JPH0933258A - 角速度センサ装置、オフセツト誤差除去方法、カメラ一体型ビデオテープレコーダ及び移動体位置認識装置 - Google Patents

角速度センサ装置、オフセツト誤差除去方法、カメラ一体型ビデオテープレコーダ及び移動体位置認識装置

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JPH0933258A
JPH0933258A JP7206552A JP20655295A JPH0933258A JP H0933258 A JPH0933258 A JP H0933258A JP 7206552 A JP7206552 A JP 7206552A JP 20655295 A JP20655295 A JP 20655295A JP H0933258 A JPH0933258 A JP H0933258A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、角速度センサ装置について、簡易な
構成で容易にオフセツト誤差を除去し、狭いダイナミツ
クレンジでも使用できる定電圧向きの角速度センサ装置
を実現する。 【解決手段】本発明は、正三角柱形状の角速度検出手段
が、第1の圧電磁器より回転角速度に応じて得られる第
1の出力信号と、第2の圧電磁器より回転角速度に応じ
て得られる第2の出力信号とを検出し、減算手段によつ
て第1の出力信号と第2の出力信号とを減算してコリオ
リ信号を得、第1の出力信号と第2の出力信号とを加算
することで得られた信号に基づいて、コリオリ信号に含
まれるオフセツト誤差と極性が逆で振幅の等しいキヤン
セル信号をキヤンセル信号生成手段によつて生成し、コ
リオリ信号にキヤンセル信号を加算することにより、コ
リオリ信号に含まれるオフセツト誤差を除去できる角速
度センサ装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 発明の属する技術分野 従来の技術(図5) 発明が解決しようとする課題(図5) 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 (1)ジヤイロセンサ(図1及び図2) (2)ジヤイロセンサを用いた応用システム (2−1)手振れ防止用カメラ一体型ビデオテープレコ
ーダ(図3) (2−2)ナビゲーシヨンシステム(図4) (3)他の実施例 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は角速度センサ装置、
オフセツト誤差除去方法、カメラ一体型ビデオテープレ
コーダ及び移動体位置認識装置に関し、例えば角速度を
検出するジヤイロセンサに適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、図5に示すようにジヤイロセンサ
1は、角速度に応じた共振出力信号からコリオリ信号を
検出するために、正三角柱形状でなる正三角形音片型振
動ジヤイロ2と、センサ用IC3とで構成されている。
【0004】ここで正三角形音片型振動ジヤイロ2は、
共振出力信号を得るため振動子4の第1の面上にR側検
出用圧電磁器5を、第2の面上にL側検出用圧電磁器6
を貼着し、他の面上には励振用圧電磁器(図示せず)を
貼着して形成されている。この正三角形音片型振動ジヤ
イロ2においては、振動子4がX軸方向に振動し、振動
子4の中心軸であるZ軸を中心に回転角速度を加える
と、X軸方向の振動と直角方向であるY軸方向にコリオ
リ力が生じ、このコリオリ力を励振用圧電磁器によつて
検出することで、回転角速度がわかるようになされてい
る。
【0005】また正三角形音片型振動ジヤイロ2は、振
動によつてR側検出用圧電磁器5から得られる共振出力
信号の振幅が大きくなると、L側検出用圧電磁器6から
得られる共振出力信号の振幅は小さくなり、逆にR側検
出用圧電磁器5から得られる共振出力信号の振幅が小さ
くなると、L側検出用圧電磁器6から得られる共振出力
信号の振幅は大きくなる。従つて、R側検出用圧電磁器
5から得られる共振出力信号は駆動信号成分fに変化電
流成分Δfを加えたfR (=f+Δf)とすると、L側
検出用圧電磁器6から得られる共振出力信号は駆動信号
成分fに変化電流成分Δfを差し引いたfL (=f−Δ
f)となる。この共振出力信号fR から共振出力信号f
