JPH09324693A - 燃料性状検出装置 - Google Patents

燃料性状検出装置

Info

Publication number
JPH09324693A
JPH09324693A JP14038496A JP14038496A JPH09324693A JP H09324693 A JPH09324693 A JP H09324693A JP 14038496 A JP14038496 A JP 14038496A JP 14038496 A JP14038496 A JP 14038496A JP H09324693 A JPH09324693 A JP H09324693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
value
amount
property
routine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14038496A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Yamaki
眞仁 八巻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP14038496A priority Critical patent/JPH09324693A/ja
Publication of JPH09324693A publication Critical patent/JPH09324693A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在の燃料性状の学習値が有効か否かを判断
し、燃料補給や燃料入れ替え等により燃料性状が変化し
た場合にも対処する。 【解決手段】 今回の燃料残量FLNEWと前回の燃料残量
FLOLDとの差から燃料残存量の変化量ΔFLを算出し、
この変化量ΔFLが設定値FLS以上か否かを調べ、ΔFL
≧FLSのとき、燃料が補給されて燃料残存量が増加した
ためバックアップRAMにストアされている燃料重質度
FUTの記憶値が有効でなくなったと判断し、バックア
ップRAMの燃料重質度FUTを初期値FUTINIで初
期化する。これにより、燃料性状の影響が最も大きいエ
ンジン始動時や始動直後に、不適切な燃料性状の学習値
を用いて空燃比が悪化することを未然に防止することが
でき、常に適正な空燃比制御を可能とすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク内に貯
留された燃料の燃料性状を検出する燃料性状検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の燃料事情により、自動車等の車両
においては、標準と異なる性状の燃料、例えば、ガソリ
ンエンジン車においては、標準の軽質ガソリンに対して
重質ガソリンが使用される場合があり、このような燃料
性状の相違に対処するため、燃料性状を検出して燃料噴
射量を制御し、排気エミッションの悪化を防止するシス
テムが開発されている。
【0003】従来、燃料性状を検出する技術としては、
燃料の比重や静電容量等を測定して燃料性状を検出する
技術、空燃比学習値等に基づいて燃料性状を検出する技
術等が提案されており、例えば、特開平4−25963
9号公報には、燃料性状によって燃料応答の違いが現れ
やすい機関の過渡時に、実空燃比の目標空燃比からのエ
ラー面積及びエラーの最大値、最小値を学習し、これら
の学習値に基づき燃料性状としての燃料重質度を求め、
求めた燃料重質度学習値に基づき、空燃比フィードバッ
ク補正係数を修正して燃料性状の違いに拘わらず空燃比
を適正に制御する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ン始動時等に燃料性状の学習値を用いて空燃比を制御す
る場合、燃料補給あるいは燃料入れ替え等により燃料タ
ンク内の燃料性状が変化していると、適正な空燃比制御
を行うことが困難となる。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、現在の燃料性状の学習値が有効か否かを判断し、燃
料補給や燃料入れ替え等により燃料性状が変化した場合
にも対処することのできる燃料性状検出装置を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
燃料タンク内に貯留された燃料の燃料性状を検出し、検
出した燃料性状を学習値として記憶する燃料性状検出装
置において、図1(a)の基本構成図に示すように、上
記燃料タンク内の燃料残存量を検出する燃料残存量検出
手段と、上記燃料残存量検出手段で検出した現在の燃料
残存量と過去の燃料残存量との差が設定値以上のとき、
上記燃料性状の学習値を初期値にリセットする燃料性状
補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、燃料タンク内に貯
留された燃料の燃料性状を検出し、検出した燃料性状を
学習値として記憶する燃料性状検出装置において、図1
(b)の基本構成図に示すように、上記燃料タンク内の
燃料残存量を検出する燃料残存量検出手段と、上記燃料
残存量検出手段で検出した現在の燃料残存量と過去の燃
料残存量との差が設定値以上あるいは規定値以下のと
き、上記差に基づき燃料性状の補正値を設定する燃料性
状補正値設定手段と、上記燃料性状補正値設定手段で設
定した補正値に基づき上記燃料性状の学習値を初期値に
近づけるよう補正する燃料性状補正手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0008】すなわち、請求項1記載の発明では、燃料
タンク内の燃料残存量を検出し、現在の燃料残存量と過
去の燃料残存量との差が設定値以上のとき、燃料性状を
検出して学習した値を初期値にリセットする。
【0009】請求項2記載の発明では、燃料タンク内の
燃料残存量を検出し、現在の燃料残存量と過去の燃料残
存量との差が設定値以上あるいは規定値以下のとき、燃
料残存量の差に基づき燃料性状の補正値を設定する。そ
して、この補正値に基づき燃料性状の学習値を初期値に
近づけるよう補正する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図2〜図13は本発明の実施の第
1形態に係わり、図2は燃料性状補正ルーチンのフロー
チャート、図3は燃料性状検出ルーチンのフローチャー
