JP2001083485A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP2001083485A
JP2001083485A JP25931799A JP25931799A JP2001083485A JP 2001083485 A JP2001083485 A JP 2001083485A JP 25931799 A JP25931799 A JP 25931799A JP 25931799 A JP25931799 A JP 25931799A JP 2001083485 A JP2001083485 A JP 2001083485A
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liquid crystal
cholesteric liquid
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electric field
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JP25931799A
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English (en)
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Sadaichi Suzuki
貞一 鈴木
Taketo Hikiji
丈人 曳地
Shigeru Yamamoto
滋 山本
Naoki Hiji
直樹 氷治
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像を保存する機能を維持したまま、画像を
高速で書き換えて動画を表示できるようにする。 【解決手段】 表示素子は、基板2上に信号電極4aと
走査電極5aを互いに基板面方向に対向させて形成し、
基板1,2間に2周波駆動コレステリック液晶3を注入
する。電極4a,5a間に電界が印加されないときに
は、コレステリック液晶3はプレーナ配向となり、その
ヘリカル軸3hは基板面に対して垂直となる。駆動回路
は、画像を高速で書き換えて動画を表示する場合には、
コレステリック液晶3のクロスオーバー周波数より低い
周波数の電界の強度を制御して、プレーナ配向による選
択反射状態とホモジニアス配向(ホメオトロピック配
向)による透明状態とを選択し、表示素子10に画像を
保存する場合には、コレステリック液晶3のクロスオー
バー周波数より高い周波数の電界の強度を制御して、プ
レーナ配向による選択反射状態とフォーカルコニック配
向による透明状態とを選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コレステリック
液晶の選択反射とメモリ性を利用した表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フラットパネルディスプレイは、TN型
TFT液晶ディスプレイ技術の進歩によって、表示品質
の良いディスプレイが得られるようになった。色再現範
囲はCRTに近づくほどに改善され、コントラストもC
RT並みまたはそれ以上が実現されている。課題であっ
た液晶の視野角についても、IPS方式やVA方式の研
究開発によって、広視野角で高画質のディスプレイが得
られるようになった。
【0003】しかし、これらは、バックライトを用いる
ため、屋外のような周囲の照明が明るい所では、周囲光
が画面からの輝度を上回って画面が見えないとともに、
消費電力が大きいという問題がある。
【0004】そのため、バックライトを用いないで、外
光の反射を利用して表示を行う反射型ディスプレイが注
目されている。反射型ディスプレイは、低消費電力であ
るとともに、明るい所でも表示が良く見えるため、屋外
に持ち出して使用するモバイルコンピュータなどのディ
スプレイとして好適である。
【0005】反射型ディスプレイとして代表的な反射型
液晶ディスプレイとしては、TN方式やECB方式が知
られている。しかし、これらは偏光板を用いるもので、
偏光板によって外光の半分以上が吸収されるため、反射
率が低く、白を表示しにくいという問題がある。
【0006】これに対して、偏光板を用いない方式とし
てPCGH(相変化ゲストホスト)方式が知られてい
る。このPCGH方式は、コレステリック液晶中に2色
性色素を添加し、電界を印加しないときには、コレステ
リック液晶のプレーナ配向によって液晶分子および2色
