JPH09329329A - 燃焼機器の破損検知方法及び破損検知装置 - Google Patents
燃焼機器の破損検知方法及び破損検知装置Info
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- JPH09329329A JPH09329329A JP16833596A JP16833596A JPH09329329A JP H09329329 A JPH09329329 A JP H09329329A JP 16833596 A JP16833596 A JP 16833596A JP 16833596 A JP16833596 A JP 16833596A JP H09329329 A JPH09329329 A JP H09329329A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 燃焼機器の熱交換器や燃焼室に生じた亀裂、
穴開き等の破損を確実に検知して、火災事故等の発生を
未然に防止することができる燃焼機器の破損検知方法
と、この方法を利用した破損検知装置を提供すること。 【解決手段】 燃焼機器の始動時または停止時に発生す
る未燃焼の燃料ガスをガスセンサで検知することにより
燃焼機器の破損を検知することを特徴とする燃焼機器の
破損検知方法。上記の検知方法を利用した検知装置であ
って、該検知装置は、ガスセンサと、ガスセンサが異常
信号を発したときに燃焼機器の燃焼を停止させる燃焼制
御手段、及び必要に応じて異常を報知する警報発生手段
と、これらを作動させるための回路とから構成されてい
ることを特徴とする燃焼機器の破損検知装置。
穴開き等の破損を確実に検知して、火災事故等の発生を
未然に防止することができる燃焼機器の破損検知方法
と、この方法を利用した破損検知装置を提供すること。 【解決手段】 燃焼機器の始動時または停止時に発生す
る未燃焼の燃料ガスをガスセンサで検知することにより
燃焼機器の破損を検知することを特徴とする燃焼機器の
破損検知方法。上記の検知方法を利用した検知装置であ
って、該検知装置は、ガスセンサと、ガスセンサが異常
信号を発したときに燃焼機器の燃焼を停止させる燃焼制
御手段、及び必要に応じて異常を報知する警報発生手段
と、これらを作動させるための回路とから構成されてい
ることを特徴とする燃焼機器の破損検知装置。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス給湯器、ファ
ンヒータ等の燃焼機器の熱交換器や燃焼室に生じた亀
裂、穴開き等の破損をガスセンサで検知する方法と、こ
の検知方法を利用した検知装置に関するものである。
ンヒータ等の燃焼機器の熱交換器や燃焼室に生じた亀
裂、穴開き等の破損をガスセンサで検知する方法と、こ
の検知方法を利用した検知装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ガス給湯器、ファンヒータ等の燃焼機器
においては、冷熱繰り返しによる熱疲労や腐食などが原
因となって熱交換器や燃焼室に亀裂、穴開き等が生じ、
該破損部から高温の炎や燃焼ガスが漏出して火災事故を
引き起こす恐れがあり危険である。このような問題に対
する対策として、例えば、特開平５−３９９２１号公報
には、燃焼機器に温度検出手段や湿度検出手段を取り付
け、これらが火炎による温度上昇や燃焼ガス中の水分に
よる湿度上昇を検出して異常を表示する方法が提案され
ている。
においては、冷熱繰り返しによる熱疲労や腐食などが原
因となって熱交換器や燃焼室に亀裂、穴開き等が生じ、
該破損部から高温の炎や燃焼ガスが漏出して火災事故を
引き起こす恐れがあり危険である。このような問題に対
する対策として、例えば、特開平５−３９９２１号公報
には、燃焼機器に温度検出手段や湿度検出手段を取り付
け、これらが火炎による温度上昇や燃焼ガス中の水分に
よる湿度上昇を検出して異常を表示する方法が提案され
ている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼ガ
ス中の湿度を検出する方法の場合は、天候の変化（温湿
度の変動）による誤動作が懸念される。また、温度上昇
を検出する方法の場合は、極初期段階における破損を検
