JPH09324765A - 内接歯車ポンプ - Google Patents

内接歯車ポンプ

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JPH09324765A
JPH09324765A JP16240796A JP16240796A JPH09324765A JP H09324765 A JPH09324765 A JP H09324765A JP 16240796 A JP16240796 A JP 16240796A JP 16240796 A JP16240796 A JP 16240796A JP H09324765 A JPH09324765 A JP H09324765A
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rotor
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volume chamber
fluid
internal gear
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Toshiharu Aoki
利春 青木
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Hitachi Powdered Metals Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/08Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C2/082Details specially related to intermeshing engagement type machines or pumps
    • F04C2/086Carter
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C13/00Adaptations of machines or pumps for special use, e.g. for extremely high pressures
    • F04C13/001Pumps for particular liquids
    • F04C13/002Pumps for particular liquids for homogeneous viscous liquids

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出側から吸入側への空気の漏洩を確実に防
止し、高粘度の流体であってもロータを空回りさせるこ
となく円滑に運転する。 【解決手段】 ケーシング1の内部にアウタロータ3を
回転自在に設け、このアウタロータ3の内側にインナロ
ータ2を内接させ、アウタロータ3およびインナロータ
2を回転させて、アウタロータ3とインナロータ2どう
しが接触して形成される容積室V8を回転させながら容
積を変化させ、容積が増加する容積室へ吸入口を介して
流体を吸入するとともに容積が減少する容積室V8から
吐出口へ流体を吐出するようにした内接歯車ポンプであ
る。容積室V8と異形ポート10が部分的に重なり合う
ように構成することにより、容積室V8に閉塞部分Vを
形成し、容積室V8内が閉込みと同等の状態になるよう
にした。これにより、流体がロータ2,3とケーシング
1の間に押し出されてシールされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特に油や印刷用
インキなどの高粘度の流体を圧送するのに適した内接歯
車ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】内接歯車ポンプとして、トロコイド歯形
をもつロータを互いに内接させたトロコイドポンプが知
られている。トロコイドポンプは、ケーシングの内部
に、アウタロータを回転自在に収容するとともに、アウ
タロータの内側に、アウタロータの歯数よりも1つ少な
い歯数のインナロータを内接させることにより、アウタ
ロータとインナロータとが接触する仕切点どうしの間に
容積室を形成して構成されている。そして、インナロー
タを回転させることにより、アウタロータを同一方向へ
連れ回りさせ、容積室の容積が増加する位置に配置した
吸入口から流体を吸入し、容積室の容積が減少する位置
に配置した吐出口へ流体を吐出するようになっている。
なお、以下の説明においては、アウタロータとインナロ
