JPH0941463A - 人体局部洗浄装置 - Google Patents

人体局部洗浄装置

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JPH0941463A
JPH0941463A JP19455995A JP19455995A JPH0941463A JP H0941463 A JPH0941463 A JP H0941463A JP 19455995 A JP19455995 A JP 19455995A JP 19455995 A JP19455995 A JP 19455995A JP H0941463 A JPH0941463 A JP H0941463A
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Hiroaki Yonekubo
寛明 米久保
Hideki Ono
英樹 大野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄時の人体からの汚物の除去状況を正確に
把握し、洗浄の完了を判定できる人体局部洗浄装置の提
供を目的とする。 【構成】 便器20に搭載した温水洗浄便座本体21に
設けた肛門に洗浄水を噴射するおしり洗浄ノズル43
と、ステッィク46に設けた洗浄汚水49に光を照射す
る発光ダイオード54と、洗浄汚水49からの反射光や
散乱光を受光するフォトトランジスタ56により、洗浄
汚水の汚れ成分を非接触で検出し、フォトトランジスタ
56で検出される濁度が清水レベルに達したらおしり洗
浄ノズル43による肛門洗浄を停止し、リモコン32に
完了の表示を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体局部の洗浄状態を
検出する人体局部洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の人体局部洗浄装置には、
図10と図11に示すようなものがあった(例えば特開
昭58−120934号公報)。
【0003】図10において、1は便器本体であり、2
はこの便器本体1内を洗浄する水を蓄えるシスターン、
3は便座、4は使用者、5は使用者4の肛門部に洗浄水
を放出する洗浄ノズル、6は放出中の洗浄水、7は給水
手段で、この給水手段7には、シスターン2から水を吸
引して洗浄のノズルに供給する給水ポンプや制御器など
を内蔵している。
【0004】図11において、8は汚物検出手段、9は
肛門部の色調を検出する光学センサ、10は光学センサ
9からの信号を増幅する増幅器、11は信号発生手段1
2からのトリガ信号によって作動を開始し、かつ前記増
幅器10の出力の微分値を検出し、微分量が一定レベル
以上である時に出力するレベル判別器で、このレベル判
別器11と、光学センサ9及び増幅器10により、汚物
検出手段8を構成している。13は使用者が洗浄を開始
するために操作する自己復帰型スイッチ、14は自己復
帰型スイッチ13のオンによって出力を出し、かつ自己
復帰型スイッチ13がオフした後も一定時間出力を出し
続ける遅延タイマである。15は給水手段7を制御する
制御手段で、この制御手段15は汚物検出手段8と信号
発生手段12の出力のどちらかが入力している時、給水
手段7を付勢するOR回路で構成している。用便終了
後、使用者が自己復帰型スイッチ13を押すと、レベル
判別器11が作動状態になるとともに、遅延タイマ14
を介して制御手段15に入力し、給水手段7を付勢して
肛門部へ洗浄水を放出する。それと同時に、光学センサ
10によって肛門部に付着した汚物の色調を検出し、洗
浄水によって汚物が次第に除去され色調が変化していく
のを、増幅器10およびレベル判別器11によって監視
し、制御手段15へ出力する。洗浄水による汚物の除去
量が多い洗浄初期においては、色調の変化が大きいた
め、増幅器10の出力の微分値も大きな値となり、そし
てこの微分値がレベル判別器11の有する一定レベルよ
