に基づき
パージ濃度FGPG(エンジン8のアイドル時のパージ
濃度FGPGI)を算出し、その算出値に基づきパージ
制御弁22の開度に相当するデューティ比DPGを決定
し、そのデューティ比DPGの大きさに応じたデューテ
ィ信号を出力する。このような処理を実行するECU5
1は、本発明の第1の制御手段に相当する。
【0024】ECU51は診断装置を司る。ECU51
は各種センサ41〜47の検出値に基づき三方切換弁2
3を必要に応じて切り換え、圧力センサ41により検出
されるタンク側内圧PTの値とキャニスタ側内圧PCの
値を選択的に入力する。ECU51は入力されたタンク
側内圧PT及びキャニスタ側内圧PCの各値に基づき、
タンク側の気密性に係る故障とキャニスタ側の気密性に
係る故障をそれぞれ別個に診断する。即ち、ECU51
は圧力センサ41がタンク側内圧PTを検出していると
き、その検出値がそのときのエンジン8の運転状態に応
じた所定値と等しいか否かを判断する。この検出値が所
定値と等しいときに、ECU51はタンク側が正常であ
ると判定し、検出値が所定値と等しくないときはタンク
側が故障していると判定する。同様に、ECU51は圧
力センサ41がキャニスタ側内圧PCを検出していると
き、その検出値がそのときのエンジン8の運転状態に応
じた所定値と等しいか否かを判断する。この検出値が所
定値と等しいときに、ECU51はキャニスタ側が正常
であると判定し、検出値が所定値と等しくないときにキ
ャニスタ側が故障していると判定する。このように故障
診断を実行するECU51は、ベーパ制御弁20を境と
したタンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障を圧
力センサ41の検出値に基づいて診断するための本発明
の第1の診断手段に相当する。
【0025】加えて、ECU51は各種センサ41〜4
7の検出値に基づきパージ制御弁22及び三方切換弁2
3の故障を診断する。自動車40の運転席に設けられた
警告ランプ24はECU51による診断結果を運転者に
報知するために作動する。ECU51は本処理装置、診
断装置に故障が発生したと診断したときに警告ランプ2
4を点灯させ、それ以外の場合に警告ランプ24を消灯
させる。ECU51は自動車40に搭載されたバッテリ
25から電力の供給を受けると共に、そのバッテリ25
の電圧状態を判定する。
【0026】図3のブロック図に示すように、ECU5
1は中央処理装置(CPU)52、読み出し専用メモリ
(ROM)53、ランダムアクセスメモリ(RAM)5
4、バックアップRAM55及びタイマカウンタ56等
を備える。ECU51はこれら各部52〜56と、外部
入力回路57と、外部出力回路58等とをバス59によ
り接続してなる論理演算回路を構成する。ここで、RO
M53は燃料パージ及び燃料蒸気処理装置の診断等に関
する所定の制御プログラム等を予め記憶する。RAM5
4はCPU52の演算結果等を一時記憶する。バックア
ップRAM55は予め記憶したデータを保存する。この
実施形態において、バックアップRAM55は燃料蒸気
処理装置の故障に関する診断結果を診断データとして保
存するための診断データ記憶手段を構成する。タイマカ
ウンタ56は同時に複数の計時動作を行うことができ
る。外部入力回路57はバッファ、波形成形回路、ハー
ドフィルタ(電気抵抗及びコンデンサよりなる回路)及
びA/D変換器等を含む。外部出力回路58は駆動回路
等を含む。各種センサ41〜47及びバッテリ25は外
部入力回路57につながる。各部材22〜24等は外部
出力回路58につながる。
【0027】CPU52は外部入力回路57を介して入
力される各種センサ41〜47の検出信号及びバッテリ
24の電圧値VAE等を入力値として読み込む。CPU
52はそれら入力値に基づき、燃料パージと診断を実行
するために各部材22〜24を制御する。
【0028】次に、ECU51が実行する制御の処理内
容について説明する。図4〜図14は前述した診断を実
行するための「第1の診断ルーチン」を示すフローチャ
ートである。ECU51はこのルーチンを所定時間毎に
周期的に実行する。ECU51のROM53はこれら各
種ルーチン等に関する制御プログラムを予め記憶する。
尚、本ルーチンにおいて個々のステップ、相互に関連す
る複数のステップを実行するECU51は発明の構成に
おける手段に相当する。
【0029】先ず、図4のステップ100,110にお
いて、ECU51は圧力センサ41の検出値を入力値と
して処理する。即ち、ECU51が三方切換弁23を切
り換えないときには、圧力センサ41はベーパライン1
3に連通してタンク側につながる。従って、ステップ1
00において、ECU51は圧力センサ41により検出
されるタンク側内圧PTの値を入力してハードフィルタ
で処理し、その処理値PTADをRAM54に記憶す
る。タンク側内圧PTをハードフィルタで処理すること
により、圧力センサ41の検出値におけるノイズが除去
される。この場合、ステップ100の処理を実行するE
CU51は、圧力センサ41の検出値からノイズを除去
するためにその検出値を処理するための本発明の第1の
処理手段に相当する。
【0030】一方、ECU51が三方切換弁23を切り
換えたときには、圧力センサ41はキャニスタ側につな
がる。従って、ステップ100において、ECU51は
圧力センサ41により検出されるキャニスタ側内圧PC
の値を入力してハードフィルタで処理し、その処理値P
TAD(「PTAD」はタンク側内圧PT及びキャニス
タ側内圧PCに共通する。)をRAM54に記憶する。
キャニスタ側内圧PCをハードフィルタで処理すること
により、圧力センサ41の検出値におけるノイズが除去
される。この場合、ステップ100の処理を実行するE
CU51は、圧力センサ41の検出値からノイズを除去
するためにその検出値を処理するための本発明の第3の
処理手段に相当する。
【0031】ステップ110において、ECU51はス
テップ100で得られた処理値PTADをなまし処理す
ることにより、即ちその処理値PTADをソフトフィル
タにより処理することにより、平均的ななまし値PTS
Mを得る。ECU51はそのなまし値PTSMをRAM
54に記憶する。この場合、ECU51はタンク側内圧
PTに係るなまし値PTSM、キャニスタ側内圧PCに
係るなまし値PTSMのそれぞれをRAM54に記憶す
る。ここで、処理値PTADをソフトフィルタで処理す
ることにより、圧力センサ41の検出値における経時的
な脈動が除去される。このステップ110の処理を実行
するECU51は、上記処理値PTADからその平均的
ななまし値PTSMを得るための本発明の第2及び第4
の処理手段に相当する。
【0032】ここで、圧力センサ41の検出値(PT,
PC)、処理値PTAD及びなまし値PTSMの挙動の
一例を図15に示す。この図15から、処理前の検出値
(PT,PC)と、処理後の処理値PTADとの関係が
明らかである。
【0033】ステップ200において、ECU51は三
方切換弁23を制御することにより圧力センサ41の検
出先、即ち接続先を処理する。即ち、圧力センサ41が
接続される先をタンク側にすべきか、キャニスタ側にす
べきかの選択を処理する。その処理内容を図12,13
に従って説明する。
【0034】ステップ201において、ECU51は圧
力センサ41がタンク側へ接続されてからの継続時間C
TPCの値をタイマカウンタ56により加算する。ステ
ップ202において、ECU51は圧力センサ41の接
続先がタンク側からキャニスタ側へ切り換わってからの
継続時間CPCTの値が「0.13秒」未満であるか否
かを判断する。ECU51はこの継続時間CPCTの値
を後述する処理により加算する。「0.13秒」という
値は一例に過ぎない。ここで、継続時間CPCTの値が
「0.13秒」以上である場合、ECU51は圧力セン
サ41をキャニスタ側へ接続するために処理をステップ
217,218へ移す。
【0035】ステップ217において、ECU51は三
方切換弁23を通電により切り換えて圧力センサ41を
キャニスタ側へ接続し、そのことを示すために切換フラ
グXTPCを「0」に設定する。ステップ218におい
て、ECU51は継続時間CTPCを「0」にリセット
する。
【0036】一方、ステップ202において、継続時間
CPCTの値が「0.13秒」未満である場合、ステッ
プ203において、ECU51は始動後時間CASTの
値が「5分」未満であるか否かを判断する。ECU51
はこの始動後時間CASTの値を、エンジン1の始動完
了後からタイマカウンタ56により加算する。「5分」
という値は一例に過ぎない。ここで、始動後時間CAS
Tの値が「5分」未満である場合、ECU51は処理を
ステップ204へ移す。
【0037】ステップ204において、ECU51は始
動後時間CASTの値が「0.13秒」以上で且つ
「3.76秒」未満であるか否かを判断する。「0.1
3秒,3.76秒」という値は一例に過ぎない。ここ
で、始動後時間CASTの値が上記範囲にある場合、E
CU51は圧力センサ41をタンク側へ接続するために
処理をステップ216へ移す。
【0038】ステップ216において、ECU51は三
方切換弁23への通電を停止して圧力センサ41をタン
ク側へ接続し、そのことを示すために切換フラグXTP
Cを「1」に設定する。
【0039】ステップ204において、始動後時間CA
STの値が上記の範囲にない場合、ステップ205にお
いて、ECU51は始動後時間CASTの値が「8.5
秒」以上であるか否かを判断する。「8.5秒」という
値は一例に過ぎない。ここで、始動後時間CASTの値
が「8.5秒」以上である場合、ECU51は圧力セン
サ41をタンク側へ接続するために処理をステップ21
6へ移す。始動後時間CASTの値が「8.5秒」未満
である場合、ECU51は圧力センサ41をキャニスタ
側へ接続するために処理をステップ217へ移す。
【0040】一方、ステップ203において、始動後時
間CASTの値が「5分」以上である場合、ECU51
は処理をステップ206へ移す。ステップ206におい
て、ECU51は前提フラグXZEが「0」であるか否
か、即ち診断を実行するための前提条件が不成立である
か否かを判断する。ECU51はこの前提フラグXZE
を後述する処理により設定する。ここで、前提フラグX
ZEが「0」である場合、上記前提条件が不成立である
ことから、ECU51は圧力センサ41をタンク側へ接
続するために処理をステップ216へ移す。前提フラグ
XZEが「1」である場合、上記前提条件が成立してい
ることから、ECU51は処理をステップ207へ移
す。
【0041】ステップ207において、ECU51は各
種故障の診断を全て終了したか否かを判断する。即ち、
ECU51はキャニスタ側の気密性に係る故障診断、パ
ージ制御弁22の故障診断及び三方切換弁23の診断を
全て終了したか否かを判断する。ここで、上記各種故障
診断を全て終了した場合、ECU51は圧力センサ41
をタンク側へ接続するために処理をステップ216へ移
す。上記各種故障診断を全て終了していない場合、EC
U51は処理をステップ208へ移す。
【0042】ステップ208において、ECU51はあ
る種の条件が成立しているか否かを判断する。この条件
とは、キャニスタ側に気密性に係る故障が発生しておら
ず、且つ、後述する履歴フラグXJC,XJ3がそれぞ
れ「0」に設定され、且つ、車速SPDの値が「7km
/h」未満であるか、又はキャニスタ側の故障診断を終
えてからの経過時間CPGCFが「5秒」以上であるこ
とである。ここで、履歴フラグXJCとは、パージ制御
弁22の弁体が閉じたままの状態でケーシング等に固着
するような閉じ故障に係る履歴を示すものである。履歴
フラグXJ3とは、三方切換弁23の切換え不能な故障
に係る履歴を示すものである。この条件が成立した場
合、ECU51は圧力センサ41をタンク側へ接続する
ために処理をステップ216へ移す。この条件が成立し
ていない場合、ECU51は処理をステップ209へ移
す。
【0043】ステップ209において、ECU51はあ
る種の条件が成立しているか否かを判断する。この条件
とは、キャニスタ側に気密性に係る故障が発生してお
り、且つ、履歴フラグXJC,XJ3の少なくとも一方
が「1」であり、且つ車速SPDの値が「3km/h」
以上であることである。この条件が成立している場合、
ECU51は圧力センサ41をタンク側へ接続するため
