JPH09327288A - 修飾蛋白質の製造法及びコンタクトレンズ用汚れ除去剤 - Google Patents
修飾蛋白質の製造法及びコンタクトレンズ用汚れ除去剤Info
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- JPH09327288A JPH09327288A JP14922996A JP14922996A JPH09327288A JP H09327288 A JPH09327288 A JP H09327288A JP 14922996 A JP14922996 A JP 14922996A JP 14922996 A JP14922996 A JP 14922996A JP H09327288 A JPH09327288 A JP H09327288A
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Abstract
存可能な修飾蛋白質の製造法と、コンタクトレンズの汚
れ除去能が高く、溶液状態で長期保存が可能で保存安定
性に優れたコンタクトレンズ用汚れ除去剤とを提供する
こと。 【解決手段】Pro−(R−(X1)a−X)b ・・・
(1) (Pro:蛋白質残基、R:蛋白質の官能基と結合する
官能基から誘導される2価の有機残基、X1:ホスホリ
ルコリン基を含まない2価の有機残基、X:ホスホリル
コリン基含有化合物の有機残基、a:0,1、b:1以
上の正数)で表される修飾蛋白質を、R1−(X1)a−X
・・・(2) (R1:蛋白質の官能基と結合する官能基、X1:ホスホ
リルコリン基を含まない2価の有機残基、X:ホスホリ
ルコリン基含有化合物の有機残基、a:0,1)で表さ
れる化合物と、蛋白質とを反応させて製造する方法、並
びにこの修飾蛋白質を含むコンタクトレンズ用汚れ除去
剤。
Description
基を含む重合体を蛋白質に化学的に結合させた修飾蛋白
質の製造法及びこの製造法により得られた修飾蛋白質を
有効成分とするコンタクトレンズ用汚れ除去剤に関す
る。
タクリレートやシリコン含有メタクリレートの重合物か
らなるハードコンタクトレンズと、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートやメタクリル酸の重合物からなるソフ
トコンタクトレンズが広く利用されている。しかしなが
ら、前記ハードコンタクトレンズでは、シリコン含有基
が涙液中の分泌物(蛋白質、脂質)と親和性が高く、コ
ンタクトレンズに蛋白質や脂質が付着し易いため、特に
長期間にわたり装用すると脂質、蛋白質、化粧品等によ
り汚染されてレンズに曇りが発生し、視力の低下や眼の
障害を引き起こす場合がある。一方、ソフトコンタクト
レンズにおいても涙液中の分泌物が付着し、更には含水
率が高いために、微生物や細菌による汚染が生じやす
く、レンズに曇りが発生し、眼に損傷を与える場合があ
る。
去するために、蛋白質による汚れには蛋白質分解酵素
が、脂質による汚れには界面活性剤が、更に固着汚れに
は研磨剤が洗浄剤として使用されている。しかし、界面
活性剤及び研磨剤からなる洗浄剤は、特定の汚れに対し
ては効果があるが、洗浄力が不足であったり、レンズを
傷付ける場合があるという問題点がある。一方、特公昭
53−47810号公報に蛋白質分解酵素を含む洗浄剤
が提案されている。しかし、水溶液中の酵素活性には寿
命があるため、水溶液の状態で24時間放置すると酵素
活性が低下するという問題が生じ、改善が望まれてい
る。
−9504号公報には、グリセロール中にセリンプロテ
アーゼ、陰イオン性界面活性剤等を配合した洗浄剤が、
特公平5−33768号公報には、蛋白質分解酵素をポ
リエチレングリコールに分散させた洗浄剤を用いてコン
タクトレンズをこすり洗いする洗浄方法が開示されてい
る。しかし、これらに記載された洗浄剤は、希釈水と混
合することによって酵素活性が低下するという問題が生
じる。
において、末端官能性ホスホリルコリン基含有ポリマー
の合成方法が開示されているが、これらポリマーを蛋白
質に化学的に修飾させた修飾蛋白質及びその用途につい
ては従来知られていない。
液状態で長期間保存しても酵素活性を高く維持して安定
に保存可能な修飾蛋白質の製造法を提供することにあ
る。
