JPH0941344A - 河川床覆工構造と覆工擬石ユニット - Google Patents

河川床覆工構造と覆工擬石ユニット

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JPH0941344A
JPH0941344A JP21007095A JP21007095A JPH0941344A JP H0941344 A JPH0941344 A JP H0941344A JP 21007095 A JP21007095 A JP 21007095A JP 21007095 A JP21007095 A JP 21007095A JP H0941344 A JPH0941344 A JP H0941344A
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Masashi Masuda
昌志 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は擬石を用いて河川床を健全に覆工す
ることができる河川床の覆工構造と覆工擬石ユニットを
提供すると共に、同覆工作業の省力化と工費節減及び工
期短縮を図り、河川環境の保全のニーズに応えんとする
ものである。 【解決手段】河川床5に多数のコンクリート成形擬石1
を設置して形成する河川床覆工構造であって、上記擬石
1は縦横に格子組みされたこぶ付きの鉄筋2に通し掛け
されて河川床5に設置され、該格子組みされた縦横の鉄
筋2はその交叉部において溶接又は結線により結合され
ている河川床覆工構造、並びに格子組みされた鉄筋2に
コンクリート成形擬石群を通し掛けにし鉄筋交叉部を溶
接又は結線した覆工擬石ユニットAを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンクリート成形
擬石で覆工された河川床覆工構造と覆工擬石ユニットに
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】河川床に自然岩石を配
石して覆工し自然の河川環境を人工的に造成する工法が
行なわれているが、この工法は水の流れに適度な乱流と
分流を生み河川の活性化をもたらす長所があり、又自然
に近い河川環境と美感を醸成する利点を有する。
【0003】而して、これら河川床覆工においては多量
の覆工石を運搬置設する過大な作業を要し、これを如何
に軽減化、省力化し、工期短縮するかが課題の一つとな
っている。
【0004】又覆工石は河川床に全体として均一に配石
されることと、安定な定着性が求められ、配石作業の簡
便化が課題となっている。
【0005】本発明は上記課題を解決する河川床覆工構
造と覆工擬石ユニットを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】河川床に設置される覆工
石は擬石であり、この擬石は型枠にコンクリートを流し
込んで自然岩石状の外形を与えたコンクリート成形擬石
である。
【0007】各擬石を格子組みされた縦方向鉄筋又は横
方向鉄筋又は両鉄筋に通し掛けにし、各鉄筋を交叉部に
おいて溶接又は結線により結合して、格子組鉄筋に複数
のコンクリート成形擬石が通し掛けにより保持された覆
工単位となる擬石ユニットを形成する。上記鉄筋は既知
のように長手方向に間隔を置いて形成された多数のこぶ
を有する。
【0008】擬石の全部又は一部は溶接又は結線するこ
とによって格子組みされた縦横の鉄筋の交叉部間に延在
する部位に通し掛けにし、縦横の鉄筋の交叉部(溶接部
又は結線部)で擬石の移動を完全に阻止する。
【0009】他例として擬石の全部又は一部は格子組み
された縦横の鉄筋の交叉部に配し、この交叉部において
縦横の鉄筋の双方を擬石に通し掛けにする。この通し掛
け構造では擬石は交叉部において横方向鉄筋と縦方向鉄
筋により各方向への移動が阻止される。上記擬石ユニッ
トはクレーンで吊られ河川床に多数ユニット敷設し覆工
する。
【0010】縦横の鉄筋の交叉部は上記クレーンで吊ら
れた場合の各擬石の脱落を阻止し、又交叉部間において
擬石を移動して位置を調整し得る。
【0011】上記擬石ユニットは擬石の重量により鉄筋
が弾性的に撓み河川床に敷設される。上記擬石間スペー
スには小石を充填して縦横の鉄筋をこの充填小石で覆い
河川床構造を形成する。又は上記擬石間スペースには小
石とモルタルの混練物を充填し鉄筋をこの充填物で覆
う。上記河川床は水か流れている水路と、水が流れるか
もしれない河川敷と、この水路又は河川敷の両側に沿っ
て築造されている堤の斜面を意味する。
【0012】上記擬石ユニットは鉄筋の靭性により過度
の撓みを生ぜずに敷設できる。又鉄筋が固有するこぶを
利用して敷設後の水流等によるずれの抑止が図られる。
又鉄筋は擬石の重量により撓み、河川床への良馴性も得
られる。
【0013】擬石を通し掛けにした縦横の鉄筋は交叉部
を溶接することによって格子組構造及び擬石ユニットが
