JPH0941216A - ポリビニルアルコ−ル系繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコ−ル系繊維及びその製造方法

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JPH0941216A
JPH0941216A JP12558596A JP12558596A JPH0941216A JP H0941216 A JPH0941216 A JP H0941216A JP 12558596 A JP12558596 A JP 12558596A JP 12558596 A JP12558596 A JP 12558596A JP H0941216 A JPH0941216 A JP H0941216A
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JP
Japan
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fiber
stretching
polyvinyl alcohol
pva
polymer
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JP12558596A
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Inventor
Toshiaki Ikumine
寿昭 生峰
Isao Sakuragi
功 桜木
Junichi Yoshinaka
準一 吉中
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維内部まで十分に分子間架橋が形成されて
おり、耐疲労性に優れたポリビニルアルコール系繊維を
提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系ポリマーからな
り、ゲル弾性率0.05×10-3〜8×10-3g/cm
・drで、熱水収縮率(Wsr)10%以上、強度4g
/d以上のポリビニルアルコ−ル系繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高温で長時間使用さ
れるタイヤ、ホース、コンベアベルトなどのゴム資材や
プラスチック、セメントなどの補強材等の産業資材に適
した、耐疲労性に優れたポリビニルアルコール(以下P
VAと略す)系繊維及びその製造法と、該繊維を補強材
とするオイルブレ−キホ−スに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PVA系繊維は、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリアクリロニトリル系繊維に比べて強
度、弾性率が高く、産業資材用繊維として広く利用され
ている。近年、特開昭59−130314号公報や特開
昭61−108711号公報等に更に強度、弾性率を高
めたPVA系繊維を得る方法が提案されているが、これ
らの方法では、高強度・高弾性率のPVA系繊維は得ら
れても、一部の用途分野で要求されるような高度な耐疲
労性を具備したものは得られなかった。
【0003】一方、耐疲労性に優れたPVA系繊維を得
ようとする試みが最近活発に行なわれており、たとえ
ば、特開平1−156517号、特開平1−20743
5号、特開平2−133605号、特開平2−8458
7号等の各公報で提案されている。該公報には、PVA
系繊維にエポキシ化合物、イソシアネート化合物有機過
酸化物、カルボン酸、リン酸、塩酸などの架橋剤を付与
して架橋せしめ、ゴム耐疲労性等を改良する技術が開示
されている。しかしながら、本発明者らが詳細にこれら
技術を追試した結果、架橋剤をPVA系繊維に付着させ
た後に乾熱延伸する方法、もしくは熱延伸処理後のPV
A系繊維に架橋剤を付着させた後、更に乾燥後再熱処理
をする方法では、十分な耐疲労性を有するPVA系繊維
は得られなかった。すなわち、PVA系繊維は、親水性
の水酸基をその分子構造に有しているため濡れ特性は概
して良好であるが、延伸の高倍率化にともなって繊維表
面のPVAの水酸基は次第にその向きを繊維内部に向け
る様になる。その結果、繊維の疎水性が高まって架橋剤
溶液が糸条に均一に付与されないため、架橋反応が十分
に進行した部分は優れた耐疲労性を示すが、そうでない
部分の耐疲労性は劣っており、糸条全体の耐疲労性の改
良は不十分となる。
【0004】また、これらの方法によれば、繊維表層は
比較的架橋構造が形成されているものの、繊維中央部は
架橋構造が殆んど形成されないため、繊維中央部は耐疲
労性が低く糸条全体の耐疲労性の改良は不十分となる。
さらに、特開平2−249705号公報には、空気入り
のタイヤ補強コードとして用いるPVA系繊維の耐疲労
性を向上させるため、PVA系繊維のコードに架橋剤を
後処理して繊維の表面に架橋構造を形成させる方法の他
