JPH0941072A - 熱間圧延用ロール、ロール外層材及び熱間圧延用ロールの製造方法 - Google Patents
熱間圧延用ロール、ロール外層材及び熱間圧延用ロールの製造方法Info
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- JPH0941072A JPH0941072A JP20931795A JP20931795A JPH0941072A JP H0941072 A JPH0941072 A JP H0941072A JP 20931795 A JP20931795 A JP 20931795A JP 20931795 A JP20931795 A JP 20931795A JP H0941072 A JPH0941072 A JP H0941072A
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Abstract
ンディング性に優れており、然もロール内部に欠陥のな
い熱間圧延用ロール、ロール外層材及び熱間圧延用ロー
ルの製造方法を提供すること。 【構成】 重量比で、C:2.5 〜4.0 %、Cr:6.0 〜
20%、V:3.0 〜10.0%以下、Nb:0.6 〜5.0 %、M
o:2.0 〜15%、Si:3.0 %以下、Mn:3.0 %以下
を有し、Mo/Cr比が0.25以上であり、かつ下記(1)
式を満足し、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%) …(1) 残部Fe及び不可避的不純物よりなるロール外層材を有
する熱間圧延用ロールである。
Description
性を兼備し、かつ、製造時又は圧延使用時に折損等の事
故のない熱間圧延用ロール、ロール外層材及び熱間圧延
用ロールの製造方法に関する。
製造された130 〜300mm 厚程度のスラブを、加熱炉にて
加熱し、或いは熱片のまま受け取り、粗圧延機及び仕上
げ圧延機にて熱間圧延して1.0 〜25mm厚程度のストリッ
プとし、コイラでコイルに巻取り、冷却後、各種精整ラ
インで各種精整処理を行って製造される。従来、仕上げ
圧延機のワークロールの外層材は、高Cr鋳鉄、アダマ
イト及びNiグレン鋳鉄等が使用されてきた。また、ワ
ークロールの内層材は、靱性の良いねずみ鋳鉄、又はダ
クタイル鋳鉄が使用されてきた。そして、それらの外層
材と内層材を主として遠心力鋳造して製造した複合ロー
ルが使用されてきた。
ける生産性向上の要求等から、より一層の耐摩耗性を備
えた圧延用ロールの提供が要求された。
公報、特開昭60ー124407 号、特開昭61-177355 号には、
従来の遠心力鋳造ロールの外層材として高V鋳鉄を用い
ることが提案されている。
の外層材として高V鋳鉄を用いると、比重の小さいV炭
化物が遠心分離し、ロール外層材内の特性が肉厚方向で
不均一になるという欠点があり、そのため、米国特許5,
316,596 号、特開平4-365836号、特開平5-1350号、特開
平5-339673号のようにNbを複合添加することにより、
偏析を防止する方法も提案されている。
単独の炭化物(比重5.77)よりも比重が大きくなって、
母溶湯の比重(7.0 )に近づくので初晶の炭化物の偏析
が少なくなることを発見し、Nb/Vの比を2.0 以上に
とりさらに共晶炭化物の偏析を防止するためにWを基本
的には添加しないことが提案されている。
の知見によれば、前述したような高V或いは高V−Nb
材からなるロール外層材は耐摩耗性を著しく向上する点
では有利であるが、圧延中に硬質なV炭化物やNb炭化
物(MC炭化物)がロール表面に凸状に浮き出し、その
スパイク作用によって被圧延材とロール表面の摩擦係数
を増大させる。その結果として、このような外層材を備
えたロールでは、(a) 圧延荷重が過大になる、(b) 摩擦
発熱によって被圧延材表面に2次スケールが生成し、被
圧延材の肌荒れを発生させる、(c) 高圧下圧延では摩擦
発熱が過大になってロール表面が損傷し、被圧延材の肌
荒れを発生させるという問題が発生するようになった。
ロールの組み替えまでの圧延量が増大し、そのためロー
ル表面が表面直下での疲労のため、圧延中に剥離する
(以降バンディングと呼ぶ)という新たな問題も発生す
るようになった。
ルを熱間圧延仕上げ前段ミル等、熱的負荷の大きい環境
で使用された場合に顕著に現われる。
ールに係る負荷が増大し、そのためロール製造中に発生
したわずかな欠陥を起点として、ロール折損事故を引き
起こす場合もあった。
耐摩耗性に優れておりながら、摩耗係数が低く、これに
よって上記(a) 〜(c) の問題を解決することを目的とす
るものである。
用する際のバンディングの問題を解決するものである。
それによってロールの使用中の折損事故を防止し得る熱
間圧延用ロールの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
は、重量比で、C:2.5 〜4.0 %、Cr:6.0 〜20%、
V:3.0 〜10.0%以下、Nb:0.6 〜5.0 %、Mo:2.
