JP2009032738A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率の低下、動作電流の変動、特性の経時劣化等を抑えることを課題とする。
【解決手段】p型活性層、前記p型活性層を挟むp型クラッド層とn型クラッド層を有し、前記p型活性層、p型クラッド層及びn型クラッド層が、AlGaInP系半導体からなる層であり、前記p型活性層が、Znをドーパントとして含み、前記p型クラッド層がMg及びZnの両方をドーパントとして含むことを特徴とする半導体発光素子により上記課題を解決する。
【選択図】図1b

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。更に詳しくは、本発明は、AlGaInP系半導体からなるp型活性層と、それを挟むp型クラッド層及びn型クラッド層とを備えた半導体発光素子に関する。本発明の半導体発光素子は、半導体レーザーや半導体発光ダイオードとして使用可能である。
AlGaInP系半導体を発光層に用いた半導体レーザーや半導体発光ダイオードといった半導体発光素子では、p型ドーパントとしてZn(亜鉛)がよく用いられる。しかし、Znは上記半導体の結晶中で拡散しやすい。そのため、Znは結晶成長時にはステップ状にドーピングしても、結晶成長終了までの間の熱履歴により発光層中の活性層内にまで拡散する。また、通電した際にZnが結晶内で拡散する。拡散したZnは、非発光再結合中心を作るため、光出力が低い、あるいはレーザーに動作電流が高い、といった特性の不良や経時劣化を生じさせる。
特定の不良や経時劣化を生じさせる要因であるZnの拡散を防ぐ方法として、下の従来例で示すような、さまざまな手段が考案されている。
<従来例1>
特開平4−275479号公報(特許文献1)の半導体発光素子の概略説明図を図5に示す。図中、501及び511は電極、502はn型GaAs基板、503はn型AlGaInPクラッド層、504はAlGaInP活性層、505はSiドープAlGaInP層、506はp型AlGaInPクラッド層、507はn型GaAs電流狭窄層、508はp型GaInP層、509はp型GaAsキャップ層、510はp型GaAsコンタクト層を意味する。
従来例1では、活性層と、p型クラッド層との間にSiドープAlGaInP層を備えている。この構成により、負イオン化したZnと正イオン化したSiとが引き合うので、Znの活性層への拡散を防止できるとされている。
<従来例2>
特開平4−306886号公報(特許文献2)の半導体発光素子の概略説明図を図6(a)〜(c)に示す。図中、601はn型GaAs基板、602はn型AlGaInPクラッド層、603はInGaP活性層、604はp型AlGaInPクラッド層、605はp型InGaPバンド不連続緩和層、606はn型GaAs電流ブロック層、607はp型GaAsコンタクト層、608はZn拡散防止層、609はp型AlGaInP層、610はp型InGaP層、611はp型InGaAlAs層を意味する。
従来例2では、p型クラッド層の活性層近傍に、p型クラッド層とは異なる組成、もしくは構成元素が異なる結晶からなる層を導入することにより、活性層へのZnの拡散が抑制できるとされている。従来例2の実施例では、pクラッド層の活性層近傍に導入される層として、p型AlGaInP層609とp型InGaP層610の繰り返し層、あるいはp型AlGaInP層609とp型InGaAlAs層610の繰り返し層が挙げられている。
<従来例3>
特開平5−291686号公報(特許文献3)の半導体発光素子の概略説明図を図7に示す。図中、701及び710は電極、702はn型GaAs基板、703はn型AlGaInPクラッド層、704はInGaP活性層、705はアンドープAlGaInP層、706はアンドープAlGaInP層、707はp型AlGaInPクラッド層、708はn型GaAs電流狭窄層、709はp型GaAsコンタクト層を意味する。
従来例3では、p型クラッド層と活性層との間に、アンドープあるいは低ドープのAlGaInP層を設けている。この構造により、p型クラッド層から活性層へのZn拡散を回避している。また、従来例3には、p型クラッド層と活性層との間にZnの拡散係数が小さいAlGaInP層を設けることにより、Znの拡散を抑止する手法も示されている。
<従来例4>
特開平11−68150号公報(特許文献4)の半導体発光素子の概略説明図を図8に示す。図中、801及び811は電極、802は基板、803はバッファ層、804は光反射層、805及び807はクラッド層、805a及び807aは格子歪み層、806は活性層、808は電流拡散層、809は耐湿層、810はコンタクト層を意味する。
従来例4では、クラッド層の活性層近傍に格子歪み層を設けることにより、ドーパントは、格子歪み層にパイルアップされ、活性層へのドーパントの拡散侵入を抑制できるとしている。
<従来例5>
特開平11−186665号公報(特許文献5)の半導体発光素子の概略説明図を図9に示す。図中、901及び913は電極、902はn型GaAs基板、903はn型GaAsバッファ層、904はn型AlGaInPクラッド層、905は活性層、906はp型AlGaAsクラッド層、907はp型AlGaInPクラッド層、908はp型GaInPエッチングストップ層、909はp型AlGaInPクラッド層、910はp型GaInP中間層、911はp型GaAsキャップ層、912はn型GaAs電流狭窄層を意味する。
従来例5では、p型クラッド層と活性層との間に、拡散しにくいドーパントとしてC等を用いたp型クラッド層を設けている。C等を用いたp型クラッド層により、活性層へのドーパント拡散が防止できるとしている。
