JPH09328369A - セラミック焼結体の製造方法 - Google Patents
セラミック焼結体の製造方法Info
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- JPH09328369A JPH09328369A JP8193533A JP19353396A JPH09328369A JP H09328369 A JPH09328369 A JP H09328369A JP 8193533 A JP8193533 A JP 8193533A JP 19353396 A JP19353396 A JP 19353396A JP H09328369 A JPH09328369 A JP H09328369A
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Abstract
タール樹脂の分解を防止することにより、活性度の高い
セラミック粉末においてもポリアセタール樹脂を用いる
ことが可能なセラミック成形体の製造方法を提供する。
また、流動性に優れた混練物を作製することにより、セ
ラミック焼結体の欠陥を防止することが可能なセラミッ
ク焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】 セラミック粉末とセラミック粉末の表面
処理が可能なコーティング樹脂とをコーティング樹脂の
融点あるいは軟化点以上の温度で混練する工程と、ポリ
アセタール樹脂を混練する工程と、得られた組成物を射
出成形する工程と、射出成形した組成物を加熱してコー
ティング樹脂とポリアセタール樹脂とを除去する工程
と、組成物を焼結する工程とを備えていることを特徴と
する。
Description
の製造方法に関するものである。
の製造方法のひとつに射出成形法がある。射出成形法に
よるセラミック焼結体の製造方法では、まず、セラミッ
ク粉末と結合剤である樹脂とを加熱して成分が均一にな
るように混合することにより混練物を作製し、これを射
出成形用の原料とする。次に、この混練物を用い射出成
形により成形体を作製して加熱等で樹脂成分を除去す
る。そして、この樹脂成分除去後の脱脂体を焼結するこ
とにより、セラミック焼結体を得ている。
性樹脂であるワックス、ポリエチレン、ポリスチレン等
が通常用いられる。これらの結合剤は所望の温度で加熱
されることにより熱分解して成形体から除去されるが、
このとき、亀裂や変形が生じないように長い時間を要し
て昇温加熱する必要がある。
59−141458号公報に記載のセラミックの射出成
形用ポリアセタール系結合剤を用いる方法がある(これ
を(1)の方法とする)。この方法では、結合剤として
ポリアセタールを用いた射出成形体を加熱することによ
り容易に除去することができる。
70624号公報に記載の無機焼結成形体の製造方法が
ある(これを(2)の方法とする)。この方法では、結
合剤としてポリアセタールを用いた射出成形体を酸含有
雰囲気中で処理することにより、ポリアセタールを迅速
に分解させることができる。
可塑性樹脂であるポリアセタール樹脂を用いることは、
樹脂成分を容易に除去可能な方法として有効である。
セラミック焼結体の製造方法には次のような問題点があ
った。(1)の方法では、ポリアセタール樹脂と活性度
が高いセラミック粉末とを混練する場合、ポリアセター
ル樹脂が分解し、ポリアセタール樹脂の含有率が一定の
混練物を得ることが困難であった。また、ポリアセター
ル樹脂の分解生成物であるホルムアルデヒドは有害物質
であるため、作業環境上好ましくなく、このため、ポリ
アセタール樹脂と混練可能なセラミック粉末はアルミナ
等の比較的活性度が低いものに限られていた。さらに、
ポリアセタール樹脂を樹脂成分の主成分とする混練物
は、溶融粘度が高く、急速に固化するため成形性に劣
り、焼結体中にウエルドラインやボイド等の欠陥が発生
しやすかった。
法の問題点に加え、酸含有雰囲気中で処理した樹脂成分
除去後の成形体、いわゆる脱脂体は、強度が弱いためハ
ンドリングが困難であり、焼結後のセラミック焼結体が
破壊したり、欠け等の欠陥が発生しやすいという問題点
があった。
こるポリアセタール樹脂の分解を防止することにより、
活性度の高いセラミック粉末においてもポリアセタール
樹脂を用いることが可能なセラミック焼結体の製造方法
を提供することにある。
作製することにより、セラミック焼結体の欠陥を防止す
