JP3403862B2 - ガス給湯器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はガス給湯器に関し、詳し
くは不着火異常時にその原因となる故障部位の特定を迅
速に行なうようにしたガス給湯器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ガス給湯器において、リモコ
ンに設けた表示部により異常が報知されると、予め修理
マニュアルに示されているその異常原因と推定された全
ての部位に対してチェックが行なわれる。例えば、不着
火異常時の場合、ガスの供給に関する部位であるメイン
電磁弁，比例弁，元電磁弁と、点火に関する部位である
イグナイター，電極と、火炎検出に関する部位である火
炎検出回路，火炎検出ロッド等が推定される原因として
示されており、修理において、それらのチェックを全て
行なうものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来の方法では故障原因の推定がガス弁，点火装置，
火炎検出器といった広範囲にわたるため、故障部位のチ
ェック箇所が多くチェックに多大な時間を費やしメンテ
ナンス性が悪いものであった。また、火炎検出回路，火
炎検出ロッド等の故障は、湿気，雨，ドレン等により一
時的に発生し、乾燥すれば直る場合もあるので故障部位
がなかなか掴めず更に多大な時間を費やすことがあっ
た。本発明のガス給湯器は上記課題を解決し、故障原因
の推定範囲を特定してメンテナンス性の良いガス給湯器
を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項１記載のガス給湯器は、燃料ガスを燃焼させ
るバーナと、上記バーナへのガス流路を開いて燃料ガス
を供給するガスバルブと、上記バーナの燃焼熱により通
水を加熱する熱交換器と、上記ガスバルブを開いて上記
バーナの燃焼を開始させる点火手段と、上記バーナの燃
焼火炎を検出する火炎検出手段と、上記熱交換器の出湯
温度を検出する出湯温検出手段とを備えたガス給湯器に
おいて、点火動作を作動させた後、上記火炎検出手段に
より火炎が検出されない場合、上記出湯温検出手段によ
り上記出湯温度の上昇が検出されれば上記火炎検出手段
の故障と判定し、上記出湯温度の上昇が検出されなけれ
ば上記火炎検出手段以外の故障と判定して故障部位を区
分けする故障部位判定手段を設けたことを要旨とする。

【０００５】また、本発明の第２のガス給湯器は、上記
熱交換器の入水温度を検出する入水温検出手段を備え、
上記入水温検出手段により検出した入水温と上記出湯温
検出手段により検出した出湯温との差に基づいて上記出
湯温の上昇を判定することを要旨とする。

【０００６】

【作用】上記構成を有する本発明のガス給湯器は、点火
動作後、所定時間経過しても火炎検出手段により火炎が
検出されない場合、出湯温検出手段により検出した出湯
温度が上昇すればガス供給が有りバーナに点火したとみ
なして火炎検出手段の故障と判定し、出湯温度が上昇し
なければ火炎検出手段以外の故障と判定して、故障部位
を火炎検知に関する部位か燃料ガスの供給と点火に関す
る部位かに区分けする。この結果、故障推定範囲が狭め
られ検査点数が減少する。

【０００７】また、請求項２記載のガス給湯器は湯温と
入水温に基づいて温度上昇の検出を行なうので入水温の
変化に影響されずに温度上昇の判断が確実にできる。例
えば、実際に着火していない場合でも給水配管途中の水
温にムラが有ると熱交換器に通水される入水温の変化に
伴って出湯温も変化してしまい、出湯温が上昇したと判
断してしまうという誤動作も防止できる。

【０００８】

【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図１は一実施例としてのガス給湯器の概略構成
図である。本実施例のガス給湯器は、給水管７および出
湯管８が配管された熱交換器１２がケーシング１７内に
配設されると共に、このケーシング１７内にはその熱交
換器１２を加熱するバーナ１が配設されている。

【０００９】そしてバーナ１のガス管１８にはメインバ
ルブ１１とその上流に比例弁１０と更に上流に元電磁弁
９が設けられ、給水管７には水の流れを検知する水流ス
イッチ６やその水の温度を検出する入水温センサ５が設
けられている。一方出湯管８には出湯温度を検出する出
湯温センサ４が設けられ、出湯管８の湯出口には水栓１
９が設けられている。

【００１０】そしてこのガス給湯器の運転を制御するコ
ントローラ１３の入力側には、上記入水温センサ５、水
流スイッチ６、出湯温センサ４、火炎検出回路２０に設
けられた火炎検出ロッド２等が接続され、またコントロ
ーラ１３の出力側にはメインバルブ１１、比例弁１０、
元電磁弁９、ファン１４、イグナイター３および操作表
示やエラー表示などを行なうＬＣＤの表示部が設けられ
たリモコン１５等が接続されている。