特開平4−275479号公報 特開平4−306886号公報 特開平5−291686号公報 特開平11−68150号公報 特開平11−186665号公報
上記した従来例は、下記のような課題を有する。
従来例1では、p型クラッド層の活性層に近い部分がn型とp型のドーパントを両ドープされているために、p型のキャリア濃度がn型キャリア濃度により相殺される。結果として実効的なp型キャリア濃度が低くなる。活性層近傍のクラッド層のキャリア濃度が低くなると、活性層に注入されたキャリアの閉じ込め力が弱くなり、クラッド層にキャリアが拡散する。そのため、活性層でキャリアが再結合して発光する割合が減少し、発光ダイオードの輝度が低い、半導体レーザーの動作電流が高い、等の不具合を生じる。
従来例2では、p型クラッド層内に、p型AlGaInPとp型GaInPの繰り返し層、あるいは、p型AlGaInPとp型InGaAlAsの繰り返し層を導入しているため、層の種類が多くなる。また、これらの層を発光波長に対して透明とするためには、組成、層厚を厳密にコントロールする必要がある。このため、従来例2は生産性に問題がある。
従来例3では、p型クラッド層と活性層の間にノンドープ層を設けて拡散するZnが活性層に到達するのを防いでいる。しかし、p型クラッド層でのドーパントの分布が均一でなく、活性層近傍でのキャリア濃度が低くなる。そのため、従来例1と同様に、注入キャリアの閉じ込め力が弱くなり、発光ダイオードの輝度が低い、半導体レーザーの動作電流が高い、等の不具合を生じる。
従来例4では、格子歪を持った層を活性層近傍に設け、格子歪みにより発生した格子欠陥によりZnをトラップし、活性層への拡散を防いでいる。しかし、活性層近傍に格子欠陥が有ると、注入したキャリアが格子欠陥により発生した非発光再結合中心を介して再結合するため、発光再結合の割合が減る。結果として、発光ダイオードの輝度が低い、半導体レーザーの動作電流が高い、等の不具合を生じる。
従来例5では、活性層と接する位置にCドープのAlGaAsクラッド層を設けることで、Znドープクラッド層からの活性層へのZn拡散を防止している。しかし、AlGaAsはAlGaInPと比べて高いバンドギャップを得ることが難しい。そのため、キャリアの閉じ込め力を強くすることが難しい。また、高いバンドギャップのAlGaAsを得るためには、高Al混晶比とする必要があるが、高Al混晶比のAlGaAsは、酸化・吸湿性が強い。その結果、このAlGaAsを使用すると、発光素子の寿命が短くなる。
かくして本発明によれば、p型活性層、前記p型活性層を挟むp型クラッド層とn型クラッド層を有し、前記p型活性層、p型クラッド層及びn型クラッド層が、AlGaInP系半導体からなる層であり、前記p型活性層が、Znをドーパントとして含み、前記p型クラッド層がMg及びZnの両方をドーパントとして含むことを特徴とする半導体発光素子が提供される。
本発明では、p型活性層のドーパントをZnとし、p型クラッド層のドーパントにMgとZnの両方を用いる。
発明者の検討によれば、活性層にZnをドーピングすると発光効率が上昇した。この様な、活性層をZnドープによりp型化することにより光度が向上する効果については、特開平11―74557号公報でも述べられている。発明者の検討によれば、Znドープによるp型化では発光効率の向上の効果があったが、Mgドープによるp型化では発光効率が逆に低下した。活性層にZnをドーピングしていることにより上記で述べたように、発光効率の向上が得られる。
一方で、一般的に知られている事象として、あるいは、特開2001−320083号公報の第5頁でも述べられているように、Znは拡散しやすいが、Mgは拡散しにくい。従来例では、クラッド層にZnを用いると、活性層に拡散したZnが活性層中に非発光再結合中心を作り、これにより発光効率が落ちる、光度が劣化するという不具合を生じている。しかし、クラッド層にMgを使用するため、活性層へのZnの拡散・侵入は起こらない。また、拡散は濃度の高いところから低いところへ原子が移動する現象である。本発明では、活性層にZnをドーピングしているために、活性層外から活性層へのZnの拡散、侵入を防ぐことができる。加えて、クラッド層に拡散係数の低いMgを使用することで、Znのみをクラッド層のドーパントに用いる場合に比べてZnの使用量を減らすことができる。結果として、p型クラッド層から活性層へのZnの拡散を低減することができる。
従って、本発明によれば、発光効率の低下、動作電流の変動、特性の経時劣化等を抑えることが可能である。活性層が単層である場合に限らず、MQWやSQW構造においても同様にこれら効果を得ることが可能である。
また、p型クラッド層の活性層に接する一部をノンドープとすることで、p型クラッド層からMgが活性層に拡散して活性層がMgドープとなり発光効率を低減する影響を更に抑制できる。また、活性層からZnが拡散によりノンドープ層へ流出することはあっても、活性層に侵入することはない。つまり、p型クラッド層から活性層へ、Mg、Znの両方について拡散するのをより抑制できる。
更に、p型クラッド層の活性層に接する一部を、拡散係数の低いMgのみとしてもクラッド層から活性層へのMgの拡散を抑制できる。また、p型クラッド層のドーパントにZnのみを使用する場合には、p型クラッド層の活性層に近い部分をノンドープとすると、p型クラッド層の活性層に近い部分でキャリア濃度が低くなる。しかし、本発明では、Mgをドープすることでこのキャリア濃度のダレを抑制し、急峻なキャリア濃度プロファイルを得ることが可能である。