L を減算することにより、振動によつて動いた変化電流
成分Δfに相当する信号成分だけを算出してコリオリ力
をコリオリ信号S1として検出することができる。
【0006】ところで、理想的な状態では無振動時、共
振出力信号fR と共振出力信号fLとはそれぞれ変化電
流成分Δfを持たないため互いに等しい。このため、共
振出力信号fR から共振出力信号fL を減算して得られ
るコリオリ信号S1は本来「ゼロ」となり、コリオリ信
号S1は発生しない。しかし、振動子4の加工精度やR
側検出用圧電磁器5、L側検出用圧電磁器6及び励振用
圧電磁器の貼着位置精度、集積回路等の持つバラツキに
よつてコリオリ信号S1は「ゼロ」にはならず、何らか
の誤差信号(以下、これをオフセツト信号SO と呼ぶ)
が残つてしまう。このオフセツト信号SO は、振動時に
おいてもコリオリ信号S1中に当然含まれていることに
なる。
【0007】一方、センサ用IC3においては、正三角
形音片型振動ジヤイロ2のR側検出用圧電磁器5から得
られる共振出力信号fR と、L側検出用圧電磁器6から
得られる共振出力信号fL とが差動増幅回路7に入力さ
れる。差動増幅回路7では、共振出力信号fR から共振
出力信号fL を減算して得られるコリオリ信号S1を次
【数1】 で求めて駆動信号成分fを打ち消して得られたコリオリ
信号S1を、交流信号を全波整流する同期検波回路8に
送出する。同期検波回路8ではコリオリ信号S1を全波
整流した後、コリオリ信号S1に含まれているオフセツ
ト信号SO を見掛け上ゼロにするためのDCシフト回路
9に送出する。DCシフト回路9は、直流電流を直流増
幅回路10に出し入れすることにより、出力信号を調整
できるようになされており、コリオリ信号S1をコンデ
ンサで平滑して直流信号S2に変換した後、直流増幅回
路10を介して所定の電圧レベルに増幅して出力してい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところでかかる構成の
ジヤイロセンサ1においては、コリオリ信号S1にオフ
セツト信号SO が含まれているため振幅の変動範囲が大
きくなつているので、センサ用IC3においてダイナミ
ツクレンジを広く持たせる必要があるため低電圧化に向
かないという問題があつた。
【0009】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な構成で容易にオフセツト信号SO を無くし、
狭いダイナミツクレンジでも使用できる低電圧向きの角
速度センサ及びオフセツト誤差除去方法を提案しようと
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、回路角速度に応じた第1の出力信
号を得る第1の圧電磁器と、回転角速度に応じた第2の
出力信号を得る第2の圧電磁器とを有する正三角柱形状
の角速度検出手段と、第1の出力信号と第2の出力信号
とを減算してコリオリ信号を得る減算手段と、第1の出
力信号と第2の出力信号とを加算する第1の加算手段
と、第1の加算手段より得られた信号に対して正相の電
流を出力する第1の相互コンダクタンスアンプと、第1
の加算手段より得られた信号に対して逆相の電流を出力
する第2の相互コンダクタンスアンプと、正相の電流と
逆相の電流とを加算する加算点と、加算点で得られた加
算電流の極性及び振幅を制御する振幅極性調整手段と、
コリオリ信号にキヤンセル信号を加算する第2の加算手
段とを設ける。
【0011】第1の圧電磁器より回転角速度に応じて得
られる第1の出力信号と、第2の圧電磁器より回転角速
度に応じて得られる第2の出力信号とを検出し、第1の
出力信号と第2の出力信号とを減算してコリオリ信号を
得、また第1の出力信号と第2の出力信号とを加算して
得られた信号に対して、正相の電流と、逆相の電流とを
出力し、正相の電流と逆相の電流とを加算して得られた
加算電流に基づいて、コリオリ信号に含まれるオフセツ
ト誤差と極性が逆で振幅の等しいキヤンセル信号を生成
し、コリオリ信号にキヤンセル信号を加算することによ
り、コリオリ信号に含まれるオフセツト誤差を相殺する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
【0013】(1)ジヤイロセンサ 図1は、本発明を適用した角速度センサ装置としてのジ
ヤイロセンサ11の全体構成を示す。ジヤイロセンサ1
