JPH093990A - 二重管構造の吐水管 - Google Patents

二重管構造の吐水管

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JPH093990A
JPH093990A JP17810895A JP17810895A JPH093990A JP H093990 A JPH093990 A JP H093990A JP 17810895 A JP17810895 A JP 17810895A JP 17810895 A JP17810895 A JP 17810895A JP H093990 A JPH093990 A JP H093990A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内側に水道水通路を有する外管としての吐水管
本管の内部に、独立した浄水通路を形成するための内管
を挿入配置した上、吐水管本管の先端部に吐水管キャッ
プを嵌め合わせて、その吐水管キャップの吐出口より水
道水と浄水とを吐出させるようにした二重管構造の吐水
管において、水道水又は浄水の圧力が吐水管キャップに
対して軸方向に作用して、吐水管キャップ及び水道水等
が前方に飛び出すのを防止する。 【構成】吐水管キャップ24の内側において、閉鎖部8
0を有する端部部材76を吐水管本管54の先端開口部
を閉鎖する状態で吐水管本管54内に嵌入させたうえ軸
方向に固定する。そして閉鎖部80より後側の部位にお
いて、端部部材76の管状部78,吐水管本管54に下
向きの浄水出口106,水道水出口108を形成してそ
れらを共通の吐出口102に連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は二重管構造の吐水管に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吐水管先端部の吐出口に浄水器を
後付けで取り付け、吐水管からの吐水をその浄水器に通
して浄化した上で使用することが行われている。一方、
浄水器を吐水管から離れた位置且つ隠れた位置に配設
し、水栓本体からの水を導管を通じで浄水器に導き、こ
こで浄化した上で再び水栓本体に戻し、更に水栓の吐水
管を通じてその先端部の吐出口より吐水させる、いわゆ
るビルトインタイプの浄水器も広く用いられている。
【0003】この場合において、浄水器にて浄化した水
を吐水管に直接流入させ、かかる吐水管内部を流通させ
た上で、先端部の吐出口より吐出させるようにすると、
せっかく浄水器で浄化した浄水が吐水管内部に残ってい
る水道水と混合してしまい、浄水の純粋度が損なわれて
しまう問題を生ずる。
【0004】そこで吐水管内部に浄水のみを独立に通す
ための内管を設けるといったことが考えられている(実
開平7−12664号)。図10はその一例を示してい
る。同図において、200は二重管構造の吐水管であっ
て、外管としての吐水管本管202の内部に内管204
が挿入配置されている。そしてこの内管204の外側に
水道水の通路206が、また内側に水道水の通路206
とは独立した浄水の通路208がそれぞれ形成されてい
る。
【0005】吐水管本管202の先端は開口形状とされ
ていて、その開口部より、管状部210を有する端部部
材212の後端部が嵌入されている。この端部部材21
2の管状部210には、内管204の先端部がこれを軸
方向に貫通する状態で嵌合されている。
【0006】この端部部材212の外面には、吐水管キ
ャップ214が嵌合されている。吐水管キャップ214
は先端部が袋状に形成されていて内部に浄水の吐出室2
16を有しており、更にこの吐出室216に連通する状
態で浄水の吐出口218が下向きに形成されている。
尚、吐水管キャップ214はその基端が吐水管本管20
2の先端に接合されており、また端部部材212と吐水
管キャップ214とはビス215にて互いに固定されて
いる。
【0007】端部部材212の下部位には水道水の出口
220が形成されており、通路206を通じて送られて
きた水道水がこの出口220を経由して、吐水管キャッ
プ214に形成された下向きの吐出口222より吐出さ
れるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この二重管構造の吐水
管200の場合、浄水を水道水の通路206とは独立し
た内管204内の通路208を通じて送り、且つ独立し
た吐出口218から吐出することができる利点を有す
る。
【0009】しかしながらこの吐水管は、一方で以下の
不具合を有している。即ちこの吐水管200の場合、吐
水管キャップ214に対して浄水の圧力及び水道水の圧
力が軸方向に直接的に作用する構造となっていることか
ら、吐水管キャップ214の接着固定力が弱った場合等
において、吐水管キャップ214が浄水又は水道水の圧
力により外れてしまう恐れがあり、例えば熱湯を吐出し
ている場合において吐水管キャップ214が外れると好
ましくない事態を招く。
【0010】またこの吐水管200の場合、殺菌成分と
しての塩素が除去された浄水の吐出口218が直接外部
に露出開口しているため、外部からの雑菌が浄水通路内
部に侵入して繁殖する恐れのある問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
課題を解決するためになされたものである。而して本願
の発明は、先端が開口形状の、外管としての吐水管本管
の内側に、該吐水管本管内の水道水の主通路とは独立し
た第二液の主通路を形成するための内管を挿入配置する
とともに、管状部を有する端部部材を該吐水管本管内に
挿入して該管状部に対して前記内管の先端部を嵌合させ
た上、該端部部材の外側より下向きの吐出口を有する吐
水管キャップを該吐水管本管に組み付けて吐水管の先端
部を構成した形態の二重管構造の吐水管において、前記
端部部材を、管状部とその先端部において軸と交叉する
方向に拡がる閉鎖部とを備えた構造となし、該端部部材
を該閉鎖部が前記吐水管本管の先端の開口部を閉鎖する
状態に該吐水管本管内に挿入し且つ該吐水管本管に対し
て軸方向に固定した上、該管状部に前記内管の先端部を
嵌合して該管状部の内側に前記第二液の主通路に連続し
た端部通路を、また該管状部の外側に前記水道水の主通
路に連続した端部通路を形成し、且つ前記閉鎖部よりも
後側において該端部部材に前記第二液の下向きの出口を
