JPH0933528A - 免疫分析用反応試薬及びその製造方法 - Google Patents
免疫分析用反応試薬及びその製造方法Info
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- JPH0933528A JPH0933528A JP20394895A JP20394895A JPH0933528A JP H0933528 A JPH0933528 A JP H0933528A JP 20394895 A JP20394895 A JP 20394895A JP 20394895 A JP20394895 A JP 20394895A JP H0933528 A JPH0933528 A JP H0933528A
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- immunoassay
- reaction reagent
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 短波長での測定が可能で、測定装置のセル汚
損性が低いリポソームを担体として用い、該リポソーム
にタンパク質関連物質からなる免疫学的物質が固定化さ
れている免疫分析用反応試薬及びその製造方法におい
て、抗原又は抗体のリポソームへの固定化を効率良く行
うことができ、且つ保存中にリポソーム自体が凝集を生
ずることのない、高感度な免疫分析用反応試薬及びその
製造方法を提供する 【構成】 リポソームにペプチド、ポリペプチド又はタ
ンパク質からなる免疫学的物質が固定化されてなる免疫
分析用反応試薬の製造方法において、免疫学的物質を不
活性化させない性質と免疫学的物質のリポソームへの固
定化を促進する性質を併有する、リポソームを安定化さ
せる物質を用いて、リポソームへ免疫学的物質を固定す
る。リポソームに免疫学的物質を固定する際に使用され
る前記物質は、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タ
ンパク質、並びにアミノ基或いはカルボキシル基を含む
合成高分子化合物から選ばれたものが使用される。
損性が低いリポソームを担体として用い、該リポソーム
にタンパク質関連物質からなる免疫学的物質が固定化さ
れている免疫分析用反応試薬及びその製造方法におい
て、抗原又は抗体のリポソームへの固定化を効率良く行
うことができ、且つ保存中にリポソーム自体が凝集を生
ずることのない、高感度な免疫分析用反応試薬及びその
製造方法を提供する 【構成】 リポソームにペプチド、ポリペプチド又はタ
ンパク質からなる免疫学的物質が固定化されてなる免疫
分析用反応試薬の製造方法において、免疫学的物質を不
活性化させない性質と免疫学的物質のリポソームへの固
定化を促進する性質を併有する、リポソームを安定化さ
せる物質を用いて、リポソームへ免疫学的物質を固定す
る。リポソームに免疫学的物質を固定する際に使用され
る前記物質は、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タ
ンパク質、並びにアミノ基或いはカルボキシル基を含む
合成高分子化合物から選ばれたものが使用される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リポソームへのペプチ
ド、ポリペプチド又はタンパク質からなる免疫学的物質
の固定化に、固定化助剤を使用した免疫分析用反応試薬
及びその製造方法に関し、更に詳細には、固定化助剤と
して免疫学的物質を不活性化させない性質と免疫学的物
質のリポソームへの固定化を促進する性質を併有する、
リポソームを安定化させる物質を用いて固定化を行うこ
とにより、固定化効率が飛躍的に向上し、また得られた
免疫学的物質固定化リポソームの安定性が増大された免
疫分析用反応試薬及びその製造方法に関する。
ド、ポリペプチド又はタンパク質からなる免疫学的物質
の固定化に、固定化助剤を使用した免疫分析用反応試薬
及びその製造方法に関し、更に詳細には、固定化助剤と
して免疫学的物質を不活性化させない性質と免疫学的物
質のリポソームへの固定化を促進する性質を併有する、
リポソームを安定化させる物質を用いて固定化を行うこ
とにより、固定化効率が飛躍的に向上し、また得られた
免疫学的物質固定化リポソームの安定性が増大された免
疫分析用反応試薬及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】抗原抗体反応を利用する免疫測定法は、
各種疾患の臨床診断薬等において極めて重要であり、従
来種々の免疫測定法が知られている。
各種疾患の臨床診断薬等において極めて重要であり、従
来種々の免疫測定法が知られている。
【0003】その中でも、抗原性物質又は抗体を固定化
させた担体に被検物質中の抗体又は抗原性物質を反応さ
せて生じた凝集量を目視又は分光光度計を使用して測定
し、その結果を予め作成しておいた標準検量線と照合さ
せて、抗体又は抗原性物質を定量する方法が凝集反応に
よる免疫測定法として知られている。このような免疫分
析法に用いられる免疫分析用反応試薬の担体としては、
従来ポリスチレン等の合成ラテックス粒子が用いられて
いる。従来の合成ラテックス粒子を担体として用いた免
疫分析用反応試薬はその表面が疎水性であるために、抗
原抗体反応を起こすための好適な水溶液中のpH7〜
7.5では、特に疎水結合による凝集が起こりやすく非
特異凝集する傾向があり、分析精度において安定性に欠
けるきらいがあった。このために合成ラテックス粒子を
担体として用いた免疫分析用反応試薬には、このような
非特異凝集を抑えるために種々の添加剤を加える技術
が、既に特許出願(例えば、特公平3−142360号
公報等)されている。
させた担体に被検物質中の抗体又は抗原性物質を反応さ
せて生じた凝集量を目視又は分光光度計を使用して測定
し、その結果を予め作成しておいた標準検量線と照合さ
せて、抗体又は抗原性物質を定量する方法が凝集反応に
よる免疫測定法として知られている。このような免疫分
析法に用いられる免疫分析用反応試薬の担体としては、
従来ポリスチレン等の合成ラテックス粒子が用いられて
いる。従来の合成ラテックス粒子を担体として用いた免
疫分析用反応試薬はその表面が疎水性であるために、抗
原抗体反応を起こすための好適な水溶液中のpH7〜
7.5では、特に疎水結合による凝集が起こりやすく非
特異凝集する傾向があり、分析精度において安定性に欠
けるきらいがあった。このために合成ラテックス粒子を
担体として用いた免疫分析用反応試薬には、このような
非特異凝集を抑えるために種々の添加剤を加える技術
が、既に特許出願(例えば、特公平3−142360号
公報等)されている。
【0004】更に最近では、この様なラテックス免疫分
析用反応試薬を汎用生化学自動分析機に適用し、被検体
中の抗原又は抗体を測定することが行われているが、合
成ラテックス粒子を担体として用いた免疫分析用反応試
薬が自動分析機の反応セルに付着して汚染し、測定精度
に影響を与えることが問題となっている。これらの問題
を解決すべく、ラテックス粒子に替えてリポソームを担
体として用いたリポソーム免疫分析用反応試薬(特開平
6−3358号公報、特開平6−230010号公報)
が提案されている。
析用反応試薬を汎用生化学自動分析機に適用し、被検体
中の抗原又は抗体を測定することが行われているが、合
成ラテックス粒子を担体として用いた免疫分析用反応試
薬が自動分析機の反応セルに付着して汚染し、測定精度
に影響を与えることが問題となっている。これらの問題
を解決すべく、ラテックス粒子に替えてリポソームを担
体として用いたリポソーム免疫分析用反応試薬(特開平
6−3358号公報、特開平6−230010号公報)
が提案されている。
【0005】前記特開平6−3358号公報では、リポ
ソームがリン脂質由来の親水性表面を有するためにタン
パク質の非特異吸着が低減されるので、リポソーム凝集
反応試薬はラテックス凝集反応試薬に比べて測定試薬の
高感度化が可能であるとされている。また、凝集量を測
定するための凝集反応試薬の担体としてリポソームを用
いると、担体自体の濁度が小さいことからラテックス凝
集反応試薬では不可能な340nm程度の短波長域での
測定が可能となるので、リポソーム凝集反応試薬はラテ
ックス凝集反応試薬に比べて広範囲な濃度の被測定物質
に対応が可能となる。また、リポソーム凝集反応試薬は
自動分析機の反応セルに付着して反応セルを汚染するこ
とが少ないとされている。
ソームがリン脂質由来の親水性表面を有するためにタン
パク質の非特異吸着が低減されるので、リポソーム凝集
反応試薬はラテックス凝集反応試薬に比べて測定試薬の
高感度化が可能であるとされている。また、凝集量を測
定するための凝集反応試薬の担体としてリポソームを用
いると、担体自体の濁度が小さいことからラテックス凝
