JPH09330792A - 有機エレクトロ・ルミネッセンス表示装置及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロ・ルミネッセンス表示装置及びその製造方法

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JPH09330792A
JPH09330792A JP8147313A JP14731396A JPH09330792A JP H09330792 A JPH09330792 A JP H09330792A JP 8147313 A JP8147313 A JP 8147313A JP 14731396 A JP14731396 A JP 14731396A JP H09330792 A JPH09330792 A JP H09330792A
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/17Passive-matrix OLED displays
    • H10K59/173Passive-matrix OLED displays comprising banks or shadow masks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】素子分離が容易な有機EL表示装置を提供する
こと。 【解決手段】透明電極で構成された第1の電極2と、絶
縁膜3と、この絶縁膜3上に形成されたスペーサー4
と、このスペーサー4上に形成され、スペーサー4より
幅の大きいオーバーハング体5と、前期スペーサー間に
設けられた有機エレクトロ・ルミネッセンス膜6と、こ
の有機エレクトロ・ルミネッセンス膜6上に形成された
第2の電極7と、この第2の電極7をカバーする金属ま
たは絶縁膜の少なくとも一方で構成された保護膜9を具
備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示装置あるいは光
源として利用される有機エレクトロ・ルミネッセンス
(以下ELという)表示装置及びその製造方法に係り、
特に素子分離が容易でかつフォトリソグラフィー工程を
使用可能とするものに関する。
【0002】
【従来の技術】薄型のフラットパネルディスプレイとし
て、現在液晶ディスプレイが使用されているが、有機E
L素子を用いた表示デバイスは下記のような優位性を有
する。
【0003】(1)自発光であるために視野角が広い。 (2)約2〜3mmの薄さのディスプレイが容易に製作
できる。 (3)偏光板を使用しないので、発光色が自然である。
【0004】(4)明暗のダイナミックレンジが広いた
め、より生々しい表示が可能である。 (5)広い温度範囲で動作可能である。
【0005】(6)応答速度が液晶より約3桁以上速い
ため容易に動画表示が可能である。しかしながら有機E
L素子を構成する有機層や、有機層に電子を注入するた
めに陰極として通常使用される仕事関数が小さい金属を
含有する電極が水分や酸素により容易に劣化し易いこ
と、有機層が溶媒に溶け易いこと、また熱に弱いこと等
の製造上の難題があった。
【0006】換言すると、現在液晶で実現されているよ
うなディスプレイと同等なクラスの有機ELディスプレ
イを製造しようとした場合に、素子を小型分離化するた
めに、成熟した半導体製造技術や液晶ディスプレイ製造
技術がそのままでは適用できないという難しさがあっ
た。
【0007】そこで提案されたのが、分離させたい表示
ライン電極の間に有機EL膜を構成する膜の膜厚よりも
高い壁を形成し、基板平面に対し斜め方向より有機EL
素子の材料を真空蒸着することで、この高い壁の影にな
る部分には有機EL素子の材料が成膜されないことを利
用する方法であった(特開平5−275172号公報、
米国特許第5276380号明細書、特開平5−258
859号公報、米国特許第5294869号明細書等参
照)。
【0008】この方法は、蒸着源から基板へ飛散する原
子、分子の方向が揃っていることが非常に重要になる。
すなわち、図8に示すように、蒸着法による場合には、
蒸着させたい材料をセットした蒸着源101を中心に同
心球上に材料が蒸発し、基板に付着する。この際に基板
の位置によって材料の入射角が異なるとともに、蒸着源
からの距離によって膜厚にばらつきが発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記の如き従
来の方法では、安定して表示ラインを分離することが難
しく、また、基板面内で均一に膜を形成することも容易
ではない。小型のディスプレイを製造することは可能で
はあるものの、例えば10インチクラス以上の中型や大
型の基板に対して適用するためには、基板を蒸着源から
十分に距離を離さなければならなくなり、装置の大きさ
が実用的なものではなくなる。
【0010】仮りにそうした大型成膜装置が製造できた
としても、基板に到達しない有機EL材料の量すなわち
無駄になる有機EL材料が非常に多くなり、コスト高の
大きな要因となる。
【0011】基板に均一に薄膜を蒸着するためには、一
般に基板を回転させる方法や複数の蒸着源を用いる方法
が考えられ、また実際に半導体デバイス製造工程や液晶
ディスプレイ製造工程では取り入れられているが、この
ような手法を使用したとき壁を用いる方法では素子分離
ができなくなる。
【0012】更に従来の方法では、連続して保護層を等
方向に成膜しない限り、必ず有機EL膜や仕事関数の小
さい金属電極が露出するために、やはり水分や酸素など
の影響を完全に取り除くことは困難であり、また有機E
L膜の成膜後に有機溶媒や水を使用する工程を有するフ
ォトリソグラフィー工程を行うことも無理なことが明白
