JP2009010304A - 電流狭窄型発光素子およびその製造方法 - Google Patents

電流狭窄型発光素子およびその製造方法 Download PDF

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雅年 岩田
Shuichi Mafune
修一 間舩
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Abstract

【課題】電流阻止層の配設に伴う電流密度の増加によって悪化しがちなリニアリティおよび信頼性を改善した電流狭窄型発光素子等を提供する。
【解決手段】本発明の発光素子1は、GaAs基板2の上面2aに、下側クラッド層3、活性層4、上側クラッド層5、電流阻止層6、および第1開口7aをもつ第1電極層7を有し、GaAs基板2の下面2bに第2電極層8を有し、活性層4が、不純物をドーピングしないアンドープ活性層であり、電流阻止層6は、上側クラッド層5の上方でかつ第1電極層7の直下位置に、上側クラッド層5の表面の一部5a1が前記第2開口6aよりも小さな径をもつ前記第1開口7aから露出するように配設されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流阻止層の配設に伴う電流密度の増加によって悪化しがちなリニアリティおよび信頼性を改善した電流狭窄型発光素子、ならびに、電流狭窄型発光素子を構成する下側クラッド層、活性層、上側クラッド層および電流阻止層の形成を、1回のエピタキシャル成長で行うことができ、かつ、その後のアニール処理を不要とすることができる電流狭窄型発光素子の製造方法に関するものである。
点光源用の電流狭窄型発光素子の特性を向上させた公知技術を開示した例としては、例えば特許文献1〜3が挙げられる。
特許文献1には、電流狭窄層を、GaAs基板と下側クラッド層との間に埋設した、いわゆる埋め込み型の半導体発光素子が記載されている。しかしながら、特許文献1記載のような埋め込み型の半導体発光素子は、使用する電流密度を増加させていくと、ある程度高い電流密度(例えば3.8A/mm)になると、電流密度に対し総発光出力Pが直線的に比例する、いわゆるリニアリティが得られず、電流密度をそれ以上増加させても発光出力を大きくすることはできず、一定ないし低下する傾向にあり、加えて、電流狭窄層をGaAs基板と下側クラッド層との間に埋設する場合、パターンニングなどの付加的な作業工程が必要となるため、エピタキシャル成長を複数回で行わなければならず、作業性やコストアップの悪化を招くという問題がある。
また、特許文献2は、電流狭窄層を設ける代わりに、活性層側の発光領域以外の部分を乱反射領域とし、電極で発光領域を制限した面発光型半導体発光装置が記載されている。しかしながら、特許文献2記載の半導体発光装置のように、電極のみで発光領域を制限した場合には、電流が素子全体を流れてしまうため、横方向へも発光してしまい、これは、特に点光源として用いる場合には好ましくない。
さらに、特許文献3は、活性層にp型もしくはn型となる不純物をドーピングした半導体発光素子が記載されている。しかしながら、特許文献3記載の半導体発光素子は、活性層にp型もしくはn型となる不純物がドーピングされているため、通電によりドーパントが拡散し出力変動が生じ、その結果、信頼性が悪いという問題があり、加えて、活性層にp型もしくはn型となる不純物をドープする方法として、アニーリング処理し、他の層にドープした不純物を活性層中に熱拡散させてドープする方法を採用する場合には、電流阻止層と上側クラッド層の間におけるドーパントの相互拡散が生じ、実効的なキャリア濃度の低下に伴って抵抗が増加し、電流狭窄型発光素子のように電極面積が狭い場合には、順方向電圧が増加する結果、発熱量が増え、信頼性に悪い影響を与えるという問題があった。
このように従来は、層構造を大きく変えるか、層自体の組成を不純物により大きく変えることなしには、特性の改善は図られないとされ、特に、リニアリティおよび信頼性を改善することは不可能であった。
特公平7−70757号公報 特開平7−38146号公報 特開2002−111053号公報