0 〜15%、Si:3.0%以下、Mn:3.0 %以下を有
し、Mo/Cr比が0.25以上であり、かつ下記(1) 式を
満足し、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%) …(1) 残部Fe及び不可避的不純物よりなるロール外層材を有
する熱間圧延用ロールである。
いてロール外層材がさらに、W:1.0 %以下、Co:5.
0 %以下、Ni:1.0 %以下の1種又は2種を含有する
ロール外層材を有するようにしたものである。
C:2.5 〜4.0 %、Cr:6.0 〜20%、V:3.0 〜10.0
%以下、Nb:0.6 〜5.0 %、Mo:2.0 〜15%、S
i:3.0%以下、Mn:3.0 %以下を有し、Mo/Cr
比が0.25以上であり、かつ下記(1) 式を満足し、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%) …(1) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる熱間圧延用ロール
外層材である。
いてさらに、W:1.0 %以下、Co:5.0 %以下、N
i:1.0 %以下の1種又は2種を含有するようにしたも
のである。
C:2.5 〜4.0 %、Cr:6.0 〜20%、V:3.0 〜10.0
%以下、Nb:0.6 〜5.0 %、Mo:2.0 〜15%、S
i:3.0%以下、Mn:3.0 %以下を有し、Mo/Cr
比が0.25以上であり、かつ下記(1) 式を満足し、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%) …(1) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる熱間圧延用ロール
外層材を遠心力鋳造し、ついでC: 0.5%以上を含有す
る黒鉛鋼を中間層として遠心力鋳造し、更に軸材を鋳造
する熱間圧延用ロールの製造方法において、前記中間層
が下記(2) 式を満足するC量で鋳造されるようにしたも
のである。 C(中間層)≧2.0-0.5 ( C-0.2V-0.11 Nb)(外層) …(2)
いて熱間圧延用ロール外層材がさらに、W:1.0 %以
下、Co:5.0 %以下、Ni:1.0 %以下の1種又は2
種を含有するようにしたものである。
いは高V−Nbロール外層材の場合、組織は粒状炭化物
(主にV、Nb炭化物)、共晶炭化物(主にCr、M
o、Fe炭化物)、基地に分けられる。圧延中は硬度の
低い基地が選択的に摩耗し、硬度の高い粒状炭化物、共
晶炭化物が凸部になっている。摩擦係数が増大するのは
粒状炭化物がその形状から突起としての役割をすること
と、組織中のかなりの多くの面積を占める基地とに大き
な段差が生じるためである。そこで、熱間圧延での、圧
延荷重の過大化や被圧延材表面への2次スケールの生成
を防止して被圧延材の肌荒れ発生を防止するためには、
粒状炭化物の量と形状を変えるか、粒状炭化物とそれ以
外の部分との段差を少なくして、摩擦力を低下させるこ
とを考えれば良い。
いで、硬度の高い共晶炭化物を生成させることが可能で
ある。従って、ロール外層材の組織中に共晶炭化物を増
