JP4721319B2 - 水用内接歯車ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、自吸揚水して圧送するポンプとして好適な水用内接歯車ポンプに関する。
この種のポンプとしては、トロコイド歯形を有するアウタロータおよびインナロータをケーシングに回転自在に収容したトロコイドポンプが知られている。図12および図13を参照して従来のトロコイドポンプの一例を説明すると、アウタロータ40は環状であって、その内周部に複数の内歯41が形成され、一方、インナロータ50の外周部にはアウタロータ40の内歯41よりも歯数が1つ少ない外歯51が形成されている。
アウタロータ40は、ケーシング10に形成されたロータ収容凹部11に回転自在に嵌合され、インナロータ50は、外歯51をアウタロータ40の内歯41に内接して噛み合う偏心した状態に、アウタロータ40内に収容されている。両ロータ40,50が互いに接触する仕切点P間には、吸入側あるいは吐出側となる容積室Rが形成され、ケーシング10には、吸入側の容積室Rに連通する吸入通路12aと、吐出側の容積室Rに連通する吐出通路13aとが形成される。
インナロータ50の軸心にはシャフト30が固定され、図示せぬモータでシャフト30を介してインナロータ50を回転させると、外歯51がアウタロータ40の内歯41に噛み合うことによりアウタロータ40が同一方向に連れ回りし、この回転によって容積が増大する吸入側の容積室Rに吸入通路12aから水が吸入され、次いで、容積が減少する吐出側の容積室Rから、吸入した水が吐出通路13aに吐出される。ケーシング10には、ロータ収容凹部11を覆って上記各容積室を密封するためのカバー20が固定されており、このカバー20の内面に装着されたOリングからなるシール材80により、水の漏洩が防止されている。このようなトロコイドポンプは、例えば特許文献1により公知である。
特開平7−71374号公報
図12のLcはカバー20で閉塞されるロータ収容凹部11の深さであり、Ltは各ロータ40,50の厚さである。収容凹部11内で各ロータ40,50がスムーズに回転するには、Lc>Ltで表される隙間が必要であることは当然であるものの、この隙間は、特に吸入圧としての負圧が求められる吸入側においては、吸入側の容積室の密閉性を高める上で、なるべく小さいことが望まれる。
しかしながら、この隙間を微小にすることは、部品精度あるいは寸法精度を上げる必要があり、これはコストの面で困難である。そこで、吸入圧を高める手段として、ロータ収容凹部11の深さと各ロータ40,50の厚さを大きくすることが考えられるが、その場合には、モータの電流値を上げるか、あるいはモータを高性能化(高回転化あるいは高トルク化)する必要がある。
また、ポンプ内が空の状態でのドライ運転のときには、揚水高さ:揚程によっては上記隙間に起因して吸入圧が不足し、これを補うことは、モータ電流値の上昇や高性能化によって可能ではある。しかしながら、モータの電流値を増大させることは消費電力のロスにつながって運転コストの上昇を招き、また、モータを高性能化させることは、当然製造コストの上昇を招くことになる。
また、吸入圧を高くすることは、吐出量が増大するという点では好ましいが、反面、吐出側の容積室Rではより高圧となるため、各ロータ40,50を回転させるモータの負荷が大きくなる。この現象は、上記のドライ運転を経て水が吐出側の容積室Rに吸入されたときに、吸入側と吐出側の圧力の格差が大きくなるので顕著となる。吐出側の容積室Rの高圧化に伴う負荷の増大に対処するには、高トルク型のモータを採用すればよいが、これは上記のようにコストアップを招いてしまう。
よって本発明は、電流値を上げたりモータを高性能化させることなく、必要十分な吸入圧および吐出圧を確保することができ、結果として低コスト、かつ高効率で水を圧送することのできる水用内接歯車ポンプを提供することを目的としている。