また、p型クラッド層の活性層に接する一部について、ドーパントをZn、Mgの両方とし、それ以外の部分をMgのみとすることができる。この場合においても、p型クラッド層全体として使用するZnの量をかなり低減することが可能であり、活性層へのZnの拡散を低減することが可能である。
更に、p型クラッド層のZnの量をp型活性層のZnの量と同じにすることが可能である。Znの拡散は、濃度の勾配が存在する場合に発生する。よって、濃度を活性層からp型クラッド層にかけて均一にすると、流出、侵入の両方向についてZnの拡散を抑えることが可能である。
また、p型クラッド層のZnの量をp型活性層のZnの量よりも少なくすることが可能である。これにより、pクラッド層のZnの量を減らすことができる上に、活性層よりもZnの量を減らすことにより、活性層へのZnの拡散・侵入を抑制することが可能である。
更に、p型クラッド層のうち、少なくともp型活性層に接する部分のZnの量を、p型活性層のうち、少なくともp型クラッド層に接する部分のZnの量と同じにすることが可能である。これにより、p型クラッド層と活性層との界面において急激な濃度勾配が生じることを防止できる。その結果、p型クラッド層から活性層へのZnの拡散を抑制することが可能となる。
また、p型活性層に接するp型クラッド層の一部のAl混晶比を、p型クラッド層の他の部分よりも低く、活性層を構成する層のAl混晶比よりも高くすることが可能である。発明者の検討によれば、Al混晶比が低い層ほどZnは拡散しにくくなる。従って、p型クラッド層の活性層に接する一部のAl混晶比を低くすることで、Znの活性層への侵入を抑制することが可能である。
更に、p型活性層を除くp型の層のドーパントにZnを使用しないことが可能である。Znを用いる代わりにMgやC等の拡散しにくい元素をドーパントとして用いることにより、p型クラッド層よりも活性層から離れた結晶部位からのZnの拡散を防止することが可能である。
また、p型活性層及びp型クラッド層を除くp型の層のドーパントにZnを使用しないことが可能である。p型クラッド層及びp型活性層以外の層には、拡散しにくいMgやCを使用することにより、p型クラッド層及びp型活性層以外の層からのZnの拡散を防止することが可能である。
更に、p型クラッド層及びp型活性層以外にZnをドーパントに用いた層がある場合に、p型活性層のドーピング量は、拡散により活性層に達するZnの量と同じにすることが可能である。p型クラッド層及びp型活性層以外の層にZnを使用した場合には、活性層へのZnの拡散が起こりうる。しかし、活性層のZnの量を拡散により活性層に到達するZnの量と同じにしておくことで、活性層内へのZnの侵入を抑えることが可能である。
また、p型クラッド層、p型活性層以外にZnをドーパントに用いた層がある場合に、p型活性層のうち、少なくともp型クラッド層に接する部分のドーピング量は、拡散により活性層に達するZnの量と同じにすることが可能である。p型クラッド層及びp型活性層以外の層にZnを使用した場合には、活性層へのZnの拡散が起こりうる。しかし、活性層のp型クラッド層に接する部位のZnの量を、拡散により活性層に到達するZnの量と同じにしておくことで、活性層内へのZnの侵入を抑えることが可能である。
更に、活性層が、単層に限らず、MQW構造であっても、活性層へのZnの拡散が原因である発光効率の低下や素子の劣化は同様に発生する。そのため、上記いずれかの方法であれば、活性層がMQW構造を有していてもZnの浸入を抑制できる。
また、p型活性層に接するp型クラッド層の一部のAl混晶比を、p型クラッド層の他の部分よりも低く、かつ、活性層のピーク発光波長に相当する光エネルギーよりも大きなバンドギャップを有するAl混晶比とすることが可能である。例えば、MQW構造の場合、活性層はAl混晶比の高い層と低い層を繰り返した構成を有するが、p型クラッド層の活性層に接する部位にはAl混晶比が低い層として、活性層からの光を吸収しないバンドギャップを有するAl混晶比とすることが可能である。これにより、Znの活性層への浸入をより抑制できる。
更に、ドーパントとしてMgを含むp型電流拡散層を用いた半導体発光ダイオード(LED)に本発明を使用できる。AlGaInP系半導体を用いたLEDでは、活性層とp型及びn型のクラッド層で構成されるDH(ダブルへテロ)層に加えて、電流をLEDチップ全体に電流を広げるために、GaPやAlGaInPを用いた電流拡散層を形成することが多い。更に、電流拡散層はp型とすることが多いが、この電流拡散層のドーパントにZnを用いると、Znがpクラッド層を経て活性層へ拡散することがある。従って、電流拡散層のドーパントとしてMgを使用することにより、活性層へのZnの拡散を低減することが可能である。
また、p型電流拡散層を用いたLEDにおいて、p型電流拡散層がドーピング濃度の高い領域と低い領域を有し、低い領域に用いるドーパントをMgとし、高い領域に用いるドーパントをZnとすることが可能である。電流拡散層は電流を広げることがその目的であり、導電性を高めるため、ドーピング量を多くすることが望ましい。一方、ドーパントとしてZnを用いた場合、ドーピング量を多くすると活性層へのZnの拡散が多くなり、発光効率の低下や、素子の劣化といった問題が生じる。そのため、活性層から遠い部分はドーピング量を多く、近い部分はドーピング量を少なくする手法がとられる。加えて、高い領域にMgをもちいることにより、活性層へのZn拡散をより低減することが可能である。
更に、最上層にドーパントとしてZnを含むキャップ層を備えた半導体レーザーに本発明を使用できる。半導体レーザーではキャップ層に高キャリア濃度になるようにドーピング量が多くなるが、この場合、キャップ層のZnが活性層に拡散するため、特性の劣化が生じることがある。上記本発明を使用することにより、活性層へのZnの拡散を低減できるので、特性の劣化を抑制することが可能である。