出することが困難である。つまり、熱交換器や燃焼室に
僅かな亀裂が生じ、該破損部から極少量の火炎や燃焼ガ
スしか漏出しない場合には、これを検知することが困難
である。更に、温度上昇を検出する方法の場合、充分な
検知性能を持たせるために、複数個の温度センサや温度
ヒューズを熱交換器や燃焼室の周囲に散在させたり、長
尺の線状温度ヒューズを熱交換器や燃焼室の周囲にまん
べんなく巻き付ける必要があるが、この場合には部品点
数が増大するとともに、取り付け作業の作業性も低下す
るため、燃焼機器の製造コストが上昇してしまう。
ス中の湿度を検出する方法の場合は、天候の変化（温湿
度の変動）による誤動作が懸念される。また、温度上昇
を検出する方法の場合は、極初期段階における破損を検
出することが困難である。つまり、熱交換器や燃焼室に
僅かな亀裂が生じ、該破損部から極少量の火炎や燃焼ガ
スしか漏出しない場合には、これを検知することが困難
である。更に、温度上昇を検出する方法の場合、充分な
検知性能を持たせるために、複数個の温度センサや温度
ヒューズを熱交換器や燃焼室の周囲に散在させたり、長
尺の線状温度ヒューズを熱交換器や燃焼室の周囲にまん
べんなく巻き付ける必要があるが、この場合には部品点
数が増大するとともに、取り付け作業の作業性も低下す
るため、燃焼機器の製造コストが上昇してしまう。
【０００４】本発明はこのような点に基づいてなされた
もので、燃焼機器の熱交換器や燃焼室に生じた亀裂、穴
開き等の破損を確実に検知して、火災事故等の発生を未
然に防止することができる燃焼機器の破損検知方法と、
この検知方法を利用した破損検知装置を提供することを
目的としている。
もので、燃焼機器の熱交換器や燃焼室に生じた亀裂、穴
開き等の破損を確実に検知して、火災事故等の発生を未
然に防止することができる燃焼機器の破損検知方法と、
この検知方法を利用した破損検知装置を提供することを
目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者は、燃焼機器の熱交換器や燃焼室に生じた
破損をガスセンサで検知する方法について、燃焼ガスの
種類、ガスセンサの種類、ガスセンサの示す出力値など
を考慮しつつ鋭意検討を重ねた結果、燃焼機器の始動時
または停止時に発生する燃焼ガス中には、未燃焼の燃料
ガスが多量に含まれており、この未燃焼の燃料ガスに対
しては、従来公知のガスセンサがいずれも高い出力を示
すことを見い出した。本発明者は、この知見に基づいて
本発明を完成したのである。
めに本発明者は、燃焼機器の熱交換器や燃焼室に生じた
破損をガスセンサで検知する方法について、燃焼ガスの
種類、ガスセンサの種類、ガスセンサの示す出力値など
を考慮しつつ鋭意検討を重ねた結果、燃焼機器の始動時
または停止時に発生する燃焼ガス中には、未燃焼の燃料
ガスが多量に含まれており、この未燃焼の燃料ガスに対
しては、従来公知のガスセンサがいずれも高い出力を示
すことを見い出した。本発明者は、この知見に基づいて
本発明を完成したのである。
【０００６】即ち、本発明による燃焼機器の破損検知方
法は、燃焼機器の始動時または停止時に発生する未燃焼
の燃料ガスをガスセンサで検知することにより燃焼機器
の破損を検知することを特徴とするものである。この
際、ガスセンサとして、半導体式ガスセンサを使用する
ことが考えられる。
法は、燃焼機器の始動時または停止時に発生する未燃焼
の燃料ガスをガスセンサで検知することにより燃焼機器
の破損を検知することを特徴とするものである。この
際、ガスセンサとして、半導体式ガスセンサを使用する
ことが考えられる。
【０００７】また、本発明による燃焼機器の破損検知装
置は、上記の検知方法を利用した検知装置であって、該
検知装置は、ガスセンサと、ガスセンサが異常信号を発
したときに燃焼機器の燃焼を停止させる燃焼制御手段、
及び必要に応じて異常を報知する警報発生手段と、これ
らを作動させるための回路とから構成されていることを
特徴とするものである。
置は、上記の検知方法を利用した検知装置であって、該
検知装置は、ガスセンサと、ガスセンサが異常信号を発
したときに燃焼機器の燃焼を停止させる燃焼制御手段、
及び必要に応じて異常を報知する警報発生手段と、これ
らを作動させるための回路とから構成されていることを
