JPH09326507A - 面発光型半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

面発光型半導体発光素子およびその製造方法

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JPH09326507A
JPH09326507A JP16252596A JP16252596A JPH09326507A JP H09326507 A JPH09326507 A JP H09326507A JP 16252596 A JP16252596 A JP 16252596A JP 16252596 A JP16252596 A JP 16252596A JP H09326507 A JPH09326507 A JP H09326507A
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light emitting
light
emitting device
region
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Application number
JP16252596A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Takahashi
敏幸 高橋
Hiroshi Imamoto
浩史 今本
Masashi Yanagase
雅司 柳ケ瀬
Koji Sano
浩二 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光強度がほぼ均一でかつ高い発光出力を実現
する面発光型半導体発光素子とその製造方法を提供す
る。 【構成】 n−GaAs基板1上に,n−(AlxGa
1-xzIn1-zP下部クラッド層2,p−(AlyGa
1ーyzIn1-zP発光層3,p−(AlxGa1-xzIn
1-zP上部クラッド層4およびp−GaAsキャップ層
5(0≦y<x≦1,0≦z≦1 )を順次エピタキシャル
成長させる。その後,p型の導電型をもつ不純物を光取
り出し窓10の下方に位置する上部クラッド層4の部分に
ドープする。半導体層をキャップ層5まで成長させた後
に,上部クラッド層4に不純物をドープすることによっ
て,高い濃度の不純物をドープすることができる。電流
は上部クラッド層4で充分に拡散され,これによって光
取り出し領域から外部に出射される光の強度がほぼ均一
になる。また不純物濃度が高いので電流密度も高まり高
出力の光が出射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,面発光型半導体発光素子およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】ダブルヘテロ接合構造を有す
る半導体層は,上部クラッド層と下部クラッド層とによ
って挟まれ光を発生する発光層(活性層)をもつ。半導
体発光素子の上面および下面にそれぞれ形成された電極
を通して発光層に電流を流すと,発光層が励起され光を
発生する。半導体発光素子の発光出力を高めるために,
従来,半導体層の結晶成長過程において上部クラッド層
に上部クラッド層と同じ導電型をもつ不純物をドープ
し,上部クラッド層のキャリア濃度を高める方法がとら
れている。
【0003】しかしながら,結晶成長過程で不純物をド
ープすると,上部クラッド層は低いキャリア濃度で飽和
してしまう。たとえば,InGaAlP系の半導体発光
素子においてp−AlGaInP上部クラッド層はキャ
リア濃度が5×1017cm-3程度で飽和する。上部クラッド
層のキャリア濃度が不充分であるため,発光層に充分な
電流が流れず発光出力が低い。
【0004】また,電極からの電流を発光層に均一に流
すために,電極と上部クラッド層との間に電流拡散層を
設ける試みがなされている。しかしながら,この電流拡
散層によっても電流を発光層に一様に広げて流すことは
できなかった。さらに電流拡散層を成長させる必要があ
るので,そのための時間と手間がかかるという問題もあ
る。InGaAlP系半導体発光素子においては,電流
拡散層はAlGaAsで形成されるが,Alが多いと信
頼性の低下を招くことがある。
【0005】図9は,従来のセンタ発光型の面発光型半
導体発光素子を模式的に示すとともにその出射光強度の
分布を示している。センタ発光型の面発光型半導体発光
素子は電極が中央の光取り出し窓の周囲を取り囲む構造
をもち,光取り出し窓から光を出射する。
【0006】n−GaAs基板61上に,n−(Alx
