JP3147781B2 - 燃料蒸気処理装置の故障診断方法 - Google Patents

燃料蒸気処理装置の故障診断方法

Info

Publication number
JP3147781B2
JP3147781B2 JP20210496A JP20210496A JP3147781B2 JP 3147781 B2 JP3147781 B2 JP 3147781B2 JP 20210496 A JP20210496 A JP 20210496A JP 20210496 A JP20210496 A JP 20210496A JP 3147781 B2 JP3147781 B2 JP 3147781B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
canister
failure
fuel
pressure sensor
ecu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20210496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09100752A (ja
Inventor
得之 野村
博規 宮越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP20210496A priority Critical patent/JP3147781B2/ja
Publication of JPH09100752A publication Critical patent/JPH09100752A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3147781B2 publication Critical patent/JP3147781B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は燃料タンクで発生
する燃料蒸気(fuel vapor)を大気中に放出させることな
く捕集して処理する燃料蒸気処理装置に関する。詳しく
は、燃料蒸気を捕集するためのキャニスタと、そのキャ
ニスタで捕集された燃料をエンジンの吸気通路へ適宜に
パージさせるための手段とを備えた燃料蒸気処理装置に
関し、その装置の気密性に係る故障を診断するための故
障診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等に搭載される装置の一つと
して、燃料タンクの中で発生する燃料蒸気を大気中に放
出させることなく捕集して処理するようにした燃料蒸気
処理装置がある。図8に示すように、この種の処理装置
は燃料タンク71で発生する燃料蒸気をベーパライン7
2を通じて捕集するキャニスタ73を有する。キャニス
タ73は活性炭等よりなる吸着剤74を内蔵する。キャ
ニスタ73から延びるパージライン75はエンジン76
の吸気通路77に連通する。キャニスタ73は燃料タン
ク71からベーパライン72を通じて導入される燃料蒸
気を吸着剤74に一旦吸着させる。キャニスタ73は燃
料のみを捕集した上で燃料成分、特に炭化水素(HC)
を含まない気体だけを連通孔78から外部へ排出する。
エンジン76の運転時には、キャニスタ73は一旦捕集
された燃料をパージライン75を通じて吸気通路77へ
パージさせる。パージライン75に設けられたパージ制
御弁79は、パージライン75を通過する燃料量をエン
ジン76の必要性に応じて調整する。
【0003】ところで、この種の処理装置においては、
稀にではあるが、何らかの理由で燃料タンク71、ベー
パライン72或いはキャニスタ73等が破損したり、そ
れらの配管の接続が外れたりするおそれがある。このよ
うな故障が起きた場合には、処理装置内部の気密性が低
下する。このため、処理装置によって燃料蒸気を所期の
目的通りに適正に処理できなくなるおそれがある。
【0004】そこで、特開平6−108930号公報は
上記の故障を診断するための装置を開示する。図9に示
すように、この診断装置が対象とする処理装置は燃料タ
ンク81、キャニスタ82、ベーパライン83及びパー
ジライン84を有する。パージライン84の途中に設け
られたパージVSV(パージ制御弁)85はエンジンの
運転時に電子制御装置(ECU)86により制御されて
開かれる。ベーパライン83の途中に設けられたベーパ
制御弁87は燃料タンク81からキャニスタ82へ向か
う燃料蒸気の流れを調整する。このベーパ制御弁87は
燃料タンク81の側の内圧とキャニスタ82の側の内圧
との差に基づき開かれる。制御弁87が開かれることに
より、ベーパライン83を通じて燃料タンク81からキ
ャニスタ82へ向かう燃料蒸気の流れが許容される。診
断装置はベーパ制御弁87を境としてタンク側の内圧
と、キャニスタ側の内圧とを各々個別に検出することを
可能にした一つの圧力センサ88を有する。即ち、この
圧力センサ88に接続された三方切換弁89の他の二つ
のポートはベーパ制御弁87を境にして燃料タンク81
の側のベーパライン83と、キャニスタ82の側のベー
パライン83とに接続される。ECU86がこの三方切
換弁89を必要に応じて切り換えることにより、圧力セ
ンサ88が燃料タンク側の内圧とキャニスタ側の内圧と
をそれぞれ選択的に検出する。燃料タンク側の内圧、キ
ャニスタ側の内圧は燃料蒸気の発生やその流れの有無等
を含む燃料蒸気の挙動に応じて変動する。ECU86は
検出された燃料タンク側の内圧の値とキャニスタ側の内
圧の値に基づき、燃料タンク側及びキャニスタ側の気密
性に係る故障をそれぞれ個別に判定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の診断装置に
おいて、圧力センサ88として、例えば大気圧を基準と
した相対圧力を検出するように構成した相対圧センサを
使用することが考えられる。この場合、処理装置の故障
診断を実施するには、相対圧センサの持つ出力ダイナミ
ックレンジが狭すぎる。従って、単にこの相対圧センサ
を処理装置に使用しただけでは、処理装置内で変わり得
る圧力の変化幅に対応した適正な検出値が得られない場
合がある。この結果、ECU86が処理装置の故障を誤
って判定するおそれがある。
【0006】例えば、処理装置内の圧力が一時的に過大
になった場合、その圧力レベルに応じた値を相対圧セン
サが出力できない場合がある。このため、ECU86が
処理装置の故障を適正に診断できなくなるおれがある。
或いは、相対圧センサそれ自身が断線や短絡によって故
障することにより、相対圧センサの出力値が過大又は過
少になることが考えられる。この場合、ECU86はそ
の出力値が相対圧センサの故障に起因するものなのか、
処理装置内の圧力が過大になることによるものなのかを
判別することができなくなるおそれがある。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、燃料タンク側及びキャニス
タ側の内圧を一つの相対圧力検出手段により選択的に検
出して燃料タンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故
