JPH09328621A - アルミニウムフタロシアニン顔料、顔料組成物及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウムフタロシアニン顔料、顔料組成物及びその製造方法

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JPH09328621A
JPH09328621A JP15093796A JP15093796A JPH09328621A JP H09328621 A JPH09328621 A JP H09328621A JP 15093796 A JP15093796 A JP 15093796A JP 15093796 A JP15093796 A JP 15093796A JP H09328621 A JPH09328621 A JP H09328621A
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aluminum
aluminum phthalocyanine
phthalocyanine
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JP15093796A
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Akira Kimura
亮 木村
Akiyoshi Kanai
明美 金井
Toshio Takei
俊夫 武井
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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    • C09B67/0001Post-treatment of organic pigments or dyes
    • C09B67/0017Influencing the physical properties by treatment with an acid, H2SO4
    • C09B67/0019Influencing the physical properties by treatment with an acid, H2SO4 of phthalocyanines
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B47/00Porphines; Azaporphines
    • C09B47/04Phthalocyanines abbreviation: Pc
    • C09B47/06Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide
    • C09B47/067Preparation from carboxylic acids or derivatives thereof, e.g. anhydrides, amides, mononitriles, phthalimide, o-cyanobenzamide from phthalodinitriles naphthalenedinitriles, aromatic dinitriles prepared in situ, hydrogenated phthalodinitrile

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 公知のアルミニウムフタロシアニンに比べ
て、赤味の青色で鮮明な色相を示すアルミニウムフタロ
シアニン顔料を提供すること。 【構成】 回折角(2θ±0.2°;Cu−Kα)7.
0°、14.0°、16.6°、21.0°及び25.
6゜に回折強度を示す粉末X線回折スペクトルにより特
徴づけられる結晶構造を有する一般式(I) 【化1】 (式中のフタロシアニン骨格は、置換基を有していても
良い。)で表わされるアルミニウムフタロシアニン顔
料。 【効果】 本発明のアルミニウムフタロシアニン顔料
は、赤味鮮明な青色の色相を有し、銅フタロシアニン代
替顔料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤味で、青色鮮明
なアルミニウムフタロシアニン顔料、当該アルミニウム
フタロシアニン顔料を含有する顔料組成物及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より諸耐性に優れた青色顔料とし
て、各種インキ、塗料、樹脂着色などに銅フタロシアニ
ン顔料が幅広く用いられている。しかしながら、近年の
世界的な環境保全に関する意識の高まりとともに、環境
に対して悪影響を及ぼす重金属の規制が強まり、製品中
の遊離銅やクルード及び顔料製造時の廃水中に流出する
銅に関しては、かなり厳しいレベルで規制が行われてい
る。また、その規制の適用範囲は、製造工程や顔料化工
程のみならず、製品の焼却等による最終処分の各段階で
