JPH0933722A - 偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光板及び液晶表示装置

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JPH0933722A
JPH0933722A JP7201511A JP20151195A JPH0933722A JP H0933722 A JPH0933722 A JP H0933722A JP 7201511 A JP7201511 A JP 7201511A JP 20151195 A JP20151195 A JP 20151195A JP H0933722 A JPH0933722 A JP H0933722A
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JP
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film
liquid crystal
polyethylene
naphthalate
polarizing plate
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JP7201511A
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Inventor
Fumiyuki Suzuki
文行 鈴木
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性に優れ、透過光がほとんど黄色味を帯
びることのない偏光板及び液晶表示装置を提供する。 【構成】 偏光子及びその両側に保護膜が設けられてな
る偏光板において、該保護膜の少なくとも一方がポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムであることを特
徴とする偏光板;および該偏光板を備えた液晶表示装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パーソナルコンピュー
ター、ワードプロセッサー及びテレビ等に使用される液
晶表示装置の偏光板及び偏光板を有する液晶表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピューター、ワードプロ
セッサー、時計や電卓等の使用されていた液晶ディスプ
レーは、タッチパネル、光シャッターあるいは自動車搭
載用の液晶ディスプレー等のように過酷な環境下で使用
されることが多くなってきている。
【0003】上記液晶ディスプレーに使用される偏光板
は、偏光子とその両面に保護膜が接着された構成を有
し、偏光子としては、一軸配向されたポリビニルアルコ
ール(PVA)にヨウ素及び/又は二色性染料を吸着さ
せたものが一般に使用され、また保護膜としては、良好
な光透過性及び小さい複屈折を有するセルローストリア
セテート(TAC)が一般に使用される。
【0004】上記セルローストリアセテートフィルム
は、光透過性及び光学的無配向性等において優れた性質
を有しているが、紫外線を吸収する性質はないため、液
晶ディスプレーの液晶の紫外線による劣化を防止するた
めに、液晶ディスプレーの外側に設けられる偏光板の保
護膜であるセルローストリアセテートフィルム中に、紫
外線吸収剤を添加することが一般的に行なわれている。
即ち、セルローストリアセテートのフィルムは、例え
ば、結合酢酸量(酢化度)60〜62%のセルロースト
リアセテートを可塑剤と共にメチレンクロライドとメタ
ノールの混合溶剤に溶解したドープを、連続的に回転す
るドラムまたは移動するバンド(支持体)上に流延し、
次いで溶剤を蒸発させることからなる溶液製膜法により
得ることができる。そして、耐光性(紫外線劣化を防
止)向上のために、従来から使用されている紫外線吸収
剤を、溶剤又は溶剤とセルローストリアセテートとの混
合溶液に分散し、得られた分散液を上記ドープと混合
し、この混合液を流延、乾燥することによりセルロース
トリアセテートのフィルムを作製していた。これによ
り、紫外線吸収剤により耐光性を付与していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セルローストリアセテ
ートフィルムを偏光板用の保護膜として使用するには、
上記のようにセルローストリアセテートドープ中に紫外
線吸収剤を添加して製膜する必要があり、工程が煩雑で
ある。また本発明者の検討によると、得られるフィルム
も波長400nm付近の可視領域の光までかなり吸収し
て、フィルムが黄色味を帯びる場合が多いとの問題も明
らかとなった。
【0006】従って、本発明は、生産性に優れ、透過光
がほとんど黄色味を帯びることのない偏光板を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、生産性に優れ、透
過光が黄色味を帯び難い液晶表示装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、偏光子及び
その両側に保護膜が設けられてなる偏光板において、該
保護膜の少なくとも一方がポリエチレン−2,6−ナフ
タレートフィルムであることを特徴とする偏光板により
達成することができる。
【0008】上記本発明の偏光板の好ましい態様は下記
の通りである。 1)該保護膜の波長400nmの光の透過率が、70%
以上(好ましくは80%以上)である。 2)該ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
が、5〜45m2 /gの比表面積、0.001〜0.1
ml/gの細孔容積及び0.1〜5.0μmの平均粒子
径を有し、かつそれぞれが多面体であって鋭角の突起を
少なくとも一個有する一次粒子のシリカを含有してい
る。 3)該ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
が、上記3)のシリカを該ポリマーの重量に対して0.
