JPH0933060A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】スキュー横流ファンによる送風斜め吹出しと送
風騒音とを抑制する。 【解決手段】各翼３３がスキュー翼よりなる横流ファン
３０と，この横流ファン３０の上流側に配設される室内
熱交換器２９と、を具備する。室内熱交換器２９を、横
流ファン３０を囲むように円弧状に形成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はヒートポンプ式空気
調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の空気調和機の室内機の一
例としはて図３に示すものが知られている。この室内機
１は前面パネル２と後板３とにより本体ケースを構成
し、前面パネル２の前面と上面とに吸込グリル２ａ，３
ｂを形成する一方、下面に吹出グリル４を形成してい
る。

【０００３】吹出グリル４はファンケーシング５内の通
風路６を介して各吸込グリル２ａ，２ｂに連通し、この
通風路６には直状の室内熱交換器７と横流ファンよりな
る室内ファン８とを通風方向に沿ってこの順に順次配設
し、室内ファン８の運転により室内空気を吸込グリル２
ａ，２ｂから本体ケース内へ吸い込み、その吸込空気を
室内熱交換器７に通風させて冷風または暖風に熱交換
し、この冷風または暖風を吹出グリル４から室内へ再び
送風して冷房または暖房するようになっている。室内熱
交換器７の下方にはこの室内熱交換器７の外表面で凝結
したドレンを受けるドレンパン９を設けている。

【０００４】室内ファン８は図４に示す横流ファンより
なり、図中左右一対の環状または円板状の端板１０ａ，
１０ｂ間に、その中心軸に対してほぼ平行をなす図中横
長帯状薄板の複数の翼１１を環状に配設して横架固着
し、各翼１１の長手方向を所定ピッチで複数の環状の仕
切板１２により仕切っている。一対の端板の一方、例え
ば１０ａの外面に、図示しないファンモータの回転軸を
接続せしめるボス部１３を形成し、他方の端板１０ｂ外
面には図示しない軸受に回転自在に支承される短軸１４
を突設している。

【０００５】しかし、この室内機１では室内熱交換器７
の各フィン１５が直状であるので、図３中，上下方向の
高さが高くなり、大型化を招いている。

【０００６】そこで、図５で示す従来の室内機１Ａでは
室内熱交換器７Ａの各フィン１５Ａをほぼくの字状に２
段で屈曲させて室内機１全体の高さを低くしている。

【０００７】また、図６で示す従来の室内機１Ｂではさ
らに室内熱交換器７Ｂの各フィン１５Ｂを多段に屈曲さ
せてさらに室内機１全体の高さを低くしている。なお、
図５〜図７中、符号１６は伝熱管である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の各室内機１，１Ａ，１Ｂでは図４で示す室内
ファン８である横流ファンを、ファン性能向上と送風騒
音低減のために図７で示すスキュー横流ファン８Ａに置
換した場合には次の課題が新たに発生する。なお、スキ
ュー横流ファン８Ａは図４で示す横流ファン８の各翼１
１を、図７に示すように回転方向に対して所要角θ傾斜
させてスキュー翼１１Ａに構成したものである。

【０００９】このようなスキュー横流ファン８Ａは、ス
キュー翼１１Ａとノーズとで生じる風切り音の位相がず
れるので、図４で示す横流ファン８に対して、騒音値が
低減できる。

【００１０】しかしながら、スキュー横流ファン８Ａ
は、スキュー翼１１Ａが回転方向に対して所要角θ傾斜
しているので、流入する気流及び流出する気流はスキュ
ー横流ファン８Ａに対して斜めに流入及び流出する。

【００１１】特に、従来の各室内機１，１Ａでは、図７
に示すように、各熱交換器７，７Ａとスキュー横流ファ
ン８Ａとの間隔δが比較的大きいために、この間でスキ
ュー横流ファン８Ａに流入する気流は斜めに流入し、流
出する気流もより斜めとなり、室内機１から吹き出され
る空気は斜め吹出となってしまう。

【００１２】このために、熱交換器７，７Ａの送風斜め
吹出し側の端部１７における送風の流れが悪く、送風流
量が少ないので、熱交換性能が低下する。

【００１３】また、スキュー横流ファン８Ａの送風斜め
吹出し側と反対側の端部１８には図中破線に示すように
送風の剥離が発生して逆流等が発生し易く、サージング
が発生し易いという課題がある。