ト、図4は気筒判別・エンジン回転数算出ルーチンのフ
ローチャート、図5及び図6は燃料噴射量設定ルーチン
のフローチャート、図7はθ3クランクパルス入力同期
ルーチンのフローチャート、図8はTMSTART割込みルー
チンのフローチャート、図9はエンジン制御系の概略構
成図、図10はクランクロータとクランク角センサの正
面図、図11はカムロータとカム角センサの正面図、図
12は電子制御系の回路構成図、図13は燃料噴射のタ
イミングチャートである。
【0011】図9において、符号1はエンジンであり、
図においては水平対向型4気筒ガソリンエンジンを示
す。このエンジン1のシリンダブロック1aの左右両バ
ンクには、シリンダヘッド2がぞれぞれ設けられ、各シ
リンダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート2bとが
形成されている。
【0012】上記吸気ポート2aには、インテークマニ
ホルド3が連通され、このインテークマニホルド3の上
流側集合部に形成されたエアチャンバ4を介して吸気管
5が連通されている。一方、上記排気ポート2bには、
エキゾーストマニホルド6を介して排気管7が連通さ
れ、この排気管7の上記エキゾーストマニホルド6の集
合部直下流に触媒コンバータ8が介装され、また、下流
端にマフラ9が介装されている。
【0013】上記吸気管5の上流の空気取入れ口側に
は、エアクリーナ10が取付けられ、中途にスロットル
弁11が介装されている。さらに、上記吸気管5には、
上記スロットル弁11をバイパスするバイパス通路12
が接続されており、このバイパス通路12にアイドルス
ピードコントロール(ISC)弁13が介装されてい
る。
【0014】また、上記インテークマニホルド3の各気
筒の各吸気ポート2aの直上流側にはインジェクタ14
が臨まされ、上記シリンダヘッド2の各気筒毎に、その
先端を燃焼室に露呈する点火プラグ15aが取付けられ
ている。この点火プラグ15aには、各気筒毎に配設さ
れた点火コイル15bを介してイグナイタ16が接続さ
れている。
【0015】上記インジェクタ14は、燃料ライン17
を介して燃料タンク18に連通されており、この燃料タ
ンク18内にはインタンク式の燃料ポンプ19が設けら
れている。この燃料ポンプ19からの燃料は、上記燃料
ライン17に介装された燃料フィルタ20を経て上記イ
ンジェクタ14及びプレッシャレギュレータ21に圧送
され、このプレッシャレギュレータ21から上記燃料タ
ンク18にリターンされて、インジェクタ14に対する
燃料圧力が所定の圧力に調圧される。
【0016】一方、符号22は、EGR通路であり、こ
のEGR通路22の一端が上記シリンダヘッド2に形成
した少なくとも1つの排気ポート2bに連通され、他端
が上記エアーチャンバ4に連通されている。また、この
EGR通路22の中途には、ダイヤフラムアクチュエー
タからなるEGR弁23が介装されている。
【0017】上記EGR弁23は、上記EGR通路22
を開閉する弁体と、ダイヤフラムによって弁体側から仕
切られ、上記弁体を閉弁方向に付勢するスプリングを格
納した圧力室とから構成されており、上記圧力室は上記
吸気管5の上記スロットル弁11の直下流に制御圧通路
24を介して連通され、この制御圧通路24に、後述す
る電子制御装置(ECU;図12参照)40によってO
N,OFFされるEGRカット用ソレノイド弁25が介
装されている。
【0018】次に、センサ類の配置について説明する。
符号26はホットワイヤ或はホットフィルム等を用いた
熱式の吸入空気量センサであり、上記吸気管5の上記エ
アクリーナ10の直下流に介装されている。また、上記
スロットル弁11に、スロットル開度を検出するスロッ
トル開度センサとスロットル全閉でONするアイドルス
イッチとを内蔵したスロットルセンサ27が連設され、
上記燃料タンク18内には、燃料残存量を検出するた
め、例えばフロートと、このフロートに連設されるポテ
ンショメータ等からなる燃料残量センサ35が取り付け
られている。
【0019】また、上記エンジン1のシリンダブロック
1aにノックセンサ28が取付けられると共に、このシ
リンダブロック1aの左右両バンクを連通する冷却水通
路1dに冷却水温センサ29が臨まされ、上記排気管7
の触媒コンバータ8上流側に、O2センサ30が臨まさ
れている。また、クランクシャフト1bに軸着するクラ
ンクロータ31の外周に、クランク角センサ32が対設
され、さらに、カムシャフト1cに連設するカムロータ
33に、気筒判別用のカム角センサ34が対設されてい
る。
【0020】上記クランクロータ31は、図10に示す
ように、その外周に突起31a,31b,31cが形成
され、これらの各突起31a,31b,31cが、各気
筒(#1,#2と#3,#4)の圧縮上死点前(BTD
C)θ1,θ2,θ3の位置に形成されており、本形態にお
いては、θ1=97°CA、θ2=65°CA、θ3=1
0°CAである。
【0021】また、図11に示すように、上記カムロー
タ33の外周には、気筒判別用の突起33a,33b,
33cが形成され、突起33aが#3,#4気筒の圧縮
上死点後(ATDC)θ4の位置に形成され、突起33
bが3個の突起で構成されて最初の突起が#1気筒のA
TDCθ5の位置に形成されている。さらに、突起33
cが2個の突起で形成され、最初の突起が#2気筒のA
TDCθ6の位置に形成されている。本形態において
は、θ4=20°CA、θ5=5°CA、θ6=20°C
Aである。
【0022】そして、図13のタイミングチャートに示
すように、上記クランクロータ31の各突起が上記クラ
ンク角センサ32によって検出され、θ1,θ2,θ3(B
TDC97°,65°,10°)のクランクパルスがエ
ンジン1/2回転毎(180°CA毎)に出力される一
方、θ3クランクパルスとθ1クランクパルスとの間で上
記カムロータ33の各突起が上記カム角センサ34によ
って検出され、所定数の気筒判別パルスが出力される。
【0023】後述するように、上記ECU40(図12
参照)では、上記クランク角センサ32から出力される
クランクパルスの入力間隔時間に基づいてエンジン回転
数NEを算出し、また、各気筒の燃焼行程順(例えば、
#1気筒→#3気筒→#2気筒→#4気筒)と、上記カ
ム角センサ34からの気筒判別パルスをカウンタによっ
て計数した値とのパターンに基づいて、燃料噴射対象気
筒や点火対象気筒の気筒判別を行う。
【0024】上記ECU40は、図12に示すように、
CPU41、ROM42、RAM43、バックアップR