に処理をステップ216へ移す。この条件が成立してい
ない場合、ECU51は処理をステップ210へ移す。
【0044】ステップ210において、ECU51はキ
ャニスタ14から吸気通路10へ燃料パージが行われて
いるときに検出されるべきパージ中のタンク側内圧PT
PNの値を過去に算出した履歴がないか否かを判断す
る。この算出履歴がない場合、ECU51は圧力センサ
41をタンク側へ接続するために処理をステップ216
へ移す。算出履歴がある場合、ECU51は処理をステ
ップ211へ移す。
【0045】ステップ211において、ECU51は経
過時間CDPTSの値が「5秒」未満であり、且つ故障
フラグXVT3,XVC3が「0」であるか否かを判断
する。ここで、経過時間CDPTSとは、タンク側内圧
PTの値が経時的に脈動する場合、その脈動値DPTA
SMの算出が開始されてからの時間を意味する。故障フ
ラグXVT3,XVC3とは、三方切換弁23の診断結
果を示すものである。即ち、ECU51はタンク側内圧
PTの脈動値DPTASMに関する算出を完了しておら
ず、且つ三方切換弁23が正常であることの判定が未完
了であるか否かを判断する。この脈動値DPTASMは
圧力センサ41の出力が経時的な矩形波を伴う場合に得
られる。ここで、上記条件が成立している場合、ECU
51は圧力センサ41をタンク側へ接続するために処理
をステップ216へ移す。上記条件が成立していない場
合、ECU51は処理をステップ212へ移す。
【0046】ステップ212において、ECU51は酸
素センサ46の検出値に基づき算出されるパージ濃度F
GPGの値が「0.95」以上であり、且つエンジン8
のアイドル時にパージされたパージ濃度FGPGIの値
が「0.90」以上であるか否かを判断する。この
「0.95,0.90」という各値は一つの例に過ぎ
ず、各濃度FGPG,FGPGIとして薄いことを示
す。ここで、上記条件が成立しない場合、ECU51は
処理を図4のステップ300へ移す。上記条件が成立し
た場合、ECU51は処理をステップ213へ移す。
【0047】ステップ213において、ECU51はパ
ージ制御弁22の開度に相関するデューティ比DPGの
値が「18%」以上であるか否かを判断する。この「1
8%」という値は一つの例に過ぎない。デューティ比D
PGの値が「18%」未満である場合、ECU51は処
理をステップ300へ移す。デューティ比DPGが「1
8%」以上である場合、ECU51は処理をステップ2
14へ移す。
【0048】ステップ214において、ECU51はエ
ンジン負荷GNの値が所定の基準値c未満であるか否か
を判断する。ECU51はこのエンジン負荷GNの値を
吸気量センサ43により検出される吸気量Qの値と、回
転速度センサ45により検出されるエンジン回転速度N
Eの値とに基づき別途のルーチンに従い算出する。ここ
で、エンジン負荷GNの値が基準値c以上である場合、
ある程度大きなエンジン負荷GNがあることから、EC
U51は処理をステップ300へ移す。エンジン負荷G
Nの値が基準値c未満である場合、ECU51は処理を
ステップ215へ移す。ステップ215において、EC
U51は圧力センサ41がタンク側へ接続されてからの
継続時間CTPCの値が「5秒」以上であるか否かを判
断する。この「5秒」という値は一例に過ぎない。継続
時間CTPCの値が「5秒」未満である場合、ECU5
1は処理をステップ300へ移す。継続時間CTPCの
値が「5秒」以上である場合、ECU51は圧力センサ
41をキャニスタ側へ接続するために処理をステップ2
17へ移す。
【0049】上記一連の処理によれば、エンジン8の始
動開始時には圧力センサ41がキャニスタ側に接続さ
れ、始動開始後「0.13〜3.76秒」の間には、圧
力センサ41がタンク側に接続される。更に、始動開始
後「3.76〜8.5秒」の間には、圧力センサ41が
キャニスタ側に接続され、始動開始後「8.5秒」を過
ぎると圧力センサ41がタンク側に接続される。このス
テップ200の処理を実行するECU51は、エンジン
8の始動前(始動開始時)には圧力センサ41がキャニ
スタ側内圧PCを検出するように、エンジン8の始動直
後(始動開始後)には圧力センサ41がタンク側内圧P
Tを検出するように三方切換弁23を制御するための制
御手段に相当する。同じくステップ200の処理を実行
するECU51は圧力センサ41の接続先を切り換える
ために三方切換弁23を制御するための本発明の第2の
制御手段に相当する。
【0050】説明を図4に戻し、ステップ300,31
0において、ECU51はエンジン8の始動完了前後に
対応して終了フラグXJE3を操作する。このフラグX
JE3は三方切換弁23の診断を終了したか否かを示
す。
【0051】即ち、ステップ300において、ECU5
1はエンジン8の始動完了前であるか否かを判断する。
ECU51はこの判断を回転速度センサ45の検出値に
基づき、エンジン回転速度NEが所定値(例えば「45
0rpm」)未満であるか否かにより判定する。ここ
で、エンジン8の始動完了前である場合、ステップ31
0において、ECU51は終了フラグXJE3を「1」
に設定し、処理をステップ400へ移す。エンジン8の
始動完了後である場合、ECU51は処理をステップ4
30へ移す。
【0052】ステップ400〜490において、ECU
51はエンジン8の始動完了前後における圧力センサ4
1の検出値を処理する。即ち、ステップ400におい
て、ECU51はバッテリ25の電圧値VAEが「6
V」以下であるか否かを判断する。バッテリ電圧が「6
V」以下である場合、圧力センサ41の入力値を所定値
と比較するための基準電圧が得られず、圧力センサ41
の入力値に充分な精度が得られない。
【0053】そこで、ステップ410において、ECU
51は前回得られた始動時のキャニスタ側内圧PCST
Oの値が、今回得られたタンク側内圧PTのなまし値P
TSM以下であるか否かを判断する。ここで、キャニス
タ側内圧PCSTOの値がなまし値PTSM以上である
場合、ECU51は処理をステップ450へ移す。キャ
ニスタ側内圧PCSTの値がなまし値PTSMよりも大
きい場合、ステップ420において、ECU51は圧力
センサ41の検出値に基づき今回の始動時のキャニスタ
側内圧PCSTの値(=タンク側内圧PTのなまし値P
TSM)を算出し、その算出結果をRAM54に記憶す
る。この実施形態で、ステップ420において始動時
(始動前)のキャニスタ側内圧PCSTの値を記憶する
RAM54は始動前記憶手段に相当する。
【0054】一方、ステップ300から処理をステップ
430へ移し、ECU51は始動時のキャニスタ側内圧
PCSTの算出に関する履歴がないか否かを判断する。
この算出履歴がある場合、ECU51は処理をステップ
450へ移す。算出履歴がない場合、ステップ440に
おいて、ECU51はエンジン8の始動完了後に、圧力
センサ41の検出値に基づき始動時のキャニスタ側内圧
PCSTの値(=タンク側内圧PTのなまし値PTS
M)を算出する。ECU51はその算出結果をRAM5
4に記憶する。この実施形態で、ステップ440におい
てキャニスタ側内圧PCSTの値を記憶するRAM54
は、エンジン8の始動完了直後のキャニスタ側内圧を記
憶するための始動後記憶手段に相当する。
【0055】ステップ450において、ECU51は始
動後時間CASTの値が「3.37秒」未満であるか否
かを判断する。この「3.37秒」という値は一つの例
に過ぎない。始動後時間CASTの値が「3.37秒」
未満である場合、ステップ460において、ECU51
は圧力センサ41の検出値に基づき始動時のタンク側内
圧PTSTの値(=タンク側内圧PTのなまし値PTS
M)を算出する。ECU51はその算出結果をRAM5
4に記憶する。始動後時間CASTの値が「3.37
秒」以上である場合、ECU51は処理をステップ47
0へ移す。つまり、ECU51はエンジン8の始動が完
了する前に、始動時のキャニスタ側内圧PCSTの値を
RAM54に記憶し続け、始動が完了して「3.37
秒」が経過するまで、始動時のタンク側内圧PTSTの
値をRAM54に記憶し続ける。この実施形態で、ステ
ップ460において始動時(始動直後)のタンク側内圧
PTSTの値を記憶するRAM54は始動直後記憶手段
に相当する。
【0056】ステップ470において、ECU51は始
動後時間CASTの値が「5秒」未満であるか否かを判
断する。この「5秒」という値は一つの例に過ぎない。
始動後時間CASTの値が「5秒」以上である場合、E
CU51は処理をステップ500へ移す。始動後時間C
ASTの値が「5秒」未満である場合、ステップ480
において、ECU51は水温センサ44の検出値に基づ
き、始動時水温THWSTの値(=冷却水温THWの値
をなまし処理した値)を算出する。ECU51はその算
出値をRAM54に記憶する。更、ステップ490にお
いて、ECU51は吸気温センサ42の検出値に基づ
き、始動時吸気温THASTの値(=吸気温THAの値
をなまし処理した値)を算出し、その算出値をRAM5
4に記憶する。つまり、ECU51はエンジン8の始動
が完了して「5秒」が経過するまでは、始動時水温TH
WSTと始動時吸気温THASTの値をそれぞれRAM
54に記憶し続ける。
【0057】図5のステップ500において、ECU5
1は本処理装置の故障診断のための前提条件を処理す
る。その処理内容を図14に示す。ステップ501にお
いて、ECU51は本処理装置の故障診断に先立ち、同
装置以外のエンジン8等に係る故障が判定されていない
か否かを判断する。ECU51はこの故障について各種
センサ42〜47等の検出信号に基づき判定する。この
故障が判定されている場合、ステップ507において、
ECU51は上記前提条件が不成立であることを示すた
めに、前提フラグXZEを「0」に設定する。上記故障
が判定されていない場合、ECU51は処理をステップ
502へ移す。
【0058】ステップ502において、ECU51はエ
ンジン8の始動時における始動水温THWSTの値が所
定値a〜bの範囲にあるか否かを判断する。ここで、所
定値a〜bの範囲とは、燃料タンク1で燃料蒸気が発生
する程度の値である。始動時水温THWSTの値が所定
値a〜bの範囲にない場合、上記前提条件が成立してい
ないことから、ECU51は処理をステップ507へ移
す。始動時水温THWSTの値が所定値a〜bの範囲に
ある場合、ECU51は処理をステップ503へ移す。
【0059】ステップ503において、ECU51は同
じくエンジン8の始動時における始動時吸気温THAS
Tの値が所定値a〜bの範囲にあるか否かを判断する。
始動時吸気温THASTの値が所定値a〜bの範囲にな
い場合、上記前提条件が成立していないことから、EC
U51は処理をステップ507へ移す。始動時吸気温T
HASTの値が所定値a〜bの範囲にある場合、ECU
51は処理をステップ504へ移す。
【0060】ステップ504において、ECU51は始
動時水温THWSTの値と始動時吸気温THASTの値
に差がないか否かを判断する。二つの値に差がある場
合、上記前提条件が成立していないことから、ECU5
1は処理をステップ507へ移す。二つの値に差がない
場合、ECU51は処理をステップ505へ移す。
【0061】ステップ505において、ECU51は圧
力センサ41それ自体が故障していないか否かを判断す
る。ECU51はこの故障の診断を別途の処理ルーチン
に従い実行する。圧力センサ41が故障している場合、
上記前提条件が成立していないことから、ECU51は
処理をステップ507へ移す。圧力センサ41が故障し
ていない場合、ステップ506において、ECU51は
上記前提条件が成立していることを示すために前提フラ
グXZEを「1」に設定する。
【0062】上記のように前提条件を処理した後、EC
U51は処理を図5のステップ600へ移す。ステップ
600〜670において、ECU51は燃料パージ中の
タンク側内圧PTPNの値を算出する。
【0063】即ち、ステップ600において、ECU5
1は圧力センサ41がタンク側へ接続しているか否かを
判断する。ECU51はこの判断を三方切換弁23の制
御の履歴に基づき判断する。圧力センサ41がキャニス
タ側へ接続している場合、ECU51は処理をステップ
800へ移す。圧力センサ41がタンク側へ接続してい
る場合、ECU51は処理をステップ610へ移す。