ータとを総称する場合には、単にロータと称する。
【0003】ここで、吸入口と吐出口は、ケーシングの
側部を閉塞するカバーに形成され、容積室の回転軌跡を
包合するようにほぼ半円弧状とされている。また、吸入
口と吐出口を円形の孔に形成し、孔と容積室との間を連
通する凹部(以下、ポートと称する)をケーシングやカ
バーの内面に設けたものもある。さらに、ロータの端面
の縁部に面取を施して、テーパランドを設けたトロコイ
ドポンプも提供されている。このトロコイドポンプは、
テーパランドとケーシングの内面との間の隙間に流体を
溜めておくことにより、流体をアウタロータの端面とケ
ーシングの内面との摺接面に浸み込ませ、そこでの空気
の流通を遮断するようになっている。すなわち、吐出側
の容積室から吸入側の容積室への空気の漏洩を防止する
ことにより、トロコイドポンプの空回りを防止するとと
もにポンプ効率を向上させるようになっている。また、
これと同じ目的でロータの端面に線状の溝やディンプル
を設けたものも提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトロコイドポンプにおいては、比較的低粘度の流体
では優れたポンプ性能を示すものの、印刷用のインクの
ような粘度が高い流体の場合には、ロータを回転しても
空回りして流体をポンプの搬送空間部分に吸い込むまで
に長い時間がかかったり、吸い込みが不十分な状態とな
ってポンプ機能を十分に果たさないことがあった。そこ
で、ケーシングにロータを組み込む際に、両者のいずれ
かにグリースなどのシール材料を塗布しておくことが行
われた。しかしながら、その方法では、使用の初期の頃
のポンプ性能は改善することができたものの、しばらく
使用するとシール材料が消耗してポンプ性能が低下する
ことが判った。
【0005】このような問題が生じる原因は、ロータ側
面とケーシング内面との摺接面のシール性が不充分なた
めに、粘度が高く吸引抵抗が大きい流体では、これに優
先して摺接面から漏洩する空気を吸い込んでしまうから
である。また、ポートを有するトロコイドポンプでは、
吐出側のポートから摺接面に流体が押し出されて空気の
漏洩を遮断する効果も期待されているが、ポートが大き
すぎてポートの空間内に流体が容易に充満できず、いず
れにしても上記した不具合を解消するには至っていな
い。したがって本発明は、高粘度の流体であっても円滑
に運転することができる内接歯車ポンプを提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の内接歯車ポン
プは、ケーシングの内部に、内歯を有するアウタロータ
を回転自在に設け、このアウタロータの内側に外歯を有
するインナロータを内接させ、上記アウタロータおよび
インナロータを回転させることにより、上記アウタロー
タの内歯と上記インナロータの外歯とが接触する仕切部
どうしの間に形成される容積室を回転させながら容積を
変化させ、容積が増加する容積室へ吸入口を介して流体
を吸入するとともに容積が減少する容積室から吐出口へ
流体を吐出する内接歯車ポンプにおいて、上記ケーシン
グの上記アウタロータおよびインナロータと摺接する内
面のうち容積が減少する容積室が位置する部分に、容積
室の回転方向に沿って延在する凹部を設け、この凹部
を、容積が減少し始める位置における容積室と容積が増
加し始める位置における容積室との円周方向中間部に配
置し、さらに、凹部の外周側の縁部を上記内歯の歯底の
回転軌跡よりも内周側に配置するか、凹部の内周側の縁
部を上記外歯の歯底の回転軌跡よりも外周側に配置する
か少なくともいずれか一方の配置を有することを特徴と
している。
【0007】上記構成の内接歯車ポンプにあっては、容
積室の容積が増加することにより、その内部へ流体が吸
入口を介して流入する。そして、容積室が回転して容積
を減少し始めると容積室が凹部に重なり合い、容積室内
の流体が凹部に吐出される。こうして、流体を吐出する
容積室のそれぞれは凹部を介して互いに連通し、加圧さ
れた流体は、容積室から吐出口へ、あるいは凹部から吐
出口へ吐出される。ここで、上記内接歯車ポンプにおい
て、容積が減少し始める位置における容積室と、容積が
増加し始める位置における容積室との円周方向中間部に
凹部を配置したのは、それら容積室に凹部が重なり合っ
ていると、吐出側の容積室が吸入側の容積室と連通する
ことになり、ポンプとして機能しなくなるからである。
この場合、凹部の円周方向の縁部をこれら容積室を区画
する仕切部に一致させることができる。あるいは、凹部