である。
【0013】従って本発明では、有機EL材料の蒸着の
仕方によらず素子分離が容易であり、また水分や酸素、
さらに有機溶媒に対して安定な膜を真空を破らずに形成
し、有機EL層や仕事関数の小さな金属を完全に覆うこ
とが可能であるために高い信頼性を有する有機EL表示
装置の製造と、有機EL表示装置の基板の大型化を可能
とする製造方法の提供を目的とするものである。
【0014】さらに本発明では、このような製造方法に
より製造された有機EL表示装置の提供を目的とするも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、図1(A)に示す如く、まず絶縁性を
有する基板1上に第1の電極2、例えばITO(酸化イ
ンジューム・スズ)を成膜後、所望の形状にパターニン
グする。次に絶縁膜3、例えばポリイミドとかSiO2
を成膜し、後に有機EL膜と有機EL膜に接する第2の
電極が形成されて発光する部分の上にも成膜された該絶
縁膜を除去する。
【0016】さらに少なくとも一層からなるスペーサー
4となる膜、例えばポリイミドを成膜し、分離したい電
極の間にレジストなどの感光性を有する膜5を形成して
絶縁膜3上の部分をフォトリソグラフィーにより残す。
引き続き、露出したスペーサー膜をエッチング除去し、
このエッチングの際に感光性を有する膜5の下に十分な
長さのアンダーカットを発生させる。これにより感光性
を有する膜5とアンダーカットされたスペーサー4と
を、図1(A)に示す如く、屋根のひさし、帽子あるい
は笠形の構造、一般的に表現すればオーバーハング体に
形成することが出来る。
【0017】この構成により、その後に行われる、図1
(B)に示す如く、発光やキャリア輸送を司る有機EL
膜6及び直接有機EL膜6と接触する第2の電極7を蒸
着するとき、蒸着源と基板の位置関係や膜の均一性を向
上させるための様々な手段によらず、常に素子の分離が
可能になる。このため、有機EL膜6の形成を均一性を
上げることに最重点においた方法、例えば蒸着の場合は
回転方法を選択することが出来る。
【0018】このように有機EL膜6と、これに直接接
触する第2の電極7を成膜したあとで、これら有機EL
膜6と第2の電極7を成膜した方法つまりこれらを蒸着
により成膜した場合は蒸着よりもステップカバレージが
よい方法で、例えばスパッタにより、水分や酸素や有機
溶媒に侵されにくい安定な金属の金属膜8を保護膜とし
て成膜する。この侵されにくい膜は、例えばAlの如き
安定な金属の金属膜又はSiO2 の如き絶縁性の保護膜
又はAlの如き金属膜の上にSiO2 の如き第2の保護
膜9を形成したもので構成することができる。図1
(B)は第3番目の例を示す。
【0019】この保護膜は有機EL膜6と、第2の電極
7の成膜に引き続き真空状態を破らずに持続しながら成
膜することが望ましい。成膜方法としては、例えばスパ
ッタ法、低い真空度で蒸着する方法を採用すればよい。
或いは図2に示す如く、蒸着源10の蒸着方向に対して
基板10を大きく傾けて回転することにより、ステップ
カバレージよく成膜することができる。
【0020】このように成膜することにより、この安定
な金属膜8よりなる保護膜あるいは安定な金属膜8とそ
の上に成膜された第2の保護膜9を、前記アンダーカッ
トの下に潜り込ませて、有機EL膜6や第2の電極7の
端部すらも露出しない、図1(B)に示す如き構成のも
のが得られる。即ち、有機EL構成膜が完全に第1の電
極である透明電極2と絶縁膜3と安定な金属の金属膜8
(更に保護層9)により包み込まれることがわかる。従
って、安定な金属の金属膜8に引出し電極を形成する工
程で使用されるフォトリソグラフィー工程などの水や有
機溶媒を使用する工程にも耐えることができるものとな
る。
【0021】これにより、安定した歩留りで、発光性が
均一で、かつ信頼性が高く、製造工程の柔軟性の増した
フラットパネルの有機ELディスプレイの製造及び装置
の提供が可能になった。
【0022】
【発明の実施の形態】(1)本発明の第1の実施の形態 本発明の第1の実施の形態を図3及び図4に基づき説明
する。図3は本発明の第1の製造状態説明図(その
1)、図4は同じく第1の製造状態説明図(その2)で
あり、画素サイズが0.4mm×0.6mmのドットで
構成された5×8dotsのキャラクター表示エリアが
2行×16列あるタイプのドットマトリックス・ディス
プレイを製造した例を示す。
【0023】本発明の第1の実施の形態では、有機EL
ディスプレイを形成する基板としてアモルファス・シリ
コン(a−si)太陽電池やSTN(super tw
isted nematic)液晶ディスプレイ等でも
使用されている安価なソーダガラスを使用し、全面にシ
リカ(SiO2 )・コートした。これは加熱時に溶出し
てくるナトリウムを抑えるとともに、酸やアルカリに弱
いソーダガラスを保護することができ、さらにガラス表
面の平坦性をよくする効果も得るためであり、例えばS
iO2 溶液に浸漬したり、スピン・オン・グラス(SO
G)を使用することによりシリカ・コートできる。
【0024】次にこのシリカ・コートの上に第1の電極
として透明導電膜であるITOをスパッタ法により約1
500Å成膜した。ITOを使用したのは透明導電膜と
しての特性が、他の材料よりも良好であるためである
が、ZnOやSnO2 の透明電極でも、例えば透過率や
抵抗率が使用に際して問題がなければ採用可能である。
またITOを大面積に形成する場合、スパッタ法が均一
性の面で優れているが、特にITOの成膜方法はこれに
限定されるものではない。
【0025】このように、図3(A)に示す如く、基板
1上にシリカ・コート(図示省略)したのち、ITO2
をフォトリソグラフィーの手法により、レジストパター