に、架橋剤を紡糸原液もしくは凝固浴に加えておき、こ
れを繊維内部まで浸透させて架橋せしめることが開示さ
れている。しかし、架橋剤を紡糸原液もしくは凝固浴に
加えておく方法では、前者の場合は架橋剤が凝固浴中に
溶出し、後者の場合、凝固浴は専ら、紡糸原液から脱溶
剤して繊維の中央へは拡散しないために、繊維中央部ま
で十分架橋構造を形成させるに至らず、共に、耐疲労性
の向上効果は小さい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温下で用
いられるゴム、プラスチック、セメントの補強材等の産
業資材に適した、耐疲労性に優れ、かつ、十分な繊維強
度を有するPVA系繊維及び該PVA系繊維を補強材と
するオイルブレ−キホ−スを生産性良く製造し提供する
ことを技術的な課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、PVA系ポリ
マーからなり、ゲル弾性率0.05×10-3〜8.0×
10-3g/cm・drで、熱水収縮率(Wsr)10%
以上、強度4g/d以上のPVA系繊維を提供するもの
であり、該繊維の好適な製造方法として、架橋剤を原液
に添加し、乾式紡糸し、得られる糸条を乾熱延伸する際
に架橋結合を起こさせる方法、すなわち、硫酸アンモニ
ウムを0.025〜0.4重量%含有するPVA系ポリ
マ−の溶液を乾式紡糸し、乾燥して得られた糸条を、延
伸温度100℃以上210℃未満、延伸張力0.7g/
d以上、延伸倍率7倍以上、3.25≦logX−lo
gT≦3.45(ただし、Xはポリマ−重合度、Tは延
伸炉内滞留時間)の条件下で延伸後、210℃以上で熱
処理して架橋せしめるPVA系繊維の製造方法を見出だ
したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】PVA系繊維に耐疲労性を付与す
るには、疲労時に繊維構造の破壊が集中する非晶部を架
橋化する必要がある。その架橋度合いを数字化したもの
がゲル弾性率である。ゲル弾性率の測定方法は以下のと
おりである。塩化亜鉛水溶液は強力なPVAの溶剤であ
るため簡単にPVA系繊維を溶かすことができる。とこ
ろが、PVA分子が架橋されていると、塩化亜鉛水溶液
でPVAの結晶は溶かされるけれども、架橋のネットワ
ークがあるため繊維全体としては溶解することなく、収
縮しながらゲル状になる。このゲルの引張応力にたいす
る伸長挙動はフックの法則に従う。本発明で規定するゲ
ル弾性率は言わば、そのバネ定数に相当するものであ
る。
【0008】本発明のPVA系繊維のゲル弾性率は、
0.05×10-3〜8.0×10-3g/cm・drが必
要であり、好ましくは0.1×10-3〜4.0×10-3
g/cm・dr、さらに好ましくは0.4×10-3
3.0×10-3g/cm・drである。ゲル弾性率が小
さすぎるものは架橋構造が十分形成されておらず耐疲労
性が不十分であり、逆にゲル弾性率が大きすぎると架橋
が多くなりすぎるため延伸性が低下し引張強度が低下し
たり、分子運動性減少により耐疲労性が低下するため好
ましくない。
【0009】また、架橋構造は繊維内部まで十分形成さ
れていることが必要であり、架橋の分布状態を熱水収縮
率(以下Wsrと略す)で数値化した。Wsrは、PV
A系繊維に極微量の荷重を付加し沸騰水に浸漬すると非
晶部が膨潤して繊維が収縮するが、このときの収縮率
(%)を示したものである。なお、極微量の荷重とは例
えば、2mg/d程度の荷重である。熱水収縮率(Ws
r)は、架橋の度合や分布、即ち架橋剤の添加量や乾熱
延伸の温度、時間、倍率など多数のファクターが関与す
るが、10%以上である必要がある。Wsrが小さすぎ
るものは、架橋構造が内部まで十分形成されていないた
め、十分な耐疲労性は得られない。繊維性能等の点から
は、50%以上85%以下、特に65%以上80%以下
であるのが好ましい。本発明のPVA系繊維は、充分に
延伸熱処理されているにもかかわらず架橋が繊維内部に
も分布しているため、Wsrは10%以上と大きな数値
を示す。なお、Wsrが大きい場合であっても、収縮応
力としては非常に低いレベルであるため実用上特に問題
は生じず、補強材等として特に優れた効果が得られる。
【0010】従来公知のPVA系繊維は充分に延伸熱処
理されている為、配向、結晶化が進みWsrは4.5%
以下と低い値であり、耐疲労性の向上を目的とした公知
のPVA系繊維もほぼ繊維表面のみの架橋である為、W
srは5%以下である。繊維内部まで十分架橋構造が形
成されていないと、繊維が収縮する前に非晶部が溶解す
るため収縮応力が小さくなり、結果的に熱水収縮率が低
下すると思われる。
【0011】特開平5−263311号公報や特開平5
−163609号公報には、PVA繊維内部まで架橋反
応を行わせる方法が記載されているが、これら公報に記
載されている方法は、従来の方法と比べて内部架橋の点
で大きく改善されている。かかる方法は、PVA水溶液
を湿式凝固させたいわゆる湿式紡糸原糸に、アルデヒド
