JP3782851B2 - 蛋白質の安定化方法および組成物 - Google Patents

蛋白質の安定化方法および組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臨床、臨床診断あるいはメディカルデバイスなどで用いられる各種蛋白質の安定化方法及びこの方法を利用した組成物に関する。更に詳しくは、アルブミン製剤、血液凝固因子製剤、免疫グロブリン製剤などの血漿製剤に含まれる蛋白質の安定化、臨床診断で用いられる酵素、抗体(あるいは抗原)、標識抗体(あるいは標識抗原)などの安定化、コンタクトレンズの洗浄に用いられる酵素などの安定化方法および組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
臨床に用いられるアルブミン製剤、血液凝固因子製剤、免疫グロブリン製剤などの血漿製剤は、新鮮凍結血漿、または期限切れ保存血液から回された血漿を原料とし、溶液状態、凍結状態、凍結乾燥状態で保存され、有効期限は1〜5年となっている。その中で免疫グロブリン製剤の静注用製剤は、人免疫グロブリンの中からIgGだけを取り出して、静脈注射を可能にした製剤であり、IgGをそのまま抽出すると会合体を形成して機能しずらくなり、アナフィラキシー・ショックの原因となる。そこで従来より、蛋白質分解酵素であるペプシンあるいはプラスミンで分子を分解する方法、C領域はそのままにしてV領域との結合部位を化学変化させる方法、pH4の溶液で処理する方法あるいはイオン交換樹脂で処理する方法が知られている。
しかしながら、酵素処理する方法は補体結合部位(C領域)が分かれるため半減期が短くなり、化学変化させる方法は注射直後は天然のIgGより免疫力はやや落ちる問題があり、pH4の溶液で処理する方法や、イオン交換樹脂で処理する方法は汎用性にやや欠ける問題がある(‘95 医療用医薬品データブック 下巻、富士経済(1995年))。
【0003】
また、臨床診断に用いられる抗体(あるいは抗原)または、標識抗体(あるいは標識抗原)などは、溶液状態、凍結状態、凍結乾燥状態でその活性(抗体活性、抗原性、酵素活性など)を保持するために、サッカロース、ウシ血清アルブミン(BSAと略す)などを添加する方法が一般に知られている。特に凍結乾燥する際、あるいは凍結乾燥状態でその活性(抗体活性、抗原性、酵素活性など)を保持するために、サッカロース、BSA、ゼラチンなどを添加する方法が知られている。
しかしながら、上記の各種添加剤を用いる方法は25℃以上、数ヶ月間以上では、その抗体活性、抗原性あるいは酵素活性が低下するなどの問題があった。
【0004】
また、アクリジニウム誘導体で標識された抗体または抗原を水溶液中にシクロデキストリン類を存在させることを特徴とするアクリジニウム誘導体で標識された抗原または抗体の安定化方法(特開平7−278184号公報)、クリスタリンを生理活性蛋白質の溶液に含有せしめることを特徴とする生理活性蛋白質の安定化方法が知られている(特開平7−236483号公報)。
【0005】
更に、コンタクトレンズの洗浄に用いられる加水分解酵素溶液に安定化剤として、1)ゼラチンおよび/またはカゼイン、2)多価アルコールおよび/または糖類、および3)エチルアルコールを添加する方法も知られている(特開昭41−152号公報)が、その効果は十分ではない。
ホスホリルコリン基含有重合体は、抗血栓材料として優れることが知られているが、ホスホリルコリン基含有重合体を用いた蛋白質の安定化方法は知られていない。また、ホスホリルコリン基含有重合体と、抗体、標識免疫学的活性物質、加水分解酵素等との組成物は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、臨床、臨床診断あるいはメディカルデバイスなどで用いられる各種蛋白質、例えばアルブミン製剤、血液凝固因子製剤、免疫グロブリン製剤などの血漿製剤に含まれる蛋白質;臨床診断で用いられる酵素、抗体(あるいは抗原)、標識抗体(あるいは標識抗原);コンタクトレンズの洗浄に用いられる酵素などを、その保存状態、例えば溶液状態、凍結状態、凍結乾燥状態などに関係なく安定化することができる蛋白質の安定化方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、血漿製剤蛋白質が保存状態に関係なく安定化された組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、標識免疫学的活性物質が保存状態に関係なく安定化された組成物を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、酵素が保存状態に関係なく安定化された組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のホスホリルコリン基含有重合体が、蛋白質を安定化することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、同一系中において、式(1)で示されるホスホリルコリン基を有する重合体(以下PC重合体と略記する)、例えば式(2)(式中Xは、水素原子またはメチル基を示す)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を含む重合成分を重合してなる重合体等と、蛋白質とを共存させることを特徴とする蛋白質の安定化方法が提供される。