ることが可能なセラミック焼結体の製造方法を提供する
ことにある。
の脱脂体の強度を向上させてハンドリングが容易になる
とともに、焼結後のセラミック焼結体の割れ欠け等の欠
陥を防止することが可能なセラミック焼結体の製造方法
を提供することにある。
課題を解決するべく、セラミック焼結体の製造方法を完
成するに至った。本発明のセラミック焼結体の製造方法
は、セラミック粉末とセラミック粉末の表面処理が可能
なコーティング樹脂とを、コーティング樹脂の融点ある
いは軟化点以上の温度で混練する工程と、ポリアセター
ル樹脂を混練する工程と、得られた組成物を射出成形す
る工程と、射出成形した組成物を加熱して、コーティン
グ樹脂とポリアセタール樹脂とを除去する工程と、組成
物を焼結する工程とを備えていることに特徴がある。
法は、セラミック粉末とセラミック粉末の表面処理が可
能なコーティング樹脂とを、コーティング樹脂の融点あ
るいは軟化点以上の温度で混練する工程と、ポリアセタ
ール樹脂を混練する工程と、得られた組成物を射出成形
する工程と、射出成形した組成物を酸含有雰囲気中で加
熱してポリアセタール樹脂を除去する工程と、射出成形
した組成物を加熱してコーティング樹脂を除去し、組成
物を焼結する工程とを備えていることに特徴がある。
法においては、上記(1)の工程は、有機溶媒中にコー
ティング樹脂を溶解させ、セラミック粉末を混合し、そ
の後、加熱あるいは減圧処理により有機溶剤を除去した
後、上記の温度で混練する工程であっても構わない。
法においては、セラミック粉末は、ポリアセタール樹脂
を分解しやすい活性度の高いセラミック粉末を用いても
よく、例えば、ジルコニア、チタン酸バリウム、酸化ス
ズ、酸化チタンのようなセラミック粉末を用いることが
できる。なお、上記セラミック粉末よりも活性度の低
い、例えばアルミナを用いることも可能である。
法においては、コーティング樹脂は、アクリル系樹脂、
脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリアミド、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ワック
ス、およびこれら各樹脂のいずれかと可塑剤との混合物
のうち、少なくとも1種を含有するものを用いることが
できる。
酸、パルチミン酸、ミリスチン酸などが使用可能であ
る。また、上記脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸
エステル、パルチミン酸エステル、ミリスチン酸エステ
ルなどが使用可能である。
および脂肪酸エステルのうちのいずれか1種と、アクリ
ル系樹脂、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、
ポリエチレン、およびポリプロピレンのうちのいずれか
1種とを混合してもよい。
て説明する。本発明のセラミック焼結体の製造方法は、
(1)セラミック粉末とセラミック粉末の表面処理が可
能なコーティング樹脂とを、コーティング樹脂の融点あ
るいは軟化点以上の温度で混練する工程と、(2)ポリ
アセタール樹脂を混練する工程と、(3)得られた組成
物を射出成形する工程と、(4)射出成形した組成物を
加熱して、コーティング樹脂とポリアセタール樹脂とを
除去する工程と、(5)組成物を焼結する工程とを備え
ている。これらの製造工程を有することによって、セラ
ミック粉末との混練時に起こるポリアセタール樹脂の分
解を防止することができるので、活性度の高いセラミッ
ク粉末においてもポリアセタール樹脂を用いることが可
能となり、また、流動性に優れた混練物を作製すること
ができるので、焼結後のセラミック焼結体の欠陥を防止
することが可能となる。
コーティング樹脂は、コーティング樹脂の融点あるいは
軟化点以上の温度でセラミック粉末と混練した場合に、
セラミック粉末の表面処理、具体的にはセラミック粉末
の表面をコーティング樹脂で全面的に被覆するといった
表面処理が可能であれば特に限定されない。具体例とし
ては、アクリル系樹脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリ
アミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ワックス、およびこれら各樹脂のいず
れかと可塑剤との混合物などが挙げられる。
パルチミン酸、ミリスチン酸などが使用可能であり、ま