性色素を基板面方向に配列させることによって、特定の
色を表示し、電界を印加したときには、液晶分子および
2色性色素を基板面に垂直な方向に配列させることによ
って、コレステリック液晶層を透明状態にするものであ
る。しかし、このPCGH方式では、2色性色素として
良い色素を得にくいため、高いコントラストが得られな
いという問題がある。
【0007】そこで、コレステリック液晶の選択反射を
利用した反射型液晶ディスプレイが注目されている。一
般にコレステリック液晶としては、ネマティック液晶に
カイラル剤を添加したものが用いられる。コレステリッ
ク液晶は、このカイラル剤の添加によって周期的な螺旋
構造を形成し、屈折率の周期的な変化を生じて、特定波
長の光を強く反射するので、それ自身で色付いて見え
る。この状態はプレーナ配向と呼ばれ、カイラル剤の添
加量を変えることによって、選択反射波長を青、緑また
は赤のように任意に選択することができる。プレーナ配
向は、コレステリック液晶の安定な状態の一つであり、
電界を印加しなくても選択反射状態を継続することがで
きる。
【0008】それぞれ透明電極を形成した一対の透明基
板間にコレステリック液晶を注入して液晶セルを形成す
ると、このプレーナ配向が実現され、特定波長の光が反
射して、セルが色付いて見える。
【0009】この状態で上下の電極間に十分高い電圧を
印加すると、コレステリック液晶の螺旋構造が消失し
て、コレステリック液晶が正の誘電異方性を有する場合
には、液晶分子が電界方向である基板面に垂直な方向に
配列され、屈折率の周期的な変化が消滅する。この状態
は、ホメオトロピック配向と呼ばれる。このとき、選択
反射は起こらず、コレステリック液晶は入射光を全て透
過させる透明状態となる。したがって、外光入射側と反
対側の基板の裏面に黒色の光吸収層を形成しておくこと
によって、黒色が表示される。
【0010】この状態で上下の電極間に中間的な電圧を
印加すると、コレステリック液晶は螺旋軸が基板面に平
行に配向した状態となる。この状態は、フォーカルコニ
ック配向と呼ばれる。このとき、選択反射は起こらず、
コレステリック液晶は入射光をわずかに散乱させる状
態、または基板間隔が小さい場合には入射光を全て透過
させる透明状態となる。したがって、外光入射側と反対
側の基板の裏面に黒色の光吸収層を形成しておくことに
よって、黒色が表示される。フォーカルコニック配向
は、コレステリック液晶の安定な状態の一つであり、時
間の経過によっても透明状態が変化しない。
【0011】このように、コレステリック液晶はプレー
ナ配向とフォーカルコニック配向の2つの安定な状態を
有する。したがって、プレーナ配向とフォーカルコニッ
ク配向を利用することによって、メモリ性のあるディス
プレイを実現することができる。
【0012】また、それぞれ選択反射波長が青、緑、赤
の3層のコレステリック液晶セルを積層し、外光入射側
から最も遠い基板の裏面に黒色の光吸収層を形成するこ
とによって、フルカラー表示が可能な表示装置を実現す
ることができる。この場合、いずれの液晶セルにも電界
を印加しなければ、各液晶セルで青、緑、赤の色光が反
射して、その混色として白色が表示され、全ての液晶セ
ルに十分高い電界を印加すると、全ての液晶セルのコレ
ステリック液晶がホメオトロピック配向となって、入射
光は全ての液晶セルを透過して光吸収層に吸収され、黒
色が表示される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コレス
テリック液晶はフォーカルコニック配向に遷移させるの
に時間がかかるため、動画を表示させることができない
という問題がある。フォーカルコニック配向に遷移させ
るには、まず十分高い電圧を印加して一旦、ホメオトロ
ピック配向にリセットしてから、次に中間的な電圧を所
定時間に渡って印加して、フォーカルコニック配向に遷
移させる必要があるが、ホメオトロピック配向からフォ
ーカルコニック配向に遷移させるために必要な電圧印加
時間は一般に500m秒程度とされており、動画を表示
するには長すぎる。そのため、コレステリック液晶表示
素子は動画を表示することができない。
【0014】また、従来のコレステリック液晶表示装置
は、画素面(基板面)に垂直な方向に対向させて一対の
透明電極を設けるため、画素面上の透明電極、例えばI
TO電極が、一層の液晶セルからなる表示装置では上下
2層になり、3層の液晶セルを積層した表示装置では上
下6層にもなって、透明電極からの反射を無視すること
ができず、特に、黒色を表示するときには、透明電極か
