JPH0933907A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示装置

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JPH0933907A
JPH0933907A JP7181921A JP18192195A JPH0933907A JP H0933907 A JPH0933907 A JP H0933907A JP 7181921 A JP7181921 A JP 7181921A JP 18192195 A JP18192195 A JP 18192195A JP H0933907 A JPH0933907 A JP H0933907A
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liquid crystal
layer
light
display device
electrode
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JP7181921A
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Naoki Hiji
直樹 氷治
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】適度な光拡散性を有し、表面の凹凸が液晶層の
厚みと比較して十分小さく、光拡散層の厚みが画素電極
の大きさより十分に小さくする光拡散層を有することに
より、反射型液晶表示装置において表示特性を高める。 【解決手段】透光性電極21を有する第1支持板11
と、鏡面電極(光反射性電極)24を有する第2支持板
12と、前記第1及び第2支持板間に挟まれた液晶層5
0と、前記液晶層と前記第1支持板との間に設けられた
偏光層60と、前記偏光層と前記第1支持板との間に設
けられた光拡散層30とを具備し、この光拡散層30を
液晶性高分子で構成することにより、表示特性の向上を
図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外光の反射を用い
て表示を行う反射型液晶表示装置に関する。反射型液晶
表示装置は背面照明を用いないため消費電力を低くで
き、ノート型パーソナルコンピュータや電子手帳に代表
される携帯情報機器等の表示装置として広く用いられて
いる。
【0002】
【従来の技術】従来、反射型液晶表示装置としては、T
wisted Nematic方式(以下、TN方式という)やSupe
r Twisted Nematic方式(以下、STN方式という)
が広く用いられている。STN方式による反射型液晶表
示装置は、図8に示すように、透光性電極21,22を
それぞれ有する2枚の支持板11,12と、これらの支
持板の間に挟まれた液晶層50と、前記2枚の支持板の
外部にそれぞれ配置された2枚の偏光板60,61と、
偏光板61の外側に配置された反射板80とを具備して
構成される。そして、液晶層50の液晶の初期配向状態
を制御するために配向膜41,42が液晶層50と接す
るように設けられている。また、白黒表示を実現するた
めに位相差板70が偏光板60と支持板11との間に設
けられている。
【0003】図8の構成によれば、2枚の偏光板60,
61による光吸収のため、表示が暗く視認性が悪いとい
う問題があり、また、液晶層50と反射板80とが支持
板12及び偏光板61の厚みだけ隔たってしまうため
に、像がダブってみえるという問題があった。図8を各
層の厚みの大小関係をより現実に近くなるように描き直
した図9を用いて、像のダブリの問題を説明する。ある
画素110が暗表示である場合、この画素を透過する光
線101,102はともに遮られ、観察者には2つの像
が見えることとなる。これは画素110と、これが反射
板80の反射面に映った像110′とが、見えることに
他ならない。
【0004】そこで、STN方式の反射型液晶表示装置
(以下、反射型STNと略す)の表示の明るさの改善及
び像のダブリの問題を解決するために、透光性電極を有
する第1支持板と、光反射性電極を有する第2支持板
と、これらの間に挟まれた液晶層と、第1支持板の外部
に順次設けられた位相差板と偏光板とからなる構成が提
案されている(坂井,小谷,福田,内田:第19回液晶