た、脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸エステル、
パルチミン酸エステル、ミリスチン酸エステルなどが使
用可能である。より好ましい具体例としては実施例で用
いたステアリン酸あるいはステアリン酸メチルである。
られるセラミック粉末は、上記コーティング樹脂がセラ
ミック粉末の表面を全面的に被覆するので、たとえポリ
アセタール樹脂を分解してしまうような活性度が高いセ
ラミック粉末を使用することも可能である。具体例とし
ては、ジルコニア、酸化スズ、酸化チタンなどを含有す
るセラミック粉末である。なお、活性度が低いアルミナ
などのセラミック粉末を使用することも可能である。
例えば、混練槽の温度をコーティング樹脂の融点あるい
は軟化点以上の温度に保持した混練機等を用いて、粉体
表面をコーティング樹脂で全面的に被覆することが可能
な方法であれば、加圧、混練時間等については特に限定
されない。なお、好ましくは3×105Pa〜8×105
Paの加圧下で混練する場合であり、また、20〜60
分間混練する場合である。
ン酸を用いた場合には71℃以上で、ステアリン酸メチ
ルを用いた場合には、42℃以上で混練処理をすればよ
い。また、その他の樹脂を単独で用いた場合であって
も、樹脂の軟化点または融点以上の温度で混練処理をす
ればよいし、2種以上の樹脂を混合する場合には、この
混合した樹脂が溶解して粉体表面全体を被覆することが
可能な温度範囲であればよい。
上記の混練槽などにポリアセタール樹脂を添加して混練
すればよい。このポリアセタール樹脂はホモポリマータ
イプ、コポリマータイプの2種類を用いることが可能で
ある。ホモポリマータイプのものを使用した場合には、
ポリアセタール樹脂が溶融しやすく熱分解しない混練温
度としては175℃〜200℃の範囲内が好ましく、ま
た、コポリマータイプのものを用いた場合には、混練温
度としては165℃〜190℃の範囲内が好ましい。
例えば、インラインスクリュー式射出成形機やプランジ
ャ式射出成形機などを使用し、175℃〜200℃の温
度、50℃〜150MPaの圧力で、100〜150℃
に維持された金型内に射出され、成形されるような方法
であれば、特に限定されない。
ック焼結体の製造方法は、セラミック粉末の表面をコー
ティング樹脂により予め被覆することができるので、粉
体表面とポリアセタール樹脂との反応によるポリアセタ
ール樹脂の分解を防止し、ポリアセタールの含有率が投
入時の比率と一致する組成物を得ることができる。ま
た、樹脂成分としてポリアセタール樹脂だけでなくコー
ティング樹脂も含むので、ポリアセタール樹脂のみを混
練した場合と比較して高い流動性の混練物を得ることが
できる。
造方法について説明する。本発明のセラミック焼結体の
製造方法は、(1)セラミック粉末とセラミック粉末の
表面処理が可能なコーティング樹脂とを、コーティング
樹脂の融点あるいは軟化点以上の温度で混練する工程
と、(2)ポリアセタール樹脂を混練する工程と、
(3)得られた組成物を射出成形する工程と、(4)射
出成形した組成物を酸含有雰囲気中で加熱して、ポリア
セタール樹脂を除去する工程と、(5)射出成形した組
成物を加熱してコーティング樹脂を除去し、組成物を焼
結する工程とを備えている。これらの製造工程を有する
ことによって、脱脂体の強度が向上し、ハンドリングが
容易になるとともに、焼結後のセラミック焼結体の割れ
欠け等の欠陥を防止することが可能となる。
おいては、上述したセラミック焼結体の製造方法の
(1)から(3)の工程と同様である。
コーティング樹脂が除去できるような方法であれば、処
理温度等は特に限定されない。さらに、(5)の工程中
には、(4)の工程中に完全に除去されずに残存してい
たポリアセタール樹脂が含まれる場合もあるが、(5)
の工程により、樹脂成分が除去されれば特に問題はな
い。
(1)の工程と同様であってもよいが、有機溶媒中にコ
ーティング樹脂を溶解させ、セラミック粉末を混合し、
その後、上記混練温度で混練するとともに有機溶剤を除
去するといった工程であってもよい。この場合、粉体表
面全体を確実に被覆することが可能であるため、混練時
のポリアセタール樹脂の分解をより確実に防止すること
ができるという効果が得られる。
述した樹脂が使用できるが、特に本発明においては、ポ
リアセタール樹脂の分解を防止する脂肪酸および脂肪酸
エステルのうちのいずれか1種と、酸雰囲気で分解しな