化合物で代表される架橋剤を繊維内部まで浸透させた
後、架橋反応を起こさせるものであるが、現実には繊維
内部まで十分にアルデヒド化合物を浸透させ架橋反応を
行うことは難しく、架橋剤により繊維表面が過度に架橋
されたり、逆に繊維内部が十分には架橋されなかったり
して、本発明で規定するゲル弾性率と熱水収縮率の双方
を満足することは困難である。
【0012】本発明の繊維を構成するPVA系ポリマー
としては、架橋形成性、入手容易性等の点から、粘度平
均重合度が1000〜5000、特に1500〜350
0のものが好ましい。PVA系ポリマーとしては、ビニ
ルアルコール単位以外に、他のビニル基を有するモノマ
ー、例えばエチレン、イタコン酸などのモノマーを約1
0モル%以下共重合したものであってもよい。またPV
A系ポリマーのケン化度としては98モル%以上が得ら
れる繊維物性の点で好ましい。
【0013】本発明の繊維の効率的な製造方法として、
架橋剤を原液に添加して乾式紡糸し、得られる糸条を乾
熱延伸した後に架橋結合を起こさせる方法が挙げられ
る。以下に具体的な方法を説明する。まず、PVA系ポ
リマーのチップを水洗したのち、温水中で膨潤させて脱
水機にかけて脱水する。この脱水された含水チップを調
湿して所定の含水率となるようにする。架橋剤は、調湿
工程、含水チップを加熱条件下で混練して溶液化する
際、さらには紡糸直前の押出機中等にて添加すればよ
い。架橋剤の均一分散性の点からは、調湿工程にて添加
する方法が好ましい。紡糸原液中のPVA系ポリマーの
濃度は、ポリマーの重合度にもよるが、一般的には30
〜60重量%が好ましい。また吐出する直前の紡糸原液
の温度としては125〜180℃でかつ紡糸原液中に添
加されている架橋剤が実質的に分解しない温度が好まし
い。
【0014】架橋剤としては硫酸アンモニウムを用いる
のが好ましい。硫酸アンモニウムは、高温の熱処理条件
下でアンモニウム塩のアンモニアが飛散して初めて架橋
剤として作用する。従って、紡糸原液中や延伸工程中に
おいて架橋反応を実質的に抑制し、延伸後の繊維に架橋
構造を形成させることが可能となるため、繊維内部まで
十分に架橋構造が形成された高強力繊維が得られる。架
橋構造が繊維内部まで形成された繊維は、高倍率延伸す
ることが困難であり、無理に延伸を施すと繊維の内部構
造が破壊されて繊維強度は著しく低下する。従って、強
度の高い繊維を得るためには、高倍率延伸を施した後に
架橋構造を形成させる必要があり、硫酸アンモニウムを
架橋剤として用いた場合にはそれが可能となる。
【0015】繊維強度は4g/d以上必要であり、6g
/d以上、さらに8g/d以上であるのがより好まし
い。強度が低い場合には、補強材等として十分な効果が
得られない。耐疲労性は60%以上、特に80%以上で
あるのが好ましい。また、硫酸アンモニウムは紡糸原液
中においてほぼ中性であるため、塩酸やリン酸等の強酸
性の架橋剤のように、押出機や原液配管、紡糸口金等の
金属部分を腐食することがなく、工程性等においても優
れた効果が得られる。
【0016】硫酸アンモニウムは、PVA系ポリマ−に
対して0.025〜0.4重量%、特に0.05〜0.
3重量%含有させるのが好ましい。また、PVA系ポリ
マ−の重合度と架橋反応には密接な関係があり、重合度
の高いポリマ−ほど分子鎖が長いため、少量の硫酸アン
モニウムを含有させて架橋構造を形成させれば優れた耐
疲労性が得られるが、ポリマ−の重合度が低い場合に
は、さらに多量の架橋剤を含有させなければ満足できる
耐疲労性を得ることは難しい。しかしながら、多量の硫
酸アンモニウムを含有させると、架橋反応速度を制御す
るのが難しくなる。以上のことから、硫酸アンモニウム
以外の架橋剤を併用してもよく、特にリン酸アンモニウ
ムを架橋剤として併用するのがより好ましい。リン酸ア
ンモニウムは、高温の熱処理条件下でアンモニウム塩の
アンモニアが飛散して初めて架橋剤として作用し、ま
た、紡糸原液中でほぼ中性であるため、硫酸アンモニウ
ムと同様の効果が得られる。
【0017】リン酸アンモニウムを架橋剤として単独で
使用する場合には、架橋反応が極めて穏やかであるた
め、十分に架橋構造を形成させるためには多量のリン酸
アンモニウムを使用する必要があり、この場合、アンモ
ニアが遊離しやすいために得られる繊維に気泡が生じて
繊維物性が低下しやすくなる。以上のことから、リン酸
アンモニウムを配合する場合には硫酸アンモニウムと併
用して使用するのが好ましく、特に架橋形成の程度によ
り延伸性が大きく影響される場合に、架橋反応が極めて
穏やかなリン酸アンモニウムを併用すると優れた効果が
得られる。たとえば、重合度2500以下1000以上
のPVA系ポリマ−を用いる場合には、硫酸アンモニウ
ムとリン酸アンモニウムを併用することにより特に優れ
た効果が得られる。
【0018】反応速度制御および得られる繊維物性の点
からは、硫酸アンモニウムとリン酸アンモニウムを重量
比で50:50〜80:20、特に55:45〜70:
30配合することが好ましい。さらに両者の合計添加量