特徴とするものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】ガスセンサとしては、半導体式ガ
スセンサ、接触燃焼式ガスセンサ、固体電解質方式ガス
センサなど従来公知の様々な構成のガスセンサを使用す
ることが可能であるが、安価でメンテナンスが容易な半
導体式ガスセンサを使用することが好ましい。
スセンサ、接触燃焼式ガスセンサ、固体電解質方式ガス
センサなど従来公知の様々な構成のガスセンサを使用す
ることが可能であるが、安価でメンテナンスが容易な半
導体式ガスセンサを使用することが好ましい。
【０００９】半導体式ガスセンサとしては、酸化スズ、
酸化インジウム、酸化タングステン等の金属酸化物半導
体を主成分とするガス感応体と、金、白金、パラジウ
ム、ルテニウム等の金属触媒とからなるもの（触媒増感
型半導体式ガスセンサ）などが公知であるので、それら
の中から、燃焼機器に使用されている燃料ガスに対して
高い出力を示す構成のものを適宜に選択する。例えば、
燃料ガスとして都市ガスを使用している燃焼機器の場合
は水素ガス、燃料ガスとしてＬＰＧや灯油を使用してい
る燃焼機器の場合は炭化水素ガスに対して、それぞれ高
い出力を示す構成のものを選択すれば良い。水素ガスに
対して高い出力を示すガスセンサの一例としては、例え
ば、特開平３−２５９７３６号公報、特開平６−１４８
１１２号公報に開示されたものなどが挙げられる。
酸化インジウム、酸化タングステン等の金属酸化物半導
体を主成分とするガス感応体と、金、白金、パラジウ
ム、ルテニウム等の金属触媒とからなるもの（触媒増感
型半導体式ガスセンサ）などが公知であるので、それら
の中から、燃焼機器に使用されている燃料ガスに対して
高い出力を示す構成のものを適宜に選択する。例えば、
燃料ガスとして都市ガスを使用している燃焼機器の場合
は水素ガス、燃料ガスとしてＬＰＧや灯油を使用してい
る燃焼機器の場合は炭化水素ガスに対して、それぞれ高
い出力を示す構成のものを選択すれば良い。水素ガスに
対して高い出力を示すガスセンサの一例としては、例え
ば、特開平３−２５９７３６号公報、特開平６−１４８
１１２号公報に開示されたものなどが挙げられる。
【００１０】ガスセンサの設置場所は、燃焼機器の構造
などを考慮して適宜に選択すれば良く特に限定されな
い。燃焼機器がガス給湯器などである場合は、例えば、
熱交換器及び燃焼室を囲む保護ケースの内壁などに設置
することが考えられる。また、燃焼機器がファンヒータ
などである場合は、燃焼室を囲む保護ケースの内壁や、
室内への暖気導入経路中に設置することが考えられる。
ガスセンサをいずれの位置に設置した場合であっても、
熱交換器や燃焼室から漏出するガスは広範囲に拡散する
ため、ガスセンサはこれを確実に検知することができ
る。従って、従来のように複数個の検出手段（温度ヒュ
ーズ等の温度検出手段）を散在させたりする必要がなく
なる。
などを考慮して適宜に選択すれば良く特に限定されな
い。燃焼機器がガス給湯器などである場合は、例えば、
熱交換器及び燃焼室を囲む保護ケースの内壁などに設置
することが考えられる。また、燃焼機器がファンヒータ
などである場合は、燃焼室を囲む保護ケースの内壁や、
室内への暖気導入経路中に設置することが考えられる。
ガスセンサをいずれの位置に設置した場合であっても、
熱交換器や燃焼室から漏出するガスは広範囲に拡散する
ため、ガスセンサはこれを確実に検知することができ
る。従って、従来のように複数個の検出手段（温度ヒュ
ーズ等の温度検出手段）を散在させたりする必要がなく
なる。
【００１１】燃焼制御手段とは、上記構成のガスセンサ
が未燃焼の燃料ガスと接触して異常信号を発したとき
に、燃焼機器への燃料の供給を停止して燃焼を制御する
電磁弁などのことである。警報発生手段とは、上記構成
のガスセンサが未燃焼の燃料ガスと接触して異常信号を
発したときに、必要に応じて光や音により異常を報知す
る警報ランプ、警報ブザーなどのことである。回路は、
ガスセンサ、燃焼制御手段及び警報発生手段を作動制御
するための回路である。
が未燃焼の燃料ガスと接触して異常信号を発したとき
に、燃焼機器への燃料の供給を停止して燃焼を制御する
電磁弁などのことである。警報発生手段とは、上記構成