り大きい間は、出力を出し、変化がなくなったら汚物の
洗浄が完了したものと判別して、給水手段7を消勢して
洗浄を完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
人体局部洗浄装置は次のような課題を有していた。
【0006】(1)使用者の体についた汚物の色調を判
別して、汚物除去状況を判別していたため、皮膚の色に
よっては検出に誤差を生じ、洗浄の完了を正確に検出で
きなかった。
【0007】(2)また、肛門の襞の中に付着した便
や、体毛に隠れた便は、外から色調を判別して判断した
のでは、正確に汚物の除去状況が判定できなかった。
【0008】本発明は上記課題を解決するものであり、
人体局部の洗浄時に正確に汚物の除去状況を把握し、洗
浄の完了を判定できる人体局部洗浄装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の発明における人体局部洗浄装置
は、人体局部を洗浄する洗浄水を供給する洗浄手段と、
この洗浄水で人体局部を洗浄した後の洗浄汚水に空間を
介して光を照射する発光手段と、洗浄汚水の照射された
光の変化を空間を介して捉える受光手段とで構成するも
のである。
【0010】また、本発明の第2の発明における人体局
部洗浄装置は、上記構成に加え、洗浄汚水を整流する整
流手段を備え、整流後の洗浄汚水に発光手段から光を照
射し、受光手段で整流後の洗浄汚水の光の変化を捉える
ようにしたものである。
【0011】また、本発明の第3の発明における人体局
部洗浄装置は、上記構成に加え、受光手段は洗浄汚水の
局所的な光の変化を捉えるンズ手段を有するものであ
る。
【0012】また、本発明の第4の発明における人体局
部洗浄装置は、上記第2の発明および第3の発明の構成
において、受光手段は洗浄汚水が流動している状態で光
の変化を捉えるようにしたものである。
【0013】また、本発明の第5の発明における人体局
部洗浄装置は、上記第1の発明の構成に加え、照射光の
レベル低下あるいは照射方向の変化を防ぐ発光手段用ク
リーニング手段を備えたものである。
【0014】また、本発明の第6の発明における人体局
部洗浄装置は、上記第1の発明の構成に加え、集光レベ
ル低下あるいは集光方向の変化を防ぐ集光手段用クリー
ニング手段を備えたものである。
【0015】また、本発明の第7の発明における人体局
部洗浄装置は、上記第1の発明の構成において、使用に
当たり、発光手段の光の照射量と受光手段の捉える光の
受光量の関係を検査するようにしたものである。
【0016】
【作用】上記した構成によって本発明の第1の発明にお
ける人体局部洗浄装置は、人体局部を洗浄した後の洗浄
汚水に発光手段から光を照射し、受光手段により洗浄汚
水の光の変化を捉えることにより、正確に汚物の除去状
況の把握を行い、洗浄状態の判定を確実に行うことがで
きるものである。
【0017】また、本発明の第2の発明における人体局
部洗浄装置は、整流手段により整流された洗浄汚水に光
を照射、受光して、洗浄汚水の形状による光の反射、散
乱、透過状態を一定とすることにより、検出をより正確
に行うことができるものである。
【0018】また、本発明の第3の発明における人体局
部洗浄装置は、洗浄汚水の局所的な光の変化をレンズ手
段で捉えることにより、汚れが少ない状態や受光できる
光が少ない状態でも正確に洗浄汚水の状態を検出できる
ものである。
【0019】また、本発明の第4の発明における人体局
部洗浄装置は、洗浄汚水が流動している状態で受光手段
が光の変化を捉えることにより、時々刻々と変化する汚
れの落ち具合を正確に把握できるとともに、局所的な光
の受光で全体的な汚れの状態を把握できるものである。
【0020】また、本発明の第5の発明における人体局
部洗浄装置は、発光手段用クリーニング手段で照射光の
レベル低下あるいは照射方向の変化を防ぐことにより、
正確な光の照射を維持し、長期間使用した場合の照射レ
