JP3824281B2 - 高粘度流体圧送用内接歯車ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に油や印刷用インキなどの高粘度の流体を圧送するのに適した内接歯車ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
内接歯車ポンプとして、トロコイド歯形をもつロータを互いに内接させたトロコイドポンプが知られている。トロコイドポンプは、ケーシングの内部に、アウタロータを回転自在に収容するとともに、アウタロータの内側に、アウタロータの歯数よりも1つ少ない歯数のインナロータを内接させることにより、アウタロータとインナロータとが接触する仕切点どうしの間に容積室を形成して構成されている。そして、インナロータを回転させることにより、アウタロータを同一方向へ連れ回りさせ、容積室の容積が増加する位置に配置した吸入口から流体を吸入し、容積室の容積が減少する位置に配置した吐出口へ流体を吐出するようになっている。なお、以下の説明においては、アウタロータとインナロータとを総称する場合には、単にロータと称する。
【0003】
ここで、吸入口と吐出口は、ケーシングの側部を閉塞するカバーに形成され、容積室の回転軌跡を包合するようにほぼ半円弧状とされている。また、吸入口と吐出口を円形の孔に形成し、孔と容積室との間を連通する凹部(以下、ポートと称する)をケーシングやカバーの内面に設けたものもある。さらに、ロータの端面の縁部に面取を施して、テーパランドを設けたトロコイドポンプも提供されている。このトロコイドポンプは、テーパランドとケーシングの内面との間の隙間に流体を溜めておくことにより、流体をアウタロータの端面とケーシングの内面との摺接面に浸み込ませ、そこでの空気の流通を遮断するようになっている。すなわち、吐出側の容積室から吸入側の容積室への空気の漏洩を防止することにより、トロコイドポンプの空回りを防止するとともにポンプ効率を向上させるようになっている。また、これと同じ目的でロータの端面に線状の溝やディンプルを設けたものも提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のトロコイドポンプにおいては、比較的低粘度の流体では優れたポンプ性能を示すものの、印刷用のインクのような粘度が高い流体の場合には、ロータを回転しても空回りして流体をポンプの搬送空間部分に吸い込むまでに長い時間がかかったり、吸い込みが不十分な状態となってポンプ機能を十分に果たさないことがあった。そこで、ケーシングにロータを組み込む際に、両者のいずれかにグリースなどのシール材料を塗布しておくことが行われた。しかしながら、その方法では、使用の初期の頃のポンプ性能は改善することができたものの、しばらく使用するとシール材料が消耗してポンプ性能が低下することが判った。
【0005】
このような問題が生じる原因は、ロータ側面とケーシング内面との摺接面のシール性が不充分なために、粘度が高く吸引抵抗が大きい流体では、これに優先して摺接面から漏洩する空気を吸い込んでしまうからである。また、ポートを有するトロコイドポンプでは、吐出側のポートから摺接面に流体が押し出されて空気の漏洩を遮断する効果も期待されているが、ポートが大きすぎてポートの空間内に流体が容易に充満できず、いずれにしても上記した不具合を解消するには至っていない。
したがって本発明は、高粘度の流体であっても円滑に運転することができる内接歯車ポンプを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の内接歯車ポンプは、ケーシングの内部に、内歯を有するアウタロータを回転自在に設け、このアウタロータの内側に外歯を有するインナロータを内接させるとともに、上記ケーシングの開放された一端側がカバーによって閉塞された構造を有し、上記アウタロータおよびインナロータを回転させることにより、上記アウタロータの内歯と上記インナロータの外歯とが接触する仕切部どうしの間に形成される容積室を回転させながら容積を変化させ、容積が増加する容積室へ吸入口を介して流体を吸入するとともに容積が減少する容積室から吐出口へ流体を吐出する内接歯車ポンプにおいて、上記ケーシングの上記アウタロータおよびインナロータと摺接する内面のうち容積が減少する容積室が位置する部分に、容積室の回転方向に沿って延在する凹部を設け、この凹部を、容積が減少し始める位置における容積室と容積が増加し始める位置における容積室との円周方向中間部に配置し、さらに、凹部の外周側の縁部を上記内歯の歯底の回転軌跡よりも内周側に配置するか、凹部の内周側の縁部を上記外歯の歯底の回転軌跡よりも外周側に配置するか少なくともいずれか一方の配置を有することを特徴としている。