AM44、及びI/Oインタフェース45がバスライン
を介して互いに接続されるマイクロコンピュータを中心
として構成され、各部に安定化電源を供給する定電圧回
路46、上記I/Oインタフェース45に接続される駆
動回路47等の周辺回路が内蔵されている。
【0025】上記定電圧回路46は、ECUリレー48
のリレー接点を介してバッテリ49に接続されるととも
に、このバッテリ49に、直接、接続され、イグニッシ
ョンスイッチ50のON,OFFに拘わらず上記バック
アップRAM44に常時バックアップ用の電源を供給す
るようになっている。
【0026】また、上記バッテリ49には、上記イグニ
ッションスイッチ50を介して上記ECUリレー48の
リレーコイルの一端が接続されており、このリレーコイ
ルの他端が接地されている。さらに、上記バッテリ49
には、燃料ポンプリレー51のリレー接点を介して燃料
ポンプ19が接続されており、上記燃料ポンプリレー5
1は、そのリレーコイルの一端が上記バッテリ49に接
続され、リレーコイルの他端が上記駆動回路47に接続
されている。
【0027】また、上記I/O インタフェース45の
入力ポートには、吸入空気量センサ26、スロットルセ
ンサ27、ノックセンサ28、冷却水温センサ29、O
2センサ30、クランク角センサ32、カム角センサ3
4、燃料残量センサ35、車速センサ52、及び、ニュ
ートラルスイッチ53等が接続され、さらに、バッテリ
49からのバッテリ電圧が入力されてモニタされる。
尚、上記ニュートラルスイッチ53は、自動変速機搭載
車では、シフト位置がニュートラルレンジ(Nレンジ)
あるいはパーキングレンジ(Pレンジ)のときONし、
マニュアル変速機搭載車では、シフト位置がニュートラ
ルのときONするスイッチである。
【0028】一方、上記I/O インタフェース45の
出力ポートには、イグナイタ16が接続されるととも
に、上記駆動回路47を介して、ISC弁13、インジ
ェクタ14、及び、EGRカット用ソレノイド弁25等
が接続されている。
【0029】上記ROM42には、エンジン制御プログ
ラムや各種の故障診断プログラム、、マップ類等の固定
データが記憶されており、また、上記RAM43には、
上記各センサ類、スイッチ類の出力信号を処理した後の
データ、及び上記CPU41で演算処理したデータが格
納される。また、上記バックアップRAM44には、各
種学習マップやトラブルデータ等がストアされている。
【0030】上記CPU41では、上記ROM42に記
憶されている制御プログラムに従って、I/Oインタフ
ェース45を介して入力されるセンサ・スイッチ類から
の検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM43
及びバックアップRAM44に格納される各種データ、
ROM42に記憶されている固定データ等に基づき、燃
料噴射量、点火時期、ISC弁13に対する駆動信号の
デューティ比等の各種制御量を演算し、各種アクチュエ
ータ類を駆動して燃料噴射制御、点火時期制御、アイド
ル回転数制御、EGR制御等の各種制御を行う。
【0031】この場合、燃料噴射制御においては、燃料
タンク18内に貯留された燃料の燃料性状を検出して学
習値として記憶し、この学習値に基づき燃料性状を燃料
噴射量設定に反映させて燃料性状に拘わらず最適な燃焼
性を確保するようにしているが、燃料補給や燃料入れ替
え等により燃料性状が変化し、燃料性状の学習値が有効
でなくなる場合がある。
【0032】このため、上記ECU40では、燃料タン
ク18内の燃料残存量から燃料性状の学習値が有効か否
かを判断するようにしており、記憶されている燃料性状
の学習値を用いる再始動時等にも適切な空燃比制御が可
能となるようにしている。すなわち、上記ECU40、
及び、上記ECU40に接続されるセンサ類・アクチュ
エータ類により、請求項1記載の発明に係る燃料残存量
検出手段及び燃料性状補正手段の機能が実現される。
【0033】以下、上記ECU40による燃料性状検出
に係る処理について、図2〜図8に示すフローチャート
に従って説明する。
【0034】まず、イグニッションスイッチ50がON
され、ECU40に電源が供給されると、システムがイ
ニシャライズされ、各フラグ、各カウンタ類が初期化さ
れる。そして、図示しないスタータスイッチがONされ
てエンジンがクランキングされ、エンジンが稼働する
と、クランク角センサ32からのクランクパルス入力毎
に、図4に示す気筒判別・エンジン回転数算出ルーチン
が起動される。
【0035】この気筒判別・エンジン回転数算出ルーチ
ンでは、クランク角センサ32からの所定の数のクラン
クパルスが入力されると、まず、ステップS101で、今回
入力されたクランクパルスがθ1,θ2,θ3のいずれのク
ランク角に対応する信号かをカム角センサ34からのカ
ムパルスの入力パターンに基づいて識別し、ステップS1
02で、クランクパルスと気筒判別パルスの入力パターン
から燃料噴射対象気筒を判別する。
【0036】すなわち、図13のタイミングチャートに
示すように、例えば、前回クランクパルスが入力してか
ら今回クランクパルスが入力されるまでの間に気筒判別
パルス入力が有れば、今回のクランクパルスはθ1クラ
ンクパルスであると識別でき、さらに次回入力されるク
ランクパルスはθ2クランクパルスと識別できる。
【0037】また、前回と今回とのクランクパルス入力
間に気筒判別パルス入力がなく前々回と前回とのクラン
クパルス入力間に気筒判別パルス入力が有ったときには
今回のクランクパルスはθ2クランクパルスと識別で
き、次回入力されるクランクパルスはθ3クランクパル
スと識別できる。また、前回と今回との間、及び前々回
と前回とのクランクパルス入力間に、何れも気筒判別パ
ルス入力が無いときには、今回入力されたクランクパル
スはθ3クランクパルスと識別でき、次回入力されるク
ランクパルスはθ1クランクパルスと識別できる。
【0038】さらに、前回と今回とのクランクパルス入
力間に気筒判別パルスが3個入力(突起33bに対応す
るθ5気筒判別パルス)したときには、次の圧縮上死点
は#3気筒であり、燃料噴射対象気筒は、その2つ後の
#4気筒となることが判別することができる。また、前
回と今回とのクランクパルス入力間に気筒判別パルスが
2個入力(突起33cに対応するθ6気筒判別パルス)
したときには、次の圧縮上死点は#4気筒であり、燃料
噴射対象気筒は#3気筒と判別できる。
【0039】また、前回と今回とのクランクパルス入力