集反応試薬では不可能な340nm程度の短波長域での
測定が可能となるので、リポソーム凝集反応試薬はラテ
ックス凝集反応試薬に比べて広範囲な濃度の被測定物質
に対応が可能となる。また、リポソーム凝集反応試薬は
自動分析機の反応セルに付着して反応セルを汚染するこ
とが少ないとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リポソ
ームは一般に負に帯電しており、このような帯電傾向を
持つペプチド、ポリペプチド又はタンパク質(以下、タ
ンパク質等関連物質という)を抗原又は抗体としてリポ
ソームに固定化する場合には、特にタンパク質をリポソ
ームに固定化する場合には、両者が電気的に反発して固
定化が効率よく行われないという問題があり、また、こ
のようにして得られた免疫分析用反応試薬を被検体の測
定に用いた場合、充分な測定感度が得られないという欠
点があった。
ームは一般に負に帯電しており、このような帯電傾向を
持つペプチド、ポリペプチド又はタンパク質(以下、タ
ンパク質等関連物質という)を抗原又は抗体としてリポ
ソームに固定化する場合には、特にタンパク質をリポソ
ームに固定化する場合には、両者が電気的に反発して固
定化が効率よく行われないという問題があり、また、こ
のようにして得られた免疫分析用反応試薬を被検体の測
定に用いた場合、充分な測定感度が得られないという欠
点があった。
【0007】また、抗原又は抗体として水溶性ペプチ
ド、水溶性ポリペプチド又は水溶性タンパク質(以下、
水溶性タンパク質等関連物質という)をリポソームに固
定化する場合には、特に水溶性ペプチドを固定する場合
には、これらの水溶性タンパク質等関連物質が固定され
たリポソーム自体は凝集を生じ易く、このような免疫分
析用反応試薬は保存性に劣り、その結果、測定感度が悪
いという問題があった。
ド、水溶性ポリペプチド又は水溶性タンパク質(以下、
水溶性タンパク質等関連物質という)をリポソームに固
定化する場合には、特に水溶性ペプチドを固定する場合
には、これらの水溶性タンパク質等関連物質が固定され
たリポソーム自体は凝集を生じ易く、このような免疫分
析用反応試薬は保存性に劣り、その結果、測定感度が悪
いという問題があった。
【0008】そこで本発明は、短波長での測定が可能
で、測定装置のセル汚損性が低いリポソームを担体とし
て用い、該リポソームにタンパク質関連物質からなる免
疫学的物質が固定化されている免疫分析用反応試薬及び
その製造方法において、抗原又は抗体のリポソームへの
固定化を効率良く行うことができ、且つ保存中にリポソ
ーム自体が凝集を生ずることのない、高感度な免疫分析
用反応試薬及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
で、測定装置のセル汚損性が低いリポソームを担体とし
て用い、該リポソームにタンパク質関連物質からなる免
疫学的物質が固定化されている免疫分析用反応試薬及び
その製造方法において、抗原又は抗体のリポソームへの
固定化を効率良く行うことができ、且つ保存中にリポソ
ーム自体が凝集を生ずることのない、高感度な免疫分析
用反応試薬及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した問題点を解決す
るために、本発明の免疫分析用反応試薬の製造方法は、
リポソームにペプチド、ポリペプチド又はタンパク質
(タンパク質関連物質)からなる免疫学的物質が固定化
されてなる免疫分析用反応試薬の製造方法において、免
疫学的物質を不活性化させない性質と免疫学的物質のリ
ポソームへの固定化を促進する性質を併有する、リポソ
ームを安定化させる物質を用いて、リポソームへ免疫学
的物質を固定することを特徴とする。
るために、本発明の免疫分析用反応試薬の製造方法は、
リポソームにペプチド、ポリペプチド又はタンパク質
(タンパク質関連物質)からなる免疫学的物質が固定化
されてなる免疫分析用反応試薬の製造方法において、免
疫学的物質を不活性化させない性質と免疫学的物質のリ
ポソームへの固定化を促進する性質を併有する、リポソ
ームを安定化させる物質を用いて、リポソームへ免疫学
的物質を固定することを特徴とする。
【0010】本発明の免疫分析用反応試薬の製造方法
は、具体的には、免疫学的物質を不活性化させない性質
と免疫学的物質のリポソームへの固定化を促進する性質
を併有する、リポソームを安定化させる物質をリポソー
ムに固定化した後、得られたリポソームに免疫学的物質
を固定化することを特徴とする。
は、具体的には、免疫学的物質を不活性化させない性質
と免疫学的物質のリポソームへの固定化を促進する性質
を併有する、リポソームを安定化させる物質をリポソー
ムに固定化した後、得られたリポソームに免疫学的物質
を固定化することを特徴とする。
【0011】本発明の免疫分析用反応試薬の別の具体的
な製造方法は、水溶性ペプチド、水溶性ポリペプチド又
は水溶性タンパク質(水溶性タンパク質関連物質)から
なる水溶性免疫学的物質を不活性化させない性質と水溶
性免疫学的物質のリポソームへの固定化を促進する性質
を併有する、リポソームを安定化させる物質に対して、
水溶性免疫学的物質を固定化した後、得られたリポソー
ムを安定化させる物質をリポソームに固定化することを
特徴とする。
な製造方法は、水溶性ペプチド、水溶性ポリペプチド又
は水溶性タンパク質(水溶性タンパク質関連物質)から
なる水溶性免疫学的物質を不活性化させない性質と水溶
性免疫学的物質のリポソームへの固定化を促進する性質
を併有する、リポソームを安定化させる物質に対して、
水溶性免疫学的物質を固定化した後、得られたリポソー
ムを安定化させる物質をリポソームに固定化することを
特徴とする。
【0012】前記「免疫学的物質(又は水溶性免疫学的
物質)を不活性化させない性質と免疫学的物質のリポソ
ームへの固定化を促進する性質を併有する、リポソーム
を安定化させる物質」(固定化助剤と略す)は、具体的
にはアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、
並びにアミノ基或いはカルボキシル基を含む合成高分子
化合物から選ばれたものであり、好ましくは、α−グロ
ブリン、β−グロブリン、γ−グロブリン、アルブミ
ン、酵素等が挙げられ、特に好ましくは γ−グロブリ
ン、アルブミンが用いられる。リポソームに固定される
べき免疫学的物質の電荷がリポソームと同等の場合に
は、固定化助剤の電荷は、リポソームと免疫学的物質の
電荷による反発力を緩和するような電荷を持つものが好
ましい。
物質)を不活性化させない性質と免疫学的物質のリポソ
ームへの固定化を促進する性質を併有する、リポソーム
を安定化させる物質」(固定化助剤と略す)は、具体的
にはアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、
並びにアミノ基或いはカルボキシル基を含む合成高分子
化合物から選ばれたものであり、好ましくは、α−グロ
ブリン、β−グロブリン、γ−グロブリン、アルブミ
ン、酵素等が挙げられ、特に好ましくは γ−グロブリ
ン、アルブミンが用いられる。リポソームに固定される
べき免疫学的物質の電荷がリポソームと同等の場合に
は、固定化助剤の電荷は、リポソームと免疫学的物質の
電荷による反発力を緩和するような電荷を持つものが好
ましい。
【0013】本発明の免疫分析用反応試薬は上記の各製
造方法により製造されたものであることを特徴とする。
造方法により製造されたものであることを特徴とする。
【0014】本発明の免疫分析用反応試薬は、抗原抗体
反応で生じた凝集量を測定するために使用される。
反応で生じた凝集量を測定するために使用される。
【0015】本発明においては、上記のようにリポソー
ムへの免疫学的物質の固定化に固定化助剤を使用するこ
とにより、リポソームと免疫学的物質との電荷による反
発を緩和することができ固定化効率が飛躍的に向上す
る。また、これまで固定化が困難であったペプチドなど
の低分子量の水溶性タンパク質関連物質をリポソームへ
固定化しても、該固定化リポソームからなる免疫分析用
反応試薬の保存中にリポソームが凝集するのを防止で
き、試薬の安定性が増大する。
ムへの免疫学的物質の固定化に固定化助剤を使用するこ
とにより、リポソームと免疫学的物質との電荷による反
発を緩和することができ固定化効率が飛躍的に向上す
る。また、これまで固定化が困難であったペプチドなど
の低分子量の水溶性タンパク質関連物質をリポソームへ
固定化しても、該固定化リポソームからなる免疫分析用
反応試薬の保存中にリポソームが凝集するのを防止で
き、試薬の安定性が増大する。
【0016】本発明において「免疫学的物質」とは、抗
原又は抗体をいう。以下に本発明をさらに詳細に説明す
る。
原又は抗体をいう。以下に本発明をさらに詳細に説明す
る。
