JPH09329094A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

ベーン型圧縮機

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JPH09329094A
JPH09329094A JP17056596A JP17056596A JPH09329094A JP H09329094 A JPH09329094 A JP H09329094A JP 17056596 A JP17056596 A JP 17056596A JP 17056596 A JP17056596 A JP 17056596A JP H09329094 A JPH09329094 A JP H09329094A
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JP
Japan
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vane
passage
pressure chamber
back pressure
chamber
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JP17056596A
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Hidetoshi Arahata
英利 荒畑
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーン背圧室内でのオイル圧縮によるベーン
背圧の異常上昇を防止するとともに、吐出ガス温度の異
常上昇を防止する。 【解決手段】 ベーン先端が吸入ポート始端部付近から
吐出ポート始端部付近に達するまでの全区間でベーン背
圧室30と連通する背圧溝31と、オイルを背圧溝に供
給するオイル通路40とを備えたベーン型圧縮機におい
て、第1通路41を介して高圧室18と連通した制御圧
室36と、ベーン先端が吐出ポート始端部付近から吸入
ポート始端部付近に達するまでの区間でベーン背圧室3
0と連通して高圧のべーン背圧を制御圧室36に逃がす
第2通路42と、吐出圧が所定値以下のとき両通路4
1、42を制御圧室36を介して連通させるとともに、
吐出圧が所定値より大きいとき両通路41、42の連通
を遮断するスプール弁33とを備える。オイルの供給量
が多い低負荷時、両通路41、42が制御圧室36を介
して連通し、ベーン先端が吐出ポート始端部付近から吸
入ポート始端部付近に達するまでの区間におけるベーン
背圧室30内でのオイル圧縮が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用空調装置
等の冷媒圧縮機として用いられるベーン型圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のベーン型圧縮機としては、カムリ
ング内に回転可能に収容され、カムリングの内周面との
間に圧縮空間を形成するロータと、ロータに設けられた
複数のベーン溝内に摺動可能に挿入された複数のベーン
と、カムリングの両端面にそれぞれ配設される一対のサ
イド部材と、複数のベーンのうちの隣接する2つのベー
ン間に形成される圧縮室内で圧縮された冷媒が吐出され
る吐出室と、一対のサイド部材の一方のサイド部材のロ
ータ側端面に形成され、ベーン先端が吸入ポート始端部
付近から吐出ポート始端部付近に達するまでの全区間又
は一部の区間でベーン溝の底部のベーン背圧室と連通す
る背圧溝と、吐出室のオイルを背圧溝に供給するオイル
通路とを備えたものが知られている(例えば特開昭63
ー65188号公報)。また、この従来技術では、ベー
ン先端が吐出ポートにさしかかる時点で、ベーン背圧
(ベーン背圧室内の圧力)を高めてベーンのチャタリン
グを防ぐために吐出室の底部に溜まったオイルをベーン
背圧室に供給するための高圧ポートが、前記一方のサイ
ド部材のロータ側端面に形成されている。
【0003】また、別の従来技術として、上記従来技術
と同様に、ベーン先端が吸入ポート始端部付近から吐出
ポート始端部付近に達するまでの全区間又は一部の区間
でベーン溝の底部のベーン背圧室と連通する背圧溝を、
前記一方のサイド部材のロータ側端面に形成し、更に、