容易に形成できる。即ち格子組みされ且つ擬石群が吊設
された単位擬石ユニットが容易に形成できる。
【0014】上記鉄筋のこぶは擬石のずれ止めを形成す
ると共に、擬石間スペースに充填された小石の移動をも
抑止し、逆に鉄筋を覆う小石により擬石ユニット全体の
ずれを抑止する。又擬石間に小石とモルタルの混練物を
充填した場合には、上記鉄筋はこの混練物に埋設された
強化鉄筋として機能させることができる。
【0015】又他の施工構造例として上記擬石ユニット
は河川床を覆工し鉄筋を杭により止め、擬石間スペース
により植物育成スペースを形成する。この覆工構造は堤
の傾斜を覆工しつつ、植物を覆工面全面に育成させ、擬
石と相補して河川環境の保全に相乗的に寄与し、独特の
覆工面を造成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】河川床の覆工石としては人工的に
自然岩石の如き外形を与えたコンクリート成形擬石1を
用いる。
【0017】この擬石1は複数種の擬石成形用型枠を用
いて外形と大きさが異なる複数種類の擬石1a,1b,
1c・・・をコンクリート成形し、これらを図1乃至図
5に示すように格子組みされた鉄筋2、即ち縦方向鉄筋
2a又は横方向鉄筋2b又はその双方に通し掛けにす
る。
【0018】各擬石1には成形時に予め引通し口3aを
持った引留具3を埋込み、これを擬石1の下面(河川床
設置面)から突出させて置く。このような引留具3とし
ては一端が切欠したフック金具又は閉鎖されたU型金具
等を用いる。又は金属棒を突出させておき、これを曲げ
込みながら鉄筋に絡ませることによって引通しする。
【0019】この引留具3の引通し口3aに鉄筋2を挿
通して、縦方向鉄筋2aと横方向鉄筋2bの交叉部を金
属線等で結線するか、又は溶接4して鉄筋格子を担体と
して複数個の擬石1a,1b,1c・・・を通し掛けに
した覆工擬石ユニットAを形成する。
【0020】上記縦横の鉄筋の交叉部における溶接とは
必ずしも全ての交叉部においてなされる場合に限定され
ることなく、要所要所を溶接する場合をも意味する。
【0021】又覆工擬石ユニットAの四辺には擬石1を
挿通しない縦方向鉄筋2cと横方向鉄筋2dを配置す
る。即ち縦方向鉄筋2aの最外列の鉄筋は擬石1を挿通
しない鉄筋2cとし、同様に横方向鉄筋2bの最外列の
鉄筋は擬石1を挿通しない鉄筋2dとする。
【0022】よって同じ種類の擬石1a,1b,1c・
・・を同じ配置で鉄筋格子に担持させた多数の覆工ユニ
ットAを形成する。上記擬石1の通し掛け構造として、
図1,図2A,Bに示すように上記擬石1a,1b,1
c・・の全部又は一部を縦横に格子組みされた鉄筋2
a,2bの交叉部間に延在する縦方向鉄筋部又は横方向
鉄筋部に通し掛けし、各擬石1a,1b,1c・・・を
鉄筋2a,2bの交叉部間の鉄筋延在部において移動可
能にする。
【0023】又鉄筋2a,2bは長手方向に間隔的に設
けられたこぶ2′を有し、このこぶ2′は擬石のずれを
抑止するずれ止めとして機能させることができる。
【0024】又図3乃至図5に示すように、上記擬石1
a,1b,1c・・・の全部又は一部を縦横に格子組み
された鉄筋2a,2bの交叉部に配し、該交叉部におい
て縦横の鉄筋2a,2bの双方に通し掛けにする。この
交叉部における通し掛けの一例として図4は一個の引留
具3を擬石1の下面中央部に配し、これに縦方向と横方
向の鉄筋2a,2bを挿通する。
【0025】又他例として図5に示すように、擬石1の
下面に横方向鉄筋挿通用の引留具と縦方向鉄筋挿通用の
引留具を併設し、上記擬石1を鉄筋交叉部において両鉄
筋に挿通する。上記図3乃至図5の如く縦横の両鉄筋2
a,2bが挿通された擬石は交叉部において横方向、縦
方向への移動が阻止される。
【0026】図6は上記擬石ユニットAによって覆工さ
れる河川床5を模視的に示している。この河川床5は通
常水が流れる水路床5Aと、この水路床両側の水が流れ
るかも知れない河川敷5B並びにこの河川敷両側の堤の
斜面5Cを意味する。
【0027】図6Aは代表例として水路床5Aの覆工を
示しており、図示のように前記擬石ユニットAをクレー
ンで吊り河川床5に多数ユニット敷詰め、覆工がなされ
る。この覆工構造を基本構造として、図6Bに示すよう
に上記各擬石1間スペースには鉄筋2を覆う小石を充填
し間詰め小石層6を形成する。
【0028】又は他例として図6Cに示すように、上記
擬石1間スペースには鉄筋2を覆う小石とモルタルの混
練物又はモルタルを充填し、間詰めコンクリート層又は
モルタル層7を形成する。
【0029】図7A,Bは河川床5に多数のコンクリー
ト成形擬石1を設置して形成する河川床覆工構造を示
し、上記擬石1は縦横に格子組みされたこぶ付きの鉄筋
2に通し掛けにされて河川床5に設置され、該格子組み
された縦横の鉄筋2a,2bはその交叉部において溶接
又は結線により結合され、河川床5に打込まれた杭8が