【0007】
上記構成の内接歯車ポンプにあっては、容積室の容積が増加することにより、その内部へ流体が吸入口を介して流入する。そして、容積室が回転して容積を減少し始めると容積室が凹部に重なり合い、容積室内の流体が凹部に吐出される。こうして、流体を吐出する容積室のそれぞれは凹部を介して互いに連通し、加圧された流体は、容積室から吐出口へ、あるいは凹部から吐出口へ吐出される。
ここで、上記内接歯車ポンプにおいて、容積が減少し始める位置における容積室と、容積が増加し始める位置における容積室との円周方向中間部に凹部を配置したのは、それら容積室に凹部が重なり合っていると、吐出側の容積室が吸入側の容積室と連通することになり、ポンプとして機能しなくなるからである。この場合、凹部の円周方向の縁部をこれら容積室を区画する仕切部に一致させることができる。
あるいは、凹部の円周方向縁部を仕切部よりも円周方向の内側に配置することもできる。このように構成することにより、容積室の容積が減少しているときに同容積室が凹部と重なり合っていない状態が生じ、加圧された流体の行き場が無い閉込みと呼ばれる状態となる。その結果、加圧された流体がロータとケーシングとの摺接面がなす隙間に押し出されて隙間をシールする。
【0008】
また、上記構成の内接歯車ポンプでは、凹部の外周側の縁部がアウタロータの内歯の歯底の回転軌跡よりも内周側に位置するか、凹部の内周側の縁部がインナロータの外歯の歯底の回転軌跡よりも外周側に位置するか少なくともいずれか一方の配置を有しているから、容積が減少しつつある容積室に凹部と重なり合わない閉塞部分が生じる。その閉塞部分が容積減少により加圧されると、流体の粘度が低い場合には凹部へ速やかに流入して圧力を開放するが、流体の粘度が高い場合には流体が閉塞部分に留められ、閉込みと同様の状態になる。すなわち、本発明では、流体の粘度が高ければ高い程流体の閉込みが起こり易くなり、上述したと同様に、ロータとケーシングとの隙間が流体によってシールされ易くなる。なお、そのような効果を確実に得るためには、閉塞部分の半径方向の寸法差は0.5mm以上であることが望ましい。
このように、本発明においては、流体の閉込み作用を起こり易くすることによりロータとケーシングとの隙間を流体でシールし、吐出側から吸入側への空気の漏洩を確実に防止することができる。よって、高粘度の流体であってもロータが空回りすることがなく、円滑に運転することができる。
なお、閉込みの状態を確実に得るためには、凹部の外周側の縁部をアウタロータの内歯の歯底の回転軌跡よりも内周側に配置し、かつ、凹部の内周側の縁部をインナロータの外歯の歯底の回転軌跡よりも外周側に配置するのが望ましい。
【0009】
凹部は、ケーシングおよびカバーの片側だけに設けることができる。この場合、吐出口の位置は凹部と同じ側であっても反対側であっても良い。また、その半径方向の幅がロータの回転方向へ向かうに従って漸次減少するような形状が望ましい。具体的には、凹部の外周側の縁部は、アウタロータの回転中心を中心とする円弧とし、内周側の縁部は、インナロータの回転中心を中心とする円弧とする。これにより、凹部の形状をロータの回転方向へ向けて先細りとなる略三日月状にする。凹部をこのように構成することにより、上述した閉塞部分がどの容積室においても形成され、流体によって隙間が均一にシールされる。
なお、凹部をケーシングおよびカバーの両側に設けることもでき、凹部を両側に設けることにより、流体が容積室から吐出口へ円滑に吐出され、脈動などの発生を有効に防止することができる。
【0010】
ところで、閉塞部分の流体は容積室から凹部へと流れるから、凹部が深過ぎると流体が流れ易くなって閉込みが生じ難くなる。一方、凹部が浅すぎると閉込みが許容限度を越え、ロータが回転しなくなるか、回転させることができても過大なトルクを必要とする。そこで、本発明者等は、凹部の深さについて定量的に解析した結果、流体に適度な閉込みを生じさせることができる凹部の深さを見い出した。すなわち、本発明によれば、インキなどのように粘度が1.8〜2.7×106cPの範囲の場合の凹部の適切な深さ(凹部をケーシングおよびカバーの両側に設けた場合には深さの合計)は、0.2mm以上で0.4mm以下である。
上記した凹部は、ロータの回転方向に沿って連続したものであるが、断続的に複数設けることもできる。ただし、この場合には、容積室どうしを互いに連通させるためにロータの反対側にも凹部を設ける必要がある。また、反対側にも断続的な凹部を設ける場合には、両側の凹部を平面的に投影したときに投影図が互いに連続するように配置する必要がある。このようにすることにより、容積室どうしが常に連通し、ポンプの円滑な運転が可能となる。