は、架橋反応性、繊維物性の点から、PVA系ポリマー
に対して0.05〜0.5重量%、特に0.1〜0.4
重量%配合するのが好ましい。
【0019】繊維の紡糸方法としては乾式紡糸方法が用
いられる。紡糸原液に架橋剤を添加して紡糸する場合、
湿式紡糸方法や乾湿式紡糸方法を採用すると、凝固浴や
脱溶媒浴に架橋剤が溶出してしまい、繊維内部まで架橋
構造を十分形成させることができない。一方、乾式紡糸
方法は、空気等の気体中に紡糸原液を吐出して原液中の
水分を乾燥除去する方法であるため、架橋剤の溶出は全
く生じない。このため、繊維表面層および内部に架橋剤
を存在させることができる。
【0020】紡糸原液を乾式紡糸する方法としては通常
の条件が用いられ、PVA系ポリマー紡糸原液を紡糸口
金からまず気体中に吐出すればよい。気体としては一般
に空気が用いられ、気体の温度は60〜90℃が一般的
である。
【0021】紡糸口金から吐出された糸条は第1ローラ
ーで収束され、そしてそのまま乾燥される。乾燥は、ホ
ットプレートやホットローラーや加熱エアーゾーン等を
用いて糸条を走行させることにより行われる。乾燥条件
としては1段目を80〜95℃、2段目を100〜12
0℃、3段目を120〜140℃というように多段の昇
温条件下で行うのが好ましい。このような多段の乾燥条
件を用いることにより、繊維同士が乾燥条件下で膠着す
るという問題が生じることを防ぐことができる。ただ
し、架橋反応が生じるのを抑制するため、乾燥温度は2
00℃以下、特に140℃以下とするのが好ましい。
【0022】乾燥して得られた糸条を延伸して強度等の
諸性能を向上させるが、このとき、実質的に架橋反応を
生じさせることなく、延伸を行うことが必要である。延
伸工程前、または延伸工程中に架橋構造が十分形成され
ると、延伸倍率を高めることができずに繊維強度が不十
分となるばかりでなく、形成された架橋構造が破壊され
つつ延伸されるため、延伸中に繊維が断糸したり、毛羽
が生じることとなる。以上のことから、延伸温度100
℃以上210℃未満、延伸張力0.7g/d以上、延伸
倍率7倍以上、3.25≦logX−logT≦3.4
5(ただし、Xはポリマ−重合度、Tは延伸炉内滞留時
間)の条件下で延伸するのが好ましい。
【0023】延伸温度は100℃以上210℃未満、特
に130〜205℃とするのが好ましい。延伸温度が高
すぎると架橋反応が生じて繊維性能を損なうことなく高
倍率延伸を行うことが困難となり、逆に延伸温度が低す
ぎると延伸倍率を高めることが困難となる。熱延伸は、
ホットローラーやヒートプレート等の加熱体に未延伸糸
を接触させて行う方法、熱媒中で行う方法、熱風加熱浴
中で行う方法、誘電加熱方法を用いる方法等いずれであ
ってよい。延伸張力は0.7g/d以上、さらに0.8
g/d以上とするのが好ましい。延伸張力が低すぎる
と、架橋反応が進行しない程短時間に高倍率延伸を行う
ことが困難となる。延伸倍率は、7倍以上、さらに8倍
以上、特に10倍以上とするのが好ましい。延伸倍率が
低すぎると繊維強度等が不十分となる。
【0024】また、繊維の延伸性はPVA系ポリマ−の
重合度と密接な関係があり、重合度が高いほど滞留時間
を長くとり繊維を十分に昇温して延伸する必要がある。
しかし、架橋剤を含有する繊維は、延伸炉内滞留時間が
長くなりすぎると熱延伸される前に架橋が進行するため
延伸性が大きく阻害されることとなる。ポリマ−の重合
度が低い場合は、架橋の形成が延伸性に与える影響が大
きく、炉内滞留時間を短くする必要があるが、重合度の
高いものに比べて延伸性が高いため炉内滞留時間が比較
的短くても十分な延伸が可能となる。以上のことから、
延伸性及び架橋形成性の点からポリマ−重合度Xと延伸
炉内滞留時間Tを調整する必要があり、logX−lo
gTが3.25以上3.45以下、さらに3.30以上
3.40以下であるのが望ましい。
【0025】logX−logTが本発明で規定の範囲
をはずれると、ポリマ−重合度に比して炉内滞留時間が
長すぎて、延伸が完了する前に架橋構造が形成されて延
伸倍率を高めることができず、また繊維の内部構造が破
壊されて延伸中に延伸中に糸条が切断したり、逆にポリ
マ−重合度に比して炉内滞留時間が短すぎると、紡糸原
糸の温度が十分に昇温しないまま延伸されるため、繊維
性能の向上が不十分となり、また延伸断糸や単繊維断糸
による毛羽が発生する場合がある。なお、ここでいう延
伸炉内滞留時間とは、架橋開始温度以下の温度条件下に
ある延伸炉内に繊維が滞留する時間を示し、具体的に
は、架橋開始温度以下にある延伸炉の炉長(m)を延伸
入速(m/分)で除することにより算出できる。
【0026】かかる条件下で繊維を延伸し、硫酸アンモ
ニウムが分解する寸前の温度(210℃未満)で延伸を
ほぼ完成させ、次いで、硫酸アンモニウムが分解してア
ンモニアが飛散する温度210℃以上の温度領域で熱処
理(延伸熱処理及び/または未延伸熱処理及び/または
熱収縮処理)を行う。このような温度条件で繊維を熱処