001〜0.1重量%の割合で含有している。 4)ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムが、
天然石英の粉砕物を含む。 5)ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムの厚
さが、20〜300μm(好ましくは50〜100μ
m)である。
【0009】また、上記目的は、透明電極が設けられた
一対の透明基板、及びそれらの透明基板間に封入された
液晶からなる液晶セルと、該液晶セルの両側に設けられ
た、偏光子及びその両側に保護膜が設けられてなる一対
の偏光板とからなる液晶表示装置において、該保護膜
が、ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムであ
ることを特徴とする液晶表示装置によっても達成するこ
とができる。
【0010】上記本発明の液晶表示装置の好ましい態様
は下記の通りである。 1)偏光板の液晶セルに対向しない側の保護膜がポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムである。
【0011】[発明の詳細な記述]本発明の偏光板は、
偏光子および該偏光子の両側の表面に保護膜が設けられ
た基本構成を有する。図1に、本発明の偏光板の基本的
な構成の断面を模式的に示す。
【0012】図1には、偏光子2の両方の表面に、接着
層を介して保護膜3a,3bが形成された偏光板が示さ
れている。保護膜は、接着剤(粘着剤)により偏光子表
面に接着されるのが一般的である。保護膜上には、更に
ハードコート層が形成されても良い。上記保護膜は、本
発明においてはポリエチレン−2,6−ナフタレートフ
ィルムである。上記偏光板を液晶表示装置に組み込んだ
場合、偏光子と液晶セルとの間に位置する保護膜は、一
般に低いレターデーション(Re)の値を有することが
必要なため、トリアセチルセルロースなどの低Re値が
得られ易いフィルムを使用しても良い。低Re値のポリ
エチレン−2,6−ナフタレートフィルムは、例えば、
無延伸の状態でフィルムを作成することにより得られ
る。Re値は、フィルムの遅相軸方向と進相軸方向の屈
折率の差(Δn)と、フィルムの厚さ(d)の積で表わ
される。
【0013】上記偏光板が、液晶セルの両側に設けられ
た液晶表示装置の構成例を図2に示す。図2に示される
液晶表示装置では、液晶が電極を有するガラス板で挟持
された液晶表示装置15の両側に、偏光板11a及び1
1bが貼り付けられて設けられている。偏光板11a
は、偏光子22とその両面に貼り付けられた保護膜23
a及び23bからなり、液晶セル5のガラス板表面に
は、保護膜23bが接している(通常接着剤により貼り
付けられている)。偏光板11bも、同様に、偏光子2
2とその両面に貼り付けられた保護膜13a及び13b
からなる。保護膜は、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートフィルムである。ただし、偏光子と液晶セルとの間
に位置する保護膜13b,23bは、前記のように一般
に低いレターデーション(Re)の値を有することが必
要なため、トリアセチルセルロース等の低Re値が得ら
れ易いフィルムを使用しても良い。偏光板上には、反射
防止層が設けられても良い。
【0014】ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィ
ルム(厚さ80μm)と、従来から上記保護膜として使
用されている紫外線吸収剤含有トリアセチルセルロース
(TAC)フィルム(厚さ120μm)の紫外線領域に
おける透過率曲線を図3に示す。図3から明らかなよう
に、TACフィルムもPENフィルムも380mμ付近
以下の短波長の紫外線は透過しないで、ほぼ遮断してお
り、いずれも紫外線吸収機能の大きいことを示してい
る。しかしながら、耐光性の低下にほとんど影響を与え
ない380〜400mμ、特に400mμ付近に少しで
も吸収があると、表示装置を透過した光が黄色味を帯び
るとの問題がある。PENフィルムの場合は、400m
μ付近に吸収はほとんどないが、紫外線吸収剤を含有し
たTACフィルムの場合は、400mμ付近に少し吸収
があり、表示装置を透過した光が黄色味を帯びることに
なる。TACフィルムに使用する紫外線吸収剤の種類を
変えても同様な傾向がある。従って、偏光板の保護膜
(特に外側、大気に接触する側の保護膜)としてポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムを使用すること
は、優れた生産性と共に上記透過光に黄色味を帯びない
との利点をもたらす。
【0015】本発明の偏光板に使用される偏光子は、公
知のものを使用することができる。例えば、ポリビニル
アルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルア
ルコール系フィルム及びエチレン・酢酸ビニル共重合体
のケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素及
