JPH0939058A - 射出成形用金型装置 - Google Patents

射出成形用金型装置

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JPH0939058A
JPH0939058A JP18934595A JP18934595A JPH0939058A JP H0939058 A JPH0939058 A JP H0939058A JP 18934595 A JP18934595 A JP 18934595A JP 18934595 A JP18934595 A JP 18934595A JP H0939058 A JPH0939058 A JP H0939058A
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Yoshinobu Takeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビティ内に充填される樹脂の圧力や量を
正確に制御する。 【解決手段】 弱い型締力で型閉して、キャビティ34内
に樹脂を充填する。樹脂の供給を続けると、樹脂の圧力
により、固定型32の基体38と移動体46および可動型33と
が若干開く。これにより、成形機からの樹脂の量のばら
つきを吸収し、キャビティ34内の樹脂の圧力を一定にす
る。つぎに、強い型締力で型閉して、基体38と移動体46
とを閉じる。それに伴い、キャビティ34内の樹脂は成形
機側へ戻る。凸部58が凹部71に嵌合し、ゲート77が閉じ
た時点で、キャビティ34内に一定量の樹脂が残る。その
後、キャビティ34内の樹脂は圧縮される。ランナー76
は、移動体46と可動型33との間に形成し、かつ、移動体
46に凸部58を囲む窪部78を形成する。 【効果】 このランナー76およびゲート77の構造によ
り、キャビティ34内の樹脂が円滑にランナー76に戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば樹脂などの成形
材料の射出成形用金型装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、熱可塑性樹脂の射出成形におい
ては、金型内に形成した製品形状のキャビティ内に溶融
した樹脂を充填し、これを冷却して固化させることによ
り、製品を成形するようにしている。
【0003】従来の射出成形では、成形機において、計
量工程、充填工程および保圧工程を行うようにしてい
る。インラインスクリュー式成形機を例に採ると、加熱
シリンダー装置において、回転するスクリューを後退さ
せながら溶融させた樹脂をシリンダー本体内の先端側に
所定量溜める(計量工程)。つぎに、スクリューを前進
させて、シリンダー本体の先端部のノズルから金型内へ
樹脂を射出させ、キャビティ内に樹脂を充填する(充填
工程)。その後、スクリューによりシリンダー本体内の
樹脂に適当な圧力をかけて、冷却による収縮分の樹脂を
キャビティ内に補充する(保圧工程)。
【0004】一方、金型内のキャビティの容積は一定で
ある。したがって、キャビティ内に充填された樹脂の圧
力や量は、基本的に成形機側の制御によって決定される
ことになる。そのため、成形機側の制御に誤差があれ
ば、そのまま、キャビティ内に充填された樹脂の圧力や
量に誤差を生じることになる。この誤差を解消するに
は、成形機のスクリューなどの制御を精密にすることが
考えられるが、誤差の生じる要因は温度、樹脂自体の性
質のばらつきなど、さまざまである。例えば、スクリュ
ーからキャビティまでは長い樹脂通路があるが、この樹
脂通路において発生する誤差があれば、かりにスクリュ
ーの制御を精密にしても、キャビティ内に充填された樹
脂の圧力や量に誤差を生じることになる。すなわち、成
形機の制御のみによって、キャビティで生じる誤差を解
消することは困難である。
【0005】また、従来より行われている射出圧縮成形
では、例えば特開平6−71698号公報に記載されて
