JPH093548A - 耐食性および加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
耐食性および加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法Info
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- JPH093548A JPH093548A JP15042195A JP15042195A JPH093548A JP H093548 A JPH093548 A JP H093548A JP 15042195 A JP15042195 A JP 15042195A JP 15042195 A JP15042195 A JP 15042195A JP H093548 A JPH093548 A JP H093548A
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- Japan
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- steel sheet
- stainless steel
- corrosion resistance
- austenitic stainless
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- Pending
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- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Abstract
ナイト系ステンレス鋼板の製造方法を提供するものであ
る。 【構成】 N量が重量%で0.05%以下のオーステナ
イト系ステンレス鋼板を、冷延後、連続焼鈍炉内で再結
晶焼鈍をした後、1050℃以上、1200℃以下の鋼
板温度域で炉中雰囲気のNH3 の濃度(%)とこの温度
での窒化時間(秒)の積が50以上、1000以下の条
件でガス窒化処理を行ない、その後平均冷速20℃/秒
以上で500℃以下まで冷却することを特徴とする耐食
性および加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼
板の製造方法。
Description
オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法に関するも
のである。
食性を向上させるのにNの添加が有効であることは周知
のとおりである(例えば特公昭50−8967号公報参
照)。耐孔食性は、Nの添加量の増加に伴い向上する
が、その効果を十分に得るには多量のNを添加しなくて
はならない。一方、Nは非常に効果的な固溶強化合金と
して知られている。すなわち、Nの大量添加は、著しい
強度の上昇と延性の劣化を招き、成形の観点では問題と
なることがある。
さを増し、複雑な形状に強加工された材料が厳しい孔食
環境で使用される場合がある。耐孔食性の優れた材料は
数多く開発されているが、18−8ステンレスに代表さ
れるオーステナイト系ステンレスより加工性、経済性に
優れた金属は少ない。
加工性を両立したオーステナイト系ステンレス鋼板の製
造方法を提供するものである。
と加工性を同時に満足するオーステナイト系ステンレス
鋼板について検討を重ね、加工性に優れたオーステナイ
ト系ステンレスを適正に窒化することにより、両特性を
同時に満足する鋼板を得られることを見いだした。窒化
条件の限定は、表層近傍のごく限られた範囲のみにNの
含有量を高めることで表層近傍の耐孔食性を高め、それ
より板厚の内部はNの含有量の上限を制限することによ
り加工性を確保しようとするものである。このように、
本発明は十分な耐孔食性を確保し、かつ優れた加工性を
示す窒化条件を種々検討し、得られた知見に基づいてな
されたものである。
量が重量%で0.05%以下のオーステナイト系ステン
レス鋼板を、冷延後、連続焼鈍炉内で再結晶焼鈍をした
後、1050℃以上、1200℃以下の鋼板温度域で炉
中雰囲気のNH3 の濃度(%)とこの温度での窒化時間
(秒)の積が50以上、1000以下の条件でガス窒化
処理を行ない、その後平均冷速20℃/秒以上で500
℃以下まで冷却することを特徴とする耐食性および加工
性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法
にある。
ず、本発明の成分の限定理由は次の通りである。オース
テナイト系ステンレス鋼板の窒化前に含有するN量の上
限を0.05%以下としたのは、これ以上の窒素の含有
は強度の上昇と平行して延性の劣化が顕著に見られるた
めである。
温度を鋼板温度で1050℃以上、1200℃以下と限
定したのは、1050℃以下では窒化クロムの析出が顕
著に起こり、固溶のCr量が表面近傍で減少し、耐食性
が劣化するためである。また、上限温度を設定したの
は、余り高温で連続焼鈍をするとヒートバックルが起こ
り易くなり、板が絞られる状態になり通板性が悪くなる
懸念が高まるだけでなく、最悪の場合は板破断がおこり
生産性に大きな打撃を与えるためである。
で限定したのは、1050℃以上の温度の炉内にアンモ
ニアガスを注入しても雰囲気中で激しく分解してしま
い、鋼板表面で有効にNのポテンシャルを高めることが
出来ないためである。すなわち、アンモニアを有効に活