び/又は二色性染料を吸着配向させた偏光フィルム;ポ
リビニルアルコール系フィルムを脱水処理してポリエン
を配向させた偏光フィルム;及びポリ塩化ビニルフィル
ムを脱塩酸処理してポリエンを配向させた偏光フィルム
を挙げることができる。
【0016】本発明の保護膜に使用されるポリエチレン
−2,6−ナフタレートは、主たる構成モノマーがエチ
レン−2,6−ナフタレートからなるポリマーである。
この場合他の成分による構成単位を10モル%以下の範
囲で共重合により含んでいても良い。共重合単位となり
うる二官能性カルボン酸成分としては、例えば、イソフ
タル酸、テレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸などの芳香族ジカルボン酸、1、4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族
ジカルボン酸とそれらのアルキルエステル、そしてトリ
メリット酸、ピロメリット酸などの多官能性カルボン酸
またはそれらのアルキルエステルなどを挙げることがで
きる。一方、エチレングリコール以外の同様に共重合単
位となりうるグリコール成分としては、ジエチレングリ
コール、ブタンジオール、分子量150〜20000の
ポリアルキレングリコール1、4−シクロヘキサンジメ
タノール及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物などを挙げることができる。
【0017】また、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
トの製造時に使用するエステル化反応触媒、エステル交
換反応触媒、重縮合反応触媒は従来から知られているチ
タン化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、アンチモン
化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、ゲル
マニウム化合物などを適宜使用することができる。ま
た、目的に応じてそのほかの金属化合物や含窒素塩基性
化合物、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料な
どを使用してもよい。また、ポリエステルの製造方法
は、従来から知られている通常の方法で行うことができ
る。すなわち、回分式、反回分式、連続式のいずれでも
よく、またエステル交換反応法でも直接エステル化反応
法でもよい。
【0018】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートフィルムは、偏光子の液晶セルと反対側(外側)の
保護膜として使用する場合は、二軸延伸されたフィルム
でも無延伸フィルムでも良いが、均一な厚さが得られる
二軸延伸が好ましい。また偏光子の液晶セル側の保護膜
として使用する場合は、無延伸フィルムであることが好
ましい。二軸延伸フィルムの製造方法としては公知の方
法を用いることができる。例えば、ポリエチレン−2,
6−ナフタレートをあらかじめ乾燥させ275℃〜32
0℃でシート状に溶融押し出した後、45〜100℃で
冷却固化して無定型シートを作製する。次いで、80℃
〜190℃の温度にて縦方向(長尺方向)に、次いで横
方向(幅方向)に、それぞれ2〜5倍に延伸した後、1
65〜290℃で熱処理することによって、二軸延伸ポ
リエチレン−2、6−ナフタレートフィルムを得ること
ができる。さらに、得られたフィルムに、ポリエチレン
−2、6−ナフタレートのガラス転移温度以下の温度で
アニール処理を施してもよい。また、無延伸フィルムの
製造方法としては、例えば、あらかじめ乾燥したポリエ
チレン−2,6−ナフタレートを275℃〜320℃で
シート状に、冷却ロール上に溶融押し出した後、カレン
ダーロールを通して作成される。一般にシート成形機と
呼ばれる装置で作成することができる。上記カレンダー
ロールは連続的に3〜5機、一般に配置される。フィル
ムの厚さは20〜300μmが一般的で、30〜200
μmが好ましく、特に50〜100μmが好ましい。
【0019】本発明のポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートフィルムは、滑り性付与剤として、タルク、シリ
カ、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カーボンなど
の無機化合物や、架橋されたアクリル樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂等の架橋高分子などの有機化合物の微粒子を
含むことが好ましい。これらの中で、シリカが好まし
く、特に、5〜45m2 /gの比表面積、0.001〜
0.1ml/gの細孔容積及び0.1〜5.0μmの平
均粒子径を有し、かつそれぞれが多面体であって鋭角の
突起を少なくとも一個有する一次粒子のシリカが好まし
い。このような微粒子は、ポリマーの重量に対して0.
