JP2005173209A - 双安定型ネマティック液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 弱アンカリングの配向膜が用いられた双安定型ネマティック液晶表示装置において、カラーフィルタや反射体などの付加構造を設けても低コストで、歩留まりよく製造できる双安定型ネマティック液晶表示装置の提供。
【解決手段】 第1の基板に強アンカリングの配向膜が設けられたマスター基板10Aと、第2の基板に弱アンカリングの配向膜が設けられたスレーブ基板20Aとがそれぞれの配向膜側が対向配置され、これら配向膜間にネマティック液晶層30が挟持されてなる液晶セル35が備えられ、駆動電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されるようにした液晶表示装置であって、マスター基板側にカラーフィルタ13と反射体7が設けられた双安定型ネマティック液晶表示装置1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、長時間に亘って同じパターンを表示する電子ブック、電子手帳等に適用できる双安定型ネマティック液晶表示装置に関する。
単純マトリックス型の駆動方法により表示するモードの液晶表示装置の一種としてネマティック液晶を用いた双安定型液晶表示装置が知られている。
従来の双安定型ネマティック液晶表示装置は、上下一対の基板間にネマティック液晶が所定のセルギャップで挟まれ、一方の基板の内面側にプレチルトのある強アンカリング(強い配向規制力)の配向膜が形成され、他方の基板の内面側にプレチルト0の弱アンカリング(弱い配向規制力)の配向膜が形成された液晶セルが備えられたものである。
従来の強アンカリングの配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有機配向膜にラビングしたものが用いられ、弱アンカリングの配向膜としては斜方蒸着法により形成されたSiO膜、ポリイミド等の有機配向膜に光を照射し改質したもの、或いは溶剤処理したもの等が用いられていた(例えば、非特許文献1〜3参照。)。
このような従来の双安定型ネマティック液晶表示装置は、モノクロ表示タイプの透過型液晶表示装置に適用されていた。
なお、強アンカリングの配向膜が設けられた基板をマスター基板、弱アンカリングの配向膜が設けられた基板をスレーブ基板と呼ぶ。
マルチノ ラガード等(Ph.Martinot-Lagarde et al.)、ファスト バイステイブル ネマティック ディスプレイ ユージング モノステイブル サーフェイス アンカリング ブリーキング(Fast Bistable Nematic Display Using Monostable Surface Anchoring Breaking)、ダイジェスト オブ エスアイディー'97(Digest of SID'97) 、1997年、p.41−44 ドゾブ等(I.Dozov et al.)、ファスト バイステイブルネマティック ディスプレイ フロム カップルド サーフェイス アンカリング ブリーキング(Fast Bistable Nematic Display From Coupled Surface Anchoring Breaking )、プロシーディング オブ エスピーアイイー (Proceeding of SPIE) vol.3015、1997年、p.61 ジョウバート等(C.Joubert et al.)、リフレクティブ バイステイブル ネマティック ディスプレイ (バイネム)ファブリケーティッド バイ スタンダード マニュファクチュリング イクィプメント(Reflective Bistable Nematic Displays (BiNem)fabricated by standard manyufacturing equipment)、ジャーナル オブ ザ エスアイデー(Journal of the SID)、11/1,2003年