形成するとともに、前記吐水管本管又は吐水管キャップ
に下向きの水道水の出口を形成したことを特徴とする
(請求項1)。
【0012】本願の別の発明は、請求項1において、前
記水道水の下向きの出口を前記吐水管本管に形成すると
ともに、前記吐水管キャップを該吐水管本管の外面に嵌
合して、前記第二液の出口及び水道水の出口を該吐水管
キャップに形成した吐出口に連絡したことを特徴とする
(請求項2)。
【0013】本願の更に別の発明は、請求項1又は2に
おいて、前記端部部材と吐水管本管とが、一方に形成さ
れた弾性係合爪と他方に形成された係合凹部との係合に
基づいて軸方向に固定されていることを特徴とする(請
求項3)。
【0014】本願の更に別の発明は、請求項1,2又は
3において、前記吐出口と前記端部部材に形成した第二
液の出口及び吐水管本管に形成した水道水の出口とをそ
れぞれ同軸状に配置した上、内側に前記第二液の通路
を、外側に該第二液の通路とは独立した水道水の通路を
形成する筒状部を備えた通路部材を前記吐出口より挿入
して上端部を前記第二液の出口に接続したことを特徴と
する(請求項4)。
【0015】本願の更に別の発明は、請求項4におい
て、前記通路部材が、前記吐水管本管における前記水道
水の出口及び前記吐水管キャップに形成した前記吐出口
にまたがる位置に挿入されており、該通路部材が該吐水
管キャップの抜止部材を兼ねていることを特徴とする
(請求項5)。
【0016】本願の更に別の発明は、請求項4又は5に
おいて、前記通路部材が、前記筒状部の内面側と外面側
とのそれぞれに上下方向に延びる整流片を備えており、
該通路部材が前記第二液及び水道水の整流部材を兼ねて
いることを特徴とする(請求項6)。
【0017】本願の更に別の発明は、先端が開口形状
の、外管としての吐水管本管の内側に、該吐水管本管内
の水道水の主通路とは独立した第二液の主通路を形成す
るための内管を挿入配置するとともに、管状部を有する
端部部材を該吐水管本管内に挿入して該管状部に対して
前記内管の先端部を嵌合させて吐水管先端部を構成した
形態の二重管構造の吐水管において、前記端部部材の後
端よりも後側の部位において、前記吐水管本管内部に、
内側に前記内管外面との嵌合部を、外側に前記吐水管本
管内面との嵌合部を備え、該内管を前記端部部材の管状
部に対応する位置に位置決めする位置決部材を装着した
ことを特徴とする(請求項7)。
【0018】本願の更に別の発明は、請求項7におい
て、前記位置決部材が二重リング形状をなしており、内
側リングが前記内管外面に、外側リングが前記吐水管本
管内面にそれぞれ嵌合されていることを特徴とする(請
求項8)。
【0019】本願の更に別の発明は、請求項7又は8に
おいて、前記吐水管本管における先端側部分がそれより
後側の本体部と別体構成とされていて、それらの組付け
により前記吐水管本管が構成され、且つ前記位置決部材
が該先端側部分と本体部とにより軸方向に挾み込まれた
状態で所定部位に装着されていることを特徴とする(請
求項9)。
【0020】本願の更に別の発明は、請求項9におい
て、前記別体構成とされた吐水管本管の先端側部分の全
体若しくは一部が、該吐水管本管の前記本体部よりも細
く形成されており、該細径部に対して前記吐水管キャッ
プが外嵌されていることを特徴とする(請求項10)。
【0021】本願の更に別の発明は、吐水管を外側の管
状体と内側の管状体との二重管構造となして、該内側の
管状体の外側と内側とに水道水の通路と第二液の通路と
を独立に形成してなる吐水管において、前記吐水管の先
端部において前記内側の管状体に第二液の出口を、吐水
管先端部の水道水及び第二液の共通の吐出口に対して同
軸状に下向きに設けるとともに、該第二液の通路を内側
に形成する、下端が開口形状の且つ該通路上に流動抵抗
部を有する可動筒を該出口の下側において且つ前記吐出
口の内部において軸方向の押出位置と引込位置との間で
移動可能に設けた上、該可動筒をばね部材にて引込方向
に上向きに付勢したことを特徴とする(請求項11)。
【0022】本願の更に別の発明は、請求項11におい
て、前記可動筒の下端開口部にメッシュが設けられてい
ることを特徴とする(請求項12)。
【0023】本願の更に別の発明は、請求項11又は1
2において、前記吐出口の下端開口部に整流メッシュが
設けられているとともに、前記可動筒が該整流メッシュ
に当接する押出位置と該整流メッシュとの間に隙間を形
成する引込位置との間で移動可能とされていることを特
徴とする(請求項13)。
【0024】本願の更に別の発明は、請求項11,12
又は13において、前記外側の管状体の下部位に下向き
の水道水の出口が、前記第二液の出口及び吐出口と同軸
状に設けられているとともに、筒状部の外側に水道水の
通路を形成する通路部材が該吐出口より上向きに挿通さ
れて上端が前記第二液の出口に接続され、該通路部材の
内側に前記可動筒が該筒状部の内面を案内面として摺動
可能に嵌入されていることを特徴とする(請求項1
4)。
【0025】
【作用及び発明の効果】以上のように請求項1の発明
は、閉鎖部を備えた端部部材を吐水管本管内に挿入し
て、その閉鎖部により吐水管本管の先端の開口部を閉鎖
した状態で端部部材を吐水管本管に固定した上、浄水等
の第二液の出口及び水道水の出口をその閉鎖部より後側
の位置に下向きに形成したもので、本発明によれば水道
水,第二液の圧力が吐水管キャップに対して軸方向に作
用するのを防止でき、従って万一吐水管キャップが吐水
管本管に対して十分に固定されていない状態が生じて
も、吐水管キャップがそれらの圧力によって吐水管本管
から外れてしまい、水道水,第二液が前向きに飛び出す
といったことを防止できる。
【0026】請求項2の発明は、水道水の出口を吐水管
本管に形成した上、吐水管本管の外面に吐水管キャップ
を嵌合し、そして上記第二液の出口及び水道水の出口を
吐水管キャップの吐出口に連絡したもので、本発明にお
いては、端部部材の閉鎖部と吐水管キャップの先端部と
の間に形成される空間が、第二液の出口及び水道水の出
口と実質上遮断された状態にあるから、それら出口から
の浄水又は水道水が上記閉鎖部と吐水管キャップの先端
部との間の空間に回り込んで吐水管キャップに対し軸方
向の圧力が作用するといったことを確実に防止できる。
【0027】請求項3の発明は、上記端部部材と吐水管
本管とを、一方に形成した弾性係合爪と他方に形成した
係合凹部との係合に基づいて軸方向に固定したもので、