001〜0.1重量%の割合で含有していることが好ま
しい。
【0020】また、本発明においては、上記鋭角の突起
を有する特定の一次粒子のシリカの比表面積は、5〜4
5m2 /gであり、特に10〜30m2 /gが好まし
い。比表面積が45m2 /gを超えるシリカはシリカ粒
子が互いに凝集して、二次粒子やそれ以上の高次の粗大
粒子を形成し易いため、得られるフィルムの滑り性が低
下する。一方、比表面積が5m2 /g未満のシリカはポ
リマーとの親和性が低くなるため二軸延伸した際等に生
じるボイドが大きくなり、フィルムの透明性が低下す
る。さらに、上記鋭角の突起を有する特定の一次粒子の
シリカは細孔容積は、0.001〜0.1ml/gであ
り、0.01〜0.06ml/gの範囲が好ましい。細
孔容積が0.1ml/gを超えるシリカはシリカ粒子が
互いに凝集して、二次粒子やそれ以上の高次の粗大粒子
を形成し易いため、得られるフィルムの滑り性が低下す
る。また、品質が安定しない場合がある。一方、細孔容
積が0.001ml/g未満のシリカはポリマーとの親
和性が低くなるため二軸延伸した際に生じるボイドが大
きくなり、フィルムの透明性が低下する。
【0021】さらにまた、上記鋭角の突起を有する特定
の一次粒子のシリカの平均粒子径は0.1〜5.0μm
であり、0.1〜1.0μmが好ましく、さらに0.1
〜0.8μmが好ましく、特に0.1〜0.55μmが
好ましい。平均粒子径が0.1μm未満のシリカは、滑
り性の付与効果が小さいため、このようなシリカを含有
したフィルムは滑り性が充分でないか、充分な滑り性を
得る程度にシリカを含有させた場合はフィルムの透明性
が低下する。また平均粒子径が5.0μmを超えるシリ
カは滑り性付与の観点からはその効果が大きいが、この
ような粒子径の大きな粒子を使用すると二軸延伸フィル
ムでは粒子の周囲に大きなボイドが生じやすくなり、結
果としてヘイズが高く透明性の低いフィルムとなる。ま
た、このような粒子径の大きいシリカが凝集してフィル
ム中に存在した場合には、重大な欠陥となる。
【0022】上記一次粒子のシリカは、一般に、天然石
英を鋭角の突起を有するような条件で破砕、粉砕するこ
とにより得られる。さらに、一次粒子のシリカは、天然
石英の粉砕物で、角取り処理がなされていないものが好
ましい。角取り処理をすると鋭角の突起が減少する。上
記粉砕された石英を、分級により上記特定の粒子のもの
を選別して得る。本発明の一次粒子のシリカは、天然石
英の中でも高純度石英を原料として得られたものが好ま
しい。従って、得られるシリカの二酸化珪素の純度も高
純度のものが好ましく、99.5%(重量)以上が好ま
しく、そして特に99.8%(重量)以上が好ましい。
また、上記一次粒子のシリカは粒子の分散性やポリエチ
レン−2,6−ナフタレートへの親和性を改良するため
にカップリング剤処理やグラフト処理といった表面改質
処理がなされていてもよい。また、さらに分級などによ
って粒径分布が狭められたシリカも好ましく使用でき
る。
【0023】上記特性を有するシリカは、例えばポリエ
チレン−2,6−ナフタレートを溶融押し出し時に直接
添加することもできるが、凝集粗粒子のない平面性のよ
い、かつヘイズの少ないフィルムを得るためにはポリエ
チレン−2,6−ナフタレートの製造工程中、特に重縮
合反応を開始するまでの段階で配合添加することが好ま
しい。その際、シリカをポリエチレン−2,6−ナフタ
レートに対し0.001〜0.1重量%の添加量で添加
し、得られたポリエチレン−2,6−ナフタレートをそ
のまま前記のようにフィルムに成形してもよいし、ある
いは0.1〜20重量%の添加量のポリエチレン−2,
6−ナフタレートを製造し、このポリエチレン−2,6
−ナフタレート組成物と、シリカを含有しないポリエチ
レン−2,6−ナフタレートを混合してフィルムとする
いわゆるマスターバッチ形式を採用して成形してもよ
い。いずれの方法においてもシリカをポリエチレン−
2,6−ナフタレートの製造工程内に添加する際には、
あらかじめエチレングリコールにシリカを充分分散させ
て、均一なスラリー状態にして添加することが好まし
い。
【0024】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお、実施例中の「部」とは重量部を意味するもの
とする。
【0025】[製造例1] (ポリエチレン−2,6−ナフタレートの製造)攪拌
機、熱媒体ジャケット及び精留塔を備えたエステル化反
応槽に2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100
部とエチレングリコール58.4部、酢酸マンガン四水
和物0.03部および三酸化アンチモン0.025部を
投入した後、攪拌しながら内容物を200℃まで加熱し
た。反応によって生成するメタノールを精留塔から除去
しつつ系内温度を1時間に20℃の割合で上昇させて2
50℃にした。メタノールの副生が終了したことを確認
した後、反応生成物を、攪拌機としてダブルヘリカル
翼、熱媒体ジャケット及び真空ポンプを備えた重縮合槽
に移し、リン酸0.021部をエチレングリコール0.