1は従来から用いられている角速度検出手段としての正
三角形音片型振動ジヤイロ2と、オフセツト信号SO
除去するように構成されたセンサ用IC12とで構成さ
れている。
【0014】ここでセンサ用IC12は、正三角形音片
型振動ジヤイロ2で得られた共振出力信号fR 、fL
取り込む減算手段としての差動増幅回路7と、共振出力
信号fR 、fL を加算する第1の加算手段としての加算
回路13と、加算回路13より得られた合成信号S3を
反転増幅する反転回路14と、反転回路14で極性を反
転された反転信号S4に基づいてオフセツト信号SO
極性が逆で振幅の等しいキヤンセル信号SC を生成する
キヤンセル信号生成部としてのゲイン差信号生成回路1
5と、差動増幅回路7で得られたコリオリ信号S1にゲ
イン差信号生成回路15で得られたキヤンセル信号SC
を加算してオフセツト信号SO を打ち消し除去する第2
の加算手段としての加算回路16と、オフセツト信号S
O が除去されたコリオリ信号S1を全波整流する同期検
波回路8と、コリオリ信号S1を直流信号に変換して所
定のレベルに増幅する直流増幅回路10とで構成されて
いる。
【0015】実際に、ジヤイロセンサ11は正三角形音
片型振動ジヤイロ2がR側検出用圧電磁器5で検出され
る共振出力信号fR と、L側検出用圧電磁器6で検出さ
れる共振出力信号fL とを差動増幅回路7に送出すると
共に加算回路13に送出する。差動増幅回路7では、入
力された2つの共振出力信号fR 、fL を減算し、得ら
れたコリオリ信号S1を増幅して加算回路16に送出す
る。
【0016】加算回路16では、コリオリ信号S1にゲ
イン差信号生成回路15から得られたキヤンセル信号S
C を加算することでオフセツト信号SO を打ち消し、オ
フセツト信号SO を含まないコリオリ信号S1を得、同
期検波回路8に送出する。同期検波回路8では、コリオ
リ信号S1を全波整流した後、直流増幅回路10に送出
する。直流増幅回路10は、コリオリ信号S1を直流信
号に変換して所定のレベルに増幅して出力している。
【0017】次に、加算回路13は2つの共振出力信号
R 、fL の和を次式
【数2】 で求めて変化電流成分Δfを打ち消し、得られた合成信
号S3を反転回路14に送出する。反転回路14は、合
成信号S3を反転し反転信号S4としてゲイン差信号生
成回路15に送出する。ゲイン差信号生成回路15は、
コリオリ信号S1に含まれているオフセツト信号SO
極性が逆でかつ振幅の等しいキヤンセル信号Sc を生成
し加算回路16に送出している。
【0018】ここで、図2にゲイン差信号生成回路15
の回路構成を示す。ゲイン差信号生成回路15は入力段
21、ゲイン差信号生成段22、出力段23及び振幅極
性調整段24で構成されており、入力段21のVinに入
力された反転信号S4 が、オフセツト信号SO を打ち消
すためのキヤンセル信号Sc として出力段23のVout
から出力されるようになされている。
【0019】入力段21は、一対のNPN型トランジス
タQ1及びQ2の差動対によつてなる差動増幅段と、ゲ
イン差信号生成段22において電圧差を生じさせるため
の一対のNPN型トランジスタQ3及びQ4の差動対と
で形成されている。このNPN型トランジスタQ1及び
Q2のエミツタ電極間には共通のエミツタ抵抗R1が接
続され、トランジスタQ1のエミツタ電極は定電流源2
5に、トランジスタQ2のエミツタ電極は定電流源26
にそれぞれ接続されている。またトランジスタQ1のコ
レクタ電極は電流源27に、トランジスタQ2のコレク
タ電極は電流源28に接続されている。トランジスタQ
1のベース電極は入力電圧Vin及びベース電源V1 に接
続され、トランジスタQ2のベース電極はベース電源V
2 に接続されている。
【0020】また、NPN型トランジスタQ3のコレク
タ電極は電流源29に、トランジスタQ4のコレクタ電
極は電流源30にそれぞれ接続されており、エミツタ電
極は共通の抵抗R2に接続されている。またトランジス
タQ3、Q4ベース電極は、それぞれのコレクタ電極に
接続されている。
【0021】ここで電流源27、29は、カレントミラ
ー電流源を構成し、トランジスタQ1に流れるコレクタ
電流IQ1(=I1 +Δi1 )と同じ大きさのコレクタ電
流IQ1(=I1 +Δi1 )を折り返してトランジスタQ
3に与えるようになされている。また電流源28、30