【0064】ステップ610において、ECU51はパ
ージ制御弁22のデューティ比DPGの値が「18%」
以上〜「50%」未満の範囲にあるか否かを判断する。
ここで、エンジン8の運転時にパージ制御弁22がデュ
ーティ制御されることにより、吸気通路10からパージ
ライン21に作用する吸気負圧が経時的に脈動を伴って
変化する。上記値の範囲はこの脈動を発生し易くするも
のであり、「18〜50%」という値は一つの例に過ぎ
ない。デューティ比DPGが上記値の範囲にない場合、
脈動が発生し難いことから、ECU51は処理をテップ
700へ移す。デューティ比DPGが上記値の範囲にあ
る場合、脈動が発生し易いことから、ECU51は処理
をステップ620へ移す。
【0065】ステップ620において、ECU51は燃
料パージ開始後の遅延時間CDPGの値が「3秒」以上
であるか否かを判断する。ECU51はこの遅延時間C
DPGの計時を燃料パージが開始されたときに始める。
燃料パージが開始されたときに、パージライン21にお
ける圧力変化が圧力センサ41に伝わるまでには少しの
時間がかかる。このステップ620の判断はパージ開始
後の圧力伝搬の遅れを補うものである。ここで、「3
秒」という値は一つの例に過ぎない。遅延時間CDPG
の値が「3秒」未満である場合、ECU51は処理をス
テップ700へ移す。遅延時間CDPGの値が「3秒」
以上である場合、燃料パージが確実に開始されたことか
ら、ステップ630において、ECU51は燃料パージ
の開始フラグXJPGを「1」に設定する。
【0066】続いて、ステップ640において、その開
始フラグXJPGを「1」に設定した履歴がないか否か
を判断する。この設定の履歴がない場合、開始フラグX
JPGが初めて「1」に設定されたことになる。従っ
て、ステップ650において、ECU51は三方切換弁
23の診断を終了したことを示す終了フラグXJE3を
「0」にクリアする。設定の履歴がある場合、ECU5
1は処理をステップ660へ移す。
【0067】ステップ660において、ECU51はエ
ンジン負荷GNの値が所定の基準値d未満であるか否か
を判断する。エンジン負荷GNの値が基準値d以上であ
る場合、ECU51は処理をステップ700へ移す。エ
ンジン負荷GNの値が基準値d未満である場合、エンジ
ン負荷GNがある程度小さいことから、ECU51は処
理をステップ670へ移す。ステップ670において、
ECU51は燃料パージ中のタンク側内圧PTPNの値
(=タンク側内圧PTのなまし値PTSM)を算出し、
その算出値をRAM54に記憶する。その後、ECU5
1は処理をステップ700へ移す。この実施形態でステ
ップ670において燃料パージ中のタンク側内圧PTP
Nの値を記憶するRAM54はパージ時記憶手段に相当
する。
【0068】図6のステップ700〜790において、
ECU51はタンク側内圧PTが脈動を伴うか否かを判
定するのに使用されるタンク側内圧PTの脈動値DPT
ASMを算出する。又、ECU51はその算出に使用さ
れるタンク側内圧PTのなまし値PTSMに関する微分
値(微分なまし値)DPTSMを算出する。
【0069】即ち、ステップ700において、ECU5
1は自動車40が停止中であり、且つエンジン8がアイ
ドル状態であるか否かをエンジン回転速度NE及び車速
SPDの値に基づき判断する。走行中の自動車40に振
動が加わると、その振動に起因してベーパ制御弁20が
瞬間的に開いてタンク側内圧PTが変化するおそれがあ
る。この圧力変化を避けて安定した値を算出するため
に、ECU51はこの判断を実行する。停車中且つアイ
ドル状態でない場合、微分なまし値DPTSMの算出を
行わないものとして、ECU51は処理をステップ80
0へ移す。停車中且つアイドル状態である場合、ECU
51は処理をステップ710へ移す。このステップ70
0の処理を実行するECU51は、燃料蒸気処理装置が
振動に対して安定した条件下にあるか否かを推定するた
めの本発明の推定手段に相当する。
【0070】ステップ710において、ECU51はデ
ューティ比DPGの値が「18%」以上で「50%」未
満の範囲にあるか否かを判断する。デューティ比DPG
が上記の範囲にない場合、圧力の脈動が発生しにくいこ
とから、ECU51は処理をステップ800へ移す。デ
ューティ比DPGが上記の範囲にある場合、圧力の脈動
が発生し易いことから、ECU51は処理をステップ7
20へ移す。このステップ710の処理を実行するEC
U51は、デューティ比DPGの値がパージ制御弁22
の開度を所定の制限値(「18%」以上且つ「50%」
未満)から逸脱させるときに、後述するタンク側の脈動
値DPTASMの算出を禁止するための禁止手段に相当
する。
【0071】ステップ720において、ECU51は燃
料パージ開始後の遅延時間CDPGの値が「0.26
秒」以上であるか否かを判断する。この「0.26秒」
という値は一つの例に過ぎない。遅延時間CDPGの値
が「0.26秒」未満である場合、ECU51は処理を
ステップ800へ移す。遅延時間CDPGの値が「0.
26秒」以上である場合、燃料パージが確実に始まりパ
ージライン21における圧力の脈動が圧力センサ41に
確実に伝わったものとして、ECU51は処理をステッ
プ730へ移す。このステップ720の処理を実行する
ECU51は、燃料パージが開始された直後に後述する
脈動値DPTASMの算出を遅延させるための遅延手段
に相当する。
【0072】ステップ730において、ECU51は微
分なまし値DPTSMの計算が未完了であるか否かを判
断する。ここでは、ECU51は微分なまし値DPTS
Mの計算を開始した後の経過時間が所定値未満であるか
否かによって計算の未完了を判断する。この計算が完了
した場合、ECU51は処理をステップ800へ移す。
この計算が未完了である場合、ECU51は処理をステ
ップ740へ移す。
【0073】ステップ740において、ECU51は圧
力センサ41の検出値が同センサ41の出力レンジを超
えたか否かを判断する。検出値が出力レンジを超えた場
合、圧力センサ41に作用する負圧が過剰となり、パー
ジライン21に圧力の脈動が発生しにくいことから、E
CU51は処理をステップ750へ移す。ステップ75
0において、ECU51は圧力センサ41の検出値をそ
の出力レンジの範囲内に抑えるために、デューティ比D
PGの上限値を下げ、処理をステップ760へ移す。例
えば、ECU51はデューティ比DPGの上限値である
「50%」の値を「30%」に下げる。このようにデュ
ーティ比DPGの上限値を下げることにより、パージラ
イン21に圧力の脈動が発生し易くなる。上記検出値が
出力レンジを超えない場合、ECU51は処理をステッ
プ740からステップ760へ移す。このステップ74
0の処理を実行するECU51は、圧力センサ41の検
出値をその出力レンジの範囲内に抑えるためにデューテ
ィ比DPGに制限を加えるための制限手段に相当する。
【0074】ステップ760において、ECU51はな
まし値PTSMが急変していないか否かを判断する。な
まし値PTSMが急変した場合、ECU51は脈動値D
PTASMの算出を禁止するために、処理をステップ8
00へ移す。なまし値PTSMが急変していない場合、
ECU51は脈動値DPTASMの算出を許容するため
に、処理をステップ770へ移す。このステップ760
の処理を実行するECU51は、なまし値PTSMが急
変した場合に、後述する脈動値DPTASMの算出を禁
止するための禁止手段に相当する。
【0075】ステップ770において、ECU51はな
まし値PTSMが所定の上限値及び下限値を外れていな
いか否かを判断する。なまし値PTSMが上限値及び下
限値を外れた場合、ECU51はタンク側の脈動値DP
TASMの算出を禁止するために、処理をステップ80
0へ移す。なまし値PTSMが上限値及び下限値を外れ
ていない場合、ECU51は脈動値DPTASMの算出
を許容するために、処理をステップ780へ移す。この
ステップ770の処理を実行するECU51は、なまし
値PTSMが制限値を逸脱したときにタンク側の脈動値
DPTASMの算出を禁止するための禁止手段に相当す
る。
【0076】ステップ780において、ECU51はタ
ンク側の脈動値DPTASMを算出し、その算出値をR
AM54に記憶する。ECU51はタンク側の脈動値D
PTASMを以下の計算式(1)に従って算出する。
【0077】 DPTASM=DPTASMO+(|PTAD−PTSM|) …(1) ここで、DPTASMOは前回求められた脈動値を意味
する。即ち、ECU51はハードフィルタで処理された
後の処理値PTADと、ハードフィルタ及びソフトフィ
ルタで処理されたなまし値PTSMとの差の絶対値を積
算することにより圧力の脈動を反映したタンク側の脈動
値DPTASMを算出する。ここで、両者PTAD,P
TSMの差の絶対値がある下限値より小さい場合、その
差がノイズであることも考えられる。従って、この場
合、ECU51は両者PTAD,PTSMの差を「0」
として計算に反映させる。この処理により、信頼性の低
いデータが脈動値DPTASMAの計算から除かれる。
このステップ780の処理を実行するECU51は、処
理値PTADとなまし値PTSMとの差を算出するため
の本発明の第1の算出手段に相当する。ここでは、ステ
ップ700の判断の結果により、自動車40の停止とエ
ンジン8のアイドル運転の条件が成立したとき、即ち振
動に対して安定した条件にあるときに、ECU51はス
テップ780の算出を実行することになる。更に、この
ステップ780の処理を実行するECU51は、処理値
PTADとなまし値PTSMとの差の算出値が所定値と
しての下限値以上になるときに、その算出値を積算する
ための本発明の第1の積算手段に相当する。
【0078】ここで、処理値PTAD、なまし値PTS
M及び脈動値DPTASMAの挙動の一例を図15に示
す。この図15から、処理値PTADとなまし値PTS
Mとの差の絶対値を順次積算することにより脈動値DP
TASMが得られることが分かる。
【0079】更に、ステップ790において、ECU5
1はタンク側の脈動値DPTASMの算出を開始してか
らの経過時間CDPTSをタイマカウンタ56により加
算し、処理をステップ800へ移す。
【0080】図7のステップ800〜890において、
ECU51はキャニスタ側内圧PCのチェックを行うた
めにタイマカウンタ56を操作すると共に、キャニスタ
側内圧PCに係る脈動値DPCASMを算出する。
【0081】即ち、ステップ800において、ECU5
1はキャニスタ側内圧PCのチェックを開始してからの
経過時間CPGCをタイマカウンタ56により加算す
る。ステップ810において、ECU51はその経過時
間CPGCの値が「3秒」未満であるか否かを判断す
る。この「3秒」という値は一つの例に過ぎない。経過
時間CPGCの値が「3秒」以上である場合、ECU5
1は処理をステップ840へ移す。経過時間CPGCの
値が「3秒」未満である場合、ECU51は処理をステ
ップ820へ移す。
【0082】ステップ820において、ECU51はパ
ージ制御弁22のデューティ比DPGの値が「18%」
未満であるか否かを判断する。デューティ比DPGの値
が「18%」未満である場合、脈動値DPCASMを求
めるにはパージ制御弁22の開度が小さすぎることか
ら、ECU51は処理をステップ870へ移す。ステッ
プ870において、ECU51は経過時間CPGCの値
を「0」にクリアして処理をステップ900へ移す。デ
ューティ比DPGの値が「18%」以上である場合、E
CU51は処理をステップ830へ移す。このステップ
820の処理を実行するECU51は、デューティ信号
としてのデューティ比DPGの値がパージ制御弁22の
開度を所定の制限値(「18%」)から逸脱させるとき
に、後述するキャニスタ側の脈動値DPCASMの算出
を禁止するための本発明の禁止手段に相当する。
【0083】ステップ830において、ECU51はエ
ンジン負荷GNの値が所定の基準値c以上であるか否か
を判断する。エンジン負荷GNの値が基準値c以上であ
る場合、パージライン21に充分な吸気負圧が得られな
いことから、ECU51は処理をステップ870へ移
す。エンジン負荷GNが基準値c未満である場合、EC
U51は処理をステップ840へ移す。このステップ8
30の処理を実行するECU51は、エンジン負荷GN
が所定値以上であるときに、後述する脈動値DPCAS