【0017】本発明において、リポソームとしてはリン
脂質及びコレステロールを主要構成成分とするものであ
れば、従来使用されている何れのものを用いてもよい
が、粒径が50nm〜5μm、特に100nm〜600
nmのものが好ましい。この範囲の粒径のリポソーム
は、その保存中に沈澱しにくいので試薬の安定性に優
れ、しかも、分光光度計及びスライド凝集法等による濁
度の測定において好ましい。また、リン脂質とコレステ
ロールの比が1:1前後であり、リン脂質中の脂肪酸残
基は、炭素数が12〜18、特に偶数であることがリポ
ソームの形成に好ましい。本発明に使用されるリポソー
ムには、非重合性リポソームのみならず、重合性リン脂
質を用いたリポソームも使用できる。
脂質及びコレステロールを主要構成成分とするものであ
れば、従来使用されている何れのものを用いてもよい
が、粒径が50nm〜5μm、特に100nm〜600
nmのものが好ましい。この範囲の粒径のリポソーム
は、その保存中に沈澱しにくいので試薬の安定性に優
れ、しかも、分光光度計及びスライド凝集法等による濁
度の測定において好ましい。また、リン脂質とコレステ
ロールの比が1:1前後であり、リン脂質中の脂肪酸残
基は、炭素数が12〜18、特に偶数であることがリポ
ソームの形成に好ましい。本発明に使用されるリポソー
ムには、非重合性リポソームのみならず、重合性リン脂
質を用いたリポソームも使用できる。
【0018】本発明の免疫分析用反応試薬は、例えば以
下に示す方法で製造されるがこれに限定されるものでは
ない。
下に示す方法で製造されるがこれに限定されるものでは
ない。
【0019】リポソームの調製方法は、リン脂質、コレ
ステロール、必要があれば架橋剤導入リン脂質からボル
テキシング法(Vortexing 法)又はガラスビーズを使用
する方法が使用される。
ステロール、必要があれば架橋剤導入リン脂質からボル
テキシング法(Vortexing 法)又はガラスビーズを使用
する方法が使用される。
【0020】前記方法に使用される架橋剤としては、例
えば、N−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジチ
オ)プロピオネート(略語:SPDP)、N−サクシン
イミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート
(略語:SMPB)、N−サクシンイミジル4−(p−
マレイミドフェニル)アセテート(略語:SMPA)、
N−サクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)
プロピオネート(略語:SMPP)、N−(γ−マレイ
ミドブチリルオキシ)サクシンイミド(略語:GMB
S)及びN−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)サク
シンイミド(略語:EMCS)等が挙げられる。
えば、N−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジチ
オ)プロピオネート(略語:SPDP)、N−サクシン
イミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート
(略語:SMPB)、N−サクシンイミジル4−(p−
マレイミドフェニル)アセテート(略語:SMPA)、
N−サクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)
プロピオネート(略語:SMPP)、N−(γ−マレイ
ミドブチリルオキシ)サクシンイミド(略語:GMB
S)及びN−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)サク
シンイミド(略語:EMCS)等が挙げられる。
【0021】まずリン脂質、コレステロール、必要に応
じて架橋剤を導入したリン脂質及び溶媒を含む混合物を
反応容器中で反応させた後、この混合物の溶媒を留去
し、吸引乾燥する。しかる後に、反応容器の壁面に薄膜
が形成されるので、この中に緩衝液を加え、必要あれば
更にガラスビーズを加え密栓して振とうし、リポソーム
懸濁液を得る。その後、一定のポアサイズを持ったポリ
カーボネートの膜を通すことによって、均一な粒径のリ
ポソームを得る。
じて架橋剤を導入したリン脂質及び溶媒を含む混合物を
反応容器中で反応させた後、この混合物の溶媒を留去
し、吸引乾燥する。しかる後に、反応容器の壁面に薄膜
が形成されるので、この中に緩衝液を加え、必要あれば
更にガラスビーズを加え密栓して振とうし、リポソーム
懸濁液を得る。その後、一定のポアサイズを持ったポリ
カーボネートの膜を通すことによって、均一な粒径のリ
ポソームを得る。
【0022】本発明で使用される固定化助剤は、リポソ
ームに物理吸着されて固定される場合はそのまま用い、
リポソームに共有結合される場合はリポソームに導入さ
れる上記架橋剤と反応する反応基を固定化助剤に予め導
入しておくか、若しくは上記架橋剤と反応するように固
定化助剤を還元剤などで処理して修飾しておく。次い
で、このようにして調製したリポソームと固定化助剤を
混合して緩衝液中で反応せしめれば、固定化助剤が表面
に固定化されたリポソームが得られる。その後、リポソ
ーム表面に固定化する免疫学的物質と反応するような反
応基を固定化助剤に導入する。
ームに物理吸着されて固定される場合はそのまま用い、
リポソームに共有結合される場合はリポソームに導入さ
れる上記架橋剤と反応する反応基を固定化助剤に予め導
入しておくか、若しくは上記架橋剤と反応するように固
定化助剤を還元剤などで処理して修飾しておく。次い
で、このようにして調製したリポソームと固定化助剤を
混合して緩衝液中で反応せしめれば、固定化助剤が表面
に固定化されたリポソームが得られる。その後、リポソ
ーム表面に固定化する免疫学的物質と反応するような反
応基を固定化助剤に導入する。
【0023】次に、リポソーム表面に固定化される免疫
学的物質は、リポソーム表面上の固定化助剤と反応する
ような反応基を予め導入して修飾抗原又は修飾抗体とし
ておく。上記のようにして調製された固定化助剤固定化
リポソームと修飾抗原又は修飾抗体を混合して緩衝液中
で反応させて、免疫学的物質が表面に固定化されたリポ
ソームからなる本発明の免疫分析用反応試薬を得る。
学的物質は、リポソーム表面上の固定化助剤と反応する
ような反応基を予め導入して修飾抗原又は修飾抗体とし
ておく。上記のようにして調製された固定化助剤固定化
リポソームと修飾抗原又は修飾抗体を混合して緩衝液中
で反応させて、免疫学的物質が表面に固定化されたリポ
ソームからなる本発明の免疫分析用反応試薬を得る。
【0024】また、上記とは別の本発明の免疫分析用反
応試薬の製造方法は、最初に免疫学的物質と固定化助剤
を反応させ、この反応により得られた固定化助剤結合免
疫学的物質をリポソームに固定化する手順を用いてもよ
い。この方法は、特にペプチド等の水溶性タンパク質関
連物質をリポソームに固定化する場合にはリポソームの
凝集を抑制する上から好ましい。
応試薬の製造方法は、最初に免疫学的物質と固定化助剤
を反応させ、この反応により得られた固定化助剤結合免
疫学的物質をリポソームに固定化する手順を用いてもよ
い。この方法は、特にペプチド等の水溶性タンパク質関
連物質をリポソームに固定化する場合にはリポソームの
凝集を抑制する上から好ましい。
【0025】本発明においてリポソーム表面に固定化さ
れる抗体は、被測定抗原性物質を認識するモノクローナ
ル抗体及び/又はポリクローナル抗体が使用できる。免
疫分析用反応試薬に用いる際のリポソーム表面に固定化
される抗体の処方は、特に限定されるものではないが、
例えば、モノクローナル抗体をリポソーム表面に固定化
する処方、ポリクローナル抗体をリポソーム表面に固定
化する処方、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体
を同一のリポソーム表面に固定化する処方、モノクロー
ナル抗体を固定化したリポソームとポリクローナル抗体
を固定化した別のリポソームを抗体固定化後に混合する
処方等が挙げられる。
れる抗体は、被測定抗原性物質を認識するモノクローナ
ル抗体及び/又はポリクローナル抗体が使用できる。免
疫分析用反応試薬に用いる際のリポソーム表面に固定化
される抗体の処方は、特に限定されるものではないが、
例えば、モノクローナル抗体をリポソーム表面に固定化
する処方、ポリクローナル抗体をリポソーム表面に固定
化する処方、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体
を同一のリポソーム表面に固定化する処方、モノクロー
ナル抗体を固定化したリポソームとポリクローナル抗体
を固定化した別のリポソームを抗体固定化後に混合する
処方等が挙げられる。