の円周方向縁部を仕切部よりも円周方向の内側に配置す
ることもできる。このように構成することにより、容積
室の容積が減少しているときに同容積室が凹部と重なり
合っていない状態が生じ、加圧された流体の行き場が無
い閉込みと呼ばれる状態となる。その結果、加圧された
流体がロータとケーシングとの摺接面がなす隙間に押し
出されて隙間をシールする。
【0008】また、上記構成の内接歯車ポンプでは、凹
部の外周側の縁部がアウタロータの内歯の歯底の回転軌
跡よりも内周側に位置するか、凹部の内周側の縁部がイ
ンナロータの外歯の歯底の回転軌跡よりも外周側に位置
するか少なくともいずれか一方の配置を有しているか
ら、容積が減少しつつある容積室に凹部と重なり合わな
い閉塞部分が生じる。その閉塞部分が容積減少により加
圧されると、流体の粘度が低い場合には凹部へ速やかに
流入して圧力を開放するが、流体の粘度が高い場合には
流体が閉塞部分に留められ、閉込みと同様の状態にな
る。すなわち、本発明では、流体の粘度が高ければ高い
程流体の閉込みが起こり易くなり、上述したと同様に、
ロータとケーシングとの隙間が流体によってシールされ
易くなる。なお、そのような効果を確実に得るために
は、閉塞部分の半径方向の寸法は0.5mm以上である
ことが望ましい。このように、本発明においては、流体
の閉込み作用を起こり易くすることによりロータとケー
シングとの隙間を流体でシールし、吐出側から吸入側へ
の空気の漏洩を確実に防止することができる。よって、
高粘度の流体であってもロータが空回りすることがな
く、円滑に運転することができる。なお、閉込みの状態
を確実に得るためには、凹部の外周側の縁部をアウタロ
ータの内歯の歯底の回転軌跡よりも内周側に配置し、か
つ、凹部の内周側の縁部をインナロータの外歯の歯底の
回転軌跡よりも外周側に配置するのが望ましい。
【0009】凹部は、アウタロータおよびインナロータ
の片側だけに設けることができる。この場合、吐出口の
位置は凹部と同じ側であっても反対側であっても良い。
また、凹部の平面視形状は任意であるが、その半径方向
の幅がロータの回転方向へ向かうに従って漸次減少する
ような形状が望ましい。具体的には、凹部の外周側の縁
部は、アウタロータの回転中心を中心とする円弧とし、
内周側の縁部は、インナロータの回転中心を中心とする
円弧とする。これにより、凹部の形状をロータの回転方
向へ向けて先細りとなる略三日月状にする。凹部をこの
ように構成することにより、上述した閉塞部分がどの容
積室においても形成され、流体によって隙間が均一にシ
ールされる。なお、凹部をアウタロータおよびインナロ
ータの両側に設けることもでき、そのうちのいずれか一
方は上記のような形状に限らず、容積室全体を包合する
ような形状であっても良い。凹部を両側に設けることに
より、流体が容積室から吐出口へ円滑に吐出され、脈動
などの発生を有効に防止することができる。
【0010】ところで、閉塞部分の流体は容積室から凹
部へと流れるから、凹部が深過ぎると流体が流れ易くな
って閉込みが生じ難くなる。一方、凹部が浅すぎると閉
込みが許容限度を越え、ロータが回転しなくなるか、回
転させることができても過大なトルクを必要とする。そ
こで、本発明者等は、凹部の深さについて定量的に解析
した結果、流体に適度な閉込みを生じさせることできる
凹部の深さを見い出した。すなわち、本発明によれば、
インキなどのように粘度が1.8〜2.7×106cP
の範囲の場合の凹部の適切な深さ(凹部をロータの両側
に設けた場合には深さの合計)は、0.2mm以上で
0.4mm以下である。上記した凹部は、ロータの回転
方向に沿って連続したものであるが、断続的に複数設け
ることもできる。ただし、この場合には、容積室どうし
を互いに連通させるためにロータの反対側にも凹部を設
ける必要がある。また、反対側にも断続的な凹部を設け
る場合には、両側の凹部を平面的に投影したときに投影
図が互いに連続するように配置する必要がある。このよ
うにすることにより、容積室どうしが常に連通し、ポン
プの円滑な運転が可能となる。
【0011】さらに、ケーシングのアウタロータおよび
インナロータと摺接する内面のうち容積が増加する容積
室が位置する部分に、容積室の回転方向に沿って延在す
る凹部を設けることも可能である。このような吸入側の
凹部を全く形成しない場合でも良好なポンプ性能を示す
が、吸入側にも凹部に流体が満たされてロータの端面や
ケーシングの内面が濡れることにより、吐出側から漏洩
する空気が遮断されるので、ロータとケーシングの隙間
のシール性能を向上させることができる。ただし、この