本発明によれば、端部部材と吐水管本管とをワンタッチ
で極めて簡単に組み付け、且つ軸方向に固定できるとと
もに、接着剤による接着固定の場合と異なってその固定
力が経時的に、又は熱の作用によって低下するといった
ことがなく、長期に亘って強固にそれらを固定状態とで
きる。
【0028】請求項4の発明は、上記第二液の出口及び
水道水の出口を吐出口と同軸状に配置した上、筒状部を
備えた通路部材をその吐出口より挿入して上端部を第二
液の出口に接続し、これにより筒状部の内側と外側とに
それぞれ独立した第二液の通路と水道水の通路とを形成
するようになしたもので、本発明によれば、吐出口を1
個所に設けるだけで良いとともに、それぞれの出口から
流出した浄水等第二液と水道水とが互いに混ざり合うの
を防止できる。
【0029】請求項5の発明は、上記通路部材を吐水管
本管に形成した水道水の出口と吐水管キャップの吐出口
とにまたがる位置に挿入して、この通路部材により吐水
管キャップの抜止部材を兼用させるようにしたもので、
本発明によれば、吐水管キャップの抜止部材を別途に設
ける必要がなく、吐水管先端部の構造を簡略化すること
ができるとともに、吐水管キャップの組付作業を容易な
ものとすることができる。
【0030】本発明によれば、通路部材に抜止部材を兼
用させることによって吐水管キャップを確実に抜け止め
することができる。而してこのような抜止部材によって
吐水管キャップの抜止めを行うことにより、吐水管キャ
ップを吐水管本体に対して接着等により固着するのを省
略することができる。
【0031】尤も吐水管キャップのメンテナンス作業な
どに際してこの抜止部材を装着し忘れた場合、浄水等第
二液又は水道水の圧力が吐水管キャップに対して直接軸
方向に作用する形態の吐水管においては、それら水道水
等の圧力によって吐水管キャップが外れて水道水等が飛
び出す恐れがあるが、本発明においては上記抜止部材を
装着し忘れたとしても、水道水又は第二液の圧力によっ
て吐水管キャップが外れて水道水等が勢い良く飛び出す
といったことはない。
【0032】請求項6の発明は、上記通路部材の内面側
と外面側とに上下方向の整流片を設けたもので、本発明
によれば各出口から流出した第二液及び水道水の流れを
整えた上で、吐出口より吐出することができる。
【0033】請求項7の発明は、外管としての吐水管本
管の内部に内管を挿入した上、端部部材を吐水管本管に
挿入してそこに内管の先端部を嵌合した形態の吐水管に
おいて、吐水管本管の内部且つ端部部材の後側の部位に
位置決部材を装着して、その位置決部材により内管の先
端部を、端部部材の管状部に対応した位置に位置決めす
るようになしたもので、本発明によれば、端部部材を吐
水管本管の開口よりその内部に挿入して内管の先端部を
端部部材の管状部に嵌合するに際し、予め内管の先端部
が位置決部材により適正位置に位置決保持されているた
め、改めて管状部と内管の先端部とを嵌合可能な位置に
位置合せする作業を行わなくて良く、端部部材を極めて
簡単に組み付けることができる。
【0034】また端部部材を外した状態において吐水管
本管と内管との各耐圧試験を行う際に、内管の先端位置
が位置決めされているため、試験機を用いた耐圧試験を
行う際にこれを容易に自動化できる利点も得られる。
【0035】請求項8の発明は、上記位置決部材を二重
リング形状となしたもので、本発明によれば、位置決部
材を単純な形状となすことができるとともに、位置決部
材と吐水管本管との嵌合及び位置決部材と内管との嵌合
を容易に行うことができる。
【0036】請求項9の発明は、吐水管本管における先
端側部分とそれより後側の本体部とを別体構成として、
それらの組付けにより吐水管本管を構成し、そして上記
位置決部材をそれら先端側部分と本体部とで軸方向に挾
み込んで所定位置に装着するようになしたもので、本発
明によれば、位置決部材を吐水管本管内部の予め定めた
所定位置に容易に組み付けることができる。
【0037】請求項10の発明は、上記別体構成の吐水
管本管の先端側部分の全体若しくは一部を吐水管本管の
本体部よりも細くしてその細径部に対して前記吐水管キ
ャップを外嵌するようになしたもので、本発明によれ
ば、吐水管本管の外面に吐水管キャップを嵌合するのに
伴って吐水管キャップが大径化するのを抑制でき、吐水
管先端部の美観を良好となすことができる。
【0038】ここで、本発明においてはその先端側部分
を実質上全体的に細径となしてこの先端側部分を全体的
に覆うように吐水管キャップを外嵌することができ、こ
の場合、吐水管キャップの後端を本体部先端に当接状態
とすることが可能であって、これにより細径となした先
端側部分を吐水管キャップにより全体的に隠蔽すること
ができるとともに、先端側部分と本体部との継目を隠し
て美観を良好とできる利点が得られる。
【0039】上記図10に示した従来の吐水管の場合、
第二液の吐出口と水道水の吐出口とが別々に独立して設
けられているため、第二液、例えば浄水中に外部からの
雑菌が侵入して繁殖する恐れが生ずる。
【0040】ここにおいて請求項11の発明は、第二液
の出口を、第二液及び水道水の共通の吐出口と同軸状に
設けた上、第二液の通路を内部に形成する可動筒を吐出
口の内部において軸方向に押出し又は引込み可能に設け
た上、ばね部材にてこれを引込方向に付勢したもので、
本発明によれば吐出口より第二液中に外部の雑菌が侵入
して繁殖するのを防止できる。
【0041】本発明の吐水管においては、第二液を送り
出したときに第二液が可動筒の流動抵抗部の流動抵抗に
基づいてこれを押出位置まで押し出し、そしてその先端
の開口より流出して吐出口より吐出される。そして第二
液の吐出を停止すると可動筒がばね部材の付勢力に基づ
いて軸方向に引込運動する。
【0042】而して可動筒が引込運動すると、吐出口に
滞留している水道水が可動筒の先端部を取り囲む状態と
なり、そこに殺菌成分としての塩素を含有した水道水の
バリヤー層が生成する。そのため外部からの雑菌が浄水
等第二液の内部に侵入するのが防止されるのである。
【0043】尚可動筒を引込位置に固定状態としてお
き、その状態で第二液を吐出した場合、第二液の吐出流
によって、周辺に滞留している水道水が共に外部に連れ
出されてしまい、十分なバリヤー効果が得られない。し
かるに本発明においては可動筒が自動的に押出・引込運
動するため、水道水によるバリヤー効果を確保すること
ができる。
【0044】請求項12の発明は、上記可動筒の下端開