障を診断するようにした診断方法において、燃料タンク
側及びキャニスタ側の気密性に係る故障を適正に診断す
るために、相対圧力検出手段の故障を適正に診断するこ
とを可能にした燃料蒸気処理装置の故障診断方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明によれば、エンジンに供給さ
れる燃料を収容するための燃料タンクで発生する燃料蒸
気をベーパラインを通じてキャニスタに捕集し、エンジ
ンの運転時には、キャニスタに捕集された燃料をエンジ
ンの吸気通路へパージラインを通じてパージするように
構成し、燃料タンク側の内圧とキャニスタ側の内圧との
差に基づき開かれて燃料タンクからキャニスタへの燃料
蒸気の流入を許容するベーパ制御弁を備えた燃料蒸気処
理装置に適用され、ベーパ制御弁を境とした燃料タンク
側の内圧とキャニスタ側の内圧とを一つの相対圧力検出
手段の検出先を切り換えることにより選択的に検出し、
相対圧力検出手段の検出値に基づき、ベーパ制御弁を境
とした燃料タンク側の気密性に係る故障とキャニスタ側
の気密性に係る故障とを個別に診断するようにした燃料
蒸気処理装置の故障診断方法であって、エンジンが始動
してからの経過時間を計時し該計時される経過時間が予
め設定された第1の期間を超えるまでの間に該第1の期
間よりも短い第2の期間を超えることに基づいて相対圧
力検出手段の検出先を燃料タンク側とキャニスタ側との
間で交互に切り換え、その切り換えにより相対圧力検出
手段で検出される値に基づき相対圧力検出手段の故障を
診断することを趣旨とする。
【0009】上記の構成によれば、エンジンが始動して
から予め設定された第1の期間が経過するまでの間に
の第1の期間よりも短い第2の期間が経過することに基
づいて相対圧力検出手段の検出先が燃料タンク側とキャ
ニスタ側との間で交互に切り換えられる。ここで、燃料
蒸気処理装置及び相対圧力検出手段が共に正常である場
合、正常時における燃料タンク側及びキャニスタ側の内
圧を反映した検出値が相対圧力検出手段により交互に得
られる。一方、燃料タンク側又はキャニスタ側に気密性
に係る故障があり、相対圧力検出手段が正常である場
合、燃料タンク側又はキャニスタ側の一方の内圧につい
ては故障を反映した検出値が相対圧力検出手段により断
続的に得られる。更に、相対圧力検出手段が故障してい
る場合、相対圧力検出手段の検出先の切り換えにかかわ
らず、相対圧力検出手段の故障を反映した検出値が相対
圧力検出手段により連続的に得られる。従って、相対圧
力検出手段により、その検出先の切り換えの順序に合わ
せて得られる検出値の態様を判別することにより、相対
圧力検出手段の故障が診断される。
【0010】この診断結果を燃料タンク側及びキャニス
タ側の気密性に係る故障の診断に反映させることによ
り、それらの故障を適正に診断することが可能になる。
このような診断結果の反映として、例えば、相対圧力検
出手段が故障したときにその旨をエンジンの運転者に報
知することが考えられる。或いは、相対圧力検出手段が
故障したときに、燃料タンク側及びキャニスタ側の気密
性に係る故障の診断を禁止することが考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る「燃料蒸気
処理装置の故障診断方法」を自動車のガソリンエンジン
システムに具体化した一つの実施形態を図面を参照して
詳細に説明する。
【0012】図1は本実施形態における燃料蒸気処理装
置とその診断装置の概略構成図を示す。自動車40に搭
載されたガソリンエンジンシステムは燃料を収容するた
めの燃料タンク1を備える。燃料タンク1はその内部に
燃料を注入するための、即ち給油を行うためのインレッ
トパイプ2を有する。このパイプ2は先端に給油口2a
を含む。燃料タンク1に給油を行う際、給油口2aには
給油ノズル(図示しない)が挿入される。給油口2aを
塞ぐキャップ3は取り外し可能である。
【0013】燃料タンク1に内蔵されたポンプ4はタン
ク1に貯留された燃料を吸引し、吐出する。ポンプ4か
ら延びるメインライン5はデリバリパイプ6に接続され
る。このパイプ6に設けられた複数のインジェクタ7は
エンジン8に設けられた複数の気筒(図示しない)に対
応して配置される。デリバリパイプ6から延びるリター
ンライン9は燃料タンク1に接続される。ポンプ4が作
動することにより、ポンプ4から吐出された燃料はメイ
ンライン5を通ってデリバリパイプ6に達し、各インジ
ェクタ7へ分配される。各インジェクタ7が作動するこ
とにより、燃料がインジェクタ7から吸気通路10へ噴
射される。吸気通路10はエアクリーナ11及びサージ
タンク10aを含む。エアクリーナ11を通って浄化さ
れた空気は吸気通路10に導入される。各インジェクタ
7から吸気通路10へ噴射された燃料は、吸気通路10
に導入された空気と共に混合気を形成し、その混合気が
エンジン8の各気筒に供給されて燃焼に供される。デリ
バリパイプ6において各インジェクタ7へ分配されるこ
となく余った燃料はリターンライン9を通って燃料タン
ク1に戻る。燃焼後の排気ガスはエンジン8の各気筒か
ら排気通路12を通って外部へ排出される。
【0014】この実施形態における燃料蒸気処理装置は
燃料タンク1で発生する燃料蒸気を大気中に放出させる
ことなく捕集して処理する。この処理装置は燃料タンク
1で発生する燃料蒸気をベーパライン13を通じて捕集
するキャニスタ14を有する。キャニスタ14は活性炭
等よりなる吸着剤15を内蔵する。キャニスタ14の中
は吸着剤15により占められる空間と、その吸着剤15
の上下に位置する空間14a,14bとを含む。
【0015】キャニスタ14に設けられた第1の大気制
御弁16は逆止弁よりなる。この制御弁16はキャニス
タ14の内圧が大気圧よりも小さいときに開いてキャニ
スタ14に対する外気(大気圧)の導入を許容し、その
逆方向の気体の流れを阻止する。この制御弁16から延
びるエアパイプ17はエアクリーナ11の近傍に接続さ
れる。従って、キャニスタ14にはエアクリーナ11に
より浄化された外気が導入される。キャニスタ14に設
けられた第2の大気制御弁18は逆止弁よりなる。この
制御弁18はキャニスタ14の内圧が大気圧よりも大き
くなったときに開いてキャニスタ14からアウトレット
パイプ19に対する気体(内圧)の導出を許容し、その
逆方向の気体の流れを阻止する。
【0016】キャニスタ14に設けられたベーパ制御弁
20は燃料タンク1からベーパライン13を通じてキャ
ニスタ14へ流れる燃料蒸気を調整する。ベーパ制御弁
20はベーパライン13を含む燃料タンク1の側の内圧
(以下「タンク側内圧」という)PTと、キャニスタ1
4の側の内圧(以下「キャニスタ側内圧」という)PC
との差に基づいて開かれる。ベーパ制御弁20が開かれ
ることにより、燃料タンク1からキャニスタ14に対す
る燃料蒸気の流入が許容される。即ち、ベーパ制御弁2
0はキャニスタ側内圧PCが大気圧とほぼ同じになり、
その内圧PCがタンク側内圧PTよりも小さいときに開
き、燃料タンク1からキャニスタ14に対する燃料蒸気