いるように、キャビティ内に樹脂を充填した後、金型の
一部の構成部品を動かしたり、型締力を切り換えるなど
して、キャビティ自体の容積を小さくすることにより、
キャビティ内の樹脂を圧縮するようにしている。しか
し、キャビティの容積を小さくして樹脂を圧縮すること
は、キャビティ内に充填された樹脂の圧力や量の誤差を
解消する作用を有するものではない。
【0006】ところで、射出圧縮成形で、樹脂通路から
キャビティへのゲートを閉じてから圧縮を行う場合、従
来の金型装置では、ゲートを閉じるための手段と圧縮の
ための手段とを別にしていた。これに対して、前記特開
平6−71698号公報に記載の金型装置では、ゲート
を閉じるための手段と圧縮のための手段とを共用してい
る。そのための構成として、固定金型板にスリーブを型
開閉方向に可動に組み込むとともに、このスリーブを緩
衝体により可動金型の方へ押し、キャビティは、固定金
型板の凹型と可動金型板の凸型とより形成するようにし
ている。そして、まず弱い型締力で型閉して、可動金型
板とスリーブとは突き当てるが、固定金型板と可動金型
板とは若干開いていて凹型と凸型とが嵌合していない状
態で、キャビティ内に樹脂を充填する。つぎに、型締力
を強めて、固定金型板と可動金型板とを閉じると、凹型
と凸型とが嵌合することによりゲートが閉じられるとと
もに、圧縮が行われることになる。
【0007】しかし、前記公報に記載の金型装置では、
固定金型板と可動金型板との間の間隙によりキャビティ
への樹脂通路を形成しているため、固定金型板と可動金
型板とを閉じるのに伴い、前記樹脂通路内の樹脂は、圧
縮されつつキャビティ内に入るか、成形機側へ戻るかし
なければならない。かりに樹脂通路内の樹脂が成形機側
へ戻れるにしても、キャビティの周りで樹脂通路内の樹
脂が固定金型板と可動金型板とにより圧縮作用を受ける
ため、キャビティ内の最終的な樹脂の量および圧力は不
安定なものとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
射出成形方法では、加熱シリンダー装置などの材料供給
装置側の制御によってキャビティに充填される樹脂など
の成形材料の圧力や量を制御していたため、この成形材
料の圧力や量を正確に制御しにくい問題があった。ま
た、特に射出圧縮成形用の金型装置として、前記特開平
6−71698号公報には、ゲートを閉じるための手段
と圧縮のための手段とを共用することが記載されている
が、同公報に記載の金型装置では、圧縮の動作に伴って
材料通路である樹脂通路の容積も小さくなるようになっ
ていたため、キャビティ内の最終的な成形材料の量およ
び圧力が不安定になる問題があった。
【0009】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、キャビティ内に充填される成形材料の圧
力や量を正確に制御できるようにすることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の射出成形用金型
装置は、前記目的を達成するために、互いに開閉し型閉
時に相互間に材料通路およびこの材料通路にゲートを介
して連通するキャビティを形成する一対の型体を備え
る。そして、一方の型体は、基体と、この基体に両型体
の開閉方向に移動可能に支持され他方の型体に突き当た
って閉じる移動体と、この移動体を基体に対して他方の
型体の方へ付勢する付勢手段と、前記基体に一体的に設
けられ前記移動体を摺動自在に貫通する凸部とを有す
る。また、前記他方の型体は、前記一方の型体の凸部が
挿脱自在に嵌合される凹部を有する。そして、これら凹
部および凸部により前記キャビティを形成するととも
に、前記移動体と他方の型体との間に前記材料通路を形
成し、前記ゲートは、凹部に嵌合した凸部により閉じら
れる構成とする。さらに、前記移動体に、前記凸部を囲
んで、前記材料通路およびゲートを形成する窪部を形成
したものである。
【0011】