口部にメッシュを設けたもので、このようなメッシュを
設けた場合、そのメッシュが流動抵抗部となって第二液
の吐出時に可動筒が良好に押出動作させられる。
【0045】請求項13の発明は、吐出口の下端開口部
に滞留水(水道水)生成手段としての整流メッシュを設
け、この整流メッシュに対して可動筒を押出位置におい
て当接させ、引込位置において整流メッシュとの間に隙
間を形成するようになしたもので、本発明によれば、そ
の吐出口の整流メッシュの部分における水の表面張力に
基づいて、吐出口内部に水道水を確実に滞留した状態と
することができ、水道水による上記バリヤー効果を確保
できる。
【0046】また一方、可動筒が押し出されたときに、
その可動筒の先端が吐出口の下端開口部の整流メッシュ
に当接するため、可動筒の周りに滞留している水道水が
第二液の吐出時にその第二液の吐出流に伴われて外部に
流出するのが防止される。
【0047】請求項14の発明は、外側の管状体の下部
位に水道水の出口を、上記第二液の出口及び吐出口と同
軸状に設けた上、その吐出口より、筒状部を有する通路
部材を上向きに挿入して上端部を第二液の出口に接続
し、以て筒状部の外側に水道水の通路を形成する一方、
筒状部の内側に上記可動筒を摺動可能に嵌合したもの
で、本発明によれば、その筒状部の内面によって可動筒
の押出・引込運動を円滑に案内できるとともに、可動筒
の外側に水道水の通路を形成することによって、かかる
可動筒を水道水にて良好に取り囲んだ状態とすることが
できる。
【0048】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図2において、10はカウンター12に取り
付けられたシングルレバー式の湯水混合水栓で、水栓本
体14を有し、この水栓本体14に対して給水管16,
給湯管18より水,湯が供給されるようになっている。
供給された水と湯とはここで混合された上、吐水管20
内部を流れ、その先端の吐出口22より吐出される。
尚、24は吐水管キャップとしての樹脂製の断熱キャッ
プである。
【0049】図3に示しているように、水栓本体14は
金属製の、全体として筒状をなす部材であって、内部が
隔壁にて複数に分画されている。そして分画隔壁によっ
て水栓本体14内部に、水と湯とを供給する一対の流入
通路26が上下向きに形成されている。
【0050】給水管16,給湯管18を通じて水栓本体
14に供給された水と湯とは、これら流入通路26内部
を上向きに流れ、そしてシングルレバー28の操作に基
づいて、水栓本体14の上部に設けられた弁部(図示省
略)でそれら水と湯とが所定比率で混合された後、流出
通路30側に至り、更に出口32から吐水管20内部に
流出して同吐水管20内部を送られ、その先端部の吐出
口22から外部に吐出される。
【0051】図2において、34は水栓10から離れた
位置に設けられた水道水を浄化するための浄水器で、一
対の導管36,38がこの浄水器34から延び出してい
る。一方の導管36は水栓本体14の内部且つ下部に形
成された供給通路40(図3)に接続されており、また
他方の導管38は、同じく水栓本体14の内部に形成さ
れた浄水通路42(図3)に接続されている。これら供
給通路40及び浄水通路42は隔壁によって仕切られて
いる。
【0052】上記供給通路40は、水栓本体14の内部
において連絡通路43を介して水側の流入通路26に連
絡されている。この連絡通路43上には、図4(A)に
示しているように隔壁が設けられていて、その隔壁に開
口44が形成され、その開口44が開閉弁46によって
開閉されるようになっている。ここで開閉弁46は、ハ
ンドル48の回転操作に基づいて軸方向にねじ送りで進
退させられ、以て開口44を開閉する。
【0053】本例においては、シングルレバー28の操
作によって弁部を閉じた状態としておいて開閉弁46を
開放状態とすると、給水管16を通じて流入通路26内
に送られた水が、開口44より供給通路40へと流入
し、そして導管36を通じて浄水器34に送られる。そ
してここで水道水が浄化された上、導管38を通じて水
栓本体14内部の浄水通路42内に送られる(図4
(B)参照)。
【0054】前記吐水管20の内部には、図3に示して
いるように浄水器34で浄化された浄水のみを単独で流
通させるための内管50が挿入配置されており、その基
端が上記水栓本体14内部の浄水通路42の出口52に
接続されている。
【0055】図1は吐水管20の先端部の構造を示して
いる。この図において54は吐水管本管で、内部に前記
内管50が挿入配置されており、その内管50の内側に
前記浄水の主通路56が形成されている。また内管50
の外側且つ吐水管本管54の内側に水道水の主通路58
が形成されている。
【0056】外管としての吐水管本管54は金属製のも
ので、先端側の部分を構成する先端部金具60と、これ
より後側の本体部62とが別体構成とされており、それ
らが軸方向に鑞付け等にて接合されて吐水管本管54全
体が構成されている。
【0057】ここで先端部金具60は、本体部62より
もほぼその全体が細く形成されており、その後端の軸直
角方向に突出したフランジ部64が本体部62の内部に
嵌入された上、位置決部材66を介して本体部62の段
付部68に当接させられている。
【0058】位置決部材66は図5にも示しているよう
に全体としてリング状をなす部材であって、外側リング
70と、内側リング72と、それらを連結する連結部7
4とから成っている。そして外側のリング70が本体部
62の内面に嵌合し、また内側リング72が内管50の
先端部外面に嵌合し、以て内管50の先端部を本体部6
2と同軸位置に位置決保持している。この位置決部材6
6は、本体部62の段付部68と先端部金具60のフラ
ンジ部64とにより軸方向に挾み込まれた状態で本体部
62の内側に装着されている。
【0059】吐水管本管54は先端が開口形状とされて
おり、その開口部から、全体として管状をなす端部部材
76が吐水管本管54内に挿入されている。ここで端部
部材76は樹脂製とされている。この端部部材76は、
管状部78と、管状部78の先端において軸直角方向に
配向形成された閉鎖部80とを有しており、その閉鎖部
80において吐水管本管54の先端開口部を閉鎖する状
態で吐水管本管54内に挿入されている。
【0060】管状部78の後端は開口形状とされてい
て、その後端開口部より前記内管50の先端部が管状部