ベルの低下を低減できるものである。
【0021】また、本発明の第6の発明における人体局
部洗浄装置は、集光手段用クリーニングにより集光レベ
ルの低下あるいは集光方向の変化を防ぐことにより、正
確な光の受光を維持し、長期間使用した場合の受光レベ
ルの低下を低減できるものである。
【0022】また、本発明の第7の発明における人体局
部洗浄装置は、発光手段の光の照射量と受光手段の捉え
る光の受光量の関係を検査できることにより、これらの
手段の劣化や異物の付着による機能低下等を検査できる
ものである。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0024】図1において、便器20には洗浄手段とし
て温水洗浄便座本体21が搭載されており、この温水洗
浄便座本体21へは水道22と電源23が接続されてい
る。
【0025】温水洗浄便座本体21には、おしり洗浄部
24、ビデ洗浄部25、発光部26、受光部27、乾燥
部28、脱臭部29、便座暖房部30、トイレ暖房部3
1が内蔵されている。そして、壁面に設けたリモコン3
2と温水洗浄便座本体21との間で、赤外線信号を利用
して信号の授受を行っている。
【0026】図2にリモコン32の詳細を示す。リモコ
ン32の表面には、おしりスイッチ33、ビデスイッチ
34、乾燥スイッチ35、止めスイッチ36、洗浄流量
と乾燥温度のアップスイッチ37およびダウンスイッチ
38、これらのレベル表示部39、脱臭入り切りスイッ
チ40、トイレ暖房入り切りスイッチ41、そして洗浄
状態表示部42が設けられている。
【0027】図3、図4におしり洗浄部24、発光部2
6、受光部27の詳細を示す。おしり洗浄部24は、お
しり洗浄ノズル43と、このおしり洗浄ノズル43を突
出させるおしりノズルシリンダー44、温水の供給とお
しり洗浄ノズル43の突出を調節する制御弁45、おし
り洗浄噴流のパターンを変えるエアポンプ45’等から
構成されている。このおしり洗浄部24は、水道22か
ら供給された水を加熱手段22’で温水に沸き上げ、こ
の温水をおしりに供給し、肛門周辺に付着した汚物を洗
浄する機能を果たしている。
【0028】また、発光部26と受光部27は同一の伸
縮自在のスティック46内に収納されて構成されてお
り、このスティック46を突出させるセンサーシリンダ
ー47、このスティック46の突出を調節する制御弁4
8等から構成されている。発光部26から洗浄汚水49
に対し照射された光は、洗浄汚水中の汚れ成分により反
射、散乱され、受光部27により捉えられる。受光部2
7からの信号は信号処理部50で信号増幅、処理、レベ
ル判定が行われ、汚れの度合が判定される。
【0029】また、スティック46へは突出開始前およ
び収納時に、クリーニング部51から電磁弁52が開い
て水道22の清水が高速で供給される。清水供給後にエ
アポンプ45’から空気が供給され水滴の除去が行わ
れ、ステッィク46の発光部26や受光部27自身およ
びその周辺に付着した汚れの清掃が行われる。この清掃
が行われた後、発光部26と受光部27の機能チェック
も行われる。これらの一連の制御やリモコンとの信号の
授受は、制御器53により制御される。
【0030】スティック46の詳細は図5に示す断面図
のように構成されている。スティック46には、発光部
26として赤外域の発光ダイオード54とレンズ55
が、また受光部27としてフォトトランジスタ56とレ
ンズ57が設けられている。
【0031】発光ダイオード54から発光された光はレ
ンズ55で並行光として洗浄汚水49に照射され、洗浄
汚水49中の汚れ成分に到達し、汚れ成分によって吸
収、反射、散乱される。反射光、散乱光は受光部27の
レンズ57を通してフォトトランジスタ56で検出さ
れ、電気的な信号として変換される。この発光部26と
受光部27は、空間を介して光を照射、受光する方式で
あるため、凹部に洗浄汚水を溜め、空間を介さずに光を
照射、受光し、透過度で汚れ具合を判定する方式や、洗