【作用】本発明の射出成形用金型装置では、まず弱い型
締力で一対の型体を型閉し、一方の型体の移動体と他方
の型体とが閉じるとともに、一方の型体の移動体と基体
とが開いた状態で、材料通路へ成形材料を供給してキャ
ビティ内に充填する充填工程を行う。
【0012】この充填工程に引き続いて、金型装置への
成形材料の供給を続け、一方の型体の基体に対し移動体
および他方の型体を変位させて、金型装置内の成形材料
の圧力と型締力とを均衡させることにより、キャビティ
内の成形材料の圧力を調整する調圧工程を行う。すなわ
ち、この調圧工程では、金型装置内の成形材料の圧力に
より、型締力に抗して、一方の型体の基体と移動体およ
び他方の型体とが開くが、その開き量は、金型装置内の
成形材料の圧力と型締力との均衡によって決まり、金型
装置内により多くの成形材料が供給されるほど大きくな
る。換言すれば、材料供給装置より供給される成形材料
の量に誤差があっても、前記開き量の変化により誤差が
吸収され、キャビティ内の成形材料の圧力は一定にな
る。
【0013】この調圧工程の後に型締力を強めて一方の
型体の基体と移動体とを閉じ、キャビティ内の成形材料
を材料供給装置側へ戻し、両型体の凸部と凹部とが互い
に嵌合してゲートが閉じた時点でキャビティ内に一定量
の成形材料を残す計量工程を行う。すなわち、調圧工程
が終了した時点で、キャビティ内の成形材料の量は一定
していないが、その後の計量工程により、キャビティ内
の成形材料は一定量にされる。こうして、調圧工程およ
び計量工程により、キャビティ内に充填される成形材料
の圧力および量が正確に制御されることになる。
【0014】この計量工程の後、すなわち、ゲートが閉
じた後、一方の型体の基体と移動体とを互いに突き当た
るまで閉じ、キャビティ内の成形材料を圧縮する圧縮工
程を行う。これにより、成形材料の固化に伴う収縮が補
償され、この補償のために、材料供給装置側で保圧工程
を行うような必要はない。
【0015】ところで、キャビティへの材料通路を一方
の型体の移動体と他方の型体との間に形成しているた
め、一方の型体の基体にかかり調圧に関わる成形材料の
圧力は、キャビティにおいて基体にかかり、キャビティ
を基準に調圧がなされることになる。また、計量工程に
おいては、材料通路の容積は変化しないので、キャビテ
ィ内の成形材料が円滑に材料通路へ戻り、キャビティ内
の成形材料の圧力が一定に保たれる。さらに、移動体に
凸部を囲んで形成され材料通路およびゲートを形成する
窪部により、ゲート付近の成形材料の冷却が遅れる。こ
れにより、計量工程に際して、キャビティから材料通路
へ成形材料がよりいっそう円滑に戻る。
【0016】
【発明の実施形態】以下、本発明の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。本実施例は、熱可塑性樹
脂を成形材料とする射出成形に応用したものであり、図
6に示すようなインラインスクリュー式の射出成形機を
用いるものである。図6において、1は材料供給装置で
ある加熱シリンダー装置である。この加熱シリンダー装
置1は、ほぼ円筒状のシリンダー本体2を有している。
このシリンダー本体2には、加熱用のヒーター3が外周
に設けられているとともに、ノズル4が先端部(図示左
部)に設けられている。また、シリンダー本体2の後部
上側にはホッパー5が設けられている。そして、シリン
ダー本体2内には、スクリュー6が回転自在にかつ軸方
向(図示左右方向)に移動自在に収容されている。この
スクリュー6の後側には、油圧シリンダー11のピストン
ロッド12が固定して連結してある。すなわち、この油圧
シリンダー11は、スクリュー6を軸方向に駆動するもの
である。また、スクリュー6は、電動サーボモーター13
により回転駆動されるようになっている。このサーボモ
ーター13からスクリュー6に回転を伝達するために、ピ
ストンロッド12の外周に固定されたスプライン筒14に、
回転伝達用のギヤ15がスプライン嵌合してある。すなわ