ところで双安定型ネマティック液晶表示装置をカラー表示タイプや低消費電力とすることができる反射型に適用するという要望があるが、従来の双安定型ネマティック液晶表示装置は弱アンカリングの配向膜を目的とする配向規制力を有するように製造するのが煩雑であるために、スレーブ基板にカラーフィルタや反射体を形成するとさらに製造工程が煩雑になり、また、カラーフィルタや反射体等の付加構造を設ける際に弱アンカリングの配向膜が劣化し易く、歩留まりが低下したり、コストが増大してしまうという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって弱アンカリングの配向膜が用いられた双安定型ネマティック液晶表示装置において、カラーフィルタや反射体などの付加構造を設けても低コストで、歩留まりよく製造できる双安定型ネマティック液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
第1の発明の双安定型ネマティック液晶表示装置は、第1の基板に強アンカリングの配向膜が設けられたマスター基板と、第2の基板に弱アンカリングの配向膜が設けられたスレーブ基板とが、それぞれの配向膜側が対向配置され、これら配向膜間にネマティック液晶層が挟持されてなる液晶セルが備えられ、駆動電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されるようにした液晶表示装置であって、
前記マスター基板側にカラーフィルタが設けられたことを特徴とする。
第2の発明の双安定型ネマティック液晶表示装置は、第1の基板に強アンカリングの配向膜が設けられたマスター基板と、第2の基板に弱アンカリングの配向膜が設けられたスレーブ基板とが、それぞれの配向膜側が対向配置され、これら配向膜間にネマティック液晶層が挟持されてなる液晶セルが備えられ、駆動電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されるようにした液晶表示装置であって、
前記スレーブ基板は観察側に設けられ、前記マスター基板は観察側と反対側に設けられ、該マスター基板側に反射体が設けられたことを特徴とする。
上記第2の発明の双安定型ネマティック液晶表示装置において、前記マスター基板側にカラーフィルタが設けられていてもよい。
上記のいずれかの構成の本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置において、前記強アンカリングの配向膜と弱アンカリングの配向膜の配向方向は反平行方向とされ、
前記強アンカリングの配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが約10−3J/m以上で、方位角方向のアンカリングエネルギーが10−4 J/m以上とされ、プレティルト角を有するように形成され、前記弱アンカリングの配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが6×10−5 〜2×10−4J/mで、方位角方向のアンカリングエネルギーが1×10−5〜5×10−5J/mとされ、プレティルト角が略0度になるように形成されていることが好ましい。
このアンカリングエネルギーの設定値は、本発明の双安定型LCDでは重要で、例えば、強アンカリング配向膜(マスター側)では、極角及び方位角方向のアンカリングエネルギーが上記の値よりも大きいとスレーブ基板側に対し配向影響力が強く働きすぎ、双安定が発現しない。また、上記の値よりも小さい時には、所望の配向が得られずやはり安定した双安定状態が取れない。
一方、弱アンカリング配向膜(スレーブ側)では、極角及び方位角方向のアンカリングが上記の値よりも大きすぎると、やはり準安定状態期間の移行が起きず、双安定状態が得られない。また、上記の範囲の値よりも小さい時には、配向が安定しない。
かかる構成の双安定型ネマティック液晶表示装置において、上記液晶セルの上側又は上下の両側に偏光板が設けられ、該偏光板の偏光軸は前記弱アンカリングの配向膜又は強アンカリングの配向方向に対し+45度又は−45度に設定されていることが好ましい。
本発明によれば、弱アンカリングの配向膜が用いられた双安定型ネマティック液晶表示装置であっても、製造し易いマスター基板側にカラーフィルタや反射体等の付加構造を設けるようにしているので、付加構造を設けることによる弱アンカリングの配向膜の劣化を防止でき、低コストで、歩留まりよく製造できる双安定型ネマティック液晶表示装置を実現できる。