汚れ除去能が高く、しかも溶液状態で長期間保存しても
汚れ除去能が低下することなく保存安定性に優れたコン
タクトレンズ用汚れ除去剤を提供することにある。
(1) Pro−(R−(X1)a−X)b ・・・(1) (式中、Proは蛋白質の残基、Rは蛋白質中の官能基
と結合可能な官能基から誘導される2価の有機残基を示
し、X1はホスホリルコリン基を含まない2価の有機残
基、Xはホスホリルコリン基を含む化合物の有機残基を
示す。aは0又は1であり、bは1以上の正数を示
す。)で表される修飾蛋白質を製造するにあたり、一般
式(2) R1−(X1)a−X ・・・(2) (式中、R1は蛋白質中の官能基と結合可能な官能基を
示し、X1はホスホリルコリン基を含まない2価の有機
残基、Xはホスホリルコリン基を含む化合物の有機残基
を示す。aは0又は1を示す。)で表されるホスホリル
コリン基含有化合物と、蛋白質とを反応させることを特
徴とする修飾蛋白質の製造法が提供される。また、本発
明によれば、前記一般式(2)中のXで示されるホスホ
リルコリン基を含む化合物の有機残基が、2−メタクリ
ロイルオキシエチルホスホリルコリンの有機残基であ
り、蛋白質が加水分解酵素である前記製造法により得ら
れた修飾蛋白質を有効成分として含有することを特徴と
するコンタクトレンズ用汚れ除去剤が提供される。
は、前記一般式(2)で表されるホスホリルコリン基含
有化合物と、蛋白質とを反応させて、ホスホリルコリン
基を有する化合物の有機残基が化学的に蛋白質に結合し
た前記一般式(1)で表される修飾蛋白質を得ることを
特徴とする。
有化合物において、R1は蛋白質中の官能基と結合可能
な官能基を有する有機残基であって、式(1)中のRは
R1の有機残基から誘導される2価の有機残基を示す。
この蛋白質中の官能基と結合可能な官能基としては、水
酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、メル
カプト基、スクシニミジルオキシカルボニル基、イミド
エステル基、ハロゲノニトロアリル基、ピリジノジスル
フィド基、マレイミド基、フタルイミドチオ基、ハロゲ
ノメチルカルボニル基、ハロゲノカルボニル基、ハロゲ
ノスルホニル基、ニトロアジドフェニル基、ジアゾトリ
フルオロアセチル基、イソシアネート基等が挙げられ
る。これらの中では、蛋白質中、特に酵素中のアミノ基
との結合が容易である、カルボキシル基、スクシニミジ
ルオキシカルボニル基、イソシアネート基等が好まし
い。また、式(1)中のRとしては、アミド基、ジカル
バミド結合、ウレア結合、ジスルフィド結合、イミド酸
アミド結合、3−チオスクシンイミド基(マレイミド基
にチオール基が反応して形成された結合)等を好ましく
挙げることができる。
ホリルコリン基を含まない2価の有機残基であって、特
に限定されるものではなく、チオエステル基、エーテル
基、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシア
ルキレン基、アルキレンウレタン基、スルホニル基等が
挙げられる。一方、Xで表されるホスホリルコリン基を
含む化合物の有機残基は、末端に有機残基を含む残基で
あれば特に限定されるものではない。
有化合物としては、下記式で示される重合体等を好まし
く挙げることができる。但し、n1は1〜10000の
正数、n2は1〜1000の正数、n3は1〜10000
の正数を示す。n1、n3が10000を超える場合、n
2が1000を超える場合は製造が困難である。
有化合物の分子量は特に限定されるものではないが、好
ましくは数平均分量500〜1000000、特に好ま
しくは後述する蛋白質の活性(酵素活性等)を低下させ
ないために数平均分子量1000〜100000の範囲
が好ましい。
有化合物を合成する方法は特に限定されないが、例え
ば、式(2)中のR1を構成する特定のラジカル連鎖移
動剤の存在下、ホスホリルコリン基を含む単量体を溶液
重合あるいは塊状重合等の既知の重合技術により単独若
しくは他の共重合可能なビニルモノマーと、ラジカル重
合開始剤を用いて重合させる方法等により得ることがで
きる。
構成するラジカル連鎖移動剤としては特に限定されるも
のではないが、チオグリコール酸、チオグリコール、ア
ミノエタンチオール、エタンジチオール等が挙げられ