理することにより、繊維中に含まれている硫酸アンモニ
ウム(リン酸アンモニウム)が分解してアンモニアが飛
散し、残存した無機塩がPVA系ポリマーの脱水反応に
関与したラジカル架橋を発現させることにより、PVA
系ポリマーの架橋反応が生じる。熱処理温度が低すぎる
と架橋剤が実質的に分解しないため、架橋構造を発現さ
せることができない。PVAの分解を抑制する点から
は、熱処理温度を250℃以下、特に240℃とするの
が好ましい。
【0027】熱処理は未延伸熱処理、延伸熱処理、熱収
縮処理のいずれでも、または複数の処理を組み合わせて
施してもよい。架橋反応開始温度未満の温度条件下で実
質的に延伸(未架橋延伸)を完了させておくのが望まし
く、全延伸倍率の70%以上、特に80%以上を未架橋
延伸しておくのが望ましい。架橋反応開始温度以上の温
度条件下で極僅かに延伸(架橋延伸)を施した場合に
は、より一層繊維性能を改善できる。架橋延伸を施す場
合、その熱処理温度は210℃以上240℃以下である
のが好ましい。該温度領域で僅かに延伸を行う場合に
は、架橋の存在による延伸阻害は実質的になく、繊維性
能をより一層高めることができる。架橋延伸は、多段
(特に2段)の昇温条件下とするのが好ましく、特に2
段延伸の延伸温度は、1段延伸の延伸温度より5〜20
℃程度高温で行うのが好ましい。全延伸倍率は7倍以
上、特に9倍以上とするのが好ましい。
【0028】特に、未架橋延伸と架橋延伸を連続的に行
う場合には、延伸糸の分子運動が激増して分子鎖の絡み
がなくなり、ポリマ−間の滑りが発生して糸条の延伸張
力及び延伸性が低下するのを防ぐため、熱処理温度と延
伸張力を管理することは極めて重要である。延伸張力
は、ヤ−ンデニ−ル当たり0.7〜2g/d、特に0.
8〜1.8g/dとするのが好ましく、延伸温度は23
5℃以下とするのが好ましい。
【0029】架橋開始温度以下で延伸を施した未架橋繊
維及び/または架橋延伸を施した繊維は、熱安定性の点
から、固定熱処理(熱収縮処理)を施すのが好ましい。
熱収縮させる際の温度としては熱延伸の最高温度より1
〜10℃高い温度を採用するのが好ましく、具体的には
210〜250℃で熱処理するのが好ましい。熱収縮率
としては0〜20%の範囲が用いられる。もし熱延伸時
に十分に架橋反応が進んでいない場合には、この熱収縮
処理時に架橋反応を行わせることも可能であり、主とし
て熱延伸処理時に架橋反応が生じるようにしてもよい
し、また主として熱収縮処理時に架橋反応が生じるよう
にしてもよい。
【0030】このような熱処理を行った繊維は、一旦巻
き取ったのち或いは巻き取ることなく連続して、通常オ
イリング工程に送られる。本発明方法では、繊維中に残
存している硫酸やリン酸を中和除去する目的で、水酸化
ナトリウムで代表されるアルカリ化合物を含む油剤を用
いるのが好ましい。しかしながら、アルカリ化合物単独
ではアンモニウム塩の中和は行うことができず、ホルマ
リンによりアンモニウムを反応させて、そして遊離した
硫酸及びリン酸を水酸化ナトリウムで中和することによ
り、繊維を中性化することができる。したがって、オイ
リングに用いる油剤液には水酸化ナトリウム及びホルマ
リンを含んでいることが好ましい。オイリング液を糸条
に付与する方法としては種々の方法があるが、通常行わ
れているローラータッチ方式で十分である。マルチフィ
ラメントのト−タルデニ−ルは適宜設定すればよいが、
100〜8000d、特に500〜3000dとするの
が好ましく、モノフィラメントのデニ−ルは0.1〜1
000d、特に1〜100dとするのが好ましい。
【0031】以上の方法により耐疲労性に優れたPVA
系繊維が得られるが、一般に架橋反応が進むにしたがっ
て得られる繊維のヤーン強度は低下することとなるが、
本発明方法により4g/d以上のヤーン強度を有する繊
維が得られる。本発明で規定するゲル弾性率と熱水収縮
率を満足する繊維は、このように、原液に添加する架橋
剤の量と特定の熱処理温度を採用することにより得られ
る。
【0032】本発明により得られる繊維は、あらゆる用
途に使用することができるが、特にブレ−キホ−ス用補
強材として優れた性能を有している。ブレ−キホ−スは
従来公知の方法で製造すればよいが、たとえば、本発明
により得られたPVA系繊維のヤ−ンに撚をかけ、次い
でレゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)接着
剤液を処理して乾燥熱処理を行い、得られたコ−ドを編
組した補強材を用いてブレ−キホ−スを製造すればよ
い。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的
に説明する。 [引張強度g/d、初期弾性率g/d]JIS L−1
013の方法に準じて行なった(つかみ間隔25cm、
引張速度30cm/分、測定回数12回の平均値)。 [耐疲労性%]1200drのヤーンを用い、1200
dr/1×2、撚数20×20t/10cmのコードと
し、JIS L−1017−1983 参考規格3.