以下、本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態である反射体内蔵型の双安定型ネマティック液晶表示装置の端部を含む部分断面構造を模式的に示した図であり、図2はこの双安定型ネマティック液晶表示装置を上面側から視たときの各電極と対応する駆動回路の接続構造を示す透過平面図であり、図3はこの双安定型ネマティック液晶表示装置の第1と第2の配向膜のそれぞれの配向方向と、偏光板の偏光軸(光軸)との関係を示す分解斜視図である。
図1において、本発明の反射型の双安定型ネマティック液晶表示装置1は、印加する駆動電圧に応じて液晶分子が,双安定状態、即ちツイスト角0度の均一平行配置とツイスト角180度のツイスト配置との間を切り替えることができるものであり(例えば、図6のAに示すように液晶分子の配列がユニフォームな平行配置Uと図8のAに示すように液晶のツイスト角が180度になるようなツイスト配置Tとの間を切り替え)、カイラルネマティック液晶層30を挟持して対向するマスター基板10Aと、スレーブ基板20Aとをこれら2枚の基板10、20の周縁部に環状に設けられたシール材40で接着一体化した概略構成のものである。
また、この液晶表示装置1には、図2に示すように第1の基板側に設けられた走査電極としての第1の電極層(第1の駆動電極)15を駆動するための走査電極駆動回路(第1の駆動回路)15aと、第2の基板側に設けられた信号電極としての第2の電極層(第2の駆動電極)25を駆動するための信号電極駆動回路(第2の駆動回路)25aと、駆動信号供給手段と電圧制御手段が備えられた制御回路45が備えられている。
マスター基板10Aは、第1の基板(一方の基板)10の内面側(液晶層側)に反射体7と、カラー表示を行うためのカラーフィルタ13と、反射体7を被覆して保護するとともに反射体7やカラーフィルタ13による凹凸を平坦化するためのオーバーコート膜14と、液晶層30を駆動するための第1の電極層(電極又はITO膜と呼ぶこともある)15と、絶縁膜からなるトップコート膜(図示略)と、液晶層30を構成する液晶分子の配向を制御するための第1の配向膜16とが順に積層形成されている。このマスター基板10Aは観察側と反対側に配置されている。
スレーブ基板20Aは、透明な第2の基板(他方の基板)20の内面側(液晶層側)に第2の電極層(電極又はITO膜と呼ぶこともある)25と、トップコート膜(絶縁膜)24と、第2の配向膜26とが順に積層形成されている。
上記の第1の基板10と第2の基板20と、これら基板間に設けられた各構成部材により、液晶セル35が構成されている。
スレーブ基板20Aの液晶層30側と反対側(第2の基板20の外面側)には、偏光板28が設けられている。
反射体7は、アクリル系レジストなどの感光性樹脂層からなる有機膜(基材)11と、この有機膜11上に形成されたAl、Agなどの金属反射膜(金属膜)12から構成されている。有機膜11は、その上に形成されている金属反射膜12に凹凸形状を与えて反射光を効率よく散乱させるために設けられているものである。有機膜11の表面に、その内面が球面等の一部をなす多数の凹部12Aが左右に重なり合うようにして連続して形成されており、その面上に金属反射膜12が積層されている。このようにして金属反射膜12に凹凸形状を与えることにより、液晶表示装置1に入射した光を効率よく反射することができるため、反射モードにおける明るい表示を実現することができるようになっている。
また、金属反射膜12の膜厚は、80nm〜300nm程度であることが好ましく、80nm〜200nm程度であることがより好ましい。
第1の電極層15は、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを基板10上に多数整列形成したものであり、各第1の電極層15は引き廻し配線15bを介して走査電極駆動回路15aに接続されている。同様に第2の電極層25もITOなどの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを基板20上に多数整列形成したものであり、各第2の電極層25は引き廻し配線25bを介して信号電極駆動回路25aに接続されている。これら駆動回路15a、25aは両基板のうち片方にまとめて設けられていてもよいし、第1の基板10に走査電極駆動回路15aが設けられ、第2の基板20に信号電極駆動回路25aが設けられていてもよい。