【0026】前記のように、ポリクローナル抗体とモノ
クローナル抗体を併用した免疫分析用反応試薬では、抗
原と親和力の強いモノクローナル抗体がポリクローナル
抗体の低親和力を補い、且つ凝集特性に優れたポリクロ
ーナル抗体がモノクローナル抗体の組合せの選択の煩雑
を回避できる特徴を有する。このリポソーム表面に固定
化される抗体は、例えば、IgG分画のまま用いてもよ
いし、そのフラグメントであるF(ab’)2 化された
ものを用いてもよい。
クローナル抗体を併用した免疫分析用反応試薬では、抗
原と親和力の強いモノクローナル抗体がポリクローナル
抗体の低親和力を補い、且つ凝集特性に優れたポリクロ
ーナル抗体がモノクローナル抗体の組合せの選択の煩雑
を回避できる特徴を有する。このリポソーム表面に固定
化される抗体は、例えば、IgG分画のまま用いてもよ
いし、そのフラグメントであるF(ab’)2 化された
ものを用いてもよい。
【0027】リポソーム表面に固定化される抗原は、主
に血漿タンパク、ウイルス性タンパク等が挙げられる。
に血漿タンパク、ウイルス性タンパク等が挙げられる。
【0028】本発明の免疫分析用反応試薬による免疫分
析法に適用される被測定抗原性物質としては、ホルモン
(例えば、インシュリン、HCG−β、成長ホルモン、
TSH、LH、FSH、プロラクチン、サイロキシン、
トリヨードサイロニン、ガストリン、グルカゴン、ソマ
トスタチン等)、酵素(例えば、エラスターゼ、アミラ
ーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、リボヌクレアーゼ、エ
ノラーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、血清タンパ
ク質(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、Ig
D、CRP、マクログロブリン、TBG、アポタンパク
質等)、糖タンパク質、糖脂質、腫瘍関連抗原(例え
ば、CEA、α−フェトプロテイン、フェリチン、CA
19−9、CA125等)、DNA結合タンパク質因
子、サイトカイン(例えば、インターフェロン、インタ
ーロイキン1、インターロイキン2等)、種々の細菌、
ウィルス、血液凝固系因子(例えば、FDP、FDP−
E、Dダイマー、SFMC、フィブリノーゲン、フィブ
ロネクチン、凝固因子、プラスミノーゲン、アンチプラ
スミン、AT−III 、t−PA、PIC、TAT、PI
VKAII等)、原虫(例えば、真菌、連鎖球菌、肝炎ウ
ィルス、ヘルペスウィルス、エイズウィルス、トキソプ
ラズマ原虫、マラリア原虫、赤痢アメーバー等)が挙げ
られる。これらのうち特に大量の被検体を短時間で測定
する必要のある血清タンパク質、腫瘍関連抗原、ウィル
ス、血液凝固系因子等が好適に適用できる。
析法に適用される被測定抗原性物質としては、ホルモン
(例えば、インシュリン、HCG−β、成長ホルモン、
TSH、LH、FSH、プロラクチン、サイロキシン、
トリヨードサイロニン、ガストリン、グルカゴン、ソマ
トスタチン等)、酵素(例えば、エラスターゼ、アミラ
ーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、リボヌクレアーゼ、エ
ノラーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、血清タンパ
ク質(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE、Ig
D、CRP、マクログロブリン、TBG、アポタンパク
質等)、糖タンパク質、糖脂質、腫瘍関連抗原(例え
ば、CEA、α−フェトプロテイン、フェリチン、CA
19−9、CA125等)、DNA結合タンパク質因
子、サイトカイン(例えば、インターフェロン、インタ
ーロイキン1、インターロイキン2等)、種々の細菌、
ウィルス、血液凝固系因子(例えば、FDP、FDP−
E、Dダイマー、SFMC、フィブリノーゲン、フィブ
ロネクチン、凝固因子、プラスミノーゲン、アンチプラ
スミン、AT−III 、t−PA、PIC、TAT、PI
VKAII等)、原虫(例えば、真菌、連鎖球菌、肝炎ウ
ィルス、ヘルペスウィルス、エイズウィルス、トキソプ
ラズマ原虫、マラリア原虫、赤痢アメーバー等)が挙げ
られる。これらのうち特に大量の被検体を短時間で測定
する必要のある血清タンパク質、腫瘍関連抗原、ウィル
ス、血液凝固系因子等が好適に適用できる。
【0029】被測定抗体物質には、例えば、ウィルスに
対する抗体(例えば、HIV、ATL、HB等)、AS
O、RF、各種自己抗体、抗核抗体等が挙げられる。
対する抗体(例えば、HIV、ATL、HB等)、AS
O、RF、各種自己抗体、抗核抗体等が挙げられる。
【0030】本発明の免疫分析用反応試薬を用いた免疫
分析法による被検試料中の成分の定量は、例えば次のよ
うにして行われる。まず、本発明の免疫分析用反応試薬
及び測定対象を含む試料を適当な緩衝液(例えば、TE
S緩衝液)中で混合し、抗原抗体反応を引き起こさせ、
それに伴うリポソームの凝集を形成させる。その凝集量
に依存した光の透過光の減少を分光光度計又は汎用生化
学自動分析機等により測定し、例えば予め作成した検量
線との照合により、試料中の測定対象物の量を測定する
ことができる。
分析法による被検試料中の成分の定量は、例えば次のよ
うにして行われる。まず、本発明の免疫分析用反応試薬
及び測定対象を含む試料を適当な緩衝液(例えば、TE
S緩衝液)中で混合し、抗原抗体反応を引き起こさせ、
それに伴うリポソームの凝集を形成させる。その凝集量
に依存した光の透過光の減少を分光光度計又は汎用生化
学自動分析機等により測定し、例えば予め作成した検量
線との照合により、試料中の測定対象物の量を測定する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下の実施例はリポソーム免疫分析法による
ASO(SLOに対する抗体)検出用免疫分析用反応試
薬の製造(実施例1)、及びペプチドのリポソーム表面
への固相化(実施例2)に本発明を適用したものである
が、これらは単なる例示であり、本発明を限定するもの
ではない。
ASO(SLOに対する抗体)検出用免疫分析用反応試
薬の製造(実施例1)、及びペプチドのリポソーム表面
への固相化(実施例2)に本発明を適用したものである
が、これらは単なる例示であり、本発明を限定するもの
ではない。
【0032】〔実施例1〕本実施例1は免疫学的物質と
してSLO抗原を用い、固定化助剤として牛IgGタン
パク質を用いてSLOをリポソームへ固定した免疫分析
用反応試薬の製造に関する。本実施例1で使用される材
料の略称、及び材料の調製方法は以下の通り定義され
る。 DPPC:ジパルミトイルフォスファチジルコリン Chol.:コレステロール DTP−DPPE:ジチオピリジル化ジパルミトイルフ
ォスファチジルエタノールアミン SPDP:N−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジ
チオ)プロピオネート TES:N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−
アミノエタンスルホン酸 DTT:ジチオスレイトール TES緩衝液:0.01M TES,0.15M Na
Clからなる溶液 BGG:牛血清から精製したChon.Fractio
nII分画 SLO抗原:Streptococcus pyoge
nesより培養し精製して得たもの(旭化成(株)製) Aam溶液:アクリルアミド及びBis−アクリルアミ
ドを精製水に溶解し、ゲル濃度2.5%、架橋度5%に
なるように調整した溶液 (1)リポソームの調製 DPPC:50μM、Chol:50μM、DTP−D
PPE:5μMのクロロホルム溶液を100ml容ナシ
型フラスコに分注し、加温しながらエバポレーションし
てクロロホルムを留去した。このとき脂質及びコレステ
ロールはフラスコ内壁に薄膜を形成した。更にフラスコ
を1時間以上減圧下に置き、溶媒を完全に除去した。
してSLO抗原を用い、固定化助剤として牛IgGタン
パク質を用いてSLOをリポソームへ固定した免疫分析
用反応試薬の製造に関する。本実施例1で使用される材
料の略称、及び材料の調製方法は以下の通り定義され
る。 DPPC:ジパルミトイルフォスファチジルコリン Chol.:コレステロール DTP−DPPE:ジチオピリジル化ジパルミトイルフ
ォスファチジルエタノールアミン SPDP:N−サクシンイミジル3−(2−ピリジルジ
チオ)プロピオネート TES:N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−
アミノエタンスルホン酸 DTT:ジチオスレイトール TES緩衝液:0.01M TES,0.15M Na