本発明の水用内接歯車ポンプは、カバー固定面、およびこのカバー固定面に形成されたロータ収容凹部を有するケーシングと、内歯を有し、ケーシングのロータ収容凹部に回転自在に嵌合される環状のアウタロータと、外歯を有し、アウタロータ内に、外歯が内歯に内接して噛み合い、かつ、アウタロータの回転中心に対して偏心する状態で回転自在に収容されるインナロータと、ケーシングのカバー固定面に固定され、ロータ収容凹部を閉塞するカバーと、アウタロータとインナロータのいずれか一方を回転させる駆動源とを備え、内歯と外歯との間に、水が吸入される吸入側容積室と、水を吐出させる吐出側容積室とが形成される内接歯車ポンプにおいて、ケーシングのカバー固定面と、カバーとの間に、可撓性および水不透過性を有するシートが、ロータ収容凹所を覆う状態に挟まれているとともに、カバーにおけるシートに対向する内面に、外周部と中央部を残して、凹部が形成され、シートは、カバーの少なくとも中央部により押さえ付けられていることを特徴としている。
また、本発明の他の水用内接歯車ポンプは、カバー固定面、およびこのカバー固定面に形成されたロータ収容凹部を有するケーシングと、内歯を有し、ケーシングのロータ収容凹部に回転自在に嵌合される環状のアウタロータと、外歯を有し、前記アウタロータ内に、外歯が内歯に内接して噛み合い、かつ、アウタロータの回転中心に対して偏心する状態で回転自在に収容されるインナロータと、ケーシングのカバー固定面に固定され、ロータ収容凹部を閉塞するカバーと、アウタロータとインナロータのいずれか一方を回転させることにより、両ロータを回転させる駆動源とを備え、内歯と外歯との間に、水が吸入される吸入側容積室と、水を吐出させる吐出側容積室とが形成される内接歯車ポンプにおいて、ケーシングのカバー固定面と、カバーとの間に、可撓性および水不透過性を有するシートが、ロータ収容凹所を覆う状態に挟まれているとともに、カバーにおけるシートに対向する内面に、凹部が形成されるとともに、凹部が、吸入側容積室および吐出側容積室に対応する部分に分割されて形成されているか、もしくは吐出側容積室に対応する部分のみに形成され、前記シートは、前記カバーの少なくとも中央部により押さえ付けられていることを特徴とする。
本発明の水用内接歯車ポンプにおいては、アウタロータおよびインナロータが回転すること、容積が増大することにより負圧となって吸入圧が生じる吸入側容積室に水が吸入され、吸入された水は、容積が減少する吐出側容積室において高圧となり、吐出側容積室から吐出される。
上記動作が起こると、シートの吸入側容積室に対向する部分が、負圧によって各ロータ側に吸着し、吸入側容積室のカバー側の開口がシートによって密閉されるか、あるいはそれに近い状態になる。これによって、吸入側容積室のカバー側の開口とカバーとの間の隙間がなくなり、従来は存在していたこの隙間による圧力の漏れが起こりにくくなるので、吸入側容積室の吸入圧が上昇する。このため、低い吸入圧でも、実際に生じる吸入圧を高めることができ、その結果、必要十分な吸入圧を確保することができる。
吐出側容積室の過大な高圧化は、各ロータを回転させる駆動源の負荷を増大させることになるので、吐出量が確保される範囲で、その圧力は抑えられことが望ましい。本発明では、この状態を実現させるためとして、カバーにおけるシートに対向する内面の、吐出側容積室に対応する部分に、凹部が形成されていることを必須としている
本発明では、高圧となる吐出側容積室内の圧力を受けて、シートがカバーの凹部側に変形して膨らみ、吐出側容積室の容積が実質的に増大し、このため、吐出側容積室の圧力が低減する。吐出側容積室の圧力上昇が抑えられることは、特に、ドライ運転から水がポンプ内に吸入されたときに起こる吐出側容積室の過大な高圧化を未然に防ぐことができる点、および非圧縮性の水を圧送する点で、きわめて有意義である。また、シートの吐出側容積室に対応する部分が各ロータから離れるので、シートと各ロータとに生じる摩擦が低減する。このため、駆動源の負荷が低減して消費電力のロスが抑えられる。