ベーン先端が吐出ポート始端部付近から吸入ポート始端
部付近に達するまでの区間で、ベーン背圧を高めてベー
ンのチャタリングを防ぐために、ベーン背圧室を前記一
方のサイド部材のロータ側端面で密閉するように構成し
たものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにいずれの
従来技術も、ベーン先端が吐出ポート始端部付近から吸
入ポート始端部付近に達するまでの区間、ベーン背圧室
が前記一方のサイド部材のロータ側端面で密閉されてし
まう。
【0005】圧縮機が低負荷で運転されているとき(吐
出圧が低いとき)には、オイルの供給量が多く、ベーン
背圧室内にオイルが溜まるので、ベーン先端が吐出ポー
ト始端部付近から吸入ポート始端部付近に達するまでの
区間において、ベーン背圧室が前記一方のサイド部材の
ロータ側端面で密閉され、ベーン背圧室内でオイル圧縮
が起こる。これによって、ベーン背圧が異常に上昇して
しまうという問題があった。
【0006】そこで、ベーン先端が吐出ポート始端部付
近から吸入ポート始端部付近に達するまでの区間におい
て、ベーン背圧室を絞り通路を介して吐出室と連通させ
ることにより、オイル圧縮によるベーン背圧の異常上昇
を防ぐ構成が考えられる。
【0007】しかし、このような構成を採用した場合、
オイルの供給量が少ない高負荷時にオイルによる各部材
間の隙間のシール力が低下するために、ベーン先端が吐
出ポート始端部付近から吸入ポート始端部付近に達する
までの区間において、高圧室内の高温高圧のガスが、前
記絞り通路、ベーン背圧室及びベーンの両端面の隙間を
介して圧縮室内に逆流してしまう。その結果、吐出ガス
温度が異常に上昇してしまうという問題が起こる。
【0008】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題はベーン背圧室内でのオイル圧縮に
よるベーン背圧の異常上昇を防止するとともに、吐出ガ
ス温度の異常上昇を防止することができるベーン型圧縮
機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め請求項1記載の発明に係るベーン型圧縮機は、カムリ
ング内に回転可能に収容され、前記カムリングの内周面
との間に圧縮空間を形成するロータと、前記ロータに設
けられた複数のベーン溝内に摺動可能に挿入された複数
のベーンと、前記カムリングの両端面側にそれぞれ配設
される一対のサイド部材と、前記一対のサイド部材の一
方のサイド部材に形成され、前記複数のベーンのうち隣
接する2つのベーン間に形成される圧縮室内で圧縮され
た冷媒が吐出される高圧室と、前記一方のサイド部材の
ロータ側端面に形成され、前記ベーン先端が吸入ポート
始端部付近から吐出ポート始端部付近に達するまでの全
区間又は一部の区間で、前記ベーン溝の底部と連通する
背圧溝と、前記高圧室のオイルを前記背圧溝に供給する
オイル通路とを備えたベーン型圧縮機において、前記一
方のサイド部材に設けられた第1通路を介して前記高圧
室と連通する制御圧室と、前記一方のサイド部材に設け
られ、前記ベーン先端が前記吐出ポート始端部付近から
前記吸入ポート始端部付近に達するまでの区間で前記ベ
ーン溝の底部と連通して前記ベーン溝の底部のべーン背
圧を前記制御圧室に逃がす第2通路と、前記高圧室内の
吐出圧が所定値以下のとき前記第1通路と前記第2通路
とを前記制御圧室を介して連通させる第1位置に切り替
わるとともに、前記吐出圧が所定値より大きいとき前記
両通路の連通を遮断する第2位置に切り替わる制御弁と
を備えていることを特徴とする。
【0010】高圧室内の吐出圧が所定値以下のとき、す
なわちオイルの供給量が多い低負荷時には、制御弁が第
1位置に切り替わり、第1通路と第2通路とが制御圧室
を介して連通する。これによって、ベーン先端が吐出ポ
ート始端部付近から吸入ポート始端部付近に達するまで
の区間におけるベーン溝の底部でのオイル圧縮が防止さ
れる。
【0011】吐出圧が所定値より大きいとき、すなわち
オイルの供給量が少ない高負荷時には、制御弁が第2位
置に切り替わり、第1通路と第2通路との連通が遮断さ
れる。これによって、オイルの供給量が少ない高負荷時
にオイルによる各部材間の隙間のシール力が低下して
も、ベーン先端が吐出ポート始端部付近から吸入ポート
始端部付近に達するまでの区間において、高圧室内の高