討論会講演予稿集p.294)。
【0005】上記文献に開示された反射型STNは、図
10に示すように、透光性電極21を有する第1支持板
11と、光反射性電極23を有する第2支持板12と、
これらの間に挟まれた液晶層50と、第1支持板11の
外側に順次設けられた位相差板70と偏光板60とから
構成される。透光性電極21と光反射性電極23との間
に印加する電圧によって液晶層50の複屈折が変化し、
この複屈折変化を明暗の変化に変換するために、位相差
板70と偏光板60とが配置されている。また、液晶層
50の初期配向を制御するために、配向膜41,42が
設けられている。
【0006】この反射型STNにおいて、光反射性電極
23は金属蒸着膜などより形成されるが、電極面が鏡面
であると周囲が表示に映り込み視認性が著しく低下する
ため、電極表面に凹凸を形成するなどの方法で光拡散性
を付与する必要がある。ところが電極表面に凹凸を形成
する場合、(1)凹凸を形成するための工数が増加し、生
産性の低下とコストの上昇をもたらす、(2)凹凸を再現
性よく形成することは技術的に困難が多く、特性のばら
つきと歩留りの低下を招く、(3)液晶層の厚みの不均一
を必然的に生じ、コントラスト低下などの不具合を生ず
る、(4)反射電極に偏光保持性が要求されるが、凹凸の
作製方法によってはしばしば偏光保持性の悪化を生じ、
コントラスト低下をもたらす、等の問題が生じていた。
【0007】このような問題を解決する手段として、偏
光板の外側に光拡散板を設けたゲスト−ホスト方式の反
射型液晶表示装置が提案されている(特公昭61−84
30号公報参照)。この反射型液晶表示装置は、図7に
示すように、透光性電極21を有する第1支持板11
と、鏡面電極(光反射性電極)24を有する第2支持板
12と、これらの間に挟まれた二色性色素を含む液晶層
50と、第1支持板の外部に順次設けられた偏光板60
と光拡散層30とから構成される。ここで鏡面電極24
は、表面を鏡面とすることにより光反射性を有してい
る。
【0008】図7の構成によれば、鏡面電極24上に凹
凸を形成する必要がないため、前記した(1)の問題が回
避できる。また、鏡面電極24は偏光保持するため、
(4)のようなコントラスト低下の問題も回避できる。更
に、特公昭61−8430号公報には、像のぼけを防止
するために、光拡散層30と鏡面電極24とは極力近接
した方が好ましい旨が記載されており、第1支持板11
を薄くし、偏光板60の外部に別の支持板を設ける構成
も開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】特公昭61−8430
号公報に記載された反射型液晶表示装置は、偏光板を用
いたゲスト−ホスト方式に関するものであるが、その構
成は前記反射型STNと類似しており、したがって、前
記の光拡散層の配置を反射型STNに適用することが考
えられる。すなわち、図6に示すように、透光性電極2
1を有する第1支持板11と、光鏡面電極24を有する
第2支持板12と、これらの間に挟まれた液晶層50
と、第1支持板の外部に順次設けられた位相差板70と
偏光板60と光拡散層30とから、反射型STNを構成
することが考えられる。
【0010】しかしながら、反射型STNの光拡散層3
0としては、以下の要件を満たすことが求められる。 明表示時には鏡面電極24の鏡面性を防止するのに十
分で、かつ暗表示時には十分に反射率が低くなるような
(すなわち、後方散乱の少ない)適度な光拡散性を持つ
こと。 表面の凹凸が液晶層50の厚みと比較して十分小さい
こと。そうでなけれは液晶層50の厚みに不均一をもた
らすことになる。 光拡散層30の厚みが画素電極の大きさより十分に小
さいこと。そうでなけれは画像のにじみを生じ解像度が
低下する。
【0011】然るに、例えば特公昭57−42867号
公報に開示されたようなTiO2,ZnO,BaSO4
ナイロンなどの白色顔料をアクリル樹脂などのバインダ
ーに分散させた白色塗料をガラスや樹脂よるなる支持板
上に塗布して得た光拡散層によれば、後方散乱が大きく
の条件を満たすことが困難である。また白色塗料は粉
じんを生じやすく液晶パネルの製造歩留りを低下させる
ため好ましくない。また、特公昭57−43905号公
報に開示されたような結晶性高分子からなる光拡散層で
は、の条件を満たす時の光拡散層30の厚みは0.1