も同様にカレントミラー電流源を構成し、トランジスタ
Q2に流れるコレクタ電流IQ2(=I1 −Δi1 )と同
じ大きさのコレクタ電流IQ2(=I1 −Δi1 )を折り
返してトランジスタQ4に与えるようになされている。
これにより、トランジスタQ3、Q4のベース(コレク
タ)電極にはコレクタ電流の大きさに応じて電圧差が発
生する。すなわちトランジスタQ3のベース(コレク
タ)電極には入力電圧Vinと同相の電圧が発生し、トラ
ンジスタQ4のベース(コレクタ)電極には入力電圧V
inと逆相の電圧が発生する。
【0022】次に、ゲイン差信号生成段22は、第1の
相互コンダクタンスアンプとしての差動増幅段22A
と、第2の相互コンダクタンスアンプとしての差動増幅
段22Bとで一組の相互コンダクタンスアンプとして構
成されている。この差動増幅段22Aと差動増幅段22
Bとは、互いに逆相に動作するようになされている。
【0023】差動増幅段22Aは、一対のNPN型トラ
ンジスタQ5及びQ6の差動対によつて形成され、トラ
ンジスタQ5のコレクタ電極は電流源31に、トランジ
スタQ6のコレクタ電極は電流源32に接続されてい
る。また、トランジスタQ5及びQ6の各エミツタ電極
は共通の電流源33に接続されている。
【0024】また差動増幅段22Bは、一対のNPN型
トランジスタQ7及びQ8の差動対によつて形成され、
トランジスタQ7のコレクタ電極は電流源34に、トラ
ンジスタQ8のコレクタ電極は電流源35に接続されて
いる。また、トランジスタQ7及びQ8の各エミツタ電
極は共通の電流源36に接続されている。
【0025】トランジスタQ5及びQ8のベース電極は
トランジスタQ3のベース電極及びコレクタ電極に接続
され、トランジスタQ6及びQ7のベース電極はトラン
ジスタQ4のベース電極及びコレクタ電極に接続されて
いる。これにより、トランジスタQ3及びQ4で生じた
電圧差をゲイン差信号生成段22で生じさせるようにな
されている。
【0026】ここで電流源31、32は、カレントミラ
ー電流源を構成し、トランジスタQ5に流れるコレクタ
電流IQ5(=I3 +Δi3 )と同じ大きさのコレクタ電
流IQ5(=I3 +Δi3 )を折り返してトランジスタQ
6に与えるようになされている。同様に電流源34、3
5もカレントミラー電流源を構成し、トランジスタQ7
に流れるコレクタ電流IQ7(=I4 −Δi4 )と同じ大
きさのコレクタ電流IQ7(=I4 −Δi4 )を折り返し
てトランジスタQ8に与えるようになされている。
【0027】また出力段23においては、トランジスタ
Q6及びトランジスタQ8のコレクタ電極が反転増幅回
路37の反転入力端にそれぞれ接続され、差動増幅段2
2Aから出力される電流と差動増幅段22Bから出力さ
れる電流とが合成されて反転増幅回路37の反転入力端
に入力されるようになされている。このとき反転増幅回
路37の反転入力端と出力端との間には、ネガテイブフ
イードバツク用の抵抗R3が接続され、非反転入力端に
は、接地電位が接続されている。
【0028】一方、振幅極性調整段24は一対のPNP
型トランジスタP1及びP2の差動対で構成され、トラ
ンジスタP1及びP2のエミツタ電極間には共通の抵抗
R4が接続されており、エミツタ電極のそれぞれには定
電流源38、39が接続されている。またトランジスタ
P1及びP2のコレクタ電極には、電流源40及び41
が接続されている。
【0029】ここで電流源33、40は、カレントミラ
ー電流源を構成し、トランジスタP1に流れるコレクタ
電流IP1(=2I2 −2Δi2 )と同じ大きさの電流I
P1(=2I2 −2Δi2 )を差動増幅段22Aの駆動電
流として与えるようになされている。同様に電流源3
6、41は、カレントミラー電流源を構成し、トランジ
スタP2に流れるコレクタ電流IP2(=2I2 +2Δi
2 )と同じ大きさの電流IP2(=2I2 +2Δi2 )を
差動増幅段22Bの駆動電流として与えるようになされ
ている。
【0030】またトランジスタP2はベース電極がベー
ス電源V3 に接続され、トランジスタP1は、キヤンセ
ル信号SC の極性及び振幅を自由に変えられるようにベ
ース電極が連続的に変化可能な電圧VCONTに接続されて
いる。すなわち、電圧VCONTにおいて電圧を調整するこ
とにより、トランジスタP1及びトランジスタP2のコ
レクタ電極に流れる電流の比率を連続的に変更できる。