ンを形成後に不要部分をエッチング除去し、レジストを
剥離し、ITOを所望の電極パターンとする。このとき
図3(A)において拡大図示した如く、ITO2のパタ
ーン端部はテーパー形状であることが望ましい。これは
ITOの段差部で、後に蒸着される有機層や第2の電極
の薄膜の段切れを防止し、歩留まりと寿命を向上させる
ためである。この場合テーパーの角度θは45°以下で
あることが望ましい。なお図3において右側は平面図、
左側はその鎖線部分における断面図である。
【0026】低テーパー角の段差を造り込むこと自体
は、ウエットエッチング、ドライエッチングのいずれの
方法でも可能である。たとえばウエットエッチングは等
方向にエッチングが進むため、オーバーエッチング時間
を多く取りすぎなければ自然に45°程度のテーパー角
が得られる。
【0027】またドライエッチング法でも、レジストの
ドライエッチングによる後退を利用する方法すなわちレ
ジストのテーパー角を転写するようにドライエッチング
・ガスや高周波(RF)投入電力、ガス圧力などのエッ
チング条件を選べば、20°〜30°のテーパー角は容
易に得ることができる。このときのドライエッチングガ
スとしては、塩化水素やヨウ化水素などのハロゲン化水
素ガスや、臭素ガスあるいはメタノールなどが使われ
る。
【0028】次に、ITO2の上に後で形成されるスペ
ーサーをのせるための、図1(A)に示す絶縁膜3とな
る絶縁膜層を成膜する。ここでスペーサーをのせるため
に用いられる膜は絶縁膜であればよい。例えばSi
2 、SiNxなどの無機系の薄膜をスパッタ法や真空
蒸着で成膜する方法、SOGでSiO2 を形成する方
法、レジスト、ポリイミド、アクリル樹脂などを塗布す
る方法等が使用可能である。
【0029】但し、この絶縁膜の下にあるITO2を露
出させる必要があることから、ITO2にダメージを与
えずにパターニングが可能でなければならない。また膜
厚も制限がないが、特に無機系の薄膜を用いる場合は、
製造コストを安くするために薄い方が望ましい。
【0030】この絶縁膜のITO上に形成されるパター
ン端部もテーパー形状になっていることが望ましい。約
60°以下のテーパー角であればよいが、望ましくは4
5°以下がよい。例えばSiO2 を絶縁膜として形成し
た場合には、ウエットエッチングではやはりエッチング
時のオーバーエッチング時間を長く取りすぎなければ4
5°のテーパー角は得られる。より小さなテーパー角に
するためには、これも前記ITO2の場合と同様に、ド
ライエッチング法が適している。ドライエッチングガス
はCF4 +O2 等のフッ化炭素系のガスが一般に使用さ
れる。
【0031】図3(B)では絶縁膜3としてポリイミド
を用いた例を示す。ポリイミドは非感光性の材料を選
び、5%程度の濃度にN−methyl pyrrol
idone(NMP)やγ−ブチロラクトンで希釈した
ものをスピンコート法で塗布し、145℃で1時間プリ
ベークした。その後にポジレジストを塗布し、パターニ
ングして、図3(B)に示すものを得た。
【0032】ポリイミドはレジストの現像液であるte
tra methyl ammonium hydri
de(TMAH)の約2.38%水溶液で、露光された
レジスト部分に引き続き除去された。エタノールでレジ
ストのみを除去し、所望の絶縁膜層が形成される。なお
前記説明は非感光性のポリイミドを使用した場合である
が、感光性のポリイミドを使用することもできる。この
場合にはレジストが不必要になる。
【0033】このようにして得られたポリイミドの絶縁
膜3は、後に使用される薬液に侵されないように約35
0℃で完全に硬化(キュア)させておく。このときに絶
縁膜3が収縮するため、段差はテーパー形状になった。
【0034】ITOの段差形状を先に述べたように制御
しにくい場合は、この工程で形成される絶縁膜がITO
の段差部分も同時に被覆するようにフォト・マスクを設
計しておいてもよい。
【0035】次に引き続き、図1(A)に示すスペーサ
ー4となるスペーサー膜の成膜を行った。スペーサー膜
はその目的から導体でも絶縁体でもよく、また単一層構
成でも多層構成でもよい。しかしながら導体をスペーサ
ー膜に使う場合は、後から成膜される金属がこのスペー
サーを介して隣のラインとの電流ショート或いは電流リ
ークを生ずる可能性があるので、これを防止するため、
アンダーカット量を十分に大きく取る必要がある。
【0036】さらにスペーサー膜のエッチング液がスペ
ーサー膜に接しているITOを侵さない材料を選ぶこと
が必要である。またこのスペーサー膜は、図1(A)に
示したスペーサー4を形成するためのものであるから、
スペーサー4を形成した後に成膜する、図1(B)に示
す有機EL膜6、第2の電極7、安定な金属の金属膜
8、保護膜9などの薄膜を合計した膜厚より厚くする必
要がある。このことから容易に厚く成膜できる材料の方
が望ましい。
【0037】こうした材料の例としてはSOGや樹脂膜
などが挙げられる。金属ではITOのエッチング・バリ
ア膜としてCr、Ti、TiNなどを用い、Alなどの
成膜速度の速い材料を積層構造にすることがよい。勿論
このエッチング・バリアは金属に限る必要はない。
【0038】図3(C)により、ポリイミドをスペーサ
ー膜4′として選択した場合の工程について示す。まず
ポリイミドの濃度を15%に調整したものを膜厚2μm
となるようにスピン・コートし、145℃で1時間プリ
ベークし、スペーサー膜4′を形成した。このスペーサ
ー膜4′の膜厚は、ポリイミドの濃度及びスピンコータ
ーの回転数で制御できる。
【0039】このようにしてスペーサー膜4′を形成し
たあと引続き、ポジレジストを塗布する。このときレジ
ストの膜厚が1μm以上、望ましくは2μm以上になる