る。
するホスホリルコリン基を含む単量体としては、下記式
(3)で示されるホスホリルコリン基含有(メタ)アク
リレート等を挙げることができる。
リレートとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルホスホリルコリン、2−(メタ)アクリロイルオキ
シ−1−メチルエチルホスホリルコリン、2−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、2−
(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルホスホリル
コリン、β−(2’−(メタ)アクリロイルオキシ−
1’−メチルエトキシ)−プロピルホスホリルコリン、
2−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシエチルホス
ホリルコリン等を挙げることができる。
成する、前記ホスホリルコリン基を含む単量体と共重合
可能なビニルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリ
ル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル
酸オクチル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)
アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸−N,N’
−ジメチルアミド、酢酸ビニル、N−ビニルピロリド
ン、スチレン、α−メチルスチレン、メチレン核置換ス
チレン、クロロ核置換スチレン、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、プロピ
オン酸ビニル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテルジエリルイタコネート、ジ−n−ブチルイタ
コネート等を挙げることができ、特にメタクリル酸エス
テル等が好ましい。使用に際しては単独若しくは混合物
として用いることができる。
ば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
マレノニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイル
ペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等を挙げるこ
とができる。
有化合物を合成する重合反応は無溶媒で行なうこともで
きるが、重合反応をより円滑に行なうために溶媒を用い
ることが好ましい。該溶媒としては、モノマーが可溶で
あるもの、例えば、水、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルム
アミド、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレ
ン、ベンゼン、酢酸エチル又はこれらの混合物等を挙げ
ることができる。
有化合物を合成する際のモノマー濃度は、好ましくは前
記分子量となるように、0.1〜10mol/リット
ル、特に0.2〜1.0mol/リットルが望ましい。
また連鎖移動剤のモノマーに対する濃度([S]/
[M])は、前記モノマー濃度に対して、0.005〜
2、特に0.01〜1が望ましい。更に連鎖移動剤のラ
ジカル重合開始剤に対する濃度比([S]/[I])
は、該ラジカル重合開始剤濃度に対して、連鎖移動剤濃
度が1.0〜500、特に1.0〜200の範囲となる
ように添加するのが望ましい。
有化合物を合成する際の重合温度は20〜100℃、特
に30〜90℃が望ましい。重合時間は1〜72時間程
度である。更に前記2−メタクリロイルオキシエチルホ
スホリルコリンと他の共重合可能なビニルモノマーとを
共重合させる場合、前記ビニルモノマーは、モノマー全
量に対して、0〜95モル%の範囲が好ましく、特に酵
素活性を低下させない0〜50モル%が好ましい。
一般式(1)中のProで表される基を構成するもので
あって、蛋白質としては、例えば、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基、各種糖鎖を開環させたアルデヒド基等