Clからなる溶液 BGG:牛血清から精製したChon.Fractio
nII分画 SLO抗原:Streptococcus pyoge
nesより培養し精製して得たもの(旭化成(株)製) Aam溶液:アクリルアミド及びBis−アクリルアミ
ドを精製水に溶解し、ゲル濃度2.5%、架橋度5%に
なるように調整した溶液 (1)リポソームの調製 DPPC:50μM、Chol:50μM、DTP−D
PPE:5μMのクロロホルム溶液を100ml容ナシ
型フラスコに分注し、加温しながらエバポレーションし
てクロロホルムを留去した。このとき脂質及びコレステ
ロールはフラスコ内壁に薄膜を形成した。更にフラスコ
を1時間以上減圧下に置き、溶媒を完全に除去した。
【0033】その後、2mlのAam溶液、2gのガラ
スビーズを加え激しく撹拌して薄膜を剥がしとった。ガ
ラスビーズを除去した後、脂質懸濁液をエクストゥルー
ダーを用いて0.2μmまでサイジングして粒径の均一
なリポソームを調製した。リポソームに内包されなかっ
たAam溶液はTESに一昼夜透析することによって除
去した。その後リン濃度を測定し10mMに調整した。
スビーズを加え激しく撹拌して薄膜を剥がしとった。ガ
ラスビーズを除去した後、脂質懸濁液をエクストゥルー
ダーを用いて0.2μmまでサイジングして粒径の均一
なリポソームを調製した。リポソームに内包されなかっ
たAam溶液はTESに一昼夜透析することによって除
去した。その後リン濃度を測定し10mMに調整した。
【0034】(2)タンパク質の還元 タンパク質としてBGGをTES緩衝液に溶解後、タン
パク質濃度を10mg/mlに調整した。BGG溶液1
mlに1M DTT20ulを加え、室温で3時間反応
させた。その後、TES緩衝液で平衡化したセファデッ
クスG−25(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過
し、未反応のDTTを除去した。得られたBGG溶液
は、TES緩衝液で希釈して濃度を2.0mg/mlに
調整した。
パク質濃度を10mg/mlに調整した。BGG溶液1
mlに1M DTT20ulを加え、室温で3時間反応
させた。その後、TES緩衝液で平衡化したセファデッ
クスG−25(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過
し、未反応のDTTを除去した。得られたBGG溶液
は、TES緩衝液で希釈して濃度を2.0mg/mlに
調整した。
【0035】(3)固定化助剤(BGG)結合リポソー
ムの調製 前記(1)で調製したリポソーム(リン濃度10mM)
1mlと前記(2)で調製したBGG溶液1mlを混合
し、4℃で16−20時間転倒混和させながら反応させ
た。その後、TES緩衝液で平衡化したセファロースC
L−4B(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過を行
い、未反応のBGGを除去し、リポソーム分画を分取し
た。得られたBGGが結合しているリポソームについて
リン定量を行い濃度を決定した後、ローリー法によりリ
ンあたりのタンパク質結合量を求めた。また、粒度分布
測定機(日キ装株式会社製:BI−90)により粒径の
確認を行った。
ムの調製 前記(1)で調製したリポソーム(リン濃度10mM)
1mlと前記(2)で調製したBGG溶液1mlを混合
し、4℃で16−20時間転倒混和させながら反応させ
た。その後、TES緩衝液で平衡化したセファロースC
L−4B(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過を行
い、未反応のBGGを除去し、リポソーム分画を分取し
た。得られたBGGが結合しているリポソームについて
リン定量を行い濃度を決定した後、ローリー法によりリ
ンあたりのタンパク質結合量を求めた。また、粒度分布
測定機(日キ装株式会社製:BI−90)により粒径の
確認を行った。
【0036】(4)BGG結合リポソームへの反応基の
導入 前記(3)で作製したBGG結合結合リポソーム1ml
中の総タンパク質量1mgあたり30mM SPDP2
0ulを加え、室温で30分間反応させた。その後、未
反応のSPDPを100倍以上のTES緩衝液で透析す
ることにより除去した。その後リン濃度を測定し3.5
mMとなるように調整した。
導入 前記(3)で作製したBGG結合結合リポソーム1ml
中の総タンパク質量1mgあたり30mM SPDP2
0ulを加え、室温で30分間反応させた。その後、未
反応のSPDPを100倍以上のTES緩衝液で透析す
ることにより除去した。その後リン濃度を測定し3.5
mMとなるように調整した。
【0037】(5)SLO抗原の活性化 TES緩衝液にタンパク質濃度10mg/mlになるよ
うに溶解したSLO抗原溶液1mlにDTTを終濃度1
0mMになるように添加し、室温で30分間反応させ
た。その後、TES緩衝液で平衡化したセファデックス
G−25(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過してD
TTを除去した。得られた活性化SLO抗原溶液はロー
リー法により、タンパク質量を測定し、濃度が7.0m
g/mlになるように調整した。
うに溶解したSLO抗原溶液1mlにDTTを終濃度1
0mMになるように添加し、室温で30分間反応させ
た。その後、TES緩衝液で平衡化したセファデックス
G−25(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過してD
TTを除去した。得られた活性化SLO抗原溶液はロー
リー法により、タンパク質量を測定し、濃度が7.0m
g/mlになるように調整した。
【0038】(6)SLO抗原結合リポソームの調製 前記(4)のSPDPを導入したBGG結合リポソーム
1mlと、前記(5)で調製した活性化SLO抗原溶液
をそれぞれ1mMリポソームあたりA:0.2mg,
B:0.4mg,C:0.8mgを混合し、4℃で16
−20時間転倒混和させながら反応させた。その後、T
ES緩衝液で平衡化したセファロースCL−4B(商品
名、Pharmacia 社製)でゲル濾過を行い、未反応のSL
O抗原を除去し、リポソーム分画を分取した。得られた
リポソームについてリン定量を行い濃度を決定し、SL
O抗原量の異なる本実施例1のSLO抗原結合リポソー
ム試薬を3種類(A、B、C)得た。
1mlと、前記(5)で調製した活性化SLO抗原溶液
をそれぞれ1mMリポソームあたりA:0.2mg,
B:0.4mg,C:0.8mgを混合し、4℃で16
−20時間転倒混和させながら反応させた。その後、T
ES緩衝液で平衡化したセファロースCL−4B(商品
名、Pharmacia 社製)でゲル濾過を行い、未反応のSL
O抗原を除去し、リポソーム分画を分取した。得られた
リポソームについてリン定量を行い濃度を決定し、SL
O抗原量の異なる本実施例1のSLO抗原結合リポソー
ム試薬を3種類(A、B、C)得た。
【0039】(7)SLO抗原感作量の測定、粒径の測
定、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以後、
PAGE)、及びASO(抗SLO抗体)の測定 本実施例1の3種類のSLO抗原結合リポソーム試薬
(A、B、C)について、ローリー法によりリン濃度1
mMあたりのSLO抗原タンパク質結合量(感作量)を
求めた。また、粒度分布測定機によりその粒径の確認を
行った。各測定結果を下記表1に示す。使用したSLO
量及び総タンパク質結合量(感作量)も下記表1に併記
する。
定、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(以後、
PAGE)、及びASO(抗SLO抗体)の測定 本実施例1の3種類のSLO抗原結合リポソーム試薬
(A、B、C)について、ローリー法によりリン濃度1
mMあたりのSLO抗原タンパク質結合量(感作量)を
求めた。また、粒度分布測定機によりその粒径の確認を
行った。各測定結果を下記表1に示す。使用したSLO
量及び総タンパク質結合量(感作量)も下記表1に併記
する。
【0040】また、本実施例1の3種類のSLO抗原結
合リポソーム試薬(A、B、C)についてASOの測定
を日立7150形自動分析機を用いて行った。パラメー
ターは本実施例1における検体(抗SLO抗体量550
IU/ml)量10μl、第1試薬(TES緩衝液10
mM NaCl含有、pH7.5)300μl、第2試
薬(各リポソーム試薬)100μlを用い、測定波長は
主波長340nm、副波長700nmを用い、測光ポイ
ントは28ポイントと50ポイントの2ポイント分析に
より約5分間吸光度変化量を求めた。測定結果を下記の
表2に示す。
合リポソーム試薬(A、B、C)についてASOの測定
を日立7150形自動分析機を用いて行った。パラメー