ようにレジストの粘度が高いものを選ぶか、スピン・コ
ートの回転数を低くしたりする。
【0040】ポジレジストは比較的脆いためにこのよう
にレジスト膜厚を厚くする方法を採ったが、より堅い膜
をレジストの下に成膜してレジストの支えにすればこの
限りではない。この支えを形成することで、後の工程で
水分を除くための熱処理が可能になるというメリットが
ある。逆に支えを形成しない場合に熱処理を施すとレジ
ストが変形し易くアンダーカットがつぶれてしまう。
【0041】このようにポジレジストを塗布し、所望の
フォト・パターンを形成するため露光し、現像して、図
3(D)に示す如き笠状(一般的にはオーバーハング
体)の感光性樹脂5を形成する。ポジレジストの現像時
に露出してくるポリイミドのスペーサー膜4′もやはり
現像液でポジレジストに引き続き除去され、図3(E)
に示す如きスペーサー4が形成される。
【0042】この現像時間はポジレジストで構成された
笠状の感光性樹脂5の下のポリイミドのスペーサー膜
4′のアンダーカット量で決定される。このアンダーカ
ット量はポリイミドのプリベーク温度と時間にも大きく
影響され、特に温度は基板全面に対して均一になるよう
に制御する必要がある。この実施例ではアンダーカット
が約4μmになるように現像時間を決めた。このように
して図3(E)に示す構造のものが得られる。
【0043】それから有機ELの正孔注入層及び正孔輸
送層として、下記の化学構造式に示すN、N′−ビス
(m−メチルフェニル)−N、N′−ジフェニル−1、
1′−ビフェニル−4、4′−ジアミン(N、N′−b
is(m−methyl phenyl)−N、N′−
diphenyl−1、1′−biphenyl−4、
4′−diamine(以下TPDという)
【0044】
【化1】
【0045】を、発光層兼電子輸送層として、下記の化
学構造式に示すトリス(8−ヒドロキシキノリン)アル
ミニウム(tris(8−hydroxyquinol
ine)aluminium(以下Alq3という)
【0046】
【化2】
【0047】を、第2の電極としてMg/Ag合金(重
量比10:1)をそれぞれ真空を破らずに連続して蒸着
し、図4(A)に示す如き状態のものを形成した。この
とき、有機EL膜6を構成する前記TPDの膜厚は50
0Å、Alq3の膜厚は500Åであり、第2の電極7
を構成するMg/Ag合金の膜厚は2000Åにした。
【0048】本発明においては勿論これに限定されるも
のではなく、正孔注入層、発光層、第2の電極に他の材
料を用いてもよく、正孔注入層、電子輸送層、電子注入
層などをさらに形成して多層構造にしてもよい。以上の
有機層の成膜から第2の電極の成膜までは、発光領域
(表示画面部分)のみにこれらの膜が成膜されるよう
に、蒸着装置の基板ホルダーに設置されているメタルマ
スクを介して蒸着を行った。
【0049】このようにして有機EL膜6及び第2の電
極7を形成したあと、引き続いてスパッタ法で成膜が可
能な真空チャンバーにやはり真空を破らずに基板を搬送
し、スパッタ法で安定な金属であるAlを成膜して、安
定な金属の金属膜8を成膜した。このとき重要な点は有
機EL層を構成する有機EL膜6の成膜方法よりステッ
プカバレッジがよい方法を選択することである。このよ
うにすることにより、図1(B)及び図4(B)に示す
如く、アンダーカット部分にもAl原子が潜り込み、水
分や酸素に弱い有機EL膜6が外気に対して完全に包み
込まれることになる。
【0050】これにより、水分や酸素のみならず、エッ
チングのときに使用される有機溶剤も有機EL膜6から
遮蔽することができるという注目すべきメリットが得ら
れる。従来の構造では、パターン端部などに露出してい
た有機EL膜よりしみ込んだ有機溶剤が有機EL膜全体
を剥離させてしまうために、有機EL膜を成膜した後で
これを有機溶剤に触れさせることはタブーであり、製造
時に使用可能なプロセスが限定されていたが、このよう
な本発明の手法により適用可能な製造プロセスが多様化
することができる。
【0051】本発明では、さらに耐水性、耐有機溶媒性
を向上させるために、図4(B)に示す如く、Alによ
り構成された安定な金属の金属膜8の成膜に引き続き、
SiO2 の如き保護膜9を連続して成膜した方がよいこ
とがわかった。
【0052】この実施例では安定な金属である前記Al
は、スパッタ圧力8×10-3torrで成膜を行った。
スパッタ圧力は可能な限り高い方が望ましい。これはス
パッタ圧力の高い方がAlターゲットより飛散してくる
Al原子がスパッタガスであるアルゴンと衝突して散乱
され易くなり、この結果アンダーカット部の下にAlが
潜り込み易くなり、有機EL膜を充分にカバーするため
である。
【0053】換言すれば、Al原子の平均自由行程が、
ターゲットと基板間の距離よりも短い必要がある。一
方、スパッタ圧力を高くすればターゲットに印加される
電圧の低下とAl原子の散乱のために成膜速度が落ちて
くる。従ってスパッタ圧力は生産性とステップカバレッ
ジとのかね合いで決められる。
【0054】Alにより構成された安定な金属の金属膜
8の成膜方法として前記説明ではスパッタ法を採用した
が、本発明はこれに限定されることなく、蒸着時に不活
性ガスを導入して真空度を下げる方法、プラズマCVD
法、光CVD法等他のステップカバレッジがよい方法で
も同様の効果が得られる。SiO2 の保護膜9について
も同様である。
【0055】ところで第2の電極7と接触している安定
な金属であるAlの金属膜8に制御用のICと接続する
ため、図示省略した取り出し用Al電極パッドを形成し
たとき、この取り出し用Al電極パッドの存在のため表
示面に欠所が生じないようにこの取り出しAl電極パッ
ドの位置を表示素子の側部に位置させるとともに、この
