JP4163093B2 - 双安定型ネマティック液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、焼き付きを防止できる双安定型ネマティック液晶表示装置に関する。
単純マトリックス型の駆動方法により表示するモードの液晶表示装置の一種としてネマティック液晶を用いた双安定型液晶表示装置が知られている。
従来の双安定型ネマティック液晶表示装置は、上下一対の基板間にネマティック液晶が所定のセルギャップで挟まれ、一方の基板の内面側に強アンカリング(強い配向力)の配向膜が形成され、他方の基板の内面側に弱アンカリング(弱い配向力)の配向膜が形成された液晶セルが備えられたものである。従来の強アンカリングの配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有機配向膜にラビングしたものが用いられ、弱アンカリングの配向膜としては斜方蒸着法により形成されたSiO膜、ポリイミド等の有機配向膜に光を照射し改質したもの、或いは溶剤処理したもの等が用いられていた(例えば、非特許文献1参照。)。
マルチノ ラガード等(Ph. Martinot-Lagarde et al.)、ファスト バイステイブルネマティック ディスプレイ ユージング モノステイブル サーフェイス スイッチング(Fast Bistable Nematic Display Using Monostable Surface Switching)、ダイジェスト オブ エスアイディー'97(Digest of SID'97) 、1997年、p.41−44 特開平07−159786号公報 実開平06−008934号公報 特開平07−018258号公報
ところで上記のような双安定型ネマティック液晶表示装置は、上下一対の基板に関して構成が本質的に非対称であるために、長時間にわたって同じパターンを表示した場合、液晶層中の不純物イオンが配向膜に固定されてしまい、表示が切り替わる際、前の表示が残る、いわゆる、焼き付きが生じると本願発明者らは推定している。しかしながら双安定型ネマティック液晶表示装置の焼き付きを防止できる方法はこれまで考えられていなかった。
なお、他の表示モードの液晶表示装置において表示の焼き付き現象又は残像に対する改善法としては種々の方法が考えられている。
例えば、横電界方式(IPS)の液晶表示装置では、基板と平行方向に電圧が印加されることから、液晶層、配向膜及び/又は絶縁膜の比誘電率と比抵抗の積の値を、1×10Ω・cm〜8×1015Ω・cm以下とし、表面抵抗を3.3×1011Ω/□〜2.5×1018Ω/□とすること、或いは、配向膜と絶縁膜のいずれかにイオンがトラップされるようにすると、これらの層に蓄積された電荷の放出時間を速く、しかも同じ程度にでき、残像が軽減される(例えば、特許文献1参照。)
また、プレティルト角が高めに設定された配向膜が備えられたSTN型又はTN型液晶表示装置においては、液晶層中の不純物イオンがこの液晶層中に分布した状態になり易い。その結果、TN型液晶表示装置では、イオンによる電圧保持率の低下が起き易く、又STN型液晶表示装置では、長時間の表示動作により電圧印加画素部に局部的に電荷が吸着されてしまい、焼き付きが生じてしまう。
なお、STN型液晶表示装置において、高プレティルト配向膜を設けるのは、液晶のツイスト角が180度以上を安定に発生させるために、プレティルト角を数度にすることが必須であるためである。また、TFT素子駆動のTN型液晶表示装置においては、スイッチング素子が基板表面に多層構成で形成されているために、リバースチルトドメインが起き易く、これを防止するために高プレティルト配向膜を設けている。
高プレティルト配向膜が備えられたTN型又はSTN型液晶表示装置において液晶層中に分布している不純物イオンに起因する問題を改善するために、配向膜表面全体に多数の多孔質粒子を均一分散したもの(例えば、特許文献2参照。)や、末端にジフロロ置換されたシクロへキサン系液晶と、特定の化学構造の高イミド化率のポリイミド配向膜を組み合わせることにより、液晶層中への不純物イオンの拡散を防止できるようにしたもの(例えば、特許文献3参照。)が考えられている。