ターは本実施例1における検体(抗SLO抗体量550
IU/ml)量10μl、第1試薬(TES緩衝液10
mM NaCl含有、pH7.5)300μl、第2試
薬(各リポソーム試薬)100μlを用い、測定波長は
主波長340nm、副波長700nmを用い、測光ポイ
ントは28ポイントと50ポイントの2ポイント分析に
より約5分間吸光度変化量を求めた。測定結果を下記の
表2に示す。
【0041】また、本実施例1−(B)のSLO抗原結
合リポソーム試薬についてサンプル対緩衝液を3:1と
し、20ul/wellでCBC染色してなるSDS−
PAGE(4−12%)を図1に示す。図1によれば、
本実施例1のリポソーム試薬はSLO抗原及びBGGの
タンパク質バンドが共に確認される。
合リポソーム試薬についてサンプル対緩衝液を3:1と
し、20ul/wellでCBC染色してなるSDS−
PAGE(4−12%)を図1に示す。図1によれば、
本実施例1のリポソーム試薬はSLO抗原及びBGGの
タンパク質バンドが共に確認される。
【0042】〔比較例1〕 (1)リポソームの調製 前記実施例1−(1)と同じ操作を行ってリポソームを
調製した。
調製した。
【0043】(2)SLO抗原の活性化 前記実施例1−(5)と同じ操作を行って活性化された
SLO抗原溶液を得た。但し、最終タンパク質濃度を
4.0mg/mlになるように調整した。
SLO抗原溶液を得た。但し、最終タンパク質濃度を
4.0mg/mlになるように調整した。
【0044】(3)SLO抗原結合リポソームの調製 本比較例1の前記(1)で調製したリポソームと前記
(2)で調製したSLO抗原を等量混合し、4℃で16
−20時間転倒混和させながら反応させた。その後、T
ES緩衝液で平衡化したセファロースCL−4B(商品
名、Pharmacia 社製)でゲル濾過を行い、未反応のSL
O抗原を除去し、リポソーム分画を分取した。得られた
リポソームについてリン定量を行い濃度を決定し、本比
較例1のSLO抗原結合リポソーム試薬を得た。
(2)で調製したSLO抗原を等量混合し、4℃で16
−20時間転倒混和させながら反応させた。その後、T
ES緩衝液で平衡化したセファロースCL−4B(商品
名、Pharmacia 社製)でゲル濾過を行い、未反応のSL
O抗原を除去し、リポソーム分画を分取した。得られた
リポソームについてリン定量を行い濃度を決定し、本比
較例1のSLO抗原結合リポソーム試薬を得た。
【0045】(4)SLO抗原感作量の測定、粒径の測
定、SDS−PAGE、及びASO(抗SLO抗体)の
測定 本比較例1のSLO抗原結合リポソーム試薬について、
ローリー法によりリン濃度1mMあたりのSLO抗原タ
ンパク質結合量を求めた。また、粒度分布測定機により
その粒径の確認を行った。各測定結果を下記表1に示
す。使用したSLO量及び総タンパク質結合量(感作
量)も下記表1に併記する。
定、SDS−PAGE、及びASO(抗SLO抗体)の
測定 本比較例1のSLO抗原結合リポソーム試薬について、
ローリー法によりリン濃度1mMあたりのSLO抗原タ
ンパク質結合量を求めた。また、粒度分布測定機により
その粒径の確認を行った。各測定結果を下記表1に示
す。使用したSLO量及び総タンパク質結合量(感作
量)も下記表1に併記する。
【0046】また、本比較例1のSLO抗原結合リポソ
ーム試薬についてASOの測定を前記実施例1と同様に
して行い、その結果を下記の表2に示す。また、本比較
例1のSLO抗原結合リポソーム試薬のSDS−PAG
Eを図1に示す。図1によれば、本比較例1のリポソー
ム試薬はSLO抗原のみのタンパク質バンドが確認され
る。
ーム試薬についてASOの測定を前記実施例1と同様に
して行い、その結果を下記の表2に示す。また、本比較
例1のSLO抗原結合リポソーム試薬のSDS−PAG
Eを図1に示す。図1によれば、本比較例1のリポソー
ム試薬はSLO抗原のみのタンパク質バンドが確認され
る。
【0047】〔比較例2〕前記実施例1−(1)から
(3)までと同様の操作のみ行い、BGG結合リポソー
ム分画を得、本比較例2のBGG結合リポソーム試薬と
した。本比較例2のBGG結合リポソーム試薬について
粒度分布測定機によりその粒径を調べた結果を下記表1
に示す。また総タンパク質結合量(感作量)も下記表1
に併記する。
(3)までと同様の操作のみ行い、BGG結合リポソー
ム分画を得、本比較例2のBGG結合リポソーム試薬と
した。本比較例2のBGG結合リポソーム試薬について
粒度分布測定機によりその粒径を調べた結果を下記表1
に示す。また総タンパク質結合量(感作量)も下記表1
に併記する。
【0048】また、本比較例2のBGG結合リポソーム
試薬についてASOの測定を前記実施例1と同様にして
行い、その結果を下記の表2に示す。また、本比較例2
のリポソーム試薬のSDS−PAGEを図1に示す。図
1によれば、本比較例2のリポソーム試薬はBGGのみ
のタンパク質バンドが確認される。
試薬についてASOの測定を前記実施例1と同様にして
行い、その結果を下記の表2に示す。また、本比較例2
のリポソーム試薬のSDS−PAGEを図1に示す。図
1によれば、本比較例2のリポソーム試薬はBGGのみ
のタンパク質バンドが確認される。
【0049】
【表1】
【0050】表1によれば、前記実施例1−(B)のS
LO抗原結合リポソーム試薬と、前記比較例1のSLO
抗原結合リポソーム試薬に使用したSLO抗原量は同量
なのにも関わらず、実施例1−(B)に示す通り、BG
Gを介することにより1.5倍のSLO抗原がリポソー
ムに感作されたことが示されている。更に、BGGを介
することにより、SLO抗原がBGGを介さない方法の
半分の濃度で同等の感作量を得ることができることが分
かる。
LO抗原結合リポソーム試薬と、前記比較例1のSLO
抗原結合リポソーム試薬に使用したSLO抗原量は同量
なのにも関わらず、実施例1−(B)に示す通り、BG
Gを介することにより1.5倍のSLO抗原がリポソー
ムに感作されたことが示されている。更に、BGGを介
することにより、SLO抗原がBGGを介さない方法の
半分の濃度で同等の感作量を得ることができることが分
かる。
【0051】
【表2】
【0052】表2によれば、前記実施例1−(B)5の
SLO抗原結合リポソーム試薬と、前記比較例1のSL
O抗原結合リポソーム試薬に使用したSLO抗原量は同
量なのにも関わらず、BGGを介することにより1.3
倍の吸光度変化量を得ることができたことを示す。更
に、BGGを介することにより、使用したSLO抗原が
半分の濃度で同等の吸光度変化量を得ることができるこ
とがわかる。また、前記比較例2では全く吸光度変化が
なく、前記実施例1ではSLO抗原に特異的な吸光度変
化量であることが確認された。
SLO抗原結合リポソーム試薬と、前記比較例1のSL
O抗原結合リポソーム試薬に使用したSLO抗原量は同
量なのにも関わらず、BGGを介することにより1.3
倍の吸光度変化量を得ることができたことを示す。更
に、BGGを介することにより、使用したSLO抗原が
半分の濃度で同等の吸光度変化量を得ることができるこ
とがわかる。また、前記比較例2では全く吸光度変化が
なく、前記実施例1ではSLO抗原に特異的な吸光度変
化量であることが確認された。
【0053】〔実施例2〕本実施例2は、免疫学的物質
としてペプチドを用い、固定化助剤としてBGGを用
い、該BGGを該ペプチドに結合させたものをリポソー
ムに固定した免疫分析用反応試薬の製造に関する。
としてペプチドを用い、固定化助剤としてBGGを用
い、該BGGを該ペプチドに結合させたものをリポソー
ムに固定した免疫分析用反応試薬の製造に関する。
【0054】BGG中のアミノ基の定量 BGGを用い、該タンパク質中のアミノ基をo−フタル
アルデヒド(略語:OPA)法にて定量した。
アルデヒド(略語:OPA)法にて定量した。
【0055】任意に希釈したサンプルおよびスタンダー
ド(0.1mM−1mMグリシン溶液)10μlにOP
A溶液〔OPA120mgをエタノール1.5mlに溶
解し、12.5mMホウ酸カリウム緩衝液(pH10.
4)100mlに加え、得られた溶液の1mlに2−メ
ルカプトエタノール3μlを加えた溶液〕100μlを
添加し、室温で15分間反応させた後、0.5M Na
OH3mlを加えて反応を停止した。この溶液に対して
励起光340nm、測定波長450nmでその蛍光強度
を測定し、検量線よりアミノ基の濃度を求め、一方で上
記サンプルのタンパク質濃度を既にキットとして市販さ
れているBCA Protein assay reagents(PIERCE 社
製)に従い測定した。これらの結果よりBGG1分子中
に30分子のアミノ基が認められた。
ド(0.1mM−1mMグリシン溶液)10μlにOP
A溶液〔OPA120mgをエタノール1.5mlに溶
解し、12.5mMホウ酸カリウム緩衝液(pH10.