Mの算出を禁止するための禁止手段に相当する。
【0084】ステップ840において、ECU51は圧
力センサ41の接続先を示す切換フラグXTPCが
「1」であるか否かを判断する。この切換フラグXTP
Cが「1」である場合、圧力センサ41がタンク側に接
続されていることから、キャニスタ側の脈動値DPCA
SMを求めることができない。従って、ECU51は処
理をステップ870へ移す。この切換フラグXTPCが
「0」である場合、圧力センサ41がキャニスタ側に接
続されていることから、ECU51は処理をステップ8
50へ移す。
【0085】ステップ850において、エンジン8の始
動後時間CASTの値が「11秒」未満であるか否かを
判断する。始動後時間CASTの値が「11秒」未満で
ある場合、エンジン8が始動してから充分な時間が経過
していないことから、ECU51は処理をステップ87
0へ移す。始動後時間CASTの値が「11秒」以上で
ある場合、始動後に充分な時間が経過していることか
ら、ECU51は処理をステップ860へ移す。このス
テップ850の処理を実行するECU51は、エンジン
8の始動後に十分な時間が経過していないときに後述す
る脈動値DPCASMの算出を禁止するための禁止手段
に相当する。
【0086】ステップ860において、ECU51は圧
力センサ41の接続先がタンク側からキャニスタ側へ切
り換わった後の継続時間CPCTの値が「0.13秒」
以上であるか否かを判断する。この継続時間CPCTの
値が「0.13秒」以上である場合、ECU51は処理
をステップ870へ移す。継続時間CPCTの値が
「0.13秒」未満である場合、ECU51は処理をス
テップ880へ移す。ECU51が処理をステップ88
0へ移すとき、パージライン21にはパージ制御弁22
の制御に伴い圧力の脈動が適度に発生している。
【0087】ここで、この経過時間CPGCが「3秒」
以上のときにその値が「0」にクリアされて加算が再開
されるのは、エンジン8の始動後に「11秒」が経過し
た後は、圧力センサ41の接続先がキャニスタ側へ切り
換わってから「0.13秒」が経過したとき以外に、切
換フラグXTPCが「1」になったとき、即ち圧力セン
サ41がタンク側に接続されたときである。そして、自
動車40が走行した後に圧力センサ41の接続先がタン
ク側へ切り換えられるのは、自動車40が停止したとき
である。
【0088】ステップ880において、ECU51はキ
ャニスタ側内圧PCのチェックを開始してからの経過時
間CPGCの値が「1秒」以上で且つ「3秒」未満の範
囲にあるか否かを判断する。経過時間CPGCの値が上
記範囲にない場合、ECU51は処理をステップ900
へ移す。経過時間CPGCの値が上記範囲にある場合、
圧力センサ41がキャニスタ側につながっていることか
ら、ECU51は処理をステップ885,890へ移
す。ここでは、ステップ885,890における処理の
実行に際して、その実行タイミングに上限と下限が与え
られる。
【0089】ステップ885において、ECU51は今
回のタイミングにおけるキャニスタ側内圧の基準値PC
BSを算出し、その算出値をRAM54に記憶する。こ
の実施形態で、ステップ885において基準値PCBS
を記憶するRAM54は基準値記憶手段に相当する。こ
のステップ885の処理を実行するECU51は、キャ
ニスタ側内圧の基準値PCBSを算出するための算出手
段に相当する。
【0090】ステップ890において、ECU51はキ
ャニスタ側の脈動値DPCASMを算出し、その算出値
をRAM54に記憶する。ECU51はこの脈動値DP
CASMを以下の計算式(2)に従って算出する。
【0091】 DPCASM=DPCASMO+(|PTAD−PTSM|) …(2) ここで、DPCASMOは前回求められた脈動値を意味
する。即ち、ECU51はハードフィルタで処理された
後の処理値PTADと、ハードフィルタ及びソフトフィ
ルタで処理されたなまし値PTSMとの差の絶対値を積
算することにより、圧力の脈動を反映した脈動値DPC
ASMを算出する。ここでも、両者PTAD,PTSM
の差の絶対値がある下限値より小さい場合、その差がノ
イズであることが考えられる。従って、ECU51は両
者PTAD,PTSMの差を「0」として計算に反映さ
せる。これにより、信頼性の低いデータが脈動値DPC
ASMの計算から除かれる。このステップ890の処理
を実行するECU51は、処理値PTADとなまし値P
TSMとの差を算出するための本発明の第2の算出手段
に相当する。ここでは、ステップ820の判断の結果に
より、デューティ比DPGの値が「18%」以上のと
き、即ちパージ制御弁22のデューティ制御に起因した
脈動が発生し易い条件にあるときに、ECU51はステ
ップ890の算出を実行することになる。更に、このス
テップ890の処理を実行するECU51は、処理値P
TADとなまし値PTSMとの差の算出値が所定値とし
ての下限値以上になるときに、その算出値を積算するた
めの本発明の第2の積算手段に相当する。ここで、処理
値PTAD、なまし値PTSM及び脈動値DPCASM
の挙動の一例を図15に示す。
【0092】ステップ880,890において、ECU
51はキャニスタ側内圧PCのチェックを開始してから
「1秒」以上〜「3秒」未満の範囲でキャニスタ側の脈
動値DPCASMを算出する。この算出のタイミングは
ECU51がキャニスタ側の気密性に係る故障を判定す
るためのタイミングに合致する。
【0093】続いて、ステップ900〜920におい
て、ECU51は三方切換弁23に関する処理を行う。
即ち、ステップ900において、ECU51は冷却水温
THWの値が燃料パージを開始すべき所定値に初めて達
したか否かを判断する。ここで、冷却水温THWに関す
る所定値とは、エンジン8が暖機状態にあるときの値に
相当し、燃料パージを開始するための条件である。冷却
水温THWの値が初めて所定値に達した場合、燃料パー
ジが初めて開始されることから、ステップ910におい
て、ECU51は燃料パージの開始フラグXJTHを
「1」に設定する。更に、ステップ920において、E
CU51は三方切換弁23の診断を終了したことを示す
終了フラグXJE3を「0」にクリアし、処理をステッ
プ1000へ移す。
【0094】更に、図8のステップ1000〜1080
において、ECU51は圧力センサ41の接続先がタン
ク側からキャニスタ側へ切り変わった後の継続時間CP
CTを操作する。
【0095】即ち、ステップ1000において、ECU
51は継続時間CPCTの値が「0.13秒」以上であ
るか否かを判断する。ここで、継続時間CPCTの値が
「0.13秒」未満である場合、ステップ1010にお
いて、ECU51は圧力センサ41がタンク側へ接続さ
れてからの継続時間CTPCの値が「2.5秒」未満で
あるか否かを判断する。この「2.5秒」という値は一
例に過ぎない。ここで、継続時間CTPCの値が「2.
5秒」以上の場合、ステップ1080において、ECU
51はこの継続時間CPCTの値を「0」にクリアす
る。その後、ECU51は処理をステップ1200へ移
す。継続時間CTPCの値が「2.5秒」未満の場合、
ECU51は処理をステップ1020へ移す。即ち、こ
のステップ1010において、ECU51は圧力センサ
41の接続先をタンク側からキャニスタ側へ切り換える
に先立ち、タンク側内圧PTを「2.5秒」という充分
な時間をもって検出する。一方、ステップ1000にお
いて、継続時間CPCTの値が「0.13秒」以上であ
る場合、ECU51は処理をステップ1020へ移す。
【0096】ステップ1020において、ECU51は
終了フラグXJE3が「0」であるか否かを判断する。
ここで、終了フラグXJE3が「1」である場合、三方
切換弁23の診断が終了していることから、ECU51
は処理をステップ1080へ移す。終了フラグXJE3
が「0」である場合、三方切換弁23の診断が終了して
いないことから、ECU51は処理をステップ1030
へ移す。
【0097】ステップ1030において、ECU51は
パージ制御弁22のデューティ比DPGの値が急変して
いないか否かを判断する。このデューティ比DPGの値
が急変するとき、キャニスタ側内圧PCが急変するおそ
れがある。このため、圧力センサ41の検出値の挙動が
キャニスタ側内圧PCの急変によるものか、圧力センサ
41の接続先を切り換えたことによるものかの判断が紛
らわしい。従って、その紛らわしさを避けるべく、エン
ジン8の始動前にキャニスタ側内圧PCが急変すること
を推定するために、ECU51はこのステップ1030
の処理を実行する。デューティDPGの値が急変した場
合、ECU51はキャニスタ側内圧PCの急変があると
推定し、処理をステップ1080へ移す。デューティD
PGの値が急変していない場合、ECU51はキャニス
タ側内圧PCの急変がないものと推定し、処理をステッ
プ1040へ移す。
【0098】ステップ1040において、ECU51は
継続時間CPCTの値が上限値としての「1.5秒」以
上になった過去の履歴がないか否かを判断する。この履
歴がある場合、ECU51はステップ1050におい
て、停車中で且つエンジン8がアイドル運転状態にある
か否かを判断する。この条件が成立しない場合、ECU
51は処理をステップ1080へ移す。この条件が成立
した場合、ECU51は処理をステップ1060へ移
す。一方、ステップ1040において、継続時間CPC
Tの値が「1.5秒」以上になった過去の履歴がない場
合、ECU51は同じく処理をステップ1060へ移
す。即ち、ECU51は圧力センサ41の接続先がタン
ク側からキャニスタ側へ切り換わる直前(圧力センサ4
1の検出値に充分なS/Nが得られるとき)か、切り換
わって「1.5秒」経過して(圧力センサ41の検出値
に充分なS/Nが得られるとき)、自動車40が停止し
ている振動の少ないときに、処理をステップ1060へ
移す。
【0099】ステップ1060において、ECU51は
前提フラグXZEが「1」であるか否かを判断する。前
提フラグXZEが「0」である場合、三方切換弁23の
診断を行う前提条件が成立していないことから、ECU
51は処理をステップ1080へ移す。前提フラグXZ
Eが「1」である場合、三方切換弁23の診断を行う前
提条件が成立していることから、ステップ1070にお
いて、ECU51はタイマカウンタ56により継続時間
CPCTの値を加算する。その後、ECU51は処理を
ステップ1100へ移す。
【0100】上記のようにしてECU51は継続時間C
PCTの値を操作する。従って、ステップ1000〜1
080では、キャニスタ側内圧PCを検出すべき安定し
た条件が成立し、且つ三方切換弁23の診断のための前
提条件が成立しているときに、継続時間CPCTの値が
加算され、それ以外のときに継続時間CPCTがクリア
される。この継続時間CPCTの値が加算されている
間、圧力センサ41の接続先はタンク側からキャニスタ
側へ切り換わることになる。
【0101】ステップ1100〜1120において、E
CU51は終了フラグXJE3を操作する。即ち、ステ
ップ1100において、ECU51はパージの開始フラ
グXJTHが「1」であるか否かを判断する。この開始
フラグXJTHが「0」である場合、燃料パージが開始
されていないことから、ECU51は処理をステップ1
200へ移す。開始フラグXJTHが「1」である場
合、燃料パージが既に開始されていることから、ECU
51は処理をステップ1110へ移す。
【0102】ステップ1110において、ECU51は
継続時間CPCTが上限値の「1.5秒」以上であるか
否かを判断する。この継続時間CPCTが「1.5秒」
未満である場合、ECU51は処理をステップ1200
へ移す。継続時間CPCTが「1.5秒」以上である場
合、三方切換弁23の診断が終了していることから、E
CU51はステップ1120において、終了フラグXJ
E3を「1」に設定し、処理をステップ1200へ移
す。
【0103】図9のステップ1200において、ECU
51は継続時間CPCTの値が「0.13秒」以下であ
るか否かを判断する。継続時間CPCTの値が「0.1
3秒」より大きい場合、三方切換弁23の切り換えによ
り圧力センサ41がキャニスタ側につながる。従って、
ECU51は処理をステップ1300へ移す。継続時間
CPCTの値が「0.13秒」以下である場合、三方切
換弁23により圧力センサ41がタンク側につながる。