取り出しAl電極パッド下に有機EL素子構成膜が成膜
されないように、また同じく電極パッド上にSiO2
成膜されないように、有機EL素子構成膜及びSiO2
の保護膜の成膜時にはメタルマスクを用いて電極パッド
部分を遮蔽している。これはそれぞれAlと基板との密
着性を良好にするためと、取り出し電極パッド上に絶縁
膜が成膜されることを防ぐための2つを目的としてい
る。SiO 2 については、被覆性の非常に良い成膜方法
であるプラズマCVD法や光CVD法を用いた場合に
は、メタルマスクを用いてもパッド部分に成膜されてし
まうことがある。そうした場合にはフォトリソグラフィ
ーでAl取り出し電極パッド部分に接続孔を開孔すれば
良い。
【0056】ところでSiO2 などの絶縁膜が、最後に
保護膜9として成膜されているときは、仮に感光性樹脂
5よりなるレジストを機械的な圧力でつぶしてもそれぞ
れのラインが絶縁膜である保護膜9により覆われている
ために、絶縁膜が形成されていない取り出しAl電極パ
ッド付近のレジストのみを溶媒で拭き取れば、表示領域
近傍のレジスト上に残った有機EL素子構成膜を特に除
去しなくともそれらを介した回路ショートなどの不良は
発生しない。この場合には、基板全面に残ったこの笠状
のレジストを剥離する工程が省略可能になり、製造コス
ト的により有利になる。
【0057】膜面を物理的な接触や汚染などから保護す
る目的及びより高い信頼性を得るためにガラス基板など
を有機EL膜面側に貼り付ける方が望ましいが、その際
に接着剤の溶剤がレジストである笠状の感光性樹脂を溶
解してしまう場合があり、絶縁膜である保護膜が最後に
形成されていないと隣接する素子間でショートが発生す
る。従って保護用のガラス基板などを有機EL膜面側に
貼り付ける場合には予め笠状の感光性樹脂5上に残った
有機EL素子構成膜やAlを除去した方がよい。これら
の膜はレジストである感光性樹脂或いはスペーサー膜4
を溶解する薬液に浸すことで容易に除去することができ
る。
【0058】即ちエタノールやイソプロピルアルコール
等のアルコール類や、酢酸ブチル、酢酸エチルなどのエ
ステル類、或いはアセトン、キシレン等の適当な有機溶
媒を用いれば感光性樹脂のみを除去して、図4(C)の
状態に形成することが可能である。
【0059】またNMPやγ−ブチロラクトン、あるい
は市販の富士ハント株式会社製の商品番号MS−200
1のようなレジスト剥離液を用いればスペーサー膜と感
光性樹脂の両方を除去することができる。この際に感光
性樹脂上に成膜された薄膜はリフトオフされることにな
る。スペーサー4毎除去する方が感光性樹脂5上の薄膜
はリフトオフされ易く、製造工程的に容易であるといえ
る。
【0060】一方で、図4(C)に示す如く、スペーサ
ー4を残しておいた方がこれが支柱になり、膜面側に保
護用の基板(図示省略)を貼り付けた場合、この基板と
有機EL素子とがスペーサー4の存在により接触しない
ため基板の有機EL素子への物理的な影響を緩和するこ
とができるため、有機EL素子の長寿命化に有利であ
る。
【0061】このように、製造する有機EL表示装置の
使用目的、つまり製造コストが重要なのか、寿命が重要
なのかにより製造工程と有機EL素子構造を選択すれば
よい。
【0062】本発明の実施例では、感光性樹脂のみを除
去して図4(C)に示す如く、スペーサー4を残した。
そして耐水性をさらに向上させるためフッ化炭素重合膜
をプラズマCVD(chemical vapor d
eposition)で、保護膜9の上にさらに形成し
た。なおこのフッ化炭素重合膜は図4では図示省略され
ている。
【0063】ガスはCF4 とCHF3 を使用し、100
mtorrのガス圧で分解させ、基板上の保護膜9の上
に成膜した。プラズマCVDはスパッタ法よりさらに被
覆性が良好なためにスペーサー4上の感光性樹脂5は先
に除去しておかないとリフトオフが困難になる。フォト
リソグラフィーによりAl電極パッドの上に形成された
フッ化炭素重合膜を酵素プラズマで除去し、更にレジス
トを剥離して所望の有機EL表示装置が製造できた。
【0064】このようにして製造された有機ELディス
プレイパネルは耐水性や耐有機溶媒性に優れているのみ
ならず、ラインが一本一本独立して安定な薄膜で完全に
覆われているため、真空保持動作や乾燥窒素中動作をさ
せている有機EL素子と同等の信頼性を持つことが確認
された。
【0065】(2) 本発明の第2の実施の形態 本発明の第2の実施の形態を図5〜図7に基づき説明す
る。図5は本発明の第2の製造状態説明図(その1)、
図6は同じく第2の製造状態説明図(その2)、図7は
同じく第2の製造状態説明図(その3)であり、1画素
のサイズが330μm×110μmで、画素数が320
×240×RGBドットの、カラーフィルターを設け
た、単純マトリクス型ディスプレイを製造した例を示
す。この第2の実施の形態における、前記第1の実施の
形態との相違点は、より高精細になることと、カラーフ
ィルターの形成を予め行うことである。
【0066】また高精細化に伴い、ITO等の透明導電
膜の電気抵抗が問題となるため、ITO等の透明導電膜
と比較して抵抗率が約1/100と低いAlを使用して
一部分をこの透明導電膜と積層にすることで抵抗値を下
げた。但しAlと透明導電膜を直接接触させるとコンタ
クト抵抗が大きいため、その間にTiNあるいはCrな
どを挟む方が良い場合がある。以下本発明の第2の実施
の形態について説明する。
【0067】先ず、ガラス板の如き透明基板(図示省
略)にAlを約1.5μmの膜厚にスパッタし、これと
連続してTiNを約300Åの膜厚にスパッタしてAl
とTiNの積層膜を成膜した。AlとTiNを真空を破
らずに連続して成膜することにより、Al層の表面に自