【化6】
Figure 0003782851
また本発明によれば、(A1)前記式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、(B1)血漿製剤蛋白質1.0×10-14〜20重量%と、(C1)緩衝液0〜99.9重量%とを含んでなる安定化した血漿製剤蛋白質組成物が提供される。
更に本発明によれば、(A2)前記式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、(B2)標識免疫学的活性物質1.0×10-14〜20重量%と、(C2)緩衝液0〜99.9重量%とを含んでなる安定化した標識免疫学的活性物質組成物が提供される。
更にまた本発明によれば(A3)前記式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、(B3)酵素1.0×10-14〜20重量%と、(C3)緩衝液0〜99.9重量%とを含んでなる安定化した酵素組成物が提供される。
【0008】
【発明実施の形態】
本発明の安定化方法では、安定化させる蛋白質と、前記PC重合体とを、同一系中に共存させる。
PC重合体は、前記式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体などの分子内に前記式(1)で示されるホスホリルコリン基を1つ以上有する単量体(以下PC単量体と略記する)を含む重合成分の重合体である。
【0009】
PC重合体中のPC単量体の配合割合は、PC重合体を構成する全単量体に対し、1〜100モル%が好ましく、特に5モル%以上が好ましい。前記配合割合が1モル%未満の場合には、蛋白質の安定化作用が得られ難いので好ましくない。
PC重合体の分子量は、調製時の重合温度、重合開始剤使用量、重合度調整剤の使用の有無などによっても異なるが、好ましくは数平均分子量1,000〜2,000,000、特に好ましくは2,000〜1,000,000である。数平均分子量が1,000未満では蛋白質の安定化作用が得られ難く、数平均分子量が1,000,000を超えると重合体の粘性が高くなりすぎて、取り扱い難くなり好ましくない。
【0010】
PC重合体を調製するには、前記PC単量体を、ラジカル重合などの通常の方法で単独重合させる方法あるいは、PC単量体等の単量体と共重合可能な他のビニル系単量体とを共重合させる方法などによって容易に得ることができる。
【0011】
前記PC単量体の具体例としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートなどが挙げられる。特に入手性などの点から2−メタクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート((以下MPCと略記する)=2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)が好ましい。
【0012】
前記PC単量体と共重合可能な他のビニル系単量体(以下単量体Aと略記する)としては、例えば(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、メチル核置換スチレン、クロロ核置換スチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン等の置換炭化水素系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体;エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ジエチルイタコネート、ジ−n−ブチルイタコネートなどの二価カルボン酸系単量体などが好ましく、特にメタクリル酸エステル、スチレンなどを好ましく挙げることができる。
【0013】