間に気筒判別パルスが1個入力(突起33aに対応する
θ4気筒判別パルス)し、前の圧縮上死点判別が#4気
筒であったときには、次の圧縮上死点は#1気筒であ
り、燃料噴射気筒は#2気筒と判別できる。同様に、前
回と今回とのクランクパルス入力間に気筒判別パルスが
1個入力し、前の圧縮上死点判別が#3気筒であったと
きには次の圧縮上死点は#2気筒であり、燃料噴射対象
気筒は#1気筒と判別できる。
【0040】本形態の4サイクル4気筒エンジン1で
は、燃焼行程は#1→#3→#2→#4の気筒順であ
り、気筒判別パルス出力後の圧縮上死点となる#i気筒
を#1気筒とすると、このときの燃料噴射対象気筒#i
(+2)は#2気筒であり、次の燃料噴射対象気筒は#4気
筒となり、燃料噴射は該当気筒に対して720°CA
(エンジン2回転)毎に1回のシーケンシャル噴射が行
われる。
【0041】また、吸気タイミングは、各気筒において
吸気バルブが圧縮行程初期に閉弁し、吸気行程の開始直
前(例えばBTDC5°CA)に開弁するよう設定され
ている。従って、当該気筒の吸気バルブが開き始める直
前に燃料噴射を完了させるためには、少なくとも2気筒
前のクランクパルスに基づいて燃料噴射タイミングを設
定する必要がある。
【0042】その後、上記ステップS102からステップS1
03へ進み、前回のクランクパルスが入力されてから今回
のクランクパルスが入力された間のパルス入力間隔時間
(例えば、θ1クランクパルスとθ2クランクパルスの入
力間隔時間)を計時して回転周期fを求め、ステップS1
04で、この回転周期fからエンジン回転数NEを算出し
てRAM43の所定アドレスにストアし、ルーチンを抜
ける。
【0043】一方、図5及び図6に示すフローチャート
は、システムイニシャライズ後、所定周期毎に実行され
る燃料噴射量設定ルーチンであり、燃料噴射対象気筒毎
に燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅Tiが設定され
る。
【0044】この燃料噴射量設定ルーチンにおいては、
まず、ステップS201で、前述の気筒判別・エンジン回転
数算出ルーチンによって算出されたエンジン回転数NE
と、吸入空気量センサ26からの出力信号に基づく吸入
空気量Qとから、基本燃料噴射量を定める基本燃料噴射
パルス幅Tpを算出する(Tp←K×Q/NE;K…イン
ジェクタ特性補正定数)。
【0045】次に、ステップS202へ進み、エンジン温度
を代表する冷却水温TWに基づき、燃料噴射量を増量補
正してエンジン冷態時の運転性を確保するための水温増
量係数KTWを設定すると、ステップS203で、アイドル解
除時のもたつきを防止するためのアイドル後増量係数K
AIを設定する。
【0046】上記水温増量係数KTWは、ステップS202中
に図示されるように、冷却水温TWすなわちエンジン温
度が低いほど燃料増量率を増すように設定されており、
また、上記アイドル後増量係数KAIは、設定車速以下
で、且つスロットル全閉からスロットル開への移行時
に、例えば冷却水温TWに基づいて初期値が設定され、
ステップS203中に図示するように、その後、ルーチン実
行毎に設定値ずつ減少させられ、最終的に補正無しの値
となる。
【0047】続くステップS204では、単位時間当たりの
スロットル開度変化ΔThと、冷却水温TWとに基づ
き、加速時における吸入空気量センサ26による吸入空
気量Qの計測遅れ及びこれに伴う燃料増量遅れを補償し
て応答性を確保するための加速増量係数KACC を設定
し、ステップS205へ進む。
【0048】ステップS205では、後述する図3の燃料性
状検出ルーチンによって検出され、バックアップRAM
44の所定アドレスにストアされている燃料性状(本形
態ではガソリン性状)としての燃料重質度FUTを読出
し、この燃料重質度FUTに応じてガソリン性状補正係
数KJGASを設定する。このガソリン性状補正係数KJGAS
は、ステップS205中に図示するように、燃料重質度FU
Tが大きくなると、それに応じて増加するようになって
おり、ガソリン性状が重質である程、ガソリンが気化し
難いため、燃料増量補正量を大きくするようになってい
る。
【0049】そして、ステップS206へ進み、以上の各係
数を総括する各種増量係数COEFを算出すると(CO
EF←1+KTW+KAI+KACC+KJGAS)、ステップS20
7で、O2センサ30の出力電圧に基づき空燃比を目標空
燃比に近付けるための空燃比フィードバック補正係数α
をRAM43の所定アドレスから読出し、ステップS208
で、エンジン回転数NEとエンジン負荷を表す基本燃料
噴射パルス幅Tpとに基づいて、吸入空気量センサ26
等の吸入空気計測系やインジェクタ14等の燃料供給系
の生産時のばらつきや経時変化による空燃比のずれ等を
学習した結果が記憶されるバックアップRAM44の空
燃比学習マップを参照して学習値KLRを検索し、補間計
算により空燃比学習補正係数KBLRCを設定する。
【0050】続くステップS209では、バッテリ49の端
子電圧VBに基づいてインジェクタ14の無効噴射時間
を補間する電圧補正係数TSを設定し、ステップS210
で、上記基本燃料噴射パルス幅Tpに、上記各種増量係
数COEF及び上記空燃比フィードバック補正係数αを
乗算して空燃比補正するとともに、上記空燃比学習補正
係数KBLRCを乗算して学習補正し、さらに、上記電圧補
正係数Tsを加算して電圧補正し、最終的な燃料噴射量
を定める燃料噴射パルス幅Tiを設定する(Ti←Tp×
COEF×α×KBLRC+Ts)。
【0051】その後、ステップS211へ進み、後述する図
3の燃料性状検出ルーチンによる燃料重質度判定中であ
ることを示す燃料重質度判定フラグFFUTを参照し、FF
UT=0で燃料重質度判定中でないとき、ステップS212へ
進んで、燃料重質度判定の際に燃料噴射終了タイミング
を遅角化するための噴射終了時期(角度)遅角加算値θ
DEを0とした(θDE←0)後、ステップS216で噴射回数
をカウントするためのカウント値C2をクリアして(C
2←0)ステップS217へ進む。
【0052】一方、上記ステップS211においてFFUT=
1であり、燃料重質度判定中のときには、上記ステップ
S211からステップS213へ進んでカウント値C2が設定値
CS2以上か否かを調べ、C2<CS2のとき、ステップS2
15でカウント値C2をカウントアップして(C2←C2
+1)ステップS217へ進み、C2≧CS2のとき、ステッ
プS214へ進んで噴射終了時期遅角加算値θDEを設定値θ