本発明によると、上記のように吸入圧の上昇が効果的に達成されるが、各ロータに対するシートの吸着面積が大きい場合、駆動源の負荷が増大する。そこで、シートの吸入側容積室に対応する部分の一部に孔を形成して吸入側容積室内の圧力が適度にリークされる形態が好ましい構成として挙げられる。このようにシートの吸入側の一部に孔を形成するか、あるいは上記のようにカバー内面の吐出側に凹部を形成するか、さらには双方を組み合わせることにより、吸入側と吐出側の圧力をバランスよく調整して、必要十分なポンプ性能を得ることができる。また、カバーの凹部やシートの孔の大きさを調整することによってさらにポンプ性能を調整することができる。
また、ケーシングのカバー固定面とカバーとの間に挟まれるシートは、カバーをケーシングに固定することにより、ケーシングのロータ収容凹部の周囲において、カバー固定面およびカバー内面に液密的に密着させることができる。この形態により、シートを、水の漏洩を防止するシール材として兼用させることができる。
本発明の水用内接歯車ポンプによれば、モータの電流値を上昇させたりモータを高性能化させることなく、必要十分な吸入圧および吐出圧を確保することができ、結果として低コスト、かつ高効率で水を圧送することができるといった効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1の符号1は、本実施形態の水用トロコイドポンプの縦断面を示している。このトロコイドポンプ1は、ケーシング10、ケーシング10に固定されるカバー20、図示せぬモータにより回転させられるシャフト30、トロコイド歯形を有するアウタロータ40およびインナロータ50を備えている。図2は、カバー20を外した状態のケーシング10の平面図、図3はさらにアウタロータ40およびインナロータ50を外した状態のケーシング10の平面図である。
ケーシング10は、直方体状であって、上面(カバー固定面)10aの中央に、所定深さを有する円形のロータ収容凹部11が形成されている。ケーシング10の互いに平行をなす一対の側面には、これら側面から突出する吸入ノズル12および吐出ノズル13がそれぞれ形成されている。吸入ノズル12内の吸入通路12aは吸入口12bを経て、また、吐出ノズル13内の吐出通路13aは吐出口13bを経て、それぞれロータ収容凹部11に連通している。吸入口12bと吐出口13bは、図3に示すように、ロータ収容凹部11の外周とシャフト30の外周に沿った円弧状であり、ロータ収容凹部11の中心の両側に形成されている。
ロータ収容凹部11には、環状のアウタロータ40が回転自在に嵌合され、このアウタロータ40内に、インナロータ50が内接する状態で回転自在に収容されている。図2に示すように、アウタロータ40の内周部には、複数の内歯41が形成され、インナロータ50の外周部には、アウタロータ40の内歯41よりも歯数が1つ少ない外歯51が形成されている。そして、インナロータ50は、外歯51が内歯41に内接して噛み合い、その中心がアウタロータ40の中心に対して偏心する状態で、アウタロータ40内に収容されている。
インナロータ50の中心には、ケーシング10を貫通して回転自在に支持されるシャフト30の先端が固定されている。シャフト30は、ロータ収容凹部11が形成された上面10aとは反対側の底面側から挿入され、ケーシング10の底部には、シャフト30のオイルシール31が装着されている。
カバー20は、ケーシング10の上面10aの形状に合致する矩形状で、四隅に通されるねじ21を、上面10aに形成されたねじ孔14にねじ込んで締結することにより、ケーシング10に固定される。本実施形態では、このカバー20を固定する際に、カバー20と上面10aの間に、カバー20と同形状の図4に示すシート60を挟んで固定している。すなわち、図1に示すように、ケーシング10の上面10aとカバー20との間に、シート60がロータ収容凹部11を覆う状態に挟まれている。シート60は、可撓性および水不透過性を有する膜状の薄い材料からなるもので、フッ素樹脂等の樹脂や金属箔等が用いられる。