尚、第1の電極層15と第2の電極層25は互いに平面視直角に向くように配置されて上記の液晶表示装置1がパッシブマトリクス型とされている。
第1の配向膜(一方の基板側の配向膜)16は、極角方向のアンカリングエネルギーが約10−3J/m以上で、方位角方向のアンカリングエネルギーが10−4 J/m以上の強アンカリングの配向膜で、プレティルト角を有するように形成されている。このような第1の配向膜16としては、ラビングしたポリイミド膜、斜方蒸着法により形成されたSiO膜からなるものが用いられる。このような第1の配向膜16の形成方法としては、第1の基板10の表面にSiOを蒸着する際、第1の基板10の法線方向から測った蒸着角度が約80度の条件で行われる。この第1の配向膜16の膜厚としては、50〜200nm程度とされる。
第1の配向膜16のプレティルト角は、液晶層30に用いられる液晶の種類によって異なり、2度から7度程度、好ましくは2度から5度とされる。
第2の配向膜(他方の基板側の配向膜)26は、極角方向のアンカリングエネルギーが6×10−5 〜2×10−4J/mで、方位角方向のアンカリングエネルギーが1×10−5〜5×10−5J/mの弱アンカリングの配向膜で、プレティルト角が略0度、好ましくは0度になるように形成されている。
この第2の配向膜26としては、斜方蒸着法により形成されたSiO膜からなるものが用いられる。このような第2の配向膜26の形成方法としては、第2の基板20の表面にSiOを蒸着する際、第1の基板10の法線方向から測った蒸着角度が約60度の条件で行われる。この第2の配向膜26の膜厚としては、50〜200nm程度とされる。
また、第2の配向膜26の材質としては、上記のSiO膜以外に、グラフト化したポリスチレン膜にラビング処理を施したものを用いてもよく、グラフト化した可とう性の高い高分子鎖により、両基板間の液晶のアンカリングメモリーを完全に除去することが可能である。
第1の配向膜16と第2の配向膜26の配向方向は図3のA又は図3のBに示すように反平行方向(180度異なる方向)とされている。図3中、aは第1の配向膜16の配向方向、bは第2の配向膜26の配向方向である。
上記基板界面のアンカリングエネルギーは配向膜−液晶界面の相互作用の度合いを表すパラメータであり、通常「方位角アンカリング」及び「極角アンカリング」の2つがある。これらの値を求める方法としては、従来からいろいろな方法が知られている。例えばトルクバランス法(Y.Iimura,N.Kobayashi and S.Kobayashi : Jpn.Appl.Phys.,33(1994)L189 など)或いは液晶分子長軸が基板配向面に対して水平(ホモジニアス)或いは垂直(ホメオトロピック)に初期配向させた液晶セルに、外部場(電場あるいは磁場)を印加し、液晶セルの複屈折位相差の変化を計測することにより、弾性体理論で表される液晶分子の弾性エネルギーと界面のアンカリングエネルギーおよび外部場によって発生する液晶の誘電または磁気トルクエネルギーとが平衡状態になることを仮定して計算する方法である(例:非特許文献 横山他:2000年日本液晶学会討論会講演予稿集 1B01(2000)33-34頁, 及び横山他:2001年日本液晶学会討論会講演予稿集 1PA11(2001)319−320頁など)。
偏光板28の偏光軸(光軸)は、図3のA又は図3のBに示すようにに示すように第1の配向膜16の配向方向a又は第2の配向膜26の配向方向bに対して±45度(図3において時計回りの方向を+、反時計回りの方向を−としている)になるように設定されていることが好ましい。図3中、αは偏光軸が+45度の場合、αは偏光軸が−45度の場合である。
液晶層30は、ネマティック液晶にカイラル剤が添加されてカイラルネマティック相が発現されたものである。上記カイラル剤は、P=4d(式中、Pはカイラルネマティック相のらせんのピッチ、dは液晶セルのギャップ)なる条件を満足する添加量とされていることが優れた双安定動作を実現できる点で好ましい。
液晶層30の電圧保持率が60%〜85%、好ましくは70%〜80%にされていることが好ましい。