加させることで粒状炭化物とそれ以外の部分との段差を
少なくし、ロール外層材の摩擦係数を低下させることが
可能である。
ディングを抑制するには、粒状炭化物、共晶炭化物、及
び基地組織を強化することが有効と考えられる。従っ
て、ロールに添加する適切な合金元素量を増大すれば、
固溶或いは析出強化によって耐疲労性(耐バンディング
性)を改善することが可能と考えられる。
段に用いて好適である。このとき、熱間仕上げ前段と
は、ミルの全スタンドがnスタンドのとき、第1スタン
ドから第n/2スタンド(nが奇数の場合は第[n/2
+0.5 ]スタンド)までで、一般的にはスタンド出側で
の板の温度が 850〜900 ℃、仕上げスタンドに入る前の
板厚を基準にしたトータルの圧下率で85〜90%までの圧
延を行うロール群をさす。
られる。 C:2.5 〜4.0 % Cはロール外層材の耐摩耗性を向上するための硬い炭化
物形成に必須の元素である。2.5 %未満では、炭化物量
が不足して、耐摩耗性が劣ると共に摩擦係数も増大し
て、肌荒れ性の原因となる。一方、4.0 %を超えても摩
擦係数低減効果が飽和するばかりか、耐摩耗性が劣化す
る。尚、好適範囲は、2.8 〜3.5 %である。
し、3.0 %を越えるとその効果は飽和する。そのため、
上限を3.0 %とする。尚、好適範囲は0.1 〜1.5%であ
る。
めに添加するのが好ましい。しかし3.0 %を越えるとそ
の効果は飽和する。そのため、上限を3.0 %とする。
尚、好適範囲は0.1 〜1.2 %である。
る。また、基地中に固溶して基地組織を強化し疲労特性
を改善するとともに、ロールの黒皮の密着性を向上する
ため、重要かつ必要な元素で6.0 %以上添加するが、20
%を超えても耐摩耗性効果が飽和するばかりか、耐焼付
き性が劣化するため上限を20%とする。尚、好適範囲は
8.0 〜20%である。
有効であるとともに、炭化物中に濃化して炭化物を強化
する。また耐バンディング性が高められる。この効果を
得るためには2.0 %以上必要であるが、15%を越えると
その効果は飽和するため、15%を越えて添加する必要は
ない。
労試験を行った後の、試料表面の炭化物への疲労クラッ
ク発生個数とMo、Cr量の関係を示す。Moが2.0 %
を越えるとクラック個数が半減し、約15%まではMo量
が多くなる程、クラック個数が減少しており、Moの効
果が明らかである。また、Crが多い方が、その効果が
大きいことも示されている。本発明におけるMoの好適
範囲は 3〜12%である。
囲が存在する。図5は図4で示した結果を横軸にMo/
Cr比をとって整理しなおしたものである。
とによってクラック発生個数が著しく減少し、0.3 〜1.
0 の範囲で最小になることがわかる。従ってバンディン
グ防止のためにはMo/Cr比を0.25以上、好ましくは
0.3 〜1.0 とするのがよい。
広がる優位点がある。ロール径の大きなものに対し、よ
り有効である。従って必要に応じて添加される。但し、
1.0 %を越えると残留γの存在など不安定組織を形成す
るため好ましくなく、上限を1.0 %とする。
おいては、Wを添加してもロールの耐摩耗性、耐肌荒れ
性(摩耗係数の減少)を向上する作用はない。また、1.