図1に示すように、アウタロータ40の内歯41とインナロータ50の外歯51は、複数の仕切点Pで互いに接触する。各仕切点P間およびシート60との間には、吸入側あるいは吐出側の容積室Rが形成される。吸入側と吐出側の区別は、同一方向に回転する各ロータ40,50の回転方向に応じてなされるが、この場合、吸入側の容積室Rは吸入ノズル12側に設定され、吐出側の容積室Rは吐出ノズル13側に設定される。
また、図5(a)に示すように、ケーシング10の上面10aに対向させられるカバー20の裏面には、外周部と中央部を残して、環状の凹部21が形成されている。この凹部21は、各容積室Rを覆う範囲に形成されている。凹部21に囲まれる中央部の凸部22によってシート60は押さえ付けられ、過度な変形が抑えられるようになっている。
なお、図5(a)は凹部21の一例を示しており、凹部21の形状は、図5(b)に示すように、C字状であって吸入側および吐出側に分割して対称的に形成されたものや、これと同様に対称的であって、図5(c)に示すように、半月状に形成されたものであってもよい。また、凹部21は、その機能の面から、吐出側のみに形成されていればよく、図5(d)は、吐出側に半月状に形成された場合を示している。
以上がトロコイドポンプ1の構成であり、このトロコイドポンプ1は、図1に示すように、貯水タンク70内に挿入される吸入管71を吸入ノズル12に接続し、モータを稼働させることにより、次の動作が起こって貯水タンク70内の水を吸い上げる。図1のHは、トロコイドポンプ1と貯水タンク70間の高さであって、水を吸い上げる揚程である。
モータの稼働により図2において反時計方向にシャフト30が回転し、同方向にインナロータ50が回転させられ、インナロータ50の外歯51がアウタロータ40の内歯41に噛み合いながら、アウタロータ40が同方向に連れ回りする。これによって、上記容積室Rは、容積が増大する吸入側(吸入ノズル12側)と、容積が減少する吐出側(吐出ノズル13側)とに分けられる。このようなロータ40,50の回転作用により、吸入側の容積室Rが吸入口12bに連通する状態と、吐出側の容積室Rが吐出口13bに連通する状態が繰り返し起こる。すると、貯水タンク70内の水は吸入管71を上昇し、吸入ノズル12から、吸入通路12a、吸入口12bを経て吸入側の容積室Rに吸入され、続いて、吐出側の容積室Rから吐出口13b、吐出通路13aを経て、吐出ノズル13から水が吐出されるポンプ作用が、連続的に行われる。
さて、上記のポンプ作用において、吸入側の容積室Rに水が流入する以前のドライ運転の状態では、図6に示すように、シート60の、吸入側の容積室Rに対向する部分が負圧によって各ロータ40,50側に吸着し、吸入側の容積室Rのカバー20側の開口が、シート60によって密閉されるか、あるいはそれに近い状態になる。これによって、吸入圧が上昇する。このように吸入圧が上昇することにより、低い吸入圧でも、実際に生じる吸入圧は高くなり、その結果、必要十分な吸入圧を確保することができる。各ロータ40,50に吸着されるシート60は、各ロータ40,50が回転することにより摩擦を受けるので、耐久性が高く、摩擦係数の低い摺動性の良好な材料であることが好ましい。また、ある程度の弾性を有するものであるといっそう好ましい。
次いで、水が吐出側の容積室Rに吸入されると、圧力が上昇することにより吐出圧が生じるが、このとき、シート60の、吐出側の容積室Rに対向する部分が、図7に示すようにカバー20の凹部21側に変形して膨らむ。この状態が継続して水は吐出されるが、シート60がカバー20の凹部21に入り込んで膨らむことにより、吐出側の容積室Rの容積が実質的に増大し、このため、吐出側の容積室Rの圧力の過大な上昇が抑えられる。このような吐出側でのシートの変形による容積増大は、特に、ドライ運転を経て水が吐出側の容積室Rに吸入されたとき、過大な高圧化が抑えられる点できわめて有効です。また、シート60が各ロータ40,50から確実に離れるので、シート60と各ロータ40,50との間には摩擦が生じず、このため、モータの負荷が低減して消費電力のロスが抑えられる。