のガスセンサが未燃焼の燃料ガスと接触して異常信号を
発したときに、必要に応じて光や音により異常を報知す
る警報ランプ、警報ブザーなどのことである。回路は、
ガスセンサ、燃焼制御手段及び警報発生手段を作動制御
するための回路である。
【００１２】本発明の破損検知方法及び破損検知装置
は、例えば、ガス給湯器、ファンヒータ等、熱交換器や
燃焼室を備えた各種の燃焼機器に適用することが可能で
ある。尚、熱交換器としては、ヒートパイプ型、二層管
型、積層型など種々のタイプのものがあるが、いずれに
も本発明を適用することができる。
は、例えば、ガス給湯器、ファンヒータ等、熱交換器や
燃焼室を備えた各種の燃焼機器に適用することが可能で
ある。尚、熱交換器としては、ヒートパイプ型、二層管
型、積層型など種々のタイプのものがあるが、いずれに
も本発明を適用することができる。
【００１３】
【実施例】以下、本発明をガス給湯器に適用した場合の
例を図面を参照しながら説明する。図１は、本発明にか
かる破損検知装置を組み込んだガス給湯器の構成を示す
図である。図１において、符号１はガス給湯器の燃焼室
であり、下部にはガスバーナー２、上部には熱交換器３
を備えている。符号４はこれらを囲む保護ケースであ
り、その内壁に半導体式ガスセンサ５が設置されてい
る。符号６は、ガスバーナー２への燃料ガスの供給を制
御する電磁弁（燃焼制御手段）、符号７は異常時にラン
プを点滅させる警報ランプ（警報発生手段）、符号８
は、半導体式ガスセンサ５、電磁弁６及び警報ランプ７
を作動制御するための回路である。
例を図面を参照しながら説明する。図１は、本発明にか
かる破損検知装置を組み込んだガス給湯器の構成を示す
図である。図１において、符号１はガス給湯器の燃焼室
であり、下部にはガスバーナー２、上部には熱交換器３
を備えている。符号４はこれらを囲む保護ケースであ
り、その内壁に半導体式ガスセンサ５が設置されてい
る。符号６は、ガスバーナー２への燃料ガスの供給を制
御する電磁弁（燃焼制御手段）、符号７は異常時にラン
プを点滅させる警報ランプ（警報発生手段）、符号８
は、半導体式ガスセンサ５、電磁弁６及び警報ランプ７
を作動制御するための回路である。
【００１４】ガス給湯器の始動時（着火時）には、電磁
弁６が開いてガスバーナー２への燃料ガスの供給が開始
される。このとき、燃焼ガス中に含まれる未燃焼の燃料
ガスの濃度が高くなる。万一、燃焼室１または熱交換器
３に亀裂や穴開き等の破損が生じており、該破損部から
未燃焼の燃料ガスが保護ケース４側に漏出すると、半導
体式ガスセンサ５は未燃焼燃料ガスと接触して電気抵抗
値が変化する。このとき、半導体式ガスセンサ５の電気
抵抗値の変化（出力）が予め設定した値を超えると、回
路８が作動し、電磁弁６が閉じてガスバーナー２への燃
料ガスの供給が停止されるとともに、警報ランプ７が点
滅して異常を報知する。
弁６が開いてガスバーナー２への燃料ガスの供給が開始
される。このとき、燃焼ガス中に含まれる未燃焼の燃料
ガスの濃度が高くなる。万一、燃焼室１または熱交換器
３に亀裂や穴開き等の破損が生じており、該破損部から
未燃焼の燃料ガスが保護ケース４側に漏出すると、半導
体式ガスセンサ５は未燃焼燃料ガスと接触して電気抵抗
値が変化する。このとき、半導体式ガスセンサ５の電気
抵抗値の変化（出力）が予め設定した値を超えると、回
路８が作動し、電磁弁６が閉じてガスバーナー２への燃
料ガスの供給が停止されるとともに、警報ランプ７が点
滅して異常を報知する。
【００１５】ガス給湯器の停止時（消火時）には、電磁
弁６が閉じてガスバーナー２への燃料ガスの供給が停止
される。このとき、燃焼ガス中に含まれる未燃焼の燃料
ガスの濃度が高くなる。万一、燃焼室１または熱交換器
３に亀裂や穴開き等の破損が生じており、該破損部から
未燃焼の燃料ガスが保護ケース４側に漏出すると、半導
体式ガスセンサ５は未燃焼燃料ガスと接触して電気抵抗
値が変化する。このとき、半導体式ガスセンサ５の電気
抵抗値の変化（出力）が予め設定した値を超えると、回
路８が作動し、電磁弁６の閉じた状態は維持されたま
ま、警報ランプ７が点滅して異常を報知する。
弁６が閉じてガスバーナー２への燃料ガスの供給が停止
される。このとき、燃焼ガス中に含まれる未燃焼の燃料