ち、ギヤ15は、スクリュー6に対して回り止めされてい
るが、軸方向へは自在に動けるようになっている。
【0017】また、21は直圧式の型締装置で、この型締
装置21は、固定側プラテン22および可動側プラテン23を
有している。この可動側プラテン23は、タイバー24に沿
って図示左右方向に移動自在になっており、油圧シリン
ダー25により型締用ラム26を介して駆動されるものであ
る。この油圧シリンダー25は、サーボ弁などからなる駆
動制御装置27により駆動が制御され、型締力を調整可能
になっている。そして、固定側プラテン22には、金型装
置31のうちの固定型32が取り付けられ、可動側プラテン
23には、同可動型33が取り付けられる。なお、前記型締
装置21および加熱シリンダー装置1は、コンピューター
などの制御装置により総合的に制御されるようになって
いる。
【0018】つぎに、金型装置31の構成を図1から図5
に基づいて詳しく説明する。なお、作用説明のための図
1および図3は、わかりやすくするために簡略化してあ
り、他の図と一致しない点もある。また、図1から図3
において、太い線のハッチングで示してあるのは樹脂で
ある。一方の型体である固定型32および他方の型体であ
る可動型33は、可動側プラテン23の移動により互いに開
閉し、型閉時に相互間に製品形状のキャビティ34を形成
するものである。なお、成形される製品Pはレンズであ
り、その軸方向が固定型32および可動型33の型開閉方向
に一致させてある。
【0019】前記固定型32は、固定側プラテン22に取り
付けられる固定側取り付け板36と、この固定側取り付け
板36の可動型33側の面に固定された固定側受け板37とを
有しており、これら固定側取り付け板36および固定側受
け板37により基体38を構成している。また、固定側取り
付け板36にはローケートリング39およびスプルーブッシ
ュ40が固定されている。このスプルーブッシュ40は、加
熱シリンダー装置1のノズル4が接続されるもので、内
部が材料通路であるスプルー41になっており、固定側受
け板37を貫通して可動型33側へ突出している。
【0020】また、固定側受け板37の可動型33側には、
移動体である移動板46が前記型開閉方向に所定範囲移動
可能に支持されている。この支持のために、固定側取り
付け板36および固定側受け板37に固定され可動型33側へ
突出したガイドピン47が移動板46を摺動自在に貫通して
いる。これとともに、固定側受け板37の可動型33側にス
トッパー48とともにボルト49により固定されたスリーブ
50が移動板46を摺動自在に貫通している。なお、ストッ
パー48は、可動型33側から移動板46に当たることによ
り、この移動板46と基体38との間の最大隙間すなわち最
大開き量を規制するものである。また、固定側取り付け
板36と移動板46との間に圧縮状態で挟まれた付勢手段で
あるスプリング51により、移動板46は、基体38に対して
可動型33の方へ付勢されている。そして、前記スプルー
ブッシュ40の先端部が移動板46に形成された貫通孔52に
摺動自在に嵌合されている。なお、移動板46は、枠体46
a と、この枠体46a の内側に固定されたブロック46b と
からなっている。
【0021】また、前記基体38には、固定側取り付け板
36と固定側受け板37とにより挟まれてピン56が固定され
ているが、このピン56は、固定側受け板37を貫通して可
動型33側へ突出しており、ピン56の先端側は、移動板46
に形成された貫通孔57に摺動自在に嵌合されている。そ
して、ピン56の先端部は、移動板46よりも可動型33側へ
突出できる凸部58をなしている。
【0022】前記可動型33は、可動側プラテン23に取り
付けられる可動側取り付け板61と、この可動側取り付け
板61の固定型32側の面にスペーサーブロック62を介して
固定された可動側受け板63と、この可動側受け板63の固
定型32側の面に固定された可動側型板64とを有してい