の流入を許容する。ベーパ制御弁20はキャニスタ側内
圧PCがタンク側内圧PTよりも大きいときに、キャニ
スタ14から燃料タンク1に対する気体の流れを許容す
る機能を有する。
【0017】キャニスタ14から延びるパージライン2
1はサージタンク10aに連通する。キャニスタ14は
ベーパライン13を通じて導入された燃料蒸気の中の燃
料成分だけを捕集し、燃料成分を含まない気体だけを大
気制御弁18が開いたときにアウトレットパイプ19を
通じて外部へ排出する。エンジン8の運転時には、吸気
通路10で発生する吸気負圧がパージライン21に作用
する。この吸気負圧により、キャニスタ14に捕集され
た燃料がパージライン21を通じて吸気通路10へパー
ジされる。パージライン21に設けられたパージ制御弁
22はパージライン21を通過する燃料の量をエンジン
8の必要性に応じて調整する。パージ制御弁22はケー
シングと弁体(共に図示しない)を含む。パージ制御弁
22は電気信号の供給を受けて弁体が移動する電磁弁で
あり、デューティ信号の供給を受けてその開度がデュー
ティ制御される。
【0018】この処理装置の気密性に係る故障を診断す
るための診断装置は本発明の相対圧力検出手段を構成す
る圧力センサ41を含む。この圧力センサ41は大気圧
を基準とする所定範囲の相対圧力を検出し、その検出値
をアナログ信号として所定のダイナミックレンジをもっ
て出力する。図3はこの圧力センサ41の「圧力−電圧
特性」に関するグラフを示す。このグラフからも分かる
ように、圧力センサ41は「−30〜15mmHg」の
範囲で相対圧力を検出する。圧力センサ41はこの相対
圧力の範囲に対応して「0.11〜4.8V」の範囲で
圧力に比例した電圧を出力する。圧力センサ41は「−
30mmHg」未満の相対圧力に対して「0.11V」
の一定電圧を出力する。圧力センサ41は「15mmH
g」以上の相対圧力に対してほぼ「4.8V」の一定電
圧を出力する。
【0019】この圧力センサ41はベーパ制御弁20を
境としてタンク側内圧PTとキャニスタ側内圧PCとを
各々個別に検出可能に構成される。即ち、圧力センサ4
1に付随して設けられた三方切換弁23は三つのポート
を有する。この三方切換弁23は電気信号の供給を受け
て各ポート間の連通が切り換えられる電磁弁である。三
方切換弁23の一つのポートは圧力センサ41に接続さ
れ、他の二つのポートはベーパ制御弁20を境にして燃
料タンク1の側のベーパライン13と、キャニスタ14
とに連通可能である。この三方切換弁23が必要に応じ
て切り換えられることにより、圧力センサ41がベーパ
ライン13又はキャニスタ14に選択的に連通する。こ
の切換えに応じて、圧力センサ41がタンク側内圧PT
とキャニスタ側内圧PCとをそれぞれ選択的に検出可能
になる。この実施形態では、圧力センサ41によるタン
ク側内圧PTの検出がキャニスタ側内圧PTの検出に対
して優先される。そのために、三方切換弁23が電気信
号により切り換えられないときに、圧力センサ41がベ
ーパライン13に連通するように三方切換弁23の切り
換えが設定される。
【0020】各種センサ42,43,44,45,4
6,47はエンジン8と自動車40の運転状態を検出す
る。エアクリーナ11の近傍に設けられた吸気温センサ
42は吸気通路10に吸入される空気の温度(吸気温
度)THAを検出し、その大きさに応じた信号を出力す
る。エアクリーナ11の近傍に設けられた吸気量センサ
43は吸気通路10に吸入される空気量(吸気量)Qを
検出し、その大きさに応じた信号を出力する。エンジン
8に設けられた水温センサ44はエンジンブロック8a
の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検
出し、その大きさに応じた信号を出力する。エンジン8
に設けられた回転速度センサ45はエンジン8のクラン
クシャフト8bの回転速度(エンジン回転速度)NEを
検出し、その大きさに応じた信号を出力する。排気通路
12に設けられた酸素センサ46は排気通路12を通過
する排気ガス中の酸素濃度Oxを検出し、その大きさに
応じた信号を出力する。自動車40に設けられた車速セ
ンサ47は自動車の速度、即ち車速SPDを検出し、そ
の大きさに応じた信号を出力する。
【0021】電子制御装置(ECU)51は各種センサ
41〜47等から出力される信号を入力する。ECU5
1は燃料パージの制御を実行するために本処理装置を司
る。ECU51はエンジン8の運転状態に応じた量の燃
料をパージするために、即ちパージ制御弁22を必要な
デューティ比DPGをもって制御するために、パージ制
御弁22に必要なデューティ信号を出力する。
【0022】ここで、キャニスタ14から吸気通路10
へパージされる燃料はエンジン8の空燃比に影響を与え
ることになる。そこで、ECU51はエンジン8の運転
状態に応じてパージ制御弁22の開度を決定する。一般
に、エンジンに供給される混合気の空燃比が濃くなった
場合、エンジンの排気ガス中に含まれるCO濃度等が増
加する。そこで、ECU51は酸素センサ46により検
出される排気ガス中の酸素濃度Oxの値に基づき、現在
パージされている燃料の濃度、即ちパージ濃度FGPG
(エンジン8のアイドル運転時のパージ濃度FGPG
I)を算出する。ECU51は、その算出されたパージ
濃度FGPGの値に基づきパージ制御弁22の開度に相
当するデューティ比DPGを決定する。ECU51はそ
のデューティ比DPGの大きさに応じたデューティ信号
をパージ制御弁22へ出力する。このような処理を実行
するECU51はパージ制御手段に相当する。
【0023】ECU51は上記診断装置を司る。ECU
51は各種センサ41〜47の検出値に基づき三方切換
弁23を必要に応じて切り換える。ECU51は、三方
切換弁23の切り換えに応じて圧力センサ41により検
出されるタンク側内圧PTの値とキャニスタ側内圧PC
の値とを選択的に入力する。ECU51は入力されたタ
ンク側内圧PT及びキャニスタ側内圧PCの各値に基づ
き、タンク側の気密性に係る故障とキャニスタ側の気密
性に係る故障とをそれぞれ別個に診断する。
【0024】即ち、ECU51は圧力センサ41がタン
ク側内圧PTを検出しているとき、その検出値がそのと
きのエンジン8の運転状態に応じた所定値と等しいか否
かを判断する。この検出値が所定値と等しいときに、E
CU51はタンク側の気密性が正常であると判定する。
この検出値が所定値と等しくないとき、ECU51はタ
ンク側の気密性が故障していると判定する。同様に、E
CU51は圧力センサ41がキャニスタ側内圧PCを検
出しているとき、その検出値がそのときのエンジン8の
運転状態に応じた所定値と等しいか否かを判断する。こ
の検出値が所定値と等しいとき、ECU51はキャニス
タ側の気密性が正常であると判定する。この検出値が所
定値と等しくないときに、ECU51はキャニスタ側の
気密性が故障していると判定する。このように故障診断
を実行するECU51は、ベーパ制御弁20を境とした
タンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障を圧力セ