Sだけ増加させ(θDE←θDE+θS)、前述のステップS2
16でカウント値C2をクリアしてステップS217へ進む。
すなわち、燃料重質度判定中は、設定値CS2に相当する
噴射回数毎に、設定値θSずつ燃料噴射終了タイミング
を遅角化することになり、上記ステップS214における噴
射終了時期遅角加算値θDEは遅角累計値となる。
【0053】ステップS217では、噴射開始タイミングT
MSTARTを設定する。この噴射開始タイミングTMSTART
は、図13に示すように、θ2クランクパルスが入力さ
れてからθ3クランクパルスが入力されるまでの時間を
Tθ2・3、θ3クランクパルスから噴射対象気筒の吸気
上死点までのクランク角度をθM、θ2,θ3クランクパル
ス間の角度(例えば、55°CA)をθ2・3とすると、
後述する図3の燃料性状検出ルーチンによる燃料重質度
判定中でないときには、θ3クランクパルスを基準とし
て各気筒の吸気上死点より設定角度TENDIJ(例え
ば、30°CA)前に燃料噴射が終了するよう設定され
るが、燃料重質度判定中は、噴射終了タイミングを上記
噴射終了時期遅角加算値θDEだけ強制的に遅角化した値
に設定される(TMSTART←(Tθ2・3/θ2・3)×θM−
{Ti+(Tθ2・3/θ2・3)×(TENDIJ−θD
E)})。
【0054】そして、ステップS218で燃料噴射パルス幅
Tiを燃料噴射対象気筒の噴射タイマにセットするとと
ともに、ステップS219で噴射開始タイミングTMSTARTを
燃料噴射対象気筒の噴射開始タイミングタイマにセット
し、ルーチンを抜ける。
【0055】その結果、θ3クランクパルス入力に同期
して図7のルーチンが起動され、ステップS401で噴射タ
イミングタイマの計時がスタートして噴射開始タイミン
グTMSTARTに達すると、図8に示すルーチンが割込み起
動し、ステップS501で燃料噴射対象気筒の噴射タイマが
スタートする。そして、この噴射タイマの計時が終了す
るまでの間、該当気筒のインジェクタ14に燃料噴射パ
ルス幅Tiの駆動信号が出力され、燃料噴射パルス幅Ti
に相応する量の燃料が噴射される(図13に示すよう
に、該当気筒に対し2回転当たり1回のシーケンシャル
噴射)。
【0056】以上の各ルーチンによる燃料噴射制御に並
行して図3の燃料性状検出ルーチンが設定時間毎に実行
される。
【0057】この燃料性状検出ルーチンでは、燃料性状
検出条件を満足するとき、以上の燃料噴射量設定ルーチ
ンにより燃料噴射終了時期を設定値ずつ漸次遅角させ、
エンジン回転数変動量が判定値に達したときの燃料噴射
終了時期の遅角累計値(前述の噴射終了時期遅角加算値
θDE)に基づき、燃料性状を検出する。
【0058】この燃料性状検出条件は、空燃比フィード
バック(F/B)条件成立中で、且つ、エンジン運転状
態が定常状態にある条件であり、このため、まず、ステ
ップS301では、F/B条件が成立中か否かを調べる。例
えば、冷却水温Tw が所定値以下でエンジン回転数NE
が設定回転数以上のとき、あるいは、基本燃料噴射量T
Pが設定値以上(スロットル略全開領域)のときには、
F/B条件不成立と判別し、これ以外のとき、且つ、O
2センサ30の出力電圧が設定値以上でO2センサ30が
活性化しているとき、F/B条件成立中と判別する。
【0059】そして、上記ステップS301でF/B条件不
成立と判別したときには、上記ステップS301からステッ
プS304へ進み、運転領域が同一である継続時間をカウン
トするためのカウント値C1をクリアすると(C1←
0)、ステップS308で燃料重質度判定フラグFFUTをク
リアして(FFUT←0)ルーチンを抜け、F/B条件成
立中と判別したとき、上記ステップS301からステップS3
02へ進んで、エンジン負荷としての基本燃料噴射パルス
幅Tpとエンジン回転数NEとから特定される現在の運転
領域データNEW(Tp,NE)が前回のルーチン実行時に
特定され、且つ、RAM43にストアされている運転領
域データOLD(Tp,NE)と同一であるか否かを調べ
る。
【0060】そして、前回の運転領域データOLD(T
p,NE)と今回の運転領域データNEW(Tp,NE)とが異
なるとき、すなわち、ルーチンの実行が初回の実行であ
るとき、あるいは、前回ルーチン実行時の運転領域と今
回ルーチン実行時の運転領域とが同一でないときには、
上記ステップS302からステップS303へ進み、今回の運転
領域データNEW(Tp,NE)を旧運転領域データOLD
(Tp,NE)として(OLD(Tp,NE)←NEW(Tp,N
E))RAM43にストアすると、前述のステップS304,S
308を経てルーチンを抜ける。
【0061】一方、上記ステップS302で前回の運転領域
データOLD(Tp,NE)と今回の運転領域データNEW
(Tp,NE)とが同一のときには、上記ステップS302から
ステップS305へ進んで燃料重質度判定フラグFFUTを参
照し、FFUT=0で燃料重質度判定中でないとき、ステ
ップS306へ進んでカウント値C1が設定値CS1以上か否
かを調べる。
【0062】上記ステップS306において、C1<CS1の
ときには、ステップS307へ進んでカウント値C1をカウ
ントアップした(C1←C1+1)後、前述のステップ
S308を経てルーチンを抜け、C1≧CS1のとき、すなわ
ち、F/B条件成立中で、且つ、前回と今回の運転領域
が同一である状態が設定時間以上継続してエンジン運転
状態が定常状態であるときには、燃料性状検出条件が満
足されたと判断し、上記ステップS306からステップS309
へ進む。
【0063】ステップS309では、カウント値C1をクリ
アし(C1←0)、ステップS310で、現在のエンジン回
転数NEを、燃料重質度検出のため燃料噴射終了時期を
強制的に遅角する直前のエンジン回転数NE1としてRA
M43の所定アドレスにストアすると(NE1←NE)、
ステップS311で燃料重質度判定フラグFFUTをセットし
て(FFUT←1)ルーチンを抜ける。
【0064】そして、燃料性状検出条件が満足された状
態でルーチンが繰り返され、ステップS305へ至ると、F
FUT=1のため、ステップS305からステップS312へ進
み、エンジン回転数NE、基本燃料噴射パルス幅Tp、冷
却水温TWに基づく関数f(NE,Tp,TW)により、燃料重
質度を判定するための判定値NESをエンジン運転状態に
応じて設定する(NES←f(NE,Tp,TW))。
【0065】上記判定値NESは、冷却水温によって代表
されるエンジン温度が低い程、軽質ガソリンであっても