る。この可動側型板64は、枠体64a とこの枠体64a の内
側に固定されたブロック64b とからなっている。また、
可動型33には、前記固定型32のガイドピン47が摺動自在
に貫通したガイドブッシュ65が設けられている。また、
可動側型板64は、前記固定型32の移動板46に突き当たっ
て閉じるものであるが、これら可動側型板64および移動
板46の相互の案内のために、移動板46にはガイドピン66
が固定されており、可動側型板64には、ガイドピン66が
摺動自在に嵌合される貫通孔67が形成されている。
【0023】そして、可動側型板64には、前記固定型32
の凸部58が挿脱自在に嵌合される凹部71が形成されてい
る。この凹部71の底面は、可動側型板64内に埋め込まれ
て固定された入子72により形成されている。凸部58と凹
部71との嵌合面は、型開閉方向と平行な柱面をなしてお
り、かつ、製品Pにバリが生じないように、相互間の隙
間はほとんどない。そして、最終的な製品形状のキャビ
ティ34は、凸部58と凹部71とにより形成されるようにな
っている。すなわち、凸部58の先端面が製品Pの一端面
を形成し、凹部71の底面が製品Pの他端面を形成し、凹
部71の内周面が製品Pの外周面を形成するものである。
【0024】また、閉じた固定型32の移動板46と可動型
33の可動側型板64との間には、前記スプルー41をキャビ
ティ34に連通させる材料通路であるランナー76およびゲ
ート77が形成されるようになっている。移動板46の可動
型33側の面には、凸部58を囲む円環状の窪部78が形成さ
れている。この窪部78は、前記ランナー76に連通してお
り、このランナー76の一部およびこのランナー76からキ
ャビティ34へのゲート77を形成するものである。このゲ
ート77は、固定型32の凸部58が可動型33の凹部71に嵌合
することにより閉じられるものである。なお、スプリン
グ51が移動板46を付勢する力は、ランナー76内の樹脂の
圧力に抗して移動板46と可動型33とが閉じた状態が保た
れる力に設定してある。
【0025】さらに、前記可動側取り付け板61と可動側
受け板63との間には突き出し板81が型開閉方向へ移動可
能に支持されている。この突き出し板81には、成形され
た製品Pを突き出す製品突き出しピン82と、ランナー76
内で固化した樹脂を突き出すランナー突き出しピン83と
が固定されている。
【0026】つぎに、射出成形の方法について説明す
る。加熱シリンダー装置1においては、可塑化工程と射
出工程とが繰り返し行われる。可塑化工程では、ホッパ
ー5からシリンダー本体1内に供給された熱可塑性樹脂
が、ヒーター3による加熱とスクリュー6の回転による
混練とにより溶融して可塑化される。この可塑化ととも
に、樹脂は、スクリュー6の回転によって前方へ送ら
れ、シリンダー本体1内の先端側に溜められていく。そ
れに伴って、スクリュー6は樹脂の圧力により後退す
る。なお、可塑化工程中も、油圧シリンダー11により、
スクリュー6には前方への適当な背圧がかけられてい
る。スクリュー6が所定位置まで後退したことが検出さ
れると、油圧シリンダー11の駆動によりスクリュー6が
前進し、シリンダー本体1内の先端側の樹脂がノズル4
から射出され、金型装置31のスプルー41へ供給される。
スクリュー6が所定位置まで前進したことが検出される
と、あるいは、スクリュー6が前進限まで前進すると、
再び可塑化工程となる。
【0027】型締装置21は、まず弱い一定の型締力F1で
固定型32と可動型32とを型閉する。このとき、図1
(a)に示すように、固定型32の移動板46と可動型33と
が突き当たって閉じる。一方、固定型32の基体38と移動
板46とは初期開き量A1をもって開いているが、ストッパ
ー48は移動板46には当たっていない。すなわち、型締力
F1とスプリング51の力Gとが釣り合っている。また、固
定型32の凸部58は可動型33の凹部71に嵌合しておらず、
開いたゲート77によりランナー76とキャビティ34とが連