ガスの濃度が高くなる。万一、燃焼室１または熱交換器
３に亀裂や穴開き等の破損が生じており、該破損部から
未燃焼の燃料ガスが保護ケース４側に漏出すると、半導
体式ガスセンサ５は未燃焼燃料ガスと接触して電気抵抗
値が変化する。このとき、半導体式ガスセンサ５の電気
抵抗値の変化（出力）が予め設定した値を超えると、回
路８が作動し、電磁弁６の閉じた状態は維持されたま
ま、警報ランプ７が点滅して異常を報知する。
【００１６】図２は、燃焼室１に直径５ｍｍの穴を開け
た状態でガス給湯器を作動させた場合の、半導体式ガス
センサ５の電気抵抗値の変化を示したグラフである。本
実施例では、半導体式ガスセンサ５として、酸化スズを
主成分とするガス感応体を備えた薄膜状の半導体式ガス
センサを使用した。また、燃料ガスとしてはＬＰＧを使
用した。
た状態でガス給湯器を作動させた場合の、半導体式ガス
センサ５の電気抵抗値の変化を示したグラフである。本
実施例では、半導体式ガスセンサ５として、酸化スズを
主成分とするガス感応体を備えた薄膜状の半導体式ガス
センサを使用した。また、燃料ガスとしてはＬＰＧを使
用した。
【００１７】このグラフからも明らかなように、ガスバ
ーナー２を燃焼させると、直ぐに半導体式ガスセンサ５
の電気抵抗値が１５０ｋΩから１００ｋΩまで低下し
た。５分経過後、ガスバーナー２の燃焼を停止させる
と、電気抵抗値が１４０ｋΩから１００ｋΩまで再び低
下した。つまり、この実施例で使用した半導体式ガスセ
ンサ５は、ガス給湯器の作動時に発生する燃焼ガス（二
酸化炭素ガス）に対してはほとんど出力を示さないもの
の、ガス給湯器の始動時または停止時に発生する未燃焼
の燃料ガス（炭化水素ガス）に対しては極めて高い出力
を示すことが判る。
ーナー２を燃焼させると、直ぐに半導体式ガスセンサ５
の電気抵抗値が１５０ｋΩから１００ｋΩまで低下し
た。５分経過後、ガスバーナー２の燃焼を停止させる
と、電気抵抗値が１４０ｋΩから１００ｋΩまで再び低
下した。つまり、この実施例で使用した半導体式ガスセ
ンサ５は、ガス給湯器の作動時に発生する燃焼ガス（二
酸化炭素ガス）に対してはほとんど出力を示さないもの
の、ガス給湯器の始動時または停止時に発生する未燃焼
の燃料ガス（炭化水素ガス）に対しては極めて高い出力
を示すことが判る。
【００１８】図３は、半導体式ガスセンサの電気抵抗値
の変化を出力電圧として取り出すための検知回路図であ
る。図３において、符号Ｓは半導体式ガスセンサ、符号
Ｈはヒータ、符号Ｖｃは回路電圧、符号Ｖｒは負荷抵抗
である。半導体式ガスセンサＳと負荷抵抗Ｖｒは直列に
接続されており、この負荷抵抗Ｖｒの両端の電位差が出
力電圧Ｖｏｕｔとして取り出されている。半導体式ガス
センサＳの抵抗値をＲｓとすると、出力電圧Ｖｏｕｔは
次式で表すことができる。 Ｖｏｕｔ＝Ｖｃ・Ｖｒ／（Ｒｓ＋Ｖｒ）
の変化を出力電圧として取り出すための検知回路図であ
る。図３において、符号Ｓは半導体式ガスセンサ、符号
Ｈはヒータ、符号Ｖｃは回路電圧、符号Ｖｒは負荷抵抗
である。半導体式ガスセンサＳと負荷抵抗Ｖｒは直列に
接続されており、この負荷抵抗Ｖｒの両端の電位差が出
力電圧Ｖｏｕｔとして取り出されている。半導体式ガス
センサＳの抵抗値をＲｓとすると、出力電圧Ｖｏｕｔは
次式で表すことができる。 Ｖｏｕｔ＝Ｖｃ・Ｖｒ／（Ｒｓ＋Ｖｒ）
【００１９】図４は、図３に示した検知回路から取り出
される出力電圧Ｖｏｕｔを用いた制御動作の一例を示す
フローチャートである。まず、燃焼機器の始動ボタンが
押されると、電磁弁が開いて燃料の供給が開始される。
このとき、出力電圧Ｖｏｕｔと設定電圧Ｖｓが比較さ
れ、出力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖｓよりも大きい場合
は異常と判断して燃料の供給を停止するとともに、警報
を発生する。一方、出力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖｓ以
下であれば燃料の供給を継続しながら、上記比較を繰り
返す。
される出力電圧Ｖｏｕｔを用いた制御動作の一例を示す
フローチャートである。まず、燃焼機器の始動ボタンが
押されると、電磁弁が開いて燃料の供給が開始される。
このとき、出力電圧Ｖｏｕｔと設定電圧Ｖｓが比較さ