気化し難いため、大きな値に設定され、エンジン回転数
が高い程、重質度に拘わらず噴射燃料の気化時間が短く
なり、また、基本燃料噴射パルス幅Tpが大きいほど噴
射燃料量が増し、相対的に気化率が低下するため、大き
な値に設定される。尚、簡易的には、若干判定精度が低
下するものの、上記判定値NESを固定値(一定値)とし
ても良い。
【0066】続くステップS313では、噴射終了時期を強
制的に遅角する直前のエンジン回転数NE1と最新のエン
ジン回転数NEとの差によって表されるエンジン回転数
変動量(NE1−NE)が上記ステップS312で設定した判
定値NES以上か否かを調べ、NES>NE1−NEのときに
はルーチンを抜け、NES≦NE1−NEのとき、ステップS
314へ進んで噴射終了時期遅角加算値θDEを読出すと、
ステップS315で噴射終了時期遅角加算値θDEに基づきテ
ーブル参照等によって燃料重質度FUTを検出し、バッ
クアップRAM44にストア(既にストアされていると
きは更新)する。そして、ステップS316で燃料重質度判
定フラグFFUTをクリアして(FFUT←0)ルーチンを抜
ける。
【0067】上記燃料重質度FUTは、重質と軽質の中
間値を0として、+側に大の値である程、重質であるこ
とを表し、−側に小の値である程、軽質であることを表
すもので、ステップS315中に図示するように、噴射終了
時期遅角加算値θDEが小さい程、+側に大の値(重質度
大)となっている。すなわち、燃料が重質である程、揮
発性が悪いため、燃料噴射終了時期を遅角化すると、イ
ンジェクタ14からの噴射燃料が液状のまま吸気ポート
壁面を流れて筒内に入る割合が増し、少しの遅角によっ
てもエンジン回転数が一時的に変動する。このため、燃
料噴射終了時期の遅角量を漸次的に増し、エンジン回転
数変動量が判定値以上になったときの噴射終了時期遅角
加算値θDEが小さい程、燃料の重質度が大きいことがわ
かる。
【0068】以上の燃料性状検出ルーチンで検出された
燃料重質度FUTは、バックアップRAM44に学習値
としてストアされ、再始動時にもガソリンの重質度に応
じた最適な空燃比に制御することができるが、新たな燃
料が補給された場合、バックアップRAM44にストア
されている燃料重質度FUTの記憶値が有効か否かを判
断する必要がある。
【0069】このため、図2の燃料性状補正ルーチンが
設定時間毎に実行されて燃料残量がチェックされ、燃料
補給がなされたと判断したときには、ガソリン性状とし
ての燃料重質度FUTを初期化するようにしている。
【0070】この燃料性状補正ルーチンでは、まず、ス
テップS601で、車速センサ52の出力信号とニュートラ
ルスイッチ53の出力信号とに基づき、現在、停車状態
か否かを判断する。この停車状態の判断は、自動変速機
搭載車では、シフト位置がNレンジあるいはPレンジに
あり、且つ、車速VSPがVSP=0のとき、停車状態
と判断し、マニュアル変速機搭載車では、シフト位置が
ニュートラルでVSP=0のとき、停車状態と判断す
る。
【0071】そして、上記ステップS601において、停車
状態でないと判断したときにはルーチンを抜け、停車状
態のとき、上記ステップS601からステップS602へ進んで
バックアップRAM44の所定アドレスにストアされて
いる前回の燃料残存量FLOLDを読出し、ステップS603
で、燃料残量センサ35の出力信号に基づいて今回の燃
料残量FLNEWを検出する。
【0072】尚、上記ステップS601における停車状態の
判断は、走行中の燃料タンク18内の燃料レベル変動に
よる影響を避けて上記燃料残量センサ35による燃料残
量検出精度を上げるための処理であり、簡易的には省略
しても良い。
【0073】次に、上記ステップS603からステップS604
へ進み、今回の燃料残量FLNEWと前回の燃料残量FLOLD
との差から燃料残存量の変化量ΔFLを算出すると(Δ
FL←FLNEW−FLOLD)、ステップS605で、この変化量
ΔFLが設定値FLS以上か否かを調べ、ΔFL<FLSのと
きには、ステップS607へジャンプして今回の燃料残量F
LNEWを旧データFLOLDとしてバックアップRAM44に
ストアし(FLOLD←FLNEW)、ルーチンを抜ける。
【0074】一方、上記ステップS605でΔFL≧FLSの
ときには、燃料が補給されて燃料残存量が増加したた
め、バックアップRAM44にストアされている燃料重
質度FUTの記憶値が有効でなくなったと判断し、ステ
ップS606へ進んでバックアップRAM44の燃料重質度
FUTを初期値FUTINI(例えば、重質と軽質の中間
値;FUTINI=0)で初期化し、前述のステップS607
を経てルーチンを抜ける。
【0075】これにより、燃料性状の影響が最も大きい
エンジン始動時や始動直後に、不適切な燃料性状の学習
値を用いて空燃比が悪化することを未然に防止すること
ができ、常に適正な空燃比制御を可能とすることができ
る。
【0076】図14は本発明の実施の第2形態に係わ
り、燃料性状補正ルーチンのフローチャートである。
【0077】本形態は、前述の第1形態における燃料性
状補正ルーチン(図2参照)を変更し、燃料補給により
燃料残存量が増加したとき、あるいは、修理等のために
燃料タンク18内の燃料を底部のドレインプラグ等から
抜いて一旦空にし、修理完了後、新たな燃料を入れた場
合のように、燃料残存量が減少して燃料が入れ替えられ
た可能性のあるときに、燃料残存量の変化に応じてガソ
リン性状としての燃料重質度FUTを補正するものであ
り、ECU40、及び、ECU40に接続されるセンサ
類・アクチュエータ類により、請求項2記載の発明に係
る燃料残存量検出手段、燃料性状補正値設定手段、及
び、燃料性状補正手段の機能を実現するようになってい
る。
【0078】本形態の燃料性状補正ルーチンは、図14
のフローチャートに示され、前述の第1形態の燃料性状
補正ルーチンと同様、設定時間毎に実行される。このル
ーチンでは、ステップS701で、前回の燃料残存量FLOLD
を読出すと、ステップS702で燃料残量センサ35の出力
信号に基づいて今回の燃料残存量FLNEWを検出し、ステ
ップS703で今回の燃料残量FLNEWと前回の燃料残量FLO
LDとの差から燃料残存量の変化量ΔFLを算出する(Δ
FL←FLNEW−FLOLD)。
【0079】次いで、ステップS704へ進み、上記変化量
ΔFLが設定値FLS以上か否かを調べ、ΔFL<FLSのと
きには、さらに、ステップS705で、上記変化量ΔFLが
規定値FLL以下か否かを調べ、ΔFL>FLLのときに