ンサ41の検出値に基づいて診断するための故障診断手
段に相当する。
【0025】加えて、ECU51は各種センサ41〜4
7の検出値に基づき診断装置を構成するパージ制御弁2
2、三方切換弁23及び圧力センサ41の故障を診断す
る。自動車40の運転席に設けられた警告ランプ24は
ECU51による診断結果を運転者に報知するために作
動する。ECU51は本処理装置又は診断装置に故障が
発生したと診断した場合に警告ランプ24を点灯させ、
それ以外の場合に警告ランプ24を消灯させる。ECU
51は自動車40に搭載されたバッテリ25から電力の
供給を受けると共に、そのバッテリ25の電圧状態を判
定する。
【0026】図2のブロック図に示すように、ECU5
1は中央処理装置(CPU)52、読み出し専用メモリ
(ROM)53、ランダムアクセスメモリ(RAM)5
4、バックアップRAM55及びタイマカウンタ56等
を備える。ECU51はこれら各部52〜56と、外部
入力回路57と、外部出力回路58等とをバス59によ
り接続してなる論理演算回路を構成する。ここで、RO
M53は燃料パージ制御及び処理装置の診断等に関する
所定の制御プログラム等を予め記憶する。RAM54は
CPU52の演算結果等を一時記憶する。バックアップ
RAM55は予め記憶したデータを保存する。この実施
形態において、バックアップRAM55は処理装置及び
診断装置に関する診断結果を診断データとして保存する
ための診断データ記憶手段を構成する。タイマカウンタ
56は同時に複数の計時動作を行うことができる。外部
入力回路57はバッファ、波形成形回路、ハードフィル
タ(電気抵抗及びコンデンサよりなる回路)及びA/D
変換器等を含む。外部出力回路58は駆動回路等を含
む。圧力センサ41は外部入力回路57に含まれるハー
ドフィルタに接続される。外部入力回路57において、
ハードフィルタはA/D変換器に接続される。その他各
種センサ42〜47及びバッテリ25は外部入力回路5
7に接続される。各部材22〜24等は外部出力回路5
8に接続される。
【0027】CPU52は外部入力回路57を介して入
力される各種センサ41〜47の検出信号及びバッテリ
の電圧値VAE等を入力値として読み込む。CPU
52はそれら入力値に基づき、燃料パージと各種診断を
実行するために各部材22〜24を制御する。
【0028】次に、ECU51が実行する制御内容につ
いて説明する。図4は前述した診断を実行するための
「第1の診断ルーチン」を示すフローチャートである。
ECU51はこのルーチンを所定時間毎に周期的に実行
する。ECU51のROM53はこのルーチン等に関す
る制御プログラムを予め記憶する。尚、本ルーチンにお
いて個々のステップ、相互に関連する複数のステップを
実行するECU51は本発明を構成する各種手段に相当
する。
【0029】ステップ100,110において、ECU
51は圧力センサ41の検出値を入力値として処理す
る。ECU51は圧力センサ41から出力されるアナロ
グ信号を65ms毎にデジタル信号に変換する。
【0030】即ち、ECU51が三方切換弁23を切り
換えないときには、圧力センサ41はベーパライン13
に連通してタンク側に接続される。従って、ステップ1
00において、ECU51は圧力センサ41により検出
されるタンク側内圧PTの値を入力してハードフィルタ
で処理し、その処理値PTADをRAM54に記憶す
る。タンク側内圧PTをハードフィルタで処理すること
により、圧力センサ41の検出値におけるノイズが除去
される。
【0031】一方、ECU51が三方切換弁23を切り
換えたときには、圧力センサ41はキャニスタ側に接続
される。従って、ステップ100において、ECU51
は圧力センサ41により検出されるキャニスタ側内圧P
Cの値を入力してハードフィルタで処理し、その処理値
PTAD(「PTAD」はタンク側内圧PT及びキャニ
スタ側内圧PCに共通する。)をRAM54に記憶す
る。キャニスタ側内圧PCをハードフィルタで処理する
ことにより、圧力センサ41の検出値におけるノイズが
除去される。
【0032】ステップ110において、ECU51はそ
の処理値PTADをなまし処理することにより、即ちそ
の処理値PTADをソフトフィルタにより処理すること
により、平均的ななまし値PTSMを得る。以下の式
(1)はなまし値PTSMを算出するための計算方法を
示す。
【0033】 PTSM=PTSMO+(PTAD−PTSMO)/KTIME …(1) ここで、KTIMEは「なまし率」を意味し、「4〜1
6」の値が当てはめられる。PTSMOは前回算出され
たなまし値を意味する。ECU51は65ms毎に上記
式(1)に従ってなまし値PTSMを算出する。ECU
51はエンジン8の始動時に最初に圧力センサ41によ
り検出され、得られた処理値PTADを初期のなまし値
PTSMとして使用する。その後、ECU51は65m
s毎になまし値PTSMの算出を繰り返す。
【0034】ECU51は算出されたなまし値PTSM
をRAM54に記憶する。この場合、ECU51はタン
ク側内圧PTに係るなまし値PTSM、キャニスタ側内
圧PCに係るなまし値PTSMのそれぞれをRAM54
に記憶する。ここで、処理値PTADをソフトフィルタ
で処理することにより、圧力センサ41の検出値におけ
る経時的な脈動が除去される。
【0035】ステップ120において、ECU51は三
方切換弁23を制御することにより圧力センサ41の接
続先(接続先)をタンク側又はキャニスタ側に処理す
る。即ち、ECU51は別途のルーチンに従い、エンジ
ン8が始動を開始してからの始動後時間CASTをタイ
マカウンタ56により計時する。その始動後時間CAS
Tが「0〜0.13秒」となる間は、ECU51は圧力
センサ41をキャニスタ側に接続するために三方切換弁
23を切り換える。続いて、始動後時間CASTが
「0.13〜3.5秒」となる間は、ECU51は圧力
センサ41をタンク側に接続するために三方切換弁23
を切り換える。更に、始動後時間CASTが「3.5〜
8.5秒」となる間は、ECU51は圧力センサ41を
キャニスタ側に接続するために三方切換弁23を切り換
える。始動後時間CASTが「8.5秒」を過ぎると、
ECU51は圧力センサ41をタンク側に接続するため
に三方切換弁23を切り換える。ここで、ECU51は
三方切換弁23の切り換えと同時に、圧力センサ41の
接続先を示す切換フラグXTPCを設定する。即ち、E
CU51は圧力センサ41の接続先をタンク側に切り換
えたときに、切換フラグXTPCを「1」に設定する。
ECU51は圧力センサ41の接続先をキャニスタ側に
切り換えたときに、切換フラグXTPCを「0」に設定
する。
【0036】ステップ130において、ECU51はエ
ンジン8の始動完了前であるか否かを判断する。ECU
51はこの判断を回転速度センサ45により検出される
エンジン回転速度NEが所定値(例えば「450rp
m」)未満であるか否かにより行う。ここで、エンジン
8の始動完了前である場合、ECU51はその後の処理
を一旦終了する。エンジン8の始動完了後である場合、