本発明の目的は、電流阻止層の配設に伴う電流密度の増加によって悪化しがちなリニアリティおよび信頼性を改善した電流狭窄型発光素子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電流狭窄型発光素子を構成する下側クラッド層、活性層、上側クラッド層および電流阻止層の形成を、1回のエピタキシャル成長で行うことができ、かつ、その後のアニール処理を不要とすることができる電流狭窄型発光素子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)GaAs基板の上面の側に、下側クラッド層、活性層、上側クラッド層、電流阻止層、および第1開口をもつ第1電極層を有し、GaAs基板の下面の側に第2電極層を有する電流狭窄型発光素子において、前記活性層が、不純物をドーピングしないアンドープ活性層であり、前記電流阻止層は、第2開口をもち、前記上側クラッド層の上方でかつ前記第1電極層の直下位置に、前記電流阻止層に隣接する下層の表面の一部が前記第2開口よりも小さな径をもつ前記第1開口から露出するように配設されることを特徴とする電流狭窄型発光素子。
(2)下側クラッド層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPであり、活性層は、AlGaAs、GaAs、InGaAs、InGaP又はAlGaInPであり、上側クラッド層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPであり、そして、電流阻止層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPである上記(1)記載の電流狭窄型発光素子。
(3)前記GaAs基板と下側クラッド層の間に反射層をさらに有する上記(1)または(2)記載の電流狭窄型発光素子。
(4)前記反射層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPからなる多層膜である上記(3)記載の電流狭窄型発光素子。
(5)前記GaAs基板と前記反射層の間にバッファ層をさらに有する上記(3)又は(4)記載の電流狭窄型発光素子。
(6)前記バッファ層は、GaAsである上記(5)記載の電流狭窄型発光素子。
(7)GaAs基板の上面の側に、MOCVD法により、下側クラッド層、不純物をドーピングしないアンドープ活性層、上側クラッド層および電流阻止層を順次エピタキシャル成長させて形成した後、ウェットエッチング法により、前記電流阻止層に第2開口を形成し、その後、第2開口よりも小さな径の第1開口をもつ第1電極層を、前記電流阻止層に隣接する下層である上側クラッド層の表面の一部が露出するように形成し、前記エピタキシャル成長後にアニール処理は行わないことを特徴とする電流狭窄型発光素子の製造方法。
(8)前記下側クラッド層を形成するに先立って、バッファ層と反射層を順次形成する上記(7)記載の電流狭窄型発光素子の製造方法。
(9)前記GaAs基板の下面の側に第2電極層を形成する上記(7)または(8)記載の電流狭窄型発光素子の製造方法。
この発明の電流狭窄型発光素子は、従来の層構造において、電流阻止層の配設に伴う電流密度の増加によって悪化しがちであったリニアリティを、かなり高い電流密度にわたって維持することができるとともに、信頼性の向上を可能にした。
また、本発明の電流狭窄型発光素子の製造方法は、電流狭窄型発光素子を構成する下側クラッド層、活性層、上側クラッド層および電流阻止層の形成を、1回のエピタキシャル成長で行うことができ、かつ、その後のアニール処理を不要とすることができる。
次に、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明に従う電流狭窄型発光素子の断面構造を模式的に示したものである。
図1に示す発光素子1は、GaAs基板2の上面2aの側に、下側クラッド層3、活性層4、上側クラッド層5、電流阻止層6、および発光面となる第1開口7aをもつ第1電極層7を有し、GaAs基板2の下面2bの側に第2電極層8を有する、いわゆる電流狭窄型発光素子である。