れ、出力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖｓよりも大きい場合
は異常と判断して燃料の供給を停止するとともに、警報
を発生する。一方、出力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖｓ以
下であれば燃料の供給を継続しながら、上記比較を繰り
返す。
【００２０】次に、燃焼機器の停止ボタンが押される
と、電磁弁が閉じて燃料の供給が停止される。このと
き、出力電圧Ｖｏｕｔと設定電圧Ｖｓとが比較され、出
力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖｓよりも大きい場合は異常
と判断して燃料の供給停止状態が維持されるとともに、
警報を発生する。一方、出力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖ
ｓ以下であれば警報を発生せず、上記比較を繰り返す。
と、電磁弁が閉じて燃料の供給が停止される。このと
き、出力電圧Ｖｏｕｔと設定電圧Ｖｓとが比較され、出
力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖｓよりも大きい場合は異常
と判断して燃料の供給停止状態が維持されるとともに、
警報を発生する。一方、出力電圧Ｖｏｕｔが設定電圧Ｖ
ｓ以下であれば警報を発生せず、上記比較を繰り返す。
【００２１】燃焼機器の始動時と停止時において、燃焼
機器の燃焼室や熱交換器に生じた破損部から未燃焼の燃
料ガスが漏出していた場合には、半導体式ガスセンサＳ
の電気抵抗値Ｒｓは著しく低下し、それに伴って出力電
圧Ｖｏｕｔは大きな値となる。従って、温湿度の変化に
伴って変動する出力電圧の値との区別がし易く、設定電
圧Ｖｓの書き換えを行うことなく、上述のような簡単で
安価な回路で異常を判定することができる。
機器の燃焼室や熱交換器に生じた破損部から未燃焼の燃
料ガスが漏出していた場合には、半導体式ガスセンサＳ
の電気抵抗値Ｒｓは著しく低下し、それに伴って出力電
圧Ｖｏｕｔは大きな値となる。従って、温湿度の変化に
伴って変動する出力電圧の値との区別がし易く、設定電
圧Ｖｓの書き換えを行うことなく、上述のような簡単で
安価な回路で異常を判定することができる。
【００２２】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、燃
焼機器の始動時または停止時に発生する燃焼ガス中に含
まれる未燃焼の燃料ガスをガスセンサで検知するように
構成したことにより、従来のように温湿度の変動による
影響を受けることなく、熱交換器や燃焼室のいずれの位
置に極僅かな破損が生じた場合にも確実にこれを検知し
て、即座に燃焼機器の燃焼を停止させるとともに、必要
に応じて異常を報知することができる。よって、火災事
故等の発生を未然に防止することができ、極めて安全で
ある。更に、使用する部品点数が少ないとともに、燃焼
機器への取り付け作業も簡単容易に行うことができるた
め、製造コストも低減する。
焼機器の始動時または停止時に発生する燃焼ガス中に含
まれる未燃焼の燃料ガスをガスセンサで検知するように
構成したことにより、従来のように温湿度の変動による
影響を受けることなく、熱交換器や燃焼室のいずれの位
置に極僅かな破損が生じた場合にも確実にこれを検知し
て、即座に燃焼機器の燃焼を停止させるとともに、必要
に応じて異常を報知することができる。よって、火災事
故等の発生を未然に防止することができ、極めて安全で
ある。更に、使用する部品点数が少ないとともに、燃焼
機器への取り付け作業も簡単容易に行うことができるた
め、製造コストも低減する。
【図１】本発明の一実施例を示す図で、破損検知装置を
組み込んだガス給湯器の構成を示す図である。
組み込んだガス給湯器の構成を示す図である。
【図２】本発明の一実施例を示す図で、半導体式ガスセ
ンサの電気抵抗値の変化を示すグラフである。
ンサの電気抵抗値の変化を示すグラフである。
【図３】本発明の一実施例を示す図で、半導体式ガスセ
ンサの電気抵抗値の変化を出力電圧として取り出すため
の検知回路図である。
ンサの電気抵抗値の変化を出力電圧として取り出すため