0 %を越えて含有すると、炭化物の偏析を促進せしめ
(遠心鋳造時には更に偏析が顕著になる)、耐摩耗性と
耐肌荒れ性を劣化させる。従って、本発明においてはW
を添加しないほうが好ましいが、添加又は不純物として
含有される場合においても1.0 %以下にする必要があ
る。
要に応じて添加する。ただし、本発明のロールの耐摩耗
性、耐肌荒れ性を向上する作用は小さく、ロールの使用
上メリットは低い。従って経済性の観点から上限を 5%
とする。
炭化物を形成するための必須元素で、その効果を発揮す
るためには3.0 %以上必要であるが、10.0%を越えると
その効果が飽和するとともに、溶解時のV合金の溶解不
良、溶湯の流動性低下等の製造上の問題を生じるため上
限を10.0%とする。尚、その好適範囲は4.0 〜7.0 %で
ある。
型炭化物を形成するとともに、V炭化物の偏析を抑制し
て、遠心鋳造した場合でもMC型炭化物が均一に分散し
た外層が得られる。その効果を発揮するためには0.6 %
以上必要であるが、5.0 %を超えるとその効果が飽和す
るとともに溶解時のNb合金の溶解不良、溶湯の流動性
低下等の製造上の問題を生じるため上限を5.0 %とす
る。また、Nb及びVは、単独添加では粗大な塊状炭化
物或いは樹枝状炭化物となり、耐摩耗性が著しく劣化す
ることからNbとVは必ずVと併用する必要がある。N
bの好適範囲は1.0 〜3.0 %である。 パラメータ:10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・
Nb(%)≦2・Cr(%) −2(%)
することにより優れた耐摩耗性と耐肌荒れ性を兼備した
ロールが得られる点である。通常、高V−Nbロール
は、硬質なV(Nb)Cを形成することによって耐摩耗
性が著しく増大するが、その結果、摩擦係数が増大し
て、板の肌荒れを生じて製品に重大な問題を及ぼすよう
になった。そこで、VとNbによって消費されるC量を
想定した式(6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) )
を導き出すと共に、添加されたCの総量との関係を求
め、摩擦係数との相関を調べた結果、図1が得られた。
即ち、高V−Nb系組成において、熱間圧延仕上げ前段
用としても好適な高Cr鋳鉄並の摩擦係数(約0.28)を
得るためには、式(10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%)
−0.7・Nb(%))を満足する必要があることが明らかと
なった。
量が低くなると耐摩耗性と耐疲労性が著しく低下する現
象が確認された。上式を満足する組成では、共晶炭化物
が多量に形成されるが、Cr量が少ない場合には、共晶
炭化物中に分配されるCr量が低減して耐摩耗性が劣化
すると考え、6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%)と
Cr量の関係を求め、摩耗量との相関を調べた結果、図
2が得られた。即ち、10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V
(%) −0.7・Nb(%) を満たし、摩擦係数を低減せしめた
場合において、更にもう1つの特徴である、6.5・C(%)
−1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%)を満足
する組成とすることによって耐摩耗性に優れたロールが
得られることが明らかとなった。
を兼備した高V−Nbロールを得るためには、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・
Cr(%) −2(%) を満足した組成にしなければならない.尚、図1、図
2、図4は、実施例の結果に基づくものである。
にあたり、中間層のC量を限定する意味について説明す
る。
界部、中間層/内層境界部は冶金的に接合され、その境
界部には収縮巣等の欠陥を生じさせない必要がある。工
程的には境界欠陥の有無はロール外面からの超音波探傷
によって調査できるが、非工程的に折損ロールについて
は折損後、無折損ロールについては廃却後に境界部を切
断調査したところ、折損ロールについては外層/中間層
境界部に収縮巣欠陥が存在していたことがわかった。
発生する。遠心鋳造では冷えた金型に対し、まず外層を
鋳込む。凝固は金型に接する外側より進み、外層全体が
一旦凝固した後に中間層を鋳込む。鋳込まれた中間層は
外層内面側を一部再溶解し、その後金型、外層を通した
冷却によって、再溶解した外層及び中間層(外層成分が
再溶解で混入している)が凝固する。このとき、外層の
融点が中間層の融点より高いか同じであれば、金型に近
い外面側から内面側に順次凝固していくのは明かであ
る。然し、外層の融点が中間層の融点より低い場合、中