これにより、差動増幅段22A及び差動増幅段22Bに
流れる電流の比率も連続的に変更されるので、この比率
に応じて出力される差動増幅段22Aからの電流と差動
増幅段22Bからの電流とを合成して得られる電流I5
の振幅及び極性も変更されることになる。
【0031】ここで、トランジスタQ3とQ4、Q5、
Q6、Q7及びQ8には次の電圧の関係が成り立つ。す
なわち次式
【数3】
【数4】 で表され、熱電圧VT 、飽和電流IS 、変化電流Δ
1 、Δi2 、Δi3 及びΔi4 とすると(3)式から
変化電流Δi3 は、次式
【数5】 と求められる。また同様に(4)式から変化電流Δi4
は、次式
【数6】 と求められる。このとき出力電圧Vout は変化電流Δi
3 及びΔi4 を用いて次式
【数7】 で表される。因に変化電流Δi1 、Δi2 は、それぞれ
次式
【数8】
【数9】 で表される。従つて(5)式〜(9)式によつて、出力
電圧VOUT は次式
【数10】 と置き換えることができる。ここでR1 とR2 、R3
in及びI1 は定数であるので、変数であるΔVの値に
応じて出力電圧Vout を変化させるようになされてい
る。
【0032】以上の構成において、正三角形音片型振動
ジヤイロ2のR側検出用圧電磁器5及びL側検出用圧電
磁器6で得られた共振出力信号fR 、fL は、差動増幅
回路7に出力されると共に加算回路13に出力される。
2つの共振出力信号fR 、fL は、差動増幅回路7にお
いて減算され、得られたコリオリ信号S1として増幅さ
れ加算回路16に送出される。
【0033】一方、共振出力信号fR 、fL は加算回路
13で加算され、合成信号S3として反転回路14に送
出され、反転回路14で反転され反転信号S4としてゲ
イン差信号生成回路15に送出される。ゲイン差信号生
成回路15では、反転信号S4に基づいてオフセツト信
号SO と極性が逆で振幅の等しいキヤンセル信号Sc
生成され加算回路16に送出される。
【0034】この加算回路16において、差動増幅回路
7から送出されたコリオリ信号S1は、ゲイン差信号生
成回路15から送出されたキヤンセル信号Sc と加算さ
れることにより、オフセツト信号SO がキヤンセル信号
c によつて打ち消され、コリオリ信号S1だけが同期
検波回路8に出力される。そして、コリオリ信号S1は
同期検波回路8で全波整流され、コンデンサで平滑され
て直流信号S5に変換された後、直流増幅回路10を介
して所定の電圧レベルに増幅され出力される。
【0035】またゲイン差信号生成回路15内におい
て、オフセツト信号SO の極性及び振幅に応じたキヤン
セル信号Sc を生成するため、キヤンセル信号Sc の極
性及び振幅を変化させるには、(10)式に基づいて変数
ΔVの値を変化させれば良いので、振幅極性調整段24
の電源VCONTを調整すれば良いことになる。
【0036】従つてゲイン差信号生成回路15は、電源
CONTを調節してより多い電流を電流源40に流すよう
にすると、多くした電流と同じだけの電流が電流源33
に流れ、差動増幅段22Aから出力される電流も多くな
る。逆に電流源41には、電流源40に流す電流を多く
した分だけ少ない電流が流れ、電流源36にも同じだけ
の少ない電流が流れる。従つて、差動増幅段22Bに引
き込まれる電流は少なくなるので、出力段23の反転増
幅回路37の抵抗R3に入力電圧Vinと同相かつ所定倍
の電流が出力される。これにより、反転増幅回路37の
出力端には入力電圧Vinと逆相の出力電圧Vout が得ら
れる。
【0037】また電源VCONTを調節してより少ない電流
を電流源40に流すようにすると、少なくした電流と同
じだけの電流が電流源33に流れ、差動増幅段22Aか
ら出力される電流も少なくなる。逆に電流源41には、
電流源40に流す電流を少なくした分だけ多い電流が流
れ、電流源36にも同じだけの多い電流が流れる。従つ
て、差動増幅段22Bに引き込まれる電流が多くなる。
この場合、差動増幅段22Aから出力される電流の極性
は入力電圧Vinと同相であり、差動増幅段22Bに引き
込まれる電流の極性は入力電圧Vinと逆相であるので、
差動増幅段22Aから出力される電流と差動増幅段22
Bに引き込まれる電流とを合成して得られる電流は入力
電圧Vinと逆相でかつ所定倍の電流が出力される。これ
により、反転増幅回路37の出力端には入力電圧Vin