通している。この状態で、加熱シリンダー装置1からス
プルー41へ樹脂を射出する。この樹脂は、スプルー41か
らランナー76およびゲート77を通ってキャビティ34内に
充填される(充填工程)。
【0028】この充填工程に引き続いて、型締力はF1の
まま、加熱シリンダー装置1においては、スクリュー6
が所定位置まで前進したことが検出されるまで、あるい
は、スクリュー6が前進限まで前進するまで射出工程が
続けられる。すなわち、加熱シリンダー装置1から金型
装置31への樹脂の供給がなお続くが、それに伴い、金型
装置31内の樹脂の圧力により、図1(b)に示すよう
に、油圧がクローズされていない型締装置21が与えてい
る型締力F1に抗して、固定型32の基体38に対し移動板46
および可動型33が開く方向に変位する。これにより、発
生した内圧が解除される。そして、基体38と移動板46と
の間の拡大した開き量A2は、金型装置31内の樹脂の圧力
と型締力との均衡により決まる。より詳しくは、型締力
F1と、スプリング51の力Gおよび金型装置31内の樹脂が
移動板46および可動型33を後退させる力Hとの釣り合い
によって開き量A2が決まる。この開き量A2は、金型装置
31内により多くの樹脂が供給されるほど大きくなる。換
言すれば、加熱シリンダー装置1より供給される樹脂の
量に誤差があっても、前記開き量の変化により誤差が吸
収され、キャビティ34内の樹脂の圧力が調整されて一定
になる(調圧工程)。こうして、キャビティ34内の樹脂
の圧力を正確に制御できることになる。
【0029】なお、開き量がA1からA2に大きくなること
によりスプリング51の力Gは若干弱くなり、また、可動
型33とともに型締用ラム26が押し戻されることにより油
圧シリンダー25が与える型締力も若干変化し得るが、こ
れらスプリング51の力Gや型締力の変化は、無視できる
ほどに小さなものである。すなわち、移動板46および可
動型33の変移に応じて変化するスプリング51の力Gや型
締力と釣り合う樹脂の圧力のばらつきは、一定の容積の
キャビティに異なる量の樹脂を充填したときに生じる圧
力のばらつきに比べれば、ずっと小さい。
【0030】また、前記調圧工程において、固定型32の
基体38と移動板46および可動型33とを開くように作用す
る樹脂の圧力は、固定型32については、型開閉方向と平
行な方向において基体38にかかる圧力である。これが調
圧に関わる圧力である。これに対して、前記実施例の金
型装置31では、ランナー76を固定型32の移動板46と可動
型33との間に形成したので、基体38と移動板46および可
動型33とを開くように作用する樹脂の圧力は、ほぼキャ
ビティ34のみにおいて基体38にかかる(正確には、スプ
ルーブッシュ40を含む)。したがって、キャビティ34を
基準に調圧がなされることになる。一方、ランナー76内
の樹脂の圧力は、移動板46と可動型33とを開くように作
用するが、ランナー76内の樹脂の圧力にはスプリング51
の力が抗し、移動板46と可動型33とが閉じた状態に保た
れる。これは、次の計量工程でも同様である。
【0031】調圧工程の終了後、型締装置21は、型締力
をF2に強める。これにより、固定型32の基体38と移動板
46とが閉じていく。それに伴い、キャビティ34内の余分
な樹脂は、まだ開いているゲート77からランナー76へ戻
り、金型装置31内の樹脂は、加熱シリンダー装置1のシ
リンダー本体2内に戻る。その分、スクリュー6は後退
する。そして、図2(a)に示すように、固定型32の凸
部58が可動型33の凹部71に嵌合し始めるとゲート77が閉
じ、この時点で、キャビティ34内に一定量の樹脂が残る
ことになる(計量工程)。
【0032】計量工程の後、図2(b)に示すように、
固定型32の基体38と移動板46とが互いに突き当たるまで
閉じ、それに伴い、キャビティ34内の樹脂が加圧されて
圧縮される(圧縮工程)。その圧縮量Bは、計量工程の
終了時点での基体38と移動板46との開き量A3に等しい。