浄汚水に空間を介さずに光を照射し反射光を受光して汚
れ具合を判定する方式と比較して、洗浄汚水49と発光
部26、受光部27が接触しない方式であるため汚れが
付着しにくく、またクリーニングもしやすいものとなっ
ている。
【0032】また、洗浄後集合流動落下している洗浄汚
水49の一部に局所的に光を当て、レンズ57により落
下中の汚れ成分が流動することによる反射光の強弱を電
圧のパルスとしてカウントし汚れを検出する方式である
ため、全体の汚れ具合を的確に推定することができる。
【0033】また、スティック46のクリーニング部5
1は、図6にその平面図を示すように構成されている。
クリーニング部51はノズル58,59よりステッィク
46のレンズ55やレンズ57、およびその周辺に水流
を高速で噴射し、付着した汚れを落とす。水流の噴射時
には、軸60に回動自在に設けられ、スティック46の
突出時にはスティック46に押されて開く蓋61により
噴射された水流の外への飛び散りが防止されるととも
に、汚れも落ちやすくなる。清水の供給後は同じノズル
58,59を通って空気が供給され、レンズ55,57
に付着した水滴を除去する。
【0034】図7に本実施例の制御ブロック図を示す。
上記の説明中で十分に述べていなかった点を中心に説明
すると、制御器内には、クリーニング動作をした後に洗
浄が始められるように遅延タイマ62が、また洗浄汚水
の回収あるいは洗浄汚水の分析が確実に行えなかった時
の補完手段としてのタイマ63が、さらに洗浄水のパタ
ーンや水勢やノズルの動作を制御する自動洗浄制御部6
4が設けられている。
【0035】また、発光ダイオードとフォトトランジス
タの性能低下や劣化、レンズのくもりをチェツクする基
準検査部65と、発光ダイオードの発光レベルを調節す
る光量調節部66が設けられている。その他、制御器以
外としてノズルを駆動するモータ67、水路の加圧レベ
ルとノズルからの水勢を調節する水ポンプ68などが設
けられている。
【0036】次に本実施例の動作について図7〜図8を
用いて説明する。使用者がリモコン32のおしりスイッ
チ33を押すと、まず、電磁弁52が開いて、本体に収
納されているスティック46に清水が高速で供給され、
不使用時の汚れが除去される。そして所定時間経過後、
清水が止まりエアポンプ45’から空気が供給されレン
ズ55,57部へ付着した水滴が除去される。そして蓋
61部へ、発光部26から光が照射され、基準検査部6
5で受光部27で検出されるレベルの検査が行われ、光
量調節部66で検出レベルが所定の値となるように、発
光ダイオード54の光量が調節される。
【0037】次におしりノズル43とスティック46が
突出される。この動作は、制御弁45と制御弁48が開
成され、おしりシリンダ44とセンサーシリンダ47に
水圧がかかることによって突出が行われる。
【0038】また、このとき制御器53に内蔵された遅
延タイマ62が作動し、万が一の故障時や、汚水が回収
できなかった場合には遅延タイマ62で洗浄を停止させ
る補完手段としての機能を果たす。
【0039】おしりノズル43とスティック46が十分
に突出されると洗浄水が人体に供給され、自動洗浄制御
部64の働きで予洗が開始される。この予洗時には、エ
アポンプ45’が動作し、洗浄水に気泡を混入すること
により、おしりノズル43から出る噴流が干渉して揺動
しながら、幅広い範囲で洗浄水を供給する。これによ
り、肛門周辺に付着した便の固まりなどを万遍なく落と
し、予洗の機能を果たす。おしりノズル43から供給さ
れた温水は、肛門周辺に当たった後、汚水として一部は
飛散し、また一部は使用者のお尻に伝わりおしりの凸部
において下方に落下する。落下してくる洗浄汚水49に
対し、発光部26から発光された光が照射され、洗浄汚
水49内の汚れ成分からの反射光あるいは散乱光を受光
部27が捉え、洗浄汚水49の濁度を検出する。受光部
27で検出される光のレベルが所定のレベルになると、