同相の出力電圧Vout が得られる。
【0038】このようにしてゲイン差信号生成回路15
は、電源VCONTを調節して流す電流量を変化させること
により、出力電圧Vout の極性及び大きさを任意に決定
することができる。かくしてコリオリ信号S1に含まれ
ているオフセツト信号SO と極性が逆で振幅の等しいキ
ヤンセル信号Sc を自由に生成することができる。
【0039】以上の構成によれば、正三角形音片型振動
ジヤイロ2から出力される共振出力信号fR 、fL の差
から得られるコリオリ信号S1に含まれているオフセツ
ト信号SO を、ゲイン差信号生成回路15で生成された
キヤンセル信号Sc によつて打ち消すことにより、コリ
オリ信号S1だけを出力することができる。かくして簡
易な構成で容易に共振出力信号のオフセツト信号SO
打ち消し、狭いダイナミツクレンジでも使用できる低電
圧向きのジヤイロセンサを実現し得る。
【0040】(2)ジヤイロセンサを用いた応用システ
ム (2−1)手振れ防止用カメラ一体型ビデオテープレコ
ーダ 図3は、手振れ防止用カメラ一体型ビデオテープレコー
ダ51の全体構成を示す。手振れ防止用カメラ一体型ビ
デオテープレコーダ51は、レンズ系52、固体撮像素
子(CCD)53、信号処理系54でなるカメラ部と手
振れを補正するジヤイロセンサ11、判断系55、制御
系56でなるレンズ制御部とで構成されている。
【0041】手振れ防止用カメラ一体型ビデオテープレ
コーダ51は、ジヤイロセンサ11がブレ等の振動信号
S6をマイクロコンピユータ構成の判断系52に出力す
る。判断系52は振動信号S6が手振れなのか、あるい
はパンニングやチルテイング等によるものなのかを判断
し、手振れによるものと判断すると振動信号S6を制御
系56に出力する。制御系56は、ブレを補正するため
の補正信号S7を生成しレンズ系52に出力することに
より、レンズを制御して手振れを防止するようになされ
ている。これにより、手振れ防止用カメラ一体型ビデオ
テープレコーダ51はカメラの取り扱いに慣れていない
人の撮影においても、手振れによるブレを無くして撮影
できるので高画質な映像を得ることができる。
【0042】(2−2)ナビゲーシヨンシステム 図4は、例えば自動車に用いられたナビゲーシヨンシス
テム60の全体構成を示す。ナビゲーシヨンシステム6
0は、ジヤイロセンサ11からの出力(回転角速度)を
積分して角度を求め、自動車のスピードを積分して距離
を求めることにより相対的な位置を得るようになされて
いる。
【0043】すなわちナビゲーシヨンシステム60は、
自動車のタイヤ61の回転数を速度測定手段としてのス
ピードカウンタ62で読み取り、読み取つた信号をスピ
ード信号S8としてCPU63に送出する。またジヤイ
ロセンサ11は、出力信号S9(回転角速度)をアナロ
グデイジタル変換器64を介してデイジタル信号S10
として演算手段としてのCPU63に送出する。CPU
63は、スピード信号S8とデイジタル信号S10とを
演算処理して自動車の位置及び方向等の情報を得、これ
らの情報信号S11を表示手段としてのデイスプレイ6
5に出力するようになされている。これによりナビゲー
シヨンシステム60は、トンネル等のGPS(Global Po
sitioning System) 衛星からの電波が届かない場所を走
行中であつても正確に現在位置及び進行方向を知ること
ができる。
【0044】(3)他の実施例 なお上述の実施例においては、振動検出手段として正三
角形音片型振動ジヤイロ2を用いるようにした場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、振動に対して直
角方向に生じるコリオリ力を検出するための情報を得ら
れるならば、他の種々の振動検出手段を用いるようにし
ても良い。
【0045】また上述の実施例においては、ゲイン差信
号生成段22としてNPN型トランジスタによる構成の
相互コンダクタンスアンプを用いるようにした場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、例えばPNP型
トランジスタによる構成の相互コンダクタンスアンプ
等、他の構成による相互コンダクタンスアンプを用いる
ようにしても良い。
【0046】また上述の実施例においては、一対のトラ
ンジスタの各エミツタ間に抵抗を接続した差動対で電流