〜1.0mmと厚くの条件を満たさなくなる。このた
め高精細表示を行う場合には解像度の劣化が見られる。
【0012】このように従来使用されている光拡散層の
材料には、反射型STNの光拡散層として必要な要件を
満たすものがなく、より好ましい材料が望まれていた。
【0013】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、適度な光拡散性を有し、表面の凹凸が液晶層の厚み
と比較して十分小さく、光拡散層の厚みが画素電極の大
きさより十分に小さくする光拡散層を有することによ
り、表示特性を高めた反射型液晶表示装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の反射型液晶表
示装置は、透光性電極を有する第1支持板と、光反射性
電極を有する第2支持板と、前記第1及び第2支持板間
に挟まれた液晶層と、前記液晶層と前記第1支持板との
間に設けられた偏光層と、前記偏光層と前記第1支持板
との間に設けられた光拡散層とを具備し、前記光拡散層
は、液晶性高分子から構成されたことを特徴としてい
る。
【0015】請求項2の反射型液晶表示装置は、透光性
電極を有する第1支持板と、光反射性電極を有する第2
支持板と、前記第1及び第2支持板間に挟まれた液晶層
と、前記液晶層と前記第1支持板との間に設けられた第
1偏光層と、前記液晶層と前記光反射性電極との間に設
けられた第2偏光層と、前記第1偏光層と前記第1支持
板との間に設けられた光拡散層とを具備し、前記光拡散
層は、液晶性高分子から構成されたことを特徴としてい
る。
【0016】請求項3の反射型液晶表示装置は、透光性
電極を有する第1支持板と、光反射性電極を有する第2
支持板と、前記第1及び第2支持板間に挟まれた液晶層
と、前記液晶層と前記第1支持板との間に設けられた第
1偏光層と、前記液晶層と前記光反射性電極との間に設
けられた第2偏光層と、前記第2偏光層と前記光反射性
電極との間に設けられた光拡散層とを具備し、前記光拡
散層は、液晶性高分子から構成されたことを特徴として
いる。
【0017】上記構成の各反射型液晶表示装置によれ
ば、光拡散層を液晶性高分子で構成したので、適度な光
拡散性を有し、表面の凹凸が液晶層の厚みと比較して十
分小さく、光拡散層の厚みが画素電極の大きさより十分
に小さくすることが可能となり、反射型液晶表示装置の
表示に適した特性を光拡散層に与えることができる。す
なわち、液晶相より低温にガラス相を有する液晶性高分
子では、液晶相での配向状態を凍結、固化することがで
きる。液晶相でランダム配向した液晶性高分子を凍結、
固化して得た液晶薄膜が白濁した外観を呈することは公
知であるが、この薄膜が数μmの薄さにもかかわらず十
分な光拡散性示し、後方散乱は少なく、しかも表面は極
めて平坦であり、したがって前記条件に適合した光拡散
層を構成することが可能となる。
【0018】このような良好な特性の原因は、液晶性高
分子の配向状態と複屈折の大きさに起因すると考えられ
る。すなわち、ポリエチレンやナイロンなどの非液晶性
の高分子化合物と比べて、液晶性高分子の複屈折は10
〜100倍も大きいため、薄いにもかかわらず十分な光
拡散性示す。また、液晶相において、分子の平均的な配
向方向を示すダイレクターは空間内で連続的に変化する
ため、その内部を伝搬する光波は連続的は屈折により進
路を曲げ光拡散性が得られる。そのため後方散乱が少な
いと考えられる。一方、白色顔料を含む塗料では、顔料
とバインダーとの境界で反射が生ずるため後方散乱が大
きくなると考えられる。また、液晶相においては、その
表面張力により表面が平坦化されるため、それを凍結、
固化して得た液晶薄膜でも表面の凹凸は極めて小さくす
ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。図1は本発明による反射型
液晶表示装置の実施の形態の一例を示す断面説明図であ
る。図中、図6ないし図10と同一構成をとる部分につ
いては同一符号を付している。この反射型液晶表示装置
は、光拡散層30,偏光層60,位相差板70,透光性
電極21,配向膜41が順次形成された支持板11と、
鏡面電極(光反射性電極)24,配向膜42が順次形成
された支持板12と、これらの間に挟まれた液晶層50
とから構成される。
【0020】液晶層50は、透光性電極21と鏡面電極