各層3〜6を構成する好適な組成としては、例えば下側クラッド層3を、AlGa1−aAs(0≦a≦1)、活性層4を、InGa1−bAs(0<b≦1)とAlGa1−cAs(0≦c≦1)からなる多重量子井戸、上側クラッド層5を、AlGa1−dAs(0≦d≦1)、電流阻止層6をAlGa1−eAs(0≦e≦1)とする場合が挙げられる。または、下側クラッド層3を、(AlGa1−f0.5In0.5P膜(0≦f≦1)、活性層4を、InGa1-gP膜(0<g≦1)とAlGaIn1-h-iP膜(0≦h≦1、0≦i≦1、かつ0≦h+i≦1)からなる多重量子井戸、上側クラッド層5を、(AlGa1−j0.5In0.5P膜(0≦j≦1)、電流阻止層6を(AlGa1−k0.5In0.5P膜(0≦k≦1)とする場合が挙げられる。
そして、本発明に従う発光素子1の構成上の主な特徴は、活性層4として、不純物をドーピングしないアンドープ活性層を用いるとともに、第2開口6aをもつ前記電流阻止層6を、前記上側クラッド層5の上方でかつ前記第1電極層7の直下位置に、前記電流阻止層6に隣接する下層、図1では上側クラッド層5の表面5aの一部5a1が前記第2開口6aよりも小さな径をもつ前記第1開口7aから露出するように配設することにあり、かかる構成を採用することにより、従来の層構造において、電流阻止層6の配設による電流密度の増加に伴って悪化しがちであったリニアリティおよび信頼性を、かなり高い電流密度にわたって維持することを可能にしたのである。
すなわち、本発明の発光素子1は、活性層4として、不純物をドーピングしないアンドープ活性層を用いることにより、活性層と上部クラッド層との界面付近の抵抗が局所的に高いため、活性層の直前で電流が適宜な範囲に広がり、過度の電流集中が無く、また不純物の拡散による信頼性の低下がないことが期待される。また、放熱経路にもなる第1電極層の直下に電流阻止層があることにより、電流阻止層6と、これに隣接する下層(図1では上側クラッド層5)間でのドーパントの相互拡散が抑制され、実効的なキャリア濃度の低下による抵抗の増加や、電流阻止領域の拡大を防ぐことが期待される。また、クラッド層の厚みを適宜調整することで、活性層での実効的な電流密度を下げることができる。これらの複合的な効果により、電極面積を狭くしても、順方向電圧の増加を抑制することができ、発光素子に、例えば12.7A/mmまでの高電流密度の範囲で電流を流したとしても、総発光出力Pは、電流密度Iに対して直線的比例関係(リニアリティ)を維持することができ、この結果、電流密度の選択により、所望の総発光出力Pに制御することができる。
なお、本発明でいう「アンドープ活性層」は、ドーパントとしての不純物を積極的にドーピングしない活性層を意味するが、さらに、製造プロセスにおいて不可避的に混入する可能性のあるC(炭素)等の成分が微量含有する場合も含まれる。アンドープでのキャリア濃度は、1×1017cm−3以下である。なお、本実施例のようなInGaAs/AlGaAs多重量子井戸からなるアンドープ活性層の場合においても、実質的なキャリア濃度は1×1017cm−3以下である。
また、本発明の発光素子1では、電流阻止層6が第1電極層7の直下位置に配設されているため、電流阻止層6の第2開口6aの狭窄径D1と第1電極層7の第1開口7aの発光径D2とが一致する場合には、発光素子1には電流がほとんど流れない。このため、本発明では、電流阻止層6の前記狭窄径D1は、第1電極層7の前記発光径D2よりも大きいことが必要である。
本発明の発光素子の場合、電流阻止層6の前記狭窄径D1が小さくなるほど、順方向電圧Vfが高くなる傾向にあり、また、第1電極層7の前記発光径D2を電流阻止層6の前記狭窄径D1対比で小さくするほど、第1電極層7の電極面積は増加するので、順方向電圧Vfは低下するものの、発光径D2が小さくなるため、総発光出力は減少する傾向にある。
このため、本発明では、高い総発光出力Pと低い順方向電圧Vfの双方をバランスよく満足させるには、電流阻止層6の第2開口6aの狭窄径D1を、第1電極層7の第1開口7aの発光径D2との対比で適正に設定することが好ましい。
例えば、電流阻止層6の第2開口6aの面積S1から、第1電極層7の第1開口7aの面積S2を差し引いた面積差S1−S2をコンタクト面積α(=0.0028〜0.01mm)とし、上側クラッド層5の膜厚を2〜10μmとするとき、電流阻止層6の第2開口6aの狭窄径D1と第1電極層7の第1開口7aの発光径D2は、下記(1)および(2)式の範囲を満足することが好ましい。

170μmφ≧狭窄径D1>発光径D2≧50μmφ・・・(1)
50μm≧(狭窄径D1−発光径D2)≧20μm ・・・(2)