の廃棄物にまで広がりつつある。今後、この種の規制が
強化されることにより、ある種の用途において、重金属
である銅を用いた銅フタロシアニンそのものが規制の対
象となることが十分に予想される。そこで、重金属を含
まない青色顔料の必要性が高まりつつある。その代替候
補として、アルミニウムフタロシアニン顔料が挙げられ
る。
【0003】アルミニウムフタロシアニン化合物の顔料
としての使用は、米国特許第2,197,458号明細
書(1940年)に記載されているように、公知のもの
であり、色相は緑味が強い青色であった。また、アルミ
ニウムフタロシアニン顔料は、従来、印刷インキ、塗
料、プラスチックなどの樹脂着色剤として使用されてい
る銅フタロシアニン代替顔料の用途だけでなく、太陽電
池や光導電体等の機能性色材としての用途が期待され
る。
【0004】アルミニウムフタロシアニン化合物の製造
方法は、種々の方法が公知であり、例えば、英国特許第
552,124号明細書(1943年)には、フタロニ
トリルとハロゲン化アルミニウムを有機溶媒中で反応さ
せる方法が記載されている。また、Bull.Chem.Soc.Jp
n.,第68巻,第1001頁(1995年)には、フタロニトリルにア
ルミニウムアルコキサイド反応させる方法が記載されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記英
国特許明細書に記載の方法で得られるものは、質量分析
によると一般式(III)
【0006】
【化5】
【0007】(式中のフタロシアニン骨格は、置換基を
有していても良い。)で表わされるクロロアルミニウム
フタロシアニンを主成分とするものであって、その色相
は、緑味が強い青色であるという問題点があった。ま
た、前記Bull.Chem.Soc.Jpn.,第68巻,第1001頁(1995年)
に記載の方法で得られるものは、一般式(II)
【0008】
【化6】
【0009】(式中のフタロシアニン骨格は、置換基を
有していても良い。)で表わされるヒドロキシアルミニ
ウムフタロシアニンの水和物が主成分とするものであっ
て、その色相は、緑味が強い青色であるという問題点が
あった。
【0010】さらに、市販のアルミニウムフタロシアニ
ン粗顔料は、銅フタロシアニン顔料と比較して、色相が
緑味であるという問題点があった。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、公知の
アルミニウムフタロシアニンに比べて、赤味の青色で鮮
明な色相を示すアルミニウムフタロシアニン顔料を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、回折角
(2θ±0.2°;Cu−Kα)7.0°、14.0
°、16.6°、21.0°及び25.6゜に回折強度
を示す粉末X線回折スペクトルにより特徴づけられるア
ルミニウムフタロシアニン顔料及び当該顔料を含有する
顔料組成物が、赤味の青色を示すことを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は上記課題を解決するた
めに、回折角(2θ±0.2°;Cu−Kα)7.0
°、14.0°、16.6°、21.0°及び25.6
゜に回折強度を示す粉末X線回折スペクトルにより特徴
づけられる結晶構造を有する一般式(I)
【0014】
【化7】
【0015】(式中のフタロシアニン骨格は、置換基を
有していても良い。)で表わされるアルミニウムフタロ
シアニン顔料を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(I)で表わされ
るアルミニウムフタロシアニン顔料は、例えば、一般式
(IV)
【0017】
【化8】
【0018】(式中のフタロシアニン骨格は、置換基を
有していても良い。)で表わされるアルミニウムフタロ
シアニン化合物を含有するアルミニウムフタロシアニン
粗顔料を酸に溶解又は懸濁させた後、多量の水と接触さ
せることによって製造することができる。
【0019】請求項5記載の製造方法で使用する一般式
(IV)で表わされるアルミニウムフタロシアニン化合物
を含有するアルミニウムフタロシアニン粗顔料は、従来
公知のものが特に制限なく使用することができるが、請
求項6記載のように、アルミニウム源としてアルミニウ
ムアルコキシドを用いた方法、即ち、o−フタロジニト
リル又はその誘導体と、アルミニウムアルコキシド又は
塩化アルミニウムと、尿素又はその誘導体もしくはアン
モニアとを有機溶剤中で反応させる方法が、一般式(I
V)で表わされるアルミニウムフタロシアニン粗顔料を
高収率、高純度で得られるので特に好ましい。
【0020】請求項6記載の製造方法で使用するo−フ
タロジニトリル又はその誘導体としては、例えば、o−
フタロジニトリル及びそのベンゼン環上の水素原子が、
塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アルキル基、フ