78内部に嵌入させられている。この管状部78の内側
には、内管50内の浄水の主通路56に連続した端部通
路82が形成されており、またその外側には水道水の主
通路58に連続した端部通路84が形成されている。
【0061】上記閉鎖部80の外周部からは、更に、短
い円筒部86が前方に延び出している。円筒部86の先
端には外向きの鍔状部88が形成されていて、この鍔状
部88が吐水管本管54の先端に当接し、端部部材76
の嵌入量を規定している。
【0062】この円筒部86には、また、複数の(この
例では2つの)弾性係合爪90が形成されており、この
弾性係合爪90が、吐水管本管54に形成された係合凹
部92に係合している。そしてこれら弾性係合爪90と
係合凹部92との係合作用に基づいて、端部部材76が
吐水管本管54に対して軸方向に固定されている。尚、
94は円筒部86に形成された補強リブである。
【0063】円筒部86には、図5に示しているように
周方向所定位置において、鍔状部88から後向きに突出
する突起110が形成されており、この突起110が、
先端部金具60の周方向の対応する位置に形成された切
欠112内に係入している。そしてこれら突起110と
切欠112との係合作用に基づいて端部部材76と先端
部金具60、つまり吐水管本管54との回転方向位置が
規定されている。
【0064】上記吐水管キャップとしての樹脂製の断熱
キャップ24は、全体として筒状且つ先端部が袋状を成
しており、その後端の開口部を通じて吐水管本管54の
外面に、具体的には先端部金具60の外面にOリング9
6を介して実質上隙間なく水密に外嵌されている。
【0065】断熱キャップ24には、その下部位に円筒
部98が下向きに突出状に一体成形されており、その円
筒部98の下端部に吐出口キャップ100がねじ込み固
定されており、これら円筒部98,吐出口キャップ10
0により、吐水管先端部における吐出口102が形成さ
れている。ここで吐出口102は、浄水及び水道水共通
の吐出口とされている。
【0066】上記端部部材76における管状部78に
は、閉鎖部80に近接した後側の部分が上向きに凹陥し
ており、その凹陥部104に浄水の出口106が下向き
に形成されている。この浄水の出口106は、吐出口1
02と同軸位置に形成されている。尚、浄水の出口10
6は管状部78に一体形成された下向きの円筒部にて構
成されている。
【0067】一方、吐水管本管54には、端部通路84
に連通した、浄水出口106よりも大径の水道水の出口
108が、浄水出口106及び吐出口102と同軸位置
に下向きに形成されている。
【0068】114は通路部材(ここでは樹脂製)であ
って、筒状部116を有している。この通路部材114
は、筒状部116の内側に浄水の通路118を、また外
側に水道水の通路120を形成するもので、吐出口10
2の下端開口より上向きに挿入された上、上端部が浄水
の出口106に外嵌状態で接続されている。
【0069】この通路部材114は、筒状部116の内
側と外側とに各内面及び外面に沿って上下方向に延びる
複数の整流片122,124を周方向の複数個所に備え
ており、筒状部116の内部及び外部を流通する浄水及
び水道水の流れを整えるようになっている。即ち、本例
においては、通路部材114が整流部材も兼ねている。
【0070】尚、図6に示しているように筒状部116
の内側の整流片122は、全体として横断面形状が十字
形状を成している。これら内側の整流片122は、上端
が浄水の出口106を形成する円筒部の下端に当接して
おり、その当接作用に基づいて通路部材114の上向き
の嵌入量を規定している。
【0071】この通路部材114は、互いに同軸位置に
配置された浄水出口106,水道水出口108及び吐出
口102にまたがる位置に挿入配置されており、かかる
通路部材114が断熱キャップ24の抜止部材も兼ねて
いる。
【0072】通路部材114の下側には整流リング12
6が、更にその下側にはゴムパッキン128を介して2
枚の整流メッシュ130が配置されており、その整流メ
ッシュ130が、吐出口キャップ100の下端の内向き
の鍔状部によって受けられている。ここで整流リング1
26は、図6に示しているように円環状をなしており、
且つ横断面形状が周方向に沿って波打状をなしている。
【0073】本例の吐水管20において、内管50内部
の主通路56内に導かれた浄水は、端部部材76におけ
る管状部78の内側の端部通路82に流れ込んだ後、出
口106から流出して通路部材114の筒状部116の
内部の通路118を流通した後、吐出口102から外部
に吐出される。
【0074】また一方、吐水管本管54内の主通路58
を通じて送られてきた水道水は、端部部材76における
筒状部78の外側の端部通路84内に流れ込んだ後、出
口108から流出して通路部材114の筒状部116の
外側の通路120を流通し、吐出口102から外部に吐
出される。
【0075】上記のように本例の二重管構造の吐水管2
0は、端部部材76に閉鎖部80を形成して、この閉鎖
部80により、吐水管本管54における先端開口部を閉
鎖し、加えてこの端部部材76を吐水管本管54に対し
て軸方向に固定状態としているため、更には閉鎖部80
より後側の部位において浄水の出口106を下向きに形
成するとともに、吐水管本管54に下向きの水道水出口
108を形成し、それらを断熱キャップ24の共通の吐
出口102に連結しているため、断熱キャップ24に対
して水道水の圧力又は浄水の圧力が軸方向に直接作用す
るのが防止される。
【0076】従って、例えば断熱キャップ24のメンテ
ナンス等に際して一旦外した断熱キャップ24を再び取
り付けたときに、抜止部材を兼ねた通路部材114を装
着し忘れることがあったとしても、断熱キャップ24に
対して水道水の圧力又は浄水の圧力が直接作用して断熱
キャップ24が勢い良く前方に飛び出し、或いは水道
水,浄水等が勢い良く前方に飛び出すといったことが回
避される。
【0077】更に加えて、本例においては断熱キャップ
24が吐水管本管54の外面に実質上ほぼ隙間なく嵌め
合わされているため、端部通路84からの水道水が吐出
口102に流れ込む際に、その一部が端部部材76の閉
鎖部80と断熱キャップ24の先端袋状部との間の空間
部に入り込むのが防止され、出口108からの水道水に
よる圧力が断熱キャップ24に対して作用するのも確実
に防止される。
【0078】本例の吐水管20はまた、端部部材76に