1-x z In1-z P下部クラッド層62,p−(Aly
Ga1-y z In1-z P発光層63,p−(Alx Ga
1-xz In1-z P上部クラッド層64,AlGaAs電
流拡散層65およびp−GaAsキャップ層66をたとえば
液相エピタキシ(LPE)法により順次成長させる(0
≦y<x≦1,0≦z≦1 )。キャップ層66の上面には,
光取り出し窓70およびその周囲を除いて,ポリイミド樹
脂等からなる絶縁層67が設けられている。絶縁層67を覆
うようにCr/Au上面電極68が形成されている。この
上面電極68の光取り出し窓70の周囲の部分において電流
通過領域72が形成され,これによって電流狭搾構造が構
成されている。基板61の下面の全体にはAuGeNi下
面電極69が形成されている。
【0007】上面電極68と下面電極69との間に電流を流
すと,電流は電流通過領域72を通って発光層63に流れ込
み,光を発生する。発光層63の電流通過領域72の下方に
位置する部分に流れる電流の電流密度が高いため,光取
り出し窓70の周辺の光強度は高いが,光取り出し窓70の
中央部分から出射される光の強度は低い。これにより全
体的な光の発光出力も低い。
【0008】
【発明の開示】この発明は,光強度がほぼ均一でかつ高
い発光出力を実現する面発光型半導体発光素子の製造方
法およびその方法により製造された面発光型半導体発光
素子を提供するものである。
【0009】この発明による面発光型半導体発光素子の
製造方法は,結晶成長により少なくとも発光層および上
部クラッド層を含む半導体層を形成し,その後,上記上
部クラッド層に,上記上部クラッド層の導電型と同じ導
電型の不純物をドープし,少なくとも発光素子の上面に
電極を形成するものである。不純物のドープは,イオン
注入法,拡散法その他の方法によって行われる。好まし
くは,上記上部クラッド層にドープされる不純物の濃度
を1×1018cm-3以上にする。
【0010】結晶成長を終えた後に半導体発光素子を構
成する上部クラッド層に,上部クラッド層の導電型と同
じ導電型の不純物をドープすることによって,高い濃度
の不純物を加えることができるようになる。上部クラッ
ド層の不純物の濃度が高められるので,電流は上部クラ
ッド層で充分に拡散させられる。これにより光取り出し
領域から外部に出射される光の強度がほぼ均一となる。
また,不純物濃度が高いので電流密度も高まり高い発光
出力が得られる。
【0011】面発光型半導体発光素子において光取り出
し領域を発光素子の上面全面,または上面の中央に形成
される不透明電極を除く上面全面とすれば全面発光型と
なり,発光素子の上面の広い領域から光が出射する。発
光素子の上面にその中央部分を除いて不透明電極を形成
すれば,電極が形成されていない中央部分が光取り出し
領域となる。これはセンタ発光型の発光素子であり,上
面の中央部分から光が出射する。全面発光型の場合には
上面に形成する電極に透明電極を用い上部クラッド層の
全域に不純物をドープすることが好ましく,センタ発光
型の場合には中央の光取り出し領域に相当する領域の下
方にあたる部分に上記不純物をドープする。いずれにし
ても,光取り出し領域の真下に電流を流すことによって
発光効率を高めることができる。特に電流を狭い範囲に
集中して流す電流狭窄構造を不純物によって形成するこ
とにより,発光層を効率よく発光させることができる。
【0012】この発明による面発光型半導体発光素子
は,結晶成長により少なくとも発光層および上部クラッ
ド層を含む半導体層が形成され,上記上部クラッド層に
上記上部クラッド層の導電型と同じ導電型の不純物がド
ープされ,少なくとも発光素子の上面に電極が形成さ
れ,上記不純物濃度が1×1018cm-3以上であることを特
徴とする。
【0013】上部クラッド層にドープされる不純物が高
濃度であることによって,発光層に流れる電流が充分に
拡散され,かつその電流密度が高められる。したがっ
て,発光素子の光取り出し領域から外部に取り出される
光の強度がほぼ均一となり,発光出力が高められる。
【0014】好ましくは,発光素子の上面の電極を形成
すべき領域を除く光取り出し領域に相当する領域の下方
にあたる上部クラッド層の部分に上記不純物がドープさ
れることにより上記不純物による電流通路が形成され
る。光取り出し領域の真下に電流を流すことによって発
光効率を高めることができる。
【0015】全面発光型の発光素子においては,上記発
光素子の上面の電極を透明電極により形成し,上記不純
物を上記上部クラッド層の全域にドープすることが好ま
しい。発光素子の上面全面から光が出射されるため,光