洗浄汚水が落下しているものと判定し、横軸を時間、縦
軸を濁度とした図8に示すようにリモコン32に設けた
完了表示ランプ42が赤く点灯する。その後検出される
洗浄汚水の濃度が変化をしている場合は、この完了表示
ランプ42を点滅させる。検出される洗浄汚水49の濁
度レベルが所定値1以下になったら、洗浄モードを本洗
浄に自動的に切り替える。この本洗浄は、エアポンプ4
5’を止めたり、動作させたりすることを繰り返し、か
つ、おしり洗浄ノズル43をモータ67で前後に動かし
て行う。これにより汚れを広範囲に、またパターンが変
わることによる剥離作用により効率的に落とす。
【0040】検出される洗浄汚水49の濁度レベルが所
定値2以下になり、所定値2以下のレベルがが所定時間
続いたら、洗浄が完了したものと判断して、完了表示ラ
ンプ42を赤の点滅から緑色の点灯に変える。そして、
エアポンプ45’が止められ、制御弁45と制御弁48
が閉成され、おしりシリンダ44と汚水回収シリンダ4
7の作動により、おしり洗浄ノズル43とスティック4
6は収納される。
【0041】このように、使用者の体についた汚物の色
調を判別して、汚物除去状況を判別するのではなく、落
下している洗浄汚水を分析しているため、皮膚の色や明
暗により検出に誤差を生じたり、肛門部の襞の中に付着
した便や、体毛にかくれた便の落ち具合も、洗浄汚水を
介して正確に除去状況が判定できる。
【0042】また、肛門周辺の汚れがとれた段階で洗浄
が自動停止されるため、従来のようにいつ洗浄が完了し
たか分からないままに洗浄を続け、無駄に温水を使用
し、節水や省エネルギーに反することを行っていたこと
が解決できる。
【0043】また、使用者にとっても、汚れが十分に落
ちていない状態で洗浄を停止し、紙で拭いて気がつき、
再度洗浄を行うようなことがなくなり、早く的確に操作
を省略して洗浄を終えることができ、利便性が増す。
【0044】また、自動停止とともにリモコンで表示が
行えるため、使用者は目でも洗浄の完了が認知でき、下
半身が麻痺した感覚がなくなった人でも次の行動に即座
に移れる。
【0045】なお、万が一誤った使用や、故障、また汚
水の回収が途中で行えなくなり、制御的にいつまでも汚
水を受水しない状態が続いたり、濁度レベルが変化しな
い場合は、タイマ62で予め洗浄パターンや水勢別に設
定された時間が過ぎると、洗浄が自動的に停止される。
停止時には、その旨リモコン32に表示される。
【0046】スティック46は温水洗浄便座本体21収
納された時点で、再び電磁弁52が所定時間開成され、
スティック46のクリーニングが行われる。このため、
スティック46のレンズ55,57や周囲に付着した汚
れがまだ乾かない内に落とされ、長期間使用しても汚れ
が堆積したり、レンズ55,57が曇ってくることを防
ぐことができ、信頼性に優れたものとなる。
【0047】図9に本発明の第2の実施例を示す。この
第2の実施例の場合、第1の実施例とは主として洗浄汚
水の整流手段を有している点が異なっており、他の構成
および動作は同様であるので、相違点を中心に説明す
る。スティック69の先端部に凹部70が形成され、ス
テッィク69の上部に設けた樋部71が連通されてい
る。ステッィク69内に発光部72として発光ダイオー
ド73とレンズ74が、また受光部75としてフォトダ
イオード76とレンズ77が設けられている。そして、
凹部70の下部に洗浄汚水78を整流する整流部79が
形成されている。この整流部79によって洗浄汚水の形
が整えられ、発光部72から発光された光が乱反射した
り、受光部に受光される光が乱れることを防止してい
る。
【0048】そして樋部71や凹部70を有しているた
め、落下してくる洗浄汚水がたとえ少量であっても集水
され、正確に汚れの状態が検出できるように構成されて
いる。また、初期の基準検査方法も第1の実施例とは異
なり、使用前に樋部の上方へ温水洗浄便座21本体から
注水を行い、発光ダイオード73からの光の照射とフォ