本発明の半導体発光素子は、p型活性層、p型活性層を挟むp型クラッド層とn型クラッド層を有している。これら3層以外の構成は、特に限定されない。
また、p型活性層、p型クラッド層及びn型クラッド層は、AlGaInP系半導体からなる層である。これら3層の具体的な組み合わせとしては、n型クラッド層/p型活性層/p型クラッド層の順で、AlInP/AlGaInP/AlInP、AlGaInP/AlGaInP/AlGaInP等が挙げられる。これら組み合わせの内、活性層内にキャリアをより閉じ込めることができるという理由ではAlInP/AlGaInP/AlInPの組み合わせが好ましく、又、クラッド層の結晶性をよりよくするという理由では、AlGaInP/AlGaInP/AlGaInPの組み合わせが好ましい。より好ましくは、AlInP/AlGaInP/AlInPの場合、AlxIn1-xP/(AlyGa1-yxIn1-xP/AlxIn1-xPで表して、n型クラッド層中のxは0.43〜0.55の範囲であり、p型活性層中のxは0.43〜0.55の範囲、yは0.0〜0.5の範囲であり、p型クラッド層中のxは0.43〜0.55の範囲である。また、AlGaInP/AlGaInP/AlGaInPの場合、(AlyGa1-yxIn1-xP/(AlyGa1-yxIn1-xP/(AlyGa1-yxIn1-xPで表して、n型クラッド層中のxは0.43〜0.55の範囲、yは0.5〜1.0の範囲であり、p型活性層中のxは0.43〜0.55の範囲、yは0.0〜0.5の範囲であり、p型クラッド層中のxは0.43〜0.55の範囲、yは0.5〜1.0の範囲である。これらの範囲内の数値をxが有する場合、GaAs基板上に結晶成長を行う際に成長層の格子定数がGaAsに概略一致して良好な結晶を成長できる点で好適であり、又、これらの範囲内の数値をyが有する場合、キャリアを活性層に閉じ込めるためのダブルへテロ構造を構成できる点で好適である。
加えて、p型クラッド層は、p型活性層に接する一部が他の部分より低い混晶比でAlを含みかつp型活性層より高い混晶比でAlを含む、層であってもよい。この条件であれば、p型活性層に拡散するZn量をより低減できる。具体的には、混晶比の差が、原子比で、0.05以上あることが好ましく、0.1〜0.3の範囲であることがより好ましい。
更に、p型クラッド層が、p型活性層に接する一部において、他の部分より低い混晶比で、かつp型活性層のピーク発光波長に相当する光エネルギーよりも大きなバンドギャップを示す混晶比でAlを含んでもよい。具体的には、混晶比の差が、原子比で、0.05以上あり、光エネルギーよりバンドギャップが0.02eV大きいことが好ましい。
また、p型活性層の構成は、特に限定されず、公知の構造をいずれも使用できる。例えば、単一層構造、MQW(多重量子井戸)又はSQW(単一量子井戸)構造等の積層構造を有していてもよい。ここで、SQW構造は、バリア層/ウェル層/バリア層の構成からなり、MQW構造は、バリア層/ウェル層/バリア層/ウェル層/バリア層…ウェル層/バリア層の構成からなり、通常ウェル層を1〜50層有している。なお、最外層のバリア層はガイド層とも称され、内部に位置するバリア層はサブバリア層とも称される。バリア層及びウェル層を構成する半導体材料の組み合わせとしては、例えば、AlGaInP/AlGaInP、AlGaInP/GaInP等が挙げられる。更に、バリア層及びウェル層の厚さは、2〜50nm及び2〜20nmの範囲であることが実際の結晶性長における成長層厚の制御と、量子化や注入キャリア密度を高くする観点から好ましい。
更に、本発明では、p型活性層が、Znをドーパントとして含み、p型クラッド層がMg及びZnの両方をドーパントとして含んでいる。ここで、本明細書において、ドーパントとして含まれているとは、層中に3×1016/cm3以上の量で存在することを意味する。従って、ドーピング量が3×1016/cm3未満の場合は、ノンドープであることを意味する。このような濃度の規定は、拡散を含めて意図的なドーピングを行わない場合でも、各層の成長の過程で成長炉内にドーパント原子が残存することがあり、自然とドーピングされる場合が多く、完全なノンドープの状態は実現が困難であることが背景としてある。また、意図的であろうとなかろうと、3×1016/cm3を下回るような低ドープでは、本発明で課題とするドーパントの拡散や拡散による特性の変化について、大きな影響を与えることはないと考えるためである。
p型活性層全体に対するZnの量は、5×1016〜1×1018/cm3であることが好ましい。この範囲内であれば、結晶の品質が必要以上に悪くなることなくドーピングによる発光効率の向上を得ることができる。一方、p型クラッド層全体に対するMgの量は、1×1017〜1×1019/cm3であることが好ましく、Znの量は、1×1017〜1×1019/cm3であることが好ましい。この範囲内であれば、結晶の品質が必要以上に悪くなることなく十分なP型化を実現できる。
また、上記Znの量の中でも、p型クラッド層は、p型活性層と同じ量、又はp型活性層より少ない量のZnを含むことが好ましい。この条件であれば、p型活性層に拡散するZn量をより低減できる。
更に、p型クラッド層は、p型活性層に接する一部に、ノンドープ領域又はMgドープ領域を有することが好ましい。これら領域のいずれかを有することで、p型活性層に拡散するZn量を低減できる。Mgドープ領域におけるMgの量は、1×1017〜1×1019/cm3であることが好ましい。この範囲内であれば、p型活性層に拡散するZn量を低減できる。これら領域以外の他の部分は、Mgドープ領域でも、Znドープ領域でも、Mg及びZnドープ領域でも、Mg及び/又はZnと他のドーパント(例えば、C)とのドープ領域であってもよい。