しかしながら横電界方式やTN型やSTN型液晶表示装置における表示の焼き付き現象又は残像の防止法は、双安定型ネマティック液晶表示装置にはそのまま適用できない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、焼き付きを防止することより表示品質が向上した双安定型ネマティック液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置は、ネマティック液晶層を挟んで対向する一対の基板の一方の基板の液晶層側に電極と弱アンカリングの配向膜が該一方の基板側から順に設けられ、他方の基板の液晶層側に電極と強アンカリングの配向膜が該他方の基板側から順に設けられた液晶セルと、前記一方の基板側に電圧を印加する第1の駆動電極と、前記他方の基板側に電圧を印加する第2の駆動電極と、前記第1と第2の駆動電極にそれぞれ駆動信号を供給する駆動信号供給手段が設けられた制御回路とが備えられ、駆動電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が初期状態及び初期状態とは異なる双安定状態のうちいずれかの状態に制御されるようにした液晶表示装置であって、
上記一方の基板側の配向膜と他方の基板側の配向膜のラビング方向は反平行方向とされ、上記一方の基板側の配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが約3×10−4 J/m以下で、プレティルト角が略0度になるように形成され、上記他方の基板側の配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが約10−3 J/m以上で、プレティルト角を有するように形成されており、
上記液晶層の電圧保持率が60%〜85%の範囲であることを特徴とする。
上記液晶層の電圧保持率(VHR)は、図6に示すように上記一方の基板側の電極と他方の基板側の電極間に所定の値の駆動電圧(例えば、±5Vの固定パルス電圧)を印加した瞬間の電圧をV、次の駆動電圧が印加される直前の電圧をVとし、最初の駆動電圧が印加されるときの時間tから次の駆動電圧が印加される直前の時間tの間(例えば100μsec)の積分値で与えられる面積比S/(S+S)であり、S は実際の電圧の波形面積であり、Sは印加した駆動電圧が100%保持されたときの波形面積である。電圧保持率測定装置については後述の実施形態で説明する。
本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置によれば、上記液晶層の電圧保持率を60%〜85%の範囲にされているので、長時間にわたって同じパターンを表示しても、液晶層中の不純物が配向膜表面に付着して固定され難くなり、不純物イオン等の電荷の偏りを防止でき、焼き付きを防止でき、表示品質を向上できる。
電圧保持率を上記のような範囲にする方法としては、例えば、液晶層に用いる液晶材料自体の比抵抗を制御する方法及び配向膜の性質を利用する方法が上げられるが、表示素子に使用される液晶材料は通常10成分以上の単体化合物の混合物であるため、それらの単体化合物の組み合わせやあるいは配向膜材料との組み合わせによる依存性がある。例えば、液晶材料の精製段階でクロマトグラフィにより純度の調整がされるが、このとき保持率が上記の値になるように精製度合いを変える方法が取られる。或いは、混合液晶材料の調整後に混合物の特性を変えない範囲で比抵抗を下げるように微量のドーパント(電荷移動錯体など)を添加する方法も可能である。
一方配向膜材料に関しては、成膜時或いは成膜後の熱処理条件を変える方法などが適用できる。
上記の構成の本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置において、上記液晶層の電圧保持率が70%〜80%に制御可能な構成とされていることが好ましい。
また、上記のいずれかの構成の本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置において、上記液晶層にカイラル剤が添加されてカイラルネマティック相が発現されており、上記カイラル剤はP=4d(式中、Pはカイラルネマティック相のらせんのピッチ、dは液晶セルのギャップ)なる条件を満足する添加量とされていることが、優れた双安定動作を実現できる点で好ましい。
本発明によれば、液晶層の電圧保持率を60%〜85%に制御されるので、焼き付きを防止することより表示品質が向上した双安定型ネマティック液晶表示装置を実現できる。
以下、本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置を反射型の双安定型ネマティック液晶表示装置に適用した実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態である反射型の双安定型ネマティック液晶表示装置の端部を含む部分断面構造を模式的に示した図であり、図2はこの双安定型ネマティック液晶表示装置を上面側から視たときの各電極と対応する駆動回路の接続構造を示す透過平面図である。