液晶層30の電圧保持率が60%未満では、保持率が低すぎて電圧ロスとなってしまい表示を切り替えることができず、また、消費電流が増加しやすく、85%を超えると、連続点灯(連続表示)12時間以上で(液晶材料と配向膜との組み合わせ次第では、6時間程度でも)スイッチング性質の経時劣化が生じ、単一パルスで表示が切り替わりにくくなる。液晶層30の電圧保持率が60%〜70%の範囲では、連続点灯約30時間まで上記スイッチング性質の経時劣化が生じなくなる。また、液晶層30の電圧保持率が70%〜80%又は85%では、連続点灯(連続表示)120時間でもスイッチング性質変化無く、優れた特性が得られる。
上記のように液晶層30の電圧保持率を60%〜85%の範囲にされていると、長時間にわたって同じパターンを表示しても、液晶層中の不純物が配向膜表面に付着して固定され難くなり、不純物イオン等の電荷の偏りを防止でき、焼き付きを防止でき、表示品質を向上できる。
電圧保持率を上記のような範囲にする方法としては、例えば、液晶層に用いる液晶材料自体の比抵抗を制御する方法及び配向膜の性質を利用する方法が上げられるが、表示素子に使用される液晶材料は通常10成分以上の単体化合物の混合物であるため、それらの単体化合物の組み合わせやあるいは配向膜材料との組み合わせによる依存性がある。例えば、液晶材料の精製段階でクロマトグラフィにより純度の調整がされるが、このとき保持率が上記の値になるように精製度合いを変える方法が取られる。或いは、混合液晶材料の調整後に混合物の特性を変えない範囲で比抵抗を下げるように微量のドーパント(電荷移動錯体など)を添加する方法も可能である。
一方配向膜材料に関しては、成膜時或いは成膜後の熱処理条件を変える方法などが適用できる。
上記液晶層の電圧保持率(VHR)は、図4に示すように上記第1の基板側の電極と第2の基板側の電極間に所定の値の駆動電圧(例えば、±5Vの固定パルス電圧)を印加した瞬間の電圧をV、次の駆動電圧が印加される直前の電圧をVとし、最初の駆動電圧が印加されるときの時間tから次の駆動電圧が印加される直前の時間tの間(例えば100μsec)の積分値で与えられる面積比S/(S+S)であり、S は実際の電圧の波形面積であり、Sは印加した駆動電圧が100%保持されたときの波形面積である。電圧保持率測定装置および測定方法については、後で説明する。
上記走査電極駆動回路15aは、接続配線46aを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた駆動信号供給手段から駆動信号が供給されるようになっている。また、この走査電極駆動回路15aには、接続配線46bを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた電圧制御手段から駆動電圧が供給されるようになっている。
上記信号電極駆動回路25aは、接続配線47aを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた駆動信号供給手段から駆動信号が供給されるようになっている。また、この信号電極駆動回路25aには、接続配線47bを介して制御回路45に接続されており、この制御回路45に設けられた電圧制御手段から駆動電圧(パルス電圧)が供給されるようになっている。
また、上記制御回路45は、表示情報出力源と接続されており、また、外部電源または内部電源に接続された電源回路と接続されている。
上記電圧制御手段は、走査電極駆動回路15a、信号電極駆動回路25aに駆動電圧を供給して第1と第2の電極層間の液晶を駆動できるようになっている。
液晶層30の電圧保持率を測定する装置としては、例えば、図5に示すような株式会社東陽テクニカ製の電圧保持率測定装置(商品名VHR−1A型又は1S型)が好適に用いられる。図5中、符号52はパルスジェネレータ、53はファンクションジェネレータ、54はオシロスコープ、55はサーキュレータであり、これらはGPIB接続によりパーソナルコンピュータ(PC)51と接続されている。ジェネレータ52、53はFETサーキット56に接続されており、このFETサーキット56は恒温槽及びシールドボックス58内に配置された液晶セル35に接続される。オシロスコープ54はアンプ57に接続され、さらにこのアンプ57はFETサーキット56と恒温槽及びシールドボックス58間に接続されている。サーキュレータ55は、恒温槽及びシールドボックス58内に配置された液晶セル35に接続されている。