場合の凹部も、上述したと同じ理由により、容積が減少
し始める位置における容積室と、容積が増加し始める位
置における容積室との円周方向中間部に配置する必要が
ある。また、この凹部は、ロータの片側だけか両側に設
けることができるが、各凹部の深さは1mm以下にする
ことが望ましい。凹部の深さが1mmを上回ると、流動
性の低い流体では凹部の空間に流体が満たされずに空隙
部分が残り、シール性能を低下させてしまうからであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】
A.トロコイドポンプの構成 以下、図1ないし図4を参照して本発明の実施の形態を
説明する。図1は、トロコイドポンプ(内接歯車ポン
プ)の横断面図である。図中符号1はケーシングであ
り、ケーシング1には、有底円筒状の穴1aが形成され
ている。穴1aには、トロコイド歯形の内歯を有するア
ウタロータ3が回転自在に嵌合させられている。このア
ウタロータ3の内側には、トロコイド歯形の外歯を有す
るインナロータ2が内接させられ、両者の回転中心はそ
れぞれAとBとなっている。インナロータ2の外歯の歯
数は、アウタロータ3の内歯の歯数よりも1つ少なく、
内歯と外歯は、図1に示すように、仕切点(仕切部)P
1〜P8で互いに接触している。そして、ケーシング1
の開放された一側部は、カバー4(図2(b)参照)に
よって閉塞され、互いに隣接する仕切点P1〜P8どう
しの間に形成された空間が、流体搬送空間である容積室
V1〜V8とされている。なお、以下の説明において
は、図1に示すトロコイドポンプの右半分を吸入側S、
左半分を吐出側Dと称する。
【0013】次に、図2を参照してケーシング1とカバ
ー4の内面の構成について説明する。ケーシング1の穴
1aの底(ロータ2,3の端面との摺動面)の吸入側S
には、平面視略円弧状をなす深さが0.5mmのポート
(凹部)11が形成されている。ポート11の両端部
は、図1に示す仕切点P1およびP4に位置している。
また、インナロータ2の外歯の歯底の半径をR3とする
と、ポート11の内周側の輪郭線は回転中心Bを中心と
し半径R3の円弧と一致するか、あるいはその円弧より
も内周側に位置している。また、アウタロータ3の内歯
の歯底の半径をR4とすると、ポート11の外周側の輪
郭線は、回転中心Aを中心とし半径R4の円弧と一致す
るか、あるいはその円弧よりも外周側に位置している。
これにより、ポート11は、吸入側Sの容積室V2〜V
4全体をカバーするように包合している。
【0014】また、ケーシング1の穴1aの底の吐出側
Dには、異形ポート(凹部)10が形成されている。こ
の異形ポート10は、深さが0.3mmとされ、その両
端部は図1の仕切点P5および仕切点P8にそれぞれ位
置している。この異形ポート10は、インナロータ2の
回転中心Bを中心とし半径R2の円弧と、アウタロータ
3の回転中心Aを中心とし半径R2の円弧とで囲まれる
略三日月状をなしている。異形ポート10の内周側の輪
郭線の半径R2は、インナロータ2の歯底の半径R3よ
り大きく、外周側の輪郭線の半径R1は、アウタロータ
3の歯底の半径R4より小さくされている。これら半径
R1,R2のオフセット量(R3,R4との差)は、
0.5mm以上とされている。
【0015】次に、カバー4には、流体の吸入口5およ
び吐出口6が断面円形の貫通孔として形成されている。
また、カバー4の吸入側Sには、ポート13がケーシン
グ1に設けたポート11と同じ位置に形成されている。
ポート13は、ポート11と同じ大きさで勝手反対の形
状とされ、深さは0.5mmとされている。そして、カ
バー4は、ケーシング1の一側部に取り付けられ、その
内面がロータ2,3の端面と摺接するようになってい
る。
【0016】B.トロコイドポンプの作用・効果 次に、上記構成のトロコイドポンプの動作について説明
する。図1に示す状態では、容積室V1の容積が最も小
さく、容積室V5の容積が最も大きくなっている。この
状態からロータ2,3を図中矢印方向へ回転させると、
容積室V1〜V4の容積は増加し、容積室V5〜V8の
容積は減少する。ここで、ポート11,13の一端部は
図1に示す仕切点P1に位置しているから、ロータ2,
3が回転し始めると直ちにポート11,13に容積室V
1が連通し、容積を増加しつつある容積室V1〜V4の
総てがポート11,13と連通することになる。そし
て、容積室V1〜V4に生じた負圧により、流体が吸入
口5からポート13を経由して各容積室V1〜V4に送
られ、ポート11も流体で満たされるようになる。