【0011】
さらに、ケーシングのアウタロータおよびインナロータと摺接する内面のうち容積が増加する容積室が位置する部分に、容積室の回転方向に沿って延在する凹部を設けることも可能である。このような吸入側の凹部を全く形成しない場合でも良好なポンプ性能を示すが、吸入側にも凹部に流体が満たされてロータの端面やケーシングの内面が濡れることにより、吐出側から漏洩する空気が遮断されるので、ロータとケーシングの隙間のシール性能を向上させることができる。
ただし、この場合の凹部も、上述したと同じ理由により、容積が減少し始める位置における容積室と、容積が増加し始める位置における容積室との円周方向中間部に配置する必要がある。また、この凹部は、ケーシングおよびカバーの片側だけか両側に設けることができるが、各凹部の深さは1mm以下にすることが望ましい。凹部の深さが1mmを上回ると、流動性の低い流体では凹部の空間に流体が満たされずに空隙部分が残り、シール性能を低下させてしまうからである。
【0012】
【発明の実施の形態】
A.トロコイドポンプの構成
以下、図1ないし図4を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、トロコイドポンプ(内接歯車ポンプ)の横断面図である。図中符号1はケーシングであり、ケーシング1には、有底円筒状の穴1aが形成されている。穴1aには、トロコイド歯形の内歯を有するアウタロータ3が回転自在に嵌合させられている。このアウタロータ3の内側には、トロコイド歯形の外歯を有するインナロータ2が内接させられ、両者の回転中心はそれぞれAとBとなっている。インナロータ2の外歯の歯数は、アウタロータ3の内歯の歯数よりも1つ少なく、内歯と外歯は、図1に示すように、仕切点(仕切部)P1〜P8で互いに接触している。そして、ケーシング1の開放された一側部は、カバー4(図2(b)参照)によって閉塞され、互いに隣接する仕切点P1〜P8どうしの間に形成された空間が、流体搬送空間である容積室V1〜V8とされている。なお、以下の説明においては、図1に示すトロコイドポンプの右半分を吸入側S、左半分を吐出側Dと称する。
【0013】
次に、図2を参照してケーシング1とカバー4の内面の構成について説明する。ケーシング1の穴1aの底(ロータ2,3の端面との摺動面)の吸入側Sには、平面視略円弧状をなす深さが0.5mmのポート(凹部)11が形成されている。ポート11の両端部は、図1に示す仕切点P1およびP4に位置している。また、インナロータ2の外歯の歯底の半径をR3とすると、ポート11の内周側の輪郭線は回転中心Bを中心とし半径R3の円弧と一致するか、あるいはその円弧よりも内周側に位置している。また、アウタロータ3の内歯の歯底の半径をR4とすると、ポート11の外周側の輪郭線は、回転中心Aを中心とし半径R4の円弧と一致するか、あるいはその円弧よりも外周側に位置している。これにより、ポート11は、吸入側Sの容積室V2〜V4全体をカバーするように包合している。
【0014】
また、ケーシング1の穴1aの底の吐出側Dには、異形ポート(凹部)10が形成されている。この異形ポート10は、深さが0.3mmとされ、その両端部は図1の仕切点P5および仕切点P8にそれぞれ位置している。この異形ポート10は、インナロータ2の回転中心Bを中心とし半径R2の円弧と、アウタロータ3の回転中心Aを中心とし半径R1の円弧とで囲まれる略三日月状をなしている。異形ポート10の内周側の輪郭線の半径R2は、インナロータ2の歯底の半径R3より大きく、外周側の輪郭線の半径R1は、アウタロータ3の歯底の半径R4より小さくされている。これら半径R1,R2のオフセット量(R3,R4との差)は、0.5mm以上とされている。
【0015】
次に、カバー4には、流体の吸入口5および吐出口6が断面円形の貫通孔として形成されている。また、カバー4の吸入側Sには、ポート13がケーシング1に設けたポート11と同じ位置に形成されている。ポート13は、ポート11と同じ大きさで勝手反対の形状とされ、深さは0.5mmとされている。そして、カバー4は、ケーシング1の一側部に取り付けられ、その内面がロータ2,3の端面と摺接するようになっている。
【0016】
B.トロコイドポンプの作用・効果