【0033】前記調圧工程が終了した時点では、キャビ
ティ34の容積すなわちキャビティ34内の樹脂の量は一定
していない。しかし、その後の計量工程において、前述
のようにキャビティ34内の樹脂がランナー76へ戻り、ゲ
ート77が閉じた瞬間には、キャビティ34内に一定量の樹
脂が残る。こうして、調圧工程および計量工程により、
キャビティ34内に充填される樹脂の圧力および量が正確
に制御されることになる。
【0034】ところで、金型装置31において、ランナー
76を固定型32の移動板46と可動型33との間に形成した
ことにより、計量工程において、ランナー76の容積は
変化しない。したがって、容積が小さくなっていくキャ
ビティ34からランナー76へ樹脂が円滑に戻り、キャビテ
ィ34内の樹脂の圧力が確実に一定に保たれる。これとと
もに、型閉の動作も速くできる。
【0035】また、移動板46に、凸部58を囲んで、ラン
ナー76の一部およびゲート77を形成する窪部78を形成し
たので、ゲート77付近の樹脂の冷却が遅れ、これによ
り、計量工程に際して、キャビティ34からランナー76へ
樹脂がよりいっそう円滑に戻る。これに対して、もし窪
部78がなく、ゲートが単なるサイドゲートになっていた
とすると、一般的にキャビティ内の樹脂の冷却は固定型
と可動型との分割面に近い位置がより速く進むために、
ゲート付近の樹脂の冷却、固化も比較的速く進むことか
ら、キャビティからランナーへ樹脂が円滑に戻らないお
それがある。なお、前記窪部78の効果を十分に出すに
は、窪部78を製品Pの肉厚に見合う程度の大きさにする
必要がある。
【0036】型閉に伴いゲート77が閉じた後には圧縮工
程となって、キャビティ34内の樹脂は圧縮されるが、計
量工程において、キャビティ34内に一定の圧力で一定量
の樹脂が残されることにより、圧縮も円滑に行われる。
そして、圧縮により、樹脂の冷却による固化に伴う収縮
が補償される。したがって、この補償のために、加熱シ
リンダー装置1側で保圧工程を行う必要はない。もちろ
ん、圧縮には、金型装置31内における冷却時間を短くで
きるなどの効果もある。
【0037】そして、キャビティ34内の樹脂が十分に冷
却して固化した後、型締装置21により固定型32と可動型
33とが型開される。それに伴い、キャビティ34内の樹脂
すなわち製品Pとランナー76およびスプルー41内で固化
した樹脂は、まず固定型32から離れる。ついで、型締装
置21側に設けられた図示していない突き出しロッドが突
き出し板81を固定型32の方へ押すことにより、ランナー
突き出しピン83がランナー76およびスプルー41内で固化
した樹脂を突き出して可動型33から離型させるととも
に、製品突き出しピン82が製品Pを突き出して可動型33
から離型させる。さらに、ランナー76およびスプルー41
内で固化した樹脂および製品Pが取り出された後、再び
型閉が行われ、以上の工程が繰り返される。
【0038】以上のように、前記実施例の構成によれ
ば、金型装置31内で行われる調圧工程および計量工程に
より、キャビティ34内に充填される樹脂の圧力および量
を容易に正確に制御でき、したがって、品質の安定した
高精度の製品Pを得られる。
【0039】また、金型装置31において、ランナー76を
固定型32の移動板46と可動型33との間に形成したことに
より、キャビティ34を基準に調圧が行われ、また、計量
工程ではキャビティ34内の樹脂が円滑にランナー76へ戻
ることにより、キャビティ34内に充填される樹脂の圧力
および量をより正確に制御できる。
【0040】さらに、移動板46に、凸部58を囲んで、ラ
ンナー76の一部およびゲート77を形成する窪部78を形成
したことにより、計量工程時、キャビティ34内の樹脂を
いっそう円滑にランナー76へ戻せる。
【0041】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、インラインスクリュー式の射出成形機
を用いた場合を例に採って説明したが、成形機には、プ