更にまた、p型クラッド層は、p型活性層に接する一部に、Mg及びZnドープ領域を有し、他の部分にMgドープ領域を有することが好ましい。この領域を有することでも、p型活性層に拡散するZn量を低減できる。この領域におけるMgの量は、1×1017〜1×1019/cm3であることが好ましく、Znの量は、1×1017〜1×1019/cm3であることが好ましい。この範囲内であれば、p型活性層に拡散するZn量を低減できる。また、他の部分のMgドープ領域におけるMgの量は、1×1017〜1×1019/cm3であることが好ましい。この範囲内であれば、結晶の品質が必要以上に悪くなることなく十分なP型化を実現できる。
なお、p型活性層に接する一部に備えられた領域は、p型活性層に拡散するZn量を低減できさえすれば、その形状は特に限定されない。例えば、上記領域は、p型活性層全面にわたってp型活性層を覆う形状を備えていてもよい。覆う形状を備えている場合、上記領域は、よりZn拡散を抑制する観点から、0.01〜0.5μmの厚さであることが好ましい。
また、p型クラッド層がZnを含む場合、p型クラッド層及びp型活性層が、互いに接する部分において、同じ量のZnを含むことが好ましい。このことにより、p型活性層に拡散するZn量を低減できる。
n型クラッド層には、通常、ドーパントしてSi、Se、Te等が含まれている。ドーパントの量は、その種類により相違するが、1×1017〜1×1018cm-3であることが結晶性を維持する観点と十分なn型化によるキャリア閉じ込め能力を実現する観点から好ましい。
半導体発光素子には、p型活性層、p型クラッド層及びn型クラッド層以外の他の層を有していてもよい。例えば、p型クラッド層上には、p型中間層、p型保護層、n型電流阻止層、p型電流拡散層、電極をこの順で備えていてもよい。一方、n型クラッド層下には、n型バッファ層、n型基板、電極をこの順で備えていてもよい。これら他の層は、所望の性能を得ることができるよう種々の材料及び構成を採用できる。
上記他の層中、p型活性層及びp型クラッド層以外のp型の層には、Znが含まれていないこと、即ちZnがp型活性層及びp型クラッド層のみに含まれていること、によりZnのp型活性層への拡散を防止できる。この場合、p型活性層及びp型クラッド層以外のp型の層には、Mg、Cをドーパントとして使用することが好ましい。
また、p型活性層及びp型クラッド層以外のp型の層にZnが含まれている場合、p型活性層は、活性層がノンドープの場合において、p型の層から拡散によりp型活性層に達するZnと同じ量のZnを含むことで、Znのp型活性層への拡散を防止できる。
更に、p型活性層及びp型クラッド層以外のp型の層にZnが含まれている場合、p型活性層は、活性層がノンドープの場合において、p型の層から拡散によりp型活性層に達するZnと同じ量のZnを、p型クラッド層と接する部分に含むことで、Znのp型活性層への拡散を防止できる。p型クラッド層と接する部分は、p型活性層とp型クラッド層との界面から0.01μm以上の厚さの領域であることが好ましく、0.01〜0.5μmの厚さの領域であることがより好ましい。この構成では、Znのp型活性層への拡散を防止できると共に、p型活性層の内部のZn量を所定量に維持したまま、p型クラッド層のZn量を上げることができるので、p型クラッド層のキャリア閉じ込め能力を高めることができる。
本発明の半導体発光素子には、半導体発光ダイオード、半導体レーザー等が含まれる。
ここで、半導体発光ダイオードに本発明を使用する場合、以下の構成を有することがZnのp型活性層への拡散を防止できるため好ましい。
(1)Mgをドーパントとして含むp型電流拡散層を有する
(2)高いドーピング濃度の領域と、低いドーピング領域を持つp型電流拡散層を有し、低いドーピング領域に用いるドーパントをMgとし、高いドーピング領域に用いるドーパントをZnとする。
また、半導体レーザーに本発明を使用する場合、半導体レーザーは結晶成長の最上層であるキャップ層を有し、キャップ層に用いるドーパントをZnとすることが、Znのp型活性層への拡散を防止する観点から好ましい。
以下、図示した種々の実施例により本発明を詳細に説明する。以下の実施例に用いた結晶成長方法は、MOCVD法であるが、MBE法でもよい。
以下の各実施例においては、化合物半導体層のIII族原料として、メチル系有機金属であるトリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMIn)を使用した。更に、V族原料としてアルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)を使用した。また、ドーピング原料としてジエチル亜鉛(DEZn)、ジメチル亜鉛(DMZn)、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)、セレン化水素(H2Se)、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)を使用した。
以下で説明する実施例では、上記した原料を使用して半導体発光素子を構成する結晶を成長した後、各々必要なエッチング、フォトリソグラフィ、金属蒸着、切断等の加工を施すことにより半導体発光ダイオードや半導体レーザー等の所望の半導体発光素子を形成した。
第1実施例
図1(a)に、第1実施例で作製した半導体発光ダイオードの概略層構成を示す。