4)100mlに加え、得られた溶液の1mlに2−メ
ルカプトエタノール3μlを加えた溶液〕100μlを
添加し、室温で15分間反応させた後、0.5M Na
OH3mlを加えて反応を停止した。この溶液に対して
励起光340nm、測定波長450nmでその蛍光強度
を測定し、検量線よりアミノ基の濃度を求め、一方で上
記サンプルのタンパク質濃度を既にキットとして市販さ
れているBCA Protein assay reagents(PIERCE 社
製)に従い測定した。これらの結果よりBGG1分子中
に30分子のアミノ基が認められた。
【0056】ペプチドとBGGの結合 以下のようにしてカルボジイミド法にてBGGに下記の
式(1)のペプチド
式(1)のペプチド
【0057】
【化1】
【0058】を感作させた。
【0059】まずBGGを精製水で溶解した。BGG1
分子中30分子のアミノ基が存在するため、BGGに対
してモル比で30倍量の上記式(1)のペプチドを加
え、さらにペプチドに対してモル比で100倍量のカル
ボジイミド(同仁化学研究所製)を加え、4℃で一晩放
置した。次にセファデックスG−25(商品名、Pharma
cia 社製)でゲル濾過を行い未反応のペプチドを除去
し、ペプチド感作BGGを調製した。
分子中30分子のアミノ基が存在するため、BGGに対
してモル比で30倍量の上記式(1)のペプチドを加
え、さらにペプチドに対してモル比で100倍量のカル
ボジイミド(同仁化学研究所製)を加え、4℃で一晩放
置した。次にセファデックスG−25(商品名、Pharma
cia 社製)でゲル濾過を行い未反応のペプチドを除去
し、ペプチド感作BGGを調製した。
【0060】ペプチド感作BGGの抗体との反応性確認 ペプチド感作BGGをマイクロプレートに50μg/w
ellにて4℃で一晩固定化し、その後0.5%BSA
溶液を150μl/wellにて37℃で1時間ブロッ
キングを行った。洗浄液I(0.05%Tween20
溶液)で3回洗浄後、抗ペプチドモノクローナル抗体を
100μl/well添加し、室温で1時間反応させ
た。洗浄液Iで3回洗浄後、1000倍希釈したアルカ
リフォスファターゼ標識抗体(TAGO社製)溶液を添
加し、室温で1時間反応させた。引き続き洗浄液II(1
0mM HEPES,0.15M NaCl,3.4m
MEDTA,0.05% Tween20)で3回洗浄
後、基質液(15mM Na2 CO3 ,10mM Na
HCO3 ,4.5mM フェニルフォスフェート−2−
ナトリウム,2mM 4−アミノアンチピリン)100
μl/wellを添加し、室温で30分反応させた。最
後に発色液(0.8%メタ過ヨウ素酸ナトリウム)50
μl/wellを添加して発色を波長490nm/62
0nmの吸光度で確認した。
ellにて4℃で一晩固定化し、その後0.5%BSA
溶液を150μl/wellにて37℃で1時間ブロッ
キングを行った。洗浄液I(0.05%Tween20
溶液)で3回洗浄後、抗ペプチドモノクローナル抗体を
100μl/well添加し、室温で1時間反応させ
た。洗浄液Iで3回洗浄後、1000倍希釈したアルカ
リフォスファターゼ標識抗体(TAGO社製)溶液を添
加し、室温で1時間反応させた。引き続き洗浄液II(1
0mM HEPES,0.15M NaCl,3.4m
MEDTA,0.05% Tween20)で3回洗浄
後、基質液(15mM Na2 CO3 ,10mM Na
HCO3 ,4.5mM フェニルフォスフェート−2−
ナトリウム,2mM 4−アミノアンチピリン)100
μl/wellを添加し、室温で30分反応させた。最
後に発色液(0.8%メタ過ヨウ素酸ナトリウム)50
μl/wellを添加して発色を波長490nm/62
0nmの吸光度で確認した。
【0061】BGGへのSPDP導入条件の決定 BGGをTES緩衝液(pH7.4)にて10mg/m
lに調整し、この溶液1ml毎に30mM SPDP溶
液を5,10,20,40μl加え、室温で1時間反応
後、セファデックスG−25(商品名、Pharmacia 社
製)でゲル濾過を行い未反応のSPDPを除去した。次
にSPDP導入BGGをDTTで還元し、遊離したジチ
オピリジル基を343nmの吸光度で定量した。その結
果、検量線よりBGG1分子あたり5分子のSPDPを
導入するために必要な30mM SPDP溶液量を決定
した。
lに調整し、この溶液1ml毎に30mM SPDP溶
液を5,10,20,40μl加え、室温で1時間反応
後、セファデックスG−25(商品名、Pharmacia 社
製)でゲル濾過を行い未反応のSPDPを除去した。次
にSPDP導入BGGをDTTで還元し、遊離したジチ
オピリジル基を343nmの吸光度で定量した。その結
果、検量線よりBGG1分子あたり5分子のSPDPを
導入するために必要な30mM SPDP溶液量を決定
した。
【0062】還元化条件の決定 導入された全てのSPDPを還元するために還元化条件
の決定を以下のようにして行った。
の決定を以下のようにして行った。
【0063】即ち、SPDP導入BGG(SPDP−B
GG)のバッファーを酢酸バッファー(pH4.5)に
交換し、タンパク質濃度を2.5mg/mlに調整し、
このSPDP溶液500μlに対して5,10,20m
M DTT溶液を25μl混合し、室温で30分間反応
させた。分解産物のジチオピリジル基をセファデックス
G−25(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過により
除去後、0.5mg/ml還元化SPDP−BGGを得
た。還元化SPDP−BGG2.0mlに対して5mM
4,4′−ジチオジピリジン溶液を80μl添加し、
室温で30分反応後、反応産物の4−チオピリドンを3
24nmの吸光度で定量することにより、還元化SPD
P−BGGのチオール基の定量とし、還元化条件を決定
した。
GG)のバッファーを酢酸バッファー(pH4.5)に
交換し、タンパク質濃度を2.5mg/mlに調整し、
このSPDP溶液500μlに対して5,10,20m
M DTT溶液を25μl混合し、室温で30分間反応
させた。分解産物のジチオピリジル基をセファデックス
G−25(商品名、Pharmacia 社製)でゲル濾過により
除去後、0.5mg/ml還元化SPDP−BGGを得
た。還元化SPDP−BGG2.0mlに対して5mM
4,4′−ジチオジピリジン溶液を80μl添加し、
室温で30分反応後、反応産物の4−チオピリドンを3
24nmの吸光度で定量することにより、還元化SPD
P−BGGのチオール基の定量とし、還元化条件を決定
した。
【0064】ペプチド感作BGGのリポソーム感作 ペプチド感作BGGにSPDPを導入し、還元後、あら
かじめリポソームに導入してあるジチオピリジル基との
交換反応によりペプチド感作BGGをリポソームへ以下
のようにして感作した(リポソーム組成は前記実施例1
と同様のものを用いた)。
かじめリポソームに導入してあるジチオピリジル基との
交換反応によりペプチド感作BGGをリポソームへ以下
のようにして感作した(リポソーム組成は前記実施例1
と同様のものを用いた)。
【0065】即ち、前記BGGへのSPDP導入条件の
決定で得られた結果より、10mg/mlペプチド感作
BGG2.2mlに30mM SPDP40μl加え、
室温で1時間反応させた。次に、セファデックスG−2
5(商品名、Pharmacia 社製)を用いたゲル濾過によ
り、未反応のSPDPを除去し濃縮した後、前記還元化
条件の決定で得られた結果に従い、10.75mg/m
lペプチド感作BGG−SPDP2.0mlに30mM
DTT291μl加え、室温で30分反応させた後、
セファデックスG−25(商品名、Pharmacia 社製)を
用いたゲル濾過によりDTTを除去した。
決定で得られた結果より、10mg/mlペプチド感作
BGG2.2mlに30mM SPDP40μl加え、
室温で1時間反応させた。次に、セファデックスG−2
5(商品名、Pharmacia 社製)を用いたゲル濾過によ
り、未反応のSPDPを除去し濃縮した後、前記還元化
条件の決定で得られた結果に従い、10.75mg/m
lペプチド感作BGG−SPDP2.0mlに30mM
DTT291μl加え、室温で30分反応させた後、
セファデックスG−25(商品名、Pharmacia 社製)を
用いたゲル濾過によりDTTを除去した。
【0066】次にこの還元化ペプチド感作BGG−SP
DPと10mMリポソーム溶液を1:1で混合し、4℃
一晩放置した後、未反応のペプチド感作BGG−SPD
PをセファロースCL−4B(商品名、Pharmacia 社
製)を用いたゲル濾過で除去した。
DPと10mMリポソーム溶液を1:1で混合し、4℃
一晩放置した後、未反応のペプチド感作BGG−SPD
PをセファロースCL−4B(商品名、Pharmacia 社
製)を用いたゲル濾過で除去した。
【0067】リポソームのペプチド感作BGG−SPD
P感作量の測定 リポソームへ感作されたペプチド感作BGG−SPDP
量をタンパク質定量により、リポソームあたりの感作量
を以下のようにして求めた。
P感作量の測定 リポソームへ感作されたペプチド感作BGG−SPDP
量をタンパク質定量により、リポソームあたりの感作量
を以下のようにして求めた。
【0068】即ち、タンパク質定量は既にキットとして