次に、上記構成のトロコイドポンプの動作について説明する。図1に示す状態では、容積室V1の容積が最も小さく、容積室V5の容積が最も大きくなっている。この状態からロータ2,3を図中矢印方向へ回転させると、容積室V1〜V4の容積は増加し、容積室V5〜V8の容積は減少する。ここで、ポート11,13の一端部は図1に示す仕切点P1に位置しているから、ロータ2,3が回転し始めると直ちにポート11,13に容積室V1が連通し、容積を増加しつつある容積室V1〜V4の総てがポート11,13と連通することになる。そして、容積室V1〜V4に生じた負圧により、流体が吸入口5からポート13を経由して各容積室V1〜V4に送られ、ポート11も流体で満たされるようになる。
【0017】
次に、異形ポート10の一端部は図1に示す仕切点P5に位置しているから、ロータ2,3が回転し始めると直ちにポート10に容積室V5が連通し、容積を減少しつつある容積室V5〜V8の総てが異形ポート10と連通することになる。そして、容積室V5〜V8内の流体が加圧されることにより、吐出口6に対向する容積室(例えばV7)から吐出口6へ流体が吐出される。
ここで、図3を参照して吐出側Dにおける流体の流れを説明する。図3は、仕切点8の近傍の縦断面図であり、説明の便宜のために要部を拡大誇張して模式的に示してある。図3に示すように、インナロータ2とアウタロータ3の間に容積室V8があり、ケーシング1のロータ2,3との摺動面には、異形ポート10が位置している。そして、加圧搬送されてきた容積室V8の流体は、異形ポート10内に圧送充填される。この場合、異形ポート10は、ロータ2,3の回転方向に向かうに従って楔状に狭くなっているから、容積の小さい容積室V8も異形ポート10と部分的に重なり合い、図3に斜線で示すような閉塞部分Vが容積室V8に生じている。
【0018】
今、インナロータ2が図中矢印X方向へ移動すると、容積室V8内の流体が加圧されるが、流体の粘度が高い場合には、流体は異形ポート10に速やかに流出することなく閉塞部分Vに留められる。その結果、容積室V8の内部が閉込みと同様の状態となり、ロータ2,3とケーシング1およびカバー4との隙間に流体が押し出される。そして、この流体がシールとなって吐出側Dから吸入側Sへの空気の漏洩が防止され、吸入側Sでの負圧が高められてポンプ効率が向上する。よって、高粘度の流体であってもロータ2,3が空回りすることがなく、円滑に運転することができる。
特に、上記実施の形態では、吸引側Sにもポート11,13を設けているので、図4に示すように、ポート11,13が流体で満たされることにより、ロータ2,3の端面を濡らしてシールする。これにより、吐出側Dの異形ポート10のシール効果と相まって、吐出側Dから漏洩する空気がほぼ完全に遮断され、ロータ2,3とケーシング1の隙間のシール性能を大幅に向上させることができる。なお、ポート11,13のうちいずれか一方のみを設けることもでき、あるいは、いずれも設けない構成にすることも可能である。この場合も、上記と同等の作用、効果を得ることができる。
【0019】
なお、液体として粘度2.7×106cPの印刷用インクを用い、吸入口5の負圧を測定した結果によれば、吐出側Dの異形ポート10を設けた本発明のトロコイドポンプでは、従来構造のトロコイドポンプに比べて、負圧が50%高くなった。
また、吐出側Dの異形ポート10に加えて、吸入側Sのポート11,13を設け、その深さを1mm以下としたトロコイドポンプでは、従来構造のトロコイドポンプの負圧より75%高くなった。
一方、吸入側Sのポート11,13の深さを2.5mmにしたものでは、従来のものに近い負圧を示し、ポート11,13の深さを深くするとインクの吸い込み状態が悪くなることが判った。
【0020】
C.変更例
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、以下のように種々の変更が可能である。
▲1▼図5に示すように、カバー4の吐出側Dにも上記異形ポート10と同等の異形ポート12を形成することができる。このように構成することにより、流体が容積室V5〜V8から吐出口6へ円滑に吐出され、脈動などの発生を有効に防止することができる。なお、ケーシング1にロータ2,3を装着する際に、摺動する部分に予め流体を塗布しておけば、初期の慣らし運転時間を短縮することができる。
▲2▼図6に示すように、ケーシング1の吐出側Dに、複数の異形ポート10をロータの回転方向に沿って断続的に設けることができる。なお、この場合には、カバー4の吐出側Dを図2(b)または図5のように構成することができる。