は、ステップS713へジャンプして今回の燃料残量FLNEW
を旧データFLOLDとしてバックアップRAM44にスト
アし(FLOLD←FLNEW)、ルーチンを抜ける。
【0080】一方、上記ステップS704においてΔFL≧
FLSであり、燃料残存量が設定値以上増加したとき、あ
るいは、上記ステップS705において、ΔFL≦FLLであ
り、燃料残存量が規定値以上減少して燃料が入れ替えら
れた可能性のあるときには、バックアップRAM44に
ストアされている燃料重質度FUTの記憶値が有効でな
くなったと判断し、上記ステップS704あるいは上記ステ
ップS705からステップS706へ進み、変化量ΔFLの絶対
値|ΔFL|に基づき補正値KFUを設定する。この補正
値KFUは、ステップS706中に図示するように、燃料残存
量の変化量が大きい程、大きい値となっている。
【0081】その後、ステップS707へ進んでバックアッ
プRAM44にストアされている燃料重質度FUTの値
を調べる。そして、FUT=0のときには、上記ステッ
プS707から前述のステップS713を経てルーチンを抜け、
FUT>0、すなわち、重質であるときには、上記ステ
ップS707からステップS708へ進んでバックアップRAM
44の燃料重質度FUTを補正値KFU分だけ軽質側に補
正し(FUT←FUT−KFU)、ステップS709へ進む。
【0082】ステップS709では、補正後の燃料重質度F
UTが0より小さくなったか否かを調べ、FUT≧0の
ときには、前述のステップS713を経てルーチンを抜け、
補正によりFUT<0となったとき、補正オーバーを防
止するためステップS712へ進んで燃料重質度FUTを初
期値0に戻し(FUT←0)、前述のステップS713を経
てルーチンを抜ける。
【0083】また、上記ステップS707においてFUT<
0すなわち軽質であるときには、上記ステップS707から
ステップS710へ進んでバックアップRAM44の燃料重
質度FUTを補正値KFU分だけ重質側に補正し(FUT
←FUT+KFU)、ステップS711で補正後の燃料重質度
FUTが0以上となったか否かを調べる。
【0084】その結果、上記ステップS711においてFU
T<0のときには、前述のステップS713を経てルーチン
を抜け、FUT≧0のとき、同様に補正オーバーを防止
するため、ステップS712で燃料重質度FUTを初期値0
に戻し(FUT←0)、前述のステップS713を経てルー
チンを抜ける。
【0085】すなわち、燃料残存量の変化量が大きい
程、補正値を増加し、燃料性状を表す燃料重質度を中間
値(初期値)に近づけることで、制御性を向上するよう
にしている。
【0086】本形態においても、前述の第1形態と同
様、不適切な燃料性状の学習値を用いることによる空燃
比の悪化を未然に防止することができるが、本形態で
は、燃料性状が変化して現在の学習値が有効でなくなっ
たとき、学習値を初期値に近づけるよう補正するため、
過去の燃料性状の学習値をより有効に使用することがで
きる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、燃
料補給や燃料入れ替え等により燃料性状が変化し、現在
の燃料性状の学習値が有効でなくなった場合にも、不適
切な燃料性状の学習値を用いることによる空燃比の悪化
を未然に防止することができ、常に適正な空燃比制御を
可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】本発明の実施の第1形態に係わり、燃料性状補
正ルーチンのフローチャート
【図3】同上、燃料性状検出ルーチンのフローチャート
【図4】同上、気筒判別・エンジン回転数算出ルーチン
のフローチャート
【図5】同上、燃料噴射量設定ルーチンのフローチャー
ト(その1)
【図6】同上、燃料噴射量設定ルーチンのフローチャー
ト(その2)
【図7】同上、θ3クランクパルス入力同期ルーチンの
フローチャート
【図8】同上、TMSTART割込みルーチンのフローチャー
【図9】同上、エンジン制御系の概略構成図
【図10】同上、クランクロータとクランク角センサの
正面図
【図11】同上、カムロータとカム角センサの正面図
【図12】同上、電子制御系の回路構成図
【図13】同上、燃料噴射のタイミングチャート
【図14】本発明の実施の第2形態に係わり、燃料性状
補正ルーチンのフローチャート
【符号の説明】
1 …エンジン 18 …燃料タンク 40 …ECU(燃料残存量検出手段、燃料性
状補正値設定手段、燃料性状補正手段) FLNEW,FLOLD …燃料残存量 FLS …設定値 FLL …規定値 KFU …補正値 FUTINI …初期値 FUT …燃料重質度(燃料性状の学習値)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内に貯留された燃料の燃料性
    状を検出し、検出した燃料性状を学習値として記憶する
    燃料性状検出装置において、 上記燃料タンク内の燃料残存量を検出する燃料残存量検
    出手段と、 上記燃料残存量検出手段で検出した現在の燃料残存量と
    過去の燃料残存量との差が設定値以上のとき、上記燃料
    性状の学習値を初期値にリセットする燃料性状補正手段
    とを備えたことを特徴とする燃料性状検出装置。
  2. 【請求項2】 燃料タンク内に貯留された燃料の燃料性
    状を検出し、検出した燃料性状を学習値として記憶する
    燃料性状検出装置において、 上記燃料タンク内の燃料残存量を検出する燃料残存量検
    出手段と、 上記燃料残存量検出手段で検出した現在の燃料残存量と
    過去の燃料残存量との差が設定値以上あるいは規定値以
    下のとき、上記差に基づき燃料性状の補正値を設定する
    燃料性状補正値設定手段と、 上記燃料性状補正値設定手段で設定した補正値に基づき
    上記燃料性状の学習値を初期値に近づけるよう補正する
    燃料性状補正手段とを備えたことを特徴とする燃料性状
    検出装置。
JP14038496A 1996-06-03 1996-06-03 燃料性状検出装置 Pending JPH09324693A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14038496A JPH09324693A (ja) 1996-06-03 1996-06-03 燃料性状検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14038496A JPH09324693A (ja) 1996-06-03 1996-06-03 燃料性状検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09324693A true JPH09324693A (ja) 1997-12-16