【００１４】そこで本発明の目的は、室内ファンとして
スキュー横流ファンを使用する場合でも、そのスキュー
横流ファンによる送風の斜め吹出しを抑制して送風性能
を高めることにより熱交換性能を高めることができる空
気調和機を提供することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、各翼
がスキュー翼よりなる横流ファンと，この横流ファンの
上流側に配設される室内熱交換器と、を具備する空気調
和機において、上記室内熱交換器を、上記横流ファンを
囲むように円弧状に形成している。

【００１６】ここでスキュー翼とは複数の翼を捩り等に
より、その回転方向に対して各々所要角傾斜させたもの
であり、円弧状の室内熱交換器はそのフィンを円弧状に
形成したものである。

【００１７】請求項２の発明は、請求項１記載の空気調
和機において、室内熱交換器は前側熱交換器と後側熱交
換器とからなり、これら前側熱交換器と後側熱交換器と
を上記横流ファンを囲むように逆Ｖ字状に配置すると共
に、前側熱交換器のみを円弧状に形成している。

【００１８】請求項３の発明は、請求項１または２記載
の空気調和機において、横流ファンは、スキュー翼の翼
間ピッチを不等ピッチに設定している。

【００１９】スキュー翼の翼間ピッチは、各翼間ピッチ
の全てが異なる場合と、２以上の異なる翼間ピッチを組
合せてもよい。

【００２０】そして、請求項１の発明においては、室内
ファンとして送風性能が高く、かつ低騒音のスキュー横
流ファンを使用しているので、送風性能の向上と回転騒
音の低減とを共に図ることができる。また、この横流フ
ァンを囲むように室内熱交換器を円弧状に湾曲させてい
るので、室内熱交換器の外表面積を減少させずに高さを
低くすることができると共に、室内熱交換器に横流ファ
ンを接近させて、両者の間隔を狭くすることができる。

【００２１】このために、室内熱交換器のフィンによる
整流作用により、横流ファンの斜め吹出しを抑制して送
風流量を増大させることができるうえに、熱交換器の端
部におけるサージングを有効に防止することができる。
その結果、室内熱交換器による熱交換性能を向上させる
ことができる。

【００２２】請求項２の発明においては、請求項１の発
明の作用効果に加えて、円弧状の前側熱交換器と後側熱
交換器とを逆Ｖ字状に配置しているので、その逆Ｖ字の
頂部から下流へ送風される流れが距離的に長い。このた
めに、後側熱交換器は斜めに配置されるが、この逆Ｖ字
状頂部から下流へ流れる風量は、円弧状の前側熱交換器
を通して吸い込まれる風量に比して相対的に少ないの
で、殆ど悪影響を及ぼすことはない。なお、後側熱交換
器を直線状にすることにより、そのドレンをスムーズに
処理することができる。

【００２３】請求項３の発明においては、請求項１また
は２の発明の作用効果に加えて、スキュー横流ファンの
翼間ピッチを不等ピッチにしているので、複数のスキュ
ー翼の傾斜形状により低減せしめた回転音のピーク周波
数を分散させることができる。このために、耳障り感を
低減して聴感を改善することができる。

【００２４】この聴感改善効果は全ての翼間ピッチを不
等ピッチにする場合に最も大きいが、２以上の異なる不
等ピッチの組合せによっても得ることができる。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
と図２に基づいて説明する。なお、図１と図２中、同一
または相当部分には同一符号を付している。

【００２６】図１は本発明の一実施形態の縦断面図であ
り、この図において、空気調和機の室内機２１は有底箱
状の前面パネル２２の背面開口端に後板２３を取り付け
ることにより閉じて本体ケース２４を形成している。

【００２７】前面パネル２２の前面（図１では左側面）
と上面とに吸込グリル２５ａ，２５ｂを開口する一方、
前面パネル２２の下面に吹出グリル２６を開口してい
る。

【００２８】吹出グリル２６は本体ケース２４内に形成
されたファンケーシング２７内の通風路２８を介して前
面と上面の吸込グリル２５ａ，２５ｂに連通し、通風路
２８内には室内熱交換器２９とスキュー横流ファンより
なる室内ファン３０とを通風方向上流側から下流側に沿
って配設している。室内熱交換器２９は図示しない室外
機内に内蔵される室外熱交換器に冷媒配管により接続さ
れる。