の反応性官能基を有し、生体触媒作用を有するペプチ
ド、酵素、各種抗原又は抗原に対する抗体等を挙げるこ
とができる。酵素としては、加水分解酵素、酸化還元酵
素、転移酵素、脱離酵素、異性化酵素、合成酵素等を挙
げることができる。加水分解酵素としては、プロテアー
ゼ等のペプチド加水分解酵素;リパーゼ、フォスフォリ
パーゼ、アルカリフォスファターゼ等のエステル加水分
解酵素;β−D−ガラクトシダーゼ、アミラーゼ、セル
ラーゼ、ヘミセルラーゼ、サッカラーゼ、ペクチナーゼ
等の糖加水分解酵素等が挙げられる。また、市販品を使
用することもでき、例えば商品名「ビオプラーゼ」(ナ
ガセ生化学工業(株)製、ペプチド加水分解酵素)、商
品名「リパーゼサイケン」(ナガセ生化学工業(株)
製、エステル加水分解酵素)等が挙げられる。この際、
酵素の起源は限定されず、バチルス(Bacillusu)等のあ
らゆる起源のものが使用できる。
蛋白質(CRP)、リューマチ因子(RF)、トランス
フェリス等の血漿蛋白及びこれらに対する抗体;甲状腺
刺激ホルモン(TSH)、トリヨードサイロニン
(T3)、サイロキシン(T4)、チロキシン結合性蛋白
(TBG)、サイログロブリン、インスリン、エストリ
オール(E3)、絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヒ
ト胎盤性ラクトーゲン(HPL)等のホルモンに対する
抗体;癌胎児性抗原(CEA)、β2−マイクログロブ
リン、α−フェトプロテイン(AFP)等の腫瘍関連物
質及びこれらに対する抗体;HBs抗原、HBs抗体、
HBe抗原、HBe抗体等のウイルス肝炎の抗原に対す
る抗体又は抗体に対する抗原;ムンプス、ヘルペス、麻
疹、風疹、サイトメガロ等のウイルス、抗エイズ抗体
(HIV)等の各種生体成分に対する抗体又は抗原;フ
ェノバルビタール、アセトアミノフェノン、サリチル
酸、シクロスポリン等の各種薬剤に対する抗体が挙げら
れる。
れるホスホリルコリン基含有化合物と蛋白質とを反応さ
せるには、例えば、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、酢酸緩
衝液、トリス/塩酸緩衝液、又は各種生理食塩水等に酵
素を溶解した溶液に、ジメチルホルムアミド、テトラヒ
ドロフラン、水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル又はこれらの混合液等に修飾剤としてのホスホリルコ
リン基含有化合物を溶解した溶液を加え、反応温度0〜
50℃、反応時間15分間〜24時間反応させる方法等
により行なうことができる。反応生成物である修飾蛋白
質は生成することなく使用することができ、また必要に
より透析、塩析、ゲル濾過等の方法により精製すること
もできる。
R1がカルボキシル基あるいは水酸基の場合は、修飾剤
としてのホスホリルコリン基含有化合物を溶解あるいは
懸濁させた溶液に、1,1’−カルボニルビス−1H−
イミダゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド等の縮合剤を加えて反応させた後に、直接蛋白質
を溶解させた溶液に添加することにより、あるいは、前
記縮合剤を加えた後に更に、N−ヒドロキシ琥珀酸イミ
ド等を加えて反応させた後に蛋白質を溶解させた溶液に
添加することにより、一般式(1)で表される修飾蛋白
質を得ることができる。また、例えば式(2)のR1が
アミノ基の場合には、修飾剤としてのホスホリルコリン
基含有化合物を溶解あるいは懸濁させた溶液に、グルタ
ルアルデヒド溶液等を加えて反応させた後に、蛋白質を
溶解させた溶液に添加することにより一般式(1)で表
される修飾蛋白質が得られる。更に、例えば式(2)の
R1がスクシニミジルオキシカルボニツ基、イミドエス
テル基、ハロゲノニトロアリル基、ピリジノジスルフィ
ド基、マレイミド基、フタルイミドチオ基等の活性エス
テル基の場合には、活性エステル基を有する修飾剤とし
てのホスホリルコリン基含有化合物を溶解あるいは直
接、蛋白質を溶解させた溶液に添加することにより一般
式(1)で表される修飾蛋白質を得ることができる。