狭窄径D1が170μmφよりも大きいと、発光中心部への電流の広がりが不十分になるというおそれがあり、発光径D2が50μmφよりも小さいと、電極に覆われる部分が増えるため出力が低下するというおそれがあるからであり、また、(狭窄径D1−発光径D2)が50μmよりも大きいと、チップサイズに対して過分なコンタクト面積となり狭窄効果がえられないおそれがあり、(狭窄径D1−発光径D2)が20μmよりも小さいと、コンタクト面積が小さすぎてコンタクト部の抵抗が大きく、素子の性能(発光特性、信頼性)を損なう(劣化させる)おそれがあるからである。
種々の発光径D2と狭窄径D1をもつ、サイズ:180μm×320μm(長方形)の電流狭窄型発光素子を作製し、この発光素子に20mA(一定)の電流を流したときの、総発光出力P(mW)、単位面積Aあたりの総発光出力P/A(mW/mm)および順方向電圧(V)を測定した結果を表1に示す。
Figure 2009010304
表1の結果から、上記(1)および(2)式を満足するサンプルNo.1〜6はいずれも、総発光出力Pが高く、順方向電圧Vfが低いことがわかる。
また、その他の実施形態として、前記GaAs基板2と下側クラッド層3の間に、図1に示すように反射層9をさらに有することが軸上出力を高める点で好ましい。前記反射層9に用いられる材料としては、活性層4で発生した光を第1電極層7の開口7aに向かう方向に反射させる物性を有していればよく、特に限定はしないが、例えば、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPからなる多層膜反射層であることが好ましい。多層膜反射層は、例えばAl1−xGaAs膜(0<x≦1)からなる第1反射膜、及びAl1−yGaAs膜(0≦y<1、かつy<x)からなる第2反射膜を交互に積層することにより形成される。
さらに、GaAs基板2と反射層9の間に、図1に示すように、バッファ層10をさらに有することが、高品質な結晶を得られる点で好ましい。前記バッファ層10に用いられる材料としては、例えば、GaAsが挙げられる。
本発明の電流狭窄型発光素子1は、特に、高電流密度(例えば3.8A/mm以上)で使用される高出力用発光素子に適用した場合であっても、良好なリニアリティを維持することができ、上述した本発明の顕著な効果を奏することができる。
次に、本発明に従う電流狭窄型発光素子の製造方法の一例について、以下で説明する。
本発明の電流狭窄型発光素子1の製造方法は、n型のGaAs基板2の上面2aの側に、MOCVD法(有機金属化学気相蒸着法)により、必要に応じて、n型のGaAsからなるバッファ層10と、n型のAlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPからなる多層膜からなる反射層9とを順次形成してから、n型のAlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPからなる下側クラッド層3、AlGaAs、GaAs、InGaAs、InGaP又はAlGaInPからなり、不純物をドーピングしないアンドープ活性層4、p型のAlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPからなる上側クラッド層5およびn型のAlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPからなる電流阻止層6を、1回のエピタキシャル成長で順次形成する。n型のドーパントとしては、Se(セレン)、Te(テルル)、Si(シリコン)のいずれか1つ以上により選択される。p型のドーパントとしては、Zn(亜鉛)、Mg(マグネシウム)、C(炭素)のいずれか1つ以上により選択される。
次いで、ウエットエッチング法により、電流阻止層6に隣接する下層である上側クラッド層5の表面5aの一部である第1部分、好適には、図1に示すように、所定の狭窄径D1をもつ円形状の第1部分5a1を電流阻止層6から露出させる。なお、前記1部分5a1を電流阻止層6から露出させる他の方法として、ドライエッチング法を用いてもよい。
その後、前記第1部分5a1の一部が露出するように、前記狭窄径D1よりも小さな発光径D2をもつ円形状の発光面となる開口7aを設けた状態で、第1電極層7を、電流阻止層6が埋設するように形成し、その後、前記GaAs基板2の下面の側に第2電極層8を形成することにより、本発明の電流狭窄型発光素子を製造することができる。