【００２９】室内ファン３０は図２に示すように左右一
対の端板３１，３２間に、横断面形状が円弧状の複数の
翼３３を同心状に環状に配設すると共に、所定角度傾斜
させて横架固着しており、各翼３３の軸方向中間部には
環状（リング状）の仕切板３４を軸方向に所要のピッチ
で複数配設しており、ファン軸Ｏ周りに回転することに
より隣り合う翼３３同士間の間隙から遠心方向外方へ送
風するようになっている。

【００３０】一方の端板、例えば３１の外面に、図示し
ないファンモータの回転軸を結合させるボス部３５を突
設する一方、他方の端板３２の外面に図示しない軸受に
回転自在に支承される短軸３６を突設している。

【００３１】各翼３３はその横断面形状が回転方向に対
して前向きに傾斜する円弧状をなし、その回転方向前縁
が回転方向へファン軸Ｏに対して所定角度直線的に傾斜
するようにモールド成形等により一体に形成されてい
る。

【００３２】そして、各翼３３の周方向の翼間ピッチＰ
ａ，Ｐｂ，Ｐｃ…Ｐｎを不等ピッチに設定している。こ
れら翼間ピッチＰａ〜Ｐｎは全て異にしてもよく（Ｐａ
≠Ｐｂ≠Ｐｃ≠Ｐｎ）、または２以上の異なる翼間ピッ
チを組み合せても良い。

【００３３】そして、室内熱交換器２９は、前面吸込グ
リル２５ａの背後に位置する円弧状の前側熱交換器３７
と、上面吸込グリル２５ｂの下部に位置する直状の後側
熱交換器３８とを、スキュー横流ファン３０を取り囲む
ように逆Ｖ字状に配設している。したがって、前，後側
熱交換器３７，３８とスキュー横流ファン３０との間隔
δを小さくすることができる。また、前，後側熱交換器
３７，３８の伝熱管３９同士を液密に連結している。伝
熱管３９は蛇管状に形成され、その入口，出口両端は図
示しない冷媒配管に接続されて冷媒を通すようになって
いる。

【００３４】前側熱交換器３７は多数の円弧状のフィン
３７ａを複数の伝熱管３９同士間にて、その軸方向、つ
まり図１の紙面の表裏方向に所定のピッチを置いて並設
しており、これらフィン３７ａ同士間の間隙に室内空気
を通風させることにより伝熱管３９内を通る冷媒と熱交
換させるようになっている。円弧状の各フィン３７ａは
１枚の帯状薄板を円弧状に形成することにより形成され
ている。したがって、この円弧状フィン３７ａは図６で
示す従来の多段階で折曲したフィン１５Ｂに比して折曲
箇所が少ない分だけ、送風抵抗を低減し、整流作用を高
めることができる。

【００３５】一方、後側熱交換器３８はほぼ直状の帯状
薄板の多数のフィン３８を伝熱管３９同士間にて、その
軸方向、つまり、図１の紙面の表裏方向に所定のピッチ
で並設している。

【００３６】したがって、スキュー横流ファンの室内フ
ァン３０が回転すると、図１中矢印に示すように室内空
気が前面，上面吸込グリル２５ａ，２５ｂを通って本体
ケース２４内へ吸い込まれ、前，後側熱交換器３７，３
８を通風する際に、温風または冷風に熱交換されてか
ら、吹出グリル２６から室内へ再び吹き出され、暖房ま
たは冷房される。

【００３７】そして、円弧状の前側熱交換器３７と直状
の後側熱交換器３８によりスキュー横流ファンである室
内ファン３０を囲んでいるので、これら前，後側熱交換
器３７，３８と室内ファン３０との間隔δを小さくする
ことができるので、これら熱交換器３７，３８の各フィ
ン３７ａ，３８ａの整流作用が発揮される。すなわち、
熱交換器３７，３８から流出する空気は各フィン３７
ａ，３８ａを通過することによって、直線方向への慣性
が生じるため、熱交換器３７，３８と室内ファン３０と
の間隔δが短ければ、直線方向への慣性が生じたまま室
内ファン３０へ流入することになる。このため、流出す
る気体についても斜めに流出することをある程度抑制で
き、スキュー横流ファン３０特有の送風斜め吹出しを抑
制することができるので、各熱交換器３７，３８の端部
における送風量の減少と、スキュー横流ファン３０の端
部におけるサージングとを共に抑制することができる。
したがって、室内ファン３０の送風性能を増大すること
ができるので、室内熱交換器２９での熱交換性能を高め
ることができる。