は、一般式(1)で表されるホスホリルコリン基を有す
る化合物の有機残基が化学的に蛋白質に結合したもので
あって、式中のPro、R、X1及びXは前述のものを
好ましく挙げることができる。また式(1)中のbは1
以上の正数、好ましくは蛋白質の種類にもよるが1〜1
00、更に好ましくは1〜10である。bが100を超
えると、蛋白質の種類にもよるが、蛋白質の活性(酵素
活性、抗体活性等)が低下する場合があるので好ましく
ない。尚、合成した修飾蛋白質のbの数は、合成した修
飾蛋白質中の官能基を定量することにより決定すること
ができる。例えば、この官能基がアミノ基の場合、反応
前及び反応後の蛋白質中のアミノ基を定量し、修飾され
たアミノ基の割合(修飾率)を求め、この修飾率からb
の数を決定することができる。
は、前記一般式(2)中のXが、2−メタクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリンの有機残基である式(2)
で示されるホスホリルコリン基含有化合物と、加水分解
酵素とを反応させて得られた修飾蛋白質を有効成分とし
て含有する。この有効成分の有効濃度は、加水分解酵素
の種類及び活性により異なるが、コンタクトレンズ用汚
れ除去剤を液状とした際に、通常0.01mg/ml以
上、好ましくは0.1〜100mg/mlの範囲であ
る。
は、前記有効成分以外に通常コンタクトレンズ用の汚れ
除去剤又は洗浄液の成分として使用されている成分を配
合することもできる。具体的には、界面活性剤、等張化
剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、カチオン性、アニオン性、ノニオ
ン性又は両性のいずれの界面活性剤も使用することがで
きる。好ましくは、ポリエチレングリコールエステル、
ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール等のノニオン性又は中
性の界面活性剤が望ましい。等張化剤としては、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム等の無機塩等が挙げられる。キ
レート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDT
A)またはそのアルカリ金属塩、クエン酸、酒石酸等が
挙げられる。
形態は、液状の他に、粉末、錠剤等の乾燥状態であって
も良い。このような乾燥状態の場合には、使用時に適当
な媒体に溶解して使用することもできる。一方、液状の
場合には、有効成分が2−メタクリロイルオキシエチル
ホスホリルコリンを含む重合体で化学的に修飾されてい
る加水分解酵素であるため、長期間液状で保存しても酵
素活性を高く維持することができ、このため汚れ除去能
(洗浄能)はほとんど低下しない。
ンズの汚れを除去するには、溶液状態の汚れ除去剤にコ
ンタクトレンズを浸すか、あるいは溶液状態又は乾燥状
態の汚れ除去剤を緩衝液、等張液またはコンタクトレン
ズ用保存液等で希釈した後、この希釈液にコンタクトレ
ンズを浸し、15〜120分間静置しておけば良い。こ
の際、加熱しても良い。また擦り洗いしても良いが、多
くの場合擦り洗いしなくても加水分解酵素の作用により
効率的に汚れを分解除去することができる。汚れを除去
した後は、適当なリンス液でコンタクトレンズをすすぐ
等して装着することができる。
状態で長期間保存しても蛋白質活性(酵素活性等)がほ
とんど低下しないホスホリルコリン基含有化合物で化学
修飾された蛋白質を得ることができる。また本発明のコ
ンタクトレンズ用汚れ除去剤は、前記製造法により得ら
れた特定の修飾酵素を有効成分として含有するので、長
期間液状で保存しても酵素活性を高く維持することがで
き、このため汚れ除去能(洗浄能)をほとんど低下させ
ないで保存することができる。
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
チルホスホリルコリン重合体(ポリマーa)の調製 エタノールを溶媒として、0.45mol/リットルの
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン溶液
を調製し、この溶液に連鎖移動剤として3−メルカプロ
プロピオン酸を0.09mol/リットルとなる量、ラ
ジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリルを
9×10~4mol/リットルとなる量混合した。得られ
た溶液を封管法により、凍結脱気、真空封管後、60
℃、6時間重合させた。反応終了後、エーテル中に滴下
し沈澱を収集した後、洗浄し減圧乾燥して数平均分子量
20000の末端にカルボン酸を有するポリマーaを調
製した。
チルホスホリルコリン/n−ブチルメタクリレート共重
合体(ポリマーb)の調製 エタノールを溶媒として、2−メタクリロイルオキシエ
チルホスホリルコリン濃度が0.40mol/リットル
及びn−ブチルメタクリレート濃度が0.05mol/
リットルとなる溶液を調製し、この溶液に連鎖移動剤と
して3−メルカプロプロピオン酸を0.09mol/リ
ットルとなる量、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイ
ソブチルニトリルを9×10~4mol/リットルとなる
量混合し、得られた溶液を参考例1−1と同様に反応さ
せて数平均分子量55000のポリマーbを調製した。
品名「ビオプラーゼ」(ナガセ生化学工業(株)製、分
子量約27000)54.8mg(0.002mmo
l)を、0.01Mリン酸緩衝液(pH7.6)6.5
mlに溶解させ氷冷させた。続いて、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド15
3.4mlを添加して1時間撹拌した。再び1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩153.4mg(0.80mmol)を添加して
1時間撹拌した後、室温にて更に1時間撹拌した。反応
終了後、反応液を0.01Mリン酸緩衝液(pH7.
6)に対しての透析を透析膜(spectrum Medical Indus
tries Inc.,商品名「Spectrum/por,membranes MW CO. 60
00〜8000)によって行ない、未反応の1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを除去
した。得られた化合物は、下記式(4)で示される修飾
ビオプラーゼであった。 E−(NH−CO−(CH3)S−P1)n ・・・(4) (式中、Eは商品名「ビオプラーゼ」の残基を示し、P
1はポリマーaの末端残基を示す。またnは4.7であ
る)。商品名「ビオプラーゼ」中の遊離アミノ基がポリ
マーaのカルボキシル基とアミド結合した割合(修飾率
(%))を、グリシン溶液を標準液、未修飾の商品名
「ビオプラーゼ」の修飾率を0%として、遊離アミノ基
の定量法(Analytical Biochemistry 14,328-336(196
6))に準拠して測定した。その結果、修飾率は52.8
%、nは4.7であった。
aの代わりに、参考例1−2で調製したポリマーbを用
いた以外は、実施例1−1と同様に行ない下記式(5)
で表される修飾ビオプラーゼを得た。 E−(NH−CO−(CH3)S−P2)n ・・・(5) (Eは商品名「ビオプラーゼ」の残基を示し、P2はポ
リマーbの末端残基を示す。またnは4.5である)。
実施例1−1と同様に商品名「ビオプラーゼ」中の遊離
アミノ基がポリマーbのカルボキシル基とアミド結合し
た割合(修飾率(%))を、グリシン溶液を標準液、未
修飾の商品名「ビオプラーゼ」の修飾率を0%として実
施例1−1と同様に修飾率を測定した。その結果修飾率
は49.5%、nは4.5であった。
H2CH2COOH)(数平均分子量3000)3.00g(1.
0mmol)を、1,4−ジオキサン50.0mlに溶
解させた。次いで、N−ヒドロキシコハク酸イミド13
8.12mg(1.2mmol)及びジシクロヘキシル
カルボジイミド247.60mg(1.2mmol)を
加えて室温で6時間反応させた。反応終了後、反応液を
ヘキサン500mlに滴下してポリオキシアルキレン誘
導体を沈澱させた。沈澱物を濾過し、充分にヘキサンで
洗浄させた後、減圧乾燥して白色粉末のポリオキシアル
キレン誘導体(以下ポリマーcと称す)2.67g
(0.89mmol)を得た。
業(株)製、分子量約27000)54.8mgを0.