量を制御するようにした場合について述べたが、本発明
はこれに限らず、相互コンダクタンスアンプを逆相で制
御できるのであれば他の種々の回路構成によるものを用
いるようにしても良い。
【0047】また上述の実施例においては、ジヤイロセ
ンサ11を手振れ防止用カメラ一体型ビデオテープレコ
ーダ51やナビゲーシヨンシステム60に用いるように
した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、自
動車のアンチロツクブレーキシステム等の他の種々の装
置に用いるようにしても良い。
【0048】また上述の実施例においては、ジヤイロセ
ンサ11を自動車に用いるようにした場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、自動車以外の種々の移動
体に用いるようにしても良い。
【0049】
【発明の効果】第1の圧電磁器より回転角速度に応じて
得られる第1の出力信号と、第2の圧電磁器より回転角
速度に応じて得られる第2の出力信号とを検出し、第1
の出力信号と第2の出力信号とを減算してコリオリ信号
を得、また第1の出力信号と第2の出力信号とを加算し
て得られた信号に対して、正相の電流と、逆相の電流と
を出力し、正相の電流と逆相の電流とを加算して得られ
た加算電流に基づいて、コリオリ信号に含まれるオフセ
ツト誤差と極性が逆で振幅の等しいキヤンセル信号を生
成し、コリオリ信号にキヤンセル信号を加算することに
より、コリオリ信号に含まれるオフセツト誤差を除去す
ることができ、かくして低電圧向きの狭いダイナミツク
レンジで使用できる角速度センサ装置、オフセツト誤差
除去方法、カメラ一体型ビデオテープレコーダ及び移動
体位置認識装置を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジヤイロセンサの構成を示すブロツク図であ
る。
【図2】ゲイン差信号生成回路の構成を示す回路図であ
る。
【図3】ジヤイロセンサを用いたカメラ一体型ビデオテ
ープレコーダの構成を示すブロツク図である。
【図4】ジヤイロセンサを用いたナビゲーシヨンシステ
ムの構成を示すブロツク図である。
【図5】従来のジヤイロセンサの構成を示すブロツク図
である。
【符号の説明】
1、11……ジヤイロセンサ、2……正三角形音片型振
動ジヤイロ、3、12……センサ用IC、4……振動
子、5……R側検出用圧電磁器、6……L側検出用圧電
磁器、7……差動増幅回路、8……同期検波回路、9…
…DCシフト回路、10……直流増幅回路、13、16
……加算回路、14……反転回路、15……ゲイン差信
号生成回路、21……入力段、22……ゲイン差信号生
成段、23……出力段、24……振幅極性、25、2
6、38、39……定電流源、27〜36、40、41
……電流源、37……反転増幅回路、51……カメラ一
体型ビデオテープレコーダ、52……レンズ系、53…
…固体撮像素子、54……信号処理系、55……判断
系、56……制御系、60……ナビゲーシヨンシステ
ム、61……タイヤ、62……スピードカウンタ、63
……CPU、64……アナログデイジタル変換器、65
……デイスプレイ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転角速度に応じた第1の出力信号を得る
    第1の圧電磁器と、上記回転角速度に応じた第2の出力
    信号を得る第2の圧電磁器とを有する正三角柱形状の角
    速度検出手段と、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを減算して
    コリオリ信号を得る減算手段と、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを加算する
    第1の加算手段と、 上記第1の加算手段より得られた信号に対して正相の電
    流を出力する第1の相互コンダクタンスアンプと、上記
    第1の加算手段より得られた信号に対して逆相の電流を
    出力する第2の相互コンダクタンスアンプと、上記正相
    の電流と上記逆相の電流とを加算する加算点と、上記加
    算点で得られた加算電流の極性及び振幅を制御する振幅
    極性調整手段とでなるキヤンセル信号生成手段と、 上記コリオリ信号に上記キヤンセル信号を加算する第2