の検知回路図である。
【図４】本発明の一実施例を示す図で、図３に示した検
知回路から取り出される出力電圧Ｖｏｕｔを用いた制御
動作の一例を示すフローチャートである。
知回路から取り出される出力電圧Ｖｏｕｔを用いた制御
動作の一例を示すフローチャートである。
１…燃焼室 ２…ガスバーナー ３…熱交換器 ４…保護ケース ５…半導体式ガスセンサ ６…電磁弁（燃焼制御手段） ７…警報ランプ（警報発生手段） ８…回路 Ｓ…半導体式ガスセンサ Ｒｓ…ガスセンサの抵抗値 Ｈ…ヒータ Ｖｃ…回路電圧 Ｖｒ…負荷抵抗 Ｖｏｕｔ…出力電圧 Ｖｓ…設定電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０１Ｎ 27/12 Ｇ０１Ｎ 27/12 Ａ
Claims (3)
- 【請求項１】 燃焼機器の始動時または停止時に発生す
る未燃焼の燃料ガスをガスセンサで検知することにより
燃焼機器の破損を検知することを特徴とする燃焼機器の
破損検知方法。 - 【請求項２】 ガスセンサが、半導体式ガスセンサから
なることを特徴とする請求項１記載の燃焼機器の破損検
知方法。 - 【請求項３】請求項１または請求項２記載の検知方法を
利用した検知装置であって、該検知装置は、ガスセンサ
と、ガスセンサが異常信号を発したときに燃焼機器の燃
焼を停止させる燃焼制御手段、及び必要に応じて異常を
報知する警報発生手段と、これらを作動させるための回
路とから構成されていることを特徴とする燃焼機器の破
損検知装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16833596A JPH09329329A (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 燃焼機器の破損検知方法及び破損検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16833596A JPH09329329A (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 燃焼機器の破損検知方法及び破損検知装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09329329A true JPH09329329A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15866152
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16833596A Pending JPH09329329A (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | 燃焼機器の破損検知方法及び破損検知装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09329329A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003228778A (ja) * | 2001-11-28 | 2003-08-15 | Osaka Gas Co Ltd | 油脂火災防止用ガス検知器及び油脂火災防止用ガス検知方法 |
| CN113223207A (zh) * | 2021-05-13 | 2021-08-06 | 中南大学 | 热气球安全飞行智能监测系统及方法 |
-
1996
- 1996-06-06 JP JP16833596A patent/JPH09329329A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003228778A (ja) * | 2001-11-28 | 2003-08-15 | Osaka Gas Co Ltd | 油脂火災防止用ガス検知器及び油脂火災防止用ガス検知方法 |
| CN113223207A (zh) * | 2021-05-13 | 2021-08-06 | 中南大学 | 热气球安全飞行智能监测系统及方法 |
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