間層が先に凝固し、その後、外層/中間層境界部の外層
よりの部分が凝固する場合がある。そのとき、外層の凝
固収縮率によっては収縮巣が発生する。
次いで中間層を鋳込み、更に軸材(内層;球状黒鉛鋳
鉄)を静置鋳造した後、外表面より外層と中間層の超音
波探傷により内層と中間層の境界欠陥の有無を調べた。
図3から境界欠陥が実質的に問題ない範囲は、 C(中間層)≧-0.5(C-0.2V-0.11 Nb)(外層)+2.0 …(2) であることが明かとなった。
の値であり、外層を再溶解し、混入した分を含まない。
また上記(2) 式の外層のC、V、Nb温度は鋳込時の値
であり、製造後、外層として確認できる部分のそれに等
しい。
ール外層と中間層の境界部の超音波探傷結果から次のよ
うに超音波探傷指数を求め判定したものである。超音波
探傷欠陥指数は超音波探傷で認められた欠陥総面積に標
準欠陥試料に対する反射エコーピーク比を掛け合わせた
ものであり、反射エコーピーク比0.2 以上を「境界部ザ
ク巣欠陥あり」として取り扱った。これはロールの外層
/中間層境界の超音波探傷を行うと健全部においても外
層/中間層の組織差に起因する反射エコーが0.15程度は
あるためである。
陥試料は肉厚100mm のC:4.2 %、Si:0.5 %、M
n:0.5 %、Cr:7.2 %、Mo:3.1 %、V:6.0
%、Nb:2.2 %、からなるもので肉厚方向50mmの位置
に2mm の欠陥を入れたものである。
かわらず、0.5 %以上であることが望ましい。0.5 %未
満の場合、溶湯の粘度が高く、遠心鋳造時に金型内部に
均等に湯が回らず、場所ごとの外層の溶込み量に変動が
大きすぎ、ロールとしての使用層が確保できなくなるた
めである。
1000℃から焼入れ、550 ℃で焼戻し処理を行ない、試験
材を作成した。摩耗試験は、φ190 ×15の相手材とφ50
×10の試験片の2円盤の滑り摩耗方式で、相手材を900
℃に加熱し、荷重100kgfで圧接し、試験材を水冷しなが
ら、試験片を800rpmで回転させた。試験片の表面損傷を
増大するとともに摩擦係数の相対評価を可能にするた
め、すべり率を14.2%として120 分間試験を行い、摩耗
減量と平均摩擦係数を調べた。
式10(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%)−0.7・Nb(%) を逸
脱したB-1 〜B-8 の試料は、摩擦係数が高Cr鋳鉄に比
べて約3割も高く、圧延ロールとして使用した場合に
は、圧延加量が増大するため、板の肌荒れが問題とな
る。また、本発明の限定式6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.
7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%)を逸脱したD-1 〜D-5 の
試料は、耐摩耗性が著しく低下している。これら比較材
に対し、本発明材は、摩擦係数が高Cr鋳鉄並で然も耐
摩耗性は、高Cr鋳鉄の7倍を示している。
した比較例、資料C-3 はNbの含有量を逸脱した比較例
で、いずれも耐摩耗性が著しく劣化していることが明か
である。
適化し、C、Cr、V、Nb量を相互に限定するとによ
り、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が低く、然るに耐肌荒れ
性に優れた、熱間圧延仕上げ前段に用いても好適な熱間
圧延用ロール外層材を得ることができる。
層材(肉厚40mm)を鋳込み、その後更に内層材を静置鋳
造にて胴径800mm 、胴長2400mmの複合ロールを製造し
た。外層材及び中間材の組成を表3に示す。尚、内層材
にはいずれも球状黒鉛鋳鉄を鋳造した。表4に各ロール
の境界部ザク巣欠陥指数を示す。ここでG-1 〜G-6 は
(2) 式の限定式を逸脱した比較例である。
指数が高く、うちG-2 、G-5 のロールが熱処理時に割損
したため、G-1 〜G-5 のロールは圧延使用時に事故の危
険があると判断し、使用を中止した。
なり、中間層のC量はC≧2.0-0.5(C-0.2V-0.11 N
b)(外層材の成分)にすることにより、ロール内部に
欠陥のない熱間圧延用ロールを製造できることを見出し
た。
1000℃から焼入れ、550 ℃で焼戻し処理を行い、試験片
を作製した。試験はφ190 ×15の相手材とφ50×10の試
験片の2円盤のすべり接触方式で、相手材を800 ℃に加
熱し、荷重130kg で圧接し、試験片を水冷しながら800r
pmで回転させ、すべり率14.2%の条件で200 分試験を行
い、試験終了後の試験片表面をSEM観察し、炭化物へ
のクラック発生個数を調べた。
図4に示す。クラック発生個数は、Mo量が 2%以上に
なると半減し、約15%まではMo量が多くなる程、クラ
ック数が減少している。また、7 %Cr材よりも、9 %