の取り出し効率が向上する。
【0016】この発明による面発光型半導体発光素子の
他の製造方法は,結晶成長により少なくとも発光層およ
び上部クラッド層を含む半導体層を形成し,上記上部ク
ラッド層の少なくとも上記半導体層の上面に形成すべき
光取り出し領域の下方にあたる部分に,上記上部クラッ
ド層の導電型と同じ導電型の不純物をドープし,上記半
導体層の上面の上記光取り出し領域とその周囲に形成す
べき電流通路となるべき領域とを除く領域に絶縁層を形
成し,上記絶縁層および上記電流通過領域を覆うように
電極を形成するものである。
【0017】この発明は,上述した面発光型半導体発光
素子の製造方法により製造される面発光型半導体発光素
子を提供している。
【0018】この発明による面発光型半導体発光素子
は,結晶成長により少なくとも発光層および上部クラッ
ド層を含む半導体層が形成され,上記上部クラッド層の
少なくとも上記半導体層の上面に形成すべき光取り出し
領域の下方にあたる部分に,上記上部クラッド層の導電
型と同じ導電型の不純物がドープされ,上記半導体層の
上面の上記光取り出し領域とその周囲に形成すべき電流
通路となるべき領域とを除く領域に絶縁層が形成され,
上記絶縁層および上記電流通過領域を覆うように電極が
形成される。好ましくは,上記上部クラッド層にドープ
される不純物の濃度を1×1018cm-3以上にする。
【0019】上部クラッド層にドープされる不純物が高
濃度であるため,電流は上部クラッド層で充分に拡散さ
せられる。これにより光取り出し領域から外部に出射さ
れる光がほぼ均一になる。不純物濃度が高いので電流密
度も高まり,高い発光出力が得られる。さらに上記電流
通路領域によって電流狭窄構造が形成されるので,発光
層を効率よく発光させることができる。
【0020】この発明による面発光型半導体発光素子は
ほぼ均一な光強度をもつ,高い発光出力の光を出射す
る。特にセンタ発光型においては微小発光径の出力が可
能である。この発明による面発光型半導体発光素子を光
学検知装置,光学的情報処理装置等の投光部に用いるこ
とによって,光学的性能の良好な各種光学装置を製作す
ることができる。
【0021】
【実施例】
第1実施例 図1は,第1実施例の面発光型半導体発光素子を示す。
(A) はその平面図,(B) はその構造を模式的に示す断面
図である。
【0022】ここでは,製造工程を明らかにすることに
より,面発光型半導体発光素子の構造を明らかにする。
【0023】まずn−GaAs基板1上に,n−(Al
xGa1-xzIn1-zP下部クラッド層2,p−(Aly
Ga1-yzIn1-zP発光層3,p−(AlxGa1-xz
In1 -zP上部クラッド層4およびp−GaAsキャッ
プ層5をMBE法(MolecularBeam Epitaxy:分子線エ
ピタキシ法)またはMOCVD法(Metal Organic Chem
ical Vapor Deposition :有機金属気相成長法)などに
より,順次エピタキシャル成長させる。ここで,0≦y
<x≦1,0≦z≦1 である。
【0024】p−GaAsキャップ層5を成長させた
後,光取り出し窓10を形成しようとする領域を除いてA
Zレジスト(図示略)をキャップ層5の上面に塗布す
る。AZレジストをマスクとして,光取り出し窓10を形
成しようとする領域の下方に位置する上部クラッド層4
の部分に不純物をドープする。不純物が上部クラッド層
4の一部にだけドープされ,ここに電流狭窄構造が形成
される。電流は不純物がドープされた部分を集中して流
れることになる。不純物はたとえばイオン注入法により
ドープされる。
【0025】上部クラッド層4の導電型がp型であるの
で,導電型がp型の不純物がドープされる。p型の導電
型を有する不純物にはたとえばSn,Te,Si等があ
る。好ましくは,上部クラッド層4のキャリア濃度が1
×1018cm-3以上になるようにする。
【0026】AZレジストを除去し,光取り出し窓10を
形成しようとする領域およびその周囲を含む円形領域に
新たにAZレジストを塗布する。新たに塗布されたAZ
レジストをマスクとして,p−GaAsキャップ層5上
に絶縁層6を形成する。絶縁層6はSiO2 またはポリ
イミドによりつくることができる。CVD法(Chemical
Vapor Deposition:化学気相成長法 )を用いてSiO
2 層を形成することもできる。
【0027】この後,AZレジストを除去し,再度光取
り出し窓10を形成しようとする円形領域にAZレジスト
を塗布する。絶縁層6,キャップ層5およびAZレジス
トの上に上面電極7となるべき導電膜を,たとえばCr