2.1.項A法に基づき疲労試験試料を作成してベルト
屈曲疲労試験を実施した。この際、プーリー径を直径2
5mmとし、温度100℃で3万回屈曲を繰り返し、疲
労試験前のコード強力に対する強力保持率を算出した。
【0034】[ゲル弾性率E ×10-3]架橋された試
料ヤーンに1gの初荷重をかけ、50℃、50%ZnC
2 水溶液に1〜3分間入れて未架橋部を溶出させる。
次いでZnCl2 水溶液中で十分に収縮が起こったとこ
ろで試料長l1 を読み、順次荷重を2〜20gまで変え
て、ZnCl2 水溶液中での試料長l2 を読む。荷重と
試料長のグラフより傾きを読みとり、それを処理前ヤー
ンデニール(D)で除してもとめた。即ち、このゲル弾
性率は次式で求められる。 E=W/(l2 −l1 )×D (g/cm・dr)
【0035】[熱水収縮率Wsr %]試料ヤーンにヤ
ーンデニールに対して1/500gの荷重(デニール当
たり2mg)をかけ、沸騰水(100℃)を満たした開
放容器の中間に吊るし、30分間沸騰、浸漬した後収縮
したヤーン長を読み、処理前ヤーン長で除して求めた。 [架橋剤の含有量]架橋剤を含有した延伸前の未架橋糸
を微量全窒素分析装置で窒素量を測定し求めた。
【0036】[実施例1]重合度3300(logX=
3.52)の完全ケン化PVAに架橋剤として硫酸アン
モニウムをPVAに対して0.05重量%添加した含水
造粒チップを押出機を用いて紡糸原液とした。この紡糸
原液を165℃に加熱し孔径0.1mm、ホール数20
0の口金から70℃の空気中に吐出して乾式紡糸を行な
い、巻取機により160m/min速度で巻き取った。
次いで、205℃(炉長24m)の熱風加熱浴を用い、
延伸入口速度18.0m/min(logT=0.1
2)、logX−logY=3.40、延伸張力1.4
g/dの条件下で9.5倍延伸し、さらに210℃(6
m)、230℃(6m)の熱風加熱浴を通過させて全延
伸倍率10.5倍となるように加熱延伸し、次いで連続
して内部温度が245℃に設定された熱処理機中(長さ
30m)でリラックス率3%の熱収縮処理し、1200
dr/200fの繊維を得た。結果を表1に示す。
【0037】[実施例2]重合度1700(logX=
3.23)の完全ケン化PVAに架橋剤として硫酸アン
モニウムとリン酸アンモニウムを重量比で60:40に
混合し、該混合物をPVAに対して0.20重量%添加
した含水造粒チップを押出機を用いて紡糸原液とした。
この紡糸原液を150℃に加熱し孔径0.1mm、ホー
ル数200の口金から70℃の空気中に吐出して乾式紡
糸を行ない、巻取機により160m/min速度で巻き
取った。次いで、195℃(炉長24m)の熱風加熱浴
を用い、延伸入口速度32.4m/min(logT=
−0.13)、logX−logY=3.36、延伸張
力0.8g/dの条件下で10倍延伸し、さらに210
℃(6m)、230℃(6m)の熱風加熱浴を通過させ
て全延伸倍率11倍となるように加熱延伸し、次いで連
続して内部温度が245℃に設定された熱処理機中(長
さ30m)でリラックス率3%の熱収縮処理し、120
0dr/200fの繊維を得た。結果を表1に示す。
【0038】[実施例3]重合度2400(logX=
3.38)の完全ケン化PVAに架橋剤として硫酸アン
モニウムとリン酸アンモニウムを重量比で55:45に
混合し、該混合物をPVAに対して0.20重量%添加
した含水造粒チップを押出機を用いて紡糸原液とした。
この紡糸原液を160℃に加熱し孔径0.1mm、ホー
ル数200の口金から70℃の空気中に吐出して乾式紡
糸を行ない、巻取機により160m/min速度で巻き
取った。次いで、205℃(炉長24m)の熱風加熱浴
を用い、延伸入口速度23.4m/min(logT=
0.01)、logX−logY=3.37、延伸張力
1.1g/dの条件下で10倍延伸し、さらに210℃
(6m)、230℃(6m)の熱風加熱浴を通過させて
全延伸倍率11倍となるように加熱延伸し、次いで連続
して内部温度が245℃に設定された熱処理機中(長さ
30m)でリラックス率3%の熱収縮処理し、1200
dr/200fの繊維を得た。結果を表1に示す。
【0039】[比較例1]重合度1700(logX=
3.23)の完全ケン化PVAを用い、架橋剤を混合し
ない以外は実施例1と同様にして紡糸原糸を得た。この
紡糸原糸を、70℃(炉長24m)の熱風加熱浴を用
い、延伸入口速度32.4m/min(logT=−
0.13)、logX−logY=3.36、延伸張力
0.6g/dの条件下で10倍延伸し、さらに210℃
(6m)、230℃(6m)の熱風加熱浴を通過させて
全延伸倍率11倍となるように加熱延伸し、次いで連続
して内部温度が245℃に設定された熱処理機中(長さ
30m)でリラックス率3%の熱収縮処理し、345.