▲3▼異形ポート10の内周側の輪郭線は、回転中心Bを中心とし半径R3の円弧よりも内周側に位置させても良い。この場合もアウタロータ3の歯底の部分に閉塞部分が生じるので、上記と同様に閉込みの状態を得ることができる。同様に、異形ポート10の外周側の輪郭線は、回転中心Aを中心とし半径R4の円弧よりも外周側に位置させることができ、インナロータ2の歯底の部分に閉塞部分を設けるようにすることもできる。
▲4▼ロータ2,3の歯形はトロコイド歯形に限らず、インボリュート歯形やその他の歯形を用いることができる。
▲5▼インナロータの歯数は奇数であっても良い。
▲6▼上記実施の形態はインナロータの歯数がアウタロータの歯数よりも1つ少ない例であるが、3つあるいはもっと多数の歯数差を設けても良い。なお、この場合には、インナロータとアウタロータどうしが接触しない隙間が生じるので、その隙間を閉塞するための仕切板が必要となる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の内接歯車回転ポンプによれば、流体の閉込み作用を起こり易くすることによりロータとケーシングとの隙間を流体でシールし、吐出側から吸入側への空気の漏洩を確実に防止することができる。よって、ペースト状のような高粘度の流体であってもロータが空回りすることなく円滑に運転することができ、利用分野が拡大するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のトロコイドポンプの横断面図である。
【図2】 (a)は実施の形態のトロコイドポンプのケーシングの構造を示す平面図であり、(b)はカバーの構造を示す平面図である。
【図3】 トロコイドポンプの吐出側の縦断面を模式的に示した図である。
【図4】 トロコイドポンプの吸入側の縦断面を模式的に示した図である。
【図5】 カバーの構造の変更例を示す平面図である。
【図6】 異形ポートの変更例を示す平面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…インナロータ、3…アウタロータ、4…カバー、
5…吸入口、6…吐出口、10,12…異形ポート(凹部)、
11,13…ポート(凹部)、P1〜P8…仕切点(仕切部)、
V1〜V8…容積室。
Claims (3)
- ケーシング1の内部に、内歯を有するアウタロータ3を回転自在に設け、このアウタロータ3の内側に外歯を有するインナロータ2を内接させるとともに、上記ケーシング1の開放された一端側がカバー4によって閉塞された構造を有し、上記アウタロータ3およびインナロータ2を回転させることにより、上記アウタロータ3の内歯と上記インナロータ2の外歯とが接触する複数の仕切部P1〜P8どうしの間に形成される複数の容積室V1〜V8を回転させながら容積を変化させ、容積が増加する複数の容積室V1〜V4へ吸入口5を介して流体を吸入するとともに容積が減少する複数の容積室V5〜V8から吐出口6へ流体を吐出する内接歯車ポンプにおいて、
上記ケーシング1および上記カバー4の片側または両側の上記アウタロータ3およびインナロータ2と摺接する内面のうち容積が減少する複数の容積室V5〜V8が位置する部分に、容積室の回転方向に沿って延在し、かつ上記片側または両側の深さの合計が0.2〜0.4mmの吐出側凹部10を設け、さらに、吐出側凹部10の外周側の縁部を上記内歯の歯底の回転軌跡R4よりも内周側に配置するか、吐出側凹部10の内周側の縁部を上記外歯の歯底の回転軌跡R3よりも外周側に配置するか少なくともいずれか一方の配置を有し、かつ、上記吐出側凹部10の半径方向の幅を上記アウタロータ3およびインナロータ2の回転方向へ向かうに従って漸次減少させるとともに、上記ケーシング1および上記カバー4の片側または両側の上記アウタロータ3およびインナロータ2と摺接する内面のうち容積が増加する複数の容積室V1〜V4が位置する部分に、容積室の回転方向に沿って延在し、かつ上記片側または両側の深さが各々1mm以下の吸入側凹部11を設けたことを特徴とする粘度が1.8〜2.7×10 6 cPの高粘度流体圧送用内接歯車ポンプ。 - 前記吐出側凹部10を、前記容積室の回転方向に沿って断続的に複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の高粘度流体圧送用内接歯車ポンプ。
- 前記吐出側凹部10における前記外周側の縁部の半径方向寸法R1と前記内周側の縁部の半径方向寸法R2の差が0.5mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の高粘度流体圧送用内接歯車ポンプ。
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