厚さ450μmのn型GaAs基板101上に、厚さ0.5μmのn型GaAsバッファ層102、厚さ1.0μmのn型Al0.51In0.49Pクラッド層103、厚さ0.5μmのp型(Al0.30Ga0.700.51In0.49P活性層104、厚さ0.8μmのp型Al0.51In0.49Pクラッド層105、厚さ0.1μmのp型(Al0.2Ga0.80.25In0.75P中間層106、厚さ10μmのp型GaP電流拡散層107をこの順で成長させた。p型活性層にはドーパントとしてZnを使用し、p型クラッド層にはドーパントとしてMgとZnを使用した。また、n型GaAs基板101の下面にAuGe厚さ0.2μmのn型電極108を、p型GaP電流拡散層107上にAuBe厚さ0.8μmのp型電極109をそれぞれ形成した。
第1実施例の素子のドーピングプロファイルを図1(b)に示す。p型活性層のキャリア濃度(Zn量)は、発光効率が高かった1×1017/cm3とし、p型クラッド層のキャリア濃度は3×1017/cm3(Mg量)とし、1×1017/cm3(Zn量)とした。
上記第1実施例のダイオードとの比較のために、p型クラッド層にZnのみを使用すること以外は、第1実施例と同様にして半導体発光ダイオードを作製した。
比較のダイオードでは、100時間後の発光強度が初期に比べ100時間後に60%まで低下していた。一方、第1実施例のダイオードでは、p型クラッド層にMgを使用することにより、p型活性層へのZnの拡散が抑制され、100時間後の光度変動率を110%に改善できた。
<第2実施例>
図2(a)に、第2実施例で作製した半導体発光ダイオードの概略層構成を示す。
厚さ450μmのn型GaAs基板201上に、厚さ0.5μmのn型GaAsバッファ層202、厚さ1.0μmのn型(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pクラッド層203、厚さ0.5μmのp型活性層204、厚さ0.8μmのp型(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pクラッド層205、厚さ0.1μmのp型(Al0.2Ga0.80.25In0.75P中間層206をこの順で成長させた。p型AlGaInP中間層206上に、厚さ1.5μmのp型GaP層及び厚さ0.3μmのn型GaP層をこの順で成長させ、これら層をフォトリソグラフィ、エッチングの技術にて部分的に除去することで、厚さ1.0μmのp型GaP保護層207及び厚さ0.3μmのn型GaP電流阻止層208を形成した。更に、p型GaP保護層207及びn型GaP電流阻止層208上に、厚さ10μmのp型GaP電流拡散層209を積層した。また、n型GaAs基板201の下面に厚さ0.2μmのAuGen型電極210を、p型GaP電流拡散層29上に厚さ0.8μmのAuBep型電極211をそれぞれ形成した。
p型活性層204は図2(b)に示すように、MQW構造を有している。MQW構造は、厚さ500nmの上下p型(Al0.50Ga0.500.51In0.49Pバリア層204aの間に、厚さ50nmのp型(Al0.50Ga0.500.51In0.49Pサブバリア層204b、厚さ10nmのp型(Al0.30Ga0.700.51In0.49Pウェル層204cを繰り返して積層した構造となっている。
第2実施例の素子のドーピングプロファイルを図2(c)に示す。第2実施例では、p型活性層204にドーパントとしてZnを使用し、そのキャリア濃度(平均値)を1.5×1017/cm3とした。p型AlGaInPクラッド層205にはドーパントとしてZn、Mgの両方を使用し、Znのドーパント量を1.5×1017/cm3、Mgのドーパント量を3.5×1017/cm3、p型キャリア濃度を5×1017/cm3とした。p型GaP保護層207、p型GaP電流拡散層209にはZnをドーパントとして使用した。
第2実施例では、p型活性層とp型クラッド層に同じ量のZnがドーピングされている。同じドーピング量の場合、Znの濃度勾配がない。そのため、p型クラッド層のZnがp型活性層に拡散することがなく、光度の劣化がない。第2実施例では、100時間後の光度の変動率を95%にまで改善することができた。
<第3実施例>
図3(a)及び(b)に、第3実施例で作製した半導体発光ダイオードの概略層構成を示す。図3(a)及び(b)中、301は厚さ450μmのn型GaAs基板、302は厚さ0.5μmのn型GaAsバッファ層、303は厚さ1.0μmのn型(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pクラッド層、304は厚さ0.5μmのp型活性層、305は厚さ0.8μmのp型AlGaInPクラッド層、306は厚さ0.1μmのp型(Al0.2Ga0.80.25In0.75P中間層、307は厚さ1.5μmのp型GaP保護層、308は厚さ0.3μmのn型GaP電流阻止層、309は厚さ10μmのp型GaP電流拡散層、310は厚さ0.2μmのAuGen型電極、311は厚さ0.8μmのAuBep型電極、304aは厚さ100nmのp型(Al0.50Ga0.500.51In0.49Pバリア層、304bは厚さ50nmのp型(Al0.50Ga0.500.51In0.49Pサブバリア層、304cは厚さ10nmのp型(Al0.30Ga0.700.51In0.49Pウェル層である。第3実施例の層構成は、第2実施例と同じである。但し、第3実施例では、p型GaP保護層307及びp型GaP電流拡散層309でMgを、p型活性層にZnを、p型クラッド層にZn及びMgの両方をドーパントとして使用している。p型クラッド層のZn及びMgの各ドーピング量は第2実施例と同じである。