本発明の製造方法は、電流狭窄型発光素子1を構成する下側クラッド層3、活性層4、上側クラッド層5および電流阻止層6の形成を、1回のエピタキシャル成長で行うことができ、かつ、活性層4として、不純物をドーピングしないアンドープ活性層を用いるため、その後のアニール処理を不要とすることができる。
上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、本発明の電流狭窄型発光素子を試作し、性能を評価したので、以下で説明する。
(実施例)
実施例は、図1に示す断面構造を有し、300μm厚さのn型GaAs基板2の上面2aに、MOCVD法(有機金属化学気相蒸着法)により、0.1μm厚さのSeドープGaAsからなるバッファ層10と、トータル厚さが1.2μmのSeドープAl0.2Ga0.8As/AlAs多層膜からなる反射層9と、0.5μm厚さのSeドープAl0.3Ga0.7Asからなる下側クラッド層3と、トータル厚さが0.1μmのIn0.05Ga0.95As/Al0.2Ga0.8As多重量子井戸からなり、不純物をドーピングしないアンドープ活性層4、2.0μm厚さのZnドープAl0.3Ga0.7Asからなる上側クラッド層5および 0.5μm厚さのSeドープGaAsからなる電流阻止層6を、1回のエピタキシャル成長で順次形成し、次いで、ウェットエッチング法により、電流阻止層6の第2開口6a(狭窄径D1:100μm)を形成し、その後、第2開口6aよりも小さな径の第1開口7a(発光径D2:80μm)をもち、3μm厚さの第1電極層7を上側クラッド層5の表面5aの一部5a1が露出するように形成し、その後、GaAs基板2の下面に、3μm厚さの第2電極層8を形成することにより、電流狭窄型発光素子(サイズ:180μm×320μm(長方形))を得た。なお、この発光素子の製造において、エピタキシャル成長後にアニール処理は行わなかった。
(比較例1)
比較例1は、図2に示す断面構造を有し、電流阻止層6を設けないこと以外は実施例と同様な方法で電流狭窄型発光素子を得た。
(比較例2)
比較例2は、図3に示す断面構造を有し、電流阻止層6を、上側クラッド層と第1電極層との間にさらに設けた追加クラッド層の直下位置に埋設したこと以外は実施例と同様な方法で電流狭窄型発光素子を得た。
(比較例3)
比較例3は、実施例の電流狭窄型発光素子を、エピタキシャル成長後にさらに680℃、2時間のアニール処理を行ったものである。
(比較例4)
比較例4は、活性層に不純物(Znなど)をドープして、活性層のキャリア濃度を5×1017cm−3としたこと以外は実施例と同様な方法で電流狭窄型発光素子を得た。
(比較例5)
比較例5は、実施例の電流狭窄型発光素子において、活性層に不純物(Znなど)をドープして、活性層のキャリア濃度を1×1018cm−3としたこと以外は実施例と同様な方法で電流狭窄型発光素子を得た。
(性能評価)
上記実施例および比較例1〜3の各供試発光素子について、20mA(一定)の電流を流したときの、発光出力P、軸上出力Ieおよび順方向電圧Vfを測定し、性能を評価した。
発光出力Pは積分球により測定し、軸上出力IeはCIEコンディションAで測定し、そして、順方向電圧Vfは電圧電流発生器により測定した。これらの測定結果を表2に示す。
Figure 2009010304
表2の結果から、実施例は、総発光出力、軸状出力および順方向電圧のバランス性能に優れている。
また、実施例と比較例2について、発光素子(狭窄径D1:100μm、発光径D2:80μm)に0〜100mA(電流密度にして0〜12.7A/mm)の電流を流したときの総発光出力(mW)の変化をプロットしたものを図4に示す。図4に示す結果から、実施例は、100mA(電流密度:12.7A/mm)までの高電流の範囲に至るまで、総発光出力が電流に対し直線的に比例して増加しており、リニアリティに優れている。一方、電流阻止層を第1電極層から離して追加クラッド層の直下位置に配設した比較例2は、初期の総発光出力は高いものの、20〜40mA(電流密度にして2.5〜5.1A/mm)の範囲で、電流に対する総発光出力の増加のリニアリティが崩れ、40mA(電流密度:5.1A/mm)を超えると、総発光出力は低下傾向にあるのがわかる。
