JPH09324977A

JPH09324977A - 冷蔵庫

Info

Publication number: JPH09324977A
Application number: JP14258496A
Authority: JP
Inventors: Takashi Sano; 高志佐野; Michiya Matsuda; 美智也松田
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1996-06-05
Filing date: 1996-06-05
Publication date: 1997-12-16

Abstract

(57)【要約】【課題】コンデンサ、及び圧縮機を、機械室に配置した
ファンで冷却する場合、従来のプロパラファン使用で
は、通風抵抗が大きい場合にファン風量が低下し、放熱
性能が劣る問題があった。【解決手段】コンデンサ５、蒸発皿、圧縮機９、冷却フ
ァン６を収納する冷蔵庫の機械室を、静圧の大きい形状
の遠心ファン６と遠心ファン６の周囲に設けた渦巻ケー
シング８により機械室内の空気を吸い込み、ケーシング
８の吐出通路に連通したダクト１１ａを介して機械室外
へ配送し放熱する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は冷蔵庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンデンサ、圧縮機等を設置した機械室
に、コンデンサや圧縮機などを冷却するファンを機械室
背壁近くに配置した従来技術は、例えば、実開平５−１
７４８３号公報に記載のものがある。従来例に示すよう
にプロペラファンを使用すると、通風抵抗が大きい場合
にファン風量が低下し、放熱性能が劣る問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したように従来例
では、通風抵抗が大きくなると風量が低下する問題点が
あり、通風路を大きくしなければならないことと、ほこ
り等の付着により通風抵抗が増大すれば放熱性能が低下
した。本発明においては、静圧が大きい遠心ファンを使
用することにより複雑な風路でも風量を稼げ、またほこ
り等が付着しても放熱性能が低下しない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の冷蔵庫の構造
は、圧縮機、コンデンサ及び蒸発皿等から成る機械室
を、静圧の大きい形状の遠心ファンと遠心ファンの周囲
に設けた渦巻ケーシングにより機械室内の空気を吸い込
み、ケーシングの吐出通路に連通したダクトを介して機
械室外へ配送し放熱する。静圧の大きい形状の遠心ファ
ンは、通風抵抗が大きくても風量の低下が少ないため、
ダクト形状が複雑でも風量が出せる。また、ほこり等の
付着により通風抵抗が増大しても風量の低下が少ない。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、一実施例を図１ないし図６
を用いて説明する。図１は、本発明に係る冷凍冷蔵庫の
機械室内の空気の流通を示す平面から見た説明図、図２
から図５は、図１にダクトを加えた他の例を示す説明
図、図６は図１のラジアル翼遠心形ファンの部分拡大及
び構造仕様を示す説明図である。

【０００６】図１から図５で、１は、冷凍冷蔵庫の箱
体、２は、前面機械室カバーで、空気を機械室内に導入
するための吸込グリル３を有している。箱体１の前面下
端部分は吸込孔４を有している。

【０００７】５はコンデンサ、６は、ラジアル翼遠心形
ファン（以下単に遠心ファンという）である。７は遠心
ファン６に直結するファンモータ、８は、渦巻ケーシン
グである。９は、圧縮機で、１０は、機械室外に設けら
れた排気グリルである。１１ａから１１ｄは、渦巻ケー
シングと連結する配送ダクトである。

【０００８】この構成で、図１に示すように、前面機械
室カバー２上の吸込グリル３より吸い込んだ空気は、吸
込孔４を通過し、機械室内を通過する際にコンデンサ５
や圧縮機９と熱交換し、渦巻ケーシング８を経て、排気
グリル１０より機械室外へ放出される。静圧の大きい形
状の遠心ファン７の使用により、風路の通風抵抗が増し
ても風量は低下しないので、効率の良い放熱が行われ
る。

【０００９】次に図２から図５により、他の実施例につ
いて説明する。１１ａは、渦巻ケーシング８に連通し、
熱交換後の加熱空気を冷蔵庫側面に設けた排気グリル１
０へと導く配送ダクトである。同様に、１１ｂは、冷蔵
庫前面へと導く配送ダクト、１１ｃは、冷蔵庫背面へと
導く配送ダクト、１１ｄは、冷蔵庫天井面へと導く配送
ダクトである。静圧の大きい形状の遠心ファン６の使用
により、通風抵抗が大きくても風量が低下しない。これ
により、据付条件に応じて排気グリルの位置を設定した
際、渦巻ケーシングと排気グリルを連通する配送ダクト
が複雑な形状となっても、充分な放熱効果が得られる。