Crの方がクラック発生個数が少ないことから、Cr量
の効果も表われている。
労や熱疲と、すべり応力の相乗作用によって発生する。
従って、本実験で得られた結果は、実圧延でのロール表
面の疲労をシミュレートするものであり、本発明材が耐
バンディング性に優れることが明白である。
いて、本発明のF3、F4及び比較材のG6について、
1050℃から焼き入れし、その後550 ℃にて焼き戻しを行
う熱処理を行い、実際のホットストリップミルの仕上げ
前段スタンド(第2スタンド)に使用した。
4は、図6に示すように従来ロールの高いCr鋳鉄に匹
敵する圧延荷重が得られるとともに、図7に示すように
高Cr鋳鉄の6倍以上の耐摩耗性が実圧延において確認
された。
V(%)-0.7 Nb(%) =6.29と限定範囲を逸脱する比較材
であり、圧延荷重がCr鋳鉄ロールよりも約2割増加し
て被圧延材の肌荒れが発生した。また、耐摩耗性も本発
明材に比べて劣っていた。
済性の優れた遠心力鋳造によって熱間圧延用ロールを製
造するに際し、外層の耐摩耗性が著しく優れ、かつ、摩
擦係数が低く然るに耐肌荒れ性に優れ、然も同時に耐バ
ンディング性にも優れ、かつ、製造中及び圧延使用中の
折損事故の可能性が非常に少ない熱間圧延用ロールを得
ることができる。
を示す線図である。
相関を示す線図である。
及ぼす影響を示す線図である。
生個数とMo、Cr量の関係を示す線図である。
響を示す線図である。
るロールを圧延荷重について比較した棒グラフである。
るロールを耐摩耗性について比較した棒グラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 重量比で、C:2.5 〜4.0 %、Cr:6.
0 〜20%、V:3.0〜10.0%以下、Nb:0.6 〜5.0
%、Mo:2.0 〜15%、Si:3.0 %以下、Mn:3.0
%以下を有し、Mo/Cr比が0.25以上であり、かつ下
記(1) 式を満足し、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%) …(1) 残部Fe及び不可避的不純物よりなるロール外層材を有
する熱間圧延用ロール。 - 【請求項2】 請求項1においてロール外層材がさら
に、 W:1.0 %以下、Co:5.0 %以下、Ni:1.0 %以下
の1種又は2種を含有するロール外層材を有する熱間圧
延用ロール。 - 【請求項3】 重量比で、C:2.5 〜4.0 %、Cr:6.
0 〜20%、V:3.0〜10.0%以下、Nb:0.6 〜5.0
%、Mo:2.0 〜15%、Si:3.0 %以下、Mn:3.0
%以下を有し、Mo/Cr比が0.25以上であり、かつ下
記(1) 式を満足し、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%) …(1) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる熱間圧延用ロール
外層材。 - 【請求項4】 請求項3においてさらに、 W:1.0 %以下、Co:5.0 %以下、Ni:1.0 %以下
の1種又は2種を含有する熱間圧延用ロール外層材。 - 【請求項5】 重量比で、C:2.5 〜4.0 %、Cr:6.
0 〜20%、V:3.0〜10.0%以下、Nb:0.6 〜5.0
%、Mo:2.0 〜15%、Si:3.0 %以下、Mn:3.0
%以下を有し、Mo/Cr比が0.25以上であり、かつ下
記(1) 式を満足し、 10.5(%) ≦6.5・C(%) −1.3・V(%) −0.7・Nb(%) ≦2・Cr(%) −2(%) …(1) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる熱間圧延用ロール
外層材を遠心力鋳造し、ついでC: 0.5%以上を含有す
る黒鉛鋼を中間層として遠心力鋳造し、更に軸材を鋳造
する熱間圧延用ロールの製造方法において、 前記中間層が下記(2) 式を満足するC量で鋳造される熱
間圧延用ロールの製造方法。 C(中間層)≧2.0-0.5 ( C-0.2V-0.11 Nb)(外層) …(2) - 【請求項6】 請求項5において熱間圧延用ロール外層
材がさらに、 W:1.0 %以下、Co:5.0 %以下、Ni:1.0 %以下
の1種又は2種を含有する熱間圧延用ロールの製造方
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20931795A JP2902328B2 (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 熱間圧延用ロール、ロール外層材及び熱間圧延用ロールの製造方法 |
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