PC重合体の調製に用いる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であれば特に限定されず、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレートや、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などが挙げられる。これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。また、重合開始剤の使用にはレドックス系のラジカル促進剤を併用してもよい。
重合開始剤の使用量は、重合させる全単量体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜5重量部である。
【0014】
PC重合体を調製する際の重合条件は、好ましくは30〜80℃、特に好ましくは40〜70℃において2〜72時間重合させるのが望ましい。この際、重合反応をより円滑に行なうために溶媒を用いてもよく、該溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルムまたはこれらの混合物などを挙げることができる。
【0015】
本発明の安定化方法に用いるPC重合体の形態は、粉末、懸濁液状態、溶液状態のいずれでもよく、好ましくは蛋白質を変性させることのない、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、各種生理食塩水などの溶解液あるいは懸濁液が挙げられる。これら液にジメチルスルホオキシド、テトラヒドロフランあるいはN,N−ジメチルホルムアミドなどの有機溶媒を0.01〜20重量%添加することもできる。特に好ましくはリン酸緩衝液、各種生理食塩水などの溶解液が挙げられる。
【0016】
本発明の安定化方法に用いる蛋白質は、特に限定されず、後述する血漿製剤蛋白質、標識免疫学的活性物質、酵素等を挙げることができる。
【0017】
本発明の安定化方法において、同一系中において、前記PC重合体と蛋白質とを共存させるとは、例えば溶液状態の蛋白質溶液に前記液状のPC重合体液あるいはPC重合体粉末を添加等して同一液中に共存させる方法などにより実施できる。前記PC重合体粉末の添加後に凍結あるいは添加後凍結乾燥などをしてもよい。
前記同一液中にPC重合体と蛋白質とを共存させた場合のPC重合体の濃度は、蛋白質の濃度および状態にもよるが、好ましくはその下限値は1.0×10-8重量%、特に好ましくは1.0×10-5重量%、更に好ましくは1.0×10-4であり、上限値は好ましくは80重量%、特に好ましくは70重量%、更に好ましくは50重量%である。最も好ましいのは、液粘度が高くならず、取り扱い易い1.0×10-3〜40重量%の範囲である。PC重合体の濃度が80重量%を超えると液粘度が高くなり取り扱い性が低下するので好ましくない。
一方、前記同一液中の蛋白質の濃度は、その種類及び用途によって異なるが、1.0×10-8〜20重量%が好ましく、特に1.0×10-7〜10重量%が望ましい。
【0018】
本発明の血漿製剤蛋白質組成物は、(A1)前記PC単量体のうち、式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、(B1)血漿製剤蛋白質1.0×10-14〜20重量%と、(C1)緩衝液0〜99.9重量%とを含有する。
(A1)の重合体は、前述の安定化方法で説明したPC重合体のうち、式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合して得た重合体を用いる。該重合体の含有割合が、1.0×10-4未満の場合には血漿製剤蛋白質の安定化効果が十分でなく、80重量%を超えると調製する際の液粘度が高くなり取り扱いが困難になる。
(B1)の血漿製剤蛋白質とは、アルブミン製剤、血液凝固因子製剤、免疫グロブリン製剤などに含まれる蛋白質をいう。血液凝固因子製剤としては、第VIII因子製剤、第IX因子製剤、第I因子製剤、アンチトロンビンIII製剤、第II因子、第III因子IV、第V因子、第VII因子、第X因子などが挙げられる。また、免疫グロブリン製剤としては、筋注用製剤、静注用製剤などが挙げられる。
血漿製剤蛋白質の含有割合が、1.0×10-14重量%未満では、血漿製剤蛋白質としての活性が低くなる場合もあり、使用する際に好ましくない。20重量%を超えるとPC重合体の含量を増やす必要があり、その際、粘度が高く取り扱い難い。
(C1)緩衝液としては、前述の安定化方法で列挙したものを好ましく挙げることができ、水溶液でも、水溶性の少量の溶剤を含んでもよい。この緩衝液は、血漿製剤蛋白質を水溶液状で取り扱い易くするために添加するので、必ずしも含有されていなくても良い。緩衝液の含有割合が99.9重量%を超える場合には、血漿製剤蛋白質、重合体の濃度が低くなり、機能、効果を発揮しにくくなる。
【0019】
