JPH09327788A - フラックス含有アルミニウムろう材 - Google Patents

フラックス含有アルミニウムろう材

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JPH09327788A
JPH09327788A JP15217296A JP15217296A JPH09327788A JP H09327788 A JPH09327788 A JP H09327788A JP 15217296 A JP15217296 A JP 15217296A JP 15217296 A JP15217296 A JP 15217296A JP H09327788 A JPH09327788 A JP H09327788A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろう材およびフラックスの両面から、従来よ
りも低い温度で良好なろう付を達成できるフラックス含
有アルミニウムろう材の提供を目的とする。 【構成】 ろう材成分およびフラックス成分を含有し、
かつそのろう材成分とフラックス成分とが重量比で95:5
〜70:30 の割合で配合されたフラックス含有アルミニウ
ムろう材であって、前記ろう材成分は、Zn: 20〜60wt%,
Si:0.05〜208wt%を含有し、さらに低温におけるろう付
性向上のための添加元素群(I) および/または強度向上
のための添加元素群(II)を含有し、残部Alおよび不可
避不純物からなり、不純物中のFe含有量が0.01wt% 以下
に規制されてなり、前記フラックス成分は、融点が 550
℃以下のCs-F系フラックスであることを特徴とする。前
記添加元素群(I) は、Be,La,Sr,Bi,Mg,Li,Sb,Ba のうち
の少なくとも1種であり、前記添加元素群(II)は、Mnま
たはCrのうちの少なくとも1種である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム材
のろう付に使用されるフラックス含有アルミニウムろう
材に関するものである。
【0002】なお、この明細書において、「アルミニウ
ム」の語はアルミニウムおよびその合金を含む意味で用
いる。
【0003】
【従来の技術】アルミニウム材のろう付では、母材の融
点よりも低融点のろう材が用いられ、ろう付温度は母材
の融点とろう材の融点との中間温度に設定される。この
とき、母材とろう材との融点差が小さいと、ろう付温度
の設定可能範囲が狭くなって温度管理が難しく良好なろ
う付性が得られなくなる。
【0004】アルミニウムろう材として、従来より、融
点が577℃以上のAl−8〜11wt%Si合金が多用
されているが、上述のような観点から、本出願人はさら
に融点の低い550℃以下でろう付可能なAl−Zn−
Si系合金ろう材を提案した(特願平6−182481
号)。
【0005】また、フラックスろう付の場合は、ろう材
よりもさらに低融点のフラックスが必要であるため、従
来低融点の塩化物系フラックスが用いられる。またフラ
ックスの供給方法としては、フラックス懸濁液の塗布に
よる供給、ろう付雰囲気中へガス状フラックスの供給な
どが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
Al−Zn−Si系合金ろう材でも母材によっては融点
差が十分でなく、母材との融点差を確保すべくさらに低
融点のろう材が求められている。また、ろうの流動性が
不十分であるために、ガス抜け不良を起こしてろう付後
の内部欠陥となるという問題点があった。
【0007】さらに、塩化物系フラックスを用いた場
合、フラックスそのものは低融点であるにも拘らず、ろ
う材の融点に拘束されてろう付温度管理がままならず、
しかも腐食性であるためにろう付後に残留フラックスの
洗浄除去が不可欠である。その上、フラックス供給作業
そのものが面倒であるとともに、供給量の適正化および
均一化が困難であった。
【0008】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、ろう材およびフラックスの両面か
ら、従来よりも低い温度で良好なろう付を達成できるフ
ラックス含有アルミニウムろう材を提供しようとするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の第1のフラッ
クス含有アルミニウムろう材は、低温におけるろう付性
向上を目的として、ろう材成分およびフラックス成分を
含有し、かつそのろう材成分とフラックス成分とが重量
比で95:5〜70:30の割合で配合されたフラック