ECU51は処理をステップ190へ移す。
【0037】エンジン8の始動が完了した後、ステップ
190において、ECU51は始動後時間CASTが
「10秒」未満であるか否かを判断する。ここで、基準
となる「10秒」は一例に過ぎない。始動後時間CAS
Tが「10秒」未満である場合、エンジン8の始動が完
了してから十分な時間が経過していないことから、EC
U51は処理をステップ200へ移す。始動後時間CA
STが「10秒」以上である場合、エンジン8の始動が
完了してから十分な時間が経過したことから、ECU5
1は処理をステップ260へ移す。
【0038】ステップ200において、ECU51は前
述したなまし値PTSMが「−26mmHg」以上「1
1mmHg」未満の範囲、即ち圧力センサ41の出力電
圧で「0.5V」以上「4.0V」未満の範囲にあるか
否かを判断する。この「−26〜11mmHg」という
値は一例に過ぎない。この範囲の値は、エンジン8の始
動完了後「10秒」が経過する前に圧力センサ41が正
常に作動していることを表すことのできる値である。こ
こで、なまし値PTSMが上記範囲の値を逸脱している
場合、圧力センサ41が正常に作動していない可能性が
ある。そこで、ステップ210において、ECU51は
判定後時間CPTCの値を所定値だけ加算する。なまし
値PTSMが上記範囲の値を逸脱していない場合、EC
U51は圧力センサ41が正常であると判定し、処理を
ステップ200からステップ140へ移す。
【0039】一方、ステップ190から移ってステップ
260において、ECU51は前述したなまし値PTS
Mが「−30mmHg」以上「15mmHg」未満の範
囲、即ち圧力センサ41の出力電圧で「0.11V」以
上「4.8V」未満の範囲にあるか否かを判断する。こ
の「−30〜15mmHg」という値は一例に過ぎな
い。この範囲の値は、エンジン8の始動完了後「10
秒」が経過した後に圧力センサ41が正常に作動してい
ることを示すことのできる値である。ここで、なまし値
PTSMが上記範囲の値を逸脱している場合、圧力セン
サ41が正常に作動していない可能性がある。そこで、
ECU51は処理を前述したステップ210へ移す。な
まし値PTSMが上記範囲の値を逸脱していない場合、
ECU51は圧力センサ41が正常であると判定し、処
理をステップ260からステップ140へ処理を移す。
【0040】ステップ210から移ってステップ220
において、ECU51は判定後時間CPTCの値が「7
秒」以上であるか否かを判断する。この「7秒」という
値は一例に過ぎない。この「7秒」という値は圧力セン
サ41の故障を仮判定するために最適な基準値に相当す
る。ここで、判定後時間CPTCが「7秒」未満の場
合、ECU51は前述したステップ130へ処理を移
す。判定後時間CPTCが「7秒」以上の場合、圧力セ
ンサ41が故障した可能性が大きいことになる。そこ
で、ECU51は圧力センサ41が故障していることを
仮判定し、処理をステップ230へ移す。
【0041】ステップ230において、ECU51は仮
故障フラグXSPが「1」であるか否かを判断する。こ
の仮故障フラグXSPが「0」である場合、ステップ2
40において、ECU51は仮故障フラグXSPを
「1」に設定し、その後の処理を一旦終了する。仮故障
フラグXSPが「1」である場合、このフラグXSPが
「1」となる条件が2回(2周期)連続して圧力センサ
41の故障が確定的であることから、ECU51は圧力
センサ41が故障しているものと判定する。従って、E
CU51は、ステップ250において、故障フラグXS
MFを「1」に設定し、警告ランプ24を点灯させ、故
障フラグXSMFの値を診断データとしてバックアップ
RAM55に記憶する。そして、ECU51はその後の
処理を一旦終了する。
【0042】ステップ200又はステップ260から移
ってステップ140において、ECU51は判定後時間
CPTCの値を「0」にクリアする。ステップ150に
おいて、ECU51は圧力センサ41の故障を示す故障
フラグXSMFが「1」であるか否かを判断する。ここ
で、このフラグXSMFが「0」である場合、ECU5
1は圧力センサ41に故障がないもの判定する。そし
て、ステップ160において、ECU51は仮故障フラ
グXSPを「0」に設定し、その後の処理を一旦終了す
る。従って、エンジン8の始動が完了する前に圧力セン
サ41に故障がない場合、判定後時間CPTCは「0」
にクリアされ、仮故障フラグXSPは「0」に設定され
る。
【0043】一方、ステップ150において、故障フラ
グXSMFが「1」である場合、ステップ170におい
て、ECU51はステップ200又はステップ260に
おいて行われた圧力センサ41に係る正常判定が3回
(3周期)連続したか否かを判断する。正常判定が3回
連続した場合、ECU51は圧力センサ41が一時的な
故障から正常に復帰したものと判定する。そこで、ステ
ップ180において、ECU51は故障フラグXSMF
を「0」に設定し、警告ランプ24を消灯させ、故障フ
ラグXSMFの値を診断データとしてバックアップRA
M55に記憶し、その後の処理を一旦終了する。上記正
常判定が3回連続しない場合、ECU51は圧力センサ
41の故障が続いているものと判定し、その後の処理を
一旦終了する。以上が「第1の診断ルーチン」の処理内
容である。
【0044】尚、上記のルーチンは、タンク側及びキャ
ニスタ側の内圧の両方が異常値を示すような二重の故障
が有り得ないことを前提に論理構成されている。ここ
で、上記ルーチンにおける各種パラメータの挙動を図
5,6のタイムチャートに従って説明する。図5は圧力
センサ41が正常で処理装置のキャニスタ側が異常な場
合の各種パラメータの挙動を示す。
【0045】エンジン8の始動が開始される(CAST
=0)とき、その時点のキャニスタ側のなまし値PTS
Mが異常な「−200mmHg」を示すことから、判定
後時間CPTCの加算が開始される。
【0046】始動開始後に「0.13秒」が経過する
(CAST=0.13)と、圧力センサ41の接続先が
キャニスタ側からタンク側へ切り換えられ、切換フラグ
XTPCが「1」に変わる。このとき、タンク側のなま
し値PTSMが正常な「0mmHg」を示すことから、
判定後時間CPTCが「0」にクリアされる。
【0047】その後、始動開始後に「3.5秒」が経過
する(CAST=3.5)と、圧力センサ41の接続先
がタンク側からキャニスタ側へ切り換えられ、切換フラ
グXTPCが「0」に変わる。このとき、キャニスタ側
のなまし値PTSMが依然と異常な「−200mmH
g」を示すことから、判定後時間CPTCの加算が再び
開始される。
【0048】そして、始動開始後に「8.5秒」が経過
する(CAST=8.5)と、圧力センサ41の接続先
がキャニスタ側からタンク側へ再び切り換えられ、切換
フラグXTPCが「1」に変わる。このとき、判定後時
間CPTCは「0」にクリアされる。この時点で、判定
後時間CPTCが「7秒」に達していないことから、圧
力センサ41の故障が判定されることはなく、故障フラ
グXSMFが「1」に変わることはない。
【0049】ここで、ECU51が異常値を示すなまし