本発明の標識免疫学的活性物質組成物は、(A2)前記PC重合体のうち、式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、(B2)標識免疫学的活性物質1.0×10-14〜20重量%と、(C2)緩衝液0〜99.9重量%とを含有する。
(A2)の重合体は、前述の安定化方法で説明したPC重合体のうち、式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合して得た重合体を用いる。該重合体の含有割合が、1.0×10-4未満の場合には免疫学的活性物質の安定化効果が十分でなく、80重量%を超えると水溶液の粘度が高く取り扱い難い。
【0020】
免疫学的活性物質とは、上記血漿製剤に含まれる免疫グロブリンを除いて、例えば、C反応性蛋白質(CRP)、リューマチ因子(RF)、トランスフェリン等の血漿蛋白に対する抗体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)、チロキシン結合性蛋白(TBG)、サイログロブリン、インスリン、エストリオール(E3)、絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)等のホルモンに対する抗体、癌胎児性抗原(CEA)、β2−マイクログロブリン、α−フェトプロテイン(AFP)等の腫瘍関連物質に対する抗体、HBS抗原、HBS抗体、HBe抗原、HBe抗体等のウイルス肝炎の抗原および抗体に対する抗体または抗原、ムンプス、ヘルペス、麻疹、風疹、サイトメガロ等のウイルス、抗エイズ抗体(HIV)等の各種生体成分に対する抗体または抗原、フェノバルビタール、アセトアミノフェノン、サリチル酸、シクロスポリン等の各種薬剤に対する抗体が挙げられる。また、上記抗体に対する抗原あるいは上記抗原に対する抗体も挙げられる。更にまた、上記抗体はFabフラグメント、F(ab)'2フラグメントまたは還元型抗体であってもよい。
(B2)の標識免疫学的活性物質とは、上記免疫学的活性物質に酵素、蛍光物質、発光物質などを化学結合的に結合させたものを示す。
標識される酵素は特に限定されないが、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵素、ヘキソキナーゼ、ペニシリナーゼ、ペルオキシダーゼ、リゾチームなどが挙げられ、好ましくは、酵素免疫測定法にて汎用的に用いられるアルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼなどが挙げられる。
標識される蛍光物質は特に限定されず、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、4−フルオロ−7−ニトロベンゾフラザン、スルホローダミン101酸クロリド、4−クロロ−7−スルホベンゾフラザン、アンモニウム塩、N−(9−アクリジニル)マレイミドなどが挙げられる。好ましくは、免疫学的活性物質の遊離のアミノ基と混ぜるだけで反応するフルオレセインイソチオシアネート(FITC)、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン、4−フルオロ−7−ニトロベンゾフラザン、スルホローダミン101酸クロリドなどが挙げられる。また、免疫学的活性物質の遊離のアミノ基と容易に反応する10−メチル−9−(4−(2−(スクシンイミジルオキシカルボニル)エチル)フェニルオキシカルボニル)アクリジニウムフルオロサルフェートなどの化学発光物質も用いることが可能である。
標識免疫学的活性物質の含有割合が、1.0×10-14重量%未満では、標識免疫学的活性物質の活性が低くなり使用する際に好ましくない。20重量%を超えるとPC重合体の含量を増やす必要があり、その際、粘度が高く取り扱い難くなる。
【0021】
(C2)緩衝液としては、前述の安定化方法で列挙したものを好ましく挙げることができ、水溶液でも、水溶性の少量の溶剤を含んでもよい。この緩衝液は、標識免疫学的活性物質を水溶液状で取り扱い易くするために添加するので、必ずしも含有されていなくても良い。緩衝液の含有割合が、99.9重量%を超える場合には、標識免疫学的活性物質、重合体の濃度が低くなり、機能、効果を発揮しにくくなる。
【0022】
本発明の酵素組成物は、(A3)前記PC重合体のうち、式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、(B3)酵素1.0×10-14〜20重量%と、(C3)緩衝液0〜99.9重量%とを含有する。
(A3)の重合体は、前述の安定化方法で説明したPC重合体のうち、式(2)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合して得た重合体を用いる。該重合体の含有割合が、1.0×10-4未満の場合には酵素の安定化効果が十分でなく、80重量%を超えると水溶液の粘度が高くなり取り扱い難い。