【００１０】次に本発明に使用する遠心ファンの詳細を
説明する。

【００１１】図６に示すように、本実施例の遠心ファン
６は、その翼６ａの断面形状を矢印に示す回転方向Ｎと
反対に弧状にへこませ、全体を回転方向Ｎと反対側に後
傾させ、半径方向の翼出口端６ａａをほぼ放射方向にし
たラジアル翼遠心形ファンとしている。したがって、翼
間の流路幅は、入口側の寸法ａよりも出口側の寸法ｂが
大きくなっている。このため、翼間における空気の流れ
は減速流となり、その流れは翼間から出るまでに、動圧
が静圧に変換される（シロッコファン等の前傾翼では反
対に増速されて動圧が高められてしまう）。

【００１２】そのため、遠心ファン６周囲の渦巻ケーシ
ング８における動圧回復はあまり必要とされず、渦巻ケ
ーシング８を小形にすることができる。また、渦巻ケー
シング８から送り出される流速分布も、同様な理由によ
り良好となり、通風抵抗の少ない状態で配送ダクトから
排気グリルへ容易に送風できる。したがって、通風抵抗
が少ないのでファンの圧力も低くできる。

【００１３】図６に示すように、翼吐出端６ａａでは翼
６ａと流れとの相対速度Ｗ2が小さいために、騒音が低
くなるばかりか、翼吐出端６ａａに行くにつれ、次第に
回転方向に沿う絶対速度Ｃ2を作るため、渦巻ケーシン
グ８への衝突が小となり、損失が少なくなる。

【００１４】一方、翼６ａの半径方向の翼入口端８ａｂ
では、流入相対速度Ｗ1の方向に沿う形でへこみ側から
連続して回転方向に近づくようにしてあるので、翼への
流入時の乱れ発生も少なく低騒音が得られる。

【００１５】また、遠心ファンの静圧はある程度回転数
を高めることにより得られるため、同一出力にするには
回転数が高い分所要トルクが小となり、通常の小形２極
の誘導モータが使用可能となり、効率の高い速度点で使
用可能となって、ファンモータ７の入力を低くでき、省
電力化とともに冷却性能を向上できる。

【００１６】さらに、翼間での静圧化が多いために、渦
巻ケーシング８における減速（拡大流）を少なくできる
ために渦発生が少なく、脈動流も少なくなって、通風路
などの共振や共鳴も小にできる。加えて、翼断面の傾斜
が半径方向外方に行くにつれ傾斜が小となるので、翼の
重心が中心方向となり、ファンモータの起動トルクを小
にでき、振動も低減できる。

【００１７】さらに、翼枚数は、従来のプロペラファン
よりも数倍（５〜１０倍）多い多翼形であるので、翼の
回転周波数は数倍高くなり、冷凍冷蔵庫箱体の固有振動
数(通常１００〜３００Ｈｚ）に対し遠ざけることがで
きる（４枚翼プロペラファンは１５０〜２００Ｈｚ、本
発明の遠心ファンは翼枚数２０枚以上のため５倍の７５
０Ｈｚ以上となる）こととなり、ファンモータ７を介し
ての加振や、流体による通風路加振があっても共振や共
鳴が少なくなる。また、翼の回転周波数が高くなること
により、騒音の主なる周波数が高いので、箱体による遮
音効果は大きくなることによっても、外部に出る放射騒
音が低くなる。

【００１８】次に、ラジアル翼遠心形ファン（遠心ファ
ン６）の良好なることを確認するために、実際に測定し
たデータを図７に参照して詳細に説明する。

【００１９】図７は本発明のラジアル翼遠心形ファンの
性能を他形式のファンと比較して示す線図である。図７
の横軸は出口角β2、縦軸は騒音レベルＳＬ、所要回転
数をＮｆ、所要トルクＴ、全圧効率ηである。