/Auを蒸着することにより形成する。この後,AZレ
ジストをその上に蒸着された導電膜と一緒に取り除く。
残った導電膜が上面電極7となる。光取り出し窓10の周
囲に沿って上面電極7とキャップ層5とが接触し,電流
通路11が形成される。n−GaAs基板1の下面には下
面電極8を,たとえばAuGeNiを蒸着して形成す
る。
【0028】このような工程によって形成された面発光
型半導体発光素子はセンター発光型であり,キャップ層
5の上面の中心部分に円形の光取り出し窓10をもつ。光
取り出し窓10は必ずしも半導体発光素子の上面の中心部
分に形成する必要はなく,また円形に限られないことは
いうまでもない。
【0029】両電極7,8間に電流を流すと,電流は上
部クラッド層4に形成された電流狭窄構造によって,光
取り出し窓10の下方に位置する発光層3の部分に集中し
て流れる。このため,発光層3は効率よく発光する。さ
らに上部クラッド層4にドープされた不純物はその濃度
が高いので,電流は上部クラッド層4中で充分に拡散さ
れかつ電流密度が高められる。このため発光層3の発光
は,光強度がほぼ均一でかつ,発光出力の高いものにな
る。その様子が図2に示されている。図2において,セ
ンタ発光型の面発光型半導体発光素子の平面図とともに
その出射光強度の分布が示されている。センタ発光型で
あるため,発光径が小さい。
【0030】上述の実施例においては,上面電極7の光
取り出し窓10の周囲にある部分のみを通って(絶縁層6
の部分を除いて)電流が光取り出し窓10の下方に位置す
る発光層3の部分に集中して流れる。上面電極7によっ
て電流狭窄構造が形成されているので,上部クラッド層
4に電流狭窄構造をつくる必要は必ずしもない。すなわ
ち,不純物を上部クラッド層4の全域にドープしてもよ
い。上部クラッド層4の全域に不純物をドープする場合
には,最初のAZレジストの塗布工程を省略することが
できる。
【0031】第2実施例 図3は第2実施例の面発光型半導体発光素子を示す。
(A) はその平面図,(B)はその構造を模式的に示す断面
図である。
【0032】この面発光型半導体発光素子は,MBE法
やMOCVD法などを用いて,n−GaAs基板1上
に,n−(AlxGa1-xzIn1-zP下部クラッド層
2,p−(AlyGa1-yzIn1-zP発光層3,p−
(AlxGa1-xzIn1-zP上部クラッド層4およびp
−GaAsキャップ層5を順次エピタキシャル成長させ
て作られる構造をもつ。ここで,0≦y<x≦1,0≦z
≦1 である。キャップ層5の上面には上面電極7を,
基板1の下面には下面電極8を形成する。上面電極7は
中央の光取り出し窓10に相当する部分を除いて形成す
る。
【0033】光取り出し窓10の下方に位置する上部クラ
ッド層4の部分には,エピタキシャル成長によって半導
体層をキャップ層5まで成長させた後に(電極7,8の
形成前に),p型の不純物をドープする。好ましくは,
上部クラッド層4のキャリア濃度が1×1018cm-3以上に
なるようにする。
【0034】両電極7,8間に電流を流すと,電流は上
部クラッド層4に作り込まれた電流狭窄構造によって光
取り出し窓10の下方に位置する発光層3の部分に集中し
て流れ込む。このため発光層3は効率よく発光する。さ
らに上部クラッド層4には高い濃度の不純物がドープさ
れているので,電流はそこで充分に拡散されかつ電流濃
度が高められた後,発光層3に流れ込む。これによって
光強度がほぼ均一でかつ発光出力の高められた光が光取
り出し窓10から外部に出射される。
【0035】第3実施例 図4は,第3実施例の面発光型半導体発光素子を示す。
(A)はその平面図,(B)はその構造を模式的に示す断面図
である。この面発光型半導体発光素子は,全面発光型の
ものである。
【0036】この面発光型半導体発光素子は,n−Ga
As基板1上に,n−(AlxGa1 -xzIn1-zP下部
クラッド層2,p−(AlyGa1-yzIn1-zP発光層
3,p−(AlxGa1-xzIn1-zP上部クラッド層4
およびp−GaAsキャップ層5をMBE法やMOCV
D法などによって順次エピタキシャル成長させた構造を
もつ。ここで,0≦y<x≦1,0≦z≦1 である。面発
光型半導体発光素子の上面の中心部分に上面電極7が,
下面には全面に下面電極8がそれぞれが形成されてい
る。発光素子の上面の上面電極7が形成された部分を除
く全面(以下光取り出し領域という)から光が出射す
る。
【0037】半導体層をキャップ層5まで成長させた後
に,光取り出し領域10の下方に位置する上部クラッド層
4の部分に,p型の不純物がドープされる。好ましく