いで強度を保つアクリル系樹脂、ポリアミド、エチレン
酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、およびポリプロピ
レンのうちのいずれか1種とを混合すると効果的であ
る。
ック焼結体の製造方法は、酸含有雰囲気中でポリアセタ
ール樹脂を除去した後も、コーティング樹脂がセラミッ
ク粉末の表面を被覆し、粉末粒子同士をつないでいるの
で、脱脂体の強度を補うことができる。よって、脱脂体
が破壊したり割れ欠けを生じたりすることを防止でき
る。また、この脱脂後に残存しているコーティング樹脂
等の樹脂は焼結前に除去されるので、焼結時に特に影響
を及ぼすこともない。
体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
較例1−2における、混練時のポリアセタールの減量率
(%)、混練物のセラミック含有率(vol%)、およ
びスパイラルフロー長さ(cm)を示す。
スズ、酸化チタンを主成分とするセラミック粉末453
0gとステアリン酸160gを準備した。次に、混練槽
を120℃に加熱した加圧式混練機に投入した後、6×
105Paの加圧下で30分間混合することにより粉末
表面を樹脂でコーティングした。次に、混練槽の温度を
180℃に変更し、コーティング処理した粉末3110
gとポリアセタール樹脂(商品名:F−40、三菱瓦斯
化学(株)製)500gを加え、引き続き30分間混練
した。ここで、粉末とポリアセタール樹脂とを混練して
いる間に異臭は無かった。
間空気中で加熱し、加熱前後の重量変化を測定すること
により混練物中の有機物質の含有率を算出した。
率と、混練物中の有機物質の含有率との差は、混練物中
に分解したポリアセタール樹脂分に相当するとして、ポ
リアセタール樹脂の投入量のうち、混練時に分解した割
合を混練時の減量率として算出した。本操作における混
練時の減量率は0.3%であり、混練時にポリアセター
ルの分解がほとんど起こっていないことが分かった。
し、スパイラルフローテストにより混練物の流動性を評
価した。本操作により作製した混練物のスパイラルフロ
ー長さは、後述する比較例1−2のように、アルミナ粉
末を表面処理することなくポリアセタール樹脂と混練し
たもののスパイラルフロー長さと比較して長く、この操
作により高い流動性の混練物を作製することができるこ
とが確認された。
形し、寸法が30×40×10mmの成形体を作製し
た。成形時に金型の表面温度を120〜140℃に設定
することで、成形体内部にボイドやウエルドラインのよ
うな欠陥のない成形体を作製することができた。
樹脂成分を除去し、この脱脂体を焼結させてセラミック
焼結体を作製した。
した加圧式混練機に上記セラミック粉末3000gと、
上記ポリアセタール樹脂670gとを投入した後、上記
混練機で30分間混練した。混練開始直後からポリアセ
タール樹脂の分解生成物であるホルムアルデヒドの刺激
臭があった。また、上記混練時の減量率は45.1%で
あり、混練中にポリアセタール樹脂が分解していること
が分かった。さらに、得られた混練物は、ポリアセター
ル樹脂の融点(165℃)以上に加熱しても流動しにく
いため、スパイラルフロー長さを測定することはできな
かった。混練時にポリアセタール樹脂が分解するのを考
慮してポリアセタール樹脂を過剰に添加して得られた混
練物を用いて射出成形を試みたが、射出成形機のシリン
ダー内で混練物中のポリアセタール樹脂が分解し、ポリ
アセタール樹脂の含有率が一定の成形体を得ることがで
きなかった。特に、シリンダー内での混練物の滞留時間
を長くすると混練物が流動性を失い、金型内に射出する
ことが不可能となった。
した加圧式混練機に、上記セラミック粉末と比較して活
性度が低いアルミナ粉末(商品名:AKP−20、住友
化学工業(株)製)2300gと、上記ポリアセタール
樹脂670gとを投入した後、上記混練機で30分間混
練した。混練中にホルムアルデヒドの刺激臭があった。
また、上記減量率は2.1%であり、混練中に若干なが
らポリアセタール樹脂が分解していることが分かった。
表1に示したように、混練物の溶融粘度は上記実施例1
−1のものと比較して高かった。得られた混練物を原料
として、上記形状の射出成形体を作製することを試みた
が、成形条件を最適化しても焼結体中にウエルドライ
ン、ボイド等の欠陥が発生するのを防止することはでき
なかった。
例2−2と比較例2−1における、脱脂時の減量率と脱
脂体の3点曲げ強度を示す。