さらに、実施例と比較例4および5について、発光素子に室温で50mA(電流密度:6.4A/mm)を連続通電させたときの、初期出力P(0時間、つまり数分の通電)に対するt時間通電後の出力Pとの比P/Pである相対出力の変化をプロットしたものを図5に示す。図5に示す結果から、実施例は出力の経時変化が非常に少なく、信頼性が高いことが分かる。
この発明の電流狭窄型発光素子は、従来の層構造において、電流阻止層の配設に伴う電流密度の増加によって悪化しがちであったリニアリティを、かなり高い電流密度にわたって維持することができるとともに、信頼性の向上を可能にした。
また、本発明の電流狭窄型発光素子の製造方法は、電流狭窄型発光素子を構成する下側クラッド層、活性層、上側クラッド層および電流阻止層の形成を、1回のエピタキシャル成長で行うことができ、かつ、その後のアニール処理を不要とすることができる。
本発明に従う電流狭窄型発光素子の断面図である。 比較例1の電極狭窄型発光素子の断面図である。 比較例2の埋め込み電流狭窄型発光素子の断面図である。 実施例と比較例2について、電流と総発光出力との関係をプロットしたグラフである。 実施例と比較例4および5について、発光素子に室温で50mA(電流密度:6.4A/mm)を連続通電させたときの相対出力の変化をプロットしたグラフである。
符号の説明
1 発光素子
2 GaAs基板
3 下側クラッド層
4 活性層
5 上側クラッド層
6 電流阻止層
7 第1電極層
8 第2電極層
9 反射層
10 バッファ層

Claims (9)

  1. GaAs基板の上面の側に、下側クラッド層、活性層、上側クラッド層、電流阻止層、および第1開口をもつ第1電極層を有し、GaAs基板の下面の側に第2電極層を有する電流狭窄型発光素子において、
    前記活性層が、不純物をドーピングしないアンドープ活性層であり、
    前記電流阻止層は、第2開口をもち、前記上側クラッド層の上方でかつ前記第1電極層の直下位置に、前記電流阻止層に隣接する下層の表面の一部が前記第2開口よりも小さな径をもつ前記第1開口から露出するように配設されることを特徴とする電流狭窄型発光素子。
  2. 下側クラッド層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPであり、活性層は、AlGaAs、GaAs、InGaAs、InGaP又はAlGaInPであり、上側クラッド層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPであり、そして、電流阻止層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPである請求項1記載の電流狭窄型発光素子。
  3. 前記GaAs基板と下側クラッド層の間に反射層をさらに有する請求項1または2記載の電流狭窄型発光素子。
  4. 前記反射層は、AlGaAs、GaAs、InGaP、AlGaInP又はAlInPからなる多層膜である請求項3記載の電流狭窄型発光素子。
  5. 前記GaAs基板と前記反射層の間にバッファ層をさらに有する請求項3又は4記載の電流狭窄型発光素子。
  6. 前記バッファ層は、GaAsである請求項5記載の電流狭窄型発光素子。
  7. GaAs基板の上面の側に、MOCVD法により、下側クラッド層、不純物をドーピングしないアンドープ活性層、上側クラッド層および電流阻止層を順次エピタキシャル成長させて形成した後、ウェットエッチング法により、前記電流阻止層に第2開口を形成し、その後、第2開口よりも小さな径の第1開口をもつ第1電極層を、前記電流阻止層に隣接する下層である上側クラッド層の表面の一部が露出するように形成し、かつ、前記エピタキシャル成長後にアニール処理は行わないことを特徴とする電流狭窄型発光素子の製造方法。
  8. 前記下側クラッド層を形成するに先立って、バッファ層と反射層を順次形成する請求項7記載の電流狭窄型発光素子の製造方法。
  9. 前記GaAs基板の下面の側に第2電極層を形成する請求項7または8記載の電流狭窄型発光素子の製造方法。
JP2007172774A 2007-06-29 2007-06-29 電流狭窄型発光素子およびその製造方法 Pending JP2009010304A (ja)

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