トダイオード76の受光の関係を検査し、フォトダイオ
ード76で検出される光のレベルが所定の値となるよう
に、発光ダイオード73の光量が調節される。この方法
は、清水を使用しているためより正確に初期レベルの検
査が行える利点を有している。
【0049】上記実施例においては、人体局部の洗浄対
象は肛門部としたが、女性局部やその他の局部であって
もよい。
【0050】また、洗浄手段は温水洗浄便座としたが、
この他、便器に固定せずに使用者が手で洗浄部位にノズ
ルを持って行く洗浄装置や、温水を使用せずに水で洗浄
する形式の洗浄装置など各種の方式が考えられる。
【0051】また、発光手段としては赤外タイプの発光
ダイオードを用いたものを例に挙げるたが、可視光域の
ものであったり、レーザーであったり、その他の一般的
照明光であってもよい。
【0052】また、受光手段としてはフォトトランジス
タを用いた例を挙げたが、フォトダイオードやフォトI
Cなどの光起電力素子、またそれ以外の光導電素子であ
ってもよい。
【0053】また、整流手段としてはリング状に開口し
た整流手段を実施例に挙げたが、開口部の形状は洗浄汚
水の形状が一定になりさえすればよく、楕円形や角型な
どの多角形であってもよいし、網やセルを用いてもよ
い。
【0054】また、レンズ手段としては、実施例に挙げ
た一般的なレンズの形態であっても、また凹面鏡、凸面
強などのレンズ効果を生ずるものであってもよい。ま
た、集光手段として単数のレンズを用いたが、複数のレ
ンズを組み合わせてもよい。
【0055】さらに、検出対象として便による回収汚水
の汚れ具合を検出しているが、便中の潜血を検出した
り、繊維分を検出したり、色素を検出するなど各種の方
法がある。
【0056】また、上記実施例では発光手段用あるいは
受光手段用クリーニング手段として、清水を供給した
後、空気によって水滴を除去する方法を用いたが、空気
あるいは水だけで行う方法や、機械的に払拭する方法な
ど各種の方法が考えられる。
【0057】また、上記実施例では洗浄対象としておし
りを挙げたが、女性局部やまたこれらの組合せも当然考
えられる。また、洗浄汚水で尿中の成分や経血成分を検
出することも可能である。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明は、洗浄手段で人体
局部を洗浄した洗浄汚水に対し非接触で光の照射と受光
を行っているため次のような効果を有している。
【0059】(1)人体局部を洗浄した後の洗浄汚水に
発光手段から空間を介して光を照射し、光の変化を空間
を介して捉えるているため、皮膚の色により検出に誤差
を生じることがなくなり、また、肛門の襞の中に付着し
た便や、体毛に隠れた便があっても洗浄汚水として一部
が回収されるので、正確に汚物の除去状況が分析でき
る。また、洗浄汚水に対し、発光部、受光部が空間を介
し距離を保って臨ませることができるため、これら発光
部、受光部が洗浄汚水による汚れが付着しにくく、また
汚れても汚れが軽微であり清掃も容易になる。
【0060】さらに、排泄物に対して発光部、受光部が
空間を介し距離を保って臨んでいるため、排泄物の直撃
で汚染されたり、検出に狂いを生じることがない。
【0061】(2)洗浄汚水の落下形状が一定しない場
合でも整流手段により汚水の形を整え、光の反射、散
乱、透過状態を一定とし、整流された洗浄汚水に光を照
射し受光することにより、検出をより正確に行うことが
可能になる。
【0062】(3)洗浄汚水の局所的な光の変化をレン
ズ手段で拡大して捉えることにより、汚れが少ない状態
や受光できる光が少ない状態でも、洗浄汚水の状態を正
確に検出できる。
【0063】(4)洗浄汚水が流動している状態で受光
手段が光の変化を捉えることにより、時々刻々と変化す
る汚れの落ち具合を正確に把握するとともに、洗浄汚水
の特定の一点の局所的な光の受光でも、汚れが分散した
洗浄汚水の全体的な汚れの状態を把握できる。
【0064】(5)発光手段用クリーニング手段で照射