値PTSMを所定の基準値と比較することにより、キャ
ニスタ側の気密性に係る故障を診断することができる。
図6は圧力センサ41が断線又は短絡等によって故障し
ている場合の各種パラメータの挙動を示す。
【0050】エンジン8の始動が開始される(CAST
=0)と、その時点のキャニスタ側のなまし値PTSM
が非正常な「−30mmHg」を示すことから、判定後
時間CPTCの加算が開始される。
【0051】始動開始後に「0.13秒」が経過する
(CAST=0.13)と、圧力センサ41の接続先が
キャニスタ側からタンク側へ切り換えられ、切換フラグ
XTPCが「1」に変わる。このとき、タンク側のなま
し値PTSMが依然と非正常な「−30mmHg」を示
すことから、判定後時間CPTCはクリアされることな
く加算が続けられる。
【0052】始動開始後に「3.5秒」が経過する(C
AST=3.5)と、圧力センサ41の接続先がタンク
側からキャニスタ側へ切り換えられ、切換フラグXTP
Cが「0」に変わる。この時点でも、キャニスタ側のな
まし値PTSMが依然として非正常な「−30mmH
g」を示すことから、判定後時間CPTCはクリアされ
ることなく加算が続けられる。
【0053】始動開始後に「8.5秒」が経過するより
も前に、判定後時間CPTCが「7秒」に達すると、圧
力センサ41が故障していることが判定され、故障フラ
グXSMFが「1」に変わる。
【0054】そして、始動開始後に「8.5秒」が経過
し(CAST=8.5)、圧力センサ41の接続先がキ
ャニスタ側からタンク側へ再び切り換えられる。更に、
始動開始後に「10秒」が経過したとき(CAST=1
0)、その時点でのなまし値PTSMは圧力センサ41
が正常に作動しているときの値に相当する。従って、こ
の時点で判定後時間CPTCが「0」にクリアされる。
【0055】ここで、ECU51が「−30mmHg」
のなまし値PTSMを所定の基準値と比較しても、その
値は許容範囲内のものである。このため、タンク側及び
キャニスタ側の気密性に係る故障が発生したと誤って診
断されることはない。このようにして、圧力センサ41
の故障だけを適正に診断することができる。
【0056】上記のようにこの実施形態によれば、エン
ジン8の始動が開始されてから「10秒」が経過するま
での間で、圧力センサ41の検出先がキャニスタ側
(0.13秒間)、タンク側(3.37秒間)、キャニ
スタ側(5.0秒間)及びタンク側(1.5秒間)とい
う順序と間隔をもって切り換えられる。ここで、圧力セ
ンサ41、タンク側及びキャニスタ側の気密性のそれぞ
れが正常である場合、正常時のタンク側及びキャニスタ
側の内圧を反映した値が圧力センサ41により交互に得
られることになる。タンク側又はキャニスタ側に気密性
に係る故障があり、圧力センサ41が正常である場合、
タンク側又はキャニスタ側の一方の内圧について故障を
反映した値が断続的に得られることになる。一方、圧力
センサ41が故障している場合、圧力センサ41がタン
ク側又はキャニスタ側の何れに切り換えられたとして
も、圧力センサ41の故障を反映した値が連続的に得ら
れることになる。従って、このように圧力センサ41の
検出先の切り換えの順序及び間隔に応じて得られる圧力
センサ41の出力値の態様を判別することにより、タン
ク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障、圧力センサ
41の故障が各々判定される。このため、診断装置を構
成する圧力センサ41の故障を処理装置の故障と区別し
て適正に診断することができる。
【0057】この実施形態によれば、圧力センサ41の
故障を処理装置の故障と区別して診断できることから、
圧力センサ41の故障対策として、クランプ回路を設け
る必要がない。即ち、故障時に圧力センサ41の出力値
を固定するための回路を設ける必要がない。このため、
圧力センサ41に係る回路構成の簡略化を図ることがで
きる。
【0058】この実施形態では、圧力センサ41が故障
したと判定されたとき、運転席に設けられた警告ランプ
24が点灯される。このため、運転者等が圧力センサ4
1の故障を知ることができ、その故障に早めに対処する
ことができる。
【0059】この実施形態では、圧力センサ41の故障
が判定されたときに、故障フラグXSMFの値が診断デ
ータとしてバックアップRAM55に記憶される。この
ため、自動車40の点検時等に作業者が必要に応じてバ
ックアップRAM55の診断データを読み出すことによ
り、圧力センサ41の故障に関する履歴を確認すること
ができる。ここで、上記した圧力センサ41の故障に係
る故障フラグXSMFにつき、本処理装置の故障診断に
対する反映を簡単に説明する。図7は本処理装置の気密
性に係る故障診断を実行するための「第2の診断ルーチ
ン」を示すフローチャートである。ECU51はこのル
ーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
【0060】ステップ300において、ECU51は故
障フラグXSMFの値を読み込む。ステップ310にお
いて、ECU51は故障フラグXSMFが「1」である
か否かを判断する。ここで、故障フラグXSMFが
「0」である場合、圧力センサ41が正常であることか
ら、ECU51は処理をステップ320へ移す。
【0061】そして、ステップ320において、ECU
51はタンク側内圧PT及びキャニスタ側内圧PCの値
に基づき、タンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故
障診断を実行し、その後の処理を一旦終了する。このス
テップ320の処理内容の詳しい説明は省略する。この
実施形態では、ステップ320の処理を実行するECU
51は、タンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障
を診断するための診断手段を含む故障診断手段に相当す
る。
【0062】一方、ステップ310において、故障フラ
グXSMFが「1」である場合、圧力センサ41が故障
していることから、ECU51はタンク側及びキャニス
タ側の気密性に係る故障診断を禁止する。
【0063】この実施形態では、「第2の診断ルーチ
ン」の処理を実行するECU51が、圧力センサ41の
故障が診断されたときに、タンク側及びキャニスタ側の
気密性に係る故障診断を禁止するための診断禁止手段に
相当する。
【0064】この実施形態では、圧力センサ41が故障
したとき、本処理装置の気密性に係る故障診断が行われ
ない。そして、圧力センサ41が正常であるときだけ、
本処理装置の気密性に係る故障診断が行われる。このた
め、タンク側及びキャニスタ側の気密性に係る故障につ
いて誤った診断が行われることを回避することができ、
本診断装置の信頼性を高めることができる。換言すれ
ば、タンク側及びキャニスタ側の内圧PT,PCを相対
圧力を検出する一つの圧力センサ41により選択的に検
出して処理装置の気密性に係る故障を診断するようにし
た診断方法を採用した診断装置において、タンク側及び
キャニスタ側の気密性に係る故障を共に適正に診断する