第3実施例の素子のドーピングプロファイルを図3(c)に示す。第3実施例では、第2実施例に加えて、p型GaP保護層及びp型GaP電流拡散層にもZnではなく拡散係数の小さいMgを使用した。このため、p型活性層へのZnの拡散を更に抑制することができた。この結果、第3実施例では100時間後の光度の変動率を98%にまで抑制することができた。
<第4実施例>
図4(a)に、第4実施例で作製した半導体レーザーダイオードの概略層構成を示す。
厚さ450μmのn型GaAs基板401上に、厚さ0.25μmのn型GaAsバッファ層402、厚さ0.25μmのn型Ga0.51In0.49Pバッファ層403、厚さ3.7μmのn型(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pクラッド層404、厚さ0.06μmのp型活性層405、厚さ0.25μmのp型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第1クラッド層406、厚さ0.01μmのGa0.55In0.45Pエッチングストップ層407、厚さ1.4μmのp型(Al0.7Ga0.30.51In0.49P第2クラッド層408、厚さ0.04μmのp型Ga0.51In0.49P中間層409、厚さ0.5μmのp型GaAsキャップ層410を順次成長する。p型活性層405は、図4(b)に示すように、MQW構造を有している。MQW構造は、厚さ10nmの上下p型(Al0.52Ga0.480.51In0.49Pガイド層405aの間に、厚さ6nmのp型(Al0.52Ga0.480.51In0.49Pバリア層405b、厚さ5nmのp型Ga0.4In0.6Pウェル層405cを繰り返して積層下構造となっている。
第4実施例の素子のドーピングプロファイルを図4(c)に示す。第4実施例では、p型第1クラッド層、p型第2クラッド層、p型中間層にはMgを、p型活性層にはZnを、ドーパントとして使用している。更に、p型GaAsキャップ層にはZnをドーパントとして使用している。p型GaAsキャップ層にZnを使用するのは、次の理由による。即ち、キャップ層には、その上に積層されるp型電極とのオーミック性の確保のために1×1019/cm3程度の高いキャリア濃度が必要とされる。Mgドープの場合、高密度にドーピングしても活性化率が下がり、高いキャリア濃度を得にくいことがある。そのため、第4実施例のAlGaInP系半導体を使用した半導体レーザーではGaAsキャップ層にはZnを使用している。
第4実施例の構造のドーピングプロファイルを図4(c)に示す。
p型GaAsキャップ層のZnが高濃度である場合、得られた半導体レーザーのp型活性層までZnが拡散・侵入することがある。第4実施例では、p型活性層に拡散してくるZnの量をあらかじめ測定し、同量のZnをp型活性層にドーピングしている。図4(c)中、破線Aは、p型キャップ層からZnが拡散した後の濃度プロファイルである。第4実施例では、p型キャップ層から拡散したZnの活性層位置での量は約2×1017/cm3であったために、p型活性層のZnの量をこれと同量とした。
更に、第4実施例では、図4(a)の積層体を、母体として利用し、図4(d)に示す半導体レーザーを得ている。半導体レーザーは、次のように作製した。即ち、母体のキャップ層からエッチングストップ層までをフォトリソグラフィとエッチングの技術により部分的にエッチングしてリッジを形成した。リッジの両サイドからエッチングストップ層表面にかけてSiO2からなる誘電体膜411を形成した。次いで、フォトリソグラフィとエッチングの技術によりリッジ表面のキャップ層410を露出させ、更にその上にp型電極412を形成した。また、GaAs基板の下面にはn型電極413を形成することで、半導体レーザーを作製した。
上記述べたように、p型GaAsキャップ層から活性層へZnが拡散してくるが、活性層に拡散するZnと同程度のZnをドーピングしているため、活性層へのZnの侵入は生じない。従って、同出力を維持する際の動作電流が安定し、長い寿命の半導体レーザーを得ることができた。
活性層にZnをドーピングしないこと以外は第4実施例と同じ構造の半導体レーザーを比較例として作製した。比較例では動作電流が初期の0.5〜1H程度で約15mA程度上昇し、その後低下に転じる傾向となっていた。一方、第4実施例では、初期の変動量を約5mAに抑制することができた。
<第5実施例>
上記実施例の応用的な実施例として、p型クラッド層の活性層に接する一部をノンドープにすることにより、Znの拡散を低減することが可能である。また、p型クラッド層の活性層に接する一部にのみZnを使わずにMgを使うことによっても活性層へのZnの拡散を低減することが可能である。更に、p型クラッド層にZnとMgの両方をドーピングする場合において、Znの量を活性層のZnの量に比べて低くすることにより、活性層へのZn拡散を更に抑えることが可能である。
本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。
本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 本発明の半導体発光素子の概略説明図である。 従来の半導体発光素子の概略説明図である。 従来の半導体発光素子の概略説明図である。 従来の半導体発光素子の概略説明図である。 従来の半導体発光素子の概略説明図である。 従来の半導体発光素子の概略説明図である。
符号の説明
101、201、301、401 n型GaAs基板;
102、202、302、402 n型GaAsバッファ層
103 n型AlInPクラッド層
104 p型AlGaInP活性層
105、206 p型AlInPクラッド層