従って、ECU51はステップ1210において、タン
ク側内圧PTの基準値PTBSを算出し、その算出値を
RAM54に記憶する。ここでは、ECU51はタンク
側内圧PTのなまし値PTSMを基準値PTBSとして
設定する。更に、ステップ1220において、ECU5
1はデューティ比DPGの急変を監視するために使用さ
れる基準値DPGOEを算出し、処理をステップ130
0へ移す。
【0104】図9,10のステップ1300〜1319
において、ECU51はパージ制御弁22の故障診断を
行う。即ち、ステップ1300において、ECU51は
始動後時間CASTの値が「6.5秒」未満であるか否
かを判断する。「6.5秒」という値は一つの例に過ぎ
ないが、この値はエンジン8の始動後に吸気通路10に
吸気負圧が発生することを予測可能な値である。ここ
で、始動後時間CASTの値が「6.5秒」以上である
場合、吸気通路10に吸気負圧が発生するであろうこと
から、燃料パージの実行の可能性がある。従って、EC
U51は処理をステップ1305へ移す。始動後時間C
ASTの値が「6.5秒」未満である場合、吸気通路1
0に吸気負圧が発生していないであろうことから、燃料
パージの実行の可能性がない。従って、ECU51は処
理をステップ1301へ移す。このステップ1300の
処理を実行するECU51は、エンジン8の始動後にお
ける燃料パージの実行の有無を判断するための判断手段
に相当する。
【0105】ステップ1301において、ECU51は
始動後のキャニスタ側内圧PCSTの値と、始動後のタ
ンク側内圧PTSTの値との差の絶対値が「15mmH
g」以上であるか否かを判断する。この「15mmH
g」という値は一つの例に過ぎない。ここで、パージ制
御弁22の弁体が開いたままの状態でケーシング等に固
着して故障したとする。この開き故障の場合、エンジン
8の始動が完了する前に圧力センサ41で検出されるべ
き値は大気圧を示し、始動完了後に圧力センサ41で検
出されるべき値は負圧を示す。そこで、ECU51はこ
のステップ1301において、両者PCST,PTST
の値の差の絶対値が基準値を上回ったと判断することに
より、エンジン8の始動完了前後で圧力センサ41によ
り検出される値に圧力差があることを判断する。両者P
CST,PTSTの値の差の絶対値が「15mmHg」
未満である場合、ECU51は処理をステップ1305
へ移す。両者PCST,PTSTの値の差の絶対値が
「15mmHg」以上である場合、ECU51は処理を
ステップ1302へ移す。このステップ1301の処理
を実行するECU51は、始動後における圧力センサ4
1の検出値が始動前における圧力センサ41の検出値よ
りも負圧であるか否かを判断するための判断手段に相当
する。
【0106】ステップ1302において、ECU51は
始動時のタンク側内圧PTSTの値(絶対値)が負圧に
相当する「−20mmHg」未満であるか否かを判断す
る。即ち、パージ制御弁22が開き故障している場合、
エンジン8の始動完了後に圧力センサ41では負圧が検
出される。そこで、ECU51はこのステップ1302
で始動時のタンク側内圧PTSTの値を判断するのであ
る。このタンク側内圧PTSTの値が「−20mmH
g」以上である場合、ECU51は処理をステップ13
05へ移す。タンク側内圧PTSTの値が「−20mm
Hg」未満である場合、ECU51は処理をステップ1
303へ移す。このステップ1302の処理を実行する
ECU51は、エンジン8の始動後における圧力センサ
41の検出値が所定の基準値より正圧であるか負圧であ
るかを判断するための判断手段に相当する。
【0107】ステップ1303において、ECU51は
始動後時間CASTの値が「6〜6.5秒」の範囲にあ
るか否かを判断する。始動後時間CASTの値がこの範
囲にない場合、ECU51は処理をステップ1307へ
移す。始動後時間CASTの値がこの範囲にある場合、
パージ制御弁22が開き故障している可能性があること
から、ステップ1304において、ECU51は開き故
障の可能性に係る履歴を示す履歴フラグXJOを「1」
に設定し、同フラグXJOの値をRAM54に記憶す
る。その後、ECU51は処理をステップ1307へ移
す。
【0108】一方、ステップ1300〜1302から処
理を移してステップ1305において、ECU51は始
動後時間CASTの値が「6〜6.9秒」の範囲にある
か否かを判断する。始動後時間CASTの値がこの範囲
にある場合、ステップ1306において、ECU51は
履歴フラグXJOを「0」に設定し、同フラグXJOの
値をRAM54に記憶し、処理をステップ1307へ移
す。始動後時間CASTの値がこの範囲にない場合、E
CU51は処理をステップ1307へ移す。図10のス
テップ1307において、ECU51はパージ制御弁2
2の故障診断を行うための前提条件が成立しているか否
かを判断する。この前提条件とは、前提フラグXZEが
「1」で、且つパージ制御弁22の開き故障が判定され
ていないことである。この前提条件が成立していない場
合、ECU51は処理をステップ1400へ移す。この
前提条件が成立している場合、ECU51は処理をステ
ップ1308へ移す。
【0109】ステップ1308において、ECU51は
圧力センサ41の故障診断が終了したか否かを判断す
る。ECU51は圧力センサ41に係る故障診断を別途
の処理ルーチンに従い実行する。ここで、ECU51は
始動後時間CASTの値が所定値(例えば「12秒」)
以上であるか否かによってステップ1308の判断を実
行する。圧力センサ41の故障診断を終了していない場
合、ECU51は処理をステップ1311へ移す。圧力
センサ41の故障診断を終了している場合、ECU51
は処理をステップ1309へ移す。
【0110】ステップ1309において、ECU51は
履歴フラグXJOが「1」であるか否かを判断する。履
歴フラグXJOが「1」である場合、パージ制御弁22
が今回以前に開き故障した履歴があることになる。従っ
て、ステップ1310において、ECU51はパージ制
御弁22が確かに開き故障しているものと判定し、その
ことを示す故障フラグXPVFOを「1」に設定する。
ECU51はこの故障フラグXPVFOの値を故障診断
データとしてバックアップRAM55に記憶する。EC
U51は運転者に故障の発生を報知するために、警告ラ
ンプ24を点灯させる。その後、ECU51は処理をス
テップ1311へ移す。履歴フラグXJOが「0」であ
る場合、パージ制御弁22が過去に開き故障した履歴が
ないことから、ECU51は処理をステップ1311へ
移す。
【0111】ここで、ステップ1310において、パー
ジ制御弁22の開き故障が判定されて故障フラグXPV
FOが「1」に設定されるのは、以下の条件が設立する
ときである。即ち、エンジン8の始動後にパージ制御弁
22が閉じられるべき燃料パージの非実行時であり、且
つキャニスタ側内圧PCが所定の基準値よりも負圧であ
り、且つ始動後における圧力センサ41の検出値が始動
前における検出値よりも負圧となるときである。従っ
て、このステップ1310の処理を実行するECU51
は、パージ制御弁22の開き故障を診断するための診断
手段に相当する。併せて、このステップ1310の処理
を実行するECU51は、パージ制御弁22の開き故障
を報知するための報知手段に相当する。
【0112】ステップ1311において、ECU51は
キャニスタ側内圧PCのチェックを開始してからの経過
時間CPGCの値が「2.9秒」であるか否かを判断す
る。この「2.9秒」という値は燃料パージが確実に実
行されていることを示す目安であり、一つの例に過ぎな
い。ここで、経過時間CPGCの値が「2.9秒」でな
い場合、ECU51は燃料パージが実行されていないも
のとして、処理をステップ1400へ移す。経過時間C
PGCの値が「2.9秒」である場合、ECU51は燃
料パージが実行されているものとして、処理をステップ
1312へ移す。このステップ1311の処理を実行す
るECU51は、燃料パージの実行の有無を判断するた
めの判断手段に相当する。
【0113】ステップ1312において、ECU51は
キャニスタ側内圧PCの値が負圧として小さいか否かを
判断する。ECU51はこの判断をタンク側のなまし値
PTSMが基準値としての「−13mmHg」以上であ
るか否かを判断することにより行う。このステップ13
12の処理を実行するECU51は、圧力センサ41の
検出値が所定の基準値よりも正圧であるか負圧であるか
を判断するための判断手段に相当する。ここで、キャニ
スタ側内圧PCの値が負圧として小さい場合、ステップ
1313において、ECU51はキャニスタ側の脈動値
DPCASMが所定の基準値k未満であるか否かを判断
する。即ち、ECU51はパージ制御弁22が所定のデ
ューティ比DPGをもって作動しているときに、キャニ
スタ側内圧PCが脈動を伴わないか否かを判断する。こ
のステップ1313の処理を実行するECU51は、圧
力センサ41の検出値がパージ制御弁22のデューティ
制御に起因した振動を伴わないものであるか否かを判断
するための判断手段に相当する。ここで、脈動値DPC
ASMが基準値k未満である場合、キャニスタ側内圧P
Cの値に脈動がない。従って、ステップ1314におい
て、ECU51はパージ制御弁22の弁体が閉じたまま
の状態でケーシング等に固着して故障しているものと
し、その故障の履歴を示すために履歴フラグXJCを
「1」に設定する。
【0114】更に、ステップ1315において、ECU
51は前回の履歴フラグXJCOが「1」であるか否か
を判断する。前回の履歴フラグXJCOが「0」である
場合、今回初めて履歴フラグXJCが「1」になったこ
とから、故障の確実性は高くない。従って、ECU51
は処理をステップ1400へ移す。前回の履歴フラグX
JCOが「1」である場合、前回に続いて履歴フラグX
JCが「1」であることから、故障の確実性が高い。従
って、ステップ1316において、ECU51はパージ
制御弁22が確かに閉じ故障しているものと判定し、そ
のことを示すために故障フラグXPVFCを「1」に設
定する。ECU51はこの故障フラグXPVFCの値を
故障診断データとしてバックアップRAM55に記憶す
る。ECU51は故障の発生を運転者に報知するために
警告ランプ24を点灯させる。その後、ECU51は処
理をステップ1400へ移す。
【0115】ここで、パージ制御弁22が閉じ故障して
いると判定され故障フラグXPVFCが「1」に設定さ
れるのは、以下のような条件が設立するときである。即
ち、パージ制御弁22が開かれるべき燃料パージの実行
時であり、且つキャニスタ側内圧PCが所定の基準値よ
りも正圧であり、且つ圧力センサ41の検出値が振動を
伴わないときである。併せて、上記の条件が続けて2回
成立したときである。従って、このステップ1316の
処理を実行するECU51は、パージ制御弁22の閉じ
故障を診断するための診断手段に相当する。併せて、こ
のステップ1316の処理を実行するECU51は、パ
ージ制御弁22の閉じ故障を報知するための報知手段に
相当する。
【0116】更に、ステップ1311において、ECU
51が経過時間CPGCを一旦「2.9秒」と判断して
から再び「2.9秒」と判断するのは、走行中の自動車
40が一旦停止しているときである。このため、ステッ
プ1314において、ECU51が、最初に履歴フラグ
XJCを「1」に設定してから、再び履歴フラグXJC
を「1」に設定するのは、自動車40が停止していると
きである。従って、ステップ1316において、ECU
51が故障フラグXPVFCを「1」に設定するのは、
自動車40の走行中に履歴フラグXJCが「1」に設定
されてから、停車中に履歴フラグXJCが「1」に設定
されたときである。従って、この実施形態において、一
連のステップ1311〜1316の処理を実行するEC
U51は、走行中の自動車40が一旦停止したときに、
パージ制御弁22の閉じ故障を診断するための停止後診
断手段に相当する。
【0117】一方、ステップ1312において、キャニ
スタ側内圧PCの負圧が大きい場合、パージ制御弁22
が開いていることから、ECU51は処理をステップ1
317へ移す。ステップ1313において、脈動値DP
CASMが基準値k以上である場合、キャニスタ側内圧
PCに脈動があることから、ECU51は処理をステッ
プ1317へ移す。
【0118】ステップ1317において、ECU51は