ェニル基、ニトロ基等で置換されているものが挙げられ
る。
【0021】請求項6記載の製造方法で使用するアルミ
ニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムメ
トキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロ
ポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウ
ムブトキシドなどが挙げられる。その使用量は、o−フ
タロジニトリル又はその誘導体4モルあたり1.0〜
2.0モルの範囲が好ましく、廃水への負荷や経済を考
慮すると1.1〜1.3モル範囲が特に好ましい。
【0022】請求項6記載の製造方法で使用する尿素又
はその誘導体としては、例えば、尿素、ビウレット等が
挙げられる。その使用量は、フタロジニトリル又はその
誘導体1モルあたり、アンモニアに換算して0〜5.0
モルの範囲が好ましく、得られるアルミニウムフタロシ
アニン化合物の収率、純度の面から、0.5〜1.0モ
ルが特に好ましい。その使用量が5.0モルよりも多い
場合、反応中に過剰の尿素が重合した不純物が多く、純
度が低下すると共に、アンモニアの発生量が多くなるた
め、密閉容器で反応を行う場合、圧力が上昇し危険性が
増す傾向にあるので好ましくない。
【0023】請求項6記載の製造方法で使用する有機溶
剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ブチル
アルコール、ペンチルアルコール等のアルコール;アル
キルベンゼン、アルキルナフタレン、テトラリン等の芳
香族炭化水素;アルキルシクロヘキサン、デカリン、ア
ルキルデカリン等の脂環式炭化水素;デカン、ドデカン
等の脂肪族炭化水素;ニトロベンゼン、o−ニトロトル
エン等のニトロ化合物;ジクロロベンゼン、クロロナフ
タレン等のハロゲン化炭化水素;スルホラン、ジメチル
スルホラン、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物;キ
ノリン等の複素環化合物等を挙げられ、これらの有機溶
媒は、2種類以上の混合物として使用することもでき
る。これらの中でも、溶剤の除去、原料に対する親和
性、さらには一般式(IV)で示される化合物の収率・純
度の面から、アルコール類を使用することが特に好まし
い。
【0024】請求項6記載の製造方法における反応温度
は、100〜220℃の範囲が好ましく、反応圧力につ
いては、特に制限はないが、加熱により尿素もしくはそ
の誘導体から発生するアンモニアを反応に有効に利用す
るためには、加圧条件下の方が特に好ましい。
【0025】請求項5及び6記載の製造方法で使用する
酸としては、例えば、硫酸、リン酸、塩酸などが挙げら
れるが、廃水への負荷やアルミニウムフタロシアニンに
対する親和性などから硫酸が特に好ましい。また、溶解
又は懸濁に用いる酸の濃度は特に限定されるものではな
いが、例えば、硫酸を用いた場合、95%以上が着色力
が高いため、特に好ましい。
【0026】本発明の一般式(I)で表わされるアルミ
ニウムフタロシアニン顔料を含有するアルミニウムフタ
ロシアニン顔料組成物は、一般式(II)
【0027】
【化9】
【0028】(式中のフタロシアニン骨格は、置換基を
有していても良い。)で表わされる化合物、一般式(II
I)
【0029】
【化10】
【0030】(式中のフタロシアニン骨格は、置換基を
有していても良い。)で表わされる化合物の如きアルミ
ニウムの配位子が異なるいくつかのアルミニウムフタロ
シアニン化合物を含有していても良い。その組成は特に
限定されるものではないが、一般式(I)で表わされる
化合物を主成分とするものが好ましく、一般式(I)で
表わされる化合物の含有率が70モル%以上であるもの
が特に好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。なお、例中において「部」は「重量
部」を意味する。
【0032】<実施例1>ガラス製オートクレーブ反応
器に、フタロニトリル96.1部、アルミニウムイソプ
ロポキシド46.0部、尿素22.5部及びn−ブタノ
ール200部を仕込み、撹拌しながら150℃まで昇温
し、容器内の圧力を3.5kg/cm2 に調節しながら、6
時間反応を行った。反応終了後、反応混合物を濾過し、
濾取したケーキをイソプロピルアルコール800部に解
膠し、25℃で1時間撹拌してから、濾過した。続い
て、濾取したケーキを、2%水酸化ナトリウム水溶液1
500部、1%塩酸1500部及び水1500部に、順
に、解膠して、70℃で1時間ずつ洗浄した後、濾取
し、残渣を90℃で乾燥させてアルミニウムフタロシア
ニン粗顔料89.7部を得た。
【0033】この粗顔料の粉末X線回折スペクトルを図
1に示した。図1から明らかなように、この方法で得た
粗顔料は、回折角(2θ±0.2°;Cu−Kα)7.
0°に非常に強い回折強度を示し、11.2、14.