24との間に印加する電圧によってその複屈折が変化
し、支持板11側から入射する光が鏡面電極24で反射
され、この反射光により明暗表示を行う。そして、位相
差板70及び偏光板60は、前記液晶層50の複屈折変
化を明暗の変化に変換させるものである。また、位相差
板70は、色づきを除去して白黒表示にしてコントラス
トの向上を図るもので、必須の構成要件ではない。ま
た、配向膜41,42は、液晶層50の初期配向を制御
するものである。光拡散層30は、像の映り込みを防止
するため、鏡面電極24からの反射光を拡散させるため
のもので、液晶性高分子で構成されている。
【0021】この反射型液晶表示装置は、図6に示した
構造と同様に、液晶層50の入射光側のみに偏光層60
を設けているが、液晶層50に対する位相差板70の位
相差を調整することにより、偏光層60を液晶層50の
一方のみに設けた場合であっても表示のコントラストを
とることができる。
【0022】図2は、本発明による反射型液晶表示装置
の他の実施の形態を示す断面説明図である。図中、図1
と同一構成をとる部分については同一符号を付してい
る。この反射型液晶表示装置は、光拡散層30,偏光板
60,位相差板70,透光性電極21,配向膜41が順
次形成された支持板11と、鏡面電極(光反射性電極)
24,偏光板61,配向膜42が順次形成された支持板
12と、これらの間に挟まれた液晶層50とから構成さ
れる。すなわち、図1の反射型液晶表示装置に対して、
支持板12と液晶層50との間に偏光板61を配置した
構成が異なる。この構成によれば、偏光板60と偏光板
61とをクロスニコルの状態で配置できるので、黒表示
の色づきが少なくコントラストを高くすることができ
る。
【0023】図3は、本発明による反射型液晶表示装置
の他の実施の形態を示す断面説明図である。図中、図1
及び図2と同一構成をとる部分については同一符号を付
している。この反射型液晶表示装置は、偏光板60,位
相差板70,透光性電極21,配向膜41が順次形成さ
れた支持板11と、鏡面電極(光反射性電極)24,光
拡散層30,偏光板61,配向膜42が順次形成された
支持板12と、これらの間に挟まれた液晶層50とから
構成される。すなわち、図2の反射型液晶表示装置に対
して光拡散層30の位置が異なるものである。この構成
によれば、鏡面電極24と液晶層50との間に光拡散層
30を配置したので、よりコントラストが高く明るい表
示とすることができる。
【0024】上記各実施の形態では、図6及び図7の反
射型液晶表示装置に比較して、支持板11(支持板1
2)と液晶層50間に光拡散層30を設けることによ
り、光拡散層30と鏡面電極24とを近接して配置さ
せ、像のぼけが生じるのを防止している。
【実施例】
【0025】次に、図1及び図2に示した反射型液晶表
示装置について、作製順序にしたがって個々の具体的な
部材について説明する。支持板11,12は、ほう珪酸
ガラス,石英ガラスなどのガラスや、ポリアクリレー
ト,ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネートな
どの透光性樹脂から構成され、まず、支持板11上に液
晶性高分子よりなる光拡散層30を形成する。液晶性高
分子としては、化1に示されるシアノビフェニル系のメ
ソーゲンを持つポリアクリレートpoly−6CBAをシク
ロヘキサノンに20wt%溶解して前記配向膜上にスピ
ン塗布した。これを溶媒乾燥して、厚み約3μmの薄膜
を形成する。次に、ホット・ステージ上で等方相まで昇
温したのち、液体窒素中に漬けて急冷し、ランダム配向
した液晶性高分子膜を形成する。
【0026】
【化1】
【0027】液晶性高分子にはポリアクリレート以外
に、ポリエステル,ポリアミド,ポリカーボネート,ポ
リエステルイミド,ポリウレタンなどの主鎖型液晶性高
分子や、ポリメタクリレート,ポリシロキサンなどの側
鎖型液晶性高分子が利用できる。poly−6CBAは、あ
る温度範囲で液晶性を示すサーモトロピック液晶である
が、溶媒除去後に配向がある程度保存されるのであれ
ば、溶液状態で液晶性を示すリオトロピック液晶であっ
てもよい。液晶性高分子が示す液晶相は、ネマチック液
晶,コレステリック液晶,スメクチック液晶のいずれで
あってもよい。
【0028】液晶性高分子膜が光拡散性を有するために
は、液晶分子の平均的な配向方向を表すダイレクターが