図1において、本発明の反射型の双安定型ネマティック液晶表示装置1は、印加する駆動電圧に応じて液晶分子が,双安定状態、即ちツイスト角0度の均一平行配置とツイスト角180度のツイスト配置との間を切り替えることができるものであり、カイラルネマティック液晶層30を挟持して対向する透明なガラスなどからなる第1の基板(一方の基板)10と、第2の基板(他方の基板)20とをこれら2枚の基板10、20の周縁部に環状に設けられたシール材40で接着一体化した概略構成のものである。
また、この液晶表示装置1には、図2に示すように第1の基板側に設けられた走査電極としての第1の電極層(第1の駆動電極)15を駆動するための走査電極駆動回路(第1の駆動回路)15aと、第2の基板側に設けられた信号電極としての第2の電極層(第2の駆動電極)25を駆動するための信号電極駆動回路(第2の駆動回路)25aと、駆動信号供給手段と電圧制御手段が備えられた制御回路45が備えられている。
第1の基板10の液晶層30側には順に、反射体7と、カラー表示を行うためのカラーフィルタ13と、反射体7を被覆して保護するとともに反射体7やカラーフィルタ13による凹凸を平坦化するためのオーバーコート膜14と、液晶層30を駆動するための第1の電極層(電極又はITO膜と呼ぶこともある)15と、絶縁膜からなるトップコート膜(図示略)と、液晶層30を構成する液晶分子の配向を制御するための第1の配向膜16とが積層形成されている。また、第2の基板20の液晶層30側には順に、第2の電極層(電極又はITO膜と呼ぶこともある)25、トップコート膜(絶縁膜)24、第2の配向膜26が積層形成されている。
上記の第1の基板10と第2の基板20と、これら基板間に設けられた各構成部材により、液晶セル35が構成されている。
第2の基板20の液晶層30側と反対側(第2の基板20の外面側)には、偏光板28が設けられている。この偏光板及び位相差板の積層体28側が観察者側である。
反射体7は、アクリル系レジストなどの感光性樹脂層からなる有機膜(基材)11と、この有機膜11上に形成されたAl、Agなどの金属反射膜(金属膜)12から構成されている。有機膜11は、その上に形成されている金属反射膜12に凹凸形状を与えて反射光を効率よく散乱させるために設けられているものである。有機膜11の表面に、その内面が球面等の一部をなす多数の凹部12Aが左右に重なり合うようにして連続して形成されており、その面上に金属反射膜12が積層されている。このようにして金属反射膜12に凹凸形状を与えることにより、液晶表示装置1に入射した光を効率よく反射することができるため、反射モードにおける明るい表示を実現することができるようになっている。 また、金属反射膜12の膜厚は、80nm〜300nm程度であることが好ましく、80nm〜200nm程度であることがより好ましい。
第1の電極層15は、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを基板10上に多数整列形成したものであり、各第1の電極層15は引き廻し配線15bを介して走査電極駆動回路15aに接続されている。同様に第2の電極層25もITOなどの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを基板20上に多数整列形成したものであり、各第2の電極層25は引き廻し配線25bを介して信号電極駆動回路25aに接続されている。これら駆動回路15a、25aは両基板のうち片方にまとめて設けられていてもよいし、第1の基板10に走査電極駆動回路15aが設けられ、第2の基板20に信号電極駆動回路25aが設けられていてもよい。
尚、第1の電極層15と第2の電極層25は互いに平面視直角に向くように配置されて上記の液晶表示装置1がパッシブマトリクス型とされている。
第1の配向膜(一方の基板側の配向膜)16は、極角方向のアンカリングエネルギーが約3×10−4 J/m以下の弱アンカリングのもので、プレティルト角が略0度、好ましくは0度になるように形成されている。この第1の配向膜16としては、斜方蒸着法により形成されたSiO膜からなるものが用いられる。このような第1の配向膜16の形成方法としては、第1の基板10の表面にSiOを蒸着する際、第1の基板10の法線方向から測った蒸着角度が約60度の条件で行われる。この第1の配向膜16の膜厚としては、50〜200nm程度とされる。