0、16.4°、25.5゜に弱い回折強度を示し、1
3.1°、20.1°に非常に弱い回折強度を示すもの
であった。また、この粗顔料をテトラヒドロフラン(以
下、THFと省略する。)に超音波分散し、質量分析に
より組成物を同定したところ、一般式(II)で表わされ
る化合物であって、フタロシアニン骨格に置換基を有し
ないもの(以下、Al(OH)Pcと省略する。)が1
0モル%、一般式(IV)で表わされる化合物であって、
フタロシアニン骨格に置換基を有しないもの(以下、
(AlPc)2Oと省略する。)が83モル%であっ
た。
【0034】このアルミニウムフタロシアニン粗顔料1
0.0部を、95%硫酸110部に少しずつ添加し、9
0分間撹拌して溶解させた。これを水1500部に加
え、固体を晶出させた。この懸濁液を30分間撹拌し、
濾過して晶出物を濾別した。濾取した残渣を2%水酸化
ナトリウム水溶液1500部に解膠し、25℃で1時間
撹拌し、濾過した。更に、濾別した残渣を水1500部
に解膠して25℃で1時間撹拌し、濾過してから、濾別
した残渣を90℃で乾燥させてアルミニウムフタロシア
ニン顔料9.62部を得た。
【0035】このようにして得たアルミニウムフタロシ
アニン顔料の粉末X線回折スペクトルを図2に示した。
図2から明らかなように、この方法で得た顔料は、回折
角(2θ±0.2°;Cu−Kα)7.0°、25.6
゜に強い回折強度を示し、14.0°、16.6°に中
程度の回折強度を示し、21.0°に非常に弱い回折強
度を示すものであった。また、この顔料をTHFに超音
波分散し、質量分析により組成物を同定したところ、A
l(OH)Pcが13モル%、一般式(III)で表わさ
れる化合物であって、フタロシアニン骨格に置換基を有
しないもの(以下、Al(Cl)Pcと省略する。)が
24モル%、(AlPc)2Oが83モル%であった。
【0036】<実施例2>ガラス製オートクレーブ反応
器に、フタロニトリル64.0部、アルミニウムイソプ
ロポキシド26.1部、尿素34.1部及びイソプロピ
ルアルコール250部を仕込み、反応温度140℃、容
器内の圧力5.5kg/cm2 で6時間反応させた。このよ
うにして得た反応混合物を実施例1と同様に処理して、
アルミニウムフタロシアニン粗顔料49.3部を得た。
この粗顔料の粉末X線回折スペクトルは、図1と同様で
あった。
【0037】このアルミニウムフタロシアニン粗顔料を
用いた以外は、実施例1と同様に顔料化して、アルミニ
ウムフタロシアニン顔料8.86部を得た。この顔料の
粉末X線回折スペクトルも、図2と同様であった。
【0038】<実施例3>実施例2において、反応溶剤
として用いたイソプロピルアルコールに代えてキシレン
を用い、反応時の容器内の圧力を3.0kg/cm2 に変更
した以外は、実施例2と同様にして、アルミニウムフタ
ロシアニン粗顔料35.0部を得た。この粗顔料の粉末
X線回折スペクトルは、図1と同様であった。
【0039】このアルミニウムフタロシアニン粗顔料を
用いたこと以外は、実施例1と同様に顔料化して、アル
ミニウムフタロシアニン顔料9.08部を得た。この顔
料の粉末X線回折スペクトルは、図2と同様であった。
【0040】<実施例4>ガラス製オートクレーブ反応
器に、アルミニウムイソプロポキシド46.0部及びn
−ブタノール200部を仕込み、110℃で4時間加熱
した。この間に反応によって生ずるイソプロピルアルコ
ール40.9部を留去し、アルミニウムブトキシドとし
た後、25℃まで冷却し、フタロニトリル96.1部及
び尿素45.0部を反応器に仕込み、150℃、3.5
kg/cm2 で6時間反応させた。得られた反応混合物の処
理は、実施例1と同様にして、アルミニウムフタロシア
ニン粗顔料87.6部を得た。この粗顔料の粉末X線回
折スペクトルは、図1のように、回折角(2θ±0.2
°;Cu−Kα)7.0°に非常に強い回折強度を示
し、11.0、13.9、16.9°、21.0゜、2
5.4°に非常に弱い回折強度を示した。
【0041】このアルミニウムフタロシアニン粗顔料を
用いた以外は、実施例1と同様に顔料化して、アルミニ
ウムフタロシアニン顔料9.51部を得た。
【0042】この顔料の粉末X線回折スペクトルは、図
2と同様であった。
【0043】<実施例5>ガラス製反応器に、アルミニ
ウムイソプロポキシド31.3部、フタロニトリル9
6.1部及び尿素30.0部をn−ブタノール85部と
ともに仕込み、撹拌しながら、加熱し、反応温度が13
0℃に到達するまで、溶剤を留去した。更に130℃で
5時間反応させた後、反応混合物を冷却し、反応液を濾