然酸化膜が形成されるのを防止し、AlとTiNとの接
触が良好になる。Al層は他の元素を含むAl合金を用
いてもよく、むしろ後の熱工程でAlが結晶成長して生
ずる凹凸部分であるヒロックが発生するのを防止するた
めにSc等を含むAl合金の方がより望ましい場合が多
い。
【0068】このようにAlとTiNの積層膜をフォト
リソグラフィーによりパターニングして、図5(A)に
示す如く、Al層11及びこのAl層11上に形成され
たTiN層12を得る。エッチングはドライエッチング
でTiNとAlを同時にエッチングする方がスループッ
トと加工形状がよい。
【0069】ドライエッチングはRIE(Reacti
ve Ion Etching)法を用い、2000W
の投入電力で100mTorrのガス圧で行った。エッ
チングガスはCl2 とBCl3 を用いた。エッチングに
引き続き真空を破らずにアッシング処理を行い、アフタ
ーコロージョンと呼ばれるドライエッチング後のAlの
腐食を防いだ。ここではドライエッチング法によるエッ
チング例を示したが、加工形状が悪くとも深刻な問題に
はならないため、ウエットエッチングでエッチングを行
ってもよい。
【0070】次にカラーフィルターを形成するため、液
晶ディスプレイのカラー化手法として最も一般的な顔料
分散型のカラーフィルターの塗布工程を施した。R、
G、B各色とも1.0〜1.5μmのフィルター膜厚に
なるように塗布条件を決め、またTiN層12の表面を
露出せるように図5(B)に示す如く、赤色カラーフィ
ルター13、緑色カラーフィルター14、青色カラーフ
ィルター15をパターニングした。
【0071】カラーフィルターの塗布工程は赤(R)を
例にとると次のように行った。赤色用カラーフィルター
材を1000rpmで約5秒スピンコートし、100℃
で3分プリベークした。露光機でフォトマスクを位置合
わせし、20mWの紫外光を30秒照射後に約0.1%
濃度のTMAH水溶液で現像した。現像時間は約1分で
あった。この後塗布する別の色のカラーフィルター液に
溶解しないように220℃で1時間キュアし、赤色カラ
ーフィルター13を完成した。他の色、即ち緑色カラー
フィルター14、青色カラーフィルター15は、材料
(顔料)が異なるために、上記の赤色カラーフィルター
13の形成条件と詳細は異なるもののほぼ同様の工程を
順次行えばよい。このようにして図5(B)に示す如
く、赤カラーフィルター13、緑色カラーフィルター1
4、青色カラーフィルター15が形成される。
【0072】ここでは製造が比較的容易であるため、カ
ラーフィルターのみを用いた例について説明したが、蛍
光変換フィルターを用いて緑、赤は色変換を行うことで
出力させて、より高輝度発光にしてもよい。またカラー
フィルターと蛍光変換フィルターとを積層し、輝度低下
の防止と色純度の向上を両立させることも可能である。
【0073】前述の如く、赤色カラーフィルター13、
緑色カラーフィルター14、青色カラーフィルター15
を形成後、これらの上にITOを成膜する面の平坦性を
向上させるため、例えばポリイミドやアクリル樹脂のオ
ーバーコート材を塗布し、TiN層12の表面を露出さ
せるためのパターニングを行い、同様に約220℃で1
時間キュアして、図5(C)に示す如く、オーバーコー
ト層16を得た。
【0074】それから透明導電膜としてITOをスパッ
タ法で約1400Å成膜し、フォトリソグラフィーでレ
ジストパターンを形成した後に希塩酸でエッチングし、
レジストを剥離して、図5(D)に示す如く、ITO1
7を得た。このようにして透明導電膜と低抵抗化のため
に形成したAl配線が接続されたパターンが形成されカ
ラムライン(column line)となる。
【0075】このパターニングしたITO17の上に絶
縁膜としてスパッタ法によりSiO 2 を成膜し、さらに
発光がガラス基板(図示省略)側から見える部分以外に
SiO2 が残るようにパターニングして、図5(E)に
示す如き、SiO2 絶縁膜18を形成した。これにより
Al層11上に形成され、接続されているITO17を
このSiO2 絶縁膜18で覆うことにより、ガラス基板
面から見えない部分での無駄な発光を避けるためであ
る。またこの部分は孔ないし溝にならざるを得ないため
の傾斜した部分に蒸着された発光層等の有機EL膜が薄
くなり、電流リーク経路になり易いことからも、やはり
何等かの絶縁膜を形成することが望ましい。
【0076】ここでは絶縁膜としてSiO2 を用いた
が、求められるのは絶縁性であるから、SiO2 やSi
Nx等の無機系の絶縁膜に限らずに例えばポリイミドや
アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂でもよい。この絶
縁膜をパターニングする際に、同時にスペーサーが形成
される部分にもこの絶縁膜が残るようなマスクパターン
にすることで、スペーサー膜の下に絶縁膜を設ける工程
を省略することが可能である。図6は前記カラーフィル
ター部分の平面図を示し、右端のブロック及び下方のブ
ロックはサイズの説明のため、白地で示してある。1画
素あたり330μm×110μmであり、TiN層及び
Al層は30×30μmの大きさのITOとの接続部C
と10μm幅のラインLである。そして図6の点線部分
の断面図が、図5、図7に説明される部分である。
【0077】図5(E)に示す如く、SiO2 絶縁膜1
8をパターニングした後で、スペーサー膜としてポリイ
ミドを用い、前記図3(C)〜(E)と同様の工程によ
り、図7(A)に示す如く、スペーサー19上にレジス
ト20が笠形(一般的にはオーバーハング体)に形成さ
れた構造のものを得た。
【0078】カラー化のために発光素子は図7(A)の
状態のものに、以下のような材料を成膜することにより