一体に成形した弾性係合爪90と吐水管本管54に形成
した係合凹部92との係合に基づいて、端部部材76が
吐水管本管54に対し軸方向に固定されることから、端
部部材76の組付けに際してワンタッチで極めて簡単に
これを組み付けることができる利点があり、また接着剤
による接着固定の場合と異なって、その固定力が経時的
に、又は熱の作用によって低下するといったことがな
く、長期に亘って強固にそれらを固定状態とすることが
できる。
【0079】加えて本例の吐水管20の場合、同軸状に
配置された出口106と108とからそれぞれ流れ出た
浄水と水道水とが、それぞれ独立の通路118又は12
0を通って外部に吐出されるため、各出口106,10
8から流出した浄水と水道水とが互いに混ざり合うこと
がない利点を有している。
【0080】その他本例においては、通路部材114が
断熱キャップ24の抜止部材を兼ねているために、通路
部材114を装着することによって、断熱キャップ24
を確実に抜け防止できるとともに、別途に抜止部材を設
けることを省略することができる。更にその通路部材1
14は整流部材も兼ねているため、出口106又は10
8から流れ出た浄水又は水道水の流れを整えた上で、吐
出口102から外部に吐出することができる。
【0081】本例の吐水管20は、端部部材76を吐水
管本管54に組み付けるに際して、内管50が二重リン
グ状の位置決部材66によって予め適正位置に位置決保
持されているため、端部部材76を組み付けるに当って
内管50の先端部を管状部78と同軸位置に位置合わせ
する作業を行う必要がなく、ただ単に端部部材76を吐
水管本管54内に挿入するだけで、そのまま内管50の
先端部を管状部78に嵌合することができ、従って端部
部材78の組付けを極めて簡単に行うことができる。
【0082】また内管50及び吐水管本管54の耐圧試
験を行うに際して、内管50の位置が予め定められた位
置に位置決保持されているため、耐圧試験機を用いた耐
圧テストの自動化を容易に図ることができる。
【0083】また更に、内管50を位置決保持する位置
決部材66は、吐水管本管54の先端側部分を構成する
先端部金具60と、本体部62とにより軸方向に挾み込
まれて固定されているため、先端部金具60と本体部6
2との組付時に自動的にこの位置決部材66を定位置に
装着することができる。
【0084】本例において、吐水管本管54における先
端側部分を構成する上記先端部金具60は、ほぼ全体が
本体部62よりも細く形成されているため、断熱キャッ
プ24を先端部金具60の外面に嵌め合せるのに伴って
その断熱キャップ24が大径化するのを抑制でき、吐水
管20先端部の美観を良好となすことができる。
【0085】加えて断熱キャップ24は、その後端が本
体部62の先端に当接状態で組み付けられているため、
先端部金具60及び先端部金具60と本体部62との接
合部は外部に現れず、先端部金具60と本体部62との
接合に伴う美観の低下を防止できる。
【0086】図7及び図8は本発明の他の実施例を示し
ている。この例においても、吐水管20は上記実施例と
同様に吐水管本管54によって外側の管状体全体が構成
されており、また内管50と端部部材76における管状
部78とによって、内側の管状体が構成されている。
【0087】本例において、132は通路部材であって
筒状部134を有している。この通路部材132は、筒
状部134の外側に水道水の通路136を形成するもの
で、その通路136に沿って、即ち筒状部134の外面
に沿って上下方向に延びる整流片138を周方向に所定
間隔で複数備えている。
【0088】この通路部材132は、上記実施例と同様
に断熱キャップ24の抜止部材及び出口108から流出
した水道水の整流部材も兼ねており、図8にも示してい
るようにその下端には複数の脚140が下向きに突出し
ていて、それら脚140の下端が整流メッシュ130に
当接している。
【0089】そしてこれら脚140によって、通路部材
132における筒状部134の下端と整流メッシュ13
0との間に所定の間隔が確保されている。即ち通路13
6からの水道水が、整流メッシュ130の上側において
吐出口102の中心部まで回り込める(流入する)よう
になっている。
【0090】通路部材132における筒状部134の内
側には、可動筒142が浄水の出口106,水道水の出
口108及び吐出口102と同軸位置に、且つ上下に移
動可能に配置されている。可動筒142は、出口106
から流出した浄水の通路を内部に形成するもので、出口
106と実質上同じ内径を有しており、出口106の直
下に配置されている。
【0091】可動筒142は、上端に外向きのフランジ
部144を有し、そのフランジ部144の外周端面が、
通路部材132における筒状部134の内面に摺動可能
に嵌合しており、筒状部134の内面によって移動案内
されるようになっている。
【0092】このフランジ部144には、圧縮コイルス
プリングからなるばね部材146の上端が当接してい
る。ばね部材146の下端は、筒状部134の下端部に
内向きに形成されたばね受部148に当接しており、可
動筒142に対してばね力を上向きに及ぼしている。即
ち可動筒142が、ばね部材146によって上向き、つ
まり引込方向に付勢されている。
【0093】ここで可動筒142の引込位置は、筒状部
134の内面の環状溝150(図8)に嵌め込まれた止
め輪152によって規定されており、また押出位置は整
流メッシュ130により、即ち可動筒142の下端に対
する整流メッシュ130の当接により規定されている。
【0094】可動筒142は、図7に示しているように
引込状態においてその下端が通路部材132の筒状部1
34の下端とほぼ一致する長さとされており、その下端
の開口部には流動抵抗部となるメッシュ153が張設さ
れている。
【0095】次に本例の吐水管20の作用を説明する。
本例においては、端部部材76の管状部78に形成され
た出口106から流出した浄水が、可動筒142の内部
通路を流通してその下端開口より流出し、吐出口102
より外部に吐出される。このとき、可動筒142はメッ
シュ153の流動抵抗に基づいて、浄水の流れにより下
向きに押出運動させられ、その下端が吐出口キャップ1
00により保持された整流メッシュ130に当接させら
れる。そしてその状態で可動筒142の下端開口より浄
水が外部に吐出される。
【0096】一方、浄水の吐出を停止すると可動筒14