このような電圧保持率測定装置を用いて液晶層30の電圧保持率を測定するには、図4〜図5に示すように液晶セル35を恒温槽及びシールドボックス58内に配置し、セル全体の温度が安定するのを待ってから、第1の電極層15と第2の電極層25に±5Vの固定パルス電圧を印加した瞬間の電圧をV、次のパルス電圧が印加される直前の電圧をVとし、最初のパルス電圧が印加されるときの時間tから次ぎのパルス電圧が印加される直前の時間tの間(例えば100μsec)の積分値で与えられる面積比S/(S+S)を求めることで測定できる。
本実施形態の双安定型ネマティック液晶表示装置の動作原理について図6〜図7を用いて説明する。なお、図6〜図7においては上側が強アンカリングの第1の配向膜16、下側が弱アンカリングの第2の配向膜26であり、この第2の配向膜側が観察側である。
図6のAに示すように駆動電圧印加時の液晶層30(電圧保持率が60%〜85%)の液晶分子の配列がユニフォームな平行配置、すなわち、液晶のツイスト角が0度になるような液晶組織になっている場合(偏光板を通って液晶セル内に入った入射光が反射体で反射した光を液晶層(1/4λとなる液晶複屈折層を45度配置で挟まれている)で偏光方位を90度に変え、偏光板を通過しないようにして暗表示とする場合)、図6のBに示すように上記第1、第2の電極層等の駆動パルス印加手段によって液晶層30にリセットパルスEr1を印加する。このリセットパルスEr1は、第2の配向膜26のアンカリングをリセットできる大きさEより大きく、第1の配向膜16のアンカリングはリセットできる大きさEより小さい大きさとすることで、第2の配向膜26のアンカリングをリセットして、ホメオトロピック配向とする。
次いで、図6のCに示すように不安定なホメオトロピック配向を解消するために流体力学的流れ、背流(バックフロー)が生じる(なお、パルス電圧Eは印加しない状態である。)。これにより第1と第2の配向膜の近傍の液晶分子は互いに反対の方向へと回転し、ベンド配向化し、次いで、ベンド配向からより安定なπツイスト配向の組織に遷移する。
図7のAに示すように液晶層30(電圧保持率が60%〜85%)の液晶のツイスト角が180度になるようなツイスト配置の液晶組織になっている場合(偏光板を通って液晶層(液晶層は180度捩れることで、光学的等方性に近くなる)に光が入射し、反射偏光が偏光板を通過するようにして明表示とする場合(旋光性は小さく、10〜30度))、図7のBに示すようにリセットパルスEr2を印加する。このリセットパルスEr2は、第2の配向膜26のアンカリングをリセットできる大きさEより大きく、第1の配向膜16のアンカリングはリセットできる大きさEより小さい大きさである。
この後、バックフローが起きにくいようにパルスをなだらかに切る。このようにすると、液晶層30の液晶分子は弾性結合により、基板平面に倒れこみ、図7のCに示すようにユニフォームな組織へ遷移する。
なお、上記リセットパルスE、E 、Er1 、Er2 の大小関係は、E>Er1>Er2>E である。
本実施形態の双安定型ネマティック液晶表示装置を製造するには、例えば、マスター基板10Aとスレーブ基板20Aを別個に製造し、これらマスター基板10Aとスレーブ基板20Aを略環状のシール材40を介して貼り合わせ、シール材40に設けられた液晶注入口より基板10A、20Aとシール材40とで囲まれた空間内に液晶を注入後、注入口を封止して液晶セル35とし、この液晶セル35上に偏光板28を積層する。
本実施形態の双安定型ネマティック液晶表示装置によれば、弱アンカリングの配向膜26が用いられた双安定型ネマティック液晶表示装置であっても、製造し易いマスター基板側にカラーフィルタ13や内蔵型反射体7を設けるようにしているので、付加構造を設けることによる弱アンカリングの配向膜16の劣化を防止できる。従って、本実施形態によれば、カラー表示が可能で、低コストで、歩留まりよく製造できる反射体内蔵型の双安定型ネマティック液晶表示装置を実現できる。
尚、上記実施形態では、本発明の双安定型ネマティック液晶表示装置をパッシブマトリクス型の反射型液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、透過型や半透過型の双安定型液晶表示装置にも適用可能である。
半透過型にする場合には、観察側と反対側の基板(第1の基板)下面に位相差板及び偏光板の積層体と、光源が配置される。また、この場合、反射体(特に反射膜)には、画素面積に対して所定の面積割合で微細な開口が設けられる。