【0017】次に、異形ポート10の一端部は図1に示
す仕切点P5に位置しているから、ロータ2,3が回転
し始めると直ちにポート10に容積室V5が連通し、容
積を減少しつつある容積室V5〜V8の総てが異形ポー
ト10と連通することになる。そして、容積室V5〜V
8内の流体が加圧されることにより、吐出口6に対向す
る容積室(例えばV7)から吐出口6へ流体が吐出され
る。ここで、図3を参照して吐出側Dにおける流体の流
れを説明する。図3は、仕切点8の近傍の縦断面図であ
り、説明の便宜のために要部を拡大誇張して模式的に示
してある。図3に示すように、インナロータ2とアウタ
ロータ3の間に容積室V8があり、ケーシング1のロー
タ2,3との摺動面には、異形ポート10が位置してい
る。そして、加圧搬送されてきた容積室V8の流体は、
異形ポート10内に圧送充填される。この場合、異形ポ
ート10は、ロータ2,3の回転方向に向かうに従って
楔状に狭くなっているから、容積の小さい容積室V8も
異形ポート10と部分的に重なり合い、図3に斜線で示
すような閉塞部分Vが容積室V8に生じている。
【0018】今、インナロータ2が図中矢印X方向へ移
動すると、容積室V8内の流体が加圧されるが、流体の
粘度が高い場合には、流体は異形ポート10に速やかに
流出することなく閉塞部分Vに留められる。その結果、
容積室V8の内部が閉込みと同様の状態となり、ロータ
2,3とケーシング1およびカバー4との隙間に流体が
押し出される。そして、この流体がシールとなって吐出
側Dから吸入側Sへの空気の漏洩が防止され、吸入側S
での負圧が高められてポンプ効率が向上する。よって、
高粘度の流体であってもロータ2,3が空回りすること
がなく、円滑に運転することができる。特に、上記実施
の形態では、吸引側Sにもポート11,13を設けてい
るので、図4に示すように、ポート11,13が流体で
満たされることにより、ロータ2,3の端面を濡らして
シールする。これにより、吐出側Dの異形ポート10の
シール効果と相まって、吐出側Dから漏洩する空気がほ
ぼ完全に遮断され、ロータ2,3とケーシング1の隙間
のシール性能を大幅に向上させることができる。なお、
ポート11,13のうちいずれか一方のみを設けること
もでき、あるいは、いずれも設けない構成にすることも
可能である。この場合も、上記と同等の作用、効果を得
ることができる。
【0019】なお、液体として粘度2.7×106cP
の印刷用インクを用い、吸入口5の負圧を測定した結果
によれば、吐出側Dの異形ポート10を設けた本発明の
トロコイドポンプでは、従来構造のトロコイドポンプに
比べて、負圧が50%高くなった。また、吐出側Dの異
形ポート10に加えて、吸入側Sのポート11,13を
設け、その深さを1mm以下としたトロコイドポンプで
は、従来構造のトロコイドポンプの負圧より75%高く
なった。一方、吸入側Sのポート11,13の深さを
2.5mmにしたものでは、従来のものに近い負圧を示
し、ポート11,13の深さを深くするとインクの吸い
込み状態が悪くなることが判った。
【0020】C.変更例 本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、以
下のように種々の変更が可能である。 図5に示すように、カバー4の吐出側Dにも上記異形
ポート10と同等の異形ポート12を形成することがで
きる。このように構成することにより、流体が容積室V
5〜V8から吐出口6へ円滑に吐出され、脈動などの発
生を有効に防止することができる。なお、ケーシング1
にロータ2,3を装着する際に、摺動する部分に予め流
体を塗布しておけば、初期の慣らし運転時間を短縮する
ことができる。 図6に示すように、ケーシング1の吐出側Dに、複数
の異形ポート10,…をロータの回転方向に沿って断続
的に設けることができる。なお、この場合には、カバー
4の吐出側Dを図2(b)または図5のように構成する
ことができ、あるいは、異形ポート10,…を図6に示
すように断続的に設けることができる。 異形ポート10の内周側の輪郭線は、回転中心Bを中
心とし半径R3の円弧よりも内周側に位置させても良
い。この場合もアウタロータ3の歯底の部分に閉塞部分
が生じるので、上記と同様に閉込みの状態を得ることが
できる。同様に、異形ポート10の外周側の輪郭線は、
回転中心Aを中心とし半径R4の円弧よりも外周側に位
置させることができ、インナロータ2の歯底の部分に閉
塞部分を設けるようにすることもできる。 ロータ2,3の歯形はトロコイド歯形に限らず、イン