70gと、ステアリン酸メチル80gとスチレン・ブチ
ルメタクリレートの共重合体80gを準備した。次に、
混練槽を120℃に加熱した加圧式混練機に投入した
後、6×105Paの加圧下で30分間混合することに
より粉末表面を樹脂でコーティングした。
ティングした粉体2400gと前記ポリアセタール樹脂
500gを加え、引き続き30分間混練した。前記混練
時の脱脂率は0.3%であった。得られた混練物を顆粒
状に加工したものを原料として射出成形し、寸法が幅4
mm、厚さ3mm、全長40mm角柱形状の成形体を作
製した。
を115℃、発煙硝酸の供給量を90g/h、窒素をキ
ャリアーガスとして3時間処理した。成形体中のポリア
セタールのうち、酸含有雰囲気中での脱脂により除去し
たポリアセタール樹脂の割合を脱脂時の減量率とし、脱
脂前後の成形体の重量変化より算出した。本実施例2−
1の減量率は94%であった。
果、130kg/cm2であった。本脱脂体は特に注意
を払わずに取り扱っても脱脂体が破壊したり欠けたりす
ることがなかった。また、脱脂体の破断面を走査型顕微
鏡で観察したところ、樹脂がアルミナ粒子表面を覆い、
粒子同士をつなぎ止めていることがわかった。
ロファイルで焼成した。なお、恒温範囲Aでは粉末とコ
ーティング樹脂との混練、恒温範囲Bでは残存ポリアセ
タール樹脂の除去、恒温範囲Cでは脱脂体の焼結が行わ
れている。
対密度98.5%)という、緻密であって内部にクラッ
ク等の欠陥を含まない焼結体が得られた。上記顕微鏡観
察により酸含有雰囲気での脱脂によりポリアセタール樹
脂が除かれた部分は連続気孔となっていることがわかっ
た。なお、脱脂後に残存している樹脂の熱分解生成物
は、この連続気孔を通じて外部に放出されるため、比較
的高速で昇温しても欠陥のない焼結体を得ることができ
て、脱脂体強度を向上させるために用いた樹脂は焼成時
に特に悪影響を及ぼさないことがわかった。
ルエン中に、ステアリン酸メチル80gとスチレン・ブ
チルメタクリレート共重合体80gを投入し溶解させ
た。次に、この溶液中に上記アルミナ粉末3470gを
投入し、さらに撹拌することによりスラリーを調製し
た。このスラリーを加熱しながら撹拌することによりト
ルエンを揮発除去させ、樹脂で表面をコーティングした
アルミナ粉末を得た。
樹脂500gを混練槽の温度を180℃に保持した混練
機中に投入し、加圧下で30分間混練した。得られた混
練物から上記角柱形状の成形体を作製した。射出成形体
を上記脱脂炉中に投入し、上記条件と同一の条件で処理
した。脱脂後の減量率は95%であった。
13kg/cm2であった。本脱脂体は特に注意を払わ
ずに取り扱っても脱脂体が破壊したり欠けたりすること
がなかった。脱脂体の破断面を走査型顕微鏡で観察した
ところ、実施例2−1と同様に樹脂がアルミナ粒子表面
を覆い、粒子同士をつなぎ止めていることがわかった。
ところ、密度が3.93g/cm3(相対密度98.5
%)という、緻密であって内部にクラック等の欠陥を含
まない焼結体が得られた。本工程により、酸含有雰囲気
中での脱脂性を損なうことなく、高強度の脱脂体を作製
することができた。また、得られた脱脂体からは、緻密
な焼結体が得られることを確認した。
した加圧式混練機に上記アルミナ粉末2298gと、上
記ポリアセタール樹脂670g(629.4cm3)を
投入した後、上記混練機で30分間混練した。この混練
物を用いて射出成形体を作製した後に、上記脱脂操作と
同一条件で脱脂した。脱脂時の減量率は98%であっ
た。脱脂体の3点曲げ強度は19kg/cm2であっ
た。脱脂体は脆く、取り扱い中に破壊したり、カケが発
生したりした。
用いれば、簡単な工程で混練機以外の特別な設備を必要
とすることなく、ポリアセタール樹脂と活性度の高いセ
ラミック粉末との混練物を得ることができるので、成形
体から容易に除去可能なポリアセタール樹脂を用いた射
出成形方法を、活性度の高いセラミック粉末に適用する
ことが可能である。また、この混練物は、流動性に優れ
ているので、欠陥の極めて少ないセラミック焼結体を製
造することが可能である。
方法を用いれば、酸雰囲気中でポリアセタール樹脂を除
去した後においても、焼結前のセラミック成形体が充分
な強度を有することによって作業性が向上するととも
に、焼結後のセラミック焼結体の欠陥を防止することが
可能である。
示す図。
Claims (5)
- 【請求項1】(1)セラミック粉末と前記セラミック粉