2がばね部材146の付勢力で上方の引込位置まで引込
運動させられ、可動筒142の下端開口と整流メッシュ
130との間に所定の隙間が形成される。そしてその隙
間内に、吐出口102の内部において可動筒142の周
りに滞留していた水道水が入り込んで、可動筒142の
下端と整流メッシュ130との間に水道水の膜(層)を
形成する。
【0097】ここで吐出口102の内部に水道水が滞留
するのは、整流メッシュ130における水の表面張力に
基づいて、吐出口102内の水道水の落下抵抗が生ずる
ことによる。換言すれば、このような整流メッシュ13
0を設けることによって、水道水の吐水操作を停止した
ときに吐出口102からの吐水が直ちに停止され、水切
りが良好となる。そして吐出口102から流出し得なか
った水道水が吐出口102内部に滞留する。
【0098】上記のように浄水の吐水を停止すると可動
筒142が上方に引き込んだ状態となって、可動筒14
2の下側に水道水の膜(層)が生成する。即ち可動筒1
42の下端開口が水道水によって覆われた状態となるの
であり、而してその水道水には殺菌成分としての塩素が
含有されているため、水栓を使用していないときに外部
からの雑菌が浄水の通路内に入り込んでそこで繁殖する
といったことが確実に防止される。
【0099】尚、可動筒142を引込状態としたままで
浄水の吐出を行った場合、浄水の吐出流によって、吐出
口102内部に滞留している水道水が浄水の流れに伴っ
て共に吐出口102から吐出されてしまい、吐出口10
2内部の滞留水道水によるバリヤー効果、即ち外部から
の雑菌が浄水の通路内に入り込むのを阻止するバリヤー
効果が期待できなくなる。
【0100】本例の吐水管20は、断熱キャップ24に
対して水道水又は浄水の圧力が軸方向に直接作用しない
構造とされており、このことから、万一抜止部材を兼ね
た通路部材132を装着し忘れた場合であっても、それ
ら水道水,浄水の圧力によって断熱キャップ24が前方
に飛び出さないなど、上記実施例と同様の各種の利点を
有している外、次のような利点も有している。
【0101】即ち本例においては、上記のように浄水の
吐出を長時間止めた場合において、殺菌成分を有しない
浄水の通路内に外部からの雑菌が侵入して繁殖するのを
防止することができ、更に浄水の通路を形成する可動筒
142は、通路部材132における筒状部134の内面
に嵌合されていて移動案内されるため、可動筒142を
円滑に引込・押出運動させることができる。
【0102】また可動筒142を取り巻くようにして水
道水の通路が形成されているため、浄水の吐出停止時
に、浄水の流出口である可動筒142の下端開口が水道
水によって良好に塞がれた状態となり、水道水によるバ
リヤー効果を確実に生ぜしめることができる。
【0103】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示である。例えば上記第一の実施例におい
て、通路部材を、図9に示しているように内側の筒状部
116と外側の筒状部156とを有する二重筒構造の通
路部材154として構成することもできるし、また本発
明を他の形態の水栓に対して適用することも可能であ
る。更に上例では内管50内を浄水器34で浄化した水
を通すようにしているが、場合によってアルカリイオン
水その他の液を流通させて、吐水管20先端の吐出口1
02より吐出させるようにすることも可能であるなど、
本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を
加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である二重管構造の吐水管の
先端部の構成を示す要部拡大断面図である。
【図2】図1の吐水管を有する湯水混合水栓を浄水器と
ともに示す全体図である。
【図3】同実施例における湯水混合水栓の湯,水及び浄
水の流通経路を示すための一部切欠き断面図である。
【図4】図3における浄水の流通経路を周辺部とともに
示す図である。
【図5】図1に示す吐水管先端部を各構成部品に分解し
て示す分解斜視図である。
【図6】図1における吐水管先端部の吐出口とその周辺
部を構成する各部品を分解して示す分解斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例における図1に相当する図
である。
【図8】図7に示す吐水管先端部を各構成部品に分解し
て示す分解斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例において用いられる通路形
成部材の斜視図である。
【図10】従来の二重管構造の吐水管の要部断面図であ
る。
【符号の説明】
20 吐水管 24 断熱キャップ 50 内管 54 吐水管本管 56,58 主通路 60 先端部金具 62 本体部 66 位置決部材 70 外側リング 72 内側リング 76 端部部材 78 管状部 80 閉鎖部 82,84 端部通路 90 弾性係合爪 92 係合凹部 102 吐出口 106,108 出口 114,132 通路部材 116,134 筒状部 118,120,136 通路 122,124,138 整流片 130 整流メッシュ 142 可動筒 146 ばね部材 153 メッシュ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が開口形状の、外管としての吐水管
    本管の内側に、該吐水管本管内の水道水の主通路とは独
    立した第二液の主通路を形成するための内管を挿入配置
    するとともに、管状部を有する端部部材を該吐水管本管
    内に挿入して該管状部に対して前記内管の先端部を嵌合
    させた上、該端部部材の外側より下向きの吐出口を有す
    る吐水管キャップを該吐水管本管に組み付けて吐水管の
    先端部を構成した形態の二重管構造の吐水管において前
    記端部部材を、管状部とその先端部において軸と交叉す
    る方向に拡がる閉鎖部とを備えた構造となし、該端部部
    材を該閉鎖部が前記吐水管本管の先端の開口部を閉鎖す
    る状態に該吐水管本管内に挿入し且つ該吐水管本管に対
    して軸方向に固定した上、該管状部に前記内管の先端部
    を嵌合して該管状部の内側に前記第二液の主通路に連続
    した端部通路を、また該管状部の外側に前記水道水の主
    通路に連続した端部通路を形成し、且つ前記閉鎖部より