市販されているBCAタンパク質アッセイ試薬(PIE
RCE社製)を用いて定量した。その結果、単位リン量
(μmol)あたり0.4−0.6mgのタンパク質が
感作されていることが確認された。さらにこのときのリ
ポソームの粒径が感作前の状態で109nmであったも
のが、感作後200nm前後まで増加していることが確
認されたことからも、BGGを介してペプチドが感作さ
れていることが確認された。
市販されているBCAタンパク質アッセイ試薬(PIE
RCE社製)を用いて定量した。その結果、単位リン量
(μmol)あたり0.4−0.6mgのタンパク質が
感作されていることが確認された。さらにこのときのリ
ポソームの粒径が感作前の状態で109nmであったも
のが、感作後200nm前後まで増加していることが確
認されたことからも、BGGを介してペプチドが感作さ
れていることが確認された。
【0069】〔比較例3〕前記実施例1の(1)と同様
の組成の10mM リポソーム懸濁液1mlに前記実施
例2と同様のペプチドのC末端にシステインを導入した
もの2mg/mlを等量混合し、4℃で一晩反応させ
た。反応後、リポソームは自然凝集し、ペプチド結合リ
ポソームを安定な状態で得ることができなかった。
の組成の10mM リポソーム懸濁液1mlに前記実施
例2と同様のペプチドのC末端にシステインを導入した
もの2mg/mlを等量混合し、4℃で一晩反応させ
た。反応後、リポソームは自然凝集し、ペプチド結合リ
ポソームを安定な状態で得ることができなかった。
【0070】
【発明の効果】叙上の如く調製された本発明の免疫分析
用反応試薬及びその製造方法によれば、本発明の免疫分
析用反応試薬は、リポソームにタンパク質関連物質から
なる免疫学的物質が固定化されているにも関わらず、該
タンパク質関連物質の帯電傾向の影響が減じられ、リポ
ソームとの電気的反発が緩和されて、該タンパク質関連
物質のリポソームへの固定化を効率よく行なうことがで
き、その結果、本発明の免疫分析用反応試薬を用いた測
定は高感度である。
用反応試薬及びその製造方法によれば、本発明の免疫分
析用反応試薬は、リポソームにタンパク質関連物質から
なる免疫学的物質が固定化されているにも関わらず、該
タンパク質関連物質の帯電傾向の影響が減じられ、リポ
ソームとの電気的反発が緩和されて、該タンパク質関連
物質のリポソームへの固定化を効率よく行なうことがで
き、その結果、本発明の免疫分析用反応試薬を用いた測
定は高感度である。
【0071】また、本発明の免疫分析用反応試薬は、水
溶性ペプチド、水溶性ポリペプチド又は水溶性タンパク
質等の水溶性タンパク質等関連物質がリポソームに固定
されてなる場合でも、リポソーム自体が凝集を生じるこ
となく、免疫分析用反応試薬としての保存性が優れ、そ
の結果、本発明の免疫分析用反応試薬を用いた測定は高
感度である。
溶性ペプチド、水溶性ポリペプチド又は水溶性タンパク
質等の水溶性タンパク質等関連物質がリポソームに固定
されてなる場合でも、リポソーム自体が凝集を生じるこ
となく、免疫分析用反応試薬としての保存性が優れ、そ
の結果、本発明の免疫分析用反応試薬を用いた測定は高
感度である。
【0072】本発明の免疫分析用反応試薬は、担体とし
てリポソームが使用されているので、短波長での測定が
可能で、測定装置のセル汚損性が低く、自動分析機によ
る測定が可能であるため、大量の検体を一度に短時間で
測定することができる。
てリポソームが使用されているので、短波長での測定が
可能で、測定装置のセル汚損性が低く、自動分析機によ
る測定が可能であるため、大量の検体を一度に短時間で
測定することができる。
【図1】実施例1−(B)のSLO抗原結合リポソーム
試薬についてサンプル対緩衝液を3:1とし、20ul
/wellでCBC染色してなるSDS−PAGE(4
−12%)を示す。
試薬についてサンプル対緩衝液を3:1とし、20ul
/wellでCBC染色してなるSDS−PAGE(4
−12%)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 衛 茨城県結城市北南茂呂1075−2 日水製薬 株式会社診断薬研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 リポソームにペプチド、ポリペプチド又
はタンパク質からなる免疫学的物質が固定化されてなる
免疫分析用反応試薬の製造方法において、 免疫学的物質を不活性化させない性質と免疫学的物質の
リポソームへの固定化を促進する性質を併有する、リポ
ソームを安定化させる物質を用いて、リポソームへ免疫
学的物質を固定することを特徴とする免疫分析用反応試
薬の製造方法。 - 【請求項2】 リポソームにペプチド、ポリペプチド又
はタンパク質からなる免疫学的物質が固定化されてなる
免疫分析用反応試薬の製造方法において、 免疫学的物質を不活性化させない性質と免疫学的物質の
リポソームへの固定化を促進する性質を併有する、リポ
ソームを安定化させる物質をリポソームに固定化した
後、得られたリポソームに免疫学的物質を固定化するこ
とを特徴とする免疫分析用反応試薬の製造方法。 - 【請求項3】 リポソームに水溶性ペプチド、水溶性ポ
リペプチド又は水溶性タンパク質からなる水溶性免疫学
的物質が固定化されてなる免疫分析用反応試薬の製造方
法において、 水溶性免疫学的物質を不活性化させない性質と水溶性免
疫学的物質のリポソームへの固定化を促進する性質を併
有する、リポソームを安定化させる物質に対して水溶性
免疫学的物質を固定化した後、得られたリポソームを安
定化させる物質をリポソームに固定化することを特徴と
する免疫分析用反応試薬の製造方法。 - 【請求項4】 前記免疫学的物質を不活性化させない性
質と免疫学的物質のリポソームへの固定化を促進する性
質を併有する、リポソームを安定化させる物質は、アミ
ノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、並びにア
ミノ基或いはカルボキシル基を含む合成高分子化合物か
ら選ばれたものであることを特徴とする請求項1、2又
は3記載の免疫分析用反応試薬の製造方法。 - 【請求項5】 前記請求項1、2、3又は4記載の免疫
分析用反応試薬の製造方法により得られたことを特徴と
する免疫分析用反応試薬。 - 【請求項6】 前記免疫分析用反応試薬が抗原抗体反応
で生じた凝集量を測定するために使用されることを特徴
とする請求項5記載の免疫分析用反応試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20394895A JPH0933528A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 免疫分析用反応試薬及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20394895A JPH0933528A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 免疫分析用反応試薬及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0933528A true JPH0933528A (ja) | 1997-02-07 |
Family
ID=16482334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20394895A Withdrawn JPH0933528A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 免疫分析用反応試薬及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0933528A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163728A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Toyobo Co Ltd | イムノアッセイ方法 |
CN113677993A (zh) * | 2019-03-29 | 2021-11-19 | 积水医疗株式会社 | 免疫测定试剂和免疫测定方法 |
-
1995
- 1995-07-18 JP JP20394895A patent/JPH0933528A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014163728A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Toyobo Co Ltd | イムノアッセイ方法 |
CN113677993A (zh) * | 2019-03-29 | 2021-11-19 | 积水医疗株式会社 | 免疫测定试剂和免疫测定方法 |
EP3951389A4 (en) * | 2019-03-29 | 2022-12-14 | Sekisui Medical Co., Ltd. | IMMUNOLOGICAL ASSAY REAGENT AND IMMUNOLOGICAL ASSAY METHOD |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021001 |