らの反射を強く生じて、黒色の表示とならずに、灰色が
表示されるようになる。そのため、特に3層の液晶セル
を積層した表示装置では、白色と黒色との間のコントラ
ストが十分に取れないという問題がある。
【0015】特に、透明電極の膜厚が大きいと、反射の
影響が大きくなる。逆に、透明電極の膜厚を小さくする
と、反射の影響は小さくなるが、その分、透明電極の抵
抗が大きくなって、表示される画質が悪化し、表示の速
度が遅くなるという問題を生じる。
【0016】そこで、この発明は、画像を保存する機能
を維持したまま、画像を高速で書き換えて動画を表示す
ることができるようにするとともに、電極による反射の
影響を低減することができ、コントラストを改善するこ
とができるようにしたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の表示装置は、
表示素子と、これを駆動する駆動回路とからなるものと
し、前記表示素子は、電界が印加されないときプレーナ
配向により選択反射状態となる2周波駆動のコレステリ
ック液晶が、一対の基板間に装填されるとともに、この
コレステリック液晶に、そのヘリカル軸に対して垂直な
方向に電界を印加するための第1および第2の電極が設
けられたものとし、前記駆動回路は、前記コレステリッ
ク液晶のクロスオーバー周波数より低い周波数の電界の
強度を制御して、前記コレステリック液晶のプレーナ配
向による選択反射状態とホモジニアス配向による透明状
態とを選択する第1の駆動モードと、前記コレステリッ
ク液晶のクロスオーバー周波数より高い周波数の電界の
強度を制御して、前記コレステリック液晶のプレーナ配
向による選択反射状態とフォーカルコニック配向による
透明状態とを選択する第2の駆動モードとを、選択的に
取るものとする。
【0018】
【作用】上記のように構成した、この発明の表示装置で
は、画像を高速で書き換えて動画を表示しようとする場
合には、駆動回路が第1の駆動モードにより、それぞれ
の画素をプレーナ配向による選択反射状態とホモジニア
ス配向(ホメオトロピック配向)による透明状態とのい
ずれかの状態とし、遷移に時間がかかるフォーカルコニ
ック配向には遷移させないように表示素子を駆動するこ
とによって、画像を高速で書き換えて動画を表示するこ
とが可能となる。
【0019】また、表示素子10に画像を保存しようと
する場合には、駆動回路が第2の駆動モードにより、そ
れぞれの画素をプレーナ配向による選択反射状態とフォ
ーカルコニック配向による透明状態とのいずれかの状態
とするように表示素子を駆動することによって、プレー
ナ配向およびフォーカルコニック配向のメモリ性によっ
て無電源で表示素子10に画像を保存することができ
る。
【0020】また、この発明の表示装置では、電界が印
加されないときプレーナ配向により選択反射状態となる
2周波駆動コレステリック液晶のヘリカル軸に対して垂
直な方向に電界を印加するので、電界印加用の第1およ
び第2の電極は、画素面上の透明電極ではなく、画素周
辺部などにおいて画素面方向に対向する、金属などから
なるものとすることができ、電極による反射の影響を低
減することができる。したがって、コントラストを改善
することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】〔表示装置の一例〕図1は、この
発明の表示装置の一例を示す。表示装置は、全体とし
て、表示素子10と、これを駆動する駆動回路20とに
よって構成する。
【0022】表示素子10は、この例では、一方の基板
2上に信号電極4aを形成し、信号電極4a上を含んで
基板2上に絶縁層6を形成し、絶縁層6上に信号電極4
aと基板面方向に対向させて走査電極5aを形成し、走
査電極5a上を含んで絶縁層6上に垂直配向性の配向膜
7を形成し、他方の基板1上に垂直配向性の配向膜8を
形成して、基板1を基板2と対向させてセルを形成し、
基板1,2間のセルギャップに2周波駆動コレステリッ
ク液晶3を注入するとともに、外光入射側(観察側)と
反対側の基板2の裏面に光吸収層11を形成して、構成
する。
【0023】2周波駆動コレステリック液晶3は、2周
波駆動ネマティック液晶にカイラル剤を添加して作成す
る。コレステリック液晶3の選択反射波長は、カイラル
剤の添加量を変えることによって所望の波長に設定する
ことができる。
【0024】電極4a,5a間に電圧を印加しない状態
では、図示するように、コレステリック液晶3のヘリカ
ル軸3hは基板面に対して垂直となり、コレステリック