【００２０】実験は、図６に示す外径Ｄ2が８０ｍｍ、
内径Ｄ1が６８ｍｍ、軸方向厚み３０ｍｍ、翼枚数３０
の遠心ファンを用いて行い、有効内容積３７０リットル
の冷凍冷蔵庫と同一の通風抵抗負荷条件で、冷却性能に
見合う風量が０．８５／ｍｉｎで一定全圧（２０Ｐ
ａ）を得る場合について、翼断面形状を種々変えてファ
ン単体の性能を測定し、翼の出口角β2の関係で渦巻ケ
ーシング吐出口の前方１ｍの位置の騒音のレベルをＳ
Ｌ、そのときの所要回転数をＮｆ、所要トルクＴ、全圧
効率ηで整理した。

【００２１】図中、一点鎖線は、翼断面形状が回転方向
に対してふくらみがあり、全体が回転方向に対して反対
に後傾する、いわゆるバックワード翼遠心形ファンの場
合を示し、破線は、翼断面形状が回転方向に対してへこ
み、全体が回転方向に前傾する、いわゆるフォワード翼
遠心形ファンの場合を示し、実線は、本発明における回
転方向に対してへこみ、全体が回転方向と反対に後傾す
るラジアル翼遠心形ファンの場合を示す。

【００２２】図７から明らかなように、ラジアル翼遠心
形ファンは、出口角β2が７０°〜１０５°の範囲で、
騒音ＳＬが明らかにフォワード翼遠心形ファンよりも低
い。この理由は前述したように、翼に対する流れの相対
速度Ｗ2が最も低いために、翼間および翼出口端６ａａ
における乱れ等が少なく、また翼入口端６ａｂが風の流
入方向に沿うためと、渦巻ケーシング内における静圧回
復も穏やかに行われるためである。したがって、ファン
の効率ηが高く、また、所要回転数Ｎｆは毎分２０００
回転以上となり、通常の小形の２極ファンモータで充分
運転可能である。

【００２３】また、翼全体が回転方向に傾斜するフォワ
ード翼遠心形ファンでは、騒音がラジアル翼遠心形ファ
ンよりも高い。この理由は、翼の傾斜により出口側翼間
風路幅寸法が小になり、通過する絶対速度Ｃ2のアップ
により翼との相対速度Ｗ2が大きくなるために、翼間お
よび翼出口端における乱れが大きくなることと、動圧と
なる絶対速度が大きいため、渦巻ケーシングの拡大路に
よる乱れ、および、高速部によるケーシング内損失が多
くなることによるためである。このために、ファン効率
ηも低下している一方、所要回転数Ｎｆについても毎分
２０００回転より低くなり、通常の小形の２極誘導モー
タではスリップ率の多すぎる点、すなわち、低回転数に
なるにつれトルク値が低下する領域で使うことになり、
わずかな電源電圧の低下、あるいは、ファン負荷の変動
により回転数が変動することになり、事実上２極誘導モ
ータが使用できないという問題がある。

【００２４】また、低回転数になることにより同じ仕事
量を行うには、低回転数で所要トルクも大きいものが要
求され、回転数のスリップ率が大きいことと合わせて、
ファンモータの効率が低下して入力も増加するという問
題がある。一方、回転数を高めるためにファン外径を小
にすることも考えられるが、風量は外径の３乗に比例し
て少なくなるので、風量不足という問題を生じる。

【００２５】一方、バックワード翼遠心形ファンでは騒
音ＳＬが高い。この理由は、相対速度が大になること
と、風圧が低くなるのを回転数Ｎｆを増して、周速度を
大にしてカバーすることによるためである。したがっ
て、翼部における損失が大きく効率が低下する。これを
改良する場合には大形化する必要が生じ、収納性や材料
費のアップ、振動の増加などの新たな問題が生じてく
る。

【００２６】図７のハッチングのあるデータ点は、実際
に冷凍冷蔵庫に組み込み、ファンのみ運転させて風量
０．８５／ｍｉｎ得られる回転数に設定（したがってフ
ァン単体試験時を無視）して、β2＝９０°ラジアル翼
遠心形ファンが、ファン単体試験時と同一騒音になる距
離（箱前方０．３５ｍ）にマイクロホンを設置して、フ
ォワード翼遠心形ファンと、バックワード翼遠心形ファ
ンについて騒音を測定した例であるが、ファン単体の評
価時に対してフォワード翼遠心形ファンでは、回転数が
９％多くして同一風量が得られ、騒音は３ｄＢ上昇し
た。