温高圧のガスが、ベーン溝の底部及びベーンの両端面の
隙間を介して圧縮室内に逆流するのが防止される。
【0012】請求項2記載の発明に係るベーン型圧縮機
は、請求項1記載の発明に係るベーン型圧縮機におい
て、絞り効果のほとんどない通路径を有し、前記背圧溝
と前記制御圧室とを連通させる第3通路が、前記一方の
サイド部材に設けられ、前記制御弁が前記第1位置に切
り替わったとき、前記第1通路、第2通路及び第3通路
が前記制御圧室を介して連通し、前記制御弁が前記第2
位置に切り替わったとき、前記3つの通路の連通が遮断
されることを特徴とする。
【0013】圧縮機の起動時には、高圧室内の吐出圧が
所定値以下で、制御弁が第1位置に切り替わり、第1通
路、第2通路及び第3通路が制御圧室を介して連通す
る。このとき、第3通路は絞り効果のほとんどないの
で、ベーン溝の底部のベーン背圧は制御圧室内の圧力と
ほぼ同じ高圧になる。これによって、起動時におけるベ
ーンの飛び出しが容易になる。
【0014】請求項3記載の発明に係るベーン型圧縮機
は、請求項1又は2記載の発明に係るベーン型圧縮機に
おいて、前記制御弁が前記第1位置と第2位置との間で
摺動可能なスプール弁であり、前記スプール弁の一端面
が前記吐出圧を受け、その他端面が前記制御圧室内の制
御圧とばね力とを受けることを特徴とする。
【0015】制御弁の切り替えは、スプール弁の摺動に
よって行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0017】図1はこの発明の一実施形態に係るベーン
型圧縮機を示す縦断面図、図2は図1のA矢視図、図3
は図1の一部を示す縦断面図、図4はリヤヘッドを示す
平面図、図5は動作を説明するための概念図である。図
5(a)は高負荷時の状態を、図5(b)は低負荷時の
状態をそれぞれ示している。図6はロータをリヤ側から
見た図である。
【0018】このベーン型圧縮機は、カムリング1と、
カムリング1の両端面にそれぞれ配設されるフロントサ
イド部材2及びリヤサイド部材3と、カムリング1内に
回転可能に収容され、カムリング1の内周面との間に2
つの圧縮空間12を形成するロータ4と、ロータ4の駆
動軸5とを備えている。駆動軸5は軸受6、7によって
回転可能に支持されている。駆動軸5の一端側には図示
しない電磁クラッチが取り付けられている。
【0019】フロントサイド部材2は、カムリング1の
フロント側端面1aに固定されたフロントヘッド8と、
カムリング1のフロント側端面1aと対向する状態でフ
ロントヘッド8に保持されたフロント側の可動プレート
9とで構成されている。可動プレート9によって、吸入
室10と圧縮空間12とが仕切られている。フロント側
の可動プレート9には、2つの圧縮空間12(図1では
一方の圧縮空間12だけが見えている)に対応する2つ
の吸入ポート9aが設けられている。この吸入ポート9
aを介して吸入室10と圧縮空間12とが連通してい
る。
【0020】ロータ4には複数のベーン溝13が設けら
れ、これらのベーン溝13内にはベーン14がそれぞれ
摺動可能に挿入されている。
【0021】圧縮空間12は、隣接する2つのベーン1
4によって仕切られて複数の圧縮室が形成される。各圧
縮室の容積がロータ4の回転により変化し、冷媒の吸
入、圧縮及び吐出の各行程が順に行なわれる。
【0022】カムリング1には、圧縮室の高圧の冷媒ガ
スが吐出される吐出空間17が設けられ、吐出空間17
は吐出室(高圧室)18と連通している。図中1には一
方の吐出空間17だけが見えている。吐出空間17には
後述する吐出ポート16を開閉する吐出弁(図示省略)
が収容されている。
【0023】吐出空間17と圧縮空間12とを仕切る隔
壁1cには、2つの圧縮空間12に対応する吐出ポート
16が設けられている(図1には片方の吐出ポート16
だけが見えている)。吐出ポート16が開くと、圧縮室
内の高圧の冷楳ガスが吐出ポート16、吐出空間17及
び吐出室18を経て吐出口19から吐出される。
【0024】リヤサイド部材3は、カムリング1のリヤ
側端面に固定されたリヤヘッド20と、カムリング1の
リヤ側端面と対向する状態でリヤヘッド20に保持され
たリヤ側の可動プレート21とで構成されている。
【0025】図1〜図3に示すように、リヤ側の可動プ
レート21のロータ側端面21aには、ベーン先端が吸
入ポート始端部付近から吐出ポート始端部付近に達する