    も後側において該端部部材に前記第二液の下向きの出口
    を形成するとともに、前記吐水管本管又は吐水管キャッ
    プに下向きの水道水の出口を形成したことを特徴とする
    二重管構造の吐水管。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記水道水の下向き
    の出口を前記吐水管本管に形成するとともに、前記吐水
    管キャップを該吐水管本管の外面に嵌合して、前記第二
    液の出口及び水道水の出口を該吐水管キャップに形成し
    た吐出口に連絡したことを特徴とする二重管構造の吐水
    管。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記端部部材
    と吐水管本管とが、一方に形成された弾性係合爪と他方
    に形成された係合凹部との係合に基づいて軸方向に固定
    されていることを特徴とする二重管構造の吐水管。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、前記吐出
    口と前記端部部材に形成した第二液の出口及び吐水管本
    管に形成した水道水の出口とをそれぞれ同軸状に配置し
    た上、内側に前記第二液の通路を、外側に該第二液の通
    路とは独立した水道水の通路を形成する筒状部を備えた
    通路部材を前記吐出口より挿入して上端部を前記第二液
    の出口に接続したことを特徴とする二重管構造の吐水
    管。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記通路部材が、前
    記吐水管本管における前記水道水の出口及び前記吐水管
    キャップに形成した前記吐出口にまたがる位置に挿入さ
    れており、該通路部材が該吐水管キャップの抜止部材を
    兼ねていることを特徴とする二重構造の吐水管。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において、前記通路部材
    が、前記筒状部の内面側と外面側とのそれぞれに上下方
    向に延びる整流片を備えており、該通路部材が前記第二
    液及び水道水の整流部材を兼ねていることを特徴とする
    二重構造の吐水管。
  7. 【請求項7】 先端が開口形状の、外管としての吐水管
    本管の内側に、該吐水管本管内の水道水の主通路とは独
    立した第二液の主通路を形成するための内管を挿入配置
    するとともに、管状部を有する端部部材を該吐水管本管
    内に挿入して該管状部に対して前記内管の先端部を嵌合
    させて吐水管先端部を構成した形態の二重管構造の吐水
    管において前記端部部材の後端よりも後側の部位におい
    て、前記吐水管本管内部に、内側に前記内管外面との嵌
    合部を、外側に前記吐水管本管内面との嵌合部を備え、
    該内管を前記端部部材の管状部に対応する位置に位置決
    めする位置決部材を装着したことを特徴とする二重管構
    造の吐水管。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記位置決部材が二
    重リング形状をなしており、内側リングが前記内管外面
    に、外側リングが前記吐水管本管内面にそれぞれ嵌合さ
    れていることを特徴とする二重管構造の吐水管
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、前記吐水管本
    管における先端側部分がそれより後側の本体部と別体構
    成とされていて、それらの組付けにより前記吐水管本管
    が構成され、且つ前記位置決部材が該先端側部分と本体
    部とにより軸方向に挾み込まれた状態で所定部位に装着
    されていることを特徴とする二重管構造の吐水管。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記別体構成とさ
    れた吐水管本管の先端側部分の全体若しくは一部が、該
    吐水管本管の前記本体部よりも細く形成されており、該
    細径部に対して前記吐水管キャップが外嵌されているこ
    とを特徴とする二重管構造の吐水管。
  11. 【請求項11】 吐水管を外側の管状体と内側の管状体
    との二重管構造となして、該内側の管状体の外側と内側
    とに水道水の通路と第二液の通路とを独立に形成してな
    る吐水管において前記吐水管の先端部において前記内側
    の管状体に第二液の出口を、吐水管先端部の水道水及び
    第二液の共通の吐出口に対して同軸状に下向きに設ける
    とともに、該第二液の通路を内側に形成する、下端が開
    口形状の且つ該通路上に流動抵抗部を有する可動筒を該
    出口の下側において且つ前記吐出口の内部において軸方
    向の押出位置と引込位置との間で移動可能に設けた上、
    該可動筒をばね部材にて引込方向に上向きに付勢したこ
    とを特徴とする二重管構造の吐水管。
  12. 【請求項12】 請求項11において、前記可動筒の下
    端開口部にメッシュが設けられていることを特徴とする
    二重管構造の吐水管。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12において、前記吐
    出口の下端開口部に整流メッシュが設けられているとと
    もに、前記可動筒が該整流メッシュに当接する押出位置
    と該整流メッシュとの間に隙間を形成する引込位置との
    間で移動可能とされていることを特徴とする二重管構造
    の吐水管。
  14. 【請求項14】 請求項11,12又は13において、
    前記外側の管状体の下部位に下向きの水道水の出口が、
    前記第二液の出口及び吐出口と同軸状に設けられている
    とともに、筒状部の外側に水道水の通路を形成する通路
    部材が該吐出口より上向きに挿通されて上端が前記第二
    液の出口に接続され、該通路部材の内側に前記可動筒が
    該筒状部の内面を案内面として摺動可能に嵌入されてい
    ることを特徴とする二重管構造の吐水管。
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