5部に溶解させたものを添加した。添加完了後5分間攪
拌し、次いで徐々に系内を0.15トールに減圧し28
0℃〜300℃で約2時間重縮合反応を行いポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートを得た。
【0026】[製造例2] (シリカ含有ポリエチレン−2,6−ナフタレートの製
造)攪拌機、熱媒体ジャケット及び精留塔を備えたエス
テル化反応槽に2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチ
ル100部とエチレングリコール58.4部、酢酸マン
ガン四水和物0.03部および三酸化アンチモン0.0
25部を投入した後、攪拌しながら内容物を200℃ま
で加熱した。反応によって生成するメタノールを精留塔
から除去しつつ系内温度を1時間に20℃の割合で上昇
させて250℃にした。メタノールの副生が終了したこ
とを確認した後、反応生成物を、攪拌機としてダブルヘ
リカル翼、熱媒体ジャケット及び真空ポンプを備えた重
縮合槽に移し、鋭角の突起を有する一次粒子のシリカ
(比表面積:17m2 /g、細孔容積:0.03ml/
g、平均粒子径:0.5μm)1.2部を含む20%エ
チレングリコールスラリーを添加し、さらにリン酸0.
021部をエチレングリコール0.5部に溶解させたも
のを添加した。添加完了後10分間攪拌し、次いで徐々
に系内を減圧にし280℃〜300℃で約2時間重縮合
反応を行いシリカ含有ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートを得た。尚、鋭角の突起を有する一次粒子のシリカ
の突起の角度(シリカ粒子の投影図の内角の内最小のも
の)は、電子顕微鏡の観察した結果、10個の粒子が全
て60〜25度の範囲にあった。
【0027】[実施例1]製造例1で得られたシリカを
含有しないポリエチレンテレフタレート98部と製造例
2で得られたシリカ含有ポリエチレンテレフタレート2
部とを、充分に混合し、160℃で8時間乾燥した後2
95℃で溶融押出を行ないシートを得た。得られたシー
トを135℃で縦方向に3.5倍延伸し、次いで140
℃で横方向に4.5倍延伸した後、240℃で熱固定し
て、厚さ80μmの二軸延伸フィルムを作製した。
【0028】上記で得られたフィルムの300〜500
mμの波長における透過率を測定したところ、380m
μ付近以下の短波長の紫外線は完全に遮断しており、紫
外線吸収機能の大きく、且つ400nm付近の透過率が
高く、透過光は黄色味を帯びないものであることが分か
った。このフィルムを前記図1に示した偏光板の一方の
保護膜に使用し、もう一方の保護膜に紫外線吸収剤含有
TACフィルムを使用して、偏光板を作成した。更に、
得られた偏光板2枚を、液晶セルの両側に、TACフィ
ルムと液晶セルの基板が接触するようにして貼り付け
て、図2に示す液晶表示装置を作成した。
【0029】
【発明の効果】本発明の偏光板は、偏光子の保護膜とし
てポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムを使用
している。ポリエチレン−2,6−ナフタレートは、そ
れ自体に紫外線を吸収するので、従来のTACフィルム
に紫外線吸収剤を含有させたフィルムを用いなくても紫
外線を遮断することができ、長期間使用しても偏光子の
特性を劣化させることがほとんどない。また耐光性の低
下にほとんど影響を与えない380〜400mμ、特に
400mμ付近に吸収がほとんどないので、液晶表示装
置に用いた場合の表示装置を透過した光が黄色味を帯び
ることがない。従って、偏光板の保護膜(特に液晶表示
装置の外側、大気に接触する側の保護膜)としてポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムを使用すること
により、優れた生産性と共に黄色味を帯びない透過光を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏光板の代表的構成例の断面図であ
る。
【図2】本発明の上記偏光板が、液晶セルの両側に設け
られた液晶表示装置の代表的構成例の断面図である。
【図3】ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PE
N)フィルムと、紫外線吸収剤含有トリアセチルセルロ
ース(TAC)フィルムの紫外線領域における透過率曲
線である。
【符号の説明】 11a、11b 偏光板 2、12、22 偏光子 3a、3b、13a、13b、23a、23b 保護膜 15 液晶セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光子及びその両側に保護膜が設けられ
    てなる偏光板において、該保護膜の少なくとも一方がポ
    リエチレン−2,6−ナフタレートフィルムであること
    を特徴とする偏光板。
  2. 【請求項2】 透明電極が設けられた一対の透明基板、
    及びそれらの透明基板間に封入された液晶からなる液晶
    セルと、該液晶セルの両側に設けられた、偏光子及びそ
    の両側に保護膜が設けられてなる一対の偏光板とからな
    る液晶表示装置において、該保護膜が、ポリエチレン−
    2,6−ナフタレートフィルムであることを特徴とする
    液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 該偏光板の液晶セルに対向しない側の保
    護膜がポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルムで
    ある請求項2に記載の液晶表示装置。
JP7201511A 1995-07-14 1995-07-14 偏光板及び液晶表示装置 Withdrawn JPH0933722A (ja)

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