7m/minの速度で捲取り、1200dr/200f
の繊維を得た。結果を表1に示す。
【0040】[比較例2]比較例1で得られた繊維を用
いて、硫酸アンモニウムとリン酸アンモニウムを重量比
で60:40に混合し、2000ppmに調整した水溶
液を付与して120℃で乾燥し、さらに連続して内部温
度が235℃に設定された熱処理機中でリラックス率0
%(定長)として熱処理した。結果を表1に示す。得ら
れた繊維は架橋班がおり、引張り強度、初期弾性率、耐
疲労性、ともに劣るものであった。
【0041】[比較例3]架橋剤としてリン酸アンモニ
ウムをPVAに対して0.20重量%配合した以外は、
実施例2と同様の行った。結果を表1に示す。
【0042】[比較例4]重合度1700の完全ケン化
PVAを用い、架橋剤としてリン酸をPVAに対し0.
20重量%混合した以外は実施例2と同様にして乾式紡
糸を行ったが、原液中で架橋が発生し紡糸圧力の上昇に
伴う吐出不良が発生して紡糸不能であった。しかたなく
紡糸温度を90℃まで低下させて実施例2と同様に繊維
を製造したが、架橋が発現している為か総延伸倍率は
7.1倍となりヤーン強度は2.8g/drに低下し
た。結果を表1に示す。
【0043】[比較例5]重合度3300(logX=
3.52)の完全ケン化PVAに架橋剤として硫酸アン
モニウムをPVAに対して0.80重量%添加した以外
は実施例1と同様に紡糸、延伸を行った。しかしなが
ら、延伸工程で延伸毛羽が多発したため延伸倍率を8倍
に変更したが延伸毛羽の発生は改善できず、糸質及びヤ
−ン強度は極めて低いものであった。結果を表1に示
す。
【0044】[比較例6]実施例2と同様にして得られ
た紡糸原糸を、195℃(炉長24m)の熱風加熱浴を
用い、延伸入口速度24.0m/min(logT=
0.00)、logX−logY=3.23、延伸張力
0.8g/dの条件下で8倍延伸した以外は実施例2と
同様に行った。架橋反応が激しく延伸断糸が多発し、か
ろうじて得られた繊維の性能も低いものであった。結果
を表1に示す。
【0045】[比較例7]実施例2と同様にして得られ
た紡糸原糸を、195℃(炉長24m)の熱風加熱浴を
用い、延伸入口速度37.0m/min(logT=−
0.19)、logX−logY=3.42、延伸張力
0.8g/dの条件下で11倍延伸した以外は実施例2
と同様に行った。しかしながら、延伸に必要な加熱が不
十分であるため延伸毛羽が多発し、かろうじて得られた
繊維も糸質の悪いものであった。結果を表1に示す。
【0046】[比較例8]熱風加熱浴の温度を195℃
から218℃(炉長24m)にした以外は、実施例2と
同様に紡糸・延伸を行ったが、延伸時に架橋構造が発現
しているため実質的に延伸を行うことができなかった。
結果を表1に示す。 [比較例9]重合度2400のPVAを濃度12重量%
になるように90℃のジメチルスルホキシド(DMS
O)に溶解し、架橋剤として硫酸アンモニウムとリン酸
アンモニウムを重量比で60:40に混合し、混合物を
PVAに対して0.15重量%添加した紡糸原液を80
ホ−ルのノズルより吐出させ、メタノ−ル/DMSO=
7/3重量比、5℃の凝固浴中に乾湿式紡糸した。さら
に40℃メタノ−ル浴で4倍湿延伸し、次いで80℃で
乾燥した。得られた乾燥糸を分析したが架橋剤は検出さ
れず、凝固浴への溶出が起こっており、該延伸糸の耐疲
労性も劣るものであった。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】[実施例4]実施例1〜3で得られた各P
VA系繊維束(1200d/200f)に、90回/m
の撚りを与え、次いで下記のRFLに浸漬し、110℃
で2分間乾燥させた後、160℃で2分間熱処理した
(RFL付着率5%)。 (RFL液組成) A液: 水 300重量部 レゾルシン 11重量部 ホルムアルデヒド(37%) 24重量部 水酸化ナトリウム水溶液(10%) 11重量部 上記A液を25℃の温度で6時間熟成した。 B液: SBRラテックス 130重量部 ビニルピリジン変性SBRラテックス 130重量部 水 260重量部 上記B液を熟成済のA液と混合した後、25℃の温度で