履歴フラグXJCを「0」にクリアする。ステップ13
18において、ECU51はパージ制御弁22が開き故
障していることを示す履歴フラグXJOが「0」である
か否かを判断する。ここで、履歴フラグXJOが「0」
である場合、ECU51はパージ制御弁22が正常であ
ると判定し、ステップ1319において、二つの故障フ
ラグXPVFO,XPVFCを共に「0」に設定すると
共に、警告ランプ24を消灯させ、処理をステップ14
00へ移す。履歴フラグXJOが「1」である場合、パ
ージ制御弁22が故障していることから、ECU51は
処理をステップ1400へ移す。
【0119】図11のステップ1400〜1414にお
いて、ECU51は三方切換弁23の診断を行う。即
ち、ステップ1400において、ECU51は三方切換
弁23の診断のための前提条件が成立しているか否かを
判断する。この前提条件とは、前提フラグXZEが
「1」で、後述する履歴フラグXJ3が「0」で、且つ
始動後時間CASTが「11秒」であることである。前
提フラグXZEが「1」でるということは、圧力センサ
41が正常であることを意味する。始動後時間CAST
が「11秒」であるということは、エンジン8の始動が
確実に完了していることを意味する。この前提条件が成
立していない場合、ECU51は三方切換弁23の故障
を診断しないものとして、その後の処理を一旦終了す
る。この前提条件が成立している場合、ECU51は三
方切換弁23の故障を診断するために処理をステップ1
401へ移す。
【0120】ステップ1401において、ECU51は
始動時のキャニスタ側内圧PCSTの値と、始動時のタ
ンク側内圧PTSTの値との差の絶対値が所定値として
の「0.73mmHg」未満であるか否かを判断する。
この「0.73mmHg」という値は一つの例に過ぎな
い。ここで、三方切換弁23がタンク側又はキャニスタ
側に固定された状態で故障したとする。この場合、始動
時のタンク側内圧PTST及びキャニスタ側内圧PCS
Tの一方を選択的に検出しようとしても、圧力センサ4
1で検出される値は、それらの一方の値だけとなる。そ
こで、上記絶対値が「0.73mmHg」未満である場
合、即ちほぼ「0mmHg」に等しい場合、三方切換弁
23に故障の可能性があるものとして、ECU51は処
理をステップ1402へ移す。上記絶対値が「0.73
mmHg」以上である場合、ECU51は三方切換弁2
3が正常であると診断する。そして、ステップ1414
において、ECU51は三方切換弁23が正常であるこ
とを示すために、後述する故障フラグXVT3,XVC
3を「0」に設定し、警告ランプ24を消灯させてその
後の処理を一旦終了する。この実施形態では、ステップ
1401,1414の処理を実行するECU51は、上
記絶対値が所定値以上になるとき、三方切換弁23が正
常であると診断するための診断手段に相当する。
【0121】ステップ1402において、ECU51は
圧力センサ41の接続先がタンク側からキャニスタ側へ
切り換わった後の継続時間CPCTの値が「0.13
秒」以下であるか否かを判断する。継続時間CPCTの
値が「0.13秒」以下である場合、ECU51は処理
をステップ1404へ移す。継続時間CPCTの値が
「0.13秒」よりも大きい場合、ECU51はステッ
プ1403において、タンク側内圧の基準値PTBSと
タンク側内圧のなまし値PTSMとの差の絶対値が
「2.9mmHg」未満であるか否かを判断する。即
ち、ECU51は圧力センサ41の接続先がタンク側か
らキャニスタ側へ切り換わった直後に両者PTBS,P
TSMの差の大きさを判断する。この「2.9mmH
g」という値は一つの例に過ぎない。上記絶対値が
「2.9mmHg」以上である場合、両者PTBS,P
TSMの差が大きいことから三方切換弁23が正常であ
るものと判定し、ECU51はステップ1414の処理
を実行する。上記絶対値が「2.9mmHg」未満であ
る場合、両者PTBS,PTSMの差が小さいことか
ら、三方切換弁23に故障があるものと仮定し、ECU
51は処理をステップ1404へ移す。従って、ステッ
プ1030において、キャニスタ側内圧PCの急変が推
定されるとき、キャニスタ側内圧PCを検出すべき安定
した条件が成立していないことから、ECU51は三方
切換弁23が正常であるか否かの診断を中止することに
なる。この意味で、ステップ1402の処理を実行する
ECU51は、キャニスタ側内圧PCの急変が推定され
るときに三方切換弁23の正常診断を中止するための診
断中止手段に相当する。同様に、ステップ1010にお
いて、圧力センサ41がタンク側に接続されてから
「2.5秒」を経過していないとき、ステップ1050
において、停車後のアイドル運転が「3秒」以上経過し
ていないとき、キャニスタ側内圧PCを検出すべき安定
した条件が成立していないことから、ECU51は三方
切換弁23が正常であるか否かの診断を中止することに
なる。この意味でも、ステップ1402の処理を実行す
るECU51は、三方切換弁23の正常診断を中止する
ための診断中止手段に相当する。
【0122】ステップ1404において、ECU51は
キャニスタ側内圧PCのチェックを開始してからの経過
時間CPGCの値が「4.4秒」であるか否かを判断す
る。この「4.4秒」という値は一つの例に過ぎない。
ここで、経過時間CPGCの値が「4.4秒」でない場
合、ECU51はその後の処理を一旦終了する。経過時
間CPGCの値が「4.4秒」である場合、ECU51
は処理をステップ1405へ移す。
【0123】ステップ1405において、ECU51は
キャニスタ側内圧の基準値PCBSと燃料パージ中のタ
ンク側内圧PTPNの値との差の絶対値が「0.4mm
Hg」未満であるか否かを判断する。この「0.4mm
Hg」という値は一つの例に過ぎない。上記絶対値が
「0.4mmHg」以上である場合、キャニスタ側とタ
ンク側との間に差圧があることから、ECU51は処理
をステップ1414へ移す。上記絶対値が「0.4mm
Hg」未満である場合、キャニスタ側とタンク側との間
に差圧が殆どないことから、ECU51は処理をステッ
プ1406へ移す。この実施形態でステップ1405の
処理を実行するECU51は、キャニスタ側内圧PCに
関する値とタンク側内圧PTに関する値との差が所定値
未満であるか否かを判断するための判断手段に相当す
る。
【0124】ステップ1406において、ECU51は
キャニスタ側の脈動値DPCASMが基準値k未満であ
るか否か、即ちキャニスタ側内圧PCの値に脈動がない
か否かを判断する。脈動値DPCASMが基準値k未満
である場合、ステップ1405,1406の一連の判断
から、キャニスタ側内圧の基準値PCBSとタンク側内
圧PTPNの値との差の絶対値が「0.4mmHg」未
満であり、且つ圧力センサ41によるキャニスタ側内圧
PCの検出値が脈動を伴わないことになる。ここで、圧
力センサ41の検出先がタンク側になった状態のままで
三方切換弁23が故障したとき、ECU51が三方切換
弁23を制御しても、圧力センサ41がキャニスタ側内
圧PCを検出することはなく、同センサ41はタンク側
内圧PTだけを検出することになる。更に、キャニスタ
側内圧PCを検出すべき圧力センサ41の検出値がタン
ク側内圧PTに関するものであることから、その検出値
にパージ制御弁22のデューティ制御に起因した振動、
即ち圧力の脈動が伴うことはない。従って、ECU51
は圧力センサ41の検出先がタンク側となった状態のま
まで三方切換弁23が故障しているものと仮に判定す
る。そして、その故障の履歴を示すために、ステップ1
409において、ECU51は履歴フラグXJT3を
「1」に設定する。この実施形態でステップ1405,
1406,1409の処理を実行するECU51は、三
方切換弁23の故障を診断するための診断手段に相当す
る。一方、ステップ1406において、脈動値DPCA
SMが基準値k以上である場合、キャニスタ側内圧PC
に脈動があることから、ECU51は処理をステップ1
407へ移す。
【0125】ステップ1407において、ECU51は
タンク側の脈動値DPTASMが基準値k以上であるか
否か、即ちタンク側内圧PTの値に脈動があるか否かを
判断する。脈動値DPTASMが基準値k以上である場
合、ステップ1405〜1407の一連の判断から、キ
ャニスタ側内圧の基準値PCBSとタンク側内圧PTP
Nの値との差の絶対値が「0.4mmHg」未満であ
り、且つ圧力センサ41によるタンク側内圧PTの検出
値が脈動を伴わないことになる。ここで、圧力センサ4
1の検出先がキャニスタ側になった状態のままで三方切
換弁23が故障したとき、ECU51が三方切換弁23
を制御しても、圧力センサ41がタンク側内圧PTを検
出することはなく、同センサ41はキャニスタ側内圧P
Cだけを検出することになる。更に、タンク側内圧PT
を検出すべき圧力センサ41の検出値がキャニスタ側内
圧PCに関するものであることから、その検出値にパー
ジ制御弁22のデューティ制御に起因した脈動を伴うこ
とになる。従って、ECU51は圧力センサ41の検出
先がキャニスタ側となった状態のままで三方切換弁23
が故障しているものと仮に判定する。そして、その故障
の履歴を示すために、ステップ1409において、EC
U51は履歴フラグXJC3を「1」に設定する。この
実施形態でステップ1405〜1407,1409の処
理を実行するECU51は、三方切換弁23の故障診断
するための診断手段に相当する。一方、ステップ140
7において、脈動値DPCASMが基準値k未満である
場合、タンク側内圧PTに脈動がないことから、ECU
51は処理をステップ1408へ移す。ステップ140
8において、ECU51は三方切換弁23が正常である
ものと仮定し、履歴フラグXJT3,XJC3を「0」
に設定し、更に処理をステップ1414へ移す。ここ
で、ステップ1406,1407の処理を実行するEC
U51は、キャニスタ側の脈動値DPCASMが所定値
としの基準値k以上であり、タンク側の脈動値DPTA
SMが基準値k未満であるときに、三方切換弁23が正
常であると診断するための本発明の第2の診断手段に相
当する。
【0126】ステップ1409から処理を移してステッ
プ1410において、ECU51は履歴フラグXJT3
又は履歴フラグXJC3が「0」から「1」に切り換わ
ったか否かを判断する。切り換わっていない場合、EC
U51は処理をステップ1412へ移す。切り換わった
場合、ステップ1411において、ECU51は脈動値
DPTSMを再計算するために、前述した経過時間CD
PTSの値及びタンク側の脈動値DPTSMをそれぞれ
「0」にクリアする。ここで、脈動値DPTSMを再計
算するのは、自動車40の走行時に振動に起因してベー
パ制御弁20が不用意に開いて圧力センサ41が狙いの
値と異なる誤った値を検出するおそれがあるからであ
る。この不具合を回避するために、ECU51はステッ
プ1410,1411の処理を実行する。
【0127】ステップ1412において、ECU51は
前回の履歴フラグXJT3O又は履歴フラグXJC3O
が「1」であるか否かを判断する。前回の履歴フラグX
JT3O,XJC3Oが「0」である場合、今回初めて
履歴フラグXJT3,XJC3が「1」になったことか
ら、三方切換弁23が故障した確実性が高くないことか
ら、ECU51はその後の処理を一旦終了する。前回の
履歴フラグXJT3O,XJC3が「1」である場合、
前回に引き続いて履歴フラグXJT3,XJC3が
「1」であることになる。従って、ステップ1413に
おいて、ECU51は三方切換弁23が切換え不能な状
態で確かに故障しているものと診断する。そのことを示
すために、ECU51は故障フラグXVT3又は故障フ
ラグXVC3を「1」に設定する。ECU51はそれら
フラグXVT3,XVC3の値を故障診断データとして
バックアップRAM55に記憶する。ECU51は故障
の発生を運転者に報知するために警告ランプ24を点灯
させる。そして、ECU51はその後の処理を一旦終了
し、次の制御周期の到来を待ってステップ100からの
処理を再開する。このステップ1413の処理を実行す
るECU51は、三方切換弁23の故障を報知するため
の報知手段に相当する。以上が「第1の診断ルーチン」
の処理内容である。
【0128】ここで、上記ルーチンにおいて、三方切換
弁23が正常なときの各種パラメータの挙動を図16の
タイミングチャートに従って説明する。同図においてパ