ランジャー式のものなど、各種のものを用いられる。ま
た、型締装置も、前記実施例のような直圧式のものの
他、トグル式のものなど、各種のものを用いられる。型
締装置の駆動源も、油圧シリンダーに限らず、電動モー
ターなどであってもよい。さらに、金型装置も、前記実
施例のものには限らない。例えば、移動体を付勢する付
勢手段としては、スプリングの他、エアシリンダーなど
を用いることもできる。そして、成形される製品もレン
ズに限らず、各種形状の製品の成形に、本発明を適用で
きる。
【0042】また、前記実施例では、熱可塑性樹脂の射
出成形を例に採って説明したが、本発明は、熱可塑性樹
脂をバインダーとして用いるセラミックスの射出成形や
射出成形粉末冶金法、あるいは、熱硬化性樹脂の射出成
形など、各種成形材料の射出成形に適用可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、一方の型体の基体に対
し移動体および他方の型体を変位させて、金型装置内で
調圧工程および計量工程を行うことにより、キャビティ
内に充填される成形材料の圧力および量を容易に正確に
制御でき、したがって、品質の安定した高精度の製品を
得られる。また、キャビティへの材料通路は、移動体と
他方の型体との間に形成したので、キャビティを基準に
調圧が行われ、また、計量工程ではキャビティ内の成形
材料が円滑に材料通路へ戻ることにより、キャビティ内
に充填される成形材料の圧力および量をより正確に制御
できる。さらに、移動体に、他方の型体の凹部に嵌合さ
れてキャビティを形成する基体と一体の凸部を囲んで、
材料通路およびゲートを形成する窪部を形成したので、
ゲート付近の成形材料の冷却が遅れることにより、計量
工程に際してキャビティ内の成形材料をよりいっそう円
滑に材料通路へ戻すことができ、圧縮工程を含めて型閉
の動作も速くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す射出成形用金型装置の
一部の断面図で、(a)は充填工程時、(b)は調圧工
程時を示している。
【図2】同上射出成形用金型装置の一部の断面図で、
(a)は計量工程時、(b)は圧縮工程時を示してい
る。
【図3】同上図2(b)のキャビティ付近の拡大図であ
る。
【図4】同上射出成形用金型装置の固定型の一部の正面
図である。
【図5】同上射出成形用金型装置の可動型の断面図であ
る。
【図6】同上射出成形に用いる装置全体を示す一部を断
面にした側面図である。
【符号の説明】
31 金型装置 32 固定型(一方の型体) 33 可動型(他方の型体) 34 キャビティ 38 基体 46 移動板(移動体) 51 スプリング(付勢手段) 58 凸部 71 凹部 76 ランナー(材料通路) 77 ゲート 78 窪部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに開閉し型閉時に相互間に材料通路
    およびこの材料通路にゲートを介して連通するキャビテ
    ィを形成する一対の型体を備え、 一方の型体は、基体と、この基体に両型体の開閉方向に
    移動可能に支持され他方の型体に突き当たって閉じる移
    動体と、この移動体を基体に対して他方の型体の方へ付
    勢する付勢手段と、前記基体に一体的に設けられ前記移
    動体を摺動自在に貫通する凸部とを有し、 前記他方の型体は、前記一方の型体の凸部が挿脱自在に
    嵌合される凹部を有し、 これら凹部および凸部により前記キャビティを形成する
    とともに、前記移動体と他方の型体との間に前記材料通
    路を形成し、前記ゲートは、凹部に嵌合した凸部により
    閉じられる構成とし、 前記移動体に、前記凸部を囲んで、前記材料通路および
    ゲートを形成する窪部を形成したことを特徴とする射出
    成形用金型装置。
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