構成した。この実施例では白色発光する有機EL材料を
用いた。
【0079】正孔注入層として、下記の化学構造式に示
す、ポリ(チオフェンー2、5−ジイル)
【0080】
【化3】
【0081】を、100Åの厚さに、正孔輸送層兼黄色
発光層として、前記TDPに下記の化学構造式に示すル
ブレン
【0082】
【化4】
【0083】を1wt%の割合でドープしたものを共蒸
着で500Å成膜して黄色発光有機EL膜21−1を成
膜した。ルブレンの濃度は0.1〜10wt%程度が好
ましく、この濃度で高効率で発光する。濃度は発光色の
色バランスより決定すればよく、この後成膜する青色発
光層の光強度と波長スペクトルにより左右される。
【0084】また青色発光層として、下記の化学構造式
に示す4,4’−ビス〔(1,1,2−トリフェニル)
エテニル〕ビフェニル
【0085】
【化5】
【0086】を500Å、電子輸送層として前記Alg
3を100Åを真空を破らずに連続蒸着して青色発光有
機EL膜21−2を成膜し、さらに第2の電極22とし
てMg/Ag合金(重量比10:1)を2000Å真空
を破らずに連続して蒸着した。この後に前記図4
(B)、(C)と同様に、安定な金属としてのAl膜2
3と、保護膜としてのSiO2 膜24とをスパッタ法で
連続成膜した。
【0087】最後に、剥離液で笠状のレジスト20及び
このレジスト20上に成膜された各薄膜及びスペーサー
19を除去して、図7(B)に示す如く、所望の単純マ
トリクス型有機ELディスプレイが製造された。
【0088】本発明によれば蒸着方法を膜の均一性を重
視した手法にすることが可能になったため、高い歩留ま
りで、発光特性が均一になった。また、本発明によれば
有機EL素子の低い信頼性の原因であった水分や酸素に
弱い材料が一時的でも大気中に露出せざるを得なかった
従来の欠点を、有機EL素子の画素ライン毎に安定な材
料で完全に覆うことにより、信頼性の非常に高いものと
することができた。
【0089】なお上記本発明における数値は例示のもの
であり、本発明は勿論これに限定されるものではない。
【0090】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、ス
ペーサーより幅の大きなオーバーハング体を形成して、
有機EL層を形成することができるので、素子分離が容
易で良好な有機EL表示装置を提供することが出来る。
【0091】請求項2に記載された本発明によれば、オ
ーバーエッチングによりスペーサーより幅の大きいオー
バーハング体を容易に形成することが出来、このオーバ
ーハング体の存在により有機EL層を素子分離が容易に
良好に形成することができる。
【0092】請求項3に記載された本発明によれば、ス
ペーサー上に形成されていたオーバーハング体を除去し
たものとすることが出来るので、有機EL層側に装置全
体を封止する封止膜あるいは封止ガラス板等を容易に設
けることができる。
【0093】請求項4に記載された本発明によれば、請
求項3と同様に、有機EL層側に装置全体を封止する封
止膜あるいは封止板を設けることが容易な有機EL表示
装置を提供することが出来る。
【0094】請求項5に記載された本発明によれば、オ
ーバーハング体のみならずスペーサーを除去したものと
することができるので、封止膜または封止板を接着する
ときの接着剤を、レジスト等を溶解し得る溶剤を含む接
着剤でも使用可能となり、広い種類のものを使用するこ
とが出来る。
【0095】請求項6に記載された本発明によれば、請
求項5と同様に、封止膜または、封止板を接着するとき
の接着剤を広い種類のものが使用可能な有機EL表示装
置を提供することが出来る。
【0096】請求項7に記載された本発明によれば、有
機層や第2の電極よりも被覆性のよい方法で酸素、水
分、有機溶媒に安定な金属または絶縁膜の少なくとも一
方で構成された保護膜を第2の電極上に形成することが
出来るので、非常に信頼性の高い、長寿命な、しかもそ
のあとフォトリソグラフィー工程が可能な有機EL表示
装置を製造することができる。
【0097】請求項8に記載された本発明によれば、請
求項7と同様に、安定した特性の被覆状態のよい保護膜
を第2の電極上に形成することが出来るので、そのあと
フォトリソグラフィー工程が可能な、信頼性の高い、長
寿命な有機EL表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態説明図である。
【図2】回転蒸着説明図である。
【図3】本発明の第1の製造状態説明図(その1)であ
る。
【図4】本発明の第1の製造状態説明図(その2)であ
る。
【図5】本発明の第2の製造状態説明図(その1)であ
る。
【図6】本発明の第2の製造状態説明図(その2)であ
る。
【図7】本発明の第2の製造状態説明図(その3)であ
る。
【図8】一般的な真空蒸着説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ITO 3 絶縁膜 4 スペーサー 4’スペーサー膜 5 感光性樹脂 6 有機EL膜 7 第2の電極 8 金属膜 9 保護膜 10 蒸着源

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極で構成された第1の電極と、 絶縁膜と、 この絶縁膜上に形成されたスペーサーと、 このスペーサー上に形成され、スペーサーより幅の大き
    なオーバーハング体と、 前記スペーサー間に設けられた有機エレクトロ・ルミネ
    ッセンス膜と、 この有機エレクトロ・ルミネッセンス膜上に形成された
    第2の電極と、 この第2の電極をカバーする金属または絶縁膜の少なく
    とも一方で構成された保護膜を具備したことを特徴とす