ージカットフラグXCPCは燃料パージの実行の有無を
示す。ここで、本処理装置の他の部分に特に故障はな
い。通常、キャニスタ側内圧PCとタンク側内圧PTは
基本的には、互いに大きさが異なる。特に、エンジン8
の始動前に吸気通路10で吸気負圧が発生することはな
く、キャニスタ側内圧PCが吸気負圧の影響を受けるこ
とはない。両者PT,PCは同じ大きさを示すことはな
い。従って、三方切換弁23が正常である場合、同切換
弁23がECU51により切り換えられる前後で圧力セ
ンサ41が同じ値を検出することはない。
【0129】時刻t1はエンジン8が始動される直前で
あり、これ以降に診断のための前提条件が成立する(前
提フラグXZE=1)。時刻t1〜t3の間でエンジン
8の始動が完了すると、その始動の前後で三方切換弁2
3により圧力センサ41の接続先が切り換えられる。こ
のとき、互いに異なる始動直前のキャニスタ側内圧PC
STの値と、始動完了直後のタンク側内圧PTSTの値
がそれぞれ算出されてRAM54に記憶される。
【0130】その後、始動後時間CASTが「11秒」
となる時刻t4に、上記二つの内圧PCST,PTST
の値の間に所定値以上の差があることにより、三方切換
弁23が正常であることが判定される。このように、エ
ンジン8の始動前後に得られる二つの内圧PCST,P
TSTの値に基づいて三方切換弁23の正常を診断する
ことができる。ここで、何らかの理由により両者PCS
T,PTSTの値の間の差が所定値未満であったとする
と、次のような順序で三方切換弁23の正常が診断され
る。
【0131】時刻t5〜t6において、走行中の自動車
40で燃料パージが実行されることにより、燃料パージ
中のタンク側内圧PTPNが算出され、その値がRAM
54に記憶される。
【0132】その後、自動車40が停止している時刻t
6〜t7の間に、タンク側の脈動値DPTASMが算出
され、その値がRAM54に記憶される。タンク側はパ
ージ制御弁22のデューティ制御に起因した脈動の影響
を受けないことから、この脈動値DPTASMは「0m
mHg」の値を維持する。
【0133】更に、時刻t8〜t10において、走行中
の自動車40で燃料パージが実行され、圧力センサ41
の接続先がタンク側からキャニスタ側に切り換わる。こ
のとき、なまし値PTSM及び処理値PTADはタンク
側の値からキャニスタ側の値を示すようになる。この処
理値PTADはパージ制御弁22のデューティ制御に起
因した脈動を示す。そして、時刻t8から加算され始め
た経過時間CPGCが「1〜3秒」になる時刻t9〜t
10の間で、キャニスタ側の脈動値DPCASMが徐々
に増加する。
【0134】その後、時刻t10〜t11の間で、キャ
ニスタ側内圧の基準値PCBSが算出され、その値がR
AM53に記憶される。そして、時刻t11において、
経過時間CPGCの値が「4.4秒」になると、キャニ
スタ側内圧の基準値PCBSとパージ中のタンク側内圧
PTPNとの差の絶対値が所定値以上であり、キャニス
タ側の脈動値DPCASMが基準値k以上となり、タン
ク側の脈動値DPTASMが基準値k未満であることか
ら、三方切換弁23が正常であることが判定される。
【0135】この実施形態では、圧力センサ41の検出
値からノイズが除去された後の処理値PTADが得られ
る。このため、圧力センサ41の検出値がパージ制御弁
22のデューティ制御に起因する脈動を伴う場合、その
脈動を適正に反映した処理値PTADが得られる。この
ため、その処理値PTADをなまし処理することにより
得られるなまし値PTSMとの間に脈動を適正に反映し
た差が得られる。更に、その脈動を適正に反映した各脈
動値DPTASM,DPCASMが得られ、タンク側内
圧PT及びキャニスタ側内圧PCに脈動がある場合に、
各脈動値DPTASM,DPCASMは増加する。この
結果、タンク側及びキャニスタ側の各脈動値DPTAS
M,DPCASMの計算を、精度良く、良好なS/Nを
もって行うことができる。
【0136】ここで、三方切換弁23が正常である場
合、ベーパ制御弁20等が振動に対して安定した条件下
にあるとき、即ち自動車40が停止してエンジン8がア
イドル運転状態にあるときには、タンク側内圧PTの安
定した処理値PTADとなまし値PTSMとの差が算出
される。このため、ベーパ制御弁20の振動に起因する
内圧PTの脈動を伴った両値PTAD,PTSMが、デ
ューティ制御に起因した内圧PCの脈動を反映した両値
PTAD,PTSMとして誤って脈動値DPTASMの
算出に使われることがない。更に、三方切換弁23が正
常であり、パージ制御弁22が適度にデューティ制御さ
れている場合、キャニスタ側内圧PCについては、デュ
ーティ制御に起因した脈動を反映した両値PTAD,P
TSMだけが脈動値DPCASMの算出に使われる。
【0137】従って、脈動を反映した基準値k以上の脈
動値DPCASMが得られた場合、圧力センサ41がキ
ャニスタ側を検出先としていることが分かる。更に、脈
動を反映しない基準値k未満の脈動値DPTASMが得
られた場合、圧力センサ41がタンク側を検出先として
いることが分かる。このため、上記二つの条件が共に成
立するとき、圧力センサ41の検出先が三方切換弁23
によって正しく切り換えられていることになり、ECU
51が三方切換弁23が正常であることを診断すること
になる。このように、この診断装置によれば、三方切換
弁23が正常である場合に、そのことを精度良く適正に
診断することができるのである。
【0138】加えて、この実施形態では、圧力センサ4
1がキャニスタ側内圧PCを検出するとき、パージ制御
弁22の開度(デューティ比DPG)がデューティ制御
に伴う脈動を発生させ難い「18%」未満である場合
に、処理値PTADとなまし値PTSMとの間で十分な
差が得られなくなる。この場合、ECU51は脈動値D
PCASMの算出を禁止することから、その脈動値DP
CASMが不用意に基準値kを下回ることはない。この
ため、三方切換弁23が正常であるにもかかわらず、脈
動値DPCASMが基準値k未満の値を示すことがな
い。その意味で、三方切換弁23が正常であることを、
更に精度良く診断することができる。
【0139】この実施形態では、エンジン8の始動時に
短時間のうちに三方切換弁23を切り換えてタンク側と
キャニスタ側の内圧の差を確認することにより、三方切
換弁23の正常を診断する。従って、エンジン8の運転
に際し、三方切換弁23の正常診断を早めに行うことが
でき、その後に続く他の故障診断を信頼性をもって早め
に行うことが可能となる。
【0140】この実施形態では、燃料パージの実行が開
始される前と、最初の燃料パージが開始された直後に三
方切換弁23の正常診断が行われる。このため、圧力セ
ンサ41の検出値に適度なS/Nを確保することができ
る。
【0141】この実施形態では、エンジン始動時以降に
行われる三方切換弁23の正常診断を自動車40が一旦
停止した直後に行うと共に、その停止中に得られたタン
ク側の脈動値DPTASMに基づいて行う。このため、
自動車40の走行振動の影響を極力排除した上で正常診
断を行うことができ、その意味で診断の精度を高めるこ
とができる。
【0142】この実施形態では、パージ制御弁22のデ
ューティ比DPGの変化が大きいときにキャニスタ側内
圧PCが急変するものと推定し、三方切換弁23の正常
診断を中止する。キャニスタ側内圧PCが急変するよう
な不安定な条件下では、キャニスタ側内圧PC及びタン
ク側内圧PTに係る二つの値の間の差の大きさを適正に
判断することができない。従って、このような条件下で
ECU51が三方切換弁23の正常を誤って診断するこ
とはない。その意味で、三方切換弁23の正常診断の精
度を高めることができる。
【0143】この実施形態では、三方切換弁23により
圧力センサ41がタンク側に接続されてある程度の時間
が経過していないとき、自動車40の停止後にアイドル
運転がある程度の時間経過していないときには、三方切
換弁23の正常診断を中止する。従って、不安定な条件
の下でキャニスタ側内圧PC及びタンク側内圧PTに係
る二つの値の間の差が求められることはなく、ECU5
1が三方切換弁23の正常を誤って診断することがな
い。その意味で、三方切換弁23の正常診断の精度を高
めることができる。
【0144】この実施形態では、圧力センサ41の接続
先がキャニスタ側に固定された三方切換弁23の故障を
診断するために、停車中のアイドリング運転時に求めら
れるタンク側の脈動値DPTASMを参照する。このた
め、悪路等を走行する自動車40の振動に起因してキャ
ニスタ側内圧PCが不用意に変動し、脈動値DPTAS
Mが誤って算出されることはない。つまり、脈動値DP
TASMを振動を伴わない安定した条件の下で算出する
ことができる。その意味で、上記の診断を誤りなく行う
ことができる。
【0145】この実施形態では、パージ制御弁22が開
き故障、閉じ故障したと診断されたとき、三方切換弁2
3が故障したと診断されたとき、運転席に設けられた警
告ランプ24が点灯される。このため、運転者等がパー
ジ制御弁22及び三方切換弁23の故障を知ることがで
き、その故障に早めに対処することができる。
【0146】この実施形態では、上記各弁22,23の
故障が診断されたときに、各故障フラグXPVFC,X
PVFC,XVT3,XVC3の値が診断データとして
バックアップRAM55に記憶される。このため、自動
車40の点検時等に作業者が必要に応じてバックアップ
RAM55の診断データを読み出すことにより、各弁2
2,23の故障に関する履歴を確認することができる。
【0147】ここで、上記したパージ制御弁22に係る
故障フラグXPVFC,XPVFCと三方切換弁23に
係る故障フラグXVT3,XVC3につき、本処理装置
の故障診断に対する反映を簡単に説明する。図17は本
処理装置の気密性に係る故障診断を実行するための「第
2の診断ルーチン」を示すフローチャートである。EC
U51はこのルーチンを所定時間毎に周期的に実行す
る。
【0148】ステップ2000において、ECU51は
各故障フラグXPVFC,XPVFC,XVT3,XV
C3の値を読み込む。ステップ2010において、EC
U51は各故障フラグXPVFC,XPVFC,XVT
3,XVC3の少なくとも一つが「1」であるか否かを
判断する。ここで、各故障フラグXPVFC,XPVF
C,XVT3,XVC3の全てが「0」である場合、パ
ージ制御弁22及び三方切換弁23が共に正常であるこ
とから、ECU51は処理をステップ2020へ移す。
【0149】そして、ステップ2020において、EC
U51はタンク側内圧PT及びキャニスタ側内圧PCの
値に基づき、タンク側及びキャニスタ側の気密性に係る
故障診断を実行し、その後の処理を一旦終了する。この
ステップ2020の処理内容の詳しい説明は省略する。
この実施形態では、ステップ2020の処理を実行する
ECU51は、タンク側及びキャニスタ側の気密性に係
る故障を診断するための本発明の第1の診断手段に相当
する。
【0150】一方、ステップ2010において、各故障
フラグXPVFC,XPVFC,XVT3,XVC3の
少なくとも一つが「1」である場合、パージ制御弁22
及び三方切換弁23の少なくとも一つが故障しているこ
とから、ECU51はタンク側及びキャニスタ側の気密
性に係る故障診断を禁止する。
【0151】この実施形態では、「第2の診断ルーチ
ン」の処理を実行するECU51が、パージ制御弁22
又は三方切換弁23の故障が診断されたときに、タンク
側及びキャニスタ側の気密性に係る故障の診断を禁止す
るための診断禁止手段に相当する。
【0152】この実施形態では、パージ制御弁22が閉
じ故障又は開き故障したとき、或いは三方切換弁23が
切換え不能に故障したとき、本処理装置の気密性に係る
故障診断が行われない。そして、両弁22,23が正常
であるときだけ、本処理装置の気密性に係る故障診断が
行われる。このため、タンク側及びキャニスタ側の気密
性に係る故障について誤った診断を回避することがで
き、本診断装置の信頼性を高めることができる。換言す
れば、パージライン21を通過する燃料量をパージ制御
弁22により調整するようにした本処理装置において、
タンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障を適正に
診断することができる。併せて、タンク側内圧PTとキ