空間内でランダムに配向した状態にある必要がある。ダ
イレクターは連続的に変化するが、その変化の大きさと
周期によって光拡散性の度合いを制御できる。ランダム
に配向した液晶は配向欠陥である回位を含む場合が多
い。良好な拡散性を得るために回位は必ずしも必要なも
のではないが、一般に一定の体積中に含まれる回位が多
いほど光拡散性の度合いは強く、逆に回位が少ないほど
光拡散性の度合いは弱い傾向がある。
【0029】光拡散性の度合いは等方相からガラス状態
への冷却速度、化学構造、支持板11の表面処理、液晶
性高分子膜中への異物の添加によって制御することがで
きる。例えば、非液晶性高分子と液晶性高分子との共重
合や、不斉炭素を有する低分子化合物の添加などによっ
て制御することができる。コレステリック液晶,スメク
チック液晶で観察されるフォーカルコニック配向組織
は、一様に白濁した外観を呈するため、特に好ましく用
いられる。コレステリック液晶やカイラルソメクチック
C液晶など螺旋構造を有する液晶を用いる場合には、不
要な色づきを防止するため特性反射波長が可視領域にな
らないように螺旋ピッチを設定する必要がある。例え
ば、前記poly−6CBAに市販のカイラル剤CB15
(E.Merck社製)を添加して螺旋構造を導入する
場合、カイラル剤濃度を20wt%以下にする必要があ
る。光拡散性を制御する別の手段として、支持板11と
光拡散層30との間に配向制御層を設けてもよい。
【0030】液晶性高分子の複屈折の大きさは大きい方
が薄い膜厚で光拡散層30を形成でき、解像度向上の上
で有利である。液晶性高分子膜の厚みは0.1〜20μ
mの範囲で選ぶことができる。これより薄いと十分な光
拡散性が得られず、これより厚いと解像度が低下する。
光拡散層30の表面の粗さを触針式段差計で測定したと
ころ、凹凸の高低差は0.1μm以下であった。これは
一般に用いられる液晶層50の厚み(1〜10μm)と
比較して十分小さく、液晶層50の厚みの不均一を防止
するのに十分な値であった。
【0031】上記の光拡散層30の光散乱特性を以下の
ようにして調べた。前記光拡散層を設けたガラス基板と
Alの鏡面電極を蒸着したガラス基板とを5μm径のギ
ャップを介して貼り合わせ、これに濃厚な黒色色素溶液
を注入したセルAと、液晶とほぼ等しい屈折率を持つ透
明液体であるエチルセロソルブを注入したセルBを用意
した。図4に評価装置の概略を示す。支持板法線に対し
て角θiをなす方向から発振波長633nmのHe−N
eレーザー光102を照射し、角θoをなす方向に光検
出器103を配置して光散乱特性を評価した。入射光は
円偏光となるようにλ/4板を挿入してある。
【0032】θi=30°、θo=0°に固定した時、
セルAの光散乱強度を1とするとセルBの光散乱強度は
約40であり、前方散乱に比較して後方散乱は十分小さ
く良好な特性を示した。次にθi=30°、θoを可変
とした場合の、セルBの光散乱強度の角度分布を図5に
示す。ここでθi=30°、θo=0°に固定した時
の、アルミナのセラミックプレートの反射率を88%と
して校正した。図中に完全拡散面の光散乱強度の角度分
布もあわせて示した。支持板法線に対して30°方向の
光散乱強度を比較すると、セルBの光散乱強度は完全拡
散面の光散乱強度の約2倍、すなわち利得2.0であっ
た。これはセルBの方が完全拡散面より2倍明るいこと
を示しており、良好な光散乱特性であることを意味して
いる。鏡面性を防止し、明るい外観を得るために、利得
を1.0〜3.0の範囲に制御することが望ましい。
【0033】このようにして形成された光拡散層30上
に、偏光板60と位相差板70とを順次貼付した。偏光
板60にはヨウ素を含有したポリビニルアルコールの延
伸フィルムを使用したが、2色性色素を含有した液晶性
高分子膜を用いてもよい。例えば、光拡散層30上にラ
ビング配向膜を形成し、市販の2色性色素S−344
(三井東圧化学社製)を2.0wt%含むpoly−6CB
Aをスピン塗布して厚さ10μmのフィルムとして利用
することもできる。2色性色素にはアゾ系色素、アント
ラキノン系色素、ペリレン系色素などの公知の色素が利
用できる。
【0034】また、液晶性高分子膜には前記poly−6C
BAをはじめとして、ポリエステル,ポリアミド,ポリ
カーボネート,ポリエステルイミド,ポリウレタンなど
の主鎖型液晶性高分子や、ポリメタクリレート,ポリシ