【００２７】これは静圧回復がよくないために、流速の
高い流れの部分で通風抵抗が大きくなったことによる。
バックワード翼遠心形ファンでは、騒音は１ｄＢ上昇と
なった。これは回転数が高いことにより、モータ振動が
高くなったことによるものであった。

【００２８】以上、データをもとに翼形状による実測性
能を説明したように、翼の形状は性能に大きな影響をも
たらすものであって、本発明のラジアル翼遠心形ファン
にすることにより低騒音が得られ、これと組合わせて用
いるファンモータも小形２極誘導モータとなり効率よい
運転ができることを確認できた。また、配送ダクトを必
要とする冷凍冷蔵庫に適用すると、ファン単体における
騒音レベルの差よりも大きい効果が得られることも確認
できた。

【００２９】次に、本発明のラジアル翼遠心形ファンの
翼形状に付随する主な仕様について説明すると、内径Ｄ
1は０．７Ｄ2〜０．８８Ｄ2（外径をＤ2とする）、翼枚
数Ｚは０．２５Ｄ2〜０．５Ｄ2、翼のへこみ曲率半径Ｒ
は０．０８５Ｄ2〜０．１６Ｄ2の範囲とし翼出口角β2
を７０°〜１０５°、翼全体の取付角θ（傾斜）を回転
方向と反対に後傾する形状とするのがよい。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、圧縮機より後方で冷却
ファンを圧縮機に対し吸込タイプで使ったもので、冷却
ファンに用いるラジアル翼遠心形ファンは静圧が大き
く、通風抵抗が大きくても風量が稼げるため、コンデン
サ及び圧縮機の冷却は、先の課題で説明した問題点を解
消し、効率よく行われる。

【００３１】また、風路が複雑になっても風量が稼げる
ため、請求項２，３，４，５，６の如く形成することに
より、排熱口の位置が指定できることによって、壁の汚
れ等の無い冷凍冷蔵庫が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る冷凍冷蔵庫の機械室の
説明図。

【図２】側面に排気する配送ダクトを連結した実施例の
説明図。

【図３】背面に排気する配送ダクトを連結した実施例の
説明図。

【図４】前面に排気する配送ダクトを連結した実施例の
説明図。

【図５】天井面に排気する配送ダクトを連結した実施例
の説明図。

【図６】図１のラジアル翼遠心形ファンの部分拡大及び
構造仕様を示す説明図。

【図７】本発明のラジアル翼遠心形ファンの性能を他形
式のファンと比較して示す特性図。

【符号の説明】

１…箱体、２…前面機械室カバー、３…吸込グリル、４
…吸込孔、５…コンデンサ、６…遠心ファン、７…ファ
ンモータ、８…渦巻ケーシング、９…圧縮機、１０…排
気グリル、１１ａ〜１１ｄ…配送ダクト。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】圧縮機、コンデンサ及び蒸発皿を収納する
冷蔵庫の機械室において、静圧の大きい形状の遠心ファ
ンと前記遠心ファンの周囲に設けた渦巻ケーシングによ
り上記機械室内の暖気を上記機械室外に放出したことを
特徴とする冷蔵庫。
【請求項２】上記ケーシングの吐出通路に連通する配送
ダクトを、上記機械室外まで連通した請求項１に記載の
冷蔵庫。
【請求項３】上記ケーシングの吐出通路に連通する配送
ダクトを冷蔵庫の天上部まで連通した請求項１に記載の
冷蔵庫。
【請求項４】上記ケーシングの吐出通路に連通する配送
ダクトを冷蔵庫の前面に連通した請求項１に記載の冷蔵
庫。
【請求項５】上記ケーシングの吐出通路に連通する配送
ダクトを冷蔵庫の側面に連通した請求項１に記載の冷蔵
庫。
【請求項６】上記ケーシングの吐出通路に連通する配送
ダクトを複数設け上記機械室外まで連通した請求項１に
記載の冷蔵庫。