また、第1の配向膜16の材質としては、上記のSiO膜以外に、グラフト化したポリスチレン膜にラビング処理を施したものを用いてもよく、グラフト化した可とう性の高い高分子鎖により、両基板間の液晶のアンカリングメモリーを完全に除去することが可能である。第1の配向膜16と第2の配向膜26のラビング方向は反平行方向とされている。
第2の配向膜(他方の基板側の配向膜)26は、極角方向のアンカリングエネルギーが約10−3 J/m以上の強アンカリングのもので、プレティルト角を有するように形成されている。このような第2の配向膜26としては、ラビングしたポリイミド膜、斜方蒸着法により形成されたSiO膜からなるものが用いられる。このような第2の配向膜26の形成方法としては、第2の基板20の表面にSiOを蒸着する際、第2の基板20の法線方向から測った蒸着角度が約80度の条件で行われる。この第2の配向膜26の膜厚としては、50〜200nm程度とされる。
第2の配向膜26のプレティルト角は、液晶層30に用いられる液晶の種類によって異なり、2度から7度程度、好ましくは2度から5度とされる。
上記基板界面のアンカリングエネルギーは配向膜−液晶界面の相互作用の度合いを表すパラメータであり、通常「方位角アンカリング」及び「極角アンカリング」の2つがある。これらの値を求める方法としては、従来からいろいろな方法が知られている。例えばトルクバランス法(Y.Iimura,N.Kobayashi and S.Kobayashi : Jpn.Appl.Phys.,33(1994)L189 など)或いは液晶分子長軸が基板配向面に対して水平(ホモジニアス)或いは垂直(ホメオトロピック)に初期配向させた液晶セルに、外部場(電場あるいは磁場)を印加し、液晶セルの複屈折位相差の変化を計測することにより、弾性体理論で表される液晶分子の弾性エネルギーと界面のアンカリングエネルギーおよび外部場によって発生する液晶の誘電または磁気トルクエネルギーとが平衡状態になることを仮定して計算する方法である(例:非特許文献 横山他:2000年日本液晶学会討論会講演予稿集 1B01(2000)33-34頁, 及び横山他:2001年日本液晶学会討論会講演予稿集 1PA11(2001)319−320頁など)。
液晶層30の電圧保持率が60%〜85%、好ましくは70%〜80%にされている。
液晶層30の電圧保持率が60%未満では、保持率が低すぎて電圧ロスとなってしまい表示を切り替えることができず、また、消費電流が増加しやすく、85%を超えると、連続点灯(連続表示)12時間以上で(液晶材料と配向膜との組み合わせ次第では、6時間程度でも)スイッチング性質の経時劣化が生じ、単一パルスで表示が切り替わりにくくなる。液晶層30の電圧保持率が60%〜70%の範囲では、連続点灯約30時間まで上記スイッチング性質の経時劣化が生じなくなる。また、液晶層30の電圧保持率が70%〜80%又は85%では、連続点灯(連続表示)120時間でもスイッチング性質変化無く、優れた特性が得られる。
液晶層30は、ネマティック液晶にカイラル剤が添加されてカイラルネマティック相が発現されたものである。上記カイラル剤は、P=4d(式中、Pはカイラルネマティック相のらせんのピッチ、dは液晶セルのギャップ)なる条件を満足する添加量とされていることが先に述べた理由により好ましい。
上記走査電極駆動回路15aは、接続配線46aを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた駆動信号供給手段から駆動信号が供給されるようになっている。また、この走査電極駆動回路15aには、接続配線46bを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた電圧制御手段から駆動電圧が供給されるようになっている。
上記信号電極駆動回路25aは、接続配線47aを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた駆動信号供給手段から駆動信号が供給されるようになっている。また、この信号電極駆動回路25aには、接続配線47bを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた電圧制御手段から駆動電圧(パルス電圧)が供給されるようになっている。
また、上記制御回路45は、表示情報出力源と接続されており、また、外部電源または内部電源に接続された電源回路と接続されている。