液晶3はプレーナ配向となって、入射光中の特定波長の
光を選択反射する。
【0025】少なくとも外光入射側の基板1は、透明基
板とする。反対側の基板2は、これに光吸収層11を兼
ねさせることができる。電極4a,5aは、アルミニウ
ムやクロムなどの金属で形成することができ、透明電極
とする必要はない。
【0026】表示素子10は、図2に示すように、画素
9の選択したものにおいて、信号電極4aと、その両側
の走査電極5aとの間に、電界Hを印加することによっ
て、マトリックス駆動することができる。配線パターン
5bは、走査電極5aを行方向に接続し、列方向に選択
するものである。
【0027】(2周波駆動液晶)一般に2周波駆動液晶
は、図3に示すように、10〜数100kHzの駆動周
波数で誘電異方性Δεが正から負に変化する液晶であ
る。この種の液晶は、ベンゼン環を3個以上持っている
という特徴があり、また、−CN,−Cl,−Fなどの
極性基を持つものは、低周波での誘電異方性と高周波で
の誘電異方性との差が大きくなることが知られている。
【0028】誘電異方性Δεがセロとなるクロスオーバ
ー周波数fcは、温度依存性があるので、2周波駆動液
晶の駆動に当たっては、駆動周波数を十分なマージンを
持って設定する必要がある。
【0029】上述したように、2周波駆動コレステリッ
ク液晶3は、このような2周波駆動液晶である2周波駆
動ネマティック液晶にカイラル剤を添加して作成する。
【0030】(駆動回路20による表示素子10の駆
動)駆動回路20は、電極4a,5a間に交番電圧を印
加して、コレステリック液晶3の電極4a,5a間の部
分に基板面方向の交番電界を印加する。
【0031】以下では、駆動周波数をコレステリック液
晶3のクロスオーバー周波数fcより低くし、コレステ
リック液晶3の誘電異方性Δεが正となるときを、低周
波駆動と称し、駆動周波数をコレステリック液晶3のク
ロスオーバー周波数fcより高くし、コレステリック液
晶3の誘電異方性Δεが負となるときを、高周波駆動と
称する。
【0032】<低周波駆動>動画を表示する場合のよう
に高速の状態遷移が要求される場合には、表示素子10
を低周波駆動する。
【0033】低周波電界が印加されないとき(閾値以下
の低周波電界が印加されたとき)、図1に示し、かつ図
4(A)に示すように、コレステリック液晶3のヘリカ
ル軸3hは基板面に対して垂直となり、コレステリック
液晶3はプレーナ配向による選択反射状態となる。
【0034】この状態から、ヘリカル軸3hに対して垂
直な方向に閾値以上の低周波高電界H2を印加すると、
低周波駆動ではコレステリック液晶3は正の誘電異方性
を示すので、コレステリック液晶3は、液晶分子層3a
が電界H2に抗しきれずに回転してヘリカル構造が消失
し、図4(B)に示すように液晶分子層3aが電界H2
の方向に配列されて、図4(A)の低周波低電界H1に
よるプレーナ配向からホメオトロピック配向に変化し、
透明状態となる。
【0035】コレステリック液晶3が正の誘電異方性を
示す場合には、基板面方向、すなわちヘリカル軸3hに
対して垂直な方向に電界を印加したとき、エネルギー的
にプレーナ配向の方がフォーカルコニック配向より安定
であるため、フォーカルコニック配向は出現する確率が
小さい。
【0036】すなわち、低周波電界の強度を増すと、そ
れまで見えていた選択反射光が消えて、コレステリック
液晶3は透明状態になり、光吸収層11の黒色が観察さ
れる。ここでは、この低周波電界を強くすることによっ
て得られる透明状態を、この場合には液晶分子が基板面
方向に配列されることから、ホモジニアス配向と呼ぶこ
とにする。
【0037】低周波高電界H2を印加した状態では、こ
のホモジニアス配向による透明状態が維持される。この
状態から低周波電界を取り除くと、もとの安定なプレー
ナ配向に戻り、前と同じ波長の選択反射光を生じる。
【0038】したがって、このホモジニアス配向による
透明状態とプレーナ配向による選択反射状態とを、低周
波電界の強度により切り換えることによって、画像を表
示することができる。
【0039】しかも、プレーナ配向からホモジニアス配
向(ホメオトロピック配向)への遷移、および、その逆
のホモジニアス配向からプレーナ配向への遷移は、ホメ
オトロピック配向からフォーカルコニック配向に遷移さ
せる場合のような長い時間を要することなく、短時間で
行うことができるので、画像を高速で書き換えて動画を
表示することも可能となる。
【0040】このプレーナ配向とホモジニアス配向との
間の変化は、TN(ねじれネマティック)液晶の状態変