(B3)の酵素としては、特に限定されず、酸化還元酵素、転移酵素、加水分解酵素、脱離酵素、異性化酵素、合成酵素などが挙げられる。特に好ましくは臨床診断あるいはメディカルデバイスなどに用いられる加水分解酵素の一種であるグリコシル加水分解酵素(糖分解酵素)のβ−D−ガラクトシダーゼ、同じく加水分解酵素の一種であるエステル加水分解酵素のコレステロールエステラーゼ、アルカリフォスファターゼなど、あるいは、酸化還元酵素の一種である過酸化酵素の西洋ワサビ過酸化酵素などが挙げられる。
これらの中で臨床診断に用いる際は、好ましくは、コレステロールエステラーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、西洋ワサビ過酸化酵素などが挙げられる。
また、加水分解酵素としては、例えばカルボヒドラーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、アミダーゼ、ハロゲナーゼ、ホスファターゼなどが挙げられる。一般には市販品が利用できる。例えばビオプラーゼ(ナガセ生化学工業(株)製、商標、ペプチド分解酵素)、リパーゼサイケン(ナガセ生化学工業(株)製、商標、エステル加水分解酵素)などが挙げられる。酵素の起源は限定されず、バシルス(Bacillus)属などあらゆる起源のものが使用できる。これらの中で、コンタクトレンズの洗浄あるいは皮膚の美白などに用いる際は、好ましくは蛋白質分解酵素、例えばビオプラーゼ(ナガセ生化学工業(株)製、商標、ペプチド分解酵素)などが挙げられる。
(B3)の酵素の含有割合が、1.0×10-14重量%未満では酵素の活性が低くなり使用する際に好ましくない。20重量%を超えるとPC重合体の含量を増やす必要があり、その際、粘度が高く取り扱い難い。
(C3)緩衝液としては、前述の安定化方法で列挙したものを好ましく挙げることができ、水溶液でも、水溶性の少量の溶剤を含んでもよい。この緩衝液は、酵素を水溶液状で取り扱い易くするために添加するので、必ずしも含有されていなくても良い。緩衝液の含有割合が、99.9重量%を超える場合には、酵素、重合体の濃度が低くなり、機能、効果を発揮しにくくなる。
【0023】
【発明の効果】
本発明の蛋白質の安定化方法は、PC重合体を同一系中に共存させるだけで容易に蛋白質の活性が保持されて長期安定化が図れる。また、本発明の血漿製剤、標識免疫学的活性物質あるいは酵素を配合した組成物は、特定のPC重合体を含有するので、各々の活性が高く保持されており、長期安定化が可能となる。
【0024】
【実施例】
以下実施例によりさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1−1;重合体Bの合成
総単量体濃度が1.0mol/lおよび重合開始剤量が単量体に対して1mol%となるように、MPC5.905g(0.02mol)を重合用ガラス反応管に秤取し、これに重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記する)0.0328g(0.2mmol)及び重合溶媒としてメタノール20mlを加えた。反応管内を充分にアルゴン置換した後、密封した。次いで、24時間50℃に加温することにより重合反応を行なった。反応混合物を氷冷した後、400mlのジエチルエーテルに滴下することによりポリマーを沈澱させた。沈澱物を瀘別し、充分にジエチルエーテルにて洗浄した後減圧乾燥して白色粉末状の重合体B3.691gを得た。収率は62.5%であった。
分子量は重合体Bのリン酸緩衝溶液液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて分析することにより測定した結果、ポリエチレングリコール換算で68000であった。
【0025】
合成例1−2;重合体Cの合成
MPCとn−ブチルメタクリレート(以下、BMAと略記する)との単量体の仕込みモル比がMPC/BMA=40/60、総単量体濃度が1.0mol/l及び重合開始剤量が単量体に対して1mol%となるように、MPC1.435g(4.9mmol)及びBMA2.153g(15.1mmol)を重合用ガラス反応管に秤取し、これに重合開始剤としてAIBN0.0328g(0.2mmol)及び重合溶媒としてメタノール20mlを加えた。反応管内を充分にアルゴン置換した後、密封した。次いで、24時間60℃に加温することにより重合反応を行なった。反応混合物を氷冷した後、400mlのジエチルエーテルに滴下することによりポリマーを沈澱させた。沈澱物を瀘別し、充分にジエチルエーテルにて洗浄した後、減圧乾燥して白色粉末状の重合体C2.019gを得た。収率は56.3%であった。