上記電圧制御手段は、走査電極駆動回路15a、信号電極駆動回路25aに駆動電圧を供給して第1と第2の電極層間の液晶を駆動できるようになっている。
液晶層30の電圧保持率を測定する装置としては、例えば、図5に示すような株式会社東陽テクニカ製の電圧保持率測定装置(商品名VHR−1A型又は1S型)が好適に用いられる。図5中、符号52はパルスジェネレータ、53はファンクションジェネレータ、54はオシロスコープ、55はサーキュレータであり、これらはGPIB接続によりパーソナルコンピュータ(PC)51と接続されている。ジェネレータ52、53はFETサーキット56に接続されており、このFETサーキット56は恒温槽及びシールドボックス58内に配置された液晶セル35に接続される。オシロスコープ54はアンプ57に接続され、さらにこのアンプ57はFETサーキット56と恒温槽及びシールドボックス58間に接続されている。サーキュレータ55は、恒温槽及びシールドボックス58内に配置された液晶セル35に接続されている。
このような電圧保持率測定装置を用いて液晶層30の電圧保持率を測定するには、図5〜図6に示すように液晶セル35を恒温槽及びシールドボックス58内に配置し、セル全体の温度が安定するのを待ってから、第1の電極層15と第2の電極層25に±5Vの固定パルス電圧を印加した瞬間の電圧をV、次のパルス電圧が印加される直前の電圧をVとし、最初のパルス電圧が印加されるときの時間tから次ぎのパルス電圧が印加される直前の時間tの間(例えば100μsec)の積分値で与えられる面積比S/(S+S)を求めることで測定できる。
本実施形態の双安定型ネマティック液晶表示装置の動作原理について図面を用いて説明する。
図3のAに示すように駆動電圧印加時の液晶層30(電圧保持率が60%〜85%)の液晶分子の配列がユニフォームな平行配置、すなわち、液晶のツイスト角が0度になるような液晶組織になっている場合(1/4λとなる液晶層を45度配置で挟み暗表示とする場合)、図3のBに示すように上記第1、第2の電極層等の駆動パルス印加手段によって液晶層30にリセットパルスEr1を印加する。このリセットパルスEr1は、第1の配向膜16のアンカリングをリセットできる大きさEより大きく、第2の配向膜26のアンカリングはリセットできる大きさEより小さい大きさとすることで、第1の配向膜16のアンカリングをリセットして、ホメオトロピック配向とする。
次いで、図3のCに示すように不安定なホメオトロピック配向を解消するために流体力学的流れ、背流(バックフロー)が生じる(なお、パルス電圧Eは印加しない状態である。)。これにより第1と第2の配向膜の近傍の液晶分子は互いに反対の方向へと回転し、ベンド配向化し、次いで、ベンド配向からより安定なπツイスト配向の組織に遷移する。
図4のAに示すように液晶層30(電圧保持率が60%〜85%)の液晶のツイスト角が180度になるようなツイスト配置の液晶組織になっている場合(Mauguin条件を外し、白表示とする場合(旋光性は小さく、10〜30度))、図4のBに示すようにリセットパルスEr2を印加する。このリセットパルスEr2は、第1の配向膜16のアンカリングをリセットできる大きさEより大きく、第2の配向膜26のアンカリングはリセットできる大きさEより小さい大きさである。
この後、バックフローが起きにくいようにパルスをなだらかに切る。このようにすると、液晶層30の液晶分子は弾性結合により、基板平面に倒れこみ、図4のCに示すようにユニフォームな組織へ遷移する。
なお、上記リセットパルスE、E 、Er1 、Er2 の大小関係は、E>Er1>Er2>E である。
すなわち、本実施形態の双安定型ネマティック液晶表示装置は、ネマティック液晶層30が介在された基板10、20の基板10に電極15と配向膜16を設け、基板20に電極25と配向膜26を設けた液晶セル35と、電極15を駆動する第1の駆動回路15aと、電極25を駆動する第2の駆動回路25aと、第1と第2の駆動回路15a、25aにそれぞれ駆動信号を供給する駆動信号供給手段が設けられた制御回路45とが備えられ、配向膜16、26のラビング方向は反平行方向で、配向膜16は極角方向のアンカリングエネルギーが約3×10−4 J/m以下で、プレティルト角が略0度、配向膜26は極角方向のアンカリングエネルギーが約10−3 J/m以上で、プレティルト角を有するように形成され、液晶層30の電圧保持率が60%〜85%の範囲であることを特徴とする。 本実施形態の双安定型ネマティック液晶表示装置は、液晶層30の電圧保持率が高絶縁性である90%あるいは95%以上になっておらず、60%〜85%の範囲に設定されているため、長時間にわたって同じパターンを表示しても、液晶層中の不純物が配向膜表面に付着して固定され難くなり、不純物イオン等の電荷の偏りを防止でき、焼き付きを防止でき、表示品質を向上できる。尚、この原因については完全に解明されていないが、ある程度液晶中にフリーなイオンが存在することで、イオン吸着による強固な電気二重層が形成されておらず、イオンが脱離し易いことと関係があると思われる。