過した。濾取したケーキを、実施例1と同様に処理し
て、アルミニウムフタロシアニン粗顔料39.0部を得
た。この粗顔料の粉末X線回折スペクトルは、回折角
(2θ±0.2°;Cu−Kα)6.9°に非常に強い
回折強度を示し、13.9゜、15.2゜、16.3
°、23.8゜、25.1°に弱い回折強度を示し、1
3.1゜、20.9゜に非常に弱い回折強度を示した。
また、この粗顔料をTHFに超音波分散し、質量分析に
より組成物を同定したところ、Al(OH)Pcが13
モル%、(AlPc)2Oが82モル%であった。
【0044】このアルミニウムフタロシアニン粗顔料を
用いた以外は、実施例1と同様に顔料化して、アルミニ
ウムフタロシアニン顔料9.35部を得た。
【0045】この顔料の粉末X線回折スペクトルも、図
2と同様であった。また、この顔料をTHFに超音波分
散し、質量分析により組成物を同定したところ、Al
(OH)Pcが11モル%、(AlPc)2Oが82モ
ル%であった。
【0046】<実施例6>ガラス製反応器に、塩化アル
ミニウム16.7部、フタロニトリル64.1部及び尿
素30.0部をα−クロロナフタレン220部とともに
仕込み、220℃で6時間反応を行った。得られた反応
混合物を、実施例1と同様に処理して、アルミニウムフ
タロシアニン粗顔料57.3部を得た。この粗顔料の粉
末X線回折スペクトルは、回折角(2θ±0.2°;C
u−Kα)7.6°、25.3゜、26.8゜に非常に
強い回折強度を示し、7.0゜、8.4゜、9.2゜、
11.3°、12.4゜、16.3゜、16.7゜、1
8.4°、19.3゜、20.4°、22.4゜、2
4.4゜、28.0°に中程度の回折強度を示した。ま
た、この粗顔料をTHFに超音波分散し、質量分析によ
り組成物を同定したところ、Al(OH)Pcが13モ
ル%、(AlPc)2Oが84モル%であった。
【0047】このアルミニウムフタロシアニン粗顔料1
0.0部を用いた以外は、実施例1と同様に顔料化し
て、アルミニウムフタロシアニン顔料9.02部を得
た。
【0048】この顔料の粉末X線回折スペクトルは、図
2と同様であった。
【0049】<実施例7>図3に示すような回折角(2
θ±0.2°;Cu−Kα)7.0゜、11.2゜、1
6.9゜、25.6゜に強い回折強度を示し、14.0
°、21.6°に非常に弱い回折強度を示し、質量分析
により組成物を同定したところ、Al(OH)Pcが5
モル%、Al(Cl)Pcが27モル%、 (AlP
c)2Oが41モル%である市販のアルミニウムフタロ
シアニン粗顔料(山陽色素(株)製)を用いた以外は、実
施例1と同様に顔料化にして、アルミニウムフタロシア
ニン顔料9.79部を得た。
【0050】この顔料の粉末X線回折スペクトルは、図
2と同様であった。また、この顔料をTHFに超音波分
散し、質量分析により組成物を同定したところ、Al
(OH)Pcが12モル%、(AlPc)2Oが80モ
ル%であった。
【0051】<比較例1>実施例7で用いた市販のアル
ミニウムフタロシアニン粗顔料(山陽色素(株)製)1
0.0部を、SUS製ボール550部と共に容器に仕込
み、24時間、室温で乾式磨砕して、アルミニウムフタ
ロシアニン顔料9.79部を得た。
【0052】この顔料の粉末X線回折スペクトルは、図
4に示すように、回折角(2θ±0.2°;Cu−K
α)7.0°、11.2°、16.9°、25.6°に
強い吸収強度を示し、14.0°、21.7゜に非常に
弱い回折強度を示した。
【0053】<比較例2>実施例7で用いたアルミニウ
ムフタロシアニン粗顔料400部及び粉砕塩1600部
をエチレングリコール400部と共にニーダーに仕込
み、85〜95℃で6時間磨砕した。この磨砕ケーキの
うちの300部を分取し、1%塩酸3000部に解膠
し、70℃で1時間撹拌した後、濾過した。濾取した残
渣を90℃で乾燥させることにより、アルミニウムフタ
ロシアニン顔料58.8部を得た。
【0054】この顔料の粉末X線回折スペクトルは、図
4とほぼ同様であった。
【0055】<比較例3>銅フタロシアニン粗顔料を用
いた以外は、実施例7と同様に顔料化して、β型の銅フ
タロシアニン顔料を得た。
【0056】《顔料の評価》各実施例及び各比較例で得
た顔料を用い、以下の手順により平版インキ試験を行っ
た。
【0057】即ち、顔料0.4部とワニス(大日本イン
キ化学工業株式会社製「MG−63ワニス」)1.6部
とを、フーバーマラーを用いて混練し、濃色インキを得
た。
【0058】この濃色インキ0.2部と白インキ(大日
本インキ化学工業(株)製「ニューチャンピョンAT17