16時間熟成した。なお、SBRとは、スチレンブタジ
エンゴムの略である。
【0050】次に、外径3.2mmのマンドレルに内層
ゴム層としてSBRゴムを押出し、内層ゴム層上に第1
繊維補強層として1200drの処理糸を2本合糸した
ものを20キャリア数で編組した。次いで厚さ0.2m
mのクッションゴム(中間ゴム層)を巻き付けた後、1
200drの処理糸を3本合糸したコ−ドを24キャリ
ア数で編組して第2繊維補強層を形成し、さらにエチレ
ンプロピレンゴム系のカバ−ゴム(外層ゴム層)を押し
出して被覆した。次いで150℃のスチ−ム蒸気下で加
硫した後、長さ300mmに切断して両端に金具を取り
付けてホ−スを製造した(ホ−ス外径10.5mm)。
このホ−スに、ホンダ社製純正ブレ−キ液DOT−4液
を充填し、100℃で0〜100kgf/cm2 の圧力
を70回/分の頻度でインパルス的に付加し、ホ−スが
破損してブレ−キ液が漏洩するまでのインパルス回数を
測定した。その結果、いずれのブレ−キホ−スも3万回
でも液の漏洩はなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明のPVA系繊維は、強度、初期弾
性率、及び耐疲労性に優れているためPVA繊維の代表
的な用途であるオイルブレーキホース、コンベアベルト
等ゴム補強材料、あるいはセメント、プラスチック等の
補強材料としての用途の拡大が可能である。また、本発
明の製造法によれば、商業的に入手可能な、重合度15
00以上3000未満のPVAを用いて、強度、初期弾
性率、及び耐疲労性に優れたPVA繊維を低コストで生
産性よく製造することが可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系ポリマーからな
    り、ゲル弾性率0.05×10-3〜8.0×10-3g/
    cm・dr、熱水収縮率(Wsr)10%以上、強度4
    g/d以上のポリビニルアルコール系繊維。
  2. 【請求項2】 請求項第1項に記載のポリビニルアルコ
    ール系繊維からなるゴム補強材。
  3. 【請求項3】 請求項第1項に記載のポリビニルアルコ
    ール系繊維からなるオイルブレ−キホ−ス補強材。
  4. 【請求項4】 請求項第1項に記載のポリビニルアルコ
    ール系繊維を補強材とするオイルブレ−キホ−ス。
  5. 【請求項5】 硫酸アンモニウムを0.025〜0.4
    重量%含有するポリビニルアルコ−ル系ポリマ−の溶液
    を乾式紡糸し、乾燥して得られた糸条を、延伸温度10
    0℃以上210℃未満、延伸張力0.7g/d以上、延
    伸倍率7倍以上、3.25≦logX−logT≦3.
    45(ただし、Xはポリマ−重合度、Tは延伸炉内滞留
    時間)の条件下で延伸後、210℃以上で熱処理して架
    橋せしめるポリビニルアルコ−ル系繊維の製造方法。
  6. 【請求項6】 硫酸アンモニウムとリン酸アンモニウム
    を重量比で50:50〜80:20で含有し、かつ該硫
    酸アンモニウムと該リン酸アンモニウムの合計含有量が
    ポリビニルアルコ−ル系ポリマーに対して0.05〜
    0.5重量%であるポリビニルアルコ−ル系ポリマーの
    溶液を乾式紡糸し、乾燥して得られた糸条を、延伸温度
    100℃以上210℃未満、延伸張力0.7g/d以
    上、延伸倍率7倍以上、3.25≦logX−logT
    ≦3.45(ただし、Xはポリマ−重合度、Tは延伸炉
    内滞留時間)の条件下で延伸後、210℃以上で熱処理
    して架橋せしめるポリビニルアルコ−ル系繊維の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014001479A (ja) * 2012-06-19 2014-01-09 Nippon Nozzle Co Ltd 乾式紡糸装置

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