までの全区間で、前記複数のベーン溝13の底部の各ベ
ーン背圧室30と連通する2つの背圧溝31が形成され
ている。2つの背圧溝31は、2つの圧縮空間12に対
応してロータ4の回転中心に対して対称な位置に設けら
れている。
【0026】図1、図3及び図4に示すように、リヤヘ
ッド20のボス部20aには、吐出室18の底部18a
に溜まったオイル(吐出圧下のオイル)を、リヤ側の可
動プレート21の中心孔21bと駆動軸5の外周面との
間の隙間を介して背圧溝31に供給するオイル通路40
が設けられている。
【0027】リヤヘッド20のボス部20aには、吐出
室18に向けて開口した円形穴32が設けられている。
この円形穴32には、スプール弁(制御弁)33が軸方
向に摺動可能に嵌合している。
【0028】図1、図3及び図4に示すように、円形穴
32の閉鎖端(図1の右端)とスプール弁33の一端
(図1の右端)との間には、スプール弁33をストッパ
34側へ付勢するばね35が収容されている。また、円
形穴32の閉鎖端とスプール弁33の一端との間に制御
圧室36が形成されている。制御圧室36は、リヤヘッ
ド20のボス部20aに設けられた第1通路41を介し
て吐出室18と連通している。
【0029】図1〜図4に示すように、リヤ側の可動プ
レート21及びリヤヘッド20のボス部20aには、ベ
ーン先端が吐出ポート始端部付近から吸入ポート始端部
付近に達するまでの区間でベーン背圧室30と連通して
高圧のべーン背圧(最大ベーン背圧)を制御圧室36に
逃がす第2通路42が設けられている。この第2通路4
2は、ベーン先端が吐出ポート始端部付近から吸入ポー
ト始端部付近に達するまでの区間でベーン背圧室30と
連通する位置でリヤ側の可動プレート21を貫通する2
つの絞り通路部42aと、2つの絞り通路42aを制御
圧室36にそれぞれ連通させる2つの通路部42bとで
構成されている。2つの絞り通路部42aは、ロータ4
の回転中心に対して対称な位置に設けられている。2つ
の通路部42bは、絞り効果がほとんど無い程度に太い
通路径を有している。
【0030】図1、図3及び図4に示すように、背圧溝
31と制御圧室36とを連通させる第3通路43がリヤ
ヘッド20のボス部20aに設けられている。第3通路
43の一端側(図1の左端側)は、リヤ側の可動プレー
ト21の中心孔21bと駆動軸5の外周面との間の隙間
を介して背圧溝31と連通している。
【0031】前記4つの通路40〜43の通路径は、第
3通路43が最も大きく、以下、第1通路41、オイル
通路40及び第2通路42(第2通路42の絞り通路部
42a)の順に小さくなっている。第3通路43は、絞
り効果による圧力変化がほとんど無い程度の太い通路径
を有している。
【0032】前記スプール弁33は、吐出室18内の吐
出圧が制御圧室36内の制御圧とばね35の付勢力との
合力以下のとき(吐出圧が所定値以下のとき)、第1通
路41、第2通路42及び第3通路43を制御圧室36
を介して連通させる第1位置(図3及び図5(b)に示
す位置)に切り替わるとともに、吐出圧が前記合力より
大きいとき(吐出圧が所定値より大きいとき)、3つの
通路41〜43の連通を遮断する第2位置(図5(a)
に示す位置)に切り替わる。なお、スプール弁33が図
5(b)に示す第1位置に変位したとき、ストッパ34
がスプール弁33の一端(図5(b)の左端)に当接
し、スプール弁33が円形穴32から抜けないようにな
っている。
【0033】次に、上述のベーン型圧縮機の動作を説明
する。
【0034】吐出室18内の吐出圧が制御圧室36内の
制御圧とばね35の付勢力との合力以下のとき(吐出圧
が所定値以下のとき)、すなわちオイルの供給量が多い
低負荷時には、スプール弁33が第1位置(図3及び図
5(b)に示す位置)に切り替わり、第1通路41、第
2通路42及び第3通路43が制御圧室36を介して連
通する。そのため、ベーン先端が吐出ポート始端部付近
から吸入ポート始端部付近に達するまでの区間におい
て、ベーン背圧室30内のベーン背圧(最大ベーン背
圧)が第2通路42の絞り通路部42aにより絞られて
減圧された後、通路部42bを介して制御圧室36内に
流入する。これによって、ベーン先端が吐出ポート始端
部付近から吸入ポート始端部付近に達するまでの区間に
おけるベーン背圧室30内でのオイル圧縮が防止され