は,上部クラッド層4のキャリア濃度が1×1018cm-3
上になるようにする。
【0038】上面電極7を発光層3からの光を選択的に
透過させる材料を用いて形成してもよい。このような材
料には,ITO(インジウム・スズ酸化物),SnO
2 ,ZnOなどがある。このことによって,光取り出し
領域10だけでなく,上面電極7の形成された部分からも
光を外部に取り出すことができる。この場合,不純物は
上部クラッド層4の全域にドープされる。
【0039】応用例 面発光型半導体発光素子は,上述のようにほぼ均一な光
強度を有しかつ高出力の光を出射することができ,さら
に小さな光取り出し窓を形成することにより発光径を小
さくすることができる。このため,この発明による面発
光型半導体発光素子を種々の光学機器,光検出装置,光
情報処理装置等に応用することができる。
【0040】図5は,面発光型半導体発光素子を用いた
投光器を示している。
【0041】半導体発光素子20はリードフレーム22の取
付片に固定されている。発光素子20の下面電極がリード
フレーム22に電気的に接続されている。発光素子20の上
面電極は別のリードフレーム23にワイヤによって電気的
に接続されている。半導体発光素子20,リードフレーム
22の取付片,リードフレーム23の上部およびワイヤはモ
ールド樹脂24内に封止されている。モールド樹脂24の前
面にはフレネル・レンズ21が形成され,このフレネル・
レンズ21によって半導体発光素子20の出射光が集光され
る,またはコリメートされる。
【0042】モールド樹脂24のフレネル・レンズ21が形
成されている前面の両側部分には,突部24a が設けられ
ている。突部24a は,フレネル・レンズ21を保護するた
めのものであり,フレネル・レンズ21の円環状突部と同
じ高さまたはそれよりも少し突出するように形成されて
いる。
【0043】半導体発光素子20は,ほぼ均一な光強度を
有しかつ高い出力の光を出射することができる。このた
め半導体発光素子20を用いた投光器も同様に,ほぼ均一
な強度をもつ,高出力の光を出射する。
【0044】図6は面発光型半導体発光素子を備えたバ
ーコード・リーダを示している。
【0045】このバーコード・リーダは,半導体発光素
子30,投光側集光レンズ31,回転多面鏡32,モータ33,
走査レンズ34,受光側集光レンズ35および受光素子36を
備えている。
【0046】半導体発光素子30の出射光は,投光側集光
レンズ31によって集光された後,回転多面鏡32の鏡面に
入射する。回転多面鏡32の鏡面からの反射光は,走査レ
ンズ34を通って投射される。回転多面鏡32はモータ33に
よって一方向に一定速度で回転駆動される。鏡面が多面
体であって一方向に一定速度で回転しているので,走査
レンズ34からの投射光はバーコードa上を走査する。
【0047】バーコードaからの反射光は,受光側集光
レンズ35によって集光され,受光素子36に入射する。受
光素子36の受光信号が信号処理装置(図示略)に与えら
れる。信号処理装置はバーコードaの認識,その他の信
号処理を行う。
【0048】面発光型半導体素子30は発光径の小さい高
出力の光を出射することができる(約10μm)。発光径
がバーコードの線幅の最小値(0.2 mm)よりも小さい
ので,どのような幅のバーコードも高精度に読み取るこ
とができる。
【0049】図7は,面発光型半導体発光素子を備えた
光学式距離センサの概略図を示している。
【0050】この光学式距離センサは,面発光型半導体
発光素子40およびコリメートレンズ41からなる投光部
と,受光側レンズ42および位置検出素子43からなる受光
部とから構成されている。投光部と受光部はケース45内
に収められている。投光部からの投射光はケース45にあ
けられた出射窓46から被測定物bに向けて投射される。
被測定物bからの反射光はケース45にあけられた受光窓
47から受光部の位置検出素子43に入射する。
【0051】ケース45から被測定物までの距離または被
測定物bの変位量は三角測量の原理を用いて測定され
る。すなわち,被測定物bからの反射光が位置検出素子
43に入射する位置が被測定物bの位置に応じて変化する
ので,位置検出素子43の出力信号に基づいて距離または
変位量が算出される。
【0052】半導体発光素子40は,発光径の小さい,高
出力の光を出射する。被測定物bに投射されるビームス
ポットの径が小さくなることにより分解能が向上し,精
度のよい距離検出を行うことができる。また高い出力の
光が出射されるので,長い距離にわたる検出を行うこと
が可能となる。