末の表面処理が可能なコーティング樹脂とを、前記コー
ティング樹脂の融点あるいは軟化点以上の温度で混練す
る工程と、(2)ポリアセタール樹脂を混練する工程
と、(3)得られた組成物を射出成形する工程と、
(4)前記射出成形した組成物を加熱して、前記コーテ
ィング樹脂と前記ポリアセタール樹脂とを除去する工程
と、(5)前記組成物を焼結する工程と、を備えている
ことを特徴とするセラミック焼結体の製造方法。 - 【請求項2】(1)セラミック粉末と前記セラミック粉
末の表面処理が可能なコーティング樹脂とを、前記コー
ティング樹脂の融点あるいは軟化点以上の温度で混練す
る工程と、(2)ポリアセタール樹脂を混練する工程
と、(3)得られた組成物を射出成形する工程と、
(4)前記射出成形した組成物を酸含有雰囲気中で加熱
して前記ポリアセタール樹脂を除去する工程と、(5)
前記射出成形した組成物を加熱して前記コーティング樹
脂を除去し、組成物を焼結する工程と、を備えているこ
とを特徴とするセラミック焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2の(1)の工程は、有機溶媒中
に前記コーティング樹脂を溶解させ、前記セラミック粉
末を混合し、その後、加熱あるいは減圧処理により前記
有機溶剤を除去した後、前記温度で混練する工程である
ことを特徴とするセラミック焼結体の製造方法。 - 【請求項4】 前記セラミック粉末は、前記ポリアセタ
ール樹脂を分解しやすい活性度の高いセラミック粉末で
あることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
に記載のセラミック焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 前記コーティング樹脂は、アクリル系樹
脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリアミド、エチレン酢
酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ワ
ックス、およびこれら各樹脂のいずれかと可塑剤との混
合物のうち、少なくとも1種を含有することを特徴とす
る請求項1から請求項4のいずれかに記載のセラミック
焼結体の製造方法。
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JP19353396A JP3804108B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-07-23 | セラミック焼結体の製造方法 |
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JP19353396A JP3804108B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-07-23 | セラミック焼結体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09328369A true JPH09328369A (ja) | 1997-12-22 |
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JP19353396A Expired - Fee Related JP3804108B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-07-23 | セラミック焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3804108B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014104071A1 (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-03 | 日揮触媒化成株式会社 | 成型体用改質酸化チタン系微粒子粉末および成型体用組成物ならびに成型体 |
-
1996
- 1996-07-23 JP JP19353396A patent/JP3804108B2/ja not_active Expired - Fee Related
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