化と類似する。TN液晶の場合、電界を印加することに
よって、基板面に垂直な方向に90度回転しているネマ
ティック液晶は、ダイレクタが電界方向に強制的に整列
させられ、電界を除去すると、弾性変形によって、もと
のツイスト状態に戻るからである。その点で、この例で
は、画素数が少なければ、TN液晶と同等の単純マトリ
ックス駆動が可能である。
【0041】<高周波駆動>プレーナ配向およびフォー
カルコニック配向のメモリ性を利用して表示素子10に
画像を保存する場合には、表示素子10を高周波駆動す
る。
【0042】高周波電界が印加されないとき(閾値以下
の高周波電界が印加されたとき)、図1に示し、かつ図
5(A)に示すように、コレステリック液晶3のヘリカ
ル軸3hは基板面に対して垂直となり、コレステリック
液晶3はプレーナ配向による選択反射状態となる。
【0043】ある画素を、このプレーナ配向による選択
反射状態からフォーカルコニック配向による透明状態に
しようとするときには、その画素に対して、まず、十分
高い高周波高電界H3を基板面方向に印加する。
【0044】高周波駆動ではコレステリック液晶3は負
の誘電異方性を示すため、図5(B)に示すように、高
周波高電界H3を基板面方向に印加することによって、
コレステリック液晶3は、そのダイレクタ3dが電界H
3の方向に対して垂直となるように、すなわち基板面に
垂直となるように変化する。これは、2周波駆動ではな
い通常のコレステリック液晶が、いわゆるホモジニアス
配向となったのと同じである。
【0045】このホメオトロピック配向の状態に遷移さ
せてから、次に、駆動周波数は高周波のまま、印加電界
を十分高い電界H3から中間的な電界H4に低下させ
る。これによって、コレステリック液晶3は徐々に螺旋
状態に戻ろうとする。このとき、コレステリック液晶3
の誘電異方性は負のままであるので、液晶分子が基板面
に垂直となり、ヘリカル軸が基板面方向となるフォーカ
ルコニック配向が安定な状態となる。したがって、この
中間的な電界H4を所定時間保持することによって、コ
レステリック液晶3がフォーカルコニック配向に安定化
し、透明状態となって、光吸収層11の黒色が観察され
るようになる。
【0046】電界H4の印加時間が長い方が、最終的な
透過率が高くなり(反射率が低下し)、コントラストが
向上するが、それだけ、一画面を書き込むのに要する時
間が長くなる。
【0047】フォーカルコニック配向はメモリ性がある
ので、電界を除去しても透明な状態が維持される。プレ
ーナ配向による選択反射状態にあった別の画素について
は、高周波電界H3およびH4が印加されなければ、プ
レーナ配向のメモリ性によって選択反射状態が維持され
る。したがって、プレーナ配向による選択反射状態の画
素とフォーカルコニック配向による透明状態の画素とに
よって表示素子10に画像が記憶され、次に書き換えら
れるまで、無電源で保存される。
【0048】以上のようにして、この例では、画像を保
存する機能を維持したまま、画像を高速で書き換えて動
画を表示する機能を実現することができる。
【0049】(実験による検証)図1および図2の例の
表示素子10を試作し、上述した方法で駆動して遷移特
性を調べた。
【0050】表示素子10の基板1および2としては、
それぞれ、厚さ1mmのコーニング社製ガラス基板70
59を用いた。信号電極4a、走査電極5aおよび配線
パターン5bは、それぞれ、アルミニウムを0.5μm
厚にスパッター着膜し、フォトリソ工程でパターニング
して、ライン幅10μmのものとして形成した。配線パ
ターン5bの間隔は30μmとした。配向膜7および8
は、それぞれ、垂直配向膜材料を塗布し、キュアして1
20nm厚に形成した。
【0051】基板2上に5μm径のスペーサを面密度2
00/mm2で散布して、基板1および2を対向させ、
液晶注入口を残して周辺部をシールして、空セルを作製
した。
【0052】2周波駆動コレステリック液晶3は、2周
波駆動ネマティック液晶DF−02XXにカイラル剤S
1011およびS811を添加して作製し、これを昇温
してセルギャップに真空注入し、注入口を封止して、液
晶セルを作製した。基板2の裏面には、黒色の光吸収性
塗料を塗布して光吸収層11を形成した。
【0053】このようにして作製した表示素子は、室温
に戻すと、プレーナ配向が実現され、選択反射光が観察
された。得られた表示素子の2周波駆動コレステリック
液晶3のクロスオーバー周波数fcは、約4kHzであ
った。
【0054】動画表示のための低周波駆動については、