光のレベル低下あるいは照射方向の変化を防ぐことによ
り、正確な光の照射が可能になるとともに長期間使用し
た場合の劣化を低減することができる。
【0065】(6)集光手段用クリーニングにより集光
レベルの低下あるいは集光方向の変化を防ぐことによ
り、正確な光の受光が可能になるとともに長期間使用し
た場合の劣化を低減することができる。
【0066】(7)使用に当たり、発光手段の光の照射
量と受光手段の捉える光の受光量の関係を検査している
ので、異物の付着や、長期間使用時の劣化による機能低
下等を事前に補正でき、正確に汚れの状態を検出でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における人体局部洗浄装
置の斜視図
【図2】同人体局部洗浄装置に用いたリモコンの正面図
【図3】同人体局部洗浄装置の要部の上面図
【図4】同人体局部洗浄装置の要部の一部切欠き側面図
【図5】同人体局部洗浄装置に用いたスティックの断面
【図6】同人体局部洗浄装置に用いたスティックのクリ
ーニング動作説明図
【図7】同人体局部洗浄装置の制御ブロック図
【図8】同人体局部洗浄装置の動作説明図
【図9】本発明の第2の実施例における人体局部洗浄装
置のスティックの断面図
【図10】従来の人体局部洗浄装置の一部切欠き側面図
【図11】同従来の人体局部洗浄装置の制御回路図
【符号の説明】
20 便器 21 温水洗浄便座本体(洗浄手段) 24 おしり洗浄部(洗浄手段) 26,72 発光部(発光手段) 27,75 受光部(受光手段) 32 リモコン(洗浄手段) 43 おしり洗浄ノズル(洗浄手段) 51 クリーニング部 54 発光ダイオード(発光手段) 56 フォトトランジスタ(受光手段) 55,57,74,77 レンズ(レンズ手段) 65 基準検査部 79 整流部(整流手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人体局部を洗浄する洗浄水を供給する洗浄
    手段と、前記洗浄手段から供給される洗浄水で人体局部
    を洗浄した後の洗浄汚水に空間を介して光を照射する発
    光手段と、前記洗浄汚水による前記発光手段から照射さ
    れた光の変化を空間を介して捉える受光手段を備えた人
    体局部洗浄装置。
  2. 【請求項2】洗浄汚水を整流する整流手段を備え、整流
    後の洗浄汚水に発光手段から光を照射し、受光手段で整
    流後の洗浄汚水の発光手段から照射された光の変化を捉
    えるようにした請求項1記載の人体局部洗浄装置。
  3. 【請求項3】受光手段は洗浄汚水の局所的な光の変化を
    捉えるレンズ手段を有した請求項1記載の人体局部洗浄
    装置。
  4. 【請求項4】受光手段は洗浄汚水が流動している状態で
    光の変化を捉えるようにした請求項2または請求項3記
    載の人体局部洗浄装置。
  5. 【請求項5】照射光のレベル低下あるいは照射方向の変
    化を防ぐ発光手段用クリーニング手段を備えた請求項1
    記載の人体局部洗浄装置。
  6. 【請求項6】集光レベルの低下あるいは集光方向の変化
    を防ぐ集光手段用クリーニング手段を備えた請求項1記
    載の人体局部洗浄装置。
  7. 【請求項7】使用に当たり、発光手段の光の照射量と受
    光手段の捉える光の受光量の関係を検査するようにした
    請求項1記載の人体局部洗浄装置。
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JP2021161744A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 株式会社Water X Technologies 温水洗浄便座及びそれを用いた汚物の洗浄方法

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