ス含有アルミニウムろう材であって、前記ろう材成分
は、Zn:20〜60wt%、Si:0.05〜20wt%
を含有し、残部Alおよび不可避不純物からなり、不純
物中のFe含有量が0.01wt%以下に規制されてな
り、前記フラックス成分は、融点が550℃以下のCs
−F系フラックスであることを特徴とするものである。
【0010】また、第2のフラックス含有アルミニウム
ろう材は、さらに低い温度におけるろう付性の向上を目
的として、第1のフラックス含有アルミニウムろう材の
ろう材成分において、さらにBe、La、Sr、Bi、
Mg、Li、Sb、Baのうちの少なくとも1種を合計
で0.01〜0.5wt%を含有することを特徴とするも
のである。
【0011】また、第3のフラックス含有アルミニウム
ろう材は、強度向上を目的として、第1のフラックス含
有アルミニウムろう材のろう材成分において、Mn:
0.5〜1.5wt%またはCr:0.1〜0.5wt%の
うちの少なくとも1種を含有することを特徴とするもの
である。
【0012】さらに、第4のフラックス含有アルミニウ
ムろう材は、さらに低い温度におけるろう付性および強
度向上を目的として、第1のフラックス含有アルミニウ
ムろう材のろう材成分において、さらにBe、La、S
r、Bi、Mg、Li、Sb、Baのうちの少なくとも
1種を合計で0.01〜0.5wt%と、Mn:0.5〜
1.5wt%またはCr:0.1〜0.5wt%のうちの少
なくとも1種とを含有することを特徴とするものであ
る。
【0013】これら4種類のフラックス含有アルミニウ
ムろう材は、いずれもろう材成分と特定のフラックス成
分とにより構成され、さらに各ろう材成分は、Al、Z
nおよびSiの主成分元素群、さらにこの主成分元素群
とBe、La、Sr、Bi、Mg、Li、SbおよびB
aの融点降下および流動性向上に効果のある添加元素群
(以下、「Be群」と省略する)、および/またはMn
およびCrの強度の向上に効果のある添加元素群(以
下、「Mn群」と省略する)とにより構成される。即
ち、第1のフラックス含有アルミニウムろう材のろう材
成分は主成分元素群のみ、第2のフラックス含有アルミ
ニウムろう材のろう材成分は主成分元素群およびBe
群、第3のフラックス含有アルミニウムろう材は主成分
元素群およびMn群、第4のフラックス含有アルミニウ
ムろう材は主成分元素群、Be群およびMn群により構
成される。
【0014】前記主成分元素群であるAl、Zn、Si
のうち、Znはろう材の融点を下げる効果がある。ろう
材は、母材よりも150℃以上低い温度で溶融するもの
が好ましい。ろう材成分組成において、Zn含有量が2
0wt%未満では550℃以下でろう付可能なまでに融点
を降下させるに至らず、60wt%を超えるとさらに融点
を下げることはできるがろう材の溶融温度範囲が広くな
るため、凝固時の引け巣が発生しやすくなってろう付部
の気密性を低下させるおそれがある。したがって、Zn
含有量は20〜60wt%とする必要がある。Zn含有量
の好ましい下限値は25wt%であり、好ましい上限値は
45wt%である。また、Siは、ろう材の融点を下げる
効果がある。Si含有量が0.05wt%未満では前記効
果に乏しく、また20wt%を超えて含有量を増やしても
前記効果が飽和するだけでなく加工性の低下という不都
合を生じる。したがって、Si含有量は0.05〜20
wt%とする必要があり、Si含有量の好ましい下限値は
2wt%、好ましい上限値は8wt%である。
【0015】前記Be群の各元素、Be、La、Sr、
Bi、Mg、Li、SbおよびBaは、微量を添加する
ことによりさらに融点を降下させるとともにろうの流れ
性の向上に効果のある成分である。これらの元素は前記
効果において均等に扱われ、少なくとも1種が含有され
ていれば足りる、また、その合計量がろう材成分組成に
おいて0.01wt%未満の場合には前記記効果に乏し
く、0.5wt%を超えると前記効果が飽和して大量に添
加する意味がない、したがって、Be群元素の含有量は
合計量で0.01〜0.5wt%とする必要があり、好ま
しい下限値は0.1wt%であり、好ましい上限値は0.
4wt%である。
【0016】前記Mn群の各元素、MnおよびCrは、
微量を添加することによりろう材の強度向上に効果のあ
る成分である。これらの元素は前記効果において均等に
扱われ、少なくとも1種が含有されていれば足りる、M
n含有量が0.5wt%未満、Cr含有量が0.1wt%未
満の場合には、それぞれ前記効果に乏しく、Mn含有量
が1.5%、Cr含有量が0.5wt%を超えても前記効
果が飽和する。したがって、Mn含有量は0.5〜1.