ボリュート歯形やその他の歯形を用いることができる。 インナロータの歯数は奇数であっても良い。 上記実施の形態はインナロータの歯数がアウタロータ
の歯数よりも1つ少ない例であるが、3つあるいはもっ
と多数の歯数差を設けても良い。なお、この場合には、
インナロータとアウタロータどうしが接触しない隙間が
生じるので、その隙間を閉塞するための仕切板が必要と
なる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内接歯車
回転ポンプによれば、流体の閉込み作用を起こり易くす
ることによりロータとケーシングとの隙間を流体でシー
ルし、吐出側から吸入側への空気の漏洩を確実に防止す
ることができる。よって、ペースト状のような高粘度の
流体であってもロータが空回りすることなく円滑に運転
することができ、利用分野が拡大するという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のトロコイドポンプの横
断面図である。
【図2】 (a)は実施の形態のトロコイドポンプのケ
ーシングの構造を示す平面図であり、(b)はカバーの
構造を示す平面図である。
【図3】 トロコイドポンプの吐出側の縦断面を模式的
に示した図である。
【図4】 トロコイドポンプの吸入側の縦断面を模式的
に示した図である。
【図5】 カバーの構造の変更例を示す平面図である。
【図6】 異形ポートの変更例を示す平面図である。
【符号の説明】 1…ケーシング、2…インナロータ、3…アウタロー
タ、4…カバー、5…吸入口、6…吐出口、10,12
…異形ポート(凹部)、11,13…ポート(凹部)、
P1〜P8…仕切点(仕切部)、V1〜V8…容積室。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングの内部に、内歯を有するアウ
    タロータを回転自在に設け、このアウタロータの内側に
    外歯を有するインナロータを内接させ、上記アウタロー
    タおよびインナロータを回転させることにより、上記ア
    ウタロータの内歯と上記インナロータの外歯とが接触す
    る仕切部どうしの間に形成される容積室を回転させなが
    ら容積を変化させ、容積が増加する容積室へ吸入口を介
    して流体を吸入するとともに容積が減少する容積室から
    吐出口へ流体を吐出する内接歯車ポンプにおいて、 上記ケーシングの上記アウタロータおよびインナロータ
    と摺接する内面のうち容積が減少する容積室が位置する
    部分に、容積室の回転方向に沿って延在する凹部を設
    け、この凹部を、容積が減少し始める位置における容積
    室と容積が増加し始める位置における容積室との円周方
    向中間部に配置し、さらに、凹部の外周側の縁部を上記
    内歯の歯底の回転軌跡よりも内周側に配置するか、凹部
    の内周側の縁部を上記外歯の歯底の回転軌跡よりも外周
    側に配置するか少なくともいずれか一方の配置を有する
    ことを特徴とする内接歯車ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記凹部を前記アウタロータおよびイン
    ナロータの片側または両側に設け、凹部の半径方向の幅
    を上記アウタロータおよびインナロータの回転方向へ向
    かうに従って漸次減少させ、かつ、上記片側または両側
    の凹部の深さの合計が0.2〜0.4mmであることを
    特徴とする請求項1に記載の内接歯車ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記凹部を、前記容積室の回転方向に沿
    って断続的に複数設けたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の内接歯車ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記ケーシングの前記アウタロータおよ
    びインナロータと摺接する内面のうち容積が増加する容
    積室が位置する部分に、容積室の回転方向に沿って延在
    する凹部を前記アウタロータおよびインナロータの片側
    または両側に設け、凹部の深さを1mm以下にしたこと
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内接
    歯車ポンプ。
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