上記のように試作した表示素子の電極4a,5a間に、
1kHz,100Vの低周波高電圧を印加した。このと
き、反射率の変化は図6に示すようになり、電圧の印加
ごとに反射率が低下することが認められた。すなわち、
高電圧を印加すれば、反射率の低下は高速となる。1k
Hz,100Vの低周波高電圧を20m秒間印加する
と、フレーム周期を100m秒とするとき、5フレーム
で完全にホモジニアス配向(ホメオトロピック配向)に
なった。
【0055】電圧を除去すると、プレーナ配向に戻るた
め、反射率は初期状態に回復する。初期状態に戻るに
は、約200m秒必要である。
【0056】この特性を用いることによって、画素数が
少ない場合には単純マトリックス駆動が可能である。ま
た、TFT(薄膜トランジスタ)などを用いるアクティ
ブマトリックス駆動方式によれば、XGAなどの大容量
ディスプレイも実現することができる。
【0057】画像保存のための高周波駆動については、
上記のように試作した表示素子の上記の低周波駆動後、
プレーナ配向により選択反射状態となっている画素の電
極4a,5a間に、20kHz,70Vの高周波高電圧
を印加した。このとき、コレステリック液晶3は負の誘
電異方性を示す。図7に示すように、電圧印加時間を8
0m秒とし、この間、同じ条件を保持することによっ
て、当該画素はプレーナ配向からフォーカルコニック配
向に遷移し、透明状態となった。
【0058】(コントラストの改善)この例の表示装置
では、表示素子10の電極4a,5aは、ITO電極の
ような画素面上の透明電極ではなく、画素周辺部におい
て画素面方向に対向するものであるので、電極による反
射の影響を低減することができ、コントラストを改善す
ることができる。後述する、それぞれコレステリック液
晶のプレーナ配向による選択反射状態で青、緑、赤の色
光を反射する3層の表示素子を積層したフルカラー表示
が可能な表示装置では、特にコントラスト改善の効果が
大きく、白色と黒色との間のコントラストを十分に取る
ことができる。また、電極4a,5aは、アルミニウム
やクロムなどの各種の金属で形成できるので、細い線で
もITO電極に比べて低抵抗にすることができる。
【0059】〔表示装置の他の例〕図8は、この発明の
表示装置の他の例を示す。
【0060】この例では、一方の基板2上に信号電極4
aを、他方の基板1上に走査電極5aを、互いに基板面
方向に対向させて形成する。その他は、図1の例と同じ
である。
【0061】厳密には、電極4a,5aは基板面に対し
て斜めの方向に対向し、電界方向も基板面に対して斜め
になるが、画素ピッチが50μm程度であるのに対し
て、基板1,2間のギャップは5μm程度であるので、
実際上は問題にならない。
【0062】図1の例では、電極4a,5aの近傍で電
気力線が曲がるが、この図8の例では、電極4a,5a
の近傍でも電気力線が直線的になる。したがって、図8
の例では、図1の例に比べて、反射状態および透明状態
が安定的に得られる。
【0063】〔多色表示の積層型の場合〕図9は、フル
カラー表示が可能な表示装置の一例を示し、それぞれ図
8の例の表示素子で、プレーナ配向による選択反射状態
で青、緑、赤の色光を反射する2周波駆動コレステリッ
ク液晶3B,3G,3Rを用いた3層の表示素子10
B,10G,10Rを貼り合わせ、外光入射側から最も
遠い表示素子10Rの裏面に黒色の光吸収層31を形成
したものである。図1の例の電極配置でも、同様に構成
することができる。
【0064】この例の表示装置では、ITO電極のよう
な画素面上の透明電極が存在しないので、電極による反
射の影響を低減することができ、特に白色と黒色との間
のコントラストを十分に取ることができる。
【0065】
【発明の効果】上述したように、この発明によれば、画
像を保存する機能を維持したまま、画像を高速で書き換
えて動画を表示することができるとともに、電極による
反射の影響を低減することができ、コントラストを改善
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の表示装置の一例を示す図である。
【図2】図1の例の電極構造を示す図である。
【図3】2周波駆動液晶の駆動周波数と誘電異方性との
関係を示す図である。
【図4】低周波電界を印加しないとき、および印加した
ときのコレステリック液晶の状態を示す図である。
【図5】高周波電界を印加しないとき、および印加した
ときのコレステリック液晶の状態を示す図である。
【図6】低周波電界の印加によるプレーナ配向からホモ
ジニアス配向への遷移を示す図である。