【0053】図8は,面発光型半導体発光素子を備えた
フォトカプラを示している。(A) はケースの一部を欠除
して示す斜視図,(B) はケースの水平断面図である。
【0054】半導体発光素子50はリードフレーム52の取
付片にダイボンディングされている。発光素子50の下面
電極がリードフレーム52に電気的に接続されている。発
光素子50の上面電極は別のリードフレーム51とワイヤに
よって電気的に接続されている。フォト・ダイオード58
はリードフレーム53の取付片にダイボンディングされて
いる。フォト・ダイオード58の下面電極がリードフレー
ム53に電気的に接続されている。フォト・ダイオード58
の上面電極は別のリードフレーム54とワイヤによって電
気的に接続されている。半導体発光素子50,フォト・ダ
イオード58,リードフレーム52および53の取付片,リー
ドフレーム51および54の上部ならびにワイヤはケース55
内に封止されている。リードフレーム51,52,53および
54の下端部がケース55の外部に出ている。
【0055】ケース55は楕円球状に形成され,その内面
には反射膜56が形成されている。好ましくは,ケース55
の材料には透明エポキシ樹脂が用いられる。半導体発光
素子50とフォト・ダイオード58とは,ケース55によって
形成された楕円の焦点位置にそれぞれ配置されている。
【0056】リードフレーム51および52に与えられる電
気信号によって半導体発光素子50が駆動され,半導体発
光素子50が発光する。半導体発光素子50から出射された
光は,ケース55の内面の反射膜56によって反射される。
その反射光はフォト・ダイオード58の受光面に入射す
る。フォト・ダイオード58は,光信号を再び電気信号に
変換し,リードフレーム53および54を通して外部に出力
する。
【0057】このように半導体発光素子50に入力された
電気信号は,光信号に変換されたのち,再び電気信号に
変換され外部に出力されるので,入力信号と出力信号は
電気的に絶縁される。このようなフォトカプラは高圧回
路の制御等に用いられる。
【0058】フォトカプラにおいて,発光素子とフォト
・ダイオードとの光結合効率は発光素子の発光径と光強
度に強く依存している。半導体発光素子50は,上述した
ように,発光径を小さくすることができ,高出力の光を
出射することができるので,高い結合効率を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すもので,(A)は面発光型半導
体発光素子の平面図,(B)はその構成を模式的に示す断
面図である。
【図2】図1に示す面発光型半導体発光素子の平面およ
びそれに対応して出射する光の強度を示す。
【図3】第2実施例を示すもので,(A)は面発光型半導
体発光素子の平面図,(B)はその構成を模式的に示す断
面図である。
【図4】第3実施例を示すもので,(A)は面発光型半導
体発光素子の平面図,(B)はその構成を模式的に示す断
面図である。
【図5】応用例を示し,投光器の構成を示す斜視図であ
る。
【図6】応用例を示し,バーコード・リーダの構成を示
す。
【図7】応用例を示し,光学式距離センサの構成を示
す。
【図8】応用例を示し,フォトカプラの構成を示すもの
で,(A) は一部切り欠き斜視図,(B) は水平断面図であ
る。
【図9】従来のセンタ発光型半導体発光素子の構成と,
その出射光の強度を示す。
【符号の説明】
1 n−GaAs基板 2 n−(AlxGa1-xzIn1-zP下部クラッド層 3 p−(AlyGa1-yzIn1-zP発光層 4 p−(AlxGa1-xzIn1-zP上部クラッド層 5 p−GaAsキャップ層 6 絶縁層 7 上面電極 8 下面電極 20,30,40,50 面発光型半導体発光素子
フロントページの続き (72)発明者 佐野 浩二 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶成長により少なくとも発光層および
    上部クラッド層を含む半導体層を形成し,その後,上記
    上部クラッド層に,上記上部クラッド層の導電型と同じ
    導電型の不純物をドープし,少なくとも発光素子の上面
    に電極を形成する,面発光型半導体発光素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 発光素子の上面の電極を形成すべき領域
    を除く光取り出し領域に相当する領域の下方にあたる上
    記クラッド層の部分に上記不純物をドープし,上記不純
    物による電流通路を形成する,請求項1に記載の面発光