透過型の場合には、反射体は不要で、観察側と反対側の基板(第1の基板)下面に位相差板及び偏光板の積層体と、光源が配置される。
或いは、反射体をパネル内に内蔵せず、パネル外面(観察側と反対側の基板外面)に反射体を形成したシートを積層することもできる。(この場合、パララックスの点で、下側基板の厚みが薄くされることが望ましい。)
本発明の反射体内蔵型液晶表示装置の部分断面構造を示す図。 図1の液晶表示装置を上面側から視たときの各電極と対応する駆動回路の接続構造を示す透過平面図。 図1の液晶表示装置の第1と第2の配向膜のそれぞれの配向方向と、偏光板の偏光軸との関係を示す分解斜視図。 液晶層の電圧保持率を説明するための図であり、Aは保持される電圧の波形、Bは印加されるパルス電圧の波形を示す図。 本発明に係わる電圧保持率測定装置の概略構成を示す模式図。 第1の実施形態の液晶表示装置の動作の説明図。 第1の実施形態の液晶表示装置の他の動作の説明図。
符号の説明
1・・・双安定型ネマティック液晶表示装置、10A・・・マスター基板、10・・・基板(一方の基板)、15・・・第1の電極層(電極、走査電極、第1の駆動電極)、15a・・・走査電極駆動回路(第1の駆動回路)、16・・・第1の配向膜(一方の基板側の配向膜、強アンカリングの配向膜)、28・・・偏光板、20A・・・スレーブ基板、20・・・基板(他方の基板)、25・・・第2の電極層(電極、信号電極、第2の駆動電極)、25a・・・信号電極駆動回路(第2の駆動回路)、26・・・第2の配向膜(他方の基板側の配向膜、弱アンカリングの配向膜)、30・・・液晶層、35・・・液晶セル、40・・・シール材、45・・・制御回路。

Claims (5)

  1. 第1の基板に強アンカリングの配向膜が設けられたマスター基板と、第2の基板に弱アンカリングの配向膜が設けられたスレーブ基板とが、それぞれの配向膜側が対向配置され、これら配向膜間にネマティック液晶層が挟持されてなる液晶セルが備えられ、駆動電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されるようにした液晶表示装置であって、
    前記マスター基板側にカラーフィルタが設けられたことを特徴とする双安定型ネマティック液晶表示装置。
  2. 第1の基板に強アンカリングの配向膜が設けられたマスター基板と、第2の基板に弱アンカリングの配向膜が設けられたスレーブ基板とが、それぞれの配向膜側が対向配置され、これら配向膜間にネマティック液晶層が挟持されてなる液晶セルが備えられ、駆動電圧に応じて液晶層の液晶分子の配列が双安定状態のうちいずれかの状態に制御されるようにした液晶表示装置であって、
    前記スレーブ基板は観察側に設けられ、前記マスター基板は観察側と反対側に設けられ、該マスター基板側に反射体が設けられたことを特徴とする双安定型ネマティック液晶表示装置。
  3. 前記マスター基板側にカラーフィルタが設けられたことを特徴とする双安定型ネマティック液晶表示装置。
  4. 前記強アンカリングの配向膜と弱アンカリングの配向膜の配向方向は反平行方向とされ、
    前記強アンカリングの配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが約10−3J/m以上で、方位角方向のアンカリングエネルギーが10−4 J/m以上とされ、プレティルト角を有するように形成され、
    前記弱アンカリングの配向膜は極角方向のアンカリングエネルギーが6×10−5 〜2×10−4J/mで、方位角方向のアンカリングエネルギーが1×10−5〜5×10−5J/mとされ、プレティルト角が略0度になるように形成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の双安定型ネマティック液晶表示装置。
  5. 前記液晶セルの上側又は上下の両側に偏光板が設けられ、該偏光板の偏光軸は前記弱アンカリングの配向膜又は強アンカリングの配向方向に対し+45度又は−45度に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の双安定型ネマティック液晶表示装置。
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