る。したがって、ベーン背圧室30内でのオイル圧縮に
よるベーン背圧の異常上昇を防止することができる。
【0035】吐出室18内の吐出圧が制御圧室36内の
制御圧とばね35の付勢力との合力より大きいとき(吐
出圧が所定値より大きいとき)、すなわちオイルの供給
量が少ない高負荷時には、スプール弁33が第2位置
(図5(a)に示す位置)に切り替わり、3つの通路4
1〜43の連通が遮断される。これによって、オイルの
供給量が少ない高負荷時にオイルによる各部材間の隙間
のシール力が低下しても、ベーン先端が吐出ポート始端
部付近から吸入ポート始端部付近に達するまでの区間に
おいて、吐出室18内の高温、高圧のガスが、ベーン背
圧室30及びベーン14の両端面の隙間を介して圧縮室
内に逆流するのが防止される。したがって、吐出ガス温
度の異常上昇を防止することができる。
【0036】圧縮機の起動時には、上記低負荷時と同様
に、吐出圧が前記合力以下であるので(吐出圧が所定値
以下であるので)、スプール弁33が前記第1位置に切
り替わり、3つの通路41〜43が制御圧室36を介し
て連通する。このとき、第3通路43は絞り効果のほと
んどない通路径を有しているので、ベーン背圧室30内
のベーン背圧は制御圧室36内の圧力とほぼ同じ高圧に
なる。これによって、起動時におけるベーン14の飛び
出しが容易になる。したがって、起動時にベーン14の
飛び出しを容易にしてベーン14のチャタリングを防止
するための弁装置(実開平2ー103191号公報等で
公知であるいわゆるトリガーバルブ)を特別に設けず
に、起動時におけるベーン14の飛び出しを容易するこ
とができ、その分だけ部品点数を削減できて製造コスト
を低減することができる。
【0037】なお、他の実施形態として、リヤ側の可動
プレート21をリヤサイドブロックで構成し、このリヤ
サイドブロックに制御圧室36、オイル通路40、第1
通路41、第2通路42、第3通路43及びスプール弁
33を設けるように構成してもよい。
【0038】また、3つの通路41〜43の連通及びそ
の遮断を吐出圧に応じて切り替える制御弁としては、上
記一実施形態で用いたスプール弁33に限らず、他の形
式の弁であってもよい。
【0039】更に、上記実施形態では、図2に示すよう
に、リヤ側の可動プレート21のロータ側端面21aに
は、ベーン先端が吸入ポート始端部付近から吐出ポート
始端部付近に達するまでの全区間で、ベーン背圧室30
と連通する2つの背圧溝31が形成されているが、他の
実施形態として、背圧溝31はベーン先端が吸入ポート
始端部から吐出ポート始端部付近に達するまでの区間の
うち、少なくともベーン先端が吸入ポートの始端部付近
を含む一部の区間でベーン背圧室30と連通するもので
もよい。要するにこの発明は、ベーン先端が吐出ポート
始端部付近から吸入ポート始端部付近に達するまでの区
間でベーン背圧室30が密閉される構造のもの全てに適
用される。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
に係るベーン型圧縮機によれば、高圧室内の吐出圧が所
定値以下のとき、すなわちオイルの供給量が多い低負荷
時には、第1通路と第2通路とが制御圧室を介して連通
するので、ベーン先端が吐出ポート始端部付近から吸入
ポート始端部付近に達するまでの区間におけるベーン溝
の底部でのオイル圧縮が防止される。
【0041】また、吐出圧が所定値より大きいとき、す
なわちオイルの供給量が少ない高負荷時には、第1通路
と第2通路との連通が遮断されるので、オイルの供給量
が少ない高負荷時にオイルによる各部材間の隙間のシー
ル力が低下しても、ベーン先端が吐出ポート始端部付近
から吸入ポート始端部付近に達するまでの区間におい
て、高圧室内の高温、高圧のガスが、ベーン溝の底部及
びベーンの両端面の隙間を介して圧縮室内に逆流するの
が防止される。
【0042】したがって、ベーン溝の底部でのオイル圧
縮によるベーン背圧の異常上昇を防止することができる
とともに、吐出ガス温度の異常上昇を防止することがで
きる。
【0043】請求項2記載の発明に係るベーン型圧縮機
によれば、圧縮機の起動時には、第1通路、第2通路及
び第3通路が制御圧室を介して連通するとともに、第3
通路は絞り効果のほとんどない通路径を有しているの
で、ベーン溝の底部のベーン背圧は制御圧室内の圧力と
ほぼ同じ高圧になり、起動時におけるベーンの飛び出し