分子量は重合体Cのテトラヒドロフラン溶液をGPCを用いて分析することにより測定した結果、ポリスチレン換算で32000であった。
モル組成比は元素分析の結果より、MPC/BMA=38.5/61.5であった。
【0026】
合成例1−3;重合体Dの合成
BMA2.153g(15.1mmol)の代わりにスチレン(以下、Stと略記する)1.573g(15.1mmol)を用いた以外は合成例1−2と同様に行い、白色粉末状の重合体D1.972gを得た。収率は52.9%、分子量はポリスチレン換算で42000、モル組成比は、MPC/St=39.5/60.5であった。以上合成例1−1〜1−3の単量体及び各結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0003782851
【0028】
参考例1;抗体固定化プレートの調製
タイタープレート(Maxisorp F96;NUNC社製)の各ウェルに、100mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解した5.0μg/mlの抗ヒト免疫グロブリンG100μLを加えて、4℃で12時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ウェルを、150mM NaClを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。5.0重量%BSAを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)溶液を各ウェルに300μl加えて、25℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ウェルの溶液をデカンテーションにより除去した。その後、−80℃のフリーザーにて凍結させた後に乾燥させて凍結乾燥済み抗体固定化プレートを調製した。
【0029】
実施例1−1:血漿製剤蛋白質の安定化試験1
100mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解した、5μg/mlヒト免疫グロブリンG溶液(5.0×10-4重量%)に、合成例1−1で合成した重合体Bを2.0重量%となるように添加した。その後に40℃インキュベートした。尚、添加した日を0日後とした。
【0030】
0日後、2週間後、1カ月後、2カ月後、3カ月後および4カ月後の各ヒト免疫グロブリンG溶液を、参考例1で調製した抗体固定化プレートの8ウェルに100μL/ウェルになるように添加した後、25℃、1時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ウェルを、150mM NaClを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。その後、5.0重量%BSA及び150mM NaClを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で10000倍希釈したHorseradish Peroxidase標識抗ヒト免疫グロブリンGを各ウェルに100μL加えて、25℃、1時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ウェルを、150mM NaClを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。和光純薬社製の商品名「OPD錠」1錠を0.006%の過酸化水素を含むリン酸/クエン酸緩衝液12mlに溶解した溶液を、100μL/ウェル添加した後、25℃、10分間インキュベートした。続いて、2Nの硫酸溶液を50μL/ウェル加えた後に、東ソー製マイクロプレートリーダー「MPR−A4i」を用いて、各ウェルの492nmの吸光度を測定し、0日後の吸光度を100%として、各日後の%を求めた。なお、組成を表2に示し、測定結果を表3に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0003782851
【0032】
【表3】
Figure 0003782851
【0033】
実施例1−2及び1−3:血漿製剤蛋白質の安定化試験2,3
実施例1−1で用いた重合体Bの代わりに、合成例1−2及び合成例1−3で合成した重合体C(実施例1−2)及び重合体D(実施例1−3)を用いた以外は実施例1−1と同様に行った。測定結果を表3に示す。
【0034】
比較例1−1
合成例1−1で合成した重合体Bの代わりに、2重量%のBSAを添加した以外は、実施例1−1と同様に行った。測定結果を表3に示す。
【0035】
比較例1−2
100mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解した、5μg/mlヒト免疫グロブリンG溶液に何も添加しなかった以外は実施例1−1と同様に行った。測定結果を表3に示す。
【0036】
実施例2−1;標識抗体免疫学的活性物質の安定化試験1
10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で20000倍希釈した Horseradish Peroxidase 標識抗ヒト免疫グロブリンG溶液(約1.0×10-7重量%)に、合成例1−1で合成した重合体Bを2.0重量%となるように添加した。その後に40℃インキュベートした。なお、添加した日を0日後とした。
【0037】
参考例1で調製した抗体固定化プレートの8ウェルに、1.0μg/mlのヒト免疫グロブリンを100μL/ウェルになるように添加した後、25℃、1時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ウェルを、150mM NaClを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。洗浄終了後更に、0日後、3日後、1週後、2週後、3週間後、4週間後の20000倍希釈した Horseradish Peroxidase標識抗ヒト免疫グロブリンG溶液を、8ウェルに100μL/ウェルになるように添加した後に、25℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了後、各ウェルを、150mM NaClを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。和光純薬社製の商品名「OPD錠」1錠を、0.006%の過酸化水素を含むリン酸/クエン酸緩衝液12mlに溶解した溶液を、100μL/ウェル添加した後、25℃、10分間インキュベートした。続いて、2Nの硫酸溶液を50μL/ウェル加えた後に、東ソー社製マイクロプレートリーダー「MPR−A4i」を用いて、各ウェルの492nmの吸光度を測定し、0日後の吸光度を100%として、各日後の%を求めた。組成を表2、測定結果を表4に示す。
【0038】
実施例2−2及び2−3:標識抗体免疫学的活性物質の安定化試験2,3
合成例1−1で合成した重合体Bの代わりに、合成例1−2及び合成例1−3で合成した重合体C(実施例2−2)及び重合体D(実施例2−3)を用いた以外は実施例2−1と同様に行った。測定結果を表4に示す。
【0039】
比較例2−1
合成例1−1で合成した重合体Bの代わりに、2重量%のBSAを添加した以外は、実施例2−1と同様に行った。測定結果を表4に示す。
【0040】
比較例2−2
100mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解した、5μg/mlヒト免疫グロブリンG溶液に何も添加しなかった以外は実施例2−1と同様に行った。測定結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
Figure 0003782851
【0042】
実施例3−1;酵素の安定化1−1
100mM NaCl及び1mM MgCl2を添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.0)に溶解した5fmol/ml(10-15mol/ml)のβ−D−ガラクトシダーゼ溶液(1.0×10-13重量%)に合成例1−1で合成した重合体を2.0重量%となるように添加した。その後に40℃でインキュベートした。なお、添加した日を0日後とした。
【0043】
0日後、3日後、1週後、2週後、3週間後および4週間後の各β−D−ガラクトシダーゼ溶液0.4mlに、100mM NaCl及び1mM塩化マグネシウムを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.0)に溶解した50mmol/Lの2−ニトロフェニル・β−D−ガラクトシド溶液0.2mlを加えて、30℃、10分間インキュベートした。インキュベート終了後、0.1mol/L炭酸ナトリウム2mlを加えた後に、日本分光社製UV/VIS測定機「Ubest−50」を用いて、420nmの吸光度を測定した。0日後の吸光度を100%として、各日後の%を求めた。測定結果を表5に示す。
【0044】
実施例3−2及び3−3;酵素の安定化1−2、1−3
合成例1−1の重合体Bの代わりに、合成例1−2及び合成例1−3で合成した重合体C(実施例3−2)及び重合体D(実施例3−3)を用いた以外は実施例3−1と同様に行った。測定結果を表5に示す。
【0045】
比較例3−1
合成例1−1で合成した重合体Bの代わりに、2重量%のBSAを添加した以外は、実施例3−1と同様に行った。測定結果を表5に示す。