5%とする必要があり、好ましい下限値は1.0wt%で
あり、好ましい上限値は1.3wt%である。Cr含有量
は0.1〜0.5wt%とする必要があり、好ましい下限
値は0.3wt%であり、好ましい上限値は0.4wt%で
ある。
【0017】ろう材成分組成において前記各元素の残部
はAlであり、不可避不純物の存在は許容されるが、不
純物としてFeが多く含まれていると融点が上昇すると
ともに、耐食性が低下するため、Fe含有量を0.01
wt%以下に規制する必要がある。
【0018】また、前記フラックス含有アルミニウムろ
う材を構成するもう1つの成分であるフラックス成分
は、その融点が前記ろう材成分の融点よりも30℃以上
低いものを使用することが好ましく、550℃以下で溶
融するものを使用する。また、非腐食性であることも必
要であるため、この発明においては、Cs−F系のもの
を使用する。具体的には、フルオロアルミン酸セシウム
錯体、CsαAlFα+ (αは自然数)、CsFとK
F+AlFとの混合物等である。
【0019】さらに、前記フラックス含有アルミニウム
ろう材の組成において、前記ろう材成分とフラックス成
分との含有比率は重量比で95:5〜70:30である
ことを要する。これは、フラックス量が95:5よりも
少なくなると十分なフラックス作用を発揮できず良好な
接合が困難となり、一方70:30を超えてフラックス
量が多くなると脆くなって固形化が困難となるからであ
る。ろう材成分とフラックス成分との特に好ましい比率
は、90:10〜80:20である。
【0020】この発明に係るフラックス含有アルミニウ
ムろう材は、ろう材成分粉末およびフラックス成分粉末
を所定割合で混合し、この混合粉末を加圧することによ
り圧粉体に成形固形化し、次いで該圧粉体を加熱したの
ち、所要形状に二次成形することにより製造することが
好ましい。
【0021】前記ろう材成分粉末は、Al粉末、Zn粉
末、Si粉末、Be粉末等のそれぞれ単独粉末を所要割
合で混合しても良いし、所要組成の合金粉末を使用して
も良い。また、主成分にはAl−Zn−Si合金粉末を
使用し、微量添加元素には単独粉末を使用するというよ
うに合金粉末と単独粉末とを併用しても良い。
【0022】前記ろう材成分粉末やフラックス粉末は、
圧粉体の密度を可及的に高めるとともに均一分散させる
ために、粒度調整したものを使用することが好ましい。
具体的には、粒径を10〜100μmとするのが好まし
く、さらにAl≧Zn>Si>微量添加元素>フラック
ス、Al<Zn>Si>フラックス、合金>フラックス
というように、フラックスはろう材成分よりも粒径を小
さく、ろう材成分として単独粉末を使用する場合は含有
量の少ないものほど粒径を小さくすることが好ましい。
【0023】また、前記ろう材成分粉末は、圧粉体の密
度を可及的に高めるために、アトマイズ粉等の球状粉を
使用するのが好ましい。
【0024】圧粉体は、一般に金型内に材料粉末を充填
して製作されるが、多数の気孔を含有する脆い状態でも
金型から離型可能で次工程へのハンドリングができる程
度に固形化していれば良いから、高密度に圧粉する必要
はなく50%以上あれば良い。そのため、圧粉を高温下
で行う必要はなく冷間圧粉も可能である。むしろ、圧粉
温度が高すぎると金型内壁に熱融着して離型できなくな
る。圧粉温度の上限値は、550℃未満が好ましく、特
に400℃未満が好ましい。前記温度域では材料粉末が
酸化するおそれがないため、非酸化雰囲気中で圧粉する
必要はなく、大気中で圧粉することができる。さらに、
前記温度域であれば、温度が高くなるほど小さいプレス
圧力で所要の密度に圧粉することができ、あるいは同じ
プレス圧力であれば高温で圧粉するほど高密度の圧粉体
ができ、ハンドリング性が向上して二次成形前の加熱時
の工程管理が容易になる。
【0025】成形用金型から離型した圧粉体は加熱して
軟化させたのち、押出、圧延等の二次成形を行って所要
形状のフラックス含有Al合金ろう材とする。加熱温度
は、二次成形が可能な程度に粒子が軟化すれば良く完全
に溶融させる必要はないので、300〜550℃が好ま
しい。加熱雰囲気は、比較的圧粉体密度が低く多数の気
孔を含有している場合や前記加熱温度が高い場合は、ろ
う材成分粉末が酸化しやすいため、ろう付性の低下防止
を目的として非酸化性雰囲気中で行うことが好ましい
が、比較的圧粉体密度が高い場合や加熱温度が低い場合
で酸化のおそれのないときは大気中で加熱しても良い。
なお、非酸化性雰囲気であれば真空あるいはN、Ar
等の不活性ガス雰囲気のいずれでも良いが、真空の場合
は4Torr以下の高真空が好ましく、不活性ガス雰囲気の
場合はHO濃度が500ppm 以下、O濃度が500
ppm 以下に規制にされていることが好ましい。
【0026】
【作用】この発明にかかる4種のフラックス含有アルミ