が容易になる。したがって、起動時にベーンのチャタリ
ングを防止するための弁装置を特別に設けなくとも起動
時におけるベーンの飛び出しを容易することができ、そ
の分だけ部品点数が削減できて製造コストを低減するこ
とができる。
【0044】請求項3記載の発明に係るベーン型圧縮機
によれば、請求項2又は3記載の発明と同様の効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係るベーン型圧
縮機を示す縦断面図である。
【図2】図2は図1のA矢視図である。
【図3】図3は図1の一部を示す縦断面図である。
【図4】図4はリヤヘッドを示す平面図である。
【図5】図5は一実施形態の動作を説明するための概念
図である。
【図6】図6はロータをリヤ側から見た図である。
【符号の説明】
1 カムリング 4 ロータ 9 フロント側の可動プレート 12 圧縮空間 14 ベーン 18 吐出室 20 リヤヘッド 21 リヤ側の可動プレート 21a ロータ側端面 30 ベーン背圧室 31 背圧溝 33 スプール弁 36 制御圧室 40 オイル通路 41 第1通路 42 第2通路 43 第3通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムリング内に回転可能に収容され、前
    記カムリングの内周面との間に圧縮空間を形成するロー
    タと、前記ロータに設けられた複数のベーン溝内に摺動
    可能に挿入された複数のベーンと、前記カムリングの両
    端面側にそれぞれ配設される一対のサイド部材と、前記
    一対のサイド部材の一方のサイド部材に形成され、前記
    複数のベーンのうち隣接する2つのベーン間に形成され
    る圧縮室内で圧縮された冷媒が吐出される高圧室と、前
    記一方のサイド部材のロータ側端面に形成され、前記ベ
    ーン先端が吸入ポート始端部付近から吐出ポート始端部
    付近に達するまでの全区間又は一部の区間で、前記ベー
    ン溝の底部と連通する背圧溝と、前記高圧室のオイルを
    前記背圧溝に供給するオイル通路とを備えたベーン型圧
    縮機において、 前記一方のサイド部材に設けられた第1通路を介して前
    記高圧室と連通する制御圧室と、 前記一方のサイド部材に設けられ、前記ベーン先端が前
    記吐出ポート始端部付近から前記吸入ポート始端部付近
    に達するまでの区間で前記ベーン溝の底部と連通して前
    記ベーン溝の底部のべーン背圧を前記制御圧室に逃がす
    第2通路と、 前記高圧室内の吐出圧が所定値以下のとき前記第1通路
    と前記第2通路とを前記制御圧室を介して連通させる第
    1位置に切り替わるとともに、前記吐出圧が所定値より
    大きいとき前記両通路の連通を遮断する第2位置に切り
    替わる制御弁とを備えていることを特徴とするベーン型
    圧縮機。
  2. 【請求項2】 絞り効果のほとんどない通路径を有し、
    前記背圧溝と前記制御圧室とを連通させる第3通路が、
    前記一方のサイド部材に設けられ、 前記制御弁が前記第1位置に切り替わったとき、前記第
    1通路、第2通路及び第3通路が前記制御圧室を介して
    連通し、前記制御弁が前記第2位置に切り替わったと
    き、前記3つの通路の連通が遮断されることを特徴とす
    る請求項1記載のベーン型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記制御弁が前記第1位置と第2位置と
    の間で摺動可能なスプール弁であり、 前記スプール弁の一端面が前記吐出圧を受け、その他端
    面が前記制御圧室内の制御圧とばね力とを受けることを
    特徴とする請求項1又は2記載のベーン型圧縮機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014156609A1 (ja) * 2013-03-27 2014-10-02 株式会社ヴァレオジャパン ベーン型圧縮機
JP2015137576A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 カルソニックカンセイ株式会社 圧縮機

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