かして窒化を行なうには、雰囲気温度は鋼板温度より低
くする工夫が必要である。
間(秒)の積が50以上、1000以下と限定したの
は、この条件を満足することにより鋼板表面の耐孔食性
を著しく改善し、かつ加工性の劣化が比較的小さく抑え
られるためである。炉中雰囲気のNH3 の濃度(%)と
窒化時間(秒)の積が50より小さくなると、表層のN
量の増加は少なく、孔食性の顕著な改善は見られない。
一方、1000以上になるとNが板の内部まで拡散し
て、板全厚のN量が増加した形になり加工性が劣化す
る。
Crと結合して局所的にCr欠乏層を形成しないよう
に、冷却を速やかに行なう必要がある。SUS304に
代表される通常のオーステナイト系ステンレスは、フェ
ライト系ステンレスに比べクロムの析出物が生成する速
度が遅いため、空冷程度でもCr欠乏層が顕著に出現す
ることはないが、窒化層はN濃度が高いため20℃/秒
以上の冷却速度で冷やす必要がある。強制冷却の終点温
度は、Crの拡散がほとんど起こらなくなる500℃以
下にする必要がある。
す成分を有するオーステナイト系ステンレス鋼冷延鋼板
(板厚0.8mm)を用いて、連続焼鈍で表2に示す条件
で窒化した。その後、得られた鋼板の特性を調査し、そ
の結果を表2に示す。表2中の窒化中の板温は窒化時の
平均温度である。耐孔食性の指標としては、50℃の塩
酸−塩化第二鉄溶液中における腐食速度により表示し
た。引張試験の試験片はJIS5号を用いた。
理をしない状態で、機械試験並びに耐食性の試験をした
ものである。実験番号1,11,13は、成分的には本
発明の範囲を満足しているが、窒化処理を受けていない
ため耐孔食性の向上は見られない。また、比較鋼の実験
番号15の材料は、耐孔食性は優れているが、強度が高
く、延性が劣る。本発明の範囲を満足する実験番号2,
3,4,7,8,12,14の材料は、いずれも優れた
耐孔食性ならびに加工性を示す。
明の範囲を満足する実験番号4の材料に比較して耐孔食
性の向上はほとんど見られず、加工性だけが顕著に劣化
した。窒化度が低かった実験番号6の材料は、耐孔食性
の向上が十分ではなかった。窒化時の板温が低かった実
験番号9の材料は、耐孔食性の著しい劣化が起こった。
これは窒化時にクロムの窒化物ができ、耐食性に有効な
固溶のクロムが減少したためと思われる。
度が小さかった実験番号10の材料も、耐孔食性の著し
い劣化が観察された。これも冷却中にクロムの窒化物が
生成したことに起因するものと思われる。
とにより加工性を犠牲にしていた高Nオーステナイト系
ステンレス鋼板に代わり、同様の耐孔食性を有しつつ、
著しく加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板
を製造することが可能となり、これらの両特性を要求さ
れる部材等に好適である。
Claims (1)
- 【請求項1】 N量が重量%で0.05%以下のオース
テナイト系ステンレス鋼板を、冷延後、連続焼鈍炉内で
再結晶焼鈍をした後、1050℃以上、1200℃以下
の鋼板温度域で炉中雰囲気のNH3 の濃度(%)とこの
温度での窒化時間(秒)の積が50以上、1000以下
の条件でガス窒化処理を行ない、その後平均冷速20℃
/秒以上で500℃以下まで冷却することを特徴とする
耐食性および加工性に優れたオーステナイト系ステンレ
ス鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15042195A JPH093548A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 耐食性および加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15042195A JPH093548A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 耐食性および加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093548A true JPH093548A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15496579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15042195A Pending JPH093548A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 耐食性および加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH093548A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015004133A (ja) * | 2014-08-06 | 2015-01-08 | 日本冶金工業株式会社 | ステンレス鋼板の表面改質方法 |
-
1995
- 1995-06-16 JP JP15042195A patent/JPH093548A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015004133A (ja) * | 2014-08-06 | 2015-01-08 | 日本冶金工業株式会社 | ステンレス鋼板の表面改質方法 |
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