106、206、306 p型AlGaInP中間層
107、209、309 p型GaP電流拡散層
108、210、310、413 n型電極
109、211、311、412 p型電極
203、303、404 n型AlGaInPクラッド層
204、304、405 p型活性層
204a p型AlGaInPバリア層
204b、304b p型AlGaInPサブバリア層
204c、304c p型AlGaInPウェル層
205、305 p型AlGaInPクラッド層
207、307 p型GaP保護層
208、308 n型GaP電流阻止層
304a p型バリア層
403 n型GaInPバッファ層
406 p型AlGaInP第1クラッド層
407 GaInPエッチングストップ層
408 p型AlGaInP第2クラッド層
409 p型GaInP中間層
410 p型GaAsキャップ層
405a p型AlGaInPガイド層
405b p型AlGaInPバリア層
405c p型GaInPウェル層
411 誘電体膜

Claims (15)

  1. p型活性層、前記p型活性層を挟むp型クラッド層とn型クラッド層を有し、前記p型活性層、p型クラッド層及びn型クラッド層が、AlGaInP系半導体からなる層であり、前記p型活性層が、Znをドーパントとして含み、前記p型クラッド層がMg及びZnの両方をドーパントとして含むことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記p型クラッド層が、前記p型活性層に接する一部に、ノンドープ領域又はMgドープ領域を有する請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記p型クラッド層が、前記p型活性層に接する一部に、Mg及びZnドープ領域を有し、他の部分にMgドープ領域を有する請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 前記p型クラッド層が、前記p型活性層と同じ量、又は前記p型活性層より少ない量のZnを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  5. 前記p型クラッド層及びp型活性層が、互いに接する部分において、同じ量のZnを含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  6. 前記p型クラッド層は、前記p型活性層に接する一部が他の部分より低い混晶比でAlを含みかつ前記p型活性層より高い混晶比でAlを含む、層である請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  7. 前記ドーパントとしてのZnが、前記半導体発光素子を構成するp型の層中で、前記p型活性層のみに含まれている請求項1〜3及び6のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  8. 前記ドーパントとしてのZnが、前記半導体発光素子を構成するp型の層中で、前記p型活性層及びp型クラッド層のみに含まれている請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  9. 更に、前記p型クラッド層及びp型活性層以外にZnをドーパントとして含む他の層を備え、前記p型活性層は、前記他の層から拡散によりp型活性層に達するZnと同じ量のZnを含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  10. 更に、前記p型クラッド層及びp型活性層以外にZnをドーパントとして含む他の層を備え、前記p型活性層は、前記他の層から拡散によりp型活性層に達するZnと同じ量のZnを、前記p型クラッド層と接する部分に含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  11. 前記p型活性層が、MQW又はSQW構造を有する請求項1〜10のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  12. 前記p型クラッド層が、前記p型活性層に接する一部において、他の部分より低い混晶比で、かつ前記p型活性層のピーク発光波長に相当する光エネルギーよりも大きなバンドギャップを示す混晶比でAlを含む請求項1〜11のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  13. 前記半導体発光素子が半導体発光ダイオードであり、前記半導体発光ダイオードがp型電流拡散層を有し、前記p型電流拡散層がMgをドーパントとして含む請求項1〜12のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  14. 前記半導体発光素子が半導体発光ダイオードであり、前記半導体発光ダイオードがp型電流拡散層を有し、前記p型電流拡散層がドーピング濃度の高い領域と低い領域を備え、前記低い領域がMgをドーパントとして含み、前記高い領域がZnをドーパントとして含む請求項1〜12のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  15. 前記半導体発光素子が半導体発光ダイオードであり、前記半導体発光ダイオードが最上層にキャップ層を有し、前記キャップ層がZnをドーパントとして含む請求項1〜12のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
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