【００３８】また、逆Ｖ字状に配設された前，後側熱交
換器３７，３８の逆Ｖ字の頂点部Ｘから下流へ流れる距
離が長いので、直状の後側熱交換器３８を下流側に向け
て下がるように傾斜させて配置しているが、この頂点部
Ｘよりも下流側で吸い込まれる風量は円弧状の前側熱交
換器３７から吸い込まれる風量に対して相対的に少ない
ので、全体の送風に殆ど影響を及ぼさない。なお、後側
熱交換器３８を直状にすることにより、そのドレンをス
ムーズに処理することができる。

【００３９】さらに、室内ファン３０のスキュー横流フ
ァンの翼間ピッチを不等ピッチにしているので、回転時
の各翼３３回りの圧力変動を連続させることができる。
このために、回転騒音を低減することができる。

【００４０】また、円弧フィン３７ａは図６で示す従来
の多段階折曲フィン１５Ｂに比して折曲箇所が殆どない
ので、送風抵抗を低減すると共に整流作用を高めること
ができる。これによっても送風騒音を一段と低減するこ
とができる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
おいては、室内ファンとして送風性能が高く、かつ低騒
音のスキュー横流ファンを使用しているので、送風性能
の向上と回転騒音の低減とを共に図ることができる。ま
た、この横流ファンを囲むように室内熱交換器を円弧状
に湾曲させているので、室内熱交換器の外表面積を減少
させずに高さを低くすることができると共に、室内熱交
換器に横流ファンを接近させて、両者の間隔を狭くする
ことができる。

【００４２】このために、室内熱交換器のフィンによる
整流作用により、横流ファンの斜め吹出しを抑制して送
風流量を増大させることができるうえに、熱交換器の端
部におけるサージングを有効に防止することができる。
その結果、室内熱交換器による熱交換性能を向上させる
ことができる。

【００４３】請求項２の発明においては、請求項１の発
明の作用効果に加えて、円弧状の前側熱交換器と後側熱
交換器とを逆Ｖ字状に配置しているので、その逆Ｖ字の
頂部から下流へ送風される流れが距離的に長い。このた
めに、後側熱交換器は斜めに配置されるが、この逆Ｖ字
状頂部から下流へ流れる風量は、円弧状の前側熱交換器
を通して吸い込まれる風量に比して相対的に少ないの
で、殆ど悪影響を及ぼすことはない。なお、後側熱交換
器を直線状にすることにより、そのドレンをスムーズに
処理することができる。

【００４４】請求項３の発明においては、請求項１また
は２の発明の作用効果に加えて、スキュー横流ファンの
翼間ピッチを不等ピッチにしているので、複数のスキュ
ー翼の傾斜形状により低減せしめた回転音のピーク周波
数を分散させることができる。このために、耳障り感を
低減して聴感を改善することができる。

【００４５】この聴感改善効果は全ての翼間ピッチを不
等ピッチにする場合に最も大きいが、２以上の異なる不
等ピッチの組合せによっても得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内機
の側断面図。

【図２】図１で示す室内ファンであるスキュー横流ファ
ンの斜視図。

【図３】従来の室内機の側断面図。

【図４】図３で示す室内ファンの斜視図。

【図５】従来の他の室内機の側断面図。

【図６】従来のさらに他の室内機の側断面図。

【図７】従来例の送風作用を示す図。

【符号の説明】

２１ 室内機 ２２ 前面パネル ２３ 後板 ２４ 本体ケース ２５ａ 前面吸込グリル ２５ｂ 上面吸込グリル ２６ 吹出グリル ２７ ファンケーシング ２８ 通風路 ２９ 室内熱交換器 ３０ 室内ファン（スキュー横流ファン） ３３ 翼 ３７ 前側熱交換器 ３７ａ 前側熱交換器の円弧状フィン ３８ 後側熱交換器 ３８ａ 後側熱交換器の直状フィン ３９ 伝熱管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各翼がスキュー翼よりなる横流ファン
   と，この横流ファンの上流側に配設される室内熱交換器
   と、を具備する空気調和機において、 上記室内熱交換器を、上記横流ファンを囲むように円弧
   状に形成していることを特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】 請求項１記載の空気調和機において、室
   内熱交換器は前側熱交換器と後側熱交換器とからなり、
   これら前側熱交換器と後側熱交換器とを上記横流ファン
   を囲むように逆Ｖ字状に配置すると共に、前側熱交換器
   のみを円弧状に形成していることを特徴とする空気調和
   機。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の空気調和機にお
   いて、横流ファンは、スキュー翼の翼間ピッチを不等ピ
   ッチに設定していることを特徴とする空気調和機。