【００１１】次に、本実施例に係わる動作シーケンスを
第２図の流れ図に基づいて説明する。 水栓１９が開か
れると給湯器に通水され水流スイッチ６がＯＮし（Ｓ
１；ＹＥＳ）、ファン１４を作動して（Ｓ２）ケーシン
グ１７内を所定時間プリパージした後、元電磁弁９と比
例弁１０とメインバルブ１１を開弁し（Ｓ３）、イグナ
イター３により放電を開始する（Ｓ４）。こうしたバー
ナ１への点火動作が行なわれた後、火炎検出ロッド２に
より火炎の有無を検出し（Ｓ５）、火炎が検出されれば
所定の燃焼制御が開始される（Ｓ６）。

【００１２】一方、所定時間経過しても火炎検出ロッド
２により火炎が検出されない場合は（Ｓ５；ＮＯ）、入
水温の変化による誤判断が生じないように出湯温検出手
段と入水温検出手段との検出温度の差により出湯温の温
度上昇が有ったか否かを判断する（Ｓ７）。出湯温の温
度上昇が認められたときは（Ｓ７；ＹＥＳ）、ガス供給
と点火が行なわれたとみなし、ガスの供給および点火に
関する部位以外、すなわち、火炎検出回路に関する部位
の故障と判断し、運転を停止し、その旨を不揮発性メモ
リーに記憶し、ＬＣＤの表示部にコード番号に置き換え
た故障表示を行なう（Ｓ８）。一方、出湯温の温度上昇
が認められないときは（Ｓ７；ＮＯ）、ガス供給と点火
が行なわれ無かったとみなし、火炎検出回路以外の故障
と判断し、運転を停止し、その旨を不揮発性メモリーに
記憶し、ＬＣＤの表示部にコード番号に置き換えた故障
表示を行なう（Ｓ９）。

【００１３】この様に本実施例のガス給湯器によれば、
不着火異常時に出湯の温度上昇の有無を確認し、故障部
位がガスの供給と点火に関する部位かそれ以外の部位、
即ち、火炎検知に関する部位かに区分けするので検査対
象が少なくなり修理時間が短縮できてガス給湯器のメン
テナンス性能が向上する。

【００１４】また、出湯の温度上昇を湯温と入水温の差
により検出するので誤差がなく確実に判断できる。この
様に本実施例のガス給湯器によれば、簡単な構成で故障
部位が限定できメンテナンス性が向上する。以上本発明
の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例
に何等限定されるものではなく、例えば火炎の検出に熱
電素子を適用するもので有っても良く、本発明の要旨を
逸脱しない範囲に於いて、種々なる態様で実施し得る事
は勿論である。

【００１５】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガス給湯
器によれば、不着火異常時に出湯の温度上昇を確認する
という簡単な構成で、その原因となる故障推定範囲を狭
くでき検査点数が減少し、ガス給湯器のメンテナンス性
が向上するという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例としてのガス給湯器の概略構成図であ
る。

【図２】一実施例としてのガス給湯器のコントローラの
作動の概要を示す流れ図である。

【符号の説明】

１…バーナ ２…火炎検出ロッド ３…イグナイター ４…出湯温センサ ５…入水温センサ ７…給水管 ８…出湯管 １２…熱交換器 １３…コントローラ １５…リモコン １７…ケーシング

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料ガスを燃焼させるバーナと、 上記バーナへのガス流路を開いて燃料ガスを供給するガ
   スバルブと、 上記バーナの燃焼熱により通水を加熱する熱交換器と、 上記ガスバルブを開いて上記バーナの燃焼を開始させる
   点火手段と、 上記バーナの燃焼火炎を検出する火炎検出手段と、 上記熱交換器の出湯温度を検出する出湯温検出手段とを
   備えたガス給湯器において、 点火動作を作動させた後、上記火炎検出手段により火炎
   が検出されない場合、上記出湯温検出手段により上記出
   湯温度の上昇が検出されれば上記火炎検出手段の故障と
   判定し、上記出湯温度の上昇が検出されなければ上記火
   炎検出手段以外の故障と判定して故障部位を区分けする
   故障部位判定手段を設けたことを特徴とするガス給湯
   器。
2. 【請求項２】 上記熱交換器の入水温度を検出する入水
   温検出手段を備え、上記入水温検出手段により検出した
   入水温と上記出湯温検出手段により検出した出湯温との
   差に基づいて上記出湯温の上昇を判定することを特徴と
   する請求項１記載のガス給湯器。