鉄筋のずれ止めを形成している。
【0030】この実施形態は堤の傾斜面5Cの覆工構造
として用いることができる。上記擬石ユニットを設置す
ることによって、擬石間スペースを有する覆工状態が形
成され、この擬石間スペースを植物育成スペースとして
利用し、斜面全面の緑化覆工を図る。これにより緑と擬
石とが調和して景観の良好な自然環境を作り出す。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、上記構成の擬石ユニッ
トによってこれを多数河川床に敷並べるのみで、コンク
リート成形擬石によって前記活性な流れを生み且つ河川
環境の保全に有用な河川床覆工構造が容易に施工でき、
コンクリート成形擬石を用いたことと相俟って覆工費を
大巾に削減し、工期短縮を図ることができ、又河川床へ
の配石作業も著しく軽減される。
【0032】又擬石間スペースに充填された小石は河川
の環境保全に有用であり、生物の育成を助け、整流効果
をも付加し、擬石間の鉄筋の隠蔽手段として有効であ
る。
【0033】又擬石間スペースにモルタル又はモルタル
と小石の混練物を充填した場合には、上記鉄筋を直ちに
床盤の補強筋として機能させることができる。
【0034】又縦横の鉄筋は溶接によって容易に格子組
みし、擬石を担持させたユニットの製造が容易に行な
え、加えて鉄筋の適度な靭性(剛性)によってユニット
の過度の撓みと擬石の遊びや偏りを抑制し運搬とクレー
ンによる吊上げと敷設作業を簡便にする。又鉄筋のこぶ
は擬石のずれ、小石のずれを抑止する手段として利用で
きる。
【0035】以上の通り本発明は河川環境と美感醸成に
有効に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】覆工擬石ユニットの平面図である。
【図2】A,Bは上記ユニットにおける擬石通し掛け構
造を示す横方向と縦方向の断面図である。
【図3】覆工擬石ユニットの他例を示す平面図である。
【図4】上記ユニットにおける擬石通し掛け構造の一例
を示す斜視図である。
【図5】同通し掛け構造の他例を示す斜視図である。
【図6】Aは上記擬石ユニットを用いた河川床覆工構造
を示す断面図、同B,Cは同覆工構造における間詰め手
段を夫々例示する断面図である。
【図7】Aは上記擬石ユニットを用いた河川床の堤斜面
の覆工構造例を示す平面図、Bは同断面図である。
【符号の説明】
A 擬石ユニット 1a,1b,1c 擬石 2a 縦方向鉄筋 2b 横方向鉄筋 2′ こぶ 3 引留具 3a 引通し口 4 溶接 5 河川床 5A 水路床 5B 河川敷 5C 堤の斜面 6 間詰め小石層 7 間詰めコンクリート層又は間
詰めモルタル層 8 杭

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】河川床に多数のコンクリート成形擬石を設
    置して形成する河川床覆工構造であって、上記擬石は縦
    横に格子組みされた鉄筋に通し掛けされて河川床に設置
    され、該格子組みされた縦横の鉄筋はその交叉部におい
    て溶接又は結線により結合されていることを特徴とする
    河川床覆工構造。
  2. 【請求項2】河川床に多数のコンクリート成形擬石を設
    置して形成する河川床覆工構造であって、上記擬石は縦
    横に格子組みされた鉄筋に通し掛けにされて河川床に設
    置され、該格子組みされた縦横の鉄筋はその交叉部にお
    いて溶接又は結線により結合され、河川床に打込まれた
    杭が鉄筋のずれ止めを形成していることを特徴とする河
    川床覆工構造。
  3. 【請求項3】上記擬石間スペースには鉄筋を覆う小石が
    充填されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    河川床覆工構造。
  4. 【請求項4】上記擬石間スペースには鉄筋を覆う小石と
    モルタルの混練物又はモルタルが充填されていることを
    特徴とする請求項1記載の河川床覆工構造。
  5. 【請求項5】長手方向に間隔を置いて鉄筋が格子組みさ
    れ、該格子組みされた鉄筋に複数のコンクリート成形擬
    石が通し掛けにされ、上記鉄筋が交叉部において溶接又
    は結線により結合されていることを特徴とする覆工擬石
    ユニット。
  6. 【請求項6】上記擬石の全部又は一部が縦横に格子組み
    された鉄筋の交叉部に配され、該交叉部において縦横の
    鉄筋の双方が通し掛けされていることを特徴とする請求
    項5記載の覆工擬石ユニット。
  7. 【請求項7】上記擬石の全部又は一部が縦横に格子組み
    された鉄筋の交叉部間に延在する縦方向鉄筋部又は横方
    向鉄筋部に通し掛けにされていることを特徴とする請求
    項5記載の覆工擬石ユニット。
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