01Mリン酸緩衝液(pH7.6)6.5mlに溶解さ
せ氷冷させた。続いて前記ポリマーc60.89mgを
添加して1時間撹拌した後、室温にて更に1時間撹拌し
た。反応終了後、反応液を0.01Mリン酸緩衝液(p
H7.6)に対しての透析を実施例1と同様に行ない、
下記式(6)で表される修飾ビオプラーゼを得た。 E−(NH−CO−CH2CH2(CH2CH2O)nOCH3)n ・・・(6) (式中、Eは商品名「ビオプラーゼ」の残基を示す。n
は5.5である)。商品名「ビオプラーゼ」中の遊離ア
ミノ基がポリマーcのスクシンイミド基とアミド結合し
た割合(修飾率(%))を、グリシン溶液を標準液、未
修飾の商品名「ビオプラーゼ」の修飾率を0%として、
実施例1−1と同様に修飾率を求めた。その結果修飾率
は52.8%であり、nは4.7であった。
重量%の濃度になるように溶解し、コンタクトレンズ用
汚れ除去液を調製した。この汚れ除去液に蛋白質を付着
させたコンタクトレンズを浸漬し、静置させた状態で洗
浄した。洗浄効果は2時間後に目視にて行ない、付着蛋
白質がほとんど除かれている場合を良好、それ以外を不
良として判定した。結果を表1に示す。尚、蛋白質を付
着させたコンタクトレンズは次のように調製した。即
ち、人工涙液(アルブミン0.6g、グロブリン0.3
g、リゾチーム0.2g、ムチン0.1gを生理食塩水
に溶解させ100mlとしたもの)にコンタクトレンズ
(セイコーコンタクトレンズ社製、商品名「スーパーE
X1」)を浸し、65℃に加熱して蛋白質を付着させ
た。
酵素活性を、汚れ除去液調製直後及び14週間後(40
℃で保存)に、カゼイン−フォリン法により測定した。
結果を表1に示す。
−2で調製した修飾酵素を用いた以外は、実施例2−1
と同様に汚れ除去液を調製し各測定を行なった。結果を
表1に示す。
商品名「ビオプラーゼ」(ナガセ生化学工業(株)製、
分子量約27000)を用いた以外は、実施例2−1と
同様に汚れ除去液を調製し各測定を行なった。結果を表
1に示す。
−1で調製した修飾酵素を用いた以外は、実施例2−1
と同様に汚れ除去液を調製し各測定を行なった。結果を
表1に示す。
シエチルホスホリルコリンを含む重合体を化学的に酵素
に結合させた修飾酵素は、洗浄効果が良好であり、しか
も水溶液状態で長期間保存しても酵素活性はほとんど低
下せず、高く維持されていることが判る。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1) Pro−(R−(X1)a−X)b ・・・(1) (式中、Proは蛋白質の残基、Rは蛋白質中の官能基
と結合可能な官能基から誘導される2価の有機残基を示
し、X1はホスホリルコリン基を含まない2価の有機残
基、Xはホスホリルコリン基を含む化合物の有機残基を
示す。aは0又は1であり、bは1以上の正数を示
す。)で表される修飾蛋白質を製造するにあたり、一般
式(2) R1−(X1)a−X ・・・(2) (式中、R1は蛋白質中の官能基と結合可能な官能基を
示し、X1はホスホリルコリン基を含まない2価の有機
残基、Xはホスホリルコリン基を含む化合物の有機残基
を示す。aは0又は1を示す。)で表されるホスホリル
コリン基含有化合物と、蛋白質とを反応させることを特
徴とする修飾蛋白質の製造法。 - 【請求項2】 前記一般式(2)中のXで示されるホス
ホリルコリン基を含む化合物の有機残基が、2−メタク
リロイルオキシエチルホスホリルコリンの有機残基であ
ることを特徴とする請求項1記載の修飾蛋白質の製造
法。 - 【請求項3】 蛋白質が加水分解酵素であることを特徴
とする請求項2記載の修飾蛋白質の製造法。 - 【請求項4】 請求項3記載の製造法により得られた修
飾蛋白質を有効成分として含有することを特徴とするコ
ンタクトレンズ用汚れ除去剤。
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