ことができる。そして、それを実現するために圧力セン
サ41の故障を、処理装置の故障と区別して適正に診断
することができるのである。
【0065】尚、この発明は次のような別の実施形態に
具体化することもできる。以下の実施形態においても、
前記実施形態と同等の作用及び効果を得ることができ
る。 (1)前記実施形態では、エンジン8の始動が開始され
てから「10秒」が経過するまでの間で、圧力センサ4
1の検出先をキャニスタ側、タンク側、キャニスタ側及
びタンク側の順序で切り換えるように構成した。これに
対し、エンジン8の始動が開始されてから「10秒」が
経過するまでの間で、圧力センサ41の検出先をタンク
側、キャニスタ側、タンク側及びキャニスタ側の順序で
切り換えるように構成することもできる。
【0066】(2)前記実施形態では、パージライン2
1にパージ制御弁22を設けた燃料蒸気処理装置に適用
される故障診断装置において、圧力センサ41の故障を
診断するように構成した。これに対し、パージライン2
1からパージ制御弁22を省略した燃料蒸気処理装置に
適用される故障診断装置において、圧力センサ41の故
障を診断するように構成することもできる。
【0067】(3)前記実施形態では、キャニスタ14
が二つの大気制御弁16,18を含む場合に具体化した
が、これらの制御弁16,18を省略してキャニスタ1
4に大気へ連通する孔だけを設けてもよい。
【0068】(4)前記実施形態では、図4に示すフロ
ーチャートのステップ230において、仮故障フラグX
SPが2周期連続して「1」である場合に、ステップ2
50において、ECU51は故障フラグXSMFを
「1」に設定し、警告ランプ24を点灯し、故障フラグ
XSMFの値をバックアップRAM55に記憶するよう
にした。これに対し、同ステップ230において、仮故
障フラグXSPが2トリップ連続して「1」である場合
に、ステップ250において、ECU51は故障フラグ
XSMFを「1」に設定し、警告ランプ24を点灯し、
故障フラグXSMFの値をバックアップRAM55に記
憶するようにししてもよい。ここで、「トリップ」と
は、エンジンを始動させてから停止するまでの単位期間
を意味する単位である。
【0069】(5)前記実施形態では、図4に示すフロ
ーチャートのステップ170において、圧力センサ41
の正常判定が3周期連続した場合に、ステップ180に
おいて、ECU51は故障フラグXSMFを「0」にリ
セットし、警告ランプ24を消灯し、故障フラグXSM
Fの値をバックアップRAM55に記憶するようにし
た。これに対し、同ステップ170において、圧力セン
サ41の正常判定が3トリップ連続した場合に、ステッ
プ180において、ECU51は故障フラグXSMFを
「0」にリセットし、警告ランプ24を消灯し、故障フ
ラグXSMFの値をバックアップRAM55に記憶する
ようにしてもよい。
【0070】更に、特許請求の範囲に記載した以外に、
上記各実施形態から把握できる技術的思想を、以下にそ
の効果と共に記載する。 (イ)請求項1に記載の第1の発明とは異なり、前記エ
ンジンが始動してから第1の期間が経過する間に前記相
対圧力検出手段の検出先を前記燃料タンク側と前記キャ
ニスタ側との間で第2の期間をもって交互に切り換え、
その切り換えにより前記相対圧力検出手段で検出される
値が第3の期間だけ連続して所定の許容値を逸脱したと
きに、前記相対圧力検出手段が故障したと診断するよう
にした燃料蒸気処理装置の故障診断方法。
【0071】この構成によれば、燃料タンク側及びキャ
ニスタ側の気密性に係る故障を適正に診断するために、
相対圧力検出手段の故障を燃料蒸気処理装置の故障と区
別して適正に診断することができる。
【0072】(ロ)請求項1に記載の発明を適用した故
障診断装置であって、前記相対圧力検出手段が故障した
と診断されたときにその旨を報知するための報知手段を
設けた。
【0073】この構成によれば、運転者等が相対圧力検
出手段の故障を知ることが可能となり、その故障に対処
することが可能となる。 (ハ)請求項1に記載の発明を適用した故障診断装置で
あって、前記相対圧力検出手段が故障したと診断された
ときに、前記燃料蒸気処理装置に係る故障の診断を禁止
するための診断禁止手段を設けた。
【0074】この構成によれば、相対圧力検出手段が故
障したときに、燃料蒸気処理装置の故障に係る診断が行
われないことから、燃料タンク側及びキャニスタ側の気
密性に係る故障について誤診断を回避することが可能と
なる。
【0075】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、燃料タ
ンク側の内圧とキャニスタ側の内圧とを一つの相対圧力
検出手段により選択的に検出して燃料タンク側及びキャ
ニスタ側の気密性に係る故障を診断するようにした診断
方法を前提とする。ここで、エンジンが始動してから
経過時間を計時し、該計時される経過時間が予め設定さ
れた第1の期間を超えるまでの間にその第1の期間より
も短い第2の期間を超えることに基づいて相対圧力検出
手段の検出先を燃料タンク側とキャニスタ側との間で交
互に切り換える。そして、その切り換えにより相対圧力
検出手段で検出される値に基づき相対圧力検出手段の故
障を診断するようにしている。
【0076】従って、相対圧力検出手段の検出先が燃料
タンク側とキャニスタ側との間で交互に切り換えられる
ことにより、故障の有無に応じて異なる出力の態様が得
られ、その出力の態様を判別することにより、相対圧力
検出手段の故障が診断される。このため、相対圧力検出
手段が故障していることを適正に診断することができ、
その診断結果に基づき燃料タンク側及びキャニスタ側の
気密性に係る故障を適正に診断することができるという
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料蒸気処理装置とその故障診断装置を示す
概略構成図。
【図2】 ECU等を示すブロック構成図。
【図3】 圧力センサの「圧力−電圧特性」を示すグラ
フ。
【図4】 「第1の診断ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図5】 各種パラメータの挙動を示すタイムチャー
ト。
【図6】 各種パラメータの挙動を示すタイムチャー
ト。
【図7】 「第2の診断ルーチン」を示すフローチャー
ト。
【図8】 従来の燃料蒸気処理装置を示す概略構成図。
【図9】 従来の燃料蒸気処理装置の故障診断装置を示
す概略構成図。
【符号の説明】
1…燃料タンク、8…エンジン、10…吸気通路、13
…ベーパライン、14…キャニスタ、20…ベーパ制御
弁、21…パージライン、41…相対圧力検出手段とし
ての圧力センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 F02B 77/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに供給される燃料を収容するた
    めの燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパラインを通