    型半導体発光素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記発光素子の上面に形成する電極が透
    明電極であり,上記不純物を上記上部クラッド層の全域
    にドープする,請求項1に記載の面発光型半導体発光素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶成長により少なくとも発光層および
    上部クラッド層を含む半導体層を形成し,少なくとも半
    導体層の上面に形成すべき光取り出し領域の下方にあた
    る上記上部クラッド層の部分に,上記上部クラッド層の
    導電型と同じ導電型の不純物をドープし,上記半導体層
    の上面の上記光取り出し領域およびその周囲に形成すべ
    き電流通路となるべき領域を除く領域に絶縁層を形成
    し,上記絶縁層および上記電流通路となるべき領域を覆
    うように電極を形成する,面発光型半導体発光素子の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記不純物の濃度を1×1018cm-3以上に
    する請求項1から4のいずれか一項に記載の面発光型半
    導体発光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記請求項1から5のいずれか一項に記
    載の面発光型半導体発光素子の製造方法により製造され
    た面発光型半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 結晶成長により少なくとも発光層および
    上部クラッド層を含む半導体層が形成され,上記上部ク
    ラッド層に上記上部クラッド層の導電型と同じ導電型の
    不純物がドープされ,少なくとも発光素子の上面に電極
    が形成され,上記不純物の濃度が1×1018cm-3以上であ
    ることを特徴とする,面発光型半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 発光素子の上面の電極を形成すべき領域
    を除く光取り出し領域に相当する領域の下方にあたる上
    部クラッド層の部分に上記不純物がドープされることに
    より上記不純物による電流通路が形成されている,請求
    項7に記載の面発光型半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 上記発光素子の上面に形成される電極が
    透明電極であり,上記不純物が上記上部クラッド層の全
    域にドープされている,請求項7に記載の面発光型半導
    体発光素子。
  10. 【請求項10】 結晶成長により少なくとも発光層およ
    び上部クラッド層を含む半導体層が形成され,少なくと
    も上記半導体層の上面に形成すべき光取り出し領域の下
    方にあたる上記上部クラッド層の部分に,上記上部クラ
    ッド層の導電型と同じ導電型の不純物がドープされ,上
    記半導体層の上面の上記光取り出し領域およびその周囲
    に形成すべき電流通路となるべき領域を除く領域に絶縁
    層が形成され,上記絶縁層および上記電流通路となるべ
    き領域を覆うように電極が形成されている,面発光型半
    導体発光素子。
  11. 【請求項11】 上記不純物の濃度が1×1018cm-3以上
    であることを特徴とする請求項10に記載の面発光型半導
    体発光素子。
  12. 【請求項12】 請求項6から11のいずれか一項に記載
    の面発光型半導体発光素子を投光部に備えた光学機器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009010304A (ja) * 2007-06-29 2009-01-15 Dowa Electronics Materials Co Ltd 電流狭窄型発光素子およびその製造方法
JP2009252836A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Dowa Electronics Materials Co Ltd 電流狭窄型半導体発光素子およびその製造方法
JP2012231193A (ja) * 2012-08-30 2012-11-22 Dowa Electronics Materials Co Ltd 電流狭窄型半導体発光素子

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