本実施形態のトロコイドポンプ1によれば、吸入側でのシート60の吸着作用によって吸入圧を効果的に上昇させることができるので、電流値を上げたり、高性能なモータを用いたりすることによって、吸入圧を上昇させるといった手段を採る必要がない。また、吐出側ではシート60が膨らむことにより圧力の上昇が抑えられ、モータの負荷が低減する。これらの結果、消費電力のロスが抑えられるとともに、モータを高性能化させることなく必要十分な吸入圧および吐出圧を確保することができ、結果として低コスト、かつ高効率で水を圧送することができる。
また、シート60は、カバー20をケーシング10に固定することにより、ケーシング10のロータ収容凹部11の周囲において、ケーシング10の上面10aおよびカバー20の内面に液密的に密着する。これにより、シート60は、水の漏洩を防止するシール材として機能する。このため、図12のシール材80のように、シール材を別途設ける必要がなくなり、部品点数の増加に伴うコスト上昇が抑えられる。
図8は、シート60の変更例を示している。このシート60は、吸入側の容積室Rに対応する部分の一部に、孔61が形成されている。このシート60を上記実施形態と同様にして用いると、吸入側の容積室R内の圧力を、孔61の大きさに応じて適度にリークすることができる。このため、各ロータ40,50に対してシート60が必要以上に吸着することが防がれ、もってモータの負荷を低減させることができる。
上記のようにシート60の吸入側の一部に孔61を形成するか、あるいはカバー20の内面の吐出側に凹部21を形成するか、さらには双方を組み合わせることにより、吸入側と吐出側の圧力をバランスよく調整して、必要十分なポンプ性能を得ることができる。また、カバー20の凹部21やシート60の孔61の大きさを調整することによってさらにポンプ性能を調整することができる。
図1および図2に示したものと同様のトロコイドポンプを、実施例として組み立てた。すなわち実施例のトロコイドポンプは、ケーシングとカバーとの間にシートを挟んだ構成である。このシートとしては、厚さ0.2mm程度のフッ素樹脂製のシートを用いた。また、シートを用いない以外は、実施例と同様構成のトロコイドポンプを、比較例として組み立てた。
実施例および比較例のトロコイドポンプを、図1と同様の状態で揚程Hを1mとしてセットし、モータを稼働させて次の測定を行った。なお、ポンプ性能としては、モータに印加する電圧は12Vを適切な電圧とし、吐出量は1000cc/minが確保されていれば十分とする。また、揚程が1mの場合では、吸入圧(mmHg)が74mmHg以上で揚水が可能であることが公知である。
(1)吸入圧の測定
ドライ運転時のモータの電圧を適宜に変化させて、吸入管内の負圧すなわち吸入圧(mmHg)を測定した。図9はその結果を表しており、これによると、実施例では電圧が8Vで吸入圧が74mmHgを達成しており、8V以上で揚水が可能であった。これに対し、比較例では約14Vの電圧で74mmHg以上がやっと達成され、消費電力が実施例よりも多いことが判った。
(2)電流値の測定
ドライ運転時のモータの電圧を適宜に変化させて、モータに流れる電流値(A)を測定した。図10はその結果を表しており、これによると、実施例の電流値は比較例より低く、消費電力が少ないことが実証された。
(3)吐出量の測定
水を吐出する連続運転時の電圧を適宜に変化させて、吐出量(cc)を測定した。図11はその結果を示しており、これによると、比較例の方が実施例よりも吐出量が多いが、必要な吐出量:1000cc/minは、実施例の場合には10Vの印加電圧で達成されている。したがって、実施例でも必要十分な吐出量が確保されることが判った。