ャニスタ側内圧PCとを選択的に検出するために圧力セ
ンサ41の検出先を三方切換弁23により切り換えるよ
うにした燃料蒸気処理装置において、タンク側及びキャ
ニスタ側の気密性に係る故障を共に適正に診断すること
ができる。そして、それらを実現するために、三方切換
弁23の正常・故障を精度良く適正に診断することがで
き、パージ制御弁22の故障を適正に診断することがで
きるのである。
【0153】尚、この発明は次のような別の実施形態に
具体化することもできる。以下の実施形態においても、
前記実施形態と同等の作用及び効果を得ることができ
る。 (1)前記実施形態では、図11のステップ1406,
1407において、各脈動値DPCASM,DPTAS
Mを基準値kと比較して三方切換弁23の正常を診断す
る際、1405において、キャニスタ側の基準値PCB
Sと燃料パージ中のタンク側内圧PTPNの値との差の
絶対値が「0.4mmHg」未満であることを前提条件
としている。これに対し、三方切換弁23の正常を診断
するために、図11のルーチンからステップ1405の
処理を省略することもできる。
【0154】(2)前記実施形態では、キャニスタ14
が二つの大気制御弁16,18を含む場合に具体化した
が、これらの制御弁16,18を省略してキャニスタ1
4に大気へ連通する孔だけを設けてもよい。
【0155】更に、上記各実施形態には、特許請求の範
囲に記載した技術的思想に係る次のような各種の実施態
様が含まれることを、以下にその効果と共に記載する。 (イ)請求項1又は請求項2に記載の第1又は第2の発
明において、前記切換手段が正常であると前記第2の診
断手段が診断したときに、その旨を表示するための表示
手段を設けた燃料蒸気処理装置の診断装置。
【0156】この構成によれば、切換手段が正常である
ことを運転者等が表示手段により知ることが可能とな
る。 (ロ)請求項1又は請求項2に記載の第1又は第2の発
明において、前記切換手段が正常であると前記第2の診
断手段が診断したときに、前記第1の診断手段における
故障の診断を許容するための診断許容手段を設けた燃料
蒸気処理装置の診断装置。
【0157】この構成によれば、切換手段が正常である
ときに、第1の診断手段における診断が許容されること
から、エンジンの始動直後からキャニスタ側及び燃料タ
ンク側の気密性に係る故障の診断を早めに行うことが可
能となる。
【0158】(ハ)請求項1又は請求項2に記載の第1
又は第2の発明において、前記切換手段が正常でないと
前記第2の診断手段が診断したときに、その旨を報知す
るための報知手段を設けた燃料蒸気処理装置の診断装
置。
【0159】この構成によれば、運転者等が切換手段の
故障を知ることが可能となり、その故障に対処すること
が可能となる。 (ニ)請求項1又は請求項2に記載の第1又は第2の発
明において、前記切換手段が正常でないと前記第2の診
断手段が診断したときに、前記第1の診断手段における
故障の診断を禁止するための診断禁止手段を設けた燃料
蒸気処理装置の診断装置。
【0160】この構成によれば、切換手段が故障したと
きに、第1の診断手段における診断が行われないことか
ら、キャニスタ側及び燃料タンク側の気密性に係る故障
について誤診断を回避することが可能となる。
【0161】尚、この明細書において、発明の構成に係
る用語を以下のように定義する。 (a)デューティ制御とは、1サイクルの時間に対する
通電時間の割合をデューティ比として、そのデューティ
比により通電時間を制御する意味で、デジタル的に通電
・非通電の割合を変えることにより、アナログ的に平均
電流を可変制御することである。この発明では、パージ
制御弁を上記デューティ比をもって断続的に開くことを
意味する。
【0162】
【発明の効果】請求項1に記載の第1の発明によれば、
燃料タンク側の内圧とキャニスタ側の内圧とを選択的に
検出するために圧力検出手段の検出先を切換手段により
切り換える燃料蒸気処理装置を前提とする。ここで、キ
ャニスタ側の内圧に係る脈動を反映した積算値が所定値
以上で、且つ燃料タンク側の内圧に係る脈動を反映した
積算値が所定値未満であるとき、切換手段が正常である
と診断するようにしている。各積算値を算出する際、圧
力検出手段の検出値からノイズを除去するように処理
し、その処理値と同処理値の平均的ななまし値との差を
算出する。更に、燃料タンク側の内圧につき、燃料蒸気
処理装置が振動に対して不安定にならないときに積算値
を算出するようにしている。
【0163】従って、上記各積算値に関する条件が共に
成立するときには、圧力検出手段の検出先が切換手段に
より正しく切り換えられていることになる。その結果、
切換手段が正常であることを精度良く適正に診断するこ
とができ、その診断結果に基づきキャニスタ側及び燃料
タンク側の気密性に係る故障を共に適正に診断すること
ができるという効果を発揮する。
【0164】請求項2に記載の第2の発明によれば、第
1の発明の構成に加え、デューティ信号がパージ制御弁
の開度を所定の制限値から逸脱させるときに、キャニス
タ側の内圧に係る脈動を反映した積算値の算出を禁止す
るようにしている。
【0165】従って、パージ制御弁の開度が過少又は過
大となってデューティ制御に起因する脈動を伴う内圧が
得られないときに、切換手段が正常であるにもかかわら
ず、上記積算値が所定値未満となることはない。このた
め、第1の発明の作用及び効果に加え、切換手段が正常
であることを更に精度良く診断することができるという
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1及び第2の発明に係る基本概念構成図。
【図2】 燃料蒸気処理装置とその診断装置を示す概略
構成図。
【図3】 ECU等を示すブロック構成図。
【図4】 「第1の診断ルーチン」の一部を示すフロー
チャート。
【図5】 図4のルーチンの続きを示すフローチャー
ト。
【図6】 図5のルーチンの続きを示すフローチャー
ト。
【図7】 図6のルーチンの続きを示すフローチャー
ト。
【図8】 図7のルーチンの続きを示すフローチャー
ト。
【図9】 図8のルーチンの続きを示すフローチャー
ト。
【図10】 図9のルーチンの続きを示すフローチャー
ト。
【図11】 図10のルーチンの続きを示すフローチャ
ート。
【図12】 図4のルーチンの一部を詳説するフローチ
ャート。
【図13】 図12のルーチンの続きを示すフローチャ
ート。
【図14】 図5のルーチンの一部を詳説するフローチ
ャート。
【図15】 各種パラメータの挙動を示すタイミングチ
ャート。
【図16】 各種パラメータの挙動を示すタイミングチ
ャート。
【図17】 「第2の診断ルーチン」を示すフローチャ
ート。
【図18】 従来の燃料蒸気処理装置を示す概略構成
図。
【図19】 従来の燃料蒸気処理装置の故障診断装置を
示す概略構成図。
【符号の説明】
1…燃料タンク、8…エンジン、10…吸気通路、13
…ベーパライン、14…キャニスタ、20…ベーパ制御
弁、21…パージライン、22…パージ制御弁、41…
圧力検出手段としての圧力センサ、51…ECU(51
は第1及び第2の制御手段、第1〜第4の処理手段、推
定手段、第1及び第2の算出手段、第1及び第2の積算
手段、第1及び第2の診断手段、並びに禁止手段を構成
する。)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに供給される燃料を収容するた
    めの燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパラインを通
    じてキャニスタに捕集し、前記エンジンの運転時には、
    前記キャニスタに捕集された燃料を前記エンジンの吸気
    通路へパージラインを通じてパージするようにした燃料
    蒸気処理装置であり、 前記燃料タンク側の内圧と前記キャニスタ側の内圧との
    差に基づき開かれて前記燃料タンクから前記キャニスタ
    への燃料蒸気の流入を許容するベーパ制御弁と、前記パ
    ージラインを通過する燃料量を調整するためにデューテ
    ィ信号に基づき開度がデューティ制御されるパージ制御
    弁と、前記エンジンの運転時に前記パージ制御弁を制御
    する所要のデューティ信号を出力するための第1の制御
    手段とを更に備えた燃料蒸気処理装置のための診断装置
    において、 前記ベーパ制御弁を境とした前記燃料タンク側の内圧と
    前記キャニスタ側の内圧とを検出するための圧力検出手
    段と、 前記燃料タンク側の内圧と前記キャニスタ側の内圧とを
    選択的に検出するために前記圧力検出手段の検出先を切
    り換えるための切換手段と、 前記ベーパ制御弁を境とした前記燃料タンク側の気密性
    に係る故障と前記キャニスタ側の気密性に係る故障とを
    前記圧力検出手段により選択的に検出される前記燃料タ
    ンク側の内圧と前記キャニスタ側の内圧とに基づき個別
    に診断するための第1の診断手段と、 前記キャニスタから前記吸気通路への燃料パージの実行
    の有無に応じて前記切換手段を制御するための第2の制
    御手段と、 前記燃料蒸気処理装置が振動に対して安定した条件下に
    あるか否かを推定するための推定手段と、 前記燃料タンク側の内圧を検出するために前記第2の制
    御手段が前記切換手段を制御したときに、前記圧力検出
    手段により検出される値からノイズを除去するために、
    その検出値を処理するための第1の処理手段と、 前記第1の処理手段による処理値からその平均的ななま
    し値を得るために、前記処理値を処理するための第2の
    処理手段と、 前記燃料蒸気処理装置が安定した条件下にあると前記推
    定手段が推定したときに、前記第1の処理手段による処
    理値と前記第2の処理手段によるなまし値との差を算出
    するための第1の算出手段と、 前記第1の算出手段による算出値が所定値以上になると
    き、その算出値を積算するための第1の積算手段と、 前記キャニスタ側の内圧を検出するために前記第2の制
    御手段が前記切換手段を制御したときに、前記圧力検出
    手段により検出される値からノイズを除去するために、
    その検出値を処理するための第3の処理手段と、 前記第3の処理手段による処理値からその平均的ななま
    し値を得るために、前記処理値を処理するための第4の
    処理手段と、 前記第3の処理手段による処理値と前記第4の処理手段
    によるなまし値との差を算出するための第2の算出手段
    と、 前記第2の算出手段による算出値が所定値以上になると
    き、その算出値を積算するための第2の積算手段と、 前記第2の積算手段による積算値が所定値以上であり、
    且つ前記第1の積算手段による積算値が所定値未満であ
    るときに、前記切換手段が正常であると診断するための
    第2の診断手段とを備えたことを特徴とする燃料蒸気処
    理装置の診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料蒸気処理装置の診
    断装置において、 前記第1の制御手段から出力されるデューティ信号が前
    記パージ制御弁の開度を所定の制限値から逸脱させると
    きに、前記第2の算出手段による算出を禁止するための
    禁止手段を設けたことを特徴とする燃料蒸気処理装置の
    診断装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019070351A (ja) * 2017-10-10 2019-05-09 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気浄化装置の異常診断装置
JP2021120556A (ja) * 2020-01-30 2021-08-19 株式会社デンソー 蒸発燃料処理装置
CN113931728A (zh) * 2021-01-19 2022-01-14 吉利汽车研究院(宁波)有限公司 一种油蒸气的控制方法、装置、系统和存储介质
CN114263550A (zh) * 2021-09-29 2022-04-01 联合汽车电子有限公司 一种混动车脱附诊断方法、装置、介质、监测器及车辆

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