ロキサンなどの側鎖型液晶性高分子が利用できる。液晶
性高分子膜は延伸フィルムとして用いてもよいが、光拡
散層30上にポリイミドのラビング配向膜を形成し、そ
の上に前記材料の溶液を塗布、乾燥して用いてもよい。
ヨウ素を含有したポリビニルアルコールの延伸フィルム
は100〜200μmの厚みで用いられるが、2色性色
素を含有した液晶性高分子膜は5〜50μmの厚みで利
用できる。このため2色性色素を含有した液晶性高分子
膜は偏光板60の厚みによる像のダブリを防止する上で
効果がある。
【0035】このようにして形成された偏光板60上に
レターデーションが0.4μmのポリエステルの延伸フ
ィルムよりなる位相差板70を設けた。延伸フィルムの
材料は上記ポリエステル以外にポリカーボネート,ポリ
ビニルアルコールなどの延伸樹脂フィルムでもよい。ま
た配向した液晶性高分子膜でもよい。たとえば、偏光板
60上にラビング配向膜を形成し、poly−6CBAをス
ピン塗布して厚さ1.7μmのフィルムとして利用する
こともできる。液晶性高分子膜には前記poly−6CBA
をはじめとして、ポリエステル,ポリアミド,ポリカー
ボネート,ポリエステルイミド,ポリウレタンなどの主
鎖型液晶性高分子や、ポリメタクリレート,ポリシロキ
サンなどの側鎖型液晶性高分子が利用できる。前記延伸
樹脂フィルムは100〜200μmの厚みで用いられる
が、液晶性高分子膜は1〜10μmの厚みで利用でき
る。このため液晶性高分子膜は位相差板70の厚みによ
る像のダブリを防止する上で効果がある。また、図2に
示した反射型液晶表示装置の場合、位相差板70には液
晶層50と逆捩じれを有するコレステリック液晶の配向
を固定化した、いわゆるねじれ位相差板も利用できる。
【0036】次に、位相差板70上に透光性導電材料と
してITO(Indium Tin Oxide)をスパッタリング
法によって成膜し、これをフォトエッチング法にて所望
の形状にパターニングし透光性電極21を形成した。透
光性導電材料としてはITOの他にSnO2やZnO:
Alなどが用いられる。光拡散層30と透光性電極21
との密着性を改善するために、これらの間に他の層を挿
入してもよい。次いで、透光性電極21上にポリビニル
ブチラールの5wt%エチルセロソルブ溶液をスピン塗
布し、溶媒乾燥、ラビング処理して配向膜41を得た。
【0037】一方、支持板12上にはAlをスパッタリ
ング法で成膜、フォトエッチングして鏡面電極24を形
成した。Alの他にAg,Cr,Ptなどの金属が利用
できる。図1に示した反射型液晶表示装置の場合は、鏡
面電極24上にポリビニルブチラールの5wt%エチル
セロソルブ溶液をスピン塗布し、溶媒乾燥、ラビング処
理して配向膜41を得る。図2に示した反射型液晶表示
装置の場合は、偏光板60と同様の方法で鏡面電極24
上に偏光板61を形成した。つづいて偏光板61上にポ
リビニルブチラールの5wt%エチルセロソルブ溶液を
スピン塗布し、溶媒乾燥、ラビング処理して配向膜41
を得る。
【0038】このようにして準備した支持板11,12
を6μm径の球状樹脂スペーサを介して貼り合わせ、液
晶を真空注入した。液晶層のレターデーションは0.7
5μm、ねじり角は240°とした。液晶には市販のS
TN用液晶材料が利用できる。θi=30°、θo=0
°の時、反射率30%、コントラスト5であった。以上
は図1及び図2の反射型液晶表示装置についての材料を
説明したが、図3の反射型液晶表示装置についても同様
の材料を使用することができる。
【0039】上記実施例ではSTN方式の反射型液晶表
示装置について述べたが、TN方式や、ECB方式の反
射型液晶表示装置にも適用できる。また表面安定化され
た強誘電性液晶(SSFLC)や反強誘電性液晶(AF
LC)を用いた反射型液晶表示装置にも利用できる。
【0040】上記各実施例によれば、明表示時には鏡面
電極24の鏡面性を防止するのに十分で、かつ暗表示時
には十分に反射率が低くなるような(すなわち、後方散
乱の少ない)適度な光拡散性を与えることができる。こ
のため良好な白色背景と、高いコントラストを得ること
ができる。光拡散層30の表面の凹凸は0.1μm以下
であり、液晶層50の厚み(1〜10μm)と比較して
十分小さい。このため液晶層50の厚みにほとんど不均
一さを与えない。また、光拡散層30の厚みは0.1〜
20μmであり、画素電極の大きさより十分に小さい。