    の加算手段とを具えることを特徴とする角速度センサ装
    置。
  2. 【請求項2】第1の圧電磁器より得られる回転角速度に
    応じた第1の出力信号と、第2の圧電磁器より得られる
    回転角速度に応じた第2の出力信号とを検出し、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを減算して
    コリオリ信号を得、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを加算して
    得られた信号に対して正相の電流を出力し、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを加算して
    得られた信号に対して逆相の電流を出力し、 上記正相の電流と上記逆相の電流とを加算して得られた
    加算電流に基づいて、上記コリオリ信号に含まれるオフ
    セツト誤差と極性が逆で振幅の等しいキヤンセル信号を
    生成し、 上記コリオリ信号と上記キヤンセル信号とを加算して上
    記オフセツト誤差を相殺することを特徴とするオフセツ
    ト誤差除去方法。
  3. 【請求項3】回転角速度に応じた第1の出力信号を得る
    第1の圧電磁器と、上記回転角速度に応じた第2の出力
    信号を得る第2の圧電磁器とを有する正三角柱形状の角
    速度検出手段と、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを減算して
    コリオリ信号を得る減算手段と、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを加算する
    第1の加算手段と、 上記第1の加算手段より得られた信号に対して正相の電
    流を出力する第1の相互コンダクタンスアンプと、上記
    第1の加算手段より得られた信号に対して逆相の電流を
    出力する第2の相互コンダクタンスアンプと、上記正相
    の電流と上記逆相の電流とを加算する加算点と、上記加
    算点で得られた加算電流の極性及び振幅を制御する振幅
    極性調整手段とでなるキヤンセル信号生成手段と、 上記コリオリ信号に上記キヤンセル信号を加算する第2
    の加算手段と、 被写体をレンズを介して撮像する固体撮像素子と、 上記固体撮像素子で撮像された画像信号を信号処理する
    信号処理系と、 上記第2の加算手段を介して得られたコリオリ信号が手
    振れか否かの判断をする判断手段と、 上記判断手段からのコリオリ信号に基づいて上記レンズ
    の光軸を制御するための制御信号を出力する制御手段と
    を具えることを特徴とするカメラ一体型ビデオテープレ
    コーダ。
  4. 【請求項4】回転角速度に応じた第1の出力信号を得る
    第1の圧電磁器と、上記回転角速度に応じた第2の出力
    信号を得る第2の圧電磁器とを有する正三角柱形状の角
    速度検出手段と、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを減算して
    コリオリ信号を得る減算手段と、 上記第1の出力信号と上記第2の出力信号とを加算する
    第1の加算手段と、 上記第1の加算手段より得られた信号に対して正相の電
    流を出力する第1の相互コンダクタンスアンプと、上記
    第1の加算手段より得られた信号に対して逆相の電流を
    出力する第2の相互コンダクタンスアンプと、上記正相
    の電流と上記逆相の電流とを加算する加算点と、上記加
    算点で得られた加算電流の極性及び振幅を制御する振幅
    極性調整手段とでなるキヤンセル信号生成手段と、 上記コリオリ信号に上記キヤンセル信号を加算する第2
    の加算手段と、 上記加算手段を介して得られた角速度信号をデイジタル
    信号に変換するアナログデイジタル変換手段と、 移動体の速度を測定する速度測定手段と、 上記デイジタル信号に変換されたコリオリ信号と上記速
    度測定手段より得られた速度情報とに基づいて現在位置
    及び進行方向を算出する演算手段と、 上記現在位置及び進行方向を表示する表示手段とを具え
    ることを特徴とする移動体位置認識装置。
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