9白」)2.0部とを、フーバーマラーを用いて混練
し、淡色インキを得た。これらのインキを展色し、淡色
インキの色相及び相対着色力を分光光度計を用いて測色
した結果を下記表1にまとめて示した。
【0059】
【表1】
【0060】表1において、L*は塗膜の明度を表わ
し、 色相が近い場合には、その値が小さいほど着色力
が大きいことを示す。a*は色相の赤味〜緑味を表わ
し、 その値が大きいほど冴えた青味であることを示し
ている。 また、b*は黄味〜青味を表わし、その値が小
さいほど青味方向に寄り、色相も冴えていることを示し
ている。さらに、C*は彩度を表わし、 その値が大きい
ほど高彩度であり、青味鮮明であることを示している。
【0061】表1に示した結果から、実施例1〜7で得
らた顔料は、比較例1及び2で得た顔料と比較して、青
味に寄った色相であり、かつ、高彩度であること、さら
に、比較例3に示したβ型銅フタロシアニン顔料の色相
に近いことが理解できる。
【0062】
【発明の効果】本発明のアルミニウムフタロシアニン顔
料は、赤味、鮮明な青色を有し、重金属を含まない青色
顔料として銅フタロシアニン顔料の代替として有利であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たアルミニウムフタロシアニン粗
顔料の粉末X線回折スペクトルである。
【図2】実施例1で得たアルミニウムフタロシアニン顔
料の粉末X線回折スペクトルである。
【図3】実施例7で用いた山陽色素(株)製のアルミニウ
ムフタロシアニン粗顔料の粉末X線回折スペクトルであ
る。
【図4】比較例1で得たアルミニウムフタロシアニン顔
料の粉末X線回折スペクトルである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回折角(2θ±0.2°;Cu−Kα)
    7.0°、14.0°、16.6°、21.0°及び2
    5.6゜に回折強度を示す粉末X線回折スペクトルによ
    り特徴づけられる結晶構造を有する一般式(I) 【化1】 (式中のフタロシアニン骨格は、置換基を有していても
    良い。)で表わされるアルミニウムフタロシアニン顔
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウムフタロシア
    ニン顔料を含有するアルミニウムフタロシアニン顔料組
    成物。
  3. 【請求項3】 一般式(II) 【化2】 (式中のフタロシアニン骨格は、置換基を有していても
    良い。)で表わされる化合物を含有する請求項2記載の
    アルミニウムフタロシアニン顔料組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(III) 【化3】 (式中のフタロシアニン骨格は、置換基を有していても
    良い。)で表わされる化合物を含有する請求項2又は3
    記載のアルミニウムフタロシアニン顔料組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(IV) 【化4】 (式中のフタロシアニン骨格は、置換基を有していても
    良い。)で表わされるアルミニウムフタロシアニン化合
    物を含有するアルミニウムフタロシアニン粗顔料を酸に
    溶解又は懸濁させた後、多量の水と接触させることを特
    徴とする請求項2、3又は4記載のアルミニウムフタロ
    シアニン顔料組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 o−フタロジニトリル又はその誘導体
    と、アルミニウムアルコキシド又は塩化アルミニウム
    と、尿素又はその誘導体もしくはアンモニアとを有機溶
    剤中で反応させて得られた請求項5記載の一般式(IV)
    で表わされるアルミニウムフタロシアニン化合物を含有
    するアルミニウムフタロシアニン粗顔料を酸に溶解又は
    懸濁させた後、多量の水と接触させることを特徴とする
    請求項2、3又は4記載のアルミニウムフタロシアニン
    顔料組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウムフタロシアニン粗顔料を溶
    解又は懸濁させる酸が硫酸、塩酸又は燐酸である請求項
    5又は6記載のアルミニウムフタロシアニン顔料組成物
    の製造方法。
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