本発明の一実施形態に係るトロコイドポンプを貯水タンクにセットした状態の縦断面図である。 図1のII−II線矢視図である。 ケーシングの平面図である。 シートの平面図である。 (a)〜(d)は、カバーの内面であって、形成される凹部の形態例を示す図である。 一実施形態のトロコイドポンプのドライ運転状態を示す縦断面図である。 一実施形態のトロコイドポンプの水圧送運転状態を示す縦断面図である。 シートの変更例を示す平面図である。 実施例で測定したトロコイドポンプの電圧と吸入圧との関係を示すグラフである。 実施例で測定したトロコイドポンプの電圧と電流との関係を示すグラフである。 実施例で測定したトロコイドポンプの電圧と吐出量との関係を示すグラフである。 従来のトロコイドポンプの一例を示す縦断面図である。 図12のXIII−XIII線矢視図である。
符号の説明
1…トロコイドポンプ(内接歯車ポンプ)、10…ケーシング、
10a…上面(カバー固定面)、11…ロータ収容凹部、20…カバー、
21…カバー内面の凹部、40…アウタロータ、41…内歯、50…インナロータ、
51…外歯、60…シート、61…シートの孔、R…容積室。

Claims (4)

  1. カバー固定面、およびこのカバー固定面に形成されたロータ収容凹部を有するケーシングと、
    内歯を有し、前記ケーシングの前記ロータ収容凹部に回転自在に嵌合される環状のアウタロータと、
    外歯を有し、前記アウタロータ内に、外歯が前記内歯に内接して噛み合い、かつ、アウタロータの回転中心に対して偏心する状態で回転自在に収容されるインナロータと、
    前記ケーシングの前記カバー固定面に固定され、前記ロータ収容凹部を閉塞するカバーと、
    前記アウタロータと前記インナロータのいずれか一方を回転させることにより、両ロータを回転させる駆動源とを備え、
    前記内歯と前記外歯との間に、水が吸入される吸入側容積室と、水を吐出させる吐出側容積室とが形成される内接歯車ポンプにおいて、
    前記ケーシングの前記カバー固定面と、前記カバーとの間に、可撓性および水不透過性を有するシートが、前記ロータ収容凹所を覆う状態に挟まれているとともに、前記カバーにおける前記シートに対向する内面に、外周部と中央部を残して、凹部が形成され、前記シートは、前記カバーの少なくとも中央部により押さえ付けられていることを特徴とする水用内接歯車ポンプ。
  2. カバー固定面、およびこのカバー固定面に形成されたロータ収容凹部を有するケーシングと、
    内歯を有し、前記ケーシングの前記ロータ収容凹部に回転自在に嵌合される環状のアウタロータと、
    外歯を有し、前記アウタロータ内に、外歯が前記内歯に内接して噛み合い、かつ、アウタロータの回転中心に対して偏心する状態で回転自在に収容されるインナロータと、
    前記ケーシングの前記カバー固定面に固定され、前記ロータ収容凹部を閉塞するカバーと、
    前記アウタロータと前記インナロータのいずれか一方を回転させることにより、両ロータを回転させる駆動源とを備え、
    前記内歯と前記外歯との間に、水が吸入される吸入側容積室と、水を吐出させる吐出側容積室とが形成される内接歯車ポンプにおいて、
    前記ケーシングの前記カバー固定面と、前記カバーとの間に、可撓性および水不透過性を有するシートが、前記ロータ収容凹所を覆う状態に挟まれているとともに、前記カバーにおける前記シートに対向する内面に、凹部が形成されるとともに、
    前記凹部が、前記吸入側容積室および前記吐出側容積室に対応する部分に分割されて形成されているか、もしくは前記吐出側容積室に対応する部分のみに形成され、前記シートは、前記カバーの少なくとも中央部により押さえ付けられていることを特徴とする水用内接歯車ポンプ。
  3. 前記シートの、前記吸入側容積室に対応する部分の一部に、孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水用内接歯車ポンプ。
  4. 前記シートが、前記ロータ収容凹部の周囲において前記カバー固定面および前記カバー内面に液密的に密着していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水用内接歯車ポンプ。
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