【図7】高周波電界の印加によるプレーナ配向からフォ
ーカルコニック配向への遷移を示す図である。
【図8】この発明の表示装置の他の例を示す図である。
【図9】多色表示の積層型の表示装置の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,2…基板 3…2周波駆動コレステリック液晶 3h…ヘリカル軸 4a…信号電極 5a…走査電極 10…表示素子 11…光吸収層 20…駆動回路 30…表示装置
フロントページの続き (72)発明者 山本 滋 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 氷治 直樹 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H093 NA11 NA17 NA61 NB26 ND17 ND32 ND60 NE03 NF14 5C006 AA01 AA22 AF51 BA11 BB08 BB12 BB28 FA12 FA54 FA59 5C080 AA10 BB05 BB08 CC03 DD03 DD08 EE19 JJ05 JJ06 5C094 AA06 AA08 AA13 AA22 AA53 BA09 BA12 BA43 BA49 CA19 CA20 CA24 DA03 DB04 EA04 EB02 ED12 ED13 FA01 FA02 FB01 FB06 GA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示素子と、これを駆動する駆動回路とか
    らなり、 前記表示素子は、電界が印加されないときプレーナ配向
    により選択反射状態となる2周波駆動のコレステリック
    液晶が、一対の基板間に装填されるとともに、このコレ
    ステリック液晶に、そのヘリカル軸に対して垂直な方向
    に電界を印加するための第1および第2の電極が設けら
    れたものであり、 前記駆動回路は、前記コレステリック液晶のクロスオー
    バー周波数より低い周波数の電界の強度を制御して、前
    記コレステリック液晶のプレーナ配向による選択反射状
    態とホモジニアス配向による透明状態とを選択する第1
    の駆動モードと、前記コレステリック液晶のクロスオー
    バー周波数より高い周波数の電界の強度を制御して、前
    記コレステリック液晶のプレーナ配向による選択反射状
    態とフォーカルコニック配向による透明状態とを選択す
    る第2の駆動モードとを、選択的に取るものである表示
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1の表示装置において、 前記表示素子は、前記第1および第2の電極が同一の基
    板上に設けられたものである表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1の表示装置において、 前記表示素子は、前記第1および第2の電極が異なる基
    板上に設けられたものである表示装置。
  4. 【請求項4】それぞれ請求項1〜3のいずれかに記載の
    表示素子としての、それぞれ2周波駆動のコレステリッ
    ク液晶のプレーナ配向による選択反射状態で青、緑、赤
    の色光を反射する3層の表示素子が積層された表示装
    置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6735009B2 (en) * 2002-07-16 2004-05-11 Motorola, Inc. Electroptic device
KR100522688B1 (ko) * 2003-03-19 2005-10-19 삼성에스디아이 주식회사 콘트라스트 향상을 위한 콜레스테릭 액정 표시 패널의구동 방법
KR100563043B1 (ko) * 2001-12-21 2006-03-24 삼성에스디아이 주식회사 지연된 호메오트로픽 리셋에 의한 콜레스테릭 액정 표시패널의구동 방법
JP2008519996A (ja) * 2004-11-10 2008-06-12 マジンク ディスプレイ テクノロジーズ リミテッド コレステリック液晶表示装置用駆動方式
CN100458502C (zh) * 2005-11-23 2009-02-04 财团法人工业技术研究院 反射式液晶显示组件

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