ニウムろう材は、いずれも、Al、ZnおよびSiを主
成分とするためにろう材成分そのものが低融点である上
に、550℃以下で溶融するCs−F系フラックスを含
有しているために、低い温度で溶融して良く流動する。
また、ろう材成分が低融点であるために母材との融点差
が拡大し、ろう付温度を広い範囲で設定可能となる。そ
のため、温度管理が容易になってろう付性が向上し、か
つフラックスが浮上し易くなるとともにガスの巻込みが
少なくなって内部欠陥の発生が抑制される。
【0027】また、不純物としてのFe含有量が0.0
1wt%以下に規制されていることにより、融点の上昇や
耐食性の低下が抑制される。
【0028】さらに、微量添加元素としてBe、La、
Sr、Bi、Mg、Li、Sb、Baのうちの少なくと
も1種を配合することにより、ろう材の融点をさらに下
げることができ、融点降下による上記効果が助長され
る。
【0029】またさらに、Mn、Crのうちの少なくと
も1種を配合することにより、ろう材強度が向上する。
【0030】
【実施例】次に、この発明のフラックス含有アルミニウ
ムろう材の具体的実施例について説明する。
【0031】ろう材成分として各元素の単体粉末および
合金粉末、フラックス成分としてCsAlF粉末およ
びKAlF粉末を用意した。粒径は、Al粉末が10
0μm、Zn粉末が50μm、Si粉末が10μm、そ
の他の微量元素粉末が5μm、合金粉末が100μm、
フラックス粉末が10μmである。
【0032】フラックス含有アルミニウムろう材の製造
に際し、まず前記ろう材成粉末およびフラックス粉末を
後掲の表1に示す割合で配合して混合粉末を調製した。
なお、ろう材成分として実施例1、3、5、7、9、1
1、13、15および比較例17については単独粉末を
所要割合で混合した混合粉末を使用し、その他は所要組
成の合金粉末を使用した。但し、表1中のFeの含有量
は、敢えて配合したものではなく、Fe以外の材料粉末
を配合した結果、不純物として含まれていたものであ
る。
【0033】次に、前記混合粉末を直径3インチ×高さ
150mmの円筒形の金型内に充填し、大気中でプレスを
用い圧粉成形した。圧粉体を金型から取り出したとこ
ろ、内部に多数の気孔を含みやや脆いものであったが、
離型等のハンドリングには十分に耐える強度を有するも
のであった。次いで、前記圧粉体を、HO濃度が10
0ppm 以下、O濃度が100ppm 以下に規制した窒素
ガス中で120分間加熱した。続いて、この圧粉体を直
径2mmの線状に押出した。
【0034】
【表1】
【0035】表1の各実施例および各比較例に示すフラ
ックス含有アルミニウムろう材についてろう付試験を行
いった。ろう付試験は、JIS A3003からなる8
mmφのパイプとJIS A6063からなる穴明きブロ
ックとを組合わせて、上記線状ろう材を用いて種々のろ
う付温度で自動トーチろう付するものとした。そして、
得られたろう付品について、ろう付性、内部欠陥率、ろ
う付部の強度について、次の方法で評価するとともに、
これらを総合的に評価した。
【0036】(ろう付性)外観および断面を観察して評
価した。ろう付長さが10mm以上ある継手でろう付試験
を行い、5mm以上のろうの流れのあるものを良好とし
た。
【0037】 ○:外観、ろう流れともに良好 △:外観あるいはろう流れ性のいずれか一方が不良 ×:外観、ろう流れ性がともに不良 (内部欠陥率)ろう材の流れた面積に対する欠陥の面積
率で示す。なお、ろう流れ長さが5mmに達していないも
のはそれも欠陥とみなした。
【0038】(強度)パイプとブロックをチャッキング
して引張試験を行い評価した。
【0039】 ○:パイプ破断 △:パイプとフィレットの境界で破断 ×:フィレットで破断 以上の試験結果より、この発明の実施例にかかるフラッ
クス含有アルミニウムろう材は、接合部に所定量のフラ
ックスを供給してろう付作業性が良いことはもとより、
Cs−F系フラックスを使用することにより従来よりも
低い温度でろう付ができるようになり、母材との融点差
が大きくなってろう付の温度管理が容易になりろう付性
が向上するとともに、内部欠陥が抑制されることを確認
しえた。特に、Be群元素の添加により、ろう材の融点
がさらに下がって流動性が改善され、上記効果が顕著に
なった。また、Mn群元素を添加することにより、ろう
の強度が向上して、継手強度が改善された。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の第1乃
至第4のフラックス含有アルミニウムろう材は、いずれ
も、ろう材成分およびフラックス成分を含有し、かつそ
のろう材成分とフラックス成分とが重量比で95:5〜
70:30の割合で配合されたフラックス含有アルミニ
ウムろう材であって、前記ろう材成分は、主成分として
Alの他にZn:20〜60wt%、Si:0.05〜2