【0046】
比較例3−2
100mM NaCl及び1mM MgCl2を添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.0)に溶解した5fmol/mlβ−D−ガラクトシダーゼ溶液に何も添加しなかった以外は実施例3−1と同様に行った。測定結果は表5に示す。
【0047】
【表5】
Figure 0003782851
【0048】
参考例2;蛋白質付着レンズの調製
人工涙液(アルブミン0.6g、グロブリン0.3g、リゾチーム0.2g及びムチン0.1gを生理食塩水に溶解させ100mlとした)にコンタクトレンズ(セイコー社製コンタクトレンズ 「スーパーEX1」)を浸し、65℃に加熱して蛋白質を付着させた。
【0049】
実施例4−1
生理食塩水に溶解した4.0mg/ml ビオプラーゼ(ナガセ生化学工業(株)製、商標、ペプチド分解酵素)溶液(0.4重量%)に合成例1−1で合成した重合体Bを2.0重量%となるように添加した。その後に40℃にてインキュベートした。なお、添加した日を0日後とした。0日後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、4ヶ月後の各ビオプラーゼ溶液の蛋白質分解酵素活性は、カゼイン−フォリン法により測定した。0日後の活性を100%として各月後の活性を求めた。組成を表2に、測定結果を表6に示す。
【0050】
また、0日後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、4ヶ月後の各ビオプラーゼ溶液に参考例2で調製した蛋白質付着レンズを入れ、静置した状態で洗浄した。洗浄効果は目視にて行い、付着蛋白質がほとんど除かれている場合を良好、それ以外を不良として判定した。測定結果を表7に示す。
【0051】
実施例4−2及び4−3
合成例1−1で合成した重合体Bの代わりに、合成例1−2及び合成例1−3で合成した重合体C(実施例4−2)及び重合体D(実施例4−3)を用いた以外は実施例4−1と同様に行った。測定結果を表6および7に示す。
【0052】
比較例4−1
合成例1−1で合成した重合体Bの代わりに、2.0重量%のBSAを添加した以外は実施例4−1と同様に行った。測定結果を表6および7に示す。
【0053】
比較例4−2
生理食塩水に溶解した4.0mg/ml ビオプラーゼ(ナガセ生化学工業(株)製、商標、ペプチド分解酵素)溶液に何も添加しなかった以外は実施例4−1と同様に行った。測定結果を表6および7に示す。
以上の結果、本発明の実施例は比較例に比べ安定性に優れていることがわかる。
【0054】
【表6】
Figure 0003782851
【0055】
【表7】
Figure 0003782851

Claims (5)

  1. 同一系中において、式(1)で示されるホスホリルコリン基を有する重合体と、蛋白質とを共存させることを特徴とする蛋白質の安定化方法。
    Figure 0003782851
  2. 式(1)で示されるホスホリルコリン基を有する重合体が、式(2)(式中Xは、水素原子またはメチル基を示す)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を含む重合成分を重合してなる重合体である請求項1記載の蛋白質の安定化方法。
    Figure 0003782851
  3. (A1)式(2)(式中Xは、水素原子またはメチル基を示す)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、
    Figure 0003782851
    (B1)血漿製剤蛋白質1.0×10-14〜20重量%と、
    (C1)緩衝液0〜99.9重量%と
    を含んでなる安定化した血漿製剤蛋白質組成物。
  4. (A2)式(2)(式中Xは、水素原子またはメチル基を示す)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、
    Figure 0003782851
    (B2)標識免疫学的活性物質1.0×10-14〜20重量%と、
    (C2)緩衝液0〜99.9重量%と
    を含んでなる安定化した標識免疫学的活性物質組成物。
  5. (A3)式(2)(式中Xは、水素原子またはメチル基を示す)で示されるホスホリルコリン基含有単量体を重合してなる重合体1.0×10-4〜80重量%と、
    Figure 0003782851
    (B3)酵素1.0×10-14〜20重量%と、
    (C3)緩衝液0〜99.9重量%と
    を含んでなる安定化した酵素組成物。
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