Family

ID=15267568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14038496A Pending JPH09324693A (ja) 1996-06-03 1996-06-03 燃料性状検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09324693A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008026567A1 (fr) 2006-08-28 2008-03-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Contrôleur de moteur à combustion interne
JP2008082245A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toyota Motor Corp 圧縮着火式内燃機関の燃料セタン価判別システム
JP2009074514A (ja) * 2007-09-25 2009-04-09 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
WO2010125688A1 (ja) * 2009-05-01 2010-11-04 トヨタ自動車株式会社 燃料性状判別装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008026567A1 (fr) 2006-08-28 2008-03-06 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Contrôleur de moteur à combustion interne
US8640681B2 (en) 2006-08-28 2014-02-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control apparatus for internal combustion engine
JP2008082245A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toyota Motor Corp 圧縮着火式内燃機関の燃料セタン価判別システム
JP2009074514A (ja) * 2007-09-25 2009-04-09 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
WO2010125688A1 (ja) * 2009-05-01 2010-11-04 トヨタ自動車株式会社 燃料性状判別装置
JP4978736B2 (ja) * 2009-05-01 2012-07-18 トヨタ自動車株式会社 燃料性状判別装置
US8646320B2 (en) 2009-05-01 2014-02-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel property determining apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009024677A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH09158774A (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
JPH0388945A (ja) エンジンのノッキング検出方法
JPH05195858A (ja) 多気筒内燃機関の失火検出装置
JP2715207B2 (ja) 内燃機関の電子制御燃料供給装置
JPH10110649A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2887056B2 (ja) 内燃機関の燃料性状判定装置
JP2003286890A (ja) エンジンの制御装置
JPH04159432A (ja) 電子制御燃料噴射装置
WO2007023890A1 (ja) ディーゼル内燃機関の制御装置
JPH0751926B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JPH09324693A (ja) 燃料性状検出装置
JPH0627516B2 (ja) エンジンの制御装置
JPH09324676A (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP3478163B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3859789B2 (ja) エンジンの失火診断装置
JPH06200833A (ja) 排気ガス再循環装置の異常判定装置
JPH10148154A (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP3892188B2 (ja) 内燃機関の燃料制御異常判定禁止方法
JP3036351B2 (ja) 内燃機関の回転変動検出方法
JP2917194B2 (ja) 内燃機関の電子制御燃料供給装置
JPH09209818A (ja) エンジンの燃料性状検出装置及び燃料噴射制御装置
JP2543762B2 (ja) 内燃機関の燃料供給制御装置
JP2828117B2 (ja) エンジンのアイドル制御装置
JPH07279739A (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050301

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060130

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060228

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02