    じてキャニスタに捕集し、前記エンジンの運転時には、
    前記キャニスタに捕集された燃料を前記エンジンの吸気
    通路へパージラインを通じてパージするように構成し、
    前記燃料タンク側の内圧と前記キャニスタ側の内圧との
    差に基づき開かれて前記燃料タンクから前記キャニスタ
    への燃料蒸気の流入を許容するベーパ制御弁を備えた燃
    料蒸気処理装置に適用され、 前記ベーパ制御弁を境とした前記燃料タンク側の内圧と
    前記キャニスタ側の内圧とを一つの相対圧力検出手段の
    検出先を切り換えることにより選択的に検出し、前記相
    対圧力検出手段の検出値に基づき、前記ベーパ制御弁を
    境とした前記燃料タンク側の気密性に係る故障と前記キ
    ャニスタ側の気密性に係る故障とを個別に診断するよう
    にした燃料蒸気処理装置の故障診断方法であって、 前記エンジンが始動してからの経過時間を計時し該計時
    される経過時間が予め設定された第1の期間を超えるま
    での間に該第1の期間よりも短い第2の期間を超えるこ
    とに基づいて前記相対圧力検出手段の検出先を前記燃料
    タンク側と前記キャニスタ側との間で交互に切り換え、
    その切り換えにより前記相対圧力検出手段で検出される
    値に基づき前記相対圧力検出手段の故障を診断するよう
    にしたことを特徴とする燃料蒸気処理装置の故障診断方
    法。
JP20210496A 1995-07-31 1996-07-31 燃料蒸気処理装置の故障診断方法 Expired - Lifetime JP3147781B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20210496A JP3147781B2 (ja) 1995-07-31 1996-07-31 燃料蒸気処理装置の故障診断方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-195165 1995-07-31
JP19516595 1995-07-31
JP20210496A JP3147781B2 (ja) 1995-07-31 1996-07-31 燃料蒸気処理装置の故障診断方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09100752A JPH09100752A (ja) 1997-04-15
JP3147781B2 true JP3147781B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=26508959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20210496A Expired - Lifetime JP3147781B2 (ja) 1995-07-31 1996-07-31 燃料蒸気処理装置の故障診断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3147781B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9742092B2 (en) 2013-03-15 2017-08-22 Nike, Inc. Electronic connector having flexible region

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6355963B2 (ja) * 2014-05-09 2018-07-11 愛三工業株式会社 蒸発燃料処理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9742092B2 (en) 2013-03-15 2017-08-22 Nike, Inc. Electronic connector having flexible region

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09100752A (ja) 1997-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3239701B2 (ja) 燃料蒸気処理装置の故障診断装置
JP3776811B2 (ja) 燃料蒸気パージシステムの故障診断装置
JP2000154760A (ja) 蒸発燃料処理装置のリーク診断装置
US5726354A (en) Testing method for fuel vapor treating apparatus
JP4892878B2 (ja) 燃料レベルゲージの故障診断装置
JP2007085176A (ja) 気筒別燃料噴射弁故障診断
JP2003035216A (ja) 燃料蒸発ガス処理装置の故障診断装置
JPH07293358A (ja) エバポパージシステムの故障診断方法
US5718210A (en) Testing apparatus for fuel vapor treating device
US5857447A (en) Testing apparatus for fuel vapor treating device
JP2004300997A (ja) エバポガスパージシステムのリーク診断装置
JP3844706B2 (ja) 燃料蒸気ガス処理装置
JP3147781B2 (ja) 燃料蒸気処理装置の故障診断方法
JP3090046B2 (ja) 燃料蒸気処理装置の故障診断装置
JP2020105958A (ja) 蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置
JP2004360553A (ja) 内燃機関の蒸発燃料制御装置
JP5169497B2 (ja) 排気装置の故障診断方法および装置
JP2001329894A (ja) 内燃機関の燃料系異常診断装置
JP3284881B2 (ja) 燃料蒸気処理装置の故障診断装置
JP3070449B2 (ja) 燃料蒸気処理装置の診断装置
KR100724262B1 (ko) 자동차의 연료 레벨 센서 고착 진단 방법
JP3204150B2 (ja) 燃料蒸気処理装置の故障診断装置
JP3070448B2 (ja) 燃料蒸気処理装置の診断装置
JP4467783B2 (ja) 燃料温度センサの故障診断装置
JP3391208B2 (ja) エバポパージの故障診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080112

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090112

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090112

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term