尚、上記実施形態では、本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置をパッシブマトリクス型の反射型液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、半透過型や透過型液晶表示装置にも適用可能である。半透過型にする場合には、観察側と反対の基板(第1の基板)下面に位相差板及び偏光板の積層体と、光源が配置される。又、この場合、反射体(特に反射膜)には微細な開口が設けられる。透過型の場合には、反射体は不要で、観察側と反対の基板(第1の基板)下面に位相差板及び偏光板の積層体と、光源が配置される。
本発明の実施形態の反射型液晶表示装置の部分断面構造を示す図。 図1の液晶表示装置を上面側から視たときの各電極と対応する駆動回路の接続構造を示す透過平面図。 本実施形態の液晶表示装置の動作の説明図。 本実施形態の液晶表示装置の他の動作の説明図。 本発明に係わる電圧保持率測定装置の概略構成を示す模式図。 液晶層の電圧保持率を説明するための図であり、Aは保持される電圧の波形、Bは印加されるパルス電圧の波形を示す図。
符号の説明
1・・・双安定型ネマティック液晶表示装置、10・・・基板(一方の基板)、15・・・第1の電極層(電極、走査電極、第1の駆動電極)、15a・・・走査電極駆動回路(第1の駆動回路)、16・・・第1の配向膜(一方の基板側の配向膜)、28 位相差板と偏光板の積層体、20・・・基板(他方の基板)、25・・・第2の電極層(電極、信号電極、第2の駆動電極)、25a・・・信号電極駆動回路(第2の駆動回路)、26・・・第2の配向膜(他方の基板側の配向膜)、30・・・液晶層、35・・・液晶セル、40・・・シール材、45・・・制御回路。

Claims (3)

  1. ネマティック液晶層を挟んで対向する一対の基板の一方の基板の液晶層側に電極と弱アンカリングの配向膜が該一方の基板側から順に設けられ、他方の基板の液晶層側に電極と強アンカリングの配向膜が該他方の基板側から順に設けられた液晶セルと、前記一方の基板側に電圧を印加する第1の駆動電極と、前記他方の基板側に電圧を印加する第2の駆動電極と、前記第1と第2の駆動電極にそれぞれ駆動信号を供給する駆動信号供給手段が設けられた制御回路とが備えられ、駆動電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が初期状態及び初期状態とは異なる双安定状態のうちいずれかの状態に制御されるようにした液晶表示装置であって、
    前記一方の基板側の配向膜と他方の基板側の配向膜のラビング方向は反平行方向とされ、前記一方の基板側の配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが約3×10−4J/m以下で、プレティルト角が略0度になるように形成され、前記他方の基板側の配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが約10−3J/m以上で、プレティルト角を有するように形成されており、
    前記液晶層の電圧保持率が60%〜85%の範囲であることを特徴とする双安定型ネマティック液晶表示装置。
  2. 前記液晶層の電圧保持率が70%〜80%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の双安定型ネマティック液晶表示装置。
  3. 前記液晶層にカイラル剤が添加されてカイラルネマティック相が発現されており、前記カイラル剤はP=4d(式中、Pはカイラルネマティック相のらせんのピッチ、dは液晶セルのギャップ)なる条件を満足する添加量とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の双安定型ネマティック液晶表示装置。
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