そのため高精細パネルにおいても、画像のにじみによる
解像度低下を生ずることはない。また、白色顔料を含む
塗料のように粉じん生ずることもないので、製造工程の
歩留りの低下を招くこともない。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、反射型液晶表示装置に
おける光拡散層を液晶性高分子で構成したので、高コン
トラスト、高精細で、良好な白色背景をもつ視認性に優
れた反射型液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例を示す反射型液晶
表示装置の構成を示す断面説明図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態を示す反射型液晶表
示装置の構成を示す断面説明図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態を示す反射型液晶表
示装置の構成を示す断面説明図である。
【図4】 実施例における光拡散層30及び反射型液晶
表示装置の反射率を測定するための光学系を示す説明図
である。
【図5】 実施例における光拡散層30の光散乱特性を
示す特性図である。
【図6】 光拡散層を用いた反射型液晶表示装置の構成
を示す断面説明図である。
【図7】 光拡散層を用いた従来の反射型液晶表示装置
の構成を示す断面説明図である。
【図8】 従来の反射型液晶表示装置の構成を示す断面
説明図である。
【図9】 反射型液晶表示装置において像のダブリが生
ずる原因を説明するための断面説明図である。
【図10】従来の反射型液晶表示装置の構成を示す断面
説明図である。
【符号の説明】
11,12…支持板、 21…透光性電極、 23…光
反射性電極(表面に凹凸が形成されている)、 24…
鏡面電極(光反射性電極)、 30…光拡散層、 4
1,42…配向膜、 50…液晶層、 60…偏光板、
70…位相差板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性電極を有する第1支持板と、 光反射性電極を有する第2支持板と、 前記第1及び第2支持板間に挟まれた液晶層と、 前記液晶層と前記第1支持板との間に設けられた偏光層
    と、 前記偏光層と前記第1支持板との間に設けられた光拡散
    層とを具備し、 前記光拡散層は、液晶性高分子から構成されたことを特
    徴とする反射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】透光性電極を有する第1支持板と、 光反射性電極を有する第2支持板と、 前記第1及び第2支持板間に挟まれた液晶層と、 前記液晶層と前記第1支持板との間に設けられた第1偏
    光層と、 前記液晶層と前記光反射性電極との間に設けられた第2
    偏光層と、 前記第1偏光層と前記第1支持板との間に設けられた光
    拡散層とを具備し、 前記光拡散層は、液晶性高分子から構成されたことを特
    徴とする反射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】透光性電極を有する第1支持板と、 光反射性電極を有する第2支持板と、 前記第1及び第2支持板間に挟まれた液晶層と、 前記液晶層と前記第1支持板との間に設けられた第1偏
    光層と、 前記液晶層と前記光反射性電極との間に設けられた第2
    偏光層と、 前記第2偏光層と前記光反射性電極との間に設けられた
    光拡散層とを具備し、 前記光拡散層は、液晶性高分子から構成されたことを特
    徴とする反射型液晶表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000075718A1 (fr) * 1999-06-07 2000-12-14 Citizen Watch Co., Ltd. Afficheur à cristaux liquides
JP2012509551A (ja) * 2008-08-01 2012-04-19 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 有機エレクトロルミネセンス素子

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