0wt%を含有し、かつ前記フラックス成分は、融点が5
50℃以下のCs−F系フラックスであるから、従来の
Al−Zn−Si系ろう材よりも低い温度で溶融する。
そのため、ろう付温度管理が容易になり、ろう流れが良
く内部欠陥のない良好なろう付を達成できる。また、ろ
う付温度が低いことで母材への熱影響が少なく、母材強
度を低下させることがない。また、不純物中のFe含有
量が0.01wt%以下に規制されているため、融点の上
昇や耐食性の低下というような不都合もない。また、接
合部へ常に一定量のフラックスを供給することができ、
別途供給する必要もない。
【0041】さらに、第2および第4のフラックス含有
アルミニウムろう材において、ろう材成分として、A
l、ZnおよびSiの他に、Be、La、Sr、Bi、
Mg、Li、Sb、Baのうちの少なくとも1種が合計
で0.01〜0.5wt%添加されているためさらに融点
が下がり、上述の低い温度でのろう付の効果が助長され
る。
【0042】さらに、第3および第4のフラックス含有
アルミニウムろう材において、ろう材成分として、A
l、ZnおよびSiの他に、Mn:0.5〜1.5wt%
またはCr:0.1〜0.5wt%のうちの少なくとも1
種が添加されているために、ろう材強度が向上し、ひい
てはろう付品強度が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 35/40 340 B23K 35/40 340C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ろう材成分およびフラックス成分を含有
    し、かつそのろう材成分とフラックス成分とが重量比で
    95:5〜70:30の割合で配合されたフラックス含
    有アルミニウムろう材であって、 前記ろう材成分は、Zn:20〜60wt%、Si:0.
    05〜20wt%を含有し、残部Alおよび不可避不純物
    からなり、不純物中のFe含有量が0.01wt%以下に
    規制されてなり、 前記フラックス成分は、融点が550℃以下のCs−F
    系フラックスであることを特徴とするフラックス含有ア
    ルミニウムろう材。
  2. 【請求項2】 ろう材成分およびフラックス成分を含有
    し、かつそのろう材成分とフラックス成分とが重量比で
    95:5〜70:30の割合で配合されたフラックス含
    有アルミニウムろう材であって、 前記ろう材成分は、Zn:20〜60wt%、Si:0.
    05〜20wt%を含有し、さらにBe、La、Sr、B
    i、Mg、Li、Sb、Baのうちの少なくとも1種を
    合計で0.01〜0.5wt%を含有し、残部Alおよび
    不可避不純物からなり、不純物中のFe含有量が0.0
    1wt%以下に規制されてなり、 前記フラックス成分は、融点が550℃以下のCs−F
    系フラックスであることを特徴とするフラックス含有ア
    ルミニウムろう材。
  3. 【請求項3】 ろう材成分およびフラックス成分を含有
    し、かつそのろう材成分とフラックス成分とが重量比で
    95:5〜70:30の割合で配合されたフラックス含
    有アルミニウムろう材であって、 前記ろう材成分は、Zn:20〜60wt%、Si:0.
    05〜20wt%を含有し、さらにMn:0.5〜1.5
    wt%またはCr:0.1〜0.5wt%のうちの少なくと
    も1種を含有し、残部Alおよび不可避不純物からな
    り、不純物中のFe含有量が0.01wt%以下に規制さ
    れてなり、 前記フラックス成分は、融点が550℃以下のCs−F
    系フラックスであることを特徴とするフラックス含有ア
    ルミニウムろう材。
  4. 【請求項4】 ろう材成分およびフラックス成分を含有
    し、かつそのろう材成分とフラックス成分とが重量比で
    95:5〜70:30の割合で配合されたフラックス含
    有アルミニウムろう材であって、 前記ろう材成分は、Zn:20〜60wt%、Si:0.
    05〜20wt%を含有し、さらにBe、La、Sr、B
    i、Mg、Li、Sb、Baのうちの少なくとも1種を
    合計で0.01〜0.5wt%と、Mn:0.5〜1.5
    wt%またはCr:0.1〜0.5wt%のうちの少なくと
    も1種とを含有し、残部Alおよび不可避不純物からな
    り、不純物中のFe含有量が0.01wt%以下に規制さ
    れてなり、 前記フラックス成分は、融点が550℃以下のCs−F
    系フラックスであることを特徴とするフラックス含有ア
    ルミニウムろう材。
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