    る有機エレクトロ・ルミネッセンス表示装置。
  2. 【請求項2】基板上に透明電極で構成された第1の電極
    を形成し、 この第1の電極上に絶縁膜を形成し、 この絶縁膜上に少なくとも一層よりなるスペーサー層を
    形成し、 このスペーサー層上に感光性を有する感光性層を形成
    し、 この感光性層をパターニングすると同時に又はその後に
    前記スペーサー層をエッチング除去してスペーサーを形
    成し、 このエッチング除去に際してこのスペーサー層を感光性
    層のパターンより小さくなるようにオーバーエッチング
    させて感光性のオーバーハング体を形成し、このスペー
    サー間に有機エレクトロ・ルミネッセンス素子を構成す
    る膜を分離形成したことを特徴とする有機エレクトロ・
    ルミネッセンス表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】透明電極で構成された第1の電極と、 絶縁膜と、 この絶縁膜上に形成されたスペーサーと、 このスペーサー間に設けられた有機エレクトロ・ルミネ
    ッセンス膜と、 この有機エレクトロ・ルミネッセンス膜上に形成された
    第2の電極と、 この第2の電極をカバーする金属または絶縁膜の少なく
    とも一方で構成された保護膜を具備したことを特徴とす
    る有機エレクトロ・ルミネッセンス表示装置。
  4. 【請求項4】基板上に透明電極で構成された第1の電極
    を形成し、 この第1の電極上に絶縁膜を形成し、 この絶縁膜上に少なくとも一層よりなるスペーサー層を
    形成し、 このスペーサー層上に感光性を有する感光性層を形成
    し、 この感光性層をパターニングすると同時に又はその後に
    前記スペーサー層をエッチング除去してスペーサーを形
    成し、 このエッチング除去に際してこのスペーサー層を感光性
    層のパターンより小さくなるようにオーバーエッチング
    させて感光性のオーバーハング体を形成し、このスペー
    サー間に有機エレクトロ・ルミネッセンス素子を構成す
    る膜を分離形成し、その後に前記感光性のオーバーハン
    グ体を除去したことを特徴とする有機エレクトロ・ルミ
    ネッセンス表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】透明電極で構成された第1の電極と、 絶縁膜と、 この絶縁膜間に設けられた有機エレクトロ・ルミネッセ
    ンス膜と、 この有機エレクトロ・ルミネッセンス膜上に形成された
    第2の電極と、 この第2の電極をカバーする、金属または絶縁膜の少な
    くとも一方で構成された保護膜を具備したことを特徴と
    する有機エレクトロ・ルミネッセンス表示装置。
  6. 【請求項6】基板上に透明電極で構成された第1の電極
    を形成し、 この第1の電極上に絶縁膜を形成し、 この絶縁膜上に少なくとも一層よりなるスペーサー層を
    形成し、 このスペーサー層上に感光性を有する感光性層を形成
    し、 この感光性層をパターニングすると同時に又はその後に
    前記スペーサー層をエッチング除去してスペーサーを形
    成し、 このエッチング除去に際してこのスペーサー層を感光性
    層のパターンより小さくなるようにオーバーエッチング
    させて感光性のオーバーハング体を形成し、このスペー
    サー間に有機エレクトロ・ルミネッセンス素子を構成す
    る膜を分離形成し、その後に前記感光性のオーバーハン
    グ体及びスペーサーを除去したことを特徴とする有機エ
    レクトロ・ルミネッセンス表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】基板上に透明電極で構成された第1の電極
    を形成し、 この第1の電極上に絶縁膜を形成し、 この絶縁膜上に少なくとも一層よりなるスペーサー層を
    形成し、 このスペーサー層上に感光性を有する感光性層を形成
    し、 この感光性層をパターニングすると同時に又はその後に
    前記スペーサー層をエッチング除去してスペーサーを形
    成し、 このエッチング除去に際してこのスペーサー層を感光性
    層のパターンより小さくなるようにオーバーエッチング
    させて感光性のオーバーハング体を形成し、 このスペーサー間に有機エレクトロ・ルミネッセンス素
    子を構成する膜を形成した後に、有機エレクトロ・ルミ
    ネッセンス素子を構成する有機層又は第2の電極より、
    酸素、水分、有機溶媒に安定な金属又は絶縁膜の少なく
    とも一方で構成された保護層を、前記第2の電極の成膜
    に引き続き形成し、この際に有機層及び第2の電極が全
    く外気に触れないように成膜したことを特徴とする有機
    エレクトロ・ルミネッセンス表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】透明電極で構成された第1の電極と、 絶縁膜と、 この絶縁膜間に設けられた有機エレクトロ・ルミネッセ
    ンス膜と、 この有機エレクトロ・ルミネッセンス膜上に形成された
    第2の電極と、 この第2の電極をカバーする、金属または絶縁膜の少な
    くとも一方で構成され、有機エレクトロ・ルミネッセン
    ス素子を構成する有機層及び第2の電極の形成よりも被
    覆性のよい手法で形成された保護膜をこの第2の電極に
    被覆したことを